JP4138970B2 - 結晶体の製造装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶体の製造装置および方法に関し、特に、結晶体が成長した長さの正確な検出と、所望の形状および品質を有する結晶体の製造に有効な結晶体の製造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶シリコンを製造する技術の一つとして、CZ(CzochralskiMethod)法が従来から知られている。このCZ法は、ルツボ内にチャージされたシリコン融液にシードを浸漬し、該シードをワイヤーで引き上げながら該シードの下に単結晶シリコンを成長させる技術である。
【0003】
単結晶シリコンの形状や品質は、近年の半導体技術の進歩に伴って、多様化している。例えば、単結晶シリコンの直径は、代表的なもので、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチが製造されている。また、不純物のゲッタリングを目的とした高酸素濃度の単結晶シリコンや酸素濃度の低い高純度の単結晶シリコンが製造されている。
【0004】
上記のような多彩な結晶体の形状および品質は、結晶体の引き上げ条件によって決まるため、従来から、様々な引き上げ条件が考えられている。
【0005】
例えば、炉内の熱環境が理想的であると仮定した場合、長手方向に一定の直径を有する結晶体は、該結晶体の品質に応じて決定された速度で引き上げることによって製造される。また、長手方向に一定の酸素濃度を有する結晶体は、ルツボ内のシリコン融液の残量に応じて、ルツボの回転速度を変化させることによって製造される。
【0006】
これらの引き上げ条件は、結晶体が成長した長さに応じて制御する必要があるため、従来は、ワイヤーを巻き取るワイヤードラムの回転量に基づいて、結晶体が成長した長さを算出し、該算出した長さに基づいて、各種引き上げ条件を決定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、結晶体を引き上げるワイヤーには、該結晶体が成長した重量に応じて伸びが生じるため、ワイヤードラムの回転量から算出した結晶体の成長長さと、実際に結晶体が成長した長さとの間に誤差が生じるという問題があった。この誤差は、結晶体の成長に応じて実行する各種制御の制御タイミングがずれる原因となり、その結果、所望の結晶体が得られないという問題が生じている。
【0008】
具体的には、以下のような問題点が報告されている:
(1)引き上げ速度が設定値からずれると、結晶欠陥のコントロールと直径制御が十分に行えない;
(2)ルツボ送り速度と引き上げ速度とのマッチングがとりにくく、液位を一定にする制御が困難である;
(3)結晶体の抵抗率が該結晶体の長手方向にずれ、結晶体から切断取得するウェハの取得率が低下する。
【0009】
そこで、本発明は、結晶体が成長した長さの正確な検出と、所望の形状および品質を有する結晶体の製造に有効な結晶体の製造装置および方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造装置において、前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶するワイヤー初期垂下長記憶手段(M10)と、前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を記憶する伸び率記憶手段(M11)と、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)を検出する結晶成長重量検出手段(M12)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)を検出するドラム回転角度検出手段(M14)と、前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長、即ち、巻き取り部伸び長(WELW)を算出する巻き取り部伸び長算出手段(M16)と、前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長、即ち、垂下部伸び長(WELS)を算出する垂下部伸び長算出手段(M18)と、前記ドラム回転角度(θ)と、前記巻き取り部伸び長(WELW)と、前記垂下部伸び長(WELS)とを用いて、前記結晶体(18)が成長した長さ、即ち、結晶成長長さ(GL)を算出する結晶成長長さ算出手段(M20)とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ドラム回転角度検出手段(M14)は、
ここで:θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;t[n]=接点nの時間;t[n−1]=接点n−1の時間;ω(t)=ワイヤードラムの回転角速度;
上式を実行し、前記巻き取り部伸び長算出手段(M16)は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;
GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
ここで:WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;上式を実行し、前記垂下部伸び長算出手段(M18)は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;上式を実行し、前記結晶成長長さ算出手段(M20)は、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;上式を実行することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記結晶体(18)の成長界面における直径、即ち、結晶成長直径(GD)を検出する結晶成長直径検出手段(M22)をさらに具備し、前記結晶成長重量検出手段(M12)は、前記結晶体(18)の比重と、前記結晶成長直径(GD)とを用いて、前記結晶成長重量(GW)を算出することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記結晶成長重量検出手段(M12)は、
ここで:GW[n]=接点nの結晶成長重量;Dcrystal=結晶体の比重;π=円周率;GL[n]=接点nの結晶成長長さ;GD=結晶成長直径;上式を実行することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記メルト(14)が変化した高さ、即ち、メルト変化高さ(ΔMP)を検出するメルト変化高さ検出手段をさらに具備し、前記結晶成長長さ算出手段(M20)は、前記メルト変化高さ(ΔMP)をさらに用いて、前記結晶成長長さ(GL)を算出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記結晶成長長さ算出手段(M20)は、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;ΔMP[n]=接点nのメルト変化高さ;上式を実行することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造装置において、前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶するワイヤー初期垂下長記憶手段(M10)と、前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を記憶する伸び率記憶手段(M11)と、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)を検出する結晶成長重量検出手段(M12)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)を検出するドラム回転角度検出手段(M14)と、前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長の変化量、即ち、巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)を算出する巻き取り部伸び長変化量算出手段(M26)と、前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長の変化量、即ち、垂下部伸び長変化量(ΔWELS)を算出する垂下部伸び長変化量算出手段(M28)と、前記巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)と、前記垂下部伸び長変化量(ΔWELS)とを用いて、前記シードを上昇させる速度の操作量を算出するシード上昇速度操作量算出手段(M30)とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記ドラム回転角度検出手段(M14)は、
ここで:θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;t[n]=接点nの時間;t[n−1]=接点n−1の時間;ω(t)=ワイヤードラムの回転角速度;
上式を実行し、前記巻き取り部伸び長変化量算出手段(M26)は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;上式を実行し、前記垂下部伸び長変化量算出手段(M28)は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
ここで:ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;WELS[n−1]=接点n−1の垂下部伸び長;上式を実行し、前記シード上昇速度操作量算出手段(M30)は、
ここで:SLC[n]=接点nのシード上昇速度操作量;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;Δt[i−1]=区間i−1内の時間;上式を実行することを特徴とする。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造方法において、前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を予め記憶しておき、前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶し、前記シード(12)を上昇させながら、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)とを検出し、前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長、即ち、巻き取り部伸び長(WELW)を算出し、前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長、即ち、垂下部伸び長(WELS)を算出し、前記ドラム回転角度(θ)と、前記巻き取り部伸び長(WELW)と、前記垂下部伸び長(WELS)とを用いて、前記結晶体(18)が成長した長さ、即ち、結晶成長長さ(GL)を算出することを特徴とする。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造方法において、前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を予め記憶しておき、前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶し、前記シードを上昇させながら、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)とを検出し、前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長の変化量、即ち、巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)を算出し、前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長の変化量、即ち、垂下部伸び長変化量(ΔWELS)を算出し、前記巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)と、前記垂下部伸び長変化量(ΔWELS)とを用いて、前記シードを上昇させる速度の操作量を算出することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(発明の概要)
上記課題を解決する本発明の特徴は、結晶成長重量GWと、ワイヤー10の伸び率εと、ドラム回転角度θを利用して、ワイヤー10が伸びた量を算出し、該算出した値を考慮して結晶成長長さGL(図1参照)またはシード上昇速度操作量SLC(図8参照)を算出することにある。これにより、結晶体18が成長した長さが正確に得られ、所望の形状および品質を有する結晶体を製造することができる。
【0022】
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、結晶体が成長した長さの検出に関する発明である。
結晶体を引き上げるワイヤーの伸びは、該ワイヤーにかかる荷重、即ち、結晶体が成長した重量(以下、「結晶成長重量GW」という)と、該ワイヤーの伸び率εに応じて発生する。従って、ワイヤーにかかる荷重は、結晶体の成長に伴って刻々と変化することになる。そこで、本発明者は、まず、結晶成長重量GWを検出し、該検出した値を用いて、ワイヤーの伸びを随時算出する構成を検討した。このような構成により、時間とともに変化するワイヤーの伸び量を正確に捉えることができる。
さらに、本発明者は、同じワイヤーであっても、ワイヤードラムに巻き取られた部分(以下、「巻き取り部」という)と、ワイヤードラムから垂下した部分(以下、「垂下部」という)とでは、伸び量に差があることに着目した。即ち、垂下部には、結晶成長重量GWが直接かかるため、垂下部の伸びは、該結晶成長重量に対応したものとなる反面、巻き取り部には、結晶体の重量が直接かからないため、巻き取り部の伸びは、巻き取り時の結晶成長重量GWに応じて伸びた量の積算値に対応したものとなる。
そこで、本発明者は、垂下部と巻き取り部の長さ変化と、これらにかかる荷重変化を時間軸上で捉えて、巻き取り部と垂下部の伸び量を各々求め、該求めた伸び量を用いて、ワイヤードラムの回転量を補正する構成を想到した。
本発明の第1の形態は、上記観点から構成された発明であり、ワイヤーの伸びを正確に求める技術を提供する。
【0023】
図1は、本発明の第1の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。以下、同図に基づいて、本発明の第1の形態の構成を説明する。
【0024】
結晶体18は、本発明によって製造される目的物であり、単結晶シリコンやその他、引き上げによって製造される各種結晶体が該当する。
【0025】
メルト14は、結晶体18の原料を溶融させた原料融液であり、例えば、単結晶シリコンを製造する場合には、多結晶シリコンを溶融して生成する。このメルト14は、例えば、黒鉛るつぼの内側に石英るつぼを積層して構成されたルツボ20に収容される。
【0026】
シード12は、結晶体18の種となる結晶であり、結晶体18を成長させる際には、このシード12をメルト14の表面に浸漬し、該浸漬したシード12を静かに回転させながら上方に引き上げるいわゆるネッキングによって無転位化した後、所定の引き上げ条件で引き上げることによって、該シード12の下に結晶体18を成長させる。結晶体18は、シード12がメルト14に触れた際に、メルト14が該シード12を通して熱を失い、その結果、シード12の下にメルト14が凝固して成長する。このとき、結晶体18は、シード12の結晶方位に従って成長する。このシード12は、シードチャック22を介してワイヤー10に固定され、ワイヤードラム16の巻き取り動作によって上昇する。
【0027】
ワイヤー初期垂下長記憶手段M10は、前記シード12を浸漬したときに、前記ワイヤー10が前記ワイヤードラム16から垂下した長さ(以下、「ワイヤー初期垂下長WIL」という)を記憶し、該記憶した値を垂下部伸び長算出手段M18に出力する。ワイヤー初期垂下長は、結晶体18の成長を開始する前に予め測定しておくことが好ましい。
【0028】
伸び率記憶手段M11は、ワイヤー10の伸び率εを記憶し、該記憶した内容を巻き取り部伸び長算出手段M16と、垂下部伸び長算出手段M18に出力する。ワイヤー10の伸び率εは、ワイヤーにかかる荷重の関数として記憶しておくことが好ましい。
【0029】
図2は、ワイヤー10の伸び率εを測定する方法の一例を示す概念図である。同図に示す伸び率εの測定は、以下の手順で実行する:
(1)シードチャック22と同一の重量を有する荷重治具24をワイヤー10の下端に固定し、該荷重治具24の先端を水平面に接触させる。このとき、ワイヤー10は、垂直状態となる;
(2)荷重治具24の先端が水平面に接触した状態での垂下部の長さWL(0)を、例えば、ワイヤードラム16の回転量を検出するカウンタを用いて測定する;
(3)荷重治具24を一旦引き上げて、該荷重治具24に荷重26を載置し、再び、荷重治具24の先端を水平面に接触させる;
(4)荷重治具24の先端が水平面に接触した状態での垂下部の長さWL(W)を測定する;
(5)荷重26を適当な間隔(例えば50kgごと500kgまで)で変化させながら、該各荷重26に対応する垂下部の長さWL(W)を測定する;
(6)下式を実行し、前記各荷重26ごとの伸び率ε(W)を算出する;
ここで:WL(0)=荷重治具24のみで測定した垂下部の長さ;WL(W)=Wキログラムの荷重26を載置したときの垂下部の長さ;W=荷重26の重量;
(7)上式を実行した得られた値をXY平面上にプロットしてグラフを作成し、該グラフの近似曲線を求める。
【0030】
図3は、図2に示す方法によって測定した伸び率の測定結果を示すグラフである。各荷重ごとに算出した伸び率をXY平面上にプロットすると、同図のようになり、このプロットしたデータを曲線または直線で近似すれば、伸び率の算出に使用できる関数が得られる。
【0031】
図1に示す結晶成長重量検出手段M12は、結晶成長重量GWを検出し、該検出した値を巻き取り部伸び長算出手段M16と、垂下部伸び長算出手段M18に出力する。結晶成長重量GWの検出は、重量センサを用いた公知技術を用いて行えばよい。この結晶成長重量検出手段M12が検出した値は、ワイヤー10の伸びの算出に使用される。好ましくは、シード12およびシードチャック22の重量を該結晶成長重量GWに加算した値をワイヤー10の伸びの算出に使用する。
【0032】
ドラム回転角度検出手段M14は、ワイヤードラム16が回転した角度(以下、「ドラム回転角度θ」という)を検出し、該検出した値を巻き取り部伸び長算出手段M16と、垂下部伸び長算出手段M18と、結晶成長長さ算出手段M20に出力する。ドラム回転角度θの検出は、ワイヤードラム16の回転速度に応じたパルスを発生するロータリーエンコーダと、該ロータリーエンコーダが発生したパルスを計数するカウンタと用いて行えばよい。ドラム回転角度θの検出動作を式で表すと以下のようになる:
ここで:θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;t[n]=接点nの時間;t[n−1]=接点n−1の時間;ω(t)=ワイヤードラムの回転角速度;図4は、演算タイミングの基準となる接点と区間との関係を示す概念図である。同図に示すように、接点nは、時間tの経過とともに、接点0、接点1、・・・、接点n−1、接点n、接点n+1、・・・と変化し、時間軸上の演算タイミングを示す。一方、区間i−1は、接点n−1と接点nとの間隔を示し、接点と同様に、時間tの経過とともにカウントさせる。接点および区間がカウントされる間隔は、所望の演算タイミング(例えば、1秒、60秒等)に設定する。
【0033】
図5は、ドラム回転角度θの概念を示す概念図である。同図に示すように、ドラム回転角度θは、区間i−1の間にワイヤードラム16が回転した角度として定義する。ここで、巻き取り部と垂下部の定義について説明する。
【0034】
図6は、ワイヤー10の巻き取り構造を示す側面図である。同図に示すように、ワイヤードラム16は、トラバース角φでワイヤー10を巻き取り、シード12を上昇させる。このような巻取り構造においては、ワイヤードラム16とワイヤー10との接点が巻き取り部と垂下部との境界となる。ここで、rWは、巻き取り部のワイヤー半径であり、通常、巻き取り時に締め付けられるため、垂下部の半径よりも小さくなる。この値は、実測して求める。
【0035】
巻き取り部伸び長算出手段M16は、伸び率εと、結晶成長重量GWと、ドラム回転角度θとを用いて、ワイヤー10がワイヤードラム16に巻き取られた部分の伸び長(以下、「巻き取り部伸び長WELW」という)を算出し、該算出した値を結晶成長長さ算出手段M20に出力する。巻き取り部伸び長WELWの算出は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;
GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
ここで:WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;
上式を実行して行えばよい。
【0036】
垂下部伸び長算出手段M18は、伸び率εと、ワイヤー初期垂下長WILと、結晶成長重量GWと、ドラム回転角度θとを用いて、ワイヤー10がワイヤードラム16から垂下した部分の伸び長(以下、「垂下部伸び長WELS」という)を算出し、該算出した値を結晶成長長さ算出手段M20に出力する。垂下部伸び長WELSの算出は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
上式を実行して行えばよい。
【0037】
結晶成長長さ算出手段M20は、ドラム回転角度θと、巻き取り部伸び長WELWと、垂下部伸び長WELSとを用いて、結晶体18が成長した長さ(以下、「結晶成長長さGL」という)を算出する。該算出された結晶成長長さGLは、引き上げ条件を決定する際に使用される。結晶成長長さGLの算出は、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;
上式を実行して行えばよい。
【0038】
ここで、メルト14の液位が一定でなく、変化する場合には、液位センサを用いて液位を検出し、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;ΔMP[n]=接点nのメルト変化高さ;
上式を実行する。
【0039】
以上説明した本発明の第1の形態に係る発明によれば、結晶体を引き上げるワイヤーの伸びが巻き取り部と垂下部とに分けて算出されるため、ワイヤーの伸びが正確に求まる。その結果、結晶体が実際に成長した長さを正確に知ることができ、高精度の制御が実行可能となる。
【0040】
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、結晶成長重量GWの検出に関する発明である。
前述した第1の形態では、例えば、重量センサを使用して結晶成長重量GWを検出する構成を例として説明したが、結晶成長重量GWは、結晶直径から算出することも可能である。このように、結晶直径から算出した結晶成長重量GWは、前述した第1の形態で使用することができる。
本発明の第2の形態は、上記観点から構成された発明であり、結晶直径から結晶成長重量GWを算出し、巻き取り部伸び長WELWおよび垂下部伸び長WELSを算出する技術を提供する。
【0041】
図7は、本発明の第2の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。以下、同図に基づいて、本発明の第2の形態の構成を説明する。
【0042】
結晶成長直径検出手段M22は、結晶体18の成長界面における直径(以下、「結晶成長直径GD」を検出し、該検出した値を結晶成長重量検出手段M12に出力する。結晶成長直径GDは、光学センサを用いて結晶体18の成長界面を走査すれば検出できる。
【0043】
結晶成長重量検出手段M12は、結晶体18の比重と、結晶成長直径GDとを用いて、結晶成長重量GWを算出し、該算出した値を巻き取り部伸び長算出手段M16と、垂下部伸び長算出手段M18に出力する。結晶成長重量GWの算出は、
ここで:GW[n]=接点nの結晶成長重量;Dcrystal=結晶体の比重;π=円周率;GL[n]=接点nの結晶成長長さ;GD=結晶成長直径;
上式を実行して行えばよい。
【0044】
その他の構成は、前述した第1の形態と同じである。
【0045】
以上説明した本発明の第2の形態によれば、結晶成長直径GDから結晶成長重量GWが算出されるため、光学式の装置に本発明を適用することができる。
【0046】
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、シード上昇速度の操作に関する発明である。
結晶体の製造においては、結晶体の成長速度が該結晶体の直径および品質に大きく影響する。この結晶体の成長速度は、シードを上昇させる速度に基づいて制御するのが一般的である。従って、ワイヤーに伸びが生じ、垂下部の長さが時間とともに変化すると、シード上昇速度が所望の設定値からずれてしまう。
そこで、本発明者は、前述した巻き取り部の伸びと、垂下部の伸びの時間的変化量に着目し、該変化量に基づいて、シード上昇速度を操作する構成を想到した。
【0047】
本発明の第3の形態は、上記観点から構成された発明であり、ワイヤーの伸びに応じてシード上昇速度を操作する技術を提供する。
【0048】
図8は、本発明の第3の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。以下、同図に基づいて、本発明の第3の形態の構成を説明する。
【0049】
巻き取り部伸び長変化量算出手段M26は、伸び率εと、結晶成長重量GWと、ドラム回転角度θとを用いて、ワイヤー10がワイヤードラム16に巻き取られた部分の伸び長の変化量(以下、「巻き取り部伸び長変化量ΔWELW」という)を算出し、該算出した値をシード上昇速度操作量算出手段M30に出力する。巻き取り部伸び長変化量ΔWELWの算出は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
上式を実行して行えばよい。
【0050】
垂下部伸び長変化量算出手段M28は、伸び率εと、ワイヤー初期垂下長WILと、結晶成長重量GWと、ドラム回転角度θとを用いて、ワイヤー10がワイヤードラム16から垂下した部分の伸び長の変化量(以下、「垂下部伸び長変化量ΔWELS」という)を算出し、該算出した値をシード上昇速度操作量算出手段M30に出力する。垂下部伸び長変化量ΔWELSの算出は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
ここで:ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;WELS[n−1]=接点n−1の垂下部伸び長;
上式を実行して行えばよい。
【0051】
シード上昇速度操作量算出手段M30は、巻き取り部伸び長変化量ΔWELWと、垂下部伸び長変化量ΔWELSとを用いて、シードを上昇させる速度の操作量(以下、「シード上昇速度操作量SLC」という)を算出する。シード上昇速度操作量SLCの算出は、
ここで:SLC[n]=接点nのシード上昇速度操作量;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;Δt[i−1]=区間i−1内の時間;
上式を実行して行えばよい。このシード上昇速度操作量算出手段M30が算出したシード上昇速度操作量SLCは、シード上昇速度の設定値に加算される。
【0052】
以上説明した本発明の第3の形態によれば、巻き取り部伸び長変化量ΔWELWと垂下部伸び長変化量ΔWELSに基づいて、シード上昇速度操作量SLCが算出されるため、実際にシードが上昇する速度を所望の設定値に維持することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0054】
(実施例の要約)
直径センサ56が検出した結晶成長直径GDを主制御部42に入力し、該主制御部42内に設けられた第2演算実行部46−2が該結晶成長直径GDに基づいて、結晶成長重量GWを算出する。第4演算実行部46−4および第5演算実行部46−5は、該結晶成長重量GWに基づいて、巻き取り部伸び長WELWと垂下部伸び長WELSをそれぞれ算出し、第6演算実行部46−6に出力する。第6演算実行部46−6は、該巻き取り部伸び長WELWと垂下部伸び長WELSとを用いて、結晶成長長さGLを算出する(図10参照)。
【0055】
(好適な実施例)
図9は、本発明の好適な実施例に係る結晶体製造装置の構成を示すブロック図である。以下、同図に基づいて、この結晶体製造装置の構成を説明する。尚、以下の説明において、信号名の後ろに付加した<>は、単位を示すものとする。
【0056】
ルツボ20は、黒鉛るつぼと石英るつぼの積層構造からなり、結晶体18の原料となるメルト14を収容する。このルツボ20は、ルツボシャフト30に接続されたルツボ支持台28の上に載置され、第2モーターアンプ36−2から供給された動力によって、ルツボ支持台28およびルツボシャフト30とともに昇降および回転する。
【0057】
結晶体18は、シード12の上昇とともにメルト14の表面から固化し、所定の形状および品質を有する結晶体として成長する。結晶体18の種結晶となるシード12は、シードチャック22を介してワイヤー10に固定される。シード12は、ワイヤードラム16の巻き取り作用によって上昇する。
【0058】
液位センサ54は、メルト14の上方に配設され、該メルト14の液位を検出し、該検出した値をMP<volt>信号として、主制御部42に出力する。直径センサ56も液位センサ54と同様に、メルト14の上方に配設され、結晶成長直径GDを検出し、該検出した値をGD<volt>信号として、主制御部42に出力する。
【0059】
第1モーターアンプ36−1は、主制御部42の出力SL<volt>信号を設定信号として受け取り、該設定信号に対応したモーター駆動電力SCNTを第1モーター32−1に出力して、シード12の上昇速度を制御する。この第1モーターアンプ36−1には、第1ギア34−1の回転速度が入力され、フィードバック系を構成する。
【0060】
第1モーター32−1は、第1モーターアンプ36−1の出力SCNTに応じた動力を第1ギア34−1を介してワイヤードラム16に供給し、該ワイヤードラム16を回転させる。その結果、ワイヤー10が巻き取られ、シード12が上昇する。尚、シード12を下降させる場合には、第1モーター32−1を逆回転させる。
【0061】
ロータリーエンコーダ38は、第1モーター32−1の回転速度をパルス信号に変換し、該パルス信号をパルスカウンタ40に出力する。パルスカウンタ40は、ロータリーエンコーダ38から受信したパルス信号を計数し、該計数した結果をP[i−1]信号として主制御部42に出力する。尚、シード12が下降しているときは、パルスカウンタ40の計数値がデクリメントされる。
【0062】
第2モーターアンプ36−2は、主制御部42の出力CL<volt>信号を設定信号として受け取り、該設定信号に対応したモーター駆動電力CCNTを第2モーター32−2に出力して、ルツボ20の上昇速度を制御する。この第2モーターアンプ36−2には、第2ギア34−2の回転速度が入力され、フィードバック系を構成する。
【0063】
第2モーター32−2は、第2モーターアンプ36−2の出力CCNTに応じた動力を第2ギア34−2を介して、ルツボシャフト30に供給し、該ルツボシャフト30を昇降させる。
【0064】
上述した主制御部42の構成を図10および図11に示す。以下、これらの図に基づいて、主制御部42の構成を説明する。尚、以下の説明において、本装置の演算のタイミングを明確にするため、nのタイミングで演算される信号の後ろには、[n]を付加し、nの一つ前のタイミングで演算される信号の後ろには、[n−1]を付加する。また、区間i−1に関する信号の後ろには、[i−1]を付加する。
【0065】
図10は、図9に示す主制御部42の第1ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図に基づいて、この第1ブロックの構成を説明する。
【0066】
第1アンプ44−1は、デジタル入力信号P[i−1]をP[i−1]<counts>に変換し、このP[i−1]<counts>を第1演算実行部46−1に出力する。尚、この第1アンプ44−1の後段は、ソフトウェアで構成する。
【0067】
第1演算実行部46−1は、
ここで:π=円周率;P[i−1]=パルスカウンタ40が計数した区間i−1のパルス発生数;PR=ワイヤードラム16が1回転したときに発生するパルス数PR;
上記演算を実行し、算出した区間i−1のドラム回転角度θ[i−1]<rad>を第4演算実行部46−4と、第5演算実行部46−5と、第6演算実行部46−6に出力する。
【0068】
第2アンプ44−2は、アナログ入力信号GD<volt>をGD<mm>信号に変換し、第2演算実行部46−2と、シード上昇速度決定部52と、第9演算実行部46−9に出力する。尚、この第2アンプ44−2の後段は、ソフトウェアで構成する。
【0069】
第2演算実行部46−2は、
ここで:GW[n]=接点nの結晶成長重量;Dcrystal=結晶体の比重;π=円周率;GL[n]=接点nの結晶成長長さ;GD=結晶成長直径;
上式を実行し、得られたGW[n]<g>を第4演算実行部46−4と、第5演算実行部46−5と、第1フリップフロップ48−1に出力する。
【0070】
第1フリップフロップ48−1は、図示しない発振器が生成したクロックnに同期して、GW[n]<g>をラッチし、このGW[n]<g>の1クロック前の結晶成長重量を示すGW[n−1]<g>を生成する。そして、当該生成したGW[n−1]<g>を第4演算実行部46−4に出力する。
【0071】
第4演算実行部46−4は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
上式を実行し、得られたΔWELW[i−1]<mm>を積算器50と、第8演算実行部46−8に出力する。
【0072】
積算器50は、ΔWELW[i−1]<mm>を積算し、即ち、
ここで:WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;
上式を実行し、得られたWELW[n]<mm>を第5演算実行部46−5と第6演算実行部46−6に出力する。
【0073】
第5演算実行部46−5は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
上式を実行し、得られたWELS[n]<mm>を第6演算実行部46−6と、第3フリップフロップ48−3と、第7演算実行部46−7に出力する。
【0074】
第3アンプ44−3は、アナログ入力信号MP<volt>をMP<mm>信号に変換し、第3演算実行部46−3に出力する。尚、この第3アンプ44−3の後段は、ソフトウェアで構成する。
【0075】
第3演算実行部46−3は、
ここで:ΔMP[n]=接点nのメルトの高さの変化量;MP[n]=接点nのメルト位置;MP0=シード12をメルト14に浸漬したときのメルト位置;
上式を実行し、得られたΔMP[n]<mm>を第6演算実行部46−6に出力する。
【0076】
第6演算実行部46−6は、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;ΔMP[n]=接点nのメルト変化高さ;
上式を実行し、得られたGL[n]<mm>を第2フリップフロップ48−2と、シード上昇速度決定部52に出力する。
【0077】
第2フリップフロップ48−2は、クロックnに同期して、GL[n]<mm>をラッチし、このGL[n]<mm>の1クロック前の結晶成長重量を示すGL[n−1]<mm>を生成する。そして、当該生成したGL[n−1]<mm>を第2演算実行部46−2に出力する。
【0078】
図11は、図9に示す主制御部42の第2ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図に基づいて、この第2ブロックの構成を説明する。
【0079】
第3フリップフロップ48−3は、クロックnに同期して、WELS[n]<mm>をラッチし、このWELS[n]<mm>の1クロック前の結晶成長重量を示すWELS[n−1]<mm>を生成する。そして、当該生成したWELS[n−1]<mm>を第7演算実行部46−7に出力する。
【0080】
第7演算実行部46−7は、
ここで:ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;WELS[n−1]=接点n−1の垂下部伸び長;
上式を実行し、得られたΔWELS[i−1]<mm>を第8演算実行部46−8に出力する。
【0081】
第8演算実行部46−8は、
ここで:SLC[n]=接点nのシード上昇速度操作量;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;Δt[i−1]=区間i−1内の時間;
上式を実行し、得られたSLC[n]<mm/min>を加算器58に出力する。
【0082】
シード上昇速度決定部52は、GL[n]<mm>およびGD<mm>に基づいて、シード12を上昇させる速度SL[n]<mm/min>を決定し、加算器58と第9演算実行部46−9に出力する。SL[n]<mm/min>の決定は、所望の目標値を結晶成長長さGLに対応させて予めテーブルに格納しておき、入力されたGL[n]<mm>に基づいて、該テーブルに格納した値を読み出すことにより行う。さらに、入力されたGD<mm>が所望の結晶成長直径GDからずれている場合には、この偏差をシード上昇速度の操作量としてフィードバックする。
【0083】
加算器58は、SL[n]<mm/min>にSLC[n]<mm/min>を加算し、第4アンプ44−4に出力する。
【0084】
第4アンプ44−4は、上記加算器58の出力をアナログ信号SL<volt>に変換し、図9に示す第1モーターアンプ36−1に出力する。尚、この第4アンプ44−4の後段は、ハードウェアで構成する。
【0085】
第9演算実行部46−9は、
ここで:CL=ルツボ上昇速度;Dcrystal=結晶体の比重;GD=結晶成長直径;Dmelt=メルトの比重;CI=ルツボ20の内径;SL=シード上昇速度;
上式を実行し、得られた値を第5アンプに出力する。
【0086】
第5アンプ44−5は、第9演算実行部46−9から入力された値をアナログ信号CL<volt>に変換し、図9に示す第2モーターアンプ36−2に出力する。尚、この第5アンプ44−5の後段は、ハードウェアで構成する。
【0087】
以上説明した結晶体製造装置による結晶体18の製造手順は、以下の手順で行う:
(1)ワイヤーの伸び率εおよびワイヤー初期垂下長WILを予め測定し、該測定した値を記憶する;
(2)シード上昇速度および結晶成長直径GDの目標値を設定し、該設定した値を記憶する;
(3)チャージする素材の重量を測定する;
(4)ルツボ20内に原料を投入し、該投入した原料を溶融して、ルツボ20内にメルト14をチャージする;
(5)シード12をメルト14の表面に浸漬し、ネッキングにより無転位化する;
(6)シード12を回転させながらゆっくりと引き上げ、結晶体18の育成を開始する;
(7)結晶成長直径GD、メルト位置MPおよびパルスカウンタ40の計数値P[i−1]を取りこむ;
(8)デジタル入力信号P[i−1]、アナログ入力信号GD<volt>およびMP<volt>をそれぞれ物理量P[i−1]<counts>、GD<mm>およびMP<mm>に変換する;
(9)式6および式10を実行する;
(10)式2を実行する;
(11)式4を実行する;
(12)式11を実行する;
(13)式7を実行する;
(14)式8を実行する;
(15)式9を実行する;
(17)シード上昇速度を決定する;
(18)式12を実行する;
(19)アナログ信号SL<volt>とCL<volt>を生成し、それぞれ第1モーターアンプ36−1および第2モーターアンプに出力する;
(20)SCNT<volt>信号およびCCNT<volt>信号を生成し、該各信号に基づいて、シード12およびルツボ20をそれぞれ移動させる;
(21)結晶体18の育成が終了するまで、上記(7)から(20)までの手順を繰り返す。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、結晶体が成長した長さの正確な検出と、所望の形状および品質を有する結晶体の製造に有効な結晶体の製造装置および方法を提供することができる。
【0089】
また、本発明の第1の形態に係る発明によれば、結晶体を引き上げるワイヤーの伸びが巻き取り部と垂下部とに分けて算出されるため、ワイヤーの伸びが正確に求まる。その結果、結晶体が実際に成長した長さを正確に知ることができ、高精度の制御が実行可能となる。
【0090】
また、本発明の第2の形態によれば、結晶成長直径GDから結晶成長重量GWが算出されるため、光学式の装置に本発明を適用することができる。
【0091】
また、本発明の第3の形態によれば、巻き取り部伸び長変化量ΔWELWと垂下部伸び長変化量ΔWELSに基づいて、シード上昇速度操作量SLCが算出されるため、実際にシードが上昇する速度を所望の設定値に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。
【図2】ワイヤー10の伸び率εを測定する方法の一例を示す概念図である。
【図3】図2に示す方法によって測定した伸び率の測定結果を示すグラフである。
【図4】演算タイミングの基準となる接点と区間との関係を示す概念図である。
【図5】ドラム回転角度θの概念を示す概念図である。
【図6】ワイヤー10の巻き取り構造を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。
【図8】本発明の第3の形態に係る結晶体の製造装置の構成を示す概念図である。
【図9】本発明の好適な実施例に係る結晶体製造装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す主制御部42の第1ブロックの構成を示すブロック図である。
【図11】図9に示す主制御部42の第2ブロックの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…ワイヤー、12…シード、14…メルト、16…ワイヤードラム、18…結晶体、20…ルツボ、22…シードチャック、24…荷重治具、26…荷重、28…ルツボ支持台、30…ルツボシャフト、32−1…第1モーター、32−2…第2モーター、34−1…第1ギア、34−2…第2ギア、36−1…第1モーターアンプ、36−2…第2モーターアンプ、38…ロータリーエンコーダ、40…パルスカウンタ、42…主制御部、44−1…第1アンプ、44−2…第2アンプ、44−3…第3アンプ、44−4…第4アンプ、44−5…第5アンプ、46−1…第1演算実行部、46−2…第2演算実行部、46−3…第3演算実行部、46−4…第4演算実行部、46−5…第5演算実行部、46−6…第6演算実行部、46−7…第7演算実行部、46−8…第8演算実行部、46−9…第9演算実行部、48−1…第1フリップフロップ、48−2…第2フリップフロップ、48−3…第3フリップフロップ、50…積算器、52…シード上昇速度決定部、54…液位センサ、56…直径センサ、58…加算器、M10…ワイヤー初期垂下長記憶手段、M11…伸び率記憶手段、M12…結晶成長重量検出手段、M14…ドラム回転角度検出手段、M16…巻き取り部伸び長算出手段、M18…垂下部伸び長算出手段、M20…結晶成長長さ算出手段、M22…結晶成長直径検出手段、M26…巻き取り部伸び長変化量算出手段、M28…垂下部伸び長変化量算出手段、M30…シード上昇速度操作量算出手段、GD…結晶成長直径、GL…結晶成長長さ、GW…結晶成長重量、SLC…シード上昇速度操作量、WELS…垂下部伸び長、ΔWELS…垂下部伸び長変化量、WELW…巻き取り部伸び長、ΔWELW…巻き取り部伸び長変化量、WIL…ワイヤー初期垂下長、θ…ドラム回転角度、ε…伸び率、ΔMP…メルト変化高さ
Claims (10)
- ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造装置において、
前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶するワイヤー初期垂下長記憶手段(M10)と、
前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を記憶する伸び率記憶手段(M11)と、
前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)を検出する結晶成長重量検出手段(M12)と、
前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)を検出するドラム回転角度検出手段(M14)と、
前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長、即ち、巻き取り部伸び長(WELW)を算出する巻き取り部伸び長算出手段(M16)と、
前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長、即ち、垂下部伸び長(WELS)を算出する垂下部伸び長算出手段(M18)と、
前記ドラム回転角度(θ)と、前記巻き取り部伸び長(WELW)と、前記垂下部伸び長(WELS)とを用いて、前記結晶体(18)が成長した長さ、即ち、結晶成長長さ(GL)を算出する結晶成長長さ算出手段(M20)と
を具備することを特徴とする結晶体の製造装置。 - 前記ドラム回転角度検出手段(M14)は、
ここで:θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;t[n]=接点nの時間;t[n−1]=接点n−1の時間;ω(t)=ワイヤードラムの回転角速度;
上式を実行し、
前記巻き取り部伸び長算出手段(M16)は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;
GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
ここで:WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長の変化量;
上式を実行し、
前記垂下部伸び長算出手段(M18)は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
上式を実行し、
前記結晶成長長さ算出手段(M20)は、
ここで:GL[n]=接点nの結晶成長長さ;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;
上式を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の結晶体の製造装置。 - 前記結晶体(18)の成長界面における直径、即ち、結晶成長直径(GD)を検出する結晶成長直径検出手段(M22)をさらに具備し、
前記結晶成長重量検出手段(M12)は、
前記結晶体(18)の比重と、前記結晶成長直径(GD)とを用いて、前記結晶成長重量(GW)を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の結晶体の製造装置。 - 前記メルト(14)が変化した高さ、即ち、メルト変化高さ(ΔMP)を検出するメルト変化高さ検出手段をさらに具備し、
前記結晶成長長さ算出手段(M20)は、
前記メルト変化高さ(ΔMP)をさらに用いて、前記結晶成長長さ(GL)を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の結晶体の製造装置。 - ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造装置において、
前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶するワイヤー初期垂下長記憶手段(M10)と、
前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を記憶する伸び率記憶手段(M11)と、
前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)を検出する結晶成長重量検出手段(M12)と、
前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)を検出するドラム回転角度検出手段(M14)と、
前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長の変化量、即ち、巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)を算出する巻き取り部伸び長変化量算出手段(M26)と、
前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長の変化量、即ち、垂下部伸び長変化量(ΔWELS)を算出する垂下部伸び長変化量算出手段(M28)と、
前記巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)と、前記垂下部伸び長変化量(ΔWELS)とを用いて、前記シードを上昇させる速度の操作量を算出するシード上昇速度操作量算出手段(M30)と
を具備することを特徴とする結晶体の製造装置。 - 前記ドラム回転角度検出手段(M14)は、
ここで:θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;t[n]=接点nの時間;t[n−1]=接点n−1の時間;ω(t)=ワイヤードラムの回転角速度;
上式を実行し、
前記巻き取り部伸び長変化量算出手段(M26)は、
ここで:ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[i−1]=区間i−1のドラム回転角度;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;ε(GW[n−1])=接点n−1の伸び率;GW[n−1]=接点n−1の結晶成長重量;
上式を実行し、
前記垂下部伸び長変化量算出手段(M28)は、
ここで:WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;rD=ワイヤードラムの半径;rW=ワイヤーの半径;φ=トラバース角;θ[k]=区間kのドラム回転角度;WELW[n]=接点nの巻き取り部伸び長;ε(GW[n])=接点nの伸び率;GW[n]=接点nの結晶成長重量;
ここで:ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;WELS[n]=接点nの垂下部伸び長;WELS[n−1]=接点n−1の垂下部伸び長;
上式を実行し、
前記シード上昇速度操作量算出手段(M30)は、
ここで:SLC[n]=接点nのシード上昇速度操作量;ΔWELW[i−1]=区間i−1の巻き取り部伸び長変化量;ΔWELS[i−1]=区間i−1の垂下部伸び長変化量;Δt[i−1]=区間i−1内の時間;
上式を実行する
ことを特徴とする請求項7記載の結晶体の製造装置。 - ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造方法において、
前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を予め記憶しておき、
前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶し、
前記シード(12)を上昇させながら、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)とを検出し、
前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長、即ち、巻き取り部伸び長(WELW)を算出し、
前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長、即ち、垂下部伸び長(WELS)を算出し、
前記ドラム回転角度(θ)と、前記巻き取り部伸び長(WELW)と、前記垂下部伸び長(WELS)とを用いて、前記結晶体(18)が成長した長さ、即ち、結晶成長長さ(GL)を算出する
ことを特徴とする結晶体の製造方法。 - ワイヤー(10)に接続されたシード(12)をメルト(14)に浸漬し、該ワイヤー(10)をワイヤードラム(16)で巻きとって、該シード(12)の下に結晶体(18)を成長させる結晶体の製造方法において、
前記ワイヤー(10)の伸び率(ε)を予め記憶しておき、
前記シード(12)を浸漬したときに、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した長さ、即ち、ワイヤー初期垂下長(WIL)を記憶し、
前記シードを上昇させながら、前記結晶体(18)が成長した重量、即ち、結晶成長重量(GW)と、前記ワイヤードラム(16)が回転した角度、即ち、ドラム回転角度(θ)とを検出し、
前記伸び率(ε)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)に巻き取られた部分の伸び長の変化量、即ち、巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)を算出し、
前記伸び率(ε)と、前記ワイヤー初期垂下長(WIL)と、前記結晶成長重量(GW)と、前記ドラム回転角度(θ)とを用いて、前記ワイヤー(10)が前記ワイヤードラム(16)から垂下した部分の伸び長の変化量、即ち、垂下部伸び長変化量(ΔWELS)を算出し、
前記巻き取り部伸び長変化量(ΔWELW)と、前記垂下部伸び長変化量(ΔWELS)とを用いて、前記シードを上昇させる速度の操作量を算出する
ことを特徴とする結晶体の製造方法。
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