JPH08300979A - 車両用定速走行装置 - Google Patents
車両用定速走行装置Info
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- JPH08300979A JPH08300979A JP10754395A JP10754395A JPH08300979A JP H08300979 A JPH08300979 A JP H08300979A JP 10754395 A JP10754395 A JP 10754395A JP 10754395 A JP10754395 A JP 10754395A JP H08300979 A JPH08300979 A JP H08300979A
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- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
速指令が解除されたときのアンダーシュートやオーバー
シュートを防止すると共に加速・減速の応答性を改善す
る。定速走行装置の車種毎のマッチングを容易にする。 【構成】 加減速指令が発せられている間の車速指令値
の増減を実車速との偏差がある程度以上とならないよう
に制限することにより車速のオーバーシュート等を防止
する。ただし、この車速指令値増減の制限は、エンジン
トルク値が所定値に達して以後に開始する。これにより
加速または減速の際のエンジントルク変化が十分に起こ
ってから車速指令値変化の制限が開始されることになる
ので、良好な加速または減速性能が確保される。前記制
限はエンジントルクに基づいて決められるので、エンジ
ン機種の相違に応じたマッチング作業が容易である。
Description
に保持する車両用定速走行装置の改良に関する。
を保持するようにエンジンのスロットル開度を制御する
ようにした定速走行装置が知られている。これは、一般
に運転者がアクセル操作により希望の車速になったとこ
ろで定速走行を指示するスイッチを入れることによりそ
のときの車速が車速指令値として記憶され、以後は登降
坂等による走行抵抗の変化にかかわらず実車速が指令値
に一致するようにスロットル開度がフィードバック制御
されるようになっている。
アクセルまたはブレーキを操作することにより解除され
るようになっているが、制御を解除することなくある程
度の速度調整を行えるように加速スイッチまたは減速ス
イッチというものを設けたものもある。これは、例えば
図1に示したように、加速スイッチを押し続けるとその
あいだに車速指令値が一定の割合で増加し、これに追従
して実車速が運転者の希望する速度に達したところでス
イッチを離すとそのときの実車速で指令値が更新されて
再び定速制御が開始されるようになっている。(この種
の定速走行装置の公知文献としては、例えば特開昭60-5
6639号公報を参照。)
が大きい場合等においては、このような加速または減速
スイッチによる速度調整中に実車速が指令値に追従でき
なくなって両者の偏差が過大となることがある。このよ
うに偏差が大きくなっているときに運転者がスイッチを
離すと、車速指令値はその時点での実車速に更新される
ので指令値が大きく変化し、制御系はその変化に車速を
追従させようとすることから顕著なアンダーシュートま
たはオーバーシュートが発生することがある。
速指令値と実車速との偏差がある限度を超えないように
車速指令値の増減の割合を制限するのが有効であるが、
その反面、このような制限を行うと加速または減速が運
転者が期待するよりも緩慢になってしまうという問題を
生じる。
イッチを押したときの車速指令値の上昇に対してエンジ
ンのスロットル開度およびエンジントルクの増大が遅れ
ることに原因しており、すなわちエンジントルクが最大
になる以前に指令値の増大が制限されるとそれ以上には
スロットル開度が増加しなくなることから加速力が制約
される結果になってしまうのである。これは減速スイッ
チの操作時においても同様であり、降坂走行中に指令値
を制限すると運転者が期待したほどには減速しないとい
う現象が起こる。
れたもので、車速指令値の制限をエンジントルクに応じ
て規制することにより、加速スイッチまたは減速スイッ
チを操作したときに良好な加減速性能が得られ、かつオ
ーバーシュートやアンダーシュートを起こさない定速走
行装置を提供することを目的としている。
を車両に適用する際の車種毎のマッチング作業を簡略化
することをも目的としている。
ジンに限らず、例えば燃料噴射ポンプのコントロールレ
バー位置により出力が制御されるディーゼルエンジン等
にも適用し得るものであるが、この説明では通例に従い
エンジンの出力調整部をスロットルという語で表現する
こととする。
示したように、車両の走行速度を検出する実車速検出手
段Aと、運転者が希望する車速を車速指令値として設定
する車速指令値設定手段Bと、実車速が車速指令値に追
従するために必要な目標エンジントルクを算出するエン
ジントルク算出手段Cと、エンジントルク算出値に対応
するスロットル開度を算出してスロットル開度指令信号
を出力するスロットル開度指令手段Dと、運転者の操作
により加速指令または減速指令を選択的に発する加減速
スイッチEと、前記車速指令値を、加速指令が発せられ
ている間は所定量づつ増加させ、減速指令が発せられて
いる間は所定量ずつ減少させると共に加速または減速指
令が終了したときの検出車速を車速指令値として更新す
る車速指令値更新手段Fと、加速指令が発せられている
間に目標エンジントルク値が所定値a1を上回ったとき
には、前記車速指令値更新手段Fによる車速指令値の増
加を、減速指令が発せられている間に目標エンジントル
ク値が所定値d1を下回ったときには、前記車速指令値
更新手段Fによる車速指令値の減少を、それぞれ実車速
との偏差が一定値を超さない範囲でのみ許容する車速指
令値増減量制限手段Gとを備えるものとする。
値増減量制限手段Gを、目標エンジントルク値が所定値
a1を上回ったのちは、該目標エンジントルク値が前記
所定値a1よりも小さく設定された所定値a2を下回る
まで、目標エンジントルク値が所定値d1を上回ったの
ちは、該目標エンジントルク値が前記所定値d1よりも
小さく設定された所定値d2を下回るまで、それぞれ車
速指令値変化の制限を継続するように構成したものとす
る。
減量制限手段Gを、加速指令が発せられている間は、目
標エンジントルク値が所定値a1を上回るまでに生じた
車速指令値と実車速との偏差が一定値以内になるまで、
減速指令が発せられている間は、目標エンジントルク値
が所定値d1を下回るまでに生じた車速指令値と実車速
との偏差が一定値以内になるまで、それぞれ車速指令値
を変化させないように構成したものとする。
減量制限手段Gを、エンジントルク算出手段Cからのエ
ンジントルク算出値をエンジントルク値としてこれに基
づき車速指令値の増減量の制限域を判定するように構成
したものとする。
速指令値増減量制限手段Gを、図17に示したように、
実スロットル開度を検出する手段Hと、この検出スロッ
トル開度に基づいてエンジントルクを推定するエンジン
トルク推定手段Iとを備え、このエンジントルク推定値
をエンジントルク値としてこれに基づき車速指令値の増
減量の制限域を判定するように構成したものとする。
指令値に実車速が予め設定した規範モデルの応答特性に
沿って一致するように、スロットル開度を制御するモデ
ルマッチング車速制御手段を備えたものとする。
指令値との偏差を補償するのに必要な目標エンジントル
クに対応したスロットル開度に制御されることにより指
令値に一致するように制御される。
は減速指令が発せられると、これに応じた車速指令値の
増減にしたがって実車速を変化させる方向にスロットル
開度が制御される。このとき、例えば登坂路走行におい
て加速指令に伴う車速指令値の増加に対して実車速が追
従しきれないようなときには、実車速との偏差が一定値
を超えないように車速指令値の増加量が制限されるの
で、加速指令を終了したときの車速指令値の更新により
アンダーシュートを起こすようなことがなく安定した車
速制御が行われる。
そのときの目標エンジントルク値が所定値a1を上回っ
たときに初めて実行されるので、それまでは車速指令値
の増加に応じてエンジントルクは制約されることなく上
昇し、したがって良好な加速性が発揮される。
基本的に減速指令に伴う車速指令値の減少に対して実車
速が追従しきれないようなときには、実車速との偏差が
一定値を超えないように車速指令値の減少量が制限され
ることから、減速指令終了時の車速のオーバーシュート
が防止されるが、目標エンジントルク値が所定値d1を
下回るまではこの制限はされないので、それまでは車速
指令値の減少に応じてエンジントルクは制約されること
なく下降し、したがって良好な減速性が得られる。
するためのしきい値(a1,d1)としてスロットル開
度に対するものを設定することでも上記と同様の制御を
行うことが可能であるが、その場合にはエンジン排気量
などエンジン仕様や機種が異なる車両への適合にあたっ
てその車種毎にしきい値のマッチングを図る必要が生じ
る。これに対して、この発明ではエンジントルク値に対
して前記しきい値となる所定値a1,d1を定めるもの
としているので、エンジンによって一義的に決まる最大
エンジントルクおよび最大エンジンブレーキトルクに応
じて所定値を決めればよく、それだけマッチング作業が
簡略となる。
所定値a1または所定値d1の前後で変動するような運
転状態のときの制御の安定性が向上する。
所定値a1またはd1に達するまでに大きな車速変化が
生じていた場合には、該所定値到達後において実車速が
指令値に追従して一定値以内になるまでは指令値の増減
が行われないので、所定値到達前の大きな車速偏差がそ
のまま残存して以後の制御に影響するようなことがな
い。
車速偏差に基づく演算で求めた値を利用するので、エン
ジントルク値を検出するための特別な手段を要すること
なく、車速指令値変化量を制限する制御を行うことがで
きる。
ットル開度の検出値に基づいて推定されるので、より正
確なエンジントルク値に基づいて車速指令値変化量を制
限する制御を行うことができる。
御への適用により当該車速制御をより高精度に行うこと
ができる。
する。
の概略を示したものである。図4において、1は上記本
発明の制御系の各手段を構成するコントロールユニット
を示しており、CPU,ROM,RAM,各種I/Oポ
ート、タイマ等を備えたマイクロコンピュータおよびエ
ンジンのスロットル開度を変化させるアクチュエータ1
0の駆動回路から構成されており、このコントロールユ
ニット1は運転者によって操作されるスイッチ群からの
指令に基づいて定速走行制御の開始や解除等を判断す
る。
に電源を供給して演算を開始させるためのメインスイッ
チ、定速走行制御の開始および車速指令値をセットする
ためのセットスイッチ、車速指令値を増加または減少さ
せるための加減速スイッチ、定速走行制御を解除するた
めのキャンセルスイッチ、制動装置の操作に伴って定速
走行制御を解除させるためのブレーキスイッチなどから
なっている。
り、スピードメータケーブルに連動する永久磁石の回転
に応じたリードスイッチの開閉によりパルス信号を発す
る。コントロールユニット1ではこの信号のパルス数を
カウントすることで実車速を算出する。9はスロットル
開度検出手段にあたるスロットル開度センサであり、エ
ンジンスロットル弁3に連動するポテンショメータのア
ナログ出力をA/D変換してコントロールユニット1に
入力することによりスロットルの実開度が算出される。
10は負圧型アクチュエータであり、負圧発生用ポンプ
と負圧解放用ソレノイドバルブを備え、コントロールユ
ニット1からスロットル開度指令値として発せられるパ
ルス信号(PWM信号)のデューティ比に応じて前記ポ
ンプとソレノイドバルブを制御してスロットル弁3の開
度を指令値通りに制御する。11はエンジン回転速度を
検出するためのクランク角センサである。
内のマイクロコンピュータにより実行される定速走行制
御の内容を示した流れ図である。この制御ルーチンは例
えば50msごとに周期的に実行される。以下、この流れ
図に沿って制御動作ないし作用について説明する。
ントされた車速センサ8の出力パルスのカウント値を用
いて平均車速Vspを、同様にクランク角センサ11から
の出力パルスのカウント値を用いて平均エンジン回転速
度Neを、それぞれ検出する。また、スロットル開度セ
ンサ9のアナログ出力をA/D変換してスロットル実開
度Tvoを検出する(P501)。
スイッチの状態を検出し、何れかがONになると定速走
行制御中であることを示すフラグをクリヤすると共に目
標スロットル開度Tvorをリセットして制御サイクルの
当初に戻る(P502,P512,P513)。
何れもがONでない場合には、次にセットスイッチの状
態を検出し、これがONにされると定速走行制御開始と
判断してその時点での実車速Vspを目標車速Vsprとし
て記憶すると共に、定速走行制御中であることを示すフ
ラグをセットする(P503〜P505)。セットスイ
ッチがOFFである場合には、前記フラグの状態を検出
し、定速走行制御中でなければ目標スロットル開度Tvo
rをリセットする(P503,P506,P513)。
いる場合は、P507以下の定速走行制御を実施する。
P507は運転者の加減速スイッチの操作による加速指
令があったときの加速制御、P508は同じく減速指令
があったときの減速制御のルーチンを示しており、これ
らの詳細はそれぞれ図6と図7に示した通りであり、こ
れについては後述する。
Vsprに保持するための定速走行制御の基本をなす部分
である。このような定速走行制御は種々の手法により行
うことができるが、ここではモデルマッチング手法と近
似ゼロイング手法を用いて車速を指令値通りに制御する
のに必要な目標駆動力Forを算出するようにした例につ
いて説明する。
数P(z-1)と置くと、補償器の部分は図8に示したよ
うに表される。zは遅延演算子であり、z-1を乗じた形
式で1サンプル周期前の値が表される。C1(z-1),
C2(z-1)はそれぞれ近似ゼロイング手法による補償
器で、これらにより外乱やモデル化誤差の影響が抑えら
れる。また、C3(z-1)はモデルマッチング手法によ
る補償器で、目標車速を入力、実車速を出力としたとき
の制御対象の応答特性が予め定めた一次遅れとむだ時間
を持つ規範モデルH(z-1)の特性と一致するように設
定する。
分を制御対象と置くと、P(z-1)は次の式(1)に示す
積分要素P1(z-1)とむだ時間要素P2(z-1)=z-2
の積で置くことができる。ただし、Tはサンプル周期で
ある。
る。ただし、γ=exp(−T/Tb)である。
aの1時のローパスフィルタとすると、C3は次の定数
となる。
データy(k−1)はy(k)の1サンプル周期前の値
を示している。
車重Mを乗じて目標駆動力Forが得られる。
り求める。Gmは変速機において選択された減速比、G
fは変速機以降の駆動系統の終減速比、Rtは駆動輪の
有効半径である。
憶しておいたエンジンの非線形特性データマップを用い
て、目標エンジントルクTerとエンジン回転速度Neと
から目標スロットル開度Tvorを算出する。
の制御手法を用いて、スロットル開度偏差△T(=目標
開度Tvor−実開度Tvo)に基づいて負圧式スロットル
アクチュエータ10の負圧ポンプおよび大気解放用ソレ
ノイドバルブへの各出力パルス幅Tvac,Tventを演算
する。これらのパルス幅はマイクロコンピュータの出力
レジスタに書き込まれ、これにより駆動回路を介して前
記負圧ポンプおよびソレノイドバルブへと目標スロット
ル開度となるようにパルス信号が出力されることにな
る。
制御につき、図6と図7に沿って説明する。
示したように当初スイッチが押されて加速指令が発せら
れているか否かを検出する(P601)。スイッチが押
され続けている間は加速制御中であることを示すフラグ
(以下これを「加速制御中フラグ」という。)をセット
して、車速指令値を増加させる制御を実行し(P602
〜),スイッチが離されて加速指令が終了すると、前記
加速制御中フラグの状態を見て、フラグがセットされて
いれば加速終了直後であると判断されるのでその時点で
の実車速Vspを車速指令値Vsprとしたのち加速制御中
フラグおよび後述する加速制限状態か否かを示すフラグ
をクリヤして図5のメインルーチンに戻る(P603〜
P605)。加速制御中フラグがセットされていなけれ
ば加速制御が行われていなかったものと判断してそのま
まメインルーチンに戻る。
の当初では、まず車速指令値の増加制限を許可するか否
かを示すフラグ(以下これを「加速制限許可フラグ」と
いう。)を参照する(P606)。加速指令が発せられ
た直後はこの加速制限許可フラグはセットされていない
ので、次に目標エンジントルク値TQECOMを第1の
所定値a1と比較する(P607)。TQECOMは図
5のメインルーチンにて算出した目標エンジントルクT
erを用いることができるが、他の手法として、例えばス
ロットルの実開度を検出して、予め実験的に求めておい
た推定式から算出したエンジントルク値を用いるものと
すればさらに精度の高い制御が可能である。
は、例えば最大エンジントルクTQEMAXの90%程
度の値が設定される。
ジントルク値が所定値a1に達するまでは車速指令値の
増加を制限せず、前回の指令値Vspr(old)に所定の増加
分(この場合車速にして0.2km/h相当分)を加えたも
のを新たな車速指令値Vsprとしてメインルーチンに戻
る(P608)。これに対して、TQECOM≧a1と
なったときには、車速指令値の増加を制限する状態にあ
ることを示す加速制限許可フラグをセットしたうえで、
車速偏差(Vspr−Vsp)を所定値(この場合3km/h相
当の値)と比較し、偏差が所定値以下であればP608
に進んで車速指令値を増加させるが、所定値を超えてい
る場合には車速指令値を増加することなく、そのままメ
インルーチンに戻る(P609,P610)。すなわ
ち、目標エンジントルク値が所定値a1に達するまでは
車速偏差にかかわらず車速指令値を増加し、a1に達し
て以降は車速偏差が所定値を超えたときには車速指令値
の増加を制限するという制御が行われる。
ていることを条件として、加速制限許可フラグがセット
されていることからP606での判定に基づき、目標エ
ンジントルク値を第2の所定値a2と比較する処理に入
る(P611)。第2の所定値a2は例えば最大エンジ
ントルクTQEMAXの70%程度に設定されており、
目標エンジントルク値がa2以下に低下するまではP6
10以降の処理、つまり車速偏差が所定値を超えるとき
は車速指令値の増加を制限し、所定値以下のときは許容
するという処理を行う。目標エンジントルク値がa2以
下となったときには、加速制限許可フラグをクリヤし
て、以後常に車速指令値を増加させる処理を実行する
(P612,P608)。これにより、目標エンジント
ルク値がいったん第1の所定値a1以上となった場合
は、以後目標エンジントルク値がa2以下に低下するま
で車速指令値の増加制限が継続されることになる。
よる効果を対比して示す。図10は車速偏差の増加に応
じて加速制御の当初から車速指令値の増加が制限される
従来技術による加速特性であり、図示されるようにエン
ジントルクが十分に上昇する以前に車速指令値の増加が
制限されることから、加速は緩慢なものとなってしま
う。これに対して、図11は上記実施例の制御による加
速特性を示しており、車速偏差が大きい条件下であって
も、エンジントルクが最大エンジントルクの90%に達
するまでは車速指令値の増加を許容するので、加速当初
の立上りが良好となり、かつエンジントルクの大きい状
態で加速を継続できるので良好な加速性が発揮される。
御についても基本的な制御内容は上記加速制御と同様で
あり、ただし目標エンジントルクの方向が加速時とは反
対であるところからエンジントルクに対する所定値の設
定等の部分において若干異なるものとなっている。
うに当初スイッチが押されて減速指令が発せられている
か否かを検出する(P701)。スイッチが押され続け
ている間は減速制御中であることを示すフラグ(以下こ
れを「減速制御中フラグ」という。)をセットして、車
速指令値を減少させる制御を実行し(P702〜),ス
イッチが離されて減速指令が終了すると、前記減速制御
中フラグの状態を見て、フラグがセットされていれば減
速終了直後であると判断されるのでその時点での実車速
Vspを車速指令値Vsprとしたのち減速制御中フラグお
よび後述する減速制限状態であるか否かを示すフラグを
クリヤして図5のメインルーチンに戻る(P703〜P
705)。減速制御中フラグがセットされていなければ
減速制御が行われていなかったものと判断してそのまま
メインルーチンに戻る。
の当初では、まず車速指令値の減少制限を許可するか否
かを示すフラグ(以下これを「減速制限許可フラグ」と
いう。)を参照する(P706)。減速指令が発せられ
た直後はこの減速制限許可フラグはセットされていない
ので、次に目標エンジントルク値TQECOMを第1の
所定値d1と比較する(P707)。
は、例えば最大エンジンブレーキトルクTQEMINの
90%程度の値が設定される。
ジントルク値が所定値d1まで低下していない場合は、
車速指令値の減速を制限せず、前回の指令値Vspr(old)
から所定の減少分(0.2km/h相当分)を減じたものを
新たな車速指令値Vsprとしてメインルーチンに戻る
(P708)。これに対して、TQECOM≦a1とな
ったときには、車速指令値の減少を制限する状態にある
ことを示す減速制限許可フラグをセットしたうえで、車
速偏差(Vspr−Vsp)を所定値(3km/h相当の値)と
比較し、偏差が所定値以下であればP708に進んで車
速指令値を減少させるが、所定値を超えている場合には
車速指令値を減少することなく、そのままメインルーチ
ンに戻る(P709,P710)。すなわち、目標エン
ジントルク値が所定値d1に低下するまで車速偏差にか
かわらず車速指令値を減少し、d1にまで低下した以降
は車速偏差が所定値を超えたときには車速指令値の減少
を制限するという制御が行われる。
ていることを条件として、減速制限許可フラグがセット
されていることからP706での判定に基づき、目標エ
ンジントルク値を第2の所定値d2と比較する処理に入
る(P711)。第2の所定値d2は例えば最大エンジ
ントルクTQEMINの70%程度に設定されており、
目標エンジントルク値がd2以上に上昇するまではP7
10以降の処理、つまり車速偏差が所定値を超えるとき
は車速指令値の減少を制限し、所定値以下のときは許容
するという処理を行う。目標エンジントルク値がd2以
上となったときには、加速制限許可フラグをクリヤし
て、以後常に車速指令値を減少させる処理を実行する
(P712,P708)。これにより、目標エンジント
ルク値がいったん第1の所定値d1以下となった場合
は、以後目標エンジントルク値がd2以上に上昇するま
で車速指令値の減少制限が継続されることになる。
よる効果を対比したものである。図12は車速偏差の増
加に応じて減速制御の当初から車速指令値の減速が制限
される従来技術による加速特性であり、図示されるよう
にエンジントルクが十分に低下する以前に車速指令値の
減速が制限されることから、減速は緩やかなものとなっ
てしまう。これに対して、図13は上記実施例の制御に
よる減速特性を示しており、車速偏差が大きい条件下で
あっても、エンジントルクが最大エンジンブレーキトル
クの90%に達するまでは車速指令値の減少を許容する
ので、減速当初の車速の減少が速やかになり、またエン
ジントルクが十分に低下した状態で減速を継続できるの
で良好な減速性が得られる。
指令が終了したときに車速指令値をその時点での実車速
にただちに更新するようにしているが、図14に示した
ように、車速指令値を指令終了時点の実車速に向けて徐
々に変化させるようにしてもよい。加速指令終了時の車
速のアンダーシュートまたは減速指令終了時の車速のオ
ーバーシュートは、その時点で車速指令値と実車速との
偏差が著増することに原因しているから、このようにラ
ンプ状に車速指令値を変化させることにより、アンダー
シュートまたはオーバーシュートを起こしにくくなり、
したがってそれだけ車速指令値の変化の制限を緩和して
加速・減速性能をより改善することが可能になる。
一致させる制御にモデルマッチング手法を用いた例を示
したものであるが、本発明はこれに限られず、例えば図
15に示したように周知の比例積分制御に適用しても有
効である。
ば、定速走行制御中に加速または減速指令が発せられた
ときに、あるエンジントルク値に達したのちに車速指令
値を実車速との偏差が所定量を超えないように制限する
ものとしたので、加速または減速指令の終了にともなう
アンダーシュートやオーバーシュートを防止して安定し
た車速制御を行えると共に、加速または減速指令時の車
両の加速性能または減速性能を改善できるという効果が
得られる。また、車速指令値の制限の許否を判定する所
定値を目標エンジントルク値を基準として定めるものと
したので、エンジン機種毎のマッチングが容易であると
いう効果も得られる。
判定する所定値前後での制御が安定するという効果が得
られる。
が終了したのち、それまでの車速偏差が大きい場合には
この偏差が小さくなってから車速指令値の増減を行うよ
うにしたので、過大な偏差による影響を排除して安定し
た車速制御を行える。
して車速偏差の解消に必要なエンジントルクの算出値を
用いるようにしたので、簡単な構成で制御系を構成する
ことができる。
してスロットル開度の検出値に基づいて推定したエンジ
ントルク推定値を用いるようにしたので、より正確な目
標エンジントルク値に基づいて車速指令値変化量を制限
する制御を行うことができる。
速制御への適用により当該車速制御をより高精度に行う
ことができるという効果が得られる。
きる場合の特性線図。
加率を制限した場合の特性線図。
相違を示した特性線図。
図。
成概念図。
ジン回転速度Neとから目標スロットル開度Tvorを与
えるエンジンの非線形特性データマップ図。
に基づき常に車速指令値の増加率が制限された場合の特
性線図。
速指令値の増加率の制限が規制された場合の特性線図。
に基づき常に車速指令値の減少率が制限された場合の特
性線図。
速指令値の減少率の制限が規制された場合の特性線図。
を示す制御特性線図。
系の他の実施例の構成概念図。
Claims (6)
- 【請求項1】 車両の走行速度を検出する実車速検出手
段と、運転者が希望する車速を車速指令値として設定す
る車速指令値設定手段と、実車速が車速指令値に追従す
るために必要な目標エンジントルクを算出するエンジン
トルク算出手段と、エンジントルク算出値に対応するス
ロットル開度を算出してスロットル開度指令信号を出力
するスロットル開度指令手段と、運転者の操作により加
速指令または減速指令を選択的に発する加減速スイッチ
と、前記車速指令値を、加速指令が発せられている間は
所定量づつ増加させ、減速指令が発せられている間は所
定量ずつ減少させると共に加速または減速指令が終了し
たときの検出車速を車速指令値として更新する車速指令
値更新手段と、加速指令が発せられている間にエンジン
トルク値が所定値a1を上回ったときには、前記車速指
令値更新手段による車速指令値の増加を、減速指令が発
せられている間にエンジントルク値が所定値d1を下回
ったときには、前記車速指令値更新手段による車速指令
値の減少を、それぞれ実車速との偏差が一定値を超さな
い範囲でのみ許容する車速指令値増減量制限手段とを備
えることを特徴とする車両用定速走行装置。 - 【請求項2】 車速指令値増減量制限手段は、エンジン
トルク値が所定値a1を上回ったのちは、該エンジント
ルク値が前記所定値a1よりも小さく設定された所定値
a2を下回るまで、エンジントルク値が所定値d1を上
回ったのちは、該エンジントルク値が前記所定値d1よ
りも小さく設定された所定値d2を下回るまで、それぞ
れ車速指令値変化の制限を継続するように構成されてい
ることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに
記載の車両用定速走行装置。 - 【請求項3】 車速指令値増減量制限手段は、加速指令
が発せられている間は、エンジントルク値が所定値a1
を上回るまでに生じた車速指令値と実車速との偏差が一
定値以内になるまで、減速指令が発せられている間は、
エンジントルク値が所定値d1を下回るまでに生じた車
速指令値と実車速との偏差が一定値以内になるまで、そ
れぞれ車速指令値を変化させないように構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記
載の車両用定速走行装置。 - 【請求項4】 車速指令値増減量制限手段は、エンジン
トルク算出手段からのエンジントルク算出値をエンジン
トルク値としてこれに基づき車速指令値の増減量の制限
域を判定するように構成されていることを特徴とする請
求項1から請求項3の何れかに記載の車両用定速走行装
置。 - 【請求項5】 車速指令値増減量制限手段は、実スロッ
トル開度を検出する手段と、このスロットル開度検出値
に基づいてエンジントルクを推定するエンジントルク推
定手段とを備え、このエンジントルク推定値をエンジン
トルク値としてこれに基づき車速指令値の増減量の制限
域を判定するように構成されていることを特徴とする請
求項1から請求項3の何れかに記載の車両用定速走行装
置。 - 【請求項6】 車速指令値に実車速が予め設定した規範
モデルの応答特性に沿って一致するように、スロットル
開度を制御するモデルマッチング車速制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載
の車両用定速走行装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10754395A JP3528319B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 車両用定速走行装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10754395A JP3528319B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 車両用定速走行装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08300979A true JPH08300979A (ja) | 1996-11-19 |
JP3528319B2 JP3528319B2 (ja) | 2004-05-17 |
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---|---|---|---|
JP10754395A Expired - Fee Related JP3528319B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 車両用定速走行装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100815008B1 (ko) * | 2005-09-01 | 2008-03-18 | 가부시키가이샤 덴소 | 차량용 크루즈 제어 장치 및 방법 |
JP2017089859A (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-25 | ヤンマー株式会社 | 作業車両 |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP10754395A patent/JP3528319B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100815008B1 (ko) * | 2005-09-01 | 2008-03-18 | 가부시키가이샤 덴소 | 차량용 크루즈 제어 장치 및 방법 |
JP2017089859A (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-25 | ヤンマー株式会社 | 作業車両 |
WO2017086147A1 (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | ヤンマー株式会社 | 作業車両 |
US10829115B2 (en) | 2015-11-17 | 2020-11-10 | Yanmar Power Technology Co., Ltd. | Work vehicle |
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