JP3770013B2 - 単結晶引上方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CZ法(チョクラルスキー法)を用いて、ルツボに貯留された半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)等の半導体単結晶を成長する手段の一つとして、CZ法を用いた単結晶引上方法が知られている。
この単結晶引上方法は、例えば、チャンバ内部のサセプタ上に配設した石英ルツボ内に半導体融液を貯留し、該半導体融液を石英ルツボの周囲に配置した円筒状のヒータで所定温度に加熱制御して、この半導体融液から半導体単結晶を引き上げる方法である。
【0003】
この引上方法では、引き上げる半導体単結晶の直径を一定に制御するために、ヒータによる加熱量を制御する方法と、引上速度を制御する方法とが一般に用いられるが、前者の場合、加熱量変化に対する直径変化の応答性が遅く、高精度の制御が困難であるため、直径変化の応答性が早い後者が用いられる。
従来、引上速度の制御は、予め設定されている引上速度に対する実際の引上速度の比率を速度ずれ率として検出し、この速度ずれ率を一定の時間間隔で監視し、ヒータによる温度を所定の補正量で補正して速度ずれ率が小さくなるようにフィードバックを行っている(引上速度のずれを温度で補正する制御方法:AGC制御方法)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の単結晶引上方法には、以下のような課題が残されている。すなわち、従来では、引上速度の制御において、上記速度ずれ率に対する温度補正量および補正の時間間隔が半導体単結晶Cの引上長にかかわらず、引上全長にわたって一定であるが、引き上げ中は引上長に応じて、引上速度、温度およびルツボの回転数等が予め設定されたプログラムに基づいて変化するため、上記温度補正量および補正間隔が大きすぎたり小さすぎる場合が発生し、これが速度変動を起こしてしまう要因となっていた。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、より高精度な引上速度の制御が可能な単結晶引上方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の単結晶引上方法では、ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
設定していた引上速度に対する実際の引上速度の比率を速度ずれ率として検出する速度ずれ率検出工程と、
予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ率に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、
該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるとともに、
前記成長条件は、前記温度の変化率、前記引上速度の変化率または前記ルツボの回転数の少なくとも一つであり、
前記温度補正工程は、前記引上長を複数の領域に分け、これらの領域毎に前記成長条件に応じた前記温度補正量を予め決定しておくもので、
前記温度補正工程は、予め設定したサイクル時間毎に前記補正を行い、前記サイクル時間を前記半導体単結晶の引上長に応じて変え、
前記サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を前記実際の引上速度として用いることを特徴とする。
また、本発明の単結晶引上方法では、ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
設定していた引上速度と実際の引上速度との差を速度ずれ量として検出する速度ずれ量検出工程と、
予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ量に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、
該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるとともに、
前記成長条件は、前記温度の変化率、前記引上速度の変化率または前記ルツボの回転数の少なくとも一つであり、
前記温度補正工程は、前記引上長を複数の領域に分け、これらの領域毎に前記成長条件に応じた前記温度補正量を予め決定しておくもので、
前記温度補正工程は、予め設定したサイクル時間毎に前記補正を行い、前記サイクル時間を前記半導体単結晶の引上長に応じて変える
前記サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を前記実際の引上速度として用いることを特徴とする。
本発明の単結晶引上方法では、ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、設定していた引上速度に対する実際の引上速度の比率を速度ずれ率として検出する速度ずれ率検出工程と、予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ率に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変える技術が採用される。
【0007】
また、本発明の単結晶引上方法では、ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、設定していた引上速度と実際の引上速度との差を速度ずれ量として検出する速度ずれ量検出工程と、予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ量に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変える技術が採用される。
【0008】
これらの単結晶引上方法では、温度補正工程において、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるので、引上長に応じて異なる成長条件に温度補正量を対応させることができ、より高精度に速度変動を抑制することができる。例えば、成長条件の変化が大きい引上長の部分では温度補正量を大きくするとともに、成長条件の変化が小さい引上長の部分では温度補正量を小さくすることにより、補正量を適切に調整して速度変動をさらに抑制することができる。
【0009】
また、これらの単結晶引上方法は、前記成長条件が、前記温度の変化率、前記引上速度の変化率または前記ルツボの回転数の少なくとも一つであることが好ましい。すなわち、この場合、引上長に応じてプログラムが異なるとともに速度変動に大きな影響を与えるこれらの成長条件を考慮した補正ができ、より適正なフィードバックが可能になる。
【0010】
また、これらの単結晶引上方法は、温度補正工程において、前記引上長を複数の領域に分け、これらの領域毎に前記成長条件に応じた前記温度補正量を予め決定しておくことが好ましい。すなわち、この場合、各領域に対応した温度補正値が予め決定されているので、補正時点における引上長がどの領域かを判別すれば成長条件に応じた温度補正量を容易に決定することができる。
【0011】
また、これらの単結晶引上方法は、温度補正工程において、予め設定したサイクル時間毎に前記補正を行い、前記サイクル時間を前記半導体単結晶の引上長に応じて変えることが好ましい。すなわち、この場合、引上長に応じて異なる成長条件にサイクル時間を対応させることができ、より高精度に速度変動を抑制することができる。例えば、成長条件の変化が大きい引上長の部分ではサイクル時間を短くするとともに、成長条件の変化が小さい引上長の部分ではサイクル時間を長くすることにより、速度変動をさらに効果的に抑制することができる。
【0012】
さらに、上記単結晶引上方法は、温度補正工程において、複数の異なる前記サイクル時間を同時に組み合わせて設定していることが好ましい。すなわち、この場合、一つのサイクル時間のみで補正を行った場合に比べて、多様に変化する引上速度のずれに対応することが可能になる。
【0013】
また、これらの単結晶引上方法は、サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を前記実際の引上速度として用いることが好ましい。すなわち、この場合、平均化された値を実際の引上速度とするので、サイクル時間内で引上速度がばらついたり、局所的に大きなずれが生じても適正な補正が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る単結晶引上方法の第1実施形態を、図1および図2を参照しながら説明する。
これらの図にあって、符号1はチャンバ、2はシャフト、3はサセプタ、4はルツボ、5はヒータ、6は保温筒を示している。
【0015】
図1は、本実施形態の単結晶引上方法を実施するための単結晶引上装置を示すものであって、該単結晶引上装置は、中空の気密容器であるチャンバ1内に、該チャンバ1の中央下部に垂直に立設され上下動可能なシャフト2と、該シャフト2上に載置されたサセプタ3と、該サセプタ3上に載置されて支持されシリコンの融液である半導体融液Lを貯留する石英(SiO2)製のルツボ4と、該ルツボ4の外周に所定距離離間して配されたヒータ5と、該ヒータ5の周囲に配された保温筒6とがそれぞれ配置されている。
【0016】
また、この単結晶引上装置は、ルツボ4の上方にアッパーリング8で支持されたフロー管7を備えている。該フロー管7は、成長時に半導体単結晶Cへの輻射熱を遮断するとともに、チャンバ1上端のガス導入口1aから供給されるアルゴンガス(不活性ガス)を通過させて半導体融液L上に吹き付け、半導体融液Lから発生するSiO2を吹き流すものである。
【0017】
前記ルツボ4は、シャフト2の軸線を中心として水平面上で回転する構成になっている。
前記ヒータ5は、シリコン原料をルツボ4内で加熱・融解するとともに生じた半導体融液Lを保温するもので、通常、抵抗加熱が用いられる。
【0018】
前記保温筒6は、炭素繊維(カーボンファイバ)からなる保温材6aで形成されその内側面に支持板としてカーボン板6bが張られている。
また、チャンバ1上部からは、引上ワイヤ9が昇降自在にかつ回転自在に吊り下げられ、該引上ワイヤ9の下端部には、シリコンの種結晶が固定されている。
前記引上ワイヤ9の上端側には、該引上ワイヤ9を昇降させるとともに回転させるモータ等で構成される昇降回転機構11に接続され、該昇降回転機構11は、制御部12に接続されている。
【0019】
該制御部12は、昇降回転機構11等を制御して引上速度等の各成長条件を制御するとともに、直径センサ(図示略)等による半導体単結晶Cの直径測定データ、引上速度のサンプリングデータおよび各種設定値等に基づいて引上速度を安定させるための温度補正量を演算し、温度補正制御を行う機能を有しているものである。
なお、チャンバ1の上部には、半導体単結晶Cの固液界面を観察するための透明窓部12が設けられている。
【0020】
次に、本実施形態における単結晶引上方法について、以下に説明する。
【0021】
まず、ガス導入口1aからアルゴンガスを供給するとともに、ヒータ5に通電してルツボ4内のシリコン原料を溶融して半導体融液Lとし、そしてヒータ5の電力を調整して半導体融液Lの中央液面付近を単結晶成長温度に保つ。次に、引上ワイヤ9により吊り下げられた種結晶を下降させて半導体融液Lに浸してなじませ、いわゆるネッキングにより無転位化を行い、その後、ルツボ5と引上ワイヤ9とを互いに反対に回転させながら半導体単結晶Cを引き上げ成長する。
【0022】
半導体単結晶Cの肩部を成長後、直径が一定となる直胴部を成長する。この際、引き上げる半導体単結晶Cの直径を一定に制御するために、直径センサによって直径を実測すると共に、制御部12によって昇降回転機構11が制御され、引上ワイヤ9の実際の引上速度が、例えば、図2の(a)に示すように、予め設定されたプログラムの引上速度(設定引上速度)からずれた場合にヒータ5を制御して温度による補正が行われる。
【0023】
この引上速度を温度で補正する制御方法を、図3に示すフローチャートによって説明すると、まず、直胴部の成長が開始されると、現時点での引上長の領域が判別される(ステップS1)。すなわち、直胴部の引上長が、0mm以上αmm未満の領域A、αmm以上βmm未満の領域Bまたはβmm以上の領域Cのいずれであるかが判別され、次に、領域毎の温度補正量を求めるための各パラメータおよびサイクル時間(補正を行う時間間隔)が決定される(ステップS21、S22、S23)。
【0024】
前記サイクル時間は、引上長に応じて、すなわち領域毎に設定される数および数値も異なり、領域A、BではX分およびY分の2つが同時に設定され、領域CはW分の一つが設定されている。
なお、成長開始直後は、上記領域Aと判別され、領域Aにおけるパラメータおよびサイクル時間が決定される。
【0025】
上記パラメータは、予め引上長に対して設定されている温度の変化率、引上速度の変化率またはルツボ4の回転数の少なくとも一つに応じて、例えば下記の表1のように定められる。
また、パラメータには、温度補正を行う必要がない速度ずれ率範囲、すなわち不感帯の上限および下限も決定される。したがって、不感帯の上限下限も領域毎に異なる設定とされる。例えば、領域Aでは、不感帯の下限は速度ずれ率95%、上限が速度ずれ率105%に設定される。
【0026】
【表1】
Figure 0003770013
【0027】
さらに、直胴部成長中は、引上速度を測定するサンプリング時間が1秒間隔に設定され、測定された引上速度は制御部12に送られる(ステップS2)。
次に、決定されたサイクル時間を経過したか否かが判別され(ステップS4)、サイクル時間を経過した場合は温度補正を行う工程に進むが、まだ経過していない場合は、温度補正の工程を行わない。
【0028】
サイクル時間が経過した場合、次に、制御部12において、サイクル時間内に検出された引上速度を平均化して平均引上速度(実際の引上速度)を算出する(ステップS5)。
さらに、予めプロファイルが設定された設定引上速度に対する平均引上速度の比率を以下の式(1)によって速度ずれ率dとして算出する(ステップS6)(速度ずれ率検出工程)。
Figure 0003770013
【0029】
次に、求めた速度ずれ率dを9つに分けた範囲のうち該当するものに判別し、予め設定された半導体融液Lの温度を、速度ずれ率dに応じて補正する温度補正量を算出する(ステップS7)。
なお、本実施形態では、速度ずれ率dが以下の温度補正1〜8および温度補正ナシの9つに判別され、これらに個別に設定されたパラメータに基づいて温度補正量が決定される。
【0030】
温度補正1:d≧130%
温度補正2:130%>d≧120%
温度補正3:120%>d≧110%
温度補正4:110%>d≧不感帯上限
温度補正ナシ:不感帯上限>d>不感帯下限
温度補正5:不感帯下限≧d<90%
温度補正6:90%≧d>80%
温度補正7:80%≧d>70%
温度補正8:70%≧d
【0031】
すなわち、温度補正量は、補正時点での半導体単結晶Cの引上長に応じて決定されるものであって、本実施形態では、補正時点が領域A〜Bのいずれに属するかで速度ずれ率dに対する上記パラメータが決定され、さらに速度ずれ率dが温度補正1〜8のいずれかに属するかで温度補正量が決定する。なお、各領域内の温度補正量は、図2の(a)(b)(c)に示すように、予め設定されている温度の変化率、引上速度の変化率またはルツボ4の回転数の少なくとも一つに応じて決定されたパラメータに温度変化ファクタを掛け合わせて算出されるものであって、以下の関係式(2)によって領域毎に予め設定されている。
【0032】
Figure 0003770013
(温度変化ファクタ:経験値に基づいて予め設定された温度に対する固定フィードバック量)
【0033】
この後、速度ずれ率dおよび温度プログラムの傾きに応じて求められた上記温度補正量によって温度補正1〜8が行われる(ステップS81〜S89)(温度補正工程)。なお、前述したように、速度ずれ率dが不感帯の範囲内である場合(ステップS85)は、温度補正を行わない。
【0034】
温度補正後、最終引上長に達したか否かが制御部12で判断され(ステップS9)、最終引上長に達していない場合は、引上長の領域判別(ステップS1)からの工程を繰り返し行い、領域A,B,Cの順に温度補正による引上速度制御を行いながら、直胴部の成長を行う。そして、最終引上長に達した場合は、制御部12による直胴部の温度補正制御が終了する。
【0035】
本実施形態では、引上速度を安定させるさめに、温度補正量を半導体単結晶Cの引上長とともに変化させる成長条件(温度プログラムの傾き等)に応じて変えるので、引上長に応じて異なる成長条件に温度補正量を対応させることができ、より高精度に速度変動を抑制することができる。すなわち、温度プログラムの傾き等の変化が大きい引上長の領域Aでは温度補正量を大きくするとともに、変化が小さい領域Cでは温度補正量を小さくすることにより、速度変動をさらに抑制することができる。
【0036】
また、サイクル時間を補正時点での半導体単結晶Cの引上長に応じて変えるので、引上長に応じて異なる成長条件に補正間隔を対応させることができ、より高精度に速度変動を抑制することができる。すなわち、温度プログラムの傾き等の変化が大きい引上長の領域A、Bではサイクル時間を短くするとともに、変化が小さい領域Cではサイクル時間を長くすることにより、速度変動をさらに抑制することができる。
【0037】
さらに、複数の異なるサイクル時間を同時に組み合わせて設定しているので、一つのサイクル時間のみで補正を行った場合に比べて、多様に変化する引上速度のずれに対応することができる。
また、サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を実際の引上速度として演算に用いるので、引上速度のばらつきや局所的な大きなずれがサイクル時間内で生じても適正な補正が可能になる。
【0038】
次に、本発明に係る単結晶引上方法の第2実施形態を、図4を参照しながら説明する。
【0039】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では引上長を3つの領域A〜Cに分けてこれらの領域毎に成長条件に応じたパラメータを設定すると共に速度ずれ率dに応じて温度補正量を設定するのに対し、第2実施形態では、図4に示すように、引上長の領域分けを行わずに、速度ずれ率dではなく設定引上速度と平均引上速度との差である速度ずれ量Dに応じて温度補正量を設定する点である。
【0040】
すなわち、第2実施形態では、引上速度をサンプリングしながら成長を行い(ステップS101)、所定のサイクル時間が経過したときに(ステップS102)、サイクル時間内の引上速度を平均化して平均引上速度を求め(ステップS103)、この平均引上速度を実際の引上速度として引上速度の速度ずれ量(D)を以下の式(3)により算出する(ステップS104)(速度ずれ量検出工程)。
速度ずれ量(D)=平均引上速度−設定引上速度 ・・・(3)
【0041】
次に、温度補正量を、速度ずれ量(D)と温度変化ファクタと引上長とともに変化させる成長条件(温度プログラムの傾き、引上速度の傾き、ルツボ回転数)の少なくとも一つに応じて決定したパラメータとを掛け合わせて求める。すなわち、温度補正量は、以下の式(4)により算出する(ステップS105)。なお、式(4)に使用される上記成長条件のパラメータは、第1実施形態のように領域毎に決定されているのではなく、補正時点の成長条件のプロファイルから直接的に求められる。
Figure 0003770013
【0042】
さらに、この温度補正量に基づいて温度の補正を行い(ステップS106)、その後、最終引上長に達するまで(ステップS107)、繰り返し上記温度補正を行いながら引上成長を行う。
【0043】
したがって、第1実施形態では、一つの領域内においてパラメータが一律に設定されているため、速度ずれ率dに応じた補正が行われるものの領域内で変化する成長条件に応じたより細かな補正ができないのに対し、第2実施形態では、速度ずれ量Dに対応させることにより、ずれの絶対量も考慮するとともに、成長条件に応じたパラメータ及び補正量が上記式(5)に基づいて逐次決定されて温度補正を行うので、より精密な制御が可能となり、安定した引上速度を得ることができる。
【0044】
【実施例】
上記第1実施形態によって、実際にシリコンの単結晶を引上成長した具体例を、図5および図6を参照して説明する。
【0045】
図5および図6は、第1実施形態でシリコン単結晶を作製した場合および従来の方法でシリコン単結晶を作製した場合の引上長に対する引上速度を実測したものを示したグラフである。
この実施例では、図2の(b)に示すように、予め設定されている温度プログラムに基づいて、補正時点での設定温度プログラムの傾き(変化率:温度/mm)に応じて温度補正量を関係式(2)によって算出している。
【0046】
図5および図6からわかるように、上記実施形態における方法では、従来に比べて引上速度のばらつきが抑えられているのがわかる。特に、設定引上速度の傾きが大きい領域において、従来では大きく引上速度が変動しているのに対し、上記実施形態による方法では、設定引上速度近傍に安定した引上速度が得られている。
なお、図2の(a)(c)に示すように、引上速度やルツボ回転数も引上長に応じて予めプログラムを設定して変化させるので、温度プログラムの傾き(変化率)以外の他のパラメータとして、上述したように、引上速度の傾きやルツボ回転数を含めて、これらに応じて温度補正量を求めてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明の単結晶引上方法によれば、温度補正工程において、温度補正量を半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるので、引上長に応じて異なる成長条件に温度補正量を対応させることができ、より高精度に速度変動を抑制して安定した引上速度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る単結晶引上方法の第1実施形態を実施するための単結晶引上装置示す全体断面図である。
【図2】 本発明に係る単結晶引上方法の第1実施形態における引上長に対する引上速度、温度およびルツボ回転数の設定プログラムを示すグラフ図である。
【図3】 本発明に係る単結晶引上方法の第1実施形態における温度補正の動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明に係る単結晶引上方法の第2実施形態における温度補正の動作を示すフローチャートである。
【図5】 本発明に係る単結晶引上方法の従来例における引上長に対する実測引上速度を示すグラフ図である。
【図6】 本発明に係る単結晶引上方法の第1実施形態における引上長に対する実測引上速度を示すグラフ図である。
【符号の説明】
4 ルツボ
12 制御部
C 半導体単結晶
d 速度ずれ率
D 速度ずれ量
L 半導体融液

Claims (3)

  1. ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
    設定していた引上速度に対する実際の引上速度の比率を速度ずれ率として検出する速度ずれ率検出工程と、
    予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ率に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、
    該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるとともに、
    前記成長条件は、前記温度の変化率、前記引上速度の変化率または前記ルツボの回転数の少なくとも一つであり、
    前記温度補正工程は、前記引上長を複数の領域に分け、これらの領域毎に前記成長条件に応じた前記温度補正量を予め決定しておくもので、
    前記温度補正工程は、予め設定したサイクル時間毎に前記補正を行い、前記サイクル時間を前記半導体単結晶の引上長に応じて変え、
    前記サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を前記実際の引上速度として用いることを特徴とする単結晶引上方法。
  2. ルツボ内の半導体融液から半導体単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
    設定していた引上速度と実際の引上速度との差を速度ずれ量として検出する速度ずれ量検出工程と、
    予め設定された前記半導体融液の温度を前記速度ずれ量に応じて異なる温度補正量で補正する温度補正工程とを備え、
    該温度補正工程は、前記温度補正量を前記半導体単結晶の引上長とともに変化させる成長条件に応じて変えるとともに、
    前記成長条件は、前記温度の変化率、前記引上速度の変化率または前記ルツボの回転数の少なくとも一つであり、
    前記温度補正工程は、前記引上長を複数の領域に分け、これらの領域毎に前記成長条件に応じた前記温度補正量を予め決定しておくもので、
    前記温度補正工程は、予め設定したサイクル時間毎に前記補正を行い、前記サイクル時間を前記半導体単結晶の引上長に応じて変え、
    前記サイクル時間内に一定のサンプリング時間で繰り返し測定された引上速度の平均を前記実際の引上速度として用いる、ことを特徴とする単結晶引上方法。
  3. 請求項1または2記載の単結晶引上方法において、
    前記温度補正工程は、複数の異なる前記サイクル時間を同時に設定していることを特徴とする単結晶引上方法。
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