JPH08301687A - 棒状多結晶シリコンの溶解方法及びその装置 - Google Patents

棒状多結晶シリコンの溶解方法及びその装置

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JPH08301687A
JPH08301687A JP14380295A JP14380295A JPH08301687A JP H08301687 A JPH08301687 A JP H08301687A JP 14380295 A JP14380295 A JP 14380295A JP 14380295 A JP14380295 A JP 14380295A JP H08301687 A JPH08301687 A JP H08301687A
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泰三 宮本
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輝彦 内山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リチャージの際の坩堝内への棒状原料の供給引
き上げを自動的に、且つ正確に行うことができ、常に一
定レベルの溶融液を得ることができる棒状多結晶シリコ
ンの溶解方法及びその装置を提供する。 【構成】昇降軸6の上端にリチャージ時の棒状原料4の
溶解に伴って起こる重量変化をアナログ電圧に変換して
出力するロードセル重量測定器7を取付けると共に、出
力されたアナログ電圧値を取り込み「液面接触判定」・
「漬け込み量判定」・「溶解終了判定」を行う溶解重量
判断器8を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶シリコンの引き
上げを行うための坩堝内の溶融液中に棒状多結晶シリコ
ンを自動的に供給する方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】チョクラルスキー法(CZ法)によって
シリコン単結晶を成長させる場合、単結晶の引き上げの
前工程として、坩堝内にシリコン多結晶からなる塊粒状
原料を入れてこれを溶解し、所定レベルのシリコン溶融
液を得る必要があるが、単結晶シリコンを引上げた後、
連続的に引上げを行うためには溶融液レベルに不足が生
じる。このため、単結晶を引上げた後、不足分を多結晶
シリコンの棒状原料を上方から吊り下げつつ坩堝内の溶
融液中に浸漬し、これを溶解させて所定レベルの溶融液
を得た後(以下、リチャージという)、次の単結晶シリ
コンの引き上げを行う方法が採られている。従来、この
リチャージの際の坩堝内への棒状原料の供給は、予め定
めた寸法だけ自動的にシリコン溶融液内に浸漬して溶解
させ、所定時間経過後の着液又は離液状態を作業者が監
視し判定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法にあたっては、棒状原料に直径のバラツキがあるた
め、自ずと溶かし込み重量にもバラツキが生じるという
欠点があり、また作業者によって溶解終了時間の判定に
誤差があるため、常に、一定レベルの溶融液を得ること
は困難であった。このため特公平6−17279号に記
載されているように、シリコン溶融液と棒状多結晶シリ
コンとの間に印加した電圧の変化を検知して、棒状多結
晶シリコンとシリコン溶融液との接離を判定する方法が
提案されているものの、溶融量は溶かし込んだ長さ(寸
法)により決定されるため上述の問題を解消しているも
のではなかった。本発明は、従来技術の前記問題点に鑑
み、リチャージの際の坩堝内への棒状原料の供給引き上
げを自動的に、且つ正確に行うことができ、常に一定レ
ベルの溶融液を得ることができる棒状多結晶シリコンの
溶解方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、チ
ョクラルスキー法(CZ法)により単結晶シリコンを引
き上げる前工程として、坩堝内のシリコン溶融液中にそ
の上方から棒状多結晶シリコンを下降供給して溶解させ
る方法において、前記棒状多結晶シリコンのシリコン溶
融液中への溶込みによる重量の変化を検知し、予め定め
た値と比較して棒状多結晶シリコンのシリコン溶融液へ
の液面接触・付け込み量・溶解終了の各判定を行い棒状
多結晶シリコンを自動的に昇降させるようにした。
【0005】
【作用】棒状多結晶シリコンの溶解量を重量変化を測定
することにより判断するようにしたので、棒状多結晶シ
リコンの直径のバラツキに起因する溶解量のバラツキを
阻止できる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係るCZ引き上げ装置の模式図、
図2(イ)〜(ヘ)は棒状原料の溶解過程を示す説明
図、図3は溶解過程時のロードセルアナログ電圧変化を
示すグラフ、図4(i)〜(vi)は単結晶シリコン製
造過程の説明図である。
【0007】図1中、1はチャンバー、2は坩堝、3は
ヒーターを一示している。チャンバー1内の下部中央に
は坩堝2が支持軸2aにて回転並びに昇降可能に支持さ
れ、また、その外周にヒーター3が同心状に配設されて
いる。チャンバー1の上部壁中央には単結晶の引き上げ
及び棒状原料4の挿入、引き上げを行う際の保護筒5が
設けられておりその上端は天板にて閉鎖されている。
【0008】保護筒5内にはその上端の天板を通して昇
降軸6が吊設され、この昇降軸6の下端には多結晶シリ
コンの棒状原料4が吊り下げられ、昇降軸6の昇降操作
によってチャンバー1内で棒状原料4を昇降移動できる
ようにされている。昇降軸6の上端にはリチャージ時の
棒状原料4の溶解に伴って起こる重量変化をアナログ電
圧に変換して出力するロードセル重量測定器7が取付け
られると共に、出力されたアナログ電圧値を取り込み
「液面接触判定」・「漬け込み量判定」・「溶解終了判
定」を行う溶解重量判断器8が設けられている。この溶
解重量判断器8は棒状原料4の供給、引き上げ全般を制
御する制御回路(図示せず)を備えており、昇降軸6の
昇降用モーターMの駆動制御を行う。
【0009】次に棒状多結晶シリコンの溶解過程及びそ
の際にロードセル重量測定器7に係る負荷(重量)変化
を順に追って説明する。図4に示すように、チョクラル
スキー法(CZ法)によってシリコン単結晶を成長させ
る場合、単結晶の引き上げの前工程として、まず、坩堝
2内にシリコン多結晶からなる塊粒状原料を入れてこれ
を溶解し(i)、所定レベルのシリコン溶融液4aを得
る(ii)。次いで、1本目のシリコン単結晶10の引
き上げを行う(iii)。1本目の単結晶シリコン10
を引上げた後、減少した分の溶融液4aを補うため多結
晶シリコンの棒状原料4を上方から吊り下げつつ坩堝2
内の溶融液4a中に浸漬して溶解させて所定レベルにま
で回復させた後(iv)〜(vi)、再度、単結晶シリ
コン10の引き上げを行うサイクルを反復する。
【0010】まず、棒状原料4について溶融すべき重
量、溶融液レベル等のデータを制御回路に入力し棒状原
料の装入回数等を算出しておく。制御回路から棒状原料
4の下降指示信号が出力されると、モータMが駆動して
昇降軸6が下降し、棒状原料4が保護筒5内を下降し、
坩堝2上の所定位置に達すると、CPUから制御盤を通
じて昇降軸6の駆動モータMに下降制御信号が出力さ
れ、これと同時に制御盤内のタイマーカウンターが動作
する。
【0011】図2に示すように、棒状原料4が溶融液4
aに浸漬される前の状態(イ)においては、ロードセル
重量測定器7に係る負荷fは棒状原料4のみの重量W
(g)、すなわちf=Wとなる。棒状原料4の下
端が溶融液面に着液するとメニスカス9が形成され、こ
のメニスカス9による重量増加が起こる。この重量増加
分をWmenI(g)とすると、この時、すなわち棒状
原料4の液面接触時(ロ)にロードセル重量測定器7に
係る負荷fはf=W+WmenIとなる。以下、
同様に浸漬時(ハ)の負荷fは浮力Fを差し引いた負
荷f=W−F、溶解中(ニ)は漸次変化する溶解量
xを差し引いた負荷f=W−x、溶解終了時(ホ)
には溶解された重量分Wを差し引き、再度形成される
メニスカスによる重量増加分WmenIを加え、更に素
材下端と液面との空隙dの体積に相当する質量分Wdを
差引いた負荷f=W−W+WmenI−Wd、液
面と棒状原料4の下端との離反時(ヘ)の負荷はf
−(W+Wd)となる。ロードセル重量測定器7
は、これらの負荷(重量)変化をアナログ電圧に変換し
て出力する。図3はこのアナログ電圧変化を表すグラフ
である。
【0012】本実施例に係る自動供給過程を、図1乃至
図3を参照して詳述する。 (1)まず、昇降軸6を早送りで段階的に下降させて棒
状原料4のプレヒートを行う。次いで、遅送りに切り替
え漸次下降させて行く。棒状原料4の下端が溶融液面に
接触するとメニスカス形成による重量増加が起こるた
め、これを検出して下降を一旦停止する。すなわち、溶
解開始前の棒状原料4の重量をW(g)、メニスカス
形成による重量増加分をC(g)とすると、次式(数式
1)が成立する位置まで棒状原料4を下降させればよい
(液面接触判定)。
【0013】
【数1】 但し、Wはロードセル重量測定値(g)
【0014】(2)次いで、早送り下降を開始し、数秒
後(例えば1〜9秒後)に一旦停止し、遅送りに切り替
え漸次下降させて行く、そして坩堝2内で棒状原料4の
溶解を行う。その際、次式(数式2及び数式3)で表さ
れる浮力Fによる重量減少量を加味して所望する溶解重
量W(g)を測定して下降を停止する(漬け込み量判
定)と共に、溶解区間の中間点の判定を行う(溶解区間
の平均重量を計算し最大値WL(g)を導く)。
【0015】
【数2】 但し、ρは溶融液の密度(g/cm)、ρは棒状
原料の密度(g/cm)である。すなわち、
【0016】
【数3】 但し、hは単位溶解重量(g/分)、kは溶解重量補正
値(g)である。
【0017】(3)棒状原料4の溶解が進行し次式(数
式4)が成立した時点で棒状原料4の浸漬部分が溶解し
たことが判定できる。
【0018】
【数4】 但し、Wはロードセル重量測定値(g)
【0019】(4)最終的な溶解終了は、棒状原料4と
溶融液4aの接触面に再度形成されるメニスカス9の離
反による重量減少量(WLからメニスカス形成による重
量増加分Cを減じた量)を測定し、次式(数式5)で判
定する。
【0020】
【数5】 但し、iは判定範囲補正値(g)である。
【0021】(5)溶解終了判定後、昇降軸6を早送り
で上昇させて棒状原料4を引き上げる。ここで、早送り
上昇開始n秒後(例えば1〜100秒後)に一旦停止さ
せ、更にQ秒間(例えば0〜10秒間)置いてロードセ
ル重量を検出し、溶け残りの有無を判定する。万一、溶
け残り有りと判定された場合、再度早送り下降でもとの
位置に戻し、溶け残り分を再度溶解する。その溶解終了
は、液面下の部分の浮力が無くなり重量が増加すること
により判定できる。
【0022】実行上は、上述の過程を複数回反復して所
望の溶融液レベルを得る。すなわち、1単位の溶融が完
了して、図2(ヘ)に示す如く棒状原料4の下端が溶融
液面から離隔し、離液状態と判定されると再び昇降軸6
の昇降駆動モーターMを駆動して、再度、棒状原料4を
所定速度で下降し、前述した(1)〜(5)のサイクル
を反復する。
【0023】棒状原料4について予め定めた重量だけ溶
解されると、昇降軸6を上昇させて残留棒状原料4をチ
ャンバー1内から保護筒6内に引上げ、棒状原料4を取
りだしシード材を取付け、次のシリコン単結晶の引き上
げを行う。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明では、棒状原料の
溶解量を重量変化により判定するようにしたので、正確
な溶解量を得ることができる。その結果、坩堝内への棒
状原料の供給引き上げを自動的に、且つ正確に行うこと
ができ、常に一定レベルの溶融液を得ることができると
いう優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCZ引き上げ装置の模式図であ
る。
【図2】(イ)〜(ヘ)は棒状原料の溶解過程を示す説
明図である。
【図3】溶解過程時のロードセルアナログ電圧変化を示
すグラフである。
【図4】(i)〜(vi)は単結晶シリコン製造過程の
説明図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 坩堝 2a 支持軸 3 ヒーター 4 棒状原料(シリコン多結晶) 4a 溶融液 5 保護筒 6 昇降軸 7 ロードセル重量測定器 8 溶解重量判断器 9 メニスカス 10 単結晶シリコン M モーター(昇降用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 政利 長崎県大村市雄ヶ原1324番地2 コマツ電 子金属株式会社長崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チョクラルスキー法(CZ法)により単結
    晶シリコンを引き上げる前工程として、坩堝内のシリコ
    ン溶融液中にその上方から棒状多結晶シリコンを下降供
    給して溶解させる方法において、 前記棒状多結晶シリコンのシリコン溶融液中への溶込み
    による重量の変化を検知し、予め定めた値と比較して棒
    状多結晶シリコンのシリコン溶融液への液面接触・付け
    込み量・溶解終了の各判定を行い棒状多結晶シリコンを
    自動的に昇降させることを特徴とする棒状多結晶シリコ
    ンの溶解方法。
  2. 【請求項2】チャンバー内で棒状原料を昇降移動できる
    ようにされた昇降軸にリチャージ時の棒状原料の溶解に
    伴って起こる重量変化をアナログ電圧に変換して出力す
    るロードセル重量測定器が取付けられると共に、出力さ
    れたアナログ電圧値を取り込み、液面接触判定・漬け込
    み量判定・溶解終了判定を行い前記昇降軸の昇降移動を
    制御する溶解重量判断器が設けられていることを特徴と
    する棒状多結晶シリコンの溶解装置。
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