JPH08301807A - エーテル化多価アルコールの製造方法 - Google Patents

エーテル化多価アルコールの製造方法

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JPH08301807A
JPH08301807A JP11283995A JP11283995A JPH08301807A JP H08301807 A JPH08301807 A JP H08301807A JP 11283995 A JP11283995 A JP 11283995A JP 11283995 A JP11283995 A JP 11283995A JP H08301807 A JPH08301807 A JP H08301807A
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JP
Japan
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polyhydric alcohol
fatty acid
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group
hydroxyl groups
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JP11283995A
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English (en)
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Katsumi Kita
克己 喜多
Naomichi Hashizume
直道 橋爪
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 多価アルコール脂肪酸エステル(1)とアルキ
ルハライド(2)を反応させてエーテル化多価アルコール
脂肪酸エステル(3)となし、次いでこれを加水分解して
エーテル化多価アルコール(4)を製造方法する方法。 【化1】 〔G:-OHを3個以上有する多価アルコールの全ての-OH
のHを除いた残基,B:H又はC1〜11のアシル基,
R:C1〜36のアルキル基又はアルケニル基,X:ハロ
ゲン原子,z:Gが有していた-OH数,x+y=z,X
≧1,Y≧1,z個のB:少なくとも1つずつのH及び
アシル基を含む,y個のB:少なくとも1つがアシル
基〕 【効果】 効率良く所望のエーテル化度のエーテル化多
価アルコールを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料等の基剤、乳化
剤、潤滑剤、油剤等として有用なエーテル化多価アルコ
ールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エーテ
ル化多価アルコールは、香粧品や化粧品の基剤、乳化
剤、潤滑剤、油剤等として有用な化合物である。
【0003】上記エーテル化多価アルコールは、従来、
アルキルハライドと多価アルコールを触媒存在下反応さ
せることにより製造されている。このため、エーテル化
多価アルコールは、アルキルハライドが1モル反応した
1モル付加体、2モル反応した2モル付加体等、エーテ
ル化度の異なった各種エーテル化多価アルコールの混合
物として得られる。しかし、かかるエーテル化度(付加
モル数)の差により化合物の特性が異なるため、用途に
応じてそれぞれ均質なエーテル化度を有するエーテル化
多価アルコールを用いるのが望ましい。例えば、化粧料
成分としては1モル付加体が好ましく、かかる1モル付
加体含量の高いものを得るには、アルキルハライドに対
する多価アルコールの過剰率を上げる必要があり、この
ため生産性が低くならざるを得ないという問題があっ
た。
【0004】従って、効率的で生産性を向上させ得るエ
ーテル化多価アルコールの製造方法の開発が望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、原料として多価アル
コール脂肪酸エステルを用い、これにアルキルハライド
を反応させると、所望のエーテル化度のものの含量の高
いエーテル化多価アルコール脂肪酸エステルを効率良く
製造することができ、これを加水分解することにより、
効率良く目的とするエーテル化多価アルコールを製造で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明の製造方法は、次の反応式で表され
る。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、Gはヒドロキシル基を3個以上有
する多価アルコールにおけるすべてのヒドロキシル基の
水素原子を除いた残基を示し、Bは水素原子又は炭素数
1〜11のアシル基を示し、Rは炭素数1〜36の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはハロ
ゲン原子を示し、zはGにおける多価アルコールのヒド
ロキシル基の数を示し、x及びyはその和がzとなるそ
れぞれ1以上の数を示す。z個のBには少なくとも1個
ずつの水素原子及びアシル基が含まれ、x個のRは同一
でも異なってもよく、y個のBは同一でも異なってもよ
く少なくとも1つがアシル基である。〕
【0009】すなわち本発明は、多価アルコール脂肪酸
エステル(1)とアルキルハライド(2)を反応させてエーテ
ル化多価アルコール脂肪酸エステル(3)となし、次いで
これを加水分解することを特徴とするエーテル化多価ア
ルコール(4)の製造方法に係るものである。
【0010】本発明で用いられる多価アルコール脂肪酸
エステル(1)は、従来公知の方法で合成される。例えば
ヒドロキシル基を3個以上有する多価アルコールと、脂
肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸クロライド、脂肪酸無水
物等とを、無溶媒下又はトルエン、キシレン等の溶媒
中、無触媒下又はp-トルエンスルホン酸、硫酸、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸
ナトリウム等の触媒、好ましくは酢酸ナトリウムの存在
下、100〜200℃で反応させることにより、多価アルコー
ル脂肪酸エステル(1)が得られる。また、多価アルコー
ル脂肪酸エステルと多価アルコールをエステル交換させ
ることによっても多価アルコール脂肪酸エステル(1)が
得られる。
【0011】本反応に用いられるヒドロキシル基を3個
以上有する多価アルコールとしては、例えばペンタエリ
スリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトー
ル、グリコシド類、グリセリン、下記の一般式
【0012】
【化4】
【0013】(式中、aは2〜20の数を示す。)で表さ
れるポリグリセリン、エリスリトール、イノシトール、
キシリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエ
リスリトール、ヘプチトール、オクチトール、1,2,3,4-
ペンタンテトロール、1,3,4,5-ヘキサンテトロール、ソ
ルビタン、マンニタン、ラフィノース、ゲンチアノー
ス、キシロース、ガラクトース、マンノース、マルトー
ス、ソルビオース、マルトトリオース、マルトテトラオ
ース、マルトペンタオース、α-シクロデキストリン、
β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ショ
糖、フルクトフラノース、フルクトピラノース、グルコ
ピラノース、これらのアルキレンオキシド付加体等が挙
げられる。
【0014】これらのうち、グリコシド類としては、例
えば(a)グルコース、ガラクトース、フルクトース、マ
ンノース、キシロース等の単糖類、マルトース、イソマ
ルトース、乳糖、ショ糖等の二糖類、あるいはセルロー
ス、デンプン、アミロース等の多糖類と、(b)メタノー
ル、エタノール、プロパノール、オクタノール、デシル
アルコール、ドデシルアルコール、オレイルアルコー
ル、2-エチルヘキサノール等のアルコール類又はエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エ
リスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類と
を、酸触媒の存在下に反応せしめる公知の手段により得
られたものを挙げることができる。具体的には、メチル
グルコシド、エチルグルコシド、プロピルグルコシド、
オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ドデシルグル
コシド、オレイルグルコシド、2-エチルヘキシルグルコ
シド、メチルマルトシド、エチルマルトシド等のアルキ
ルグリコシド類;2-ヒドロキシプロピルグルコシド、2,
3-ジヒドロキシプロピルグルコシド、2-ヒドロキシエチ
ルグルコシド等のヒドロキシアルキルグリコシド類;メ
トキシエチルグルコシド、エトキシエチルグルコシド等
のアルキルエーテルグリコシド類;マルチトール、ラク
チトール等の還元末端が還元されたオリゴ糖類などを挙
げることができる。
【0015】また、ポリグリセリンは、ジグリセリン、
トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン
等に代表されるような、グリセリンを公知の方法により
縮合して得られるポリグリセリンである。本発明に使用
されるポリグリセリンは、グリセリンの平均縮合度aが
2〜20のポリグリセリンであるが、縮合度の高いポリグ
リセリンを使用した場合、親水性が高くなりすぎて十分
な性能が得られない場合があるため、好ましくはaが2
〜10、さらに好ましくはaが2〜4であるポリグリセリ
ンを使用することが望ましい。
【0016】また、これらの多価アルコールのアルキレ
ンオキシド付加体を、ヒドロキシル基を3個以上有する
多価アルコールとして使用する場合、アルキレンオキシ
ドの炭素数は2〜4が好ましく、その水酸基当りの平均
付加モル数は1〜10モルが好ましい。
【0017】これらの多価アルコールのうち、好ましい
ものとしてペンタエリスリトール、ソルビトール、グリ
セリン、ポリグリセリン及びこれらのアルキレンオキシ
ド付加体、さらに好ましいものとしてペンタエリスリト
ール、グリセリン及びa=2〜4のポリグリセリン、特
に好ましいものとしてペンタエリスリトールが挙げられ
る。ヒドロキシル基を3個以上有する多価アルコール
は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0018】さらに、本発明で用いられる多価アルコー
ル中には、目的物に対応する多価アルコール以外の不純
物が含まれる場合があるが、実用上問題がなければ不純
物を含んだまま使用してもよく、製品の性能、品質等の
向上が必要な場合には、従来公知の精製法で精製して使
用することができる。
【0019】例えば、ペンタエリスリトール中には、ペ
ンタエリスリトールが縮合したジペンタエリスリトール
やトリペンタエリスリトールが含まれている場合があ
り、また、ソルビトールやマンニトール中には、少量の
グルコース等の還元糖が含まれている場合があり、この
まま使用するとこれら不純物の脂肪酸エステルが少量副
生するが、必要に応じて晶析操作などにより精製してか
ら使用することができる。
【0020】これらの多価アルコールと反応させる脂肪
酸、脂肪酸エステル、脂肪酸クロライド、脂肪酸無水物
等としては、脂肪酸部分が炭素数1〜11のものであれば
いずれも用いることができるが、加水分解後の後処理の
しやすさから、炭素数2〜4のもの、特に酢酸が好まし
い。また、エステル交換による場合に多価アルコールと
反応させる多価アルコール脂肪酸エステルとしては、上
記のように多価アルコールと脂肪酸等を反応させて得ら
れたものを用いることができる。
【0021】以上のようにして得られる多価アルコール
脂肪酸エステル(1)は、多価アルコール、多価アルコー
ルに脂肪酸が1モル付加したモノエステル体、2モル付
加したジエステル体等の各種エステル体の混合物として
得られるが、かかる混合物をそのまま反応に用いても通
常支障はない。しかし、特に高純度品が必要な場合は、
クロマトグラフィー等による精製を行い、単離すればよ
い。
【0022】ここで、ペンタエリスリトールモノアセテ
ートを製造する場合の反応を例示すれば以下の通りであ
る。すなわち、下記反応式Aに従って、ペンタエリスリ
トールに対し1〜3モル倍の酢酸を無溶媒下、又はトル
エン、キシレン等の溶媒中、必要により酢酸ナトリウム
等の触媒存在下、還流温度で反応させるか、又は下記反
応式Bに従って、ペンタエリスリトールに対し0.1〜2
モル倍のペンタエリスリトールテトラアセテートを無溶
媒下、又はトルエン、キシレン等の溶媒中、必要により
酢酸ナトリウム等の触媒存在下、還流温度で反応させる
ことによりペンタエリスリトールモノアセテートを主体
とする混合物が得られる。
【0023】
【化5】
【0024】本発明で用いられるアルキルハライド(2)
は、Rが直鎖のものと分岐鎖のもののいずれでもよい
が、Rが分岐鎖のものがより好ましく、特に好ましいも
のとして、次の一般式(イ)又は(ロ)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、p及びqは、その和が13〜33とな
るそれぞれ0〜33の整数を示し、r及びsは、その和が
11〜31となるそれぞれ0〜31の整数を示す。)で表され
る基が挙げられ、更に一般式(イ)で表される基が好まし
い。
【0027】好ましいRの具体例としては、ブチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、メチルペンタデシル基、メチルヘキサデ
シル基、メチルヘプタデシル基(イソステアリル基)、
メチルオクタデシル基、メチルベヘニル基、エチルヘキ
サデシル基、エチルオクタデシル基、エチルベヘニル
基、ブチルドデシル基、ブチルヘキサデシル基、ブチル
オクタデシル基、ヘキシルデシル基、ヘプチルウンデシ
ル基、オクチルドデシル基、デシルドデシル基、デシル
テトラデシル基、ドデシルヘキサデシル基、テトラデシ
ルオクタデシル基等が挙げられる。
【0028】本発明で用いられる多価アルコール脂肪酸
エステル(1)とアルキルハライド(2)との反応モル比は、
目的とするエーテル化多価アルコール(4)のエーテル化
度によって適宜選択することができる。例えば、1モル
付加体含量の高いものを得る場合、1.0:1.0〜5.0:1.0
の比率で多価アルコール脂肪酸エステル(1)を過剰とす
るのが好ましく、1モル付加体の生成量及び多価アルコ
ール脂肪酸エステル(1)の回収を考慮すれば、1.2:1.0
〜3.0:1.0の比率とするのが好ましい。また、2モル付
加体含量の高いものを得る場合は0.4:1.0〜1.0:1.0の
比率でアルキルハライド(2)を過剰とするのが好まし
く、2モル付加体の生成量を考慮すれば、0.5:1.0〜0.
7:1.0の比率とするのが特に好ましい。
【0029】反応は、無溶媒で行うことができるが、原
料の混合を助ける目的で有機溶媒を使用することもでき
る。かかる有機溶媒としては、ヘキサン、トルエン、キ
シレン、クロロホルム、2-メチル-2-プロパノール、シ
クロヘキサン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチル
ピロリドン等が挙げられ、多価アルコール脂肪酸エステ
ル(1)に対して0.1〜10.0倍量用いるのが好ましい。
【0030】また、エーテル化反応は塩基の存在下に行
われ、かかる塩基としては特に限定されないが、反応性
及び経済性の点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、te
rt-ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム等が好ましく、特に水素化ナトリ
ウムが好ましい。これらの塩基は、アルキルハライド
(2)に対して0.5〜10倍モル、特に1〜3倍モルの範囲で
用いるのが好ましい。
【0031】反応は、50〜250℃、好ましくは80〜200℃
で行われる。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く、
250℃を超えると生成物が着色してしまうので好ましく
ない。
【0032】なお、本反応において、反応系中に水分が
存在するとアルキルハライド(2)が水と反応してアルカ
ノール等が副生するので、多価アルコール脂肪酸エステ
ル(1)を加熱溶解させるか、又は有機溶媒に多価アルコ
ール脂肪酸エステル(1)を溶解又は分散させた後、加熱
して乾燥窒素ガスを吹き込んだり、減圧下で加熱脱水し
たりして水分を除去してから、アルキルハライド(2)と
塩基を加えて反応させるのが好ましい。
【0033】かくして得られたエーテル化多価アルコー
ル脂肪酸エステル(3)を加水分解することにより、エー
テル化多価アルコール(4)が得られる。
【0034】加水分解は、通常無溶媒で行われるが、反
応の進行を助けるため溶媒を用いてもよい。溶媒として
は特に限定されないが、メタノール、エタノール、1-プ
ロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノ
ール、2-メチル-2-プロパノール、イソブタノール、ヘ
プタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘキ
サン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、ジイソプ
ロピルケトン等が好ましいものとして挙げられ、その使
用量はアルキルハライド(3)に対して0.1〜10倍重量、特
に0.5〜3倍重量が好ましい。
【0035】また、加水分解は酸触媒又は塩基触媒を用
いて行われるが、塩基触媒を用いると脱離した脂肪酸に
よるエーテル化多価アルコール(4)の再エステル化が抑
制できるため、塩基触媒を用いるのが好ましい。用いら
れる塩基としては特に限定されないが、反応性及び経済
性の点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好
ましいものとして挙げられる。塩基はエステル残基に対
して等量以上用いればよく、1.0〜2.0倍モル用いるのが
好ましい。またこれら塩基は水溶液として用いてもよ
い。
【0036】反応温度は、0〜100℃、特に20〜80℃と
するのが好ましい。
【0037】反応終了後、塩基触媒を使用して反応を行
った場合には、例えば酢酸、クエン酸、乳酸等の有機酸
又は硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸を加えて過剰の塩基
を中和するか、又は水洗により過剰の塩基を除去した
後、反応に用いた有機溶媒を除去することによりエーテ
ル化多価アルコール(4)が得られる。有機溶媒は、反応
生成物の熱分解を避けるため、減圧下、130℃以下の温
度で除去するのが好ましい。
【0038】かくして得られたエーテル化多価アルコー
ル(4)は、モノエーテル体、ジエーテル体等の混合物で
あるが、実用上問題なければさらに精製することなく化
粧料成分として用いることができる。また、性能の向上
等を目的として、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー、溶媒抽出等の公知の精製方法により精製して用いる
こともできる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
以下の参考例及び実施例におけるガスクロマトグラフィ
ーは、島津社製GC-14Aにより、充填剤としてSilicon SE
1%(φ2.6mm×0.5m)を用いて行った。
【0040】参考例1 ペンタエリスリトールモノア
セテートの合成 ペンタエリスリトール408g(3mole)、ペンタエリス
リトールテトラアセテート309g(1mole)及び酢酸ナ
トリウム0.4gを2リットルの4つ口フラスコに入れ、
窒素雰囲気下170℃で2時間攪拌しながら反応させ、ペ
ンタエリスリトールモノアセテート混合物717gを得
た。この混合物の組成をガスクロマトグラフィーにより
分析した結果を表1に示す。
【0041】参考例2 ペンタエリスリトールモノア
セテートの合成 ペンタエリスリトール544g(4mole)及び酢酸360g
(6mole)を2リットルの4つ口フラスコに入れ、3時
間還流させた。その後、減圧下、酢酸を留去させ、ペン
タエリスリトールモノアセテート混合物664gを得た。
この混合物の組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、参考例1及び参考例2のいずれ
の方法によっても同一組成のものが得られることがわか
る。
【0044】参考例3 ペンタエリスリトールジアセ
テートの合成 ペンタエリスリトール136g(1mole)、ペンタエリス
リトールテトラアセテート304g(1mole)及び酢酸ナ
トリウム0.4gを1リットルの4つ口フラスコに入れ、
窒素雰囲気下170℃で2時間攪拌しながら反応させ、ペ
ンタエリスリトールジアセテート混合物440gを得た。
この混合物の組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例1 参考例2で得られたペンタエリスリトールモノアセテー
ト混合物709gと水素化ナトリウム58gを3リットルの
4つ口フラスコに入れ、170℃に加熱して溶解させた。
その後、乾燥窒素ガスを吹き込み、イソステアリルブロ
マイド664gを30分かけ滴下した後、170℃で6時間攪拌
しながら反応させた。反応終了後、n-ブタノール1000g
を加え、1時間攪拌した後、16%水酸化ナトリウム水溶
液1800gを加え70℃で1時間加水分解を行った。分層
後、有機層を0.5%ボウ硝水1600gで洗浄し、有機層か
らn-ブタノールを留去してイソステアリルエーテル化ペ
ンタエリスリトール652gを得た。このものの組成をガ
スクロマトグラフィーにより分析した結果を表3に示
す。
【0047】実施例2 参考例3で得られたペンタエリスリトールジアセテート
混合物45gと水素化ナトリウム3.2gを200mlの4つ口フ
ラスコに入れ、130℃に加熱して溶解させた。その後、
乾燥窒素ガスを吹き込み、イソステアリルブロマイド33
gを30分かけ滴下した後、130℃で6時間攪拌しながら
反応させた。反応終了後、n-ブタノール50gを加え、1
時間攪拌した後、16%水酸化ナトリウム水溶液200gを
加え70℃で1時間加水分解を行った。分層後、有機層を
0.5%ボウ硝水200gで洗浄し、有機層からn-ブタノール
を留去してイソステアリルエーテル化ペンタエリスリト
ール31gを得た。このものの組成をガスクロマトグラフ
ィーにより分析した結果を表3に示す。
【0048】実施例3 参考例3で得られたペンタエリスリトールジアセテート
混合物41gと水素化ナトリウム3.6gを200mlの4つ口フ
ラスコに入れ、170℃に加熱して溶解させた。その後、
乾燥窒素ガスを吹き込み、イソステアリルクロライド30
gを30分かけ滴下した後、170℃で6時間攪拌しながら
反応させた。反応終了後、n-ブタノール56gを加え、1
時間攪拌した後、16%水酸化ナトリウム水溶液200gを
加え70℃で1時間加水分解を行った。分層後、有機層を
0.5%ボウ硝水200gで洗浄し、有機層からn-ブタノール
を留去してイソステアリルエーテル化ペンタエリスリト
ール37gを得た。このものの組成をガスクロマトグラフ
ィーにより分析した結果を表3に示す。
【0049】比較例1 ペンタエリスリトール1085g及びジメチルスルホキシド
3007gを5リットルの4つ口フラスコに入れ、70℃に加
熱して溶解させた。その後、減圧下、水及びジメチルス
ルホキシドの混合物約120gを留出させ、反応系中の水
分を除去した。次に乾燥窒素を吹き込み、水素化ナトリ
ウム55gを加え、70℃に昇温した後、イソステアリルブ
ロマイド666gを2時間かけ滴下した後、70℃で3時間
攪拌しながら反応させた。反応終了後、室温で反応液に
イソプロピルアルコール100gを加えて1時間攪拌した
後、硫酸で反応液を中和した。次に、減圧下、80℃でジ
メチルスルホキシド及びイソプロピルアルコールを完全
に留去し、残留物に99%エタノールを加えて析出した未
反応のペンタエリスリトールをろ別した。得られたろ液
から減圧下でエタノールを留去した後、残留物に酢酸エ
チル1000ml及び水1000mlを加えて抽出操作を行った。分
層後、有機層から酢酸エチルを留去して、イソステアリ
ルエーテル化ペンタエリスリトール644gを得た。この
ものの組成をガスクロマトグラフィーにより分析した結
果を表3に示す。
【0050】比較例2 ペンタエリスリトール使用量を540gとする以外は比較
例1と同様にして、イソステアリルエーテル化ペンタエ
リスリトール605gを得た。このものの組成をガスクロ
マトグラフィーにより分析した結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】実施例4 ペンタエリスリトールの代わりにグリセリン4モルを用
いる以外は参考例2と同様にして得たグリセリンモノア
セテート混合物53.6gと水素化ナトリウム5gを200ml
の4つ口フラスコに入れ、130℃に加熱して溶解させ
た。その後、乾燥窒素ガスを吹き込み、オクチルブロマ
イド36gを2時間かけ滴下した後、130℃で4時間攪拌
しながら反応させた。反応終了後、室温でイソプロピル
アルコール10gを加え、1時間攪拌した後、ヘキサン10
0gと16%水酸化ナトリウム水溶液110gを加え70℃で1
時間加水分解を行った。分層後、有機層を0.5%ボウ硝
水160gで洗浄し、有機層からヘキサンを留去してオク
チルエーテル化グリセリン45gを得た。このものの組成
をガスクロマトグラフィーにより分析した結果を表4に
示す。
【0053】比較例3 グリセリン63gを2リットルの4つ口フラスコに入れ、
110℃に加熱して乾燥窒素を吹き込み脱水した。室温ま
で冷却した後、水素化ナトリウム4.0g及びオクチルブ
ロマイド27gを2時間かけ滴下した後、110℃で5時間
攪拌しながら反応させた。反応終了後、室温で反応液に
イソプロピルアルコール10gを加えて1時間攪拌した。
次に、減圧下、グリセリンを完全に留去し、残留物に酢
酸エチル300ml及び水1000mlを加えて抽出操作を行っ
た。分層後、有機層から酢酸エチルを留去して、オクチ
ルエーテル化グリセリン32.8gを得た。このものの組成
をガスクロマトグラフィーにより分析した結果を表4に
示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、従来の製造
方法に比べ、例えばアルキルハライドに対する多価アル
コールの過剰率を低くしてもアルキルハライドの1モル
付加体の含量を高めることができるなど、エーテル化多
価アルコールの効率的な製造が可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) G(B)z (1) (式中、Gはヒドロキシル基を3個以上有する多価アル
    コールにおけるすべてのヒドロキシル基の水素原子を除
    いた残基を示し、Bはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
    11のアシル基を示し、zはGにおける多価アルコールの
    ヒドロキシル基の数を示す。z個のBには、少なくとも
    1個ずつの水素原子及びアシル基が含まれる。)で表さ
    れる多価アルコール脂肪酸エステルと、次の一般式(2) RX (2) 〔式中、Rは炭素数1〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル
    基又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示
    す。〕で表される化合物を、塩基の存在下に反応させて
    次の一般式(3) G(R)x(B)y (3) 〔式中、G、R及びBは前記と同じ意味を示し、x個の
    Rは同一でも異なってもよく、y個のBは同一でも異な
    ってもよく少なくとも1つがアシル基である。x及びy
    はその和がzとなるそれぞれ1以上の数を示す。〕で表
    されるエーテル化多価アルコール脂肪酸エステルとな
    し、次いでこれを加水分解することを特徴とする次の一
    般式(4) G(R)xy (4) (式中、G、R、x及びyは前記と同じ意味を示す。)
    で表されるエーテル化多価アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)及び(3)中のBが水素原子又は
    炭素数2〜4のアシル基である請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)、(3)及び(4)中のGが、ペン
    タエリスリトール、ソルビトール、グリセリン及び次の
    一般式 【化1】 (式中、aは2〜20の数を示す。)で表されるポリグリ
    セリン並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物から
    選ばれる多価アルコールのすべてのヒドロキシル基から
    水素原子を除いた残基である請求項1又は2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2)中のXが、臭素原子又は塩素
    原子である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(2)において、Rが次の一般式
    (イ)又は(ロ) 【化2】 (式中、p及びqは、その和が13〜33となるそれぞれ0
    〜33の整数を示し、r及びsは、その和が11〜31となる
    それぞれ0〜31の整数を示す。)で表されるアルキル基
    である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009164350A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Nitto Denko Corp 配線回路基板の製造方法

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