JPH0830070B2 - 抗菌性化合物 - Google Patents

抗菌性化合物

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JPH0830070B2
JPH0830070B2 JP61206574A JP20657486A JPH0830070B2 JP H0830070 B2 JPH0830070 B2 JP H0830070B2 JP 61206574 A JP61206574 A JP 61206574A JP 20657486 A JP20657486 A JP 20657486A JP H0830070 B2 JPH0830070 B2 JP H0830070B2
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直人 橋本
彰二 岸本
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた抗菌作用を有する新規な抗菌性化合物
およびその製造法ならびに抗菌組成物に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来より、3位に第4級アンモニウムメチル基、7位に
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ヒドロ
キシ(または置換ヒドロキシ)イミノアセトアミド基を
合わせ持つセフェム化合物またはその誘導体は種々合成
され、特許出願されている[たとえば日本国公開特許公
報昭53-34795,同昭54-9296,同昭54-135792,同昭54-1547
86,同昭55-149289,同昭57-56485,同昭57-192394,同昭58
-159498など]が、3位の第4級アンモニウムメチル基
が含窒素芳香族複素環に由来するものとしては単環性の
ピリジニウム基もしくはその環上に置換基を有するもの
がほとんどで、本発明の縮合トリアゾリオ基を有する化
合物については合成はおろか、出願明細書における開示
も全くなされていない。
(発明が解決しようとする問題点) セフェム系抗生物質は人および動物の病原性細菌によ
り生ずる疾病の治療に広く使用されており、たとえばペ
ニシリン系抗生物質に抵抗性を示す細菌に起因する疾病
の治療およびペニシリン感受性患者の治療に特に有用で
ある。その場合グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両者
に対して活性を示すセフェム系抗生物質を用いることが
望ましく、この理由から広い抗菌スペクトルを持つセフ
ェム系抗生物質の研究が盛んに行なわれてきた。長期に
わたる研究の結果、セフェム環の7位に2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−ヒドロキシ(または置
換ヒドロキシ)イミノアセトアミド基や含窒素複素環ア
ミノ基などを導入するとグラム陽性菌およびグラム陰性
菌の両者に活性を示すようになることが発見され、いわ
ゆる第3世代セファロスポリン系化合物の開発へとつな
がった。現在、数種の第3世代セファロスポリン系化合
物がすでに市販されている。これら第3世代セファロス
ポリン系抗生物質のもうひとつの特徴は、かつてペニシ
リンにおいて経験されたと同様の耐性菌、いわゆるセフ
ァロスポリン耐性菌に対しても活性を示した点である。
すなわち既知のセファロスポリン類に耐性を示した一部
のエシェリヒア・コリ菌、一部のシトロバクター属およ
び大部分のインドール陽性のプロテウス属、エンテロバ
クター属、セラチア属あるいはシュウドモナス属などに
分類される病原性細菌に対しても臨床的に使用が可能な
ていどの抗菌力を発現した。これらの第3世代セファロ
スポリン系化合物の技術思想の中から、3位にピリジニ
ウムメチル基などの第4級アンモニウムメチル基、7位
に前記のアミノチアゾリルオキシイミノアセトアミド類
や含窒素複素環アミノ基などをあわせ持つセフェム化合
物およびそのオキサ体,カルバ体がさらに優れた抗菌作
用と独特な抗菌スペクトルを有することが示唆され、そ
の系統の化合物が種々合成されてきた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は一般式 [式中、R0はアシル基を、ZはSまたはOを、R4は水素
原子を、R13は水素原子を、Aは 式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
合していてもよい5〜6員芳香族複素環を形成する基
を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキルチオ基,
C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
示す]で表わされる基を、それぞれ示す]で表わされる
化合物またはその生理学的に受容される塩もしくはエス
テル,およびその製造法ならびに抗菌組成物に関するも
のである。以下、本明細書において化合物[I]と表わ
す場合は特にことわりのないかぎり生理学的に受容され
る塩もしくはエステルも含むこととする。
本明細書におけるセフェム化合物は「ザ・ジャーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」第
84巻,3400頁(1962年)に記載されている「セフェム」
に基づいて命名された化合物群であり、セフェム化合物
はセファム化合物のうち3,4−位に二重結合を有する化
合物を意味する。
従来の技術の項で述べたように3位に第4級アンモニ
ウムメチル基,7位にアミノチアゾリルオキシイミノアセ
トアミド類や含窒素複素環アミノ基などをあわせ持つセ
フェム化合物およびそのオキサ体,カルバ体がさらに優
れた抗菌作用と独特な抗菌スペクトルを有することが次
第に明らかになってきた。3位の第4級アンモニウムメ
チル基が含窒素芳香族複素環に由来する化合物がすでに
多数合成されて特許出願されているが、それらの複素環
は単環性のピリジニウム基もしくはその環上に置換基を
有するものがほとんどで、本発明の縮合トリアゾリオ基
を有する化合物については全く合成が行なわれていな
い。本発明者らはこのような化学構造上の特徴を持つ一
般式[I]で表わされる化合物を合成することに成功す
るとともに、それらの化合物の抗菌活性と抗菌スペクト
ルを調べた結果、化合物[I]が各種の細菌に対して強
い抗菌作用を示すこと、特に前述のセファロスポリン耐
性菌に対する強い抗菌作用を有すること、シュウドモナ
ス属の菌に対して特異な抗菌力を示すことなどを見出し
て本発明を完成した。
つぎに本明細書において使用する基名,記号について述
べる。特にことわりのない限り、本明細書における各基
名および各記号の意味は下記のとおりである。
「アルキル基」は直鎖状または分枝状に炭素数1〜6
の低級アルキル基(以後、「C1-6アルキル基」と略すこ
ともある)が好ましく、たとえばメチル,エチル,n−プ
ロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブ
チル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなどがあ
げられる。
「アルケニル基」は直鎖状または分枝状の炭素数2〜
6の低級アルケニル基(以後、「C2-6アルケニル基」と
略すこともある)が好ましく、たとえばビニル,アリ
ル,1−プロペニル,イソプロペニル,1−ブテニル,2−ブ
テニル,3−ブテニル,メタリル,1,1−ジメチルアリルな
どがあげられる。
「アルキニル基」は直鎖状または分枝状の炭素数2〜
6の低級アルキニル基(以後、「C2-6アルキニル基」と
略すこともある)が好ましく、たとえばエチニル,1−プ
ロピニル,プロパルギルなどがあげられる。
「シクロアルキル基」は炭素数3〜10からなる3〜7
員脂環状炭化水素基(以後、「C3-10シクロアルキル
基」と略すこともある)が好ましく、たとえばシクロプ
ロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシ
ル,シクロヘプチル,ノルボルニル,アダマンチルなど
があげられる。
「シクロアルケニル基」は二重結合を有する5〜6員
脂環状炭化水素基(以後、「C5-6シクロアルケニル基」
と略すこともある)が好ましく、たとえばシクロペンテ
ニル,シクロペンタジエニル,シクロヘキセニル,シク
ロヘキサジエニルなどがあげられる。
「アリール基」は炭素数6〜12の芳香族炭素水素基
(以後、「C6-12アリール基」と略すこともある)が好
ましく、たとえばフェニル,α−ナフチル,β−ナフチ
ル,ビフェニリルなどがあげられる。更には、炭素数C
6-10のもの(以後、「C6-10アリール基」と略すことも
ある)が好ましい。
「アラルキル基」は炭素数7〜12の芳香族置換アルキ
ル基(以後、「C7-12アラルキル基」と略すこともあ
る)が好ましく、たとえばベンジル,1−フェニルエチ
ル,2−フェニルエチル,フェニルプロピル,ナフチルメ
チルなどがあげられる。なお、C7-12アラルキル基と下
記のジC6-10アリール−メチル基,トリC6-10アリール−
メチル基とをあわせて「C7-19アラルキル基」と記す場
合もある。
「ジアリールメチル基」は上記のC6-10アリール基が
2個置換したメチル基(以後、「ジC6-10アリール−メ
チル基」と略すこともある)を意味し、たとえばベンズ
ヒドリルなどがあげられる。
「トリアリールメチル基」は上記のC6-10アリール基
が3個置換したメチル基(以後、「トリC6-10アリール
−メチル基」と略すこともある)を意味し、たとえばト
リチルなどがあげられる。
「アリールメチレン基」のアリール基は上記のC6-10
アリール基がよく、したがって以後、「C6-10アリール
−メチレン基」と略すこともある。C6-10アリール−メ
チレン基としてはたとえば、ベンジリデン(C6H6CH=)
などがあげられる。
「アルコキシ基」のアルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルコキシ基」
と記すこともある。C1-6アルコキシ基としてはたとえ
ば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキ
シ,n−ブトキシ,tert−ブトキシ,ペンチルオキシ,ヘ
キシルオキシなどがあげられる。
「シクロアルキルオキシ基」のシクロアルキル基は上
記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルオキシ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルオキシ基としてはたとえば、
シクロプロピルオキシ,シクロペンチルオキシ,シクロ
ヘキシルオキシ,ノルボルニルオキシなどがあげられ
る。
「アリールオキシ基」のアリール基は上記のC6-10
リール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリー
ルオキシ基」と記すこともある。C6-10アリールオキシ
基としてはたとえば、フェノキシ,ナフチルオキシなど
があげられる。
「アラルキルオキシ基」のアラルキル基は上記のC
7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキルオキシ基」と記すこともある。C7-19
ラルキルオキシ基としてはたとえば、ベンジルオキシ,1
−フェニルエチルオキシ,2−フェニルエチルオキシ,ナ
フチルメチルオキシ,ベンズヒドリルオキシ,トリチル
オキシなどがあげられる。
「アルキルチオ基」のアルキル基は上記のC1-6アルキ
ル基が好ましく、したがって以後、「アミノC1-6アルキ
ルチオ基」と記すこともある。C1-6アルキルチオ基とし
てはたとえば、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチ
オ,n−ブチルチオなどがあげられる。
「アミノアルキルチオ基」のアルキルチオ基は上記の
C1-6アルキルチオ基が好ましく、したがって以後、「ア
ミノC1-6アルキルチオ基」と記すこともある。アミノC
1-6アルキルチオ基としてはたとえば、アミノメチルチ
オ,2−アミノエチルチオ,3−アミノプロピルチオなどが
あげられる。
「アルケニルチオ基」のアルケニル基は上記のC2-6
ルケニル基が好ましく、したがって以後、「C2-6アルケ
ニルチオ基」と記すこともある。C2-6アルケニルチオ基
としてはたとえば、ビニルチオ,アリルチオ,1−プロペ
ニルチオ,イソプロペニルチオなどがあげられる。
「シクロアルキルチオ基」のシクロアルキル基は上記
のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルチオ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルチオ基としてはたとえば、シ
クロプロピルチオ,シクロヘキシルチオなどがあげられ
る。
「アリールチオ基」のアリール基は上記のC6-10アリ
ール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリール
チオ基」と記すこともある。C6-10アリールチオ基とし
てはたとえば、フェニルチオ,ナフチルチオなどがあげ
られる。
「アラルキルチオ基」のアラルキル基は上記のC7-19
アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C7-19
ラルキルチオ基」と記すこともある。C7-19アラルキル
チオ基としてはたとえば、ベンジルチオ,フェニルエチ
ルチオ,ベンズヒドリルチオ,トリチルチオなどがあげ
られる。
「モノアルキルアミノ基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「モノC1-6
ルキルアミノ基」と記すこともある。モノC1-6アルキル
アミノ基としてはたとえば、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノ,tert−ブチル
アミノ,n−ペンチルアミノ,n−ヘキシルアミノなどがあ
げられる。
「ジアルキルアミノ基」のアルキル基は上記のC1-6
ルキル基が好ましく、したがって以後、「ジC1-6アルキ
ルアミノ基」と記すこともある。ジC1-6アルキルアミノ
基としてはたとえば、ジメチルアミノ,ジエチルアミ
ノ,メチルエチルアミノ,ジ−(n−プロピル)アミ
ノ,ジ−(n−ブチル)アミノなどがあげられる。
「トリアルキルアンモニウム基」のアルキル基は上記
のC1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「トリ
C1-6アルキルアンモニウム基」と記すこともある。トリ
C1-6アルキルアンモニウム基としてはたとえば、トリメ
チルアンモニウム[(CH3)3 −],トリエチルアン
モニウムなどがあげられる。トリアルキルアンモニウム
基はこれに対するアニオンを必ず伴っている。このよう
なアニオンとしてはたとえば、ハロゲンイオン(塩素イ
オン,臭素イオン,ヨウ素イオンなど),スルフエート
イオン,ナイトレートイオン,カルボネートイオン、有
機カルボキシレートイオン(たとえばオギザレートイオ
ン,トリフルオロアセテートイオンなど),有機スルホ
ネートイオン(たとえば、メタンスルホネートイオン,p
−トルエンスルホネートイオンなど)があげられる。分
子内に有機カルボキシレートイオン,有機スルホネート
イオンなどが存在する場合は、上記トリアルキルアンモ
ニウムはこれらのイオンと分子内塩を形成していてもよ
い。
「シクロアルキルアミノ基」のシクロアルキル基は上
記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルアミノ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルアミノ基としてはたとえば、
シクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,シクロ
ヘキシルアミノなどがあげられる。
「アリールアミノ基」のアリール基は上記のC6-10
リール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリー
ルアミノ基」と記すこともある。C6-10アリールアミノ
基としてはたとえば、アニリノ,N−メチルアニリノなど
があげられる。
「アラルキルアミノ基」のアラルキル基は上記のC
7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキルアミノ基」と記すこともある。C7-19
ラルキルアミノ基としてはたとえば、ベンジルアミノ,1
−フェニルエチルアミノ,2−フェニルエチルアミノ,ベ
ンズヒドリルアミノ,トリチルアミノなどがあげられ
る。
「環状アミノ基」は後記するような含窒素複素環また
はその二重結合を飽和したものの環形成窒素原子に結合
している水素原子を1個とりのぞいてできる基をいい、
たとえば1H−テトラゾール−1−イル,1H−ピロール−
1−イル,ピロリノ,ピロリジノ,1H−イミダゾール−
1−イル,イミダゾリノ,イミダゾリジノ,1H−ピラゾ
ール−1−イル,ピラゾリノ,ピラゾリジノ,ピペリジ
ノ,ピペラジノ,モルホリノなどがあげられる。「ヒド
ロキシアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「ヒドロキシC1-6アル
キル基」と記すこともある。ヒドロキシC1-6アルキル基
としてはたとえば、ヒドロキシメチル,1−ヒドロキシエ
チル,2−ヒドロキシエチル,3−ヒドロキシプロピルなど
があげられる。
「メルカプトアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「メルカプト
C1-6アルキル基」と記すこともある。メルカプトC1-6
ルキル基としてはたとえばメルカプトメチル,1−メルカ
プトエチル,2−メルカプトエチルなどがあげられる。
「アルコキシアルキル基」のアルコキシ基は上記のC
1-6アルコキシ基が、アルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルコキシC1-6
アルキル基」と記すこともある。C1-6アルコキシC1-6
ルキル基としてはたとえば、メトキシメチル,エトキシ
メチル,2−メトキシエチルなどがあげられる。
「アルキルチオアルキル基」のアルキルチオ基は上記
のC1-6アルキルシチオ基が、アルキル基は上記のC1-6
ルキル基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルキル
チオC1-6アルキル基」と記すこともある。C1-6アルキル
チオC1-6アルキル基としてはたとえば、メチルチオメチ
ル,2−メチルチオエチルなどがあげられる。
「アミノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「アミノC1-6アル
キル基」と記すこともある。アミノC1-6アルキル基とし
てはたとえば、アミノメチル,2−アミノエチル,3−アミ
ノプロピルなどがあげられる。
「モノアルキルアミノアルキル基」は「モノC1-6アル
キルアミノC1-6アルキル基」が好ましく、たとえばメチ
ルアミノメチル,エチルアミノメチル,2−(N−メチル
アミノ)エチル,3−(N−メチルアミノ)プロピルなど
があげられる。
「ジアルキルアミノアルキル基」は「ジC1-6アルキル
アミノC1-6アルキル基」が好ましく、たとえば、N,N−
ジメチルアミノメチル,N,N−ジエチルアミノメチル,2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル,2−(N,N−ジエチルア
ミノ)エチル,3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルな
どがあげられる。
「環状アミノアルキル基」の環状アミノ基は上記のも
のが好ましく、またアルキル基は上記のC1-6アルキル基
が好ましいので、したがって以後、「環状アミノC1-6
ルキル基」と記すこともある。環状アミノC1-6アルキル
基としてはたとえば、ピロリジノメチル,ピペリジノメ
チル,ピペラジノメチル,モルホリノメチル,2−(モル
ホリノ)エチルなどがあげられる。
「環状アミノアルキルアミノ基」の環状アミノアルキ
ル基は上記の環状アミノC1-6アルキル基が好ましく、し
たがって以後、「環状アミノC1-6アルキルアミノ基」と
記すこともある。環状アミノC1-6アルキルアミノ基とし
てはたとえば、ピロリジノメチルアミノ,ピペリジノメ
チルアミノ,ピペラジノメチルアミノ,モルホリノメチ
ルアミノなどがあげられる。
「ハロゲノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
ルキル基が好ましく、したがって以後、「ハロゲノC1-6
アルキル基」と記すこともある。ハロゲノC1-6アルキル
基としてはたとえば、フルオロメチル,ジフルオロメチ
ル,トリフルオロメチル,クロロメチル,ジクロロメチ
ル,トリクロロメチル,2−フルオロエチル,2,2−ジフル
オロエチル,2,2,2−トリフルオロエチル,2−クロロエチ
ル,2,2−ジクロロエチル,2,2,2−トリクロロエチル,2−
ブロモエチル,2−ヨードエチルなどがあげられる。
「シアノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アルキ
ル基が好ましく、したがって以後、「シアノC1-6アルキ
ル基」と記すこともある。シアノC1-6アルキル基として
はたとえば、シアノメチル,2−シアノエチルなどがあげ
られる。
「カルボキシアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「カルボキシ
C1-6アルキル基」と記すこともある。カルボキシC1-6
ルキル基としてはたとえば、カルボキシメチル,1−カル
ボキシエチル,2−カルボキシエチルなどがあげられる。
「スルホアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「スルホC1-6アル
キル基」と記すこともある。スルホC1-6アルキル基とし
てはたとえば、スルホメチル,2−スルホエチルなどがあ
げられる。
「アルカノイルアルキル基」のアルカノイル基は後記
するC2-6アルカノイル基が好ましく、またアルキル基は
上記のC1-6アルキル基が好ましいので、以後「C2-6アル
カノイルC1-6アルキル基」と記すこともある。C2-6アル
カノイルC1-6アルキル基としてはたとえば、アセチルメ
チル,1−アセチルエチル,2−アセチルエチルなどがあげ
られる。
「アルカノイルオキシアルキル基」のアルカノイルオ
キシ基は後記するC2-6アルカノイルオキシ基が好まし
く、またアルキル基は上記のC1-6アルキル基が好ましい
ので、以後「C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキル基」
と記すこともある。C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキ
ル基としてはたとえば、アセトキシメチル,1−アセトキ
シエチル,2−アセトキシエチルなどがあげられる。
「アルコキシカルボニルアルキル基」のアルコキシカ
ルボニル基は後記するC1-10アルコキシ−カルボニル基
が好ましく、またアルキル基は上記のC1-6アルキル基が
好ましいので、以後「C1-10アルコキシ−カルボニルC
1-6アルキル基」と記すこともある。C1-10アルコキシ−
カルボニルC1-6アルキル基としてはたとえば、メトキシ
カルボニルメチル,エトキシカルボニルメチル,tert−
ブトキシカルボニルメチルなどがあげられる。
「カルバモイルアルキル基」のアルキル基はC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「カルバモイルC
1-6アルキル基」と記すこともある。カルバモイルC1-6
アルキル基としてはたとえば、カルバモイルメチルなど
があげられる。
「カルバモイルオキシアルキル基」のアルキル基はC
1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「カルバ
モイルオキシC1-6アルキル基」と記すこともある。カル
バモイルオキシC1-6アルキル基としてはたとえば、カル
バモイルオキシメチルなどがあげられる。
「ハロゲン原子」としてはたとえば、フッ素,塩素,
臭素,ヨウ素などがあげられる。
「アルカノイル基」は炭素数1〜6の脂肪族アシル基
(以後、「C1-6アルカノイル基」と略すこともある)が
好ましく、たとえばホルミル,アセチル,プロピオニ
ル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリ
ル,ピバロイルなどがあげられる。このうちホルミルを
除いたアルカノイル基を「C2-6アルカノイル基」と記す
こともある。
「アルケノイル基」は炭素数3〜5のアルケノイル基
(以後、「C3-5アルケノイル基」と略すこともある)が
好ましく、たとえばアクリロイル,クロトノイル,マレ
オイルなどがあげられる。
「シクロアルキルカルボニル基」のシクロアルキル基
は上記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがっ
て以後、「C3-10シクロアルキル−カルボニル基」と記
すこともある。C3-10シクロアルキル−カルボニル基と
してはたとえば、シクロプロピルカルボニル,シクロブ
チルカルボニル,シクロペンチルカルボニル,シクロヘ
キシルカルボニル,シクロヘプチルカルボニル,アダマ
ンチルカルボニルなどがあげられる。
「シクロアルケニルカルボニル基」のシクロアルケニ
ル基は上記のC5-6シクロアルケニル基が好ましく、した
がって以後、「C5-6シクロアルケニル−カルボニル基」
と記すこともある。C5-6シクロアルケニル−カルボニル
基としてはたとえば、シクロペンテニルカルボニル,シ
クロペンタジエニルカルボニル,シクロヘキセニルカル
ボニル,シクロヘキサジエニルカルボニルなどがあげら
れる。
「アリールカルボニル基」のアリール基は上記のC
6-10アリール基が好ましく、したがって以後、「C6-10
アリール−カルボニル基」と記すこともある。C6-10
リール−カルボニル基としてはたとえば、ベンゾイル,
ナフトイルなどがあげられる。
「アラルキルカルボニル基」のアラルキル基は上記の
C7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキル−カルボニル基」と記すこともある。C
7-19アラルキル−カルボニル基としてはたとえば、フェ
ニルアセチル,フェニルプロピオニル,α,α−ジフェ
ニルアセチル,α,α,α−トリフェニルアセチルなど
があげられる。
「アルコキシカルボニル基」のアルキル基はここでは
炭素数1〜8の低級アルキル基のほか、上記のC3-10
クロアルキル基も含むものとする。したがってアルコキ
シカルボニル基は以後、「C1-10アルコキシ−カルボニ
ル基」と記すこともある。C1-10アルコキシ−カルボニ
ル基としてはたとえば、メトキシカルボニル,エトキシ
カルボニル,n−プロポキシカルボニル,イソプロポキシ
カルボニル,n−ブトキシカルボニル,イソブトキシカル
ボニル,tert−ブトキシカルボニル,シクロペンチルオ
キシカルボニル,シクロヘキシルオキシカルボニル,ノ
ルボルニルオキシカルボニルなどがあげられる。
「アリールオキシカルボニル基」のアリールオキシ基
は上記のC6-10アリールオキシ基が好ましく、したがっ
て以後、「C6-10アリールオキシ−カルボニル基」と記
すこともある。C6-10アリールオキシ−カルボニル基と
してはたとえば、フェノキシ−カルボニル,ナフチルオ
キシカルボニルなどがあげられる。
「アラルキルオキシカルボニル基」のアラルキルオキ
シ基は上記のC7-19アラルキルオキシ基が好ましく、た
とえばベンジルオキシカルボニル,ベンズヒドリルオキ
シカルボニル,トリチルオキシカルボニルなどがあげら
れる。
「置換オキシカルボニル基」は上記のC1-10アルコキ
シ−カルボニル基,C6-10アリールオキシ−カルボニル
基またはC7-19アラルキルオキシ−カルボニル基をい
う。
「アルキルチオカルボニル基」のアルキルチオ基は上
記のC1-6アルキルチオ基が好ましく、したがって以後、
「C1-6アルキルチオ−カルボニル基」と記すこともあ
る。C1-6アルキルチオ−カルボニル基としてはたとえ
ば、メチルチオカルボニル,エチルチオカルボニル,n−
プロピルチオカルボニル,n−ブチルチオカルボニルなど
があげられる。
「アルカノイルオキシ基」のアルカノイル基は上記の
C1-6アルカノイル基が好ましく、したがって以後、「C
1-6アルカノイルオキシ基」と記すこともある。C1-6
ルカノイルオキシ基としてはたとえば、ホルミルオキ
シ,アセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキ
シ,バレリルオキシ,ピバロイルオキシなどがあげられ
る。このうちホルミルオキシを除いたアルカノイルオキ
シ基を「C2-6アルカノイルオキシ基」と記すこともあ
る。
「アルケノイルオキシ基」のアルケノイル基は上記の
C3-5アルケノイル基が好ましく、したがって以後、「C
3-5アルケノイルオキシ基」と記すこともある。C3-5
ルケノイルオキシ基としてはたとえば、アクリロイルオ
キシ,クロトノイルオキシなどがあげられる。
「モノアルキルカルバモイル基」のアルキル基は上記
のC1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「モノ
C1-6アルキルカルバモイル基」と記すこともある。モノ
C1-6アルキルカルバモイル基としてはたとえば、N−メ
チルカルバモイル,N−エチルカルバモイルなどがあげら
れる。
「ジアルキルカルバモイル基」のアルキル基は上記の
C1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「ジC1-6
アルキルカルバモイル基」と記すこともある。ジC1-6
ルキルカルバモイル基としてはたとえば、N,N−ジメチ
ルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイルなどがあげ
られる。
「モノアルキルカルバモイルオキシ基」のモノアルキ
ルカルバモイル基は上記のモノC1-6アルキルカルバモイ
ル基が好ましく、したがって以後、「モノC1-6アルキル
カルバモイル基」と記すこともある。モノC1-6アルキル
カルバモイルオキシ基としてはたとえば、N−メチルカ
ルバモイルオキシ,N−エチルカルバモイルオキシなどが
あげられる。
「ジアルキルカルバモイルオキシ基」のジアルキルカ
ルバモイル基は上記のジC1-6アルキルカルバモイル基が
好ましく、したがって以後、「ジC1-6アルキルカルバモ
イルオキシ基」と記すこともある。ジC1-6アルキルカル
バモイルオキシ基としてはたとえば、N,N−ジメチルカ
ルバモイルオキシ,N,N−ジエチルカルバモイルオキシな
どがあげられる。
「アルキルスルホニル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルキ
ルスルホニル基」と記すこともある。C1-6アルキルスル
ホニル基としてはたとえば、メタンスルホニル,エタン
スルホニルなどがあげられる。
「アリールスルホニル基」のアリール基は上記のC
6-10アリール基が好ましく、したがって以後、「C6-10
アリールスルホニル基」と記すこともある。C6-10アリ
ールスルホニル基としてはたとえば、ベンゼンスルホニ
ルなどがあげられる。
「アラルキルスルホニル基」のアラルキル基は上記の
C7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキルスルホニル基」と記すこともある。C
7-19アラルキルスルホニル基としてはたとえば、フェニ
ルメタンスルホニル,ジフェニルメタンスルホニルなど
があげられる。
「アルキルスルホニルオキシ基」のアルキルスルホニ
ル基は上記のC1-6アルキルスルホニル基が好ましく、し
たがって以後、「C1-6アルキルスルホニルオキシ基」と
記すこともある。C1-6アルキルスルホニルオキシ基とし
てはたとえば、メタンスルホニルオキシ,エタンスルホ
ニルオキシなどがあげられる。
「アリールスルホニルオキシ基」のアリールスルホニ
ル基は上記のC6-10アリールスルホニル基が好ましく、
したがって以後、「C6-10アリールスルホニルオキシ
基」と記すこともある。C6-10アリールスルホニルオキ
シ基としてはたとえば、ベンゼンスルホニルオキシなど
があげられる。
「アラルキルスルホニルオキシ基」のアラルキルスル
ホニル基は上記のC7-19アラルキルスルホニル基が好ま
しく、したがって以後、「C7-19アリールスルホニルオ
キシ基」と記すこともある。C7-19アラルキルスルホニ
ルオキシ基としてはたとえば、フェニルメタンスルホニ
ルオキシ,ジフェニルメタンスルホニルオキシなどがあ
げられる。
「アミノ酸残基」は通常のアミノ酸のカルボキシル基
の水酸基をとりのぞいてできるアシル基をいい、具体的
にはたとえば、グリシル,アラニル,バリル,ロイシ
ル,イソロイシル,セリル,スレオニル,システィニ
ル,シスチル,メチオニル,アスパラギル,グルタミ
ル,リジル,アルギニル,フェニルグリシル,フェニル
アラニル,チロシル,ヒスチジル,トリプトフィル,プ
ロリルなどがあげられる。本明細書において、かかるア
ミノ酸残基中のアミノ酸はL体のみならずD体も含む。
「含窒素複素環」は1〜数個の、好ましくは1〜4個
の窒素原子(オキシド化されていてもよい)を含む5〜
8員環またはその縮合環をいう。このような含窒素複素
環は窒素原子のほかに酸素原子,硫黄原子などのヘテロ
原子を1〜数個、好ましくは1〜2個含んでいてもよ
い。
「含窒素複素環基」は上記の含窒素複素環の環形成炭
素原子に結合している水素原子を1個とりのぞいてでき
る基をいう。
「複素環基」は複素環の炭素原子に結合している水素
原子を1個とりのぞいてできる基をいい、そのような複
素環はたとえば、窒素原子(オキシド化されていてもよ
い),酸素原子,硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数
個、好ましくは1〜4個含む5〜8員環またはその縮合
環をいう。このような複素環基としては具体的には2−
または3−プロリル,3−,4−または5−ピラゾリル,2
−,4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または1,2,4−
トリアゾリル,1H−または2H−テトラゾリル,2−または
3−フリル,2−または3−チエニル,2−,4−または5−
オキサゾリル,3−,4−または5−イソキサゾリル,1,2,3
−オキサジアゾール−4−または5−イル,1,2,4−オキ
サジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−または1,3,
4−オキサジアゾリル,2−,4−または5−チアゾリル,3
−,4−または5−イソチアゾリル,1,2,3−チアジアゾー
ル−4−または5−イル,1,2,4−チアジアゾール−3−
または5−イル,1,2,5−または1,3,4−チアジアゾリル,
2−または3−ピロリジニル,2−,3−または4−ピリジ
ル,2−,3−または4−ピリジル−N−オキシド,3−また
は4−ピリダジニル,3−または4−ピリダジニル−N−
オキシド,2−,4−または5−ピリミジニル,2−,4−また
は5−ピリミジニル−N−オキシド,ピラジニル,2−,3
−または4−ピペリジニル,ピペラジニル,3H−インド
ール−2−または3−イル,2−,3−または4−ピラニ
ル,2−,3−または4−チオピラニル,ベンゾピラニル,
キノリル,ピリド[2,3−d]ピリミジル,1,5−,1,6−,
1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジル,チエノ
[2,3−d]ピリジル,ピリミドピリジル,ピラジノキ
ノリル,ベンゾピラニルなどがあげられる。
「複素環オキシ基」,「複素環チオ基」,「複素環ア
ミノ基」,「複素環カルボニル基」,「複素環アセチル
基」および「複素環カルボキサミド基」の複素環基はい
ずれも上記の「複素環基」が好ましい。
「第4級アンモニウム基」は上記の含窒素複素環の1
個の3級窒素原子上の不対電子が結合手となり、自らは
4級化している基をいう。したがってこれに対するアニ
オンを必ず伴っている。第4級アンモニウム基としては
たとえば、オキサゾリウム,チアゾリウム,イソキサゾ
リウム,イソチアゾリウム,ピリジニウム,キノリニウ
ムなどがあげられる。アニオンとしてはたとえば、水酸
イオン,ハロゲンイオン(塩素イオン,臭素イオン,ヨ
ウ素イオンなど),スルフェートイオン,ナイトレート
イオン,カルボネートイオン,有機カルボキシレートイ
オン(たとえばオギザレートイオン,トリフルオロアセ
テートイオンなど),有機スルホネートイオン(たとえ
ばp−トルエンスルホネートイオンなど)があげられ
る。有機カルボキシレートイオン,有機スルホネートイ
オンなどは分子内の場合もある。
右肩に記号を付した基は、その基が「置換基を有し
ていてもよい基」であることを示す。たとえばアルキル
基は「置換基を有していてもよいアルキル基」を表わ
す。この場合、置換基の数は1個だけに限定されず、置
換される基によっては同一または異なって2〜数個、好
ましくは2〜3個存在していてもよい。
「C6-10アリール基」,「C7-12アラルキル基」,
「C6-10アリールオキシ基」および「C7-19アラルキル
オキシ基」としてはそれぞれ、「フェニル基」,
「ベンジル基」,「フェノキシ基」および「ベンジ
オキシ基」がより好ましい。
本発明の化合物[I]において置換基R0はアシル基を
表わす。
置換基R0としてのアシル基は従来から知られているペ
ニシリン誘導体の6位のアミノ基に置換しているアシル
基やセファロスポリン誘導体の7位アミノ基に置換して
いるアシル基などをいう。このようなアシル基としては
アルカノイル基,アルケノイル基,シクロアルキルカル
ボニル基,シクロアルケニルカルボニル基,アリールカ
ルボニル基,複素環カルボニル基などがあげられ、より
具体的にはそれぞれC1-6アルカノイル基,C3-5アルケ
ノイル基,C3-10シクロアルキル−カルボニル基,C
5-6シクロアルケニル−カルボニル基,C6-10アリール
カルボニル基,複素環カルボニル基があげられる。
C1-6アルカノイル基としてはたとえば、ホルミル,ア
セチル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,イソバレリル,ピバロイルなどがあげられる。
C1-6アルカノイル基で表わされる「置換基を有して
いてもよいC1-6アルカノイル基」の置換基としてはたと
えば、C1アルカノイル基(すなわちホルミル)の場合
は複素環カルボニル基が、またC2-6アルカノイル基
(すなわちアセチル,プロピオニル,ブチリル,イソブ
チリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイルなど)の
場合は以下に述べる「置換基S1」があげられる。「置換
基S1」はC3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケ
ニル基,C6-10アリール基,水酸基,C1-6アルコキ
シ基,C3-10シクロアルキルオキシ基,C6-10アリール
オキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,メルカプト
基,C1-6アルキルチオ基,アミノC1-6アルキルチオ
基,C2-6アルケニルチオ基,C3-10シクロアルキルチ
オ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキルチオ
基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アル
キルアミノ基,C3-10シクロアルキルアミノ基,C6-10
リールアミノ基,C7-19アラルキルアミノ基,環状
アミノ基,ハロゲン原子,ニトロ基,アジド基,シア
ノ基,カルボキシル基,アシル基,置換オキシカルボ
ニル基,C1-6アルキルチオ−カルボニル基,アシル
キシ基,アシルアミノ基,アシルアミノアルキルチ
オ基,カルバモイル基,モノC1-6アルキルカルバモイル
基,ジC1-6アルキルカルバモイル基,カルバモイルオキ
シ基,モノC1-6アルキルカルバモイルオキシ基,ジC1-6
アルキルカルバモイルオキシ基,スルホ基,ヒドロキシ
スルホニルオキシ基,C1-6アルキルスルホニル基,C
6-10アリールスルホニル基,C7-19アラルキルスル
ホニル基,C1-6アルキルスルホニルオキシ基,C6-10
リールスルホニルオキシ基,C7-19アラルキルスル
ホニルオキシ基,ウレイド基,スルファモイル基,
複素環基,複素環オキシ基,複素環チオ基,複素
アミノ基,複素環カルボニル基,複素環カルボ
キサミド基または第4級アンモニウム基をいう。これ
らの置換基の数は1個に限定されず、置換基が1個乃至
3個の場合が好ましく、複数個の場合、それらの置換基
は同一でも、また異なっていてもよい。さらにはそのう
ちの2個の置換基があわさって後記するようなC=C二
重結合またはC=N二重結合を形成していてもよい。
C3-5アルケノイル基で表わされる「置換基を有して
いてもよいC3-5アルケノイル基」の置換基(以後「置換
基S2」という)としてはたとえば、C3-10シクロアルキ
ル基,C6-10アリール基,C1-6アルコキシ基,C6-10
リールオキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,ハロ
ゲン原子,シアノ基,カルボキシル基,アシル基,置
換オキシカルボニル基,アシルオキシ基,複素環
基,第4級アンモニウム基などがあげられる。
C6-10アリールカルボニル基で表わされる「置換基
を有していてもよいC6-10アリール−カルボニル基」の
置換基および複素環カルボニル基で表わされる「置換
基を有していてもよい複素環基」の置換基(以後、「置
換基S3」という)としてはたとえば、C1-6アルキル基,
C2-6アルケニル基,C6-10アリール基,C7-12アラルキル
基,ジC6-10アリール−メチル基,トリC6-10アリール−
メチル基,水酸基,C1-6アルコキシ基,C6-10アリール
オキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,メルカプト基,C
1-6アルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラ
ルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,
ジC1-6アルキルアミノ基,ヒドロキシC1-6アルキル基,
メルカプトC1-6アルキル基,ハロゲノC1-6アルキル基,
カルボキシC1-6アルキル基,ハロゲン原子,ニトロ基,
アジド基,シアノ基,カルボキシル基,置換オキシカル
ボニル基,アシル基,アシルオキシ基,アシル
ミノ基,カルバモイル基,チオカルバモイル基,C1-6
ルキルスルホニル基,C6-10アリールスルホニル基,C
7-19アラルキルスルホニル基などがあげられる。
上記したC1-6アルカノイル基,C3-5アルケノイル基,
C6-10アリール−カルボニル基および複素環カルボニル
基の置換基(S1,S2およびS3)で以下に述べるもの以外
の基は前記した基をここでも意味する。
C6-10アリール基,フェニル基,C6-10アリール
オキシ基,フェノキシ基,C6-10アリールチオ基,C
6-10アリールアミノ基,C6-10アリールスルホニル
基およびC6-10アリールスルホニルオキシ基のC6-10
リール基の置換基としては、上記の置換基S3がここでも
そのままあげられる。
C7-12アラルキル基,ベンジル基,C7-19アラルキ
オキシ基,ベンジルオキシ基,C7-19アラルキル
チオ基,C7-19アラルキルアミノ基,C7-19アラルキ
スルホニル基およびC7-19アラルキルスルホニル
オキシ基のC7-12またはC7-19アラルキル基の芳香環の置
換基としては、上記の置換基S3がここでもそのままあげ
られる。
複素環基,複素環オキシ基,複素環チオ基,複
素環アミノ基,複素環アセチル基および複素環
ルボキサミド基の複素環の置換基としては、上記の置換
基S3がここでもそのままあげられる。
第4級アンモニウム基の含窒素複素環上の置換基と
しては、上記の置換基S3がここでもそのままあげられ
る。
C1-6アルキル基で表わされる「置換基されていもよ
いC1-6アルキル基」のC1-6アルキル基の置換基として
は、上記の置換基S1がここでもそのままあげられる。
C3-10シクロアルキル基およびC5-6シクロアルケニ
基で表わされる「置換されていもよいC3-10シクロ
アルキル基」および「置換されていてもよいC5-6シクロ
アルケニル基」の置換基としては、上記の置換基S3がこ
こでもそのままあげられる。
C1-6アルキルチオ基で表わされる「置換されていも
よいC1-6アルキルチオ基」のC1-6アルキルチオ基の置換
基(以後、「置換基S4」という)としてはたとえば、水
酸基,C1-6アルコキシ基,C3-10シクロアルキルオキシ
基,C6-10アリールオキシ基,C7-19アルキルオキシ
基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ基,C3-10シクロ
アルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラル
キルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,
ジC1-6アルキルアミノ基,環状アミノ基,ハロゲン原
子,シアノ基,カルボキシル基,カルバモイル基,アシ
オキシ基,スルホ基,第4級アンモニウム基など
があげられる。
C2-6アルケニルチオ基で表わされる「置換されてい
もよいC2-6アルケニルチオ基」のC2-6アルケニルチオ基
の置換基(以後、「置換基S5」という)としてはたとえ
ば、ハロゲン原子,シアノ基,カルボキシル基,カルバ
モイル基,モノC1-6アルキルカルバモイル基,ジC1-6
ルキルカルバモイル基,チオカルバモイル基などがあげ
られる。
「アシル基」は上記のC1-6アルカノイル基,C6-10
アリールカルボニル基,C7-19アラルキルカルボニ
ル基,複素環カルボニル基または複素環アセチル基
をいう。したがってアシル基の代表的なものをあげる
とたとえば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,n−ブ
チリル,イソブチリル,バレリル,ピバロイル,n−ヘキ
サノイル,クロロアセチル,ジクロロアセチル,トリク
ロロアセチル,3−オキソブチリル,4−クロロ−3−オキ
ソブチリル,3−カルボキシプロピオニル,4−カルボキシ
ブチリル,3−エトキシカルバモイルプロピオニル,ベン
ゾイル,ナフトイル,p−メチルベンゾイル,p−ヒドロキ
シベンゾイル,p−メトキシベンゾイル,p−クロロベンゾ
イル,p−ニトロベンゾイル,o−カルボキシベンゾイル,o
−(エトキシカルボニルカルバモイル)ベンゾイル,o−
(エトキシカルボニルスルファモイル)ベンゾイル,フ
ェニルアセチル,p−メチルフェニルアセチル,p−ヒドロ
キシフェニルアセチル,p−メトキシフェニルアセチル,
2,2−ジフェニルアセチル,2−チエニルカルボニル,2−
フリルカルボニル,2−,4−または5−チアゾリルアセチ
ル,2−または3−チエニルアセチル,2−または3−フリ
ルアセチル,2−アミノ−4−または5−チアゾリルアセ
チル,5−アミノ−3−チアジアゾリルアセチルなどがあ
げられる。
「アシルオキシ基」および「アシルアミノ基」の
アシル基は上記アシル基をいい、したがって「アシ
オキシ基」としてはたとえば、ホルミルオキシ,ア
セトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,バレ
リルオキシ,ピバロイルオキシ,クロロアセトキシ,ジ
クロロアセトキシ,トリクロロアセトキシ,3−オキソブ
チリルオキシ,4−クロロ−3−オキソブチリルオキシ,3
−カルボキシプロピオニルオキシ,4−カルボキシブチリ
ルオキシ,3−エトキシカルバモイルプロピオニルオキ
シ,ベンゾイルオキシ,ナフトイルオキシ,p−メチルベ
ンゾイルオキシ,p−メトキシベンゾイルオキシ,p−クロ
ロベンゾイルオキシ,o−カルボキシベンゾイルオキシ,o
−(エトキシカルボニルカルバモイル)ベンゾイルオキ
シ,o−(エトキシカルボニルスルファモイル)ベンゾイ
ルオキシ,フェニルアセチルオキシ,p−メチルフェニル
アセチルオキシ,p−メトキシフェニルアセチルオキシ,p
−クロロフェニルアセチルオキシ,2,2−ジフェニルアセ
チルオキシ,チエニルカルボニルオキシ,フリルカルボ
ニルオキシ,チアゾリルアセチルオキシ,チエニルアセ
チルオキシ,フリルアセチルオキシなどが、また「アシ
アミノ基」としてはたとえば、アセトアミド(CH3C
ONH-),ベンズアミド(C6H5CONH-),フェニルアセト
アミド(C6H5CH2CONH-),2−チエニルアセトアミド などがあげられる。
「アシルアミノアルキルチオ基」のアシルアミノ
基およびアルキルチオ基はそれぞれ前記のアシルアミ
ノ基およびC1-6アルキルチオ基を意味し、したがってこ
のような「アシルアミノC1-6アルキルチオ基」として
はたとえば、アセトアミドメチルチオ,2−アセトアミド
エチルチオなどがあげられる。
「アリールアシル基」は「アリール−アシル基」
がよく、たとえばベンゾイル,フタロイル,ナフトイ
ル,フェニルアセチルなどがあげられる。
「アリールアシルオキシ基」は「C6-10アリール−
アシルオキシ基」がよく、たとえばベンゾイルオキ
シ,ナフトイルオキシ,フェニルアセチルオキシなどが
あげられる。
「ウレイド基」で表わされる「置換されていもよい
ウレイド基」のウレイド基の置換基としてはたとえば、
C1-6アルキル基,C6-10アリール基,C7-19アラルキル
基,アシル基,カルバモイル基,スルホ基(ナトリ
ウム,カリウムなどと適宜に塩を形成していてもよ
い),スルファモイル基,アミジノ基などがあげられ
る。
「スルファモイル基」で表わされる「置換されてい
てもよいスファモイル基」のスルファモイル基の置換基
としてはたとえば、C1-6アルキル基,アミジノ基などが
あげられる。
「カルバモイル基」および「カルバモイルオキシ
基」で表わされる「置換されていてもよいカルバモイル
基」の置換基としてはたとえば、C1-6アルキル基,C
6-10アリール基,C7-12アラルキル基,アシル
などがあげられ、また、カルバモイル基の窒素原子が含
窒素複素環の環形成窒素原子である場合も含まれる。
「チオカルバモイル基」で表わされる「置換されて
いてもよいチオカルバモイル基」の置換基としてはたと
えば、C1-6アルキル基,C6-10アリール基,C7-12アラ
ルキル基,アシル基などがあげられ、また、チオカ
ルバモイル基の窒素原子が含窒素複素環の環形成窒素原
子である場合も含まれる。
「環状アミノ基」で表わされる「置換されていても
よい環状アミノ基」の環状アミノ基の置換基(以後、
「置換基S6」という)としてはたとえば、C1-6アルキル
基,C2-6アルケニル基,C3-10シクロアルキル基,C6-10
アリール基,C7-12アラルキル基,ジC6-10アリール
−メチル基,トリC6-10アリール−メチル基,水酸基,C
1-6アルコキシ基,C6-10アリールオキシ基,C7-19
ラルキルオキシ基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ
基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキルチオ
基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アル
キルアミノ基,C6-10アリールアミノ基,C7-19アラル
キルアミノ基,ハロゲン原子,ニトロ基,アジド基,
オキソ基,チオキソ基,シアノ基,カルボキシル基,ア
シル基,置換オキシカルボニル基,アシルオキシ
基,アシルアミノ基,カルバモイル基,カルバモイル
オキシ基,チオカルバモイル基,スルホ基などがあげら
れる。
C1-6アルカノイル基のひとつとして前記した複素環
カルボニル基で置換されたホルミル基はすなわち複素
−CO-CO−なる式を有するアシル基で、該複素環
基は前記のものがここでもあげられるが、置換基を有し
ていてもよいオキサゾリル基,チアゾリル基,オキサジ
アゾリル基,チアジアゾリル基などがより好ましい。こ
のような「複素環−CO-CO−」なる基としてはたとえ
ば、2−(2−,4−または5−オキサゾリル)−2−オ
キソアセチル,2−(2−,4−または5−チアゾリル)−
2−オキソアセチル,2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−オキソアセチル,2−(1,2,4−オキサジアゾ
ール−3−または5−イル)−2−オキソアセチル,2−
(1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル)−2
−オキソアセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジア
ゾール−3−イル)−2−オキソアセチルなどがあげら
れる。
C2-6アルカノイル基としては置換基を有するアセチ
ル基が最も好ましい。置換基を有するアセチル基の置換
基の数は1〜3個であり、置換基はC1-6アルカノイル基
の置換基として前記した「置換基S1」がここでもあげら
れる。置換基の数が2〜3個の場合、それらの置換基は
同一でも、また異なっていてもよく、さらには2個の置
換基があわさって二重結合を形成していてもよい。モノ
置換アセチル基としてはR15CH2CO-,ジ置換アセチル基
としては と表わすことができる。一方、トリ置換アセチル基とし
てはそのうちの2個の置換基があわさってC=C二重結
合もしくはC=N二重結合を形成しているものがよく、
それぞれ と表わすことができる。ここで記号R15〜R17,R20およ
びR22は前記した置換基(S1)を意味し、記号R18,R19
およびR21については後記する。以下、これらの置換基
(R15〜R22)を有するアセチル基について詳述する。
i) R15CH2CO- 記号R15は前記のC1-6アルキル基の置換基(S1)を意
味するが、とりわけ、C5-6シクロアルケニル基,C6-10
アリール基,C6-10アリールオキシ基,C1-6アルキ
チオ基,C2-6アルケニルチオ基,C6-10アリール
チオ基,アミノ基,環状アミノ基,シアノ基,アシル
基,アシルオキシ基,複素環基,複素環チオ
基,第4級アンモニウム基などが繁用される。したが
って「アシル基R15CH2CO-」としてはたとえば、1,4−シ
クロヘキサジエニルアセチル,フェニルアセチル,p−ト
リルアセチル,p−ヒドロキシフェニルアセチル,p−メト
キシフェニルアセチル,p−クロロフェニルアセチル,o−
アミノメチルフェニルアセチル,フェノキシアセチル,p
−ヒドロキシフェノキシアセチル,p−クロロフェノキシ
アセチル,シアノメチルチオアセチル,ジフルオロメチ
ルチオアセチル,トリフルオロメチルチオアセチル,
(2−カルボキシエチル)チオアセチル,(2−アミノ
−2−カルボキシエチル)チオアセチル,(2−クロロ
ビ ニル)チオアセチル,(2−カルボキシビニル)チ
オアセチル,(2−フルオロ−2−カルバモイルビニ
ル)チオアセチル,(1,2−ジクロロビニル)チオアセ
チル,(2−クロロ−2−カルボキシビニル)チオアセ
チル,フェニルチオアセチル,p−ヒドロキシフェニルチ
オアセチル,グリシル,1H−テトラゾール−1−イルア
セチル,3,5−ジクロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピ
リジン−1−イルアセチル,シアノアセチル,アセトア
セチル,ベンゾイルアセチル,フリルカルボニルアセチ
ル,チエニルカルボニルアセチル,(1H−テトラゾリ
ル)アセチル,1−メチル−1H−テトラゾリルアセチル,
(2−フリル)アセチル,(2−チエニル)アセチル,
(3−チエニル)アセチル,(4−オキサゾリル)アセ
チル.(4−チアゾリル)アセチル,(2−アミノ−4
−チアゾリル)アセチル,(1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)アセチル,(5−アミノ−1,2,4−チアジア
ゾール−3−イル)アセチル,(2−ピリジル)アセチ
ル,(4−ピリジル)アセチル,(2−イミダゾリル)
チオアセチル,(2−ピリジル)チオアセチル,(4−
ピリジル)チオアセチル.(2−チエニル)チオアセチ
ル,ヒドロキシピリジルチオアセチル,(5−イソチア
ゾリル)チオアセチル,(3−メチルチオ−5−イソチ
アゾリル)チオアセチル,(4−シアノ−5−イソチア
ゾリル)チオアセチル,(4−シアノ−2−メチル−3
−オキソ−2,3−ジヒドロイソチアゾール−5−イル)
チオアセチル,ビリジニウムアセチル,キノリニウムア
セチルなどがあげられる。
記号R16は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
け、C5-6シクロアルケニル基,C6-10アリール基,C
6-10アリールオキシ基,C1-6アルキルチオ基,C2-6
アルケニルチオ基,C6-10アリールチオ基,環状ア
ミノ基,シアノ基,複素環基,複素環チオ基,複素
カルボキサミド基,第4級アンモニウム基などが
ここでも繁用される。また記号R17も前記の置換基を意
味するが、とりわけ、水酸基,メルカプト基,アミノ
基,アミノ酸残基で置換されたアミノ基,ヒドラジノ
基,アジド基,ウレイド基,アシル基,アシル
ミノ基,カルボキシル基,置換オキシカルボニル基,ス
ルホ基,スルファモイル基,カルバモイル基,複素環
カルボキサミド基などが好ましい。これらのうち置換基
R17がアミノ基のもの(すなわち は特に「アミノ酸残基」として分類されることもある。
したがって「アシル基 」としてはたとえば、2−アミノ−2−(1,4−シクロ
ヘキサジエニル)アセチル,マンデリル,α−アジドフ
ェニルアセチル,α−カルボキシフェニルアセチル,α
−(フェノキシカルボニル)フェニルアセチル,α−
(o−ヒドロキシフェニル)オキシカルボニルフェニル
アセチル,α−(p−トリルオキシカルボニル)フェニ
ルアセチル,α−スルホフェニルアセチル,α−スルホ
−p−ヒドロキシフェニルアセチル,α−ウレイドフェ
ニルアセチル,α−(Nγ−スルホウレイド)フェニル
アセチル,α−カルボキシ−p−ヒドロキシフェニルア
セチル,α−(ホルミルオキシ)フェニルアセチル,α
−(2−アミノ−3−カルボキシプロピオンアミド)フ
ェニルアセチル,α−(3−アミノ−3−カルボキシピ
ロピオンアミド)フェニルアセチル,α−(3,4−ジヒ
ドロキシベンズアミド)フェニルアセチル,α−(5−
カルボキシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニ
ルアセチル,α−(1,3−ジメチル−4−ピラゾリルカ
ルボキサミド)フェニルアセチル,5−フェニル−3−イ
ソキサゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル,α−
[1−(p−メトキシフェニル)−4−クロロ−1,2,3
−トリアゾール−5−イルカルボキサミド]フェニルア
セチル,α−(4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−
3−イルカルボキサミド)フェニルアセチル,α−[2
−オキソ−5−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,2−
ジヒドロピリジン−3−イルカルボキサミド]フェニル
アセチル,α−(4−オキソ−4H−1−チオピラン−3
−イツカルボキサミド)フェニルアセチル,α−(4−
ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イルカルボキサ
ミド)フェニルアセチル,α−(4−エチル−2,3−ジ
オキソピペラジノカルボキサミド)フェニルアセチル,
α−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキ
サミド)−p−ヒドロキシフェニルアセチル,α−(4
−エチル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサミド)
−p−ベンジルオキシフェニルアセチル,α−(4−エ
チル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサミド)−p
−スルホフェニルアセチル,α−(4−エチル−2,3−
ジオキソピペラジノカルボキサミド)−p−メトキシフ
ェニルアセチル,α−(2−オキソイミダゾリジノカル
ボキサミド)フェニルアセチル,α−(2−オキソ−3
−メタンスルホニルイミダゾリジノカルボキサミド)フ
ェニルアセチル,α−(6,7−ヒドロキシ−4−オキソ
−4H−ベンゾピラン−3−イルカルボキサミド)フェニ
ルアセチル,α−(6,7ジヒドロキシ−2−オキソ−2H
−ベンゾピラン−3−イルカルボキサミド)フェニルア
セチル,α−ヒドロキシ−2−チエニルアセチル,α−
ヒドロキシ−3−チエニルアセチル,α−カルボキシ−
3−チエニルアセチル,α−アミノ−α−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)アセチル,α−ホルムアミド−
α−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル,α
−アセトアミド−α−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)アセチル,α−ホルムアミド−α−(2−アミノ−
5−クロロチアゾール−4−イル)アセチル,α−アセ
トアミド−α−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)アセチル,α−ホルムアミド−α−(5−ア
ミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセチル,
α−アセトアミド−α−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)アセチル,α−ヒドラジノ−α−
(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル,α−ヒ
ドロキシ−α−(2−アミノチアゾール−4−イル)ア
セチル,α−ウレイド−α−(2−アミノチアゾール−
4−イル)アセチル,α−[Nγ−(m−ヒドロキシフ
ェニル)ウレイド]フェニルアセチル,α−[Nγ
(2−メチル−6−ヒドロキシピリミジン−5−イル)
ウレイド」フェニルアセチル,α−[Nγ−(3,4−ジ
アセトキシベンゾイル)ウレイド]フェニルアセチル,
α−[Nγ−3,4−ジヒドロキシシンナモイル)ウレイ
ド]フェニルアセチル,α−[Nγ−(3,4−ジアセト
キシベンズアミドアセチル)ウレイド」フェニルアセチ
ル,α−[Nγ−(2−フリルカルボニル)ウレイド]
フェニルアセチル,α−[Nγ−(6,7−ジヒドロ−4
−オキソ−4H−ベンゾピラン−3−イルカルボニル)ウ
レイド]フェニルアセチル,α−(2−クロロビニルチ
オ)フェニルアセチル,α−カルバモイル−α−(2−
クロロビニルチオ),α−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソピペラジノカルボキサミド)−α−(2−クロロビニ
ルチオ)アセチル,α,α−ビス−(4−エチル−2,3
−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサミド)アセチ
ル,α−(2−アミノ−4−チアゾリル)−α−(4−
エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサミ
ド)アセチル.α−(4−ヒドロキシ−6−メチルニコ
チンアミド)−α−フェニルアセチル,α−(4−ヒド
ロキシ−6−メチルニコチンアミド)−α−(4−ヒド
ロキシフェニル)アセチル,α−{5,8−ジヒドロ−2
−(4−ホルミル−1−ピペラジニル)−5−オキソピ
リド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド}−
α−フェニルアセチル,α−(3,5−ジオキソ−1,2,4−
トリアジン−6−カルボキサミド)−α−(4−ヒドロ
キシフェニル)アセチル,α−(3−フルフリデンアミ
ノ−2−オキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)
−α−フェニルアセチル,α−(クマリン−3−カルボ
キサミド)−α−フェニルアセチル,α−(4−ヒドロ
キシ−7−メチル−1,8−ナフチリジン−3−カルボキ
サミド)−α−フェニルアセチル,α−(4−ヒドロキ
シ−7−トリフルオロメチルキノリン−3−カルボキサ
ミド)−α−フェニルアセチル,N−[2−(2−アミノ
−4−チアゾリル)アセチル]−D−フェニルグリシ
ン,α−(6−ブロモ−1−エチル−1,4−ジヒドロ−
4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキ
サミド)−α−フェニルアセチル,α−(4−エチル−
2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサミド)−α
−チエニルアセチル,α−(4−n−ペンチル−2,3−
ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサミド)−α−チエ
ニルアセチル,α−(4−n−オクチル−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジノカルボキサミド)−α−チエニルア
セチル,α−(4−シクロヘキシル−2,3−ジオキソ−
1−ピペラジノカルボキサミド)−α−チエニルアセチ
ル,α−[4−(2−フェニルエチル)−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジノカルボキサミド]−α−チエニルア
セチル,α−(3−フルフリデンアミノ−2−オキソイ
ミダゾリジン−1−カルボキサミド)−α−(4−ヒド
ロキシフェニル)アセチルなどが例示される。またアミ
ノ酸の残基 としてはここでもたとえば、アラニル,バリル,ロイシ
ル,イソロイシル,セリル,スレオニル,システイニ
ル,シスチル,メチオニル,アスパラギル,グルタミ
ル,リジル,アルギニル,フェニルグリシル,フェニル
アラニル,チロシル,ヒスチジル,トリプトフィル,プ
ロリルなどが例示される。またこれらのアミノ酸残基の
アミノ基は後記するようなアミノ基の保護基で保護され
ていてもよい。「アミノ基が保護されたアミノ酸残基」
としてはたとえば、N−ベンジルオキシカルボニルアラ
リル,N−ベンジルオキシカルボキサミドフェニルグリシ
ルなどがあげられる。またアミノ酸残基のアミノ基はさ
らにもうひとつのアミノ酸残基で置換されていてもよ
い。このようなアシル基はすなわち「ジペプチドの残
基」であり、このようなアシル基としてはたとえば、フ
ェニルグリシル−アラニル,ベンジルNα−ベンジルオ
キシカルボニル−γ−グルタミル−アラニル,アラニル
−フェニルグルシル,γ−アスパルチル−フェニルグリ
シル,γ−グルタミル−アラニルなどがあげられる。ま
たアミノ酸残基のアミノ基は環状カルバモイル基で置換
されていてもよい。このようなアシル基としてはたとえ
ば、N−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジ
ノカルボニル)アラニル,N−(4−エチル−2,3−ジチ
オキソ−1−ピペラジノカルボニル)フェニルグリシ
ル,N−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノ
カルボニル)スレオニルなどがあげられる。
またアシル基 のひとつとして [式中、R24,R25は同一または異なって水素原子,ハロ
ゲン原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),ヒドロキシ
メチル基,ジフルオロメチル基,トリフルオロメチル
基,ホルミル基,シアノ基,アジド基,カルボキシル
基,カルバモイル基,C1-6アルキルチオ基またはC6-10
アリールチオ基を示す]で表わされるアシル基も使用
される。
このようなアシル基としてはたとえば などがあげられる。
記号R20は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
けC6-10アリール基,C6-10アリールオキシ基,C
6-10アリールチオ基,複素環基,複素環チオ基な
どが繁用される。記号R18は水素原子またはハロゲン原
子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)を表わし、ハロゲン
原子としては塩素が好ましい。記号R19はC1-6アルキル
基,C6-10アリール基,C1-6アルキルチオ基,ハロゲ
ン原子,シアノ基,アミノ基,C1-6アルキルスルホニル
基,C6-10アリールスルホニル基,カルバモイル基,C
1-6アルコキシイミドイル基または複素環基を表わ
す。ここでC1-6アルコキシイミドイル基のC1-6アルコキ
シ基は前記のC1-6アルコキシ基がよく、したがってC1-6
アルコキシイミドイル基としてはたとえば、メトキシイ
ミドイル エトキシイミドイルなどがあげられる。その他基はいず
れも前記した基がここでもそのままあてはめられる。し
たがって「アシル基 」としてはたとえば、2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−3−クロロアクリロイル,2−(2−アミノ−4−
チアゾリル)クロトノイル,2−(2−アミノ−4−チア
ゾリル)シンナモイル,2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−3−メタンスルホニルアクリロイル,2−(2−ア
ミノ−4−チアゾリル)−3−ベンゼンスルホニルアク
リロイル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2−ペンテノイル,2−(5−アミノ−1,2,
4−チアジアゾール−3−イル)−3−クロロアクリロ
イル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−
イル)クロトノイル,2−(2−アミノ−5−クロロ−4
−チアゾリル)−3−クロロアクリロイル,2−(2−ア
ミノ−5−クロロ−4−チアゾリル)クロトノイルなど
があげられる。
記号R22は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
けC3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル
基,C6-10アリール基,C1-6アルコキシ基,C6-10アリ
ールオキシ基,C1-6アルキルチオ基,アミノC1-6
ルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキ
チオ基,シアノ基,アシル基,カルバモイル基,
複素環基などが繁用される。
これらのなかでもC6-10アリール基,複素環基が
特に好ましい。これらのC6-10アリール基,複素環基の
置換基はC1-6アルキル基,水酸基,アミノ基,ハロゲン
原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)が好ましい。した
がって置換基R22として好ましい基をあげると、たとえ
ばフェニル,p−ヒドロキシフェニル,2−フリル,2−チエ
ニル,4−オキサゾリル,2−アミノ−4−オキサゾリル,2
−アミノ−5−クロロ−4−オキサゾリル,4−チアゾリ
ル,2−アミノ−4−チアゾリル,2−アミノ−5−クロロ
−4−チアゾリル,2−アミノ−5−ブロモ−4−チアゾ
リル,2−アミノ−5−フルオロ−4−チアゾリル,2−ア
ミノ−4−チアゾリル−3−オキシド,2−イミノ−3−
ヒドロキシチアゾリン−4−イル,3−イソキサゾリル,5
−アミノ−3−イソキサゾリル,3−イソチアゾリル,5−
アミノ−3−イソチアゾリル,1,2,4−オキサジアゾール
−3−イル,5−アミノ−1,2,4−オキサジアゾール−3
−イル,1,2,4−チアジアゾール−3−イル,5−アミノ−
1,2,4−チアジアゾール−3−イル,1,3,4−オキサジア
ゾリル,2−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−5−イ
ル,1,3,4−チアジアゾリル,2−アミノ−1,3,4−チアジ
アゾール−5−イル,1−(C1-6アルキル)−5−アミノ
−1,2,4−トリアゾール−3−イル,4−(C1-6アルキ
ル)−5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−イル,1
−(C1-6アルキル)−2−アミノ−4−イミダゾリル,2
−アミノ−6−ピリジル,4−アミノ−2−ピリミジル,2
−アミノ−5−ピリミジル,3−ピラゾリル,4−ピラゾリ
ルなどが例示される。また記号R21はOR23基(式中、R23
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素残基を
示す)である。ここで で表わされる基は で表わされるシン異性体または で表わされるアンチ異性体,もしくはそれらの混合物を
表わし、なかでも置換基R22が複素環基でかつシン異
性体であるものがより好ましい。このようなアシル基は
[式中、R22′は複素環基を、R3は水素原子または置
換されていてもよい炭化水素残基を示す]で表わすこと
ができる。ここで複素環基R22′は置換されたチアゾ
リル基またはチアジアゾリル基,すなわち式 [式中、R1は保護されていてもよいアミノ基を、R2は水
素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を示す]のものが
最も好ましい。したがって最も好ましいR0基は式 である。すなわち化合物[I]としては [式中の記号は前記と同意義を示す] の構造のものが好ましい。以下、置換基R1,R2,R3につい
て詳しく述べる。
記号R1は保護されていてもよいアミノ基を表わす。β
−ラクタムおよびペプチドの分野ではアミノ基の保護基
は充分に研究されていてその保護法はすでに確立されて
おり、本発明においてもアミノ基の保護基としてはそれ
ら公知のものが適宜に採用されうる。アミノ基の保護基
としてはたとえば、C1-6アルカノイル基,C3-5アルケ
ノイル基、C6-10アリールカルボニル基,フタロイ
ル基、複素環カルボニル基,C1-6アルキルスルホニ
ル基,カンファースルホニル基,C6-10アリールスル
ホニル基,置換オキシカルボニル基,カルバモイル
基,チオカルバモイル基,C6-10アリールメチル
基,ジC6-10アリールメチル基,トリC6-10アリール
メチル基,C6-10アリールメチレン基,C6-10アリー
チオ基,置換シリル基,2−C1-10アルコキシ−カル
ボニル−1−メチル−1−エテニル基などがあげられ
る。
「C1-6アルカノイル基」としてはここではたとえ
ば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,バ
レリル,ピバロイル,サクシニル,グルタリル,モノク
ロロアセチル,ジクロロアセチル,トリクロロアセチ
ル,モノブロモアセチル,モノフルオロアセチル,ジフ
ルオロアセチル,トリフルオロアセチル,モノヨードア
セチル,3−オキソブチリル,4−クロロ−3−オキソブチ
リル,フェニルアセチル,p−クロロフェニルアセチル,
フェノキシアセチル,p−クロロフェノキシアセチルなど
があげられる。
「C3-5アルケノイル基」としてはここでたとえば、
アクリロイル,クロトノイル,マレオイル,シンナモイ
ル,p−クロロシンナモイル,β−フェニルシンナモイル
などがあげられる。
「C6-10アリールカルボニル基」としてはここでは
たとえば、ベンゾイル,ナフトイル,p−トルオイル,p−
tert−ブチルベンゾイル,p−ヒドロキシベンゾイル,p−
メトキシベンゾイル,p−tert−ブトキシベンゾイル,p−
クロロベンゾイル,p−ニトロベンゾイルなどがあげられ
る。
複素環カルボニル基としては後記するものがあげら
れる。
「C1-6アルキルスルホニル基」としてはたとえば、
メタンスルホニル,エタンスルホニルなどがあげられ
る。
「C6-10アリールスルホニル基」としてはここでは
たとえば、ベンゼンスルホニル,ナフタレンスルホニ
ル,p−トルエンスルホニル,p−tert−ブチルベンゼンス
ルホニル,p−メトキシベンゼンスルホニル,p−クロロベ
ンゼンスルホニル,p−ニトロベンゼンスルホニルなどが
あげられる。
「置換オキシカルボニル基」としては前記の置換オキ
シカルボニル基すなわちC1-10アルコキシ−カルボニル
基,C6-10アリールオキシ−カルボニル基またはC7-19
ラルキルオキシ−カルボニル基のほか、ここではそれら
がさらに置換基を有しているものも含まれ、たとえばメ
トキシカルボニル,エトキシカルボニル,n−プロポキシ
カルボニル,イソプロポキシカルボニル,n−ブトキシカ
ルボニル,tert−ブトキシカルボニル,シクロヘキシル
オキシカルボニル,ノルボルニルオキシカルボニル,フ
ェノキシカルボニル,ナフチルオキシカルボニル,ベン
ジルオキシカルボニル,メトキシメチルオキシカルボニ
ル,アセチルメチルオキシカルボニル,2−トリメチルシ
リルエトキシカルボニル,2−メタンスルホニルエトキシ
カルボニル,2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル,2−
シアノエトキシカルボニル,p−メチルフエノキシカルボ
ニル,p−メトキシフエノキシカルボニル,p−クロロフェ
ノキシカルボニル,p−メチルベンジルオキシカルボニ
ル,p−メトキシベンジルオキシカルボニル,p−クロロベ
ンジルオキシカルボニル,p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニル,シクロプロ
ピルオキシカルボニル,シクロペンチルオキシカルボニ
ル,シクロヘキシルオキシカルボニルなどがあげられ
る。
「カルバモイル基」としてはここではたとえば、カ
ルバモイル,N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバモ
イル,N,N−ジメチルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバ
モイル,N−フェニルカルバモイル,N−アセチルカルバモ
イル,N−ベンゾイルカルバモイル,N−(p−メトキシフ
ェニル)カルバモイルなどがあげられる。
「カルバモイルオキシ基」としてはここではたとえ
ば、カルバモイルオキシ,N−メチルカルバモイルオキ
シ,N,N−ジメチルカルバモイルオキシ,N−エチルカルバ
モイルオキシ,N−フェニルカルバモイルオキシなどがあ
げられる。
「チオカルバモイル基」としてはここではたとえ
ば、チオカルバモイル,N−メチルチオカルバモイル,N−
フェニルチオカルバモイルなどがあげられる。
「C6-10アリールメチル基」としてはたとえば、ベ
ンジル,ナフチルメチル,p−メチルベンジル,p−メトキ
シベンジル,p−クロロベンジル,p−ニトロベンジルなど
があげられる。
「ジC6-10アリールメチル基」としてはたとえば、
ベンズヒドリル,ジ(p−トリル)メチルなどがあげら
れる。
「トリC6-10アリールメチル基」としてはたとえ
ば、トリチル,トリ(p−トリル)メチルなどがあげら
れる。
「C6-10アリールメチレン基」としてはたとえば、
ベンジリデン,p−メチルベンジリデン,p−クロロベンジ
リデンなどがあげられる。
「C6-10アリールチオ基」としてはたとえば、o−
ニトロフェニルチオなどがあげられる。
「置換シリル基」で保護されたアミノ基としては例え
ば、一般式R6R7R8SiNH,(R6R7R8Si)2Nまたは [式中、R6,R7,R8,R9,R10,R9′,R10′はそれぞれC1-6
アルキル基もしくはC6-10アリール基を示し、それぞ
れ同一または異なっていてもよい。またZ′はたとえば
メチレン,エチレン,プロピレンなどのC1-3アルキレン
基を示す]で表わされるようなシリル基を意味し、具体
的にはトリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシリ
ル,-Si(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2-などがあげられる。
「2−C1-10アルコキシ−カルボニル−1−メチル−
1−エテニル基のC1-10アルコキシ−カルボニル基は前
記したものがよく、したがって2−C1-10アルコキシ−
カルボニル−1−メチル−1−エテニル基としてはたと
えば、2−メトキシカルボニル−1−メチル−1−エテ
ニル,2−エトキシカルボニル−1−メチル−1−エテニ
ル,2−tert−ブトキシカルボニル−1−メチル−1−エ
テニル,2−シクロヘキシルオキシカルボニル−1−メチ
ル−1−エテニル,2−ノルボルニルオキシカルボニル−
1−メチル−1−エテニルなどがあげられる。
記号R2は水素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を表
わす。ハロゲン原子としてはここではフッ素,塩素,臭
素などがあげられ、好ましくは塩素である。
記号R3は水素原子または置換されていてもよい炭化水
素残基を表わす。炭化水素残基としてはたとえばC1-6
ルキル基,C2-6アルケニル基,C2-6アルキニル基,C
3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル基などが
あげられるが、とりわけC1-3アルキル基または置換され
たC1-3アルキル基が好ましい。C1-6アルキル基としては
ここでも前記したC1-6アルキル基がよく具体的にはメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イ
ソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−
ヘキシルなどがあげられるがとりわけメチル,エチル,n
−プロピルが好ましい。C2-6アルケニル基としてはここ
でも前記したC2-6アルケニル基がよく具体的にはビニ
ル,アリル,イソプロペニル,メタリル,1,1−ジメチル
アリル,2−ブテニル,3−ブテニルなどがあげられる。C
2-6アルキニル基としては具体的にはエチニル,1−プロ
ピニル,2−プロピニル,プロパルギルなどがあげられ
る。C3-10シクロアルキル基としてはここでも前記したC
3-8シクロアルキル基がよく具体的にはシクロプロピ
ル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
シクロヘプチル,アダマンチルなどがあげられる。C5-6
シクロアルケニル基としては具体的には2−シクロペン
テニル,3−シクロペンテニル,2−シクロヘキセニル,3−
シクロヘキセニル,シクロペンタジエニル,シクロヘキ
サジエニルなどがあげられる。
これらの炭化水素残基の置換基としてはたとえば水酸
基,C1-6アルキル基,C2-6アルケニル基,C2-6アルキニ
ル基,C3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル
基,C6-10アリール基,C7-19アラルキル基,複素環基,
C1-6アルコキシ基,C3-10シクロアルキルオキシ基,C
6-10アリールオキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,複
素環オキシ基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ基,C
3-10シクロアルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C
7-19アラルキルチオ基,複素環チオ基,アミノ基,モノ
C1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,トリ
C1-6アルキルアンモニウム基,C3-10シクロアルキルア
ミノ基,C6-10アリールアミノ基,C7-19アラルキルアミ
ノ基,複素環アミノ基,環状アミノ基,アジド基,ニト
ロ基,ハロゲン原子,シアノ基,カルボキシル基,C
1-10アルコキシ−カルボニル基,C6-10アリールオキシ
−カルボニル基,C7-19アラルキルオキシ−カルボニル
基,C6-10アリール−アシル基,C1-6アルカノイル
基,C3-5アルケノイル基,C6-10アリール−アシル
キシ基,C2-6アルカノイルオキシ基,C3-5アルケノイル
オキシ基,カルバモイル基,チオカルバモイル基,
カルバモイルオキシ基,フタルイミド基,C1-6アルカ
ノイルアミノ基,C6-10アリール−アシルアミノ基,
カルボキシアミノ基,C1-10アルコキシ−カルボキサミ
ド基,C6-10アリールオキシ−カルボキサミド基,C7-19
アラルキルオキシ−カルボキサミド基などがあげられ、
同一または異なって2個以上存在していてもよい。炭化
水素残基の置換基としては、具体的にはC1-6アルキル基
は前記のもの、すなわちメチル,エチル,n−プロピル,
イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,ter
t−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなどを、C2-6アル
ケニル基は前記のもの、すなわちビニル,アリル,イソ
プロペニル,メタリル,1,1−ジメチルアリル,2−ブテニ
ル,3−ブテニルなどを、C2-6アルキニル基は前記のも
の、すなわちエチニル,1−プロピニル,2−プロピニル,
プロパルギルなどを、C3-10シクロアルキル基は前記の
もの、すなわちシクロプロピル,シクロブチル,シクロ
ペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,アダマン
チルなどを,C5-6シクロアルケニル基は前記のもの、す
なわちシクロプロペニル,2−シクロペンテニル,3−シク
ロペンテニル,2−シクロヘキセニル,3−シクロヘキセニ
ル,シクロペンタジエニル,シクロヘキサジエニルなど
を、C6-10アリール基は前記のもの、すなわちフェニ
ル,ナフチル,ビフェニリルなどを、C7-19アラルキル
基は前記のもの、すなわちベンジル,1−フェニルエチ
ル,2−フェニルエチル,フェニルプロピル,ナフチルメ
チル,ベンズヒドリルなどを、C1-6アルコキシ基は前記
のもの、すなわちメトキシ,エトキシ,n−プロポキシ、
イソプロポキシ,n−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペン
チルオキシ,n−ヘキシルオキシなどを、C3-10シクロア
ルキルオキシ基は前記のもの、すなわちシクロプロピル
オキシ,シクロヘキシルオキシなどを、C6-10アリール
オキシ基は前記のもの、すなわちフェノキシ,ナフチル
オキシなどを、C7-19アラルキルオキシ基は前記のも
の、すなわちベンジルオキシ,1−フェニルエチルオキ
シ,2−フェニルエチルオキシ,ベンズヒドリルオキシな
どを、C1-6アルキルチオ基は前記のもの、すなわちメチ
ルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,n−ブチルチオな
どを、C3-10シクロアルキルチオ基は前記のもの、すな
わちシクロプロピルチオ,シクロヘキシルチオなどを、
C6-10アリールチオ基は前記のもの、すなわちフェニル
チオ,ナフチルチオなどを、C7-19アラルキルチオ基は
前記のもの、すなわちベンジルチオ,フェニルエチルチ
オ,ベンズヒドリルチオなどを、モノC1-6アルキルアミ
ノ基は前記のもの、すなわちメチルアミノ,エチルアミ
ノ,n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノなどを、ジC1-6
アルキルアミノ基は前記のもの、すなわちジメチルアミ
ノ,ジエチルアミノ,メチルエチルアミノ,ジ−(n−
プロピル)アミノ,ジ−(n−ブチル)アミノなどを、
トリC1-6アルキルアンモニウム基は前記のもの、すなわ
ちトリメチルアンモニウム,トリエチルアンモニウムな
どを、C3-10シクロアルキルアミノ基は前記のもの、す
なわちシクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,
シクロヘキシルアミノなどを、C6-10アリールアミノ基
は前記のもの、すなわちアニリノ,N−メチルアニリノな
どを、C7-19アラルキルアミノ基は前記のもの、すなわ
ちベンジルアミノ,1−フェニルエチルアミノ,2−フェニ
ルエチルアミノ,ベンズヒドリルアミノなどを、環状ア
ミノ基は前記のもの、すなわちピロリジノ,ピペリジ
ノ,ピペラジノ,モルホリノ,1−ピロリルなどを、ハロ
ゲン原子はここではフッ素,塩素,臭素,ヨウ素など
を、C1-10アルコキシ−カルボニル基は前記のもの、す
なわちメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,n−プ
ロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,n−ブ
トキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,tert−ブ
トキシカルボニル,シクロペンチルオキシカルボニル,
シクロヘキシルオキシカルボニル,ノルボルニルオキシ
カルボニルなどを、C6-10アリールオキシ−カルボニル
基は前記のもの、すなわちフェノキシカルボニル,ナフ
チルオキシカルボニルなどを、C7-19アラルキルオキシ
−カルボニル基は前記のもの、すなわちベンジルオキシ
カルボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニルなどを、
C6-10アリール−アシル基は前記のもの、すなわちベ
ンゾイル,ナフトイル,フタロイル,フェニルアセチル
などを、C1-6アルカノイル基は前記のもの、すなわちホ
ルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリ
ル,ピバロイル,サクシニル,グルタリルなどを、C3-5
アルケノイル基は前記のもの、すなわちアクリロイル,
クロトノイル,マレオイルなどを、C6-10アリール−ア
シルオキシ基は前記のもの、すなわちベンゾイルオキ
シ,ナフトイルオキシ,フェニルアセトキシなどを、C
2-6アルカノイルオキシ基は前記のもの、すなわちアセ
トキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,バレリ
ルオキシ,ピバロイルオキシなどを、C3-5アルケノイル
オキシは前記のもの、すなわちアクリロイルオキシ,ク
ロトノイルオキシなどを、カルバモイル基は前記のも
の、すなわちカルバモイル,N−メチルカルバモイル,N−
エチルカルバモイル,N,N−ジメチルカルバモイル,N−エ
チルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイル,N−フェ
ニルカルバモイル,N−アセチルカルバモイル,N−ベンゾ
イルカルバモイル,N−(p−メトキシフェニル)カルバ
モイルに加えてピロリジノカルボニル,ピペリジノカル
ボニル,ピペラジノカルボニル,モルホリノカルボニル
などを、チオカルバモイル基は前記のもの、すなわち
チオカルバモイル,N−メチルチオカルバモイル,N−フェ
ニルチオカルボニルなどを、カルバモイルオキシ基は
前記のもの、すなわちカルバモイルオキシ,N−メチルカ
ルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキシ,N
−エチルカルバモイルオキシ,N−フェニルカルバモイル
オキシなどを、「C1-6アルカノイルアミノ基」はたとえ
ばアセトアミド,プロピオンアミド,ブチロアミド,バ
トロアミド,ピバロアミドなどを、「C6-10アリール−
アシルアミノ基」はたとえばベンズアミド,ナフトイ
ルアミド,フタルイミドなどを、「C1-10アルコキシ−
カルボキサミド基」はたとえばメトキシカルボキサミド
(CH3OCONH-)エトキシカルボキサミド,tert−ブトキシ
カルボキサミドなどを、「C6-10アリールオキシ−カル
ボキサミド基」はたとえばフェノキシカルボキサミド
(C6H5OCONH-)などを、「C7-19アラルキルオキシ−カ
ルボキサミド基」はたとえばベンジルオキシカルボキサ
ミド(C6H5CH2OCONH-),ベンズヒドリルオキシカルボ
キサミドなどを表わす。複素環基,複素環オキシ基,複
素環チオ基および複素環アミノ基の複素環基はここでも
複素環の炭素原子に結合している水素原子を1個とりの
ぞいてできる基をいい、そのような複素環は、たとえば
窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,
硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数個,好ましくは1〜
4個含む5〜8員環またはその縮合環をいう。このよう
な複素環基としてはここでも2−ピロリル以下、具体的
に前記したものがそのままあげられる。したがって「複
素環オキシ基」としてはたとえばチアゾリルオキシなど
が、「複素環チオ基」としてはたとえばチアゾリルチオ
などがあげられる。「複素環アミノ基」としてはたとえ
ばチアゾリルアミノ,チアジアゾリルアミノなどがあげ
られる。
置換された炭化水素残基でより好ましいものは水酸
基,シクロアルキル基,アルコキシ基,アルキルチオ
基,アミノ基,トリアルキルアンモニウム基,ハロゲン
原子,カルボキシル基,アルコキシカルボニル基,カル
バモイル基,シアノ基,アジド基,複素環基などで置換
されたC1-3アルキル基(C1-3アルキル基はメチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピルなどをいう)であり、そ
れらを具体的にあげると、シクロプロピルメチル,メト
キシメチル,エトキシメチル,1−メトキシエチル,2−メ
トキシエチル,1−エトキシエチル,2−ヒドロキシエチ
ル,メチルチオメチル,2−アミノエチル,2−(トリメチ
ルアンモニウム)エチル,2−(トリエチルアンモニウ
ム)エチル,フルオロメチル,ジフルオロメチル,トリ
フルオロメチル,2−フルオロエチル,2,2−ジフルオロエ
チル,クロロメチル,2−クロロエチル,2,2−ジクロロエ
チル,2,2,2−トリクロロエチル,2−ブロモエチル,2−ヨ
ードエチル,2,2,2−トリフルオロエチル,カルボキシメ
チル,1−カルボキシエチル,2−カルボキシエチル,2−カ
ルボキシプロピル,3−カルボキシプロピル,1−カルボキ
シブチル,シアノメチル,1−カルボキシ−1−メチルエ
チル,メトキシカルボニルメチル,エトキシカルボニル
メチル,tert−ブトキシカルボニルメチル,1−メトキシ
カルボニル−1−メチルエチル,1−エトキシカルボニル
−1−メチルエチル,1−tert−ブトキシカルボニル−1
−メチルエチル,1−ベンジルオキシカルボニル−1−メ
チルエチル,1−ピバロイルオキシカルボニル−1−メチ
ルエチル,カルバモイルメチル,2−アジドエチル,2−
(ピラゾリル)エチル,2−(イミダゾリル)エチル,2−
(2−オキソピロリジン−3−イル)エチル,2−アミノ
−4−チアゾリルメチルなどのほか多くのものがあげら
れる。具体的にあげた炭化水素残基のうち最も好ましい
ものはメチル,エチル,n−プロピルなどの直鎖状のC1-3
アルキル基および2−フルオロエチル,2−クロロエチ
ル,2−ヒドロキシエチル,2−メトキシエチル,シアノメ
チル,カルボキシメチル,tert−ブトキシカルボニルメ
チル,1−カルボキシ−1−メチルエチル,1−tert−ブト
キシカルボニル−1−メチルエチルなどのハロゲン原
子,水酸基,アルコキシ基,カルボキシル基,アルコキ
シカルボニル基,シアノ基で置換された直鎖状又は分枝
状のC1-3アルキル基およびアリル基,プロパルギル基で
ある。ここで記号R3′を上に例示した最も好ましい炭化
水素残基もしくは水素原子を表わすものとすると、置換
基R0としてアシル基 [式中、R22′は複素環基を示す]を有する本発明の
化合物[I]はいずれも抗菌活性が特に強く、特に耐性
菌に対して優れた殺菌作用をもつ。また前記したように
複素環基R22′は式 [いずれも式中、R1は保護されていてもよいアミノ基
を、R2は水素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を、そ
れぞれ示す]のものが最も好ましく、したがって化合物
[I]としては [式中の記号は前記したものを示す] の構造のものが最も好ましい。
として好ましい例をあげるとたとえば、2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(ヒドロキシイ
ミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル,2−(2
−クロロアセタミドチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(メトキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(n−プロポキシイミノ)アセチル,2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(イソプロ
ポキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2(Z)−(n−ブトキシイミノ)アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−)−2(Z)−
(n−ヘキシルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(シクロプロピ
ルメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2(Z)−(ベンジルオキシイミ
ノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−(アリルオキシイミノ)アセチル,2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(プロパ
ルギルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2(Z)−(メトキシメチルオキシ
イミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(エトキシメチルオキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(1−メトキシエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(2−メトキシエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(2−エトキシエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(1−エトキシエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(2−ヒドロキシエチル)オキシイミノ}ア
セチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(メチルチオメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−アミノエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(フ
ルオロメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2(Z)−(ジフルオロメチ
ルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール
−4−イル)−2(Z)−(トリフルオロメチルオキシ
イミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−{(2−フルオロエチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−{(2,2−ジフルオロエチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−(クロロメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−クロロエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2−ジクロロエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2,2−トリクロロエチル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(2−ブロモエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−ヨードエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2,2−トリフルオロエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(カルボキシメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(1−カルボキシエチルオキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−カルボキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(1−カルボキシプロピルオキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(3−カルボキシプロピル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(1−カルボキシブチル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(シアノメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−
(アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(1−
カルボキシ−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(メトキシカルボニルメチルオキシイミノ)アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(エトキシカルボニルメチルオキシイミノ)アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(tert−ブトキシカルボニルメチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−{1−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−{(1−メトキシカルボニル−1−メチル
エチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2(Z)−{(1−エトキシカル
ボニル−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルエチ
ル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−{1−(tert−ブトキシカ
ルボニル)プロポキシイミノ}アセチル,2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(1−ベンジ
ルオキシカルボニル−1−メチルエチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−{(1−ピバロイルオキシカルボニル−1
−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(カルバモイ
ルメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2(Z)−{1−(1−カルバモ
イル−1−メチル)エチルオキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−アジドエチルオキシイミノ)アセチル,2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(フェノ
キシカルボニルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミ
ノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(ヒドロキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノ−5−
クロロチアゾール−4−イル)−2(Z)−(メトキシ
イミノ)アセチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾ
ール−4−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(n−プロポキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−
2(Z)−{(2−フルオロエチル)オキシイミノ}ア
セチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−
イル)−2(Z)−{(2−クロロエチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール
−4−イル)−2(Z)−(カルボキシメチルオキシイ
ミノ)アセチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−{(tert−ブトキシカルボ
ニルメチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノ
−5−クロロチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(1−カルボキシ−1−メチルエチル)オキシイミ
ノ}アセチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール
−4−イル)−2(Z)−{(1−tert−ブトキシカル
ボニル−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノ−5−ブロモチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−(5−アミ
ノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−
(ヒドロキシイミノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,
4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−(メトキ
シイミノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)
アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−エトキシイミノ)アセチル,2−
(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−
2(Z)−{(2−フルオロエチル)オキシイミノ}ア
セチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3
−イル)−2(Z)−{(2−クロロエチル)オキシイ
ミノ}アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾ
ール−3−イル)−2(Z)−(カルボキシメチルオキ
シイミノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)−2(Z)−{(1−カルボキシ
−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(5
−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル−2
(Z)−{(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチ
ルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(5−アミノイ
ソキサゾール−3−イル)−2(Z)−(エトキシイミ
ノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−オキサジアゾ
ール−3−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセ
チル,2−(2−イミノ−3−ヒドロキシチアゾリン−4
−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノ−3−オキシドチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−チエニル−
2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル,2−チエニル−
2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−フリル−2
(Z)−(メトキシイミノ)アセチル,2−フリル−2
(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−(1,3,4−チ
アジアゾリル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチ
ル,2−(p−ヒドロキシフェニル)−2(Z)−(エト
キシイミノ)アセチル,2−フェニル−2(Z)−(エト
キシイミノ)アセチル,2−フェニル−2(Z)−(ヒド
ロキシイミノ)アセチル,2−{p−(γ−D−グルタミ
ルオキシ)フェニル}−2(Z)−(ヒドロキシイミ
ノ)アセチル,2−{p−(3−アミノ−3−カルボキシ
プロポキシ)フェニル}−2(Z)−(ヒドロキシイミ
ノ)アセチルなどが例示される。
以上、アシル基(R0)のひとつとして述べてきたC1-6
アルカノイル基には上記のC1-6アルカノイル基,複素
CO−CO−,R15CH2 のほか、トリフルオロアセチル,4−カルボキシブチリ
ル,5−アミノ−5−カルボキシバレリル,5−オキソ−5
−カルボキシバレリル,N−{2−(2−アミノ−4−チ
アゾリル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル}
−D−アラニル,N−{2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル}−D−フ
ェニルグリシル,2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−{2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2(Z)
−(メトキシイミノ)アセタミド}アセチルなども含ま
れる。
C1-6アルカノイル基以外のアシル基(R0)としての
C3-5アルケノイル基としてはここでも前記したアクリ
ロイル,クロトノイル,マレオイル,シンナモイル,p−
クロロシンナモイル,β−フェニルシンナモイルなど
が、C3-10シクロアルキル−カルボニル基としてはここ
でも前記したシクロプロピルカルボニル,シクロブチル
カルボニル,シクロペンチルカルボニル,シクロヘキシ
ルカルボニル,シクロヘプチルカルボニル,アダマンチ
ルカルボニルなどが、C5-6シクロアルケニル−カルボニ
ル基としてはここでも前記したシクロペンテニルカルボ
ニル,シクロペンタジエニルカルボニル,シクロヘキセ
ニルカルボニル,シクロヘキサジエニルカルボニスなど
が、C6-10アリールカルボニル基としてはここでもベ
ンゾイル,ナフトイル,p−トルオイル,p−tert−ブチル
ベンゾイル,p−ヒドロキシベンゾイル,p−メトキシベン
ゾイル,p−tert−ブトキシベンゾイル,p−クロロベンゾ
イル,p−ニトロベンゾイルなどが、「複素環カルボニ
ル基」としてはたとえば、2−または3−ピロリルカル
ボニル,3−,4−または5−ピラゾリルカルボニル,2−,4
−または5−イミダゾリルカルボニル,1,2,3−または1,
2,4−トリアゾリルカルボニル,1H−または2H−テトラゾ
リルカルボニル,2−または3−フリルカルボニル,2−ま
たは3−チエニルカルボニル,2−,4−または5−オキサ
ゾリルカルボニル,3−,4−または5−イソキサゾリルカ
ルボニル,1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イ
ルカルボニル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または5
−イルカルボニル,1,2,5−または1,3,4−オキサジアゾ
リルカルボニル,2−,4−または5−チアゾリルカルボニ
ル,2−アミノ−4−チアゾリルカルボニル,3−,4−また
は5−イソチアゾリルカルボニル,1,2,3−チアジアゾー
ル−4−または5−イルカルボニル,1,2,4−チアジアゾ
ール−3−または5−イルカルボニル,5−アミノ−1,2,
4−チアジアゾール−3−イルカルボニル,1,2,5−また
は1,3,4−チアジアゾリルカルボニル,2−または3−ピ
ロリジニルカルボニル,2−,3−または4−ピリジルカル
ボニル,2−,3−または4−ピリジルカルボニル−N−オ
キシド,3−または4−ピリダジニルカルボニル,3−また
は4−ピリダジニルカルボニル−N−オキシド,2−,4−
または5−ピリミジニルカルボニル,2−,4−または5−
ピリミジニルカルボニル−N−オキシド,ピラジニルカ
ルボニル,2−,3−または4−ピペリジニルカルボニル、
ピペラジニルカルボニル,3H−インドール−2−または
3−イルカルボニル,2−,3−または4−ピラニルカルボ
ニル,2−,3−または4−チオピラニルカルボニル、ベン
ゾピラニルカルボニル,キノリルカルボニル,ピリド
[2,3−d]ピリミジルカルボニル,1,5−,1,6−,1,7−.
1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジルカルボニル,チエ
ノ[2,3−b]ピリジルカルボニル,ピリミドピリジル
カルボニル,ピラジノキノリルカルボニル,3−(2,6−
ジクロロフェニル)−5−メチルイソキサゾール−4−
イルカルボニルなどがあげられる。
本発明の化合物[I]において置換基R4は水素原子を
表わす。
本発明の化合物[I]において置換基R13は水素原子
を表わす。
化合物[I]において置換基Aは式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
合していてもよい5〜6員芳香族複素環を形成する基
を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキルチオ基,
C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
示す]で表わされる基を表わす。Bは炭素原子,窒素原
子,酸素原子および/または硫黄原子からなり、このう
ち窒素原子は1個の水素原子または1個の置換基と結合
するか、もしくは隣接する炭素原子とともに別の縮合環
を形成する。A1基としては具体的にはつぎのようなもの
があげられる。
A2基としては具体的にはつぎのようなものがあげられ
る。
A3基としては具体的にはつぎのようなものがあげられ
る。
A4基としては具体的にはつぎのようなものがあげられ
る。
A5基としては具体的にはつぎのようなものがあげられ
る。
これらの基のなかで[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピ
リジニウム−1−イル基 [1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウム−2−イ
ル基 [1,2,4]トリアゾロ[1,5−a〕ピリジニウム−1−イ
ル基 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−a〕ピリジニウム−1−イ
ル基 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−a〕ピリジニウム−2−イ
ル基 [1,2,4]トリアゾロ[1,5−a〕ピリミジニウム−1−
イル基 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−a〕ピリミジニウム−1−
イル基 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−b〕ピリダジニウム−1−
イル基 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−b〕ピリダジニウム−2−
イル基 [1,2,4]トリアゾロ[1,5−b〕ピリダジニウム−1−
イル基 等がより好ましい。
前記の式[A1]〜[A5]および具体的にあげたA1基〜
A5基においては置換基A の陽電荷を便宜上,縮合環の
橋頭の窒素原子にあてはめたが、該第4級窒素原子がト
リアゾール環の他の窒素原子にあてはめられる場合もあ
る。また1価の陽電荷がトリアゾール環に非局在化して
いる場合、さらに縮合環全体に非局在化している場合も
ある。したがってたとえば上記の などのようにも表わされる。この陽電荷の存在位置は化
合物[I]の状態(固体か溶液中か),溶媒の種類・液
性,温度,置換基の種類などによって流動的に変化する
ので、本発明は陽電荷が窒素原子に局在化した場合とト
リアゾール環または縮合環全体に非局在化した場合のす
べてを包含するものとする。従って、化合物[I]にお
ける置換基Aとして、好ましくはヒドロキシC1-6アルキ
ル基,C1-6アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキ
ルチオ基,C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ
基,ヒドロキシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC
1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カル
バモイル基及びハロゲン原子等から選ばれた1ないし
3の置換基で、置換されていてもよい[1,2,3]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリジニウム−1−または−2−イル
基,[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウム−1
−イル基,[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニウ
ム−1−または−2−イル基,[1,2,4]トリアゾロ
[1,5−a]ピリミジニウム−1−イル基,[1,2,4]ト
リアゾロ[4,3−a]ピリミジウム−1−イル基,[1,
2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニウム−1−また
は−2−イル基,[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリ
ダジニウム−1−イル基等が挙げられる。
上記の化合物[I]において4位のカルボキシル基
(−COO)の右肩に付記したは該カルボキシル基がカ
ルボキシレートアニオンであって、置換基A上の陽電荷
と一対になって分子内塩を形成していることを示す。一
方、前記したように化合物[I]は生理学的に受容され
る塩もしくはエステルも含む。生理学的に受容される塩
としては無機塩基塩,アンモニウム塩,有機塩基塩,無
機酸付加塩,有機酸付加塩,塩基性アミノ酸塩などがあ
げられる。無機塩基塩を生成させうる無機塩基としては
アルカリ金属(たとえばナトリウム,カリウムなど),
アルカリ土類金属(たとえばカルシウムなど)などが、
有機塩基塩を生成させうる有機塩基としてはたとえばプ
ロカイン,2−フェニルエチルベンジルアミン,ジベンジ
ルエチレンジアミン,エタノールアミン,ジエタノール
アミン,トリスヒドロキシメチルアミノメタン,ポリヒ
ドロキシアルキルアミン,N−メチルグルコサミンなど
が、無機酸付加塩を生成させうる無機酸としてはたとえ
ば塩酸,臭化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸などが、有機
酸付加塩を生成させうる有機酸としてはたとえばp−ト
ルエンスルホン酸,メタンスルホン酸,ギ酸,トリフル
オロ酢酸,マレイン酸などが、塩基性アミノ酸塩を生成
させうる塩基性アミノ酸としてはたとえばリジン,アル
ギニン,オルニチン,ヒスチジンなどがあげられる。こ
れらの塩のうち塩基塩(すなわち無機塩基塩,アンモニ
ウム塩,有機塩基塩,塩基性アミノ酸塩)は化合物
[I]の置換基R0もしくはA中にカルボキシル基,スル
ホ基などの酸性基が存在する場合に形成しうる塩基塩を
意味し、酸付加塩(すなわち無機酸付加塩,有機酸付加
塩)は化合物[I]の置換基R0もしくはA中にアミノ
基,モノアルキルアミノ基,ジアルキルアミノ基,シク
ロアルキルアミノ基,アリールアミノ基,アラルキルア
ミノ基,環状アミノ基,含窒素複素環基などの塩基性基
が存在する場合に形成しうる酸付加塩を意味する。また
酸付加塩としては化合物[I]の分子内塩を形成してい
る部分,すなわち4位のカルボキシレート部分(CO
O )と3位のCH2A 部分に酸が1モル付加して4位が
カルボキシル基(COOH),3位がCH2A ・M [式中、M
は無機酸,有機酸からプロトンH+をとりのぞいてでき
るアニオンを示す。たとえばクロライドイオン,ブロマ
イドイオン,スルフェートイオン,p−トルエンスルホネ
ートイオン,メタンスルホネートイオン,トリフルオロ
アセテートイオンなど]となった塩も含まれる。生理学
的に受容されるエステルは分子中に含まれるカルボキシ
ル基をエステル化することにより生成されうるエステル
を意味し、合成中間体として利用できるエステルおよび
代謝上不安定な無毒のエステルである。合成中間体とし
て利用できるエステルとしてはC1-6アルキルエステ
ル,C2-6アルケニルエステル,C3-10シクロアルキルエ
ステル,C3-10シクロアルキルC1-6アルキルエステル,C
6-10アリールエステル,C7-12アラルキルエステ
ル,ジC6-10アリール−メチルエステル,トリC6-10アリ
ール−メチルエステル,置換シリルエステルなどがあげ
られる。C1-6アルキルエステルを形成する「C1-6アル
キル基」としてはたとえば、メチル,エチル,n−プロ
ピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチ
ル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシル,ベンジル
オキシメチル,2−メチルスルホニルエチル,2−トリメチ
ルシリルエチル,2,2,2−トリクロロエチル,2−ヨードエ
チル,アセチルメチル,p−ニトロベンゾイルメチル,p−
メシルベンゾイルメチル,フタルイミドメチル,サクシ
ンイミドメチル,ベンゼンスルホニルメチル,フェニル
チオメチル,ジメチルアミノエチル,ピリジン−1−オ
キシド−2−メチル,メチルスルフィニルメチル,2−シ
アノ−1,1−ジメチルエチルなどを、C2-6アルケニルエ
ステルを形成するC2-6アルケニル基としてはここでも前
記のもの、すなわちビニル,アリル,1−プロペニル,イ
ソプロペニル,1−ブテニル,2−ブテニル,3−ブテニル,
メタリル,1,1−ジメチルアリル,3−メチル−3−ブテニ
ルなどを、C3-10シクロアルキルエステルを形成するC
3-10シクロアルキル基としてはここでも前記のもの、す
なわちシクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,ノルボルニル,
アダマンチルなどを、C3-10シクロアルキルC1-6アルキ
ルエステルを形成するC3-10シクロアルキルC1-6アルキ
ル基としてはここでも前記のもの、すなわちシクロプロ
ピルメチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメ
チルなどを、C6-10アリールエステルを形成する「C
6-10アリール基」としてはたとえばフェニル,α−ナ
フチル,β−ナフチル,ビフェニリル,p−ニトロフェニ
ル,p−クロロフェニルなどを、C7-12アラルキルエス
テルを形成する「C7-12アラルキル基」としてはたと
えば、ベンジル,1−フェニルエチル,2−フェニルエチ
ル,フェニルプロピル,ナフチルメチル,p−ニトロベン
ジル,p−メトキシベンジル,1−インダニル,フェナシ
ル,3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルなど
を、ジC6-10アリール−メチルエステルを形成するジC
6-10アリール−メチル基としてはここでも前記のもの、
すなわちベンズヒドリル,ビス(p−メトキシフェニ
ル)メチルなどを、トリC6-10アリール−メチルエステ
ルを形成するトリC6-10アリール−メチル基としてはこ
こでも前記のもの、すなわちトリチルなどを、置換シリ
ルエステルを形成する置換シリル基としてはここでも前
記のもの、すなわちトリメチルシリル、tert−ブチルジ
メチルシリル,-Si(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2-などをそれぞ
れ表わす。上記したエステルには4位のエステルも含ま
れる。このように4位が上記のエステル基であるものは
3位がCH2A ・M [式中、M は前記と同意義を示
す]のような塩を形成している。
代謝上不安定な無毒のエステルとしてはペニシリン,
セファロスポリンの分野ですでに確立されているものが
本発明においても便宜に採用されうる。このような代謝
上不安定な無毒のエステルとしては、たとえばC2-6アル
カノイルオキシC1-6アルキルエステル,1−(C1-6アルコ
キシ)C1-6アルキルエステル,1−(C1-6アルキルチオ)
C1-6アルキルエステルなどがあげられ、C2-6アルカノイ
ルオキシC1-6アルキルエステルとしてはたとえば、アセ
トキシメチルエステル,1−アセトキシエチルエステル,1
−アセトキシブチルエステル,2−アセトキシエチルエス
テル,プロピオニルオキシメチルエステル,ピバロイル
オキシメチルエステルなどが、1−(C1-6アルコキシ)
C1-6アルキルエステルとしてはたとえば、メトキシメチ
ルエステル,エトキシメチルエステル,イソプロポキシ
メチルエステル,1−メトキシエチルエステル,1−エトキ
シエチルエステルなどが、1−(C1-6アルキルチオ)C
1-6アルキルエステルとしてはたとえば、メチルチオメ
チルエステル,エチルチオメチルエステルなどがそれぞ
れあげられる。本発明は上記エステル誘導体のほかに、
生体内において化合物[I]に変換される生理学的に受
容しうる化合物も包含する。上記した合成中間体として
利用できるエステルおよび代謝上不安定な無毒のエステ
ルには4位のエステルも含まれる。このように4位が上
記のエステル基であるものは通常、3位がCH2A ・M
[式中、M は前記と同意義を示す]のような塩を形成
している。
また化合物[I]が水酸基を有する場合、その水酸基
は保護されていてもよい。水酸基の保護基としては、β
−ラクタムおよび有機化学の分野で通常、水酸基の保護
基として使用しうるものはすべて利用でき、前記のC2-6
アルカノイル基,置換オキシカルボニル基,tert−ブチ
ル基,C7-12アラルキル基,ジC6-10アリール−メチル
基,トリC6-10アリール−メチル基、1−(C1-6アルコ
キシ)C1-6アルキル基,1−(C1-6アルキルチオ)C1-6
ルキル基,置換シリル基などのほか、たとえば2−テト
ラヒドロピラニル,4−メトキシ−4−テトラヒドロピラ
ニルなどのアセタール残基などが用いられる。
化合物[I]が前記したアミノ基以外のアミノ基をさ
らに有する場合、そのアミノ基もやはり保護されていて
もよい。このようなアミノ基の保護基としては、前記の
アミノ基の保護基がここでもそのままあげられる。
本発明の化合物[I]はスペクトルの広い抗菌活性を
有し、人および動物における病原性細菌により生ずる種
々の疾病、たとえば気道感染,尿路感染の予防ならびに
治療のために使用されうる。抗菌性化合物[I]の抗菌
スペクトルの特徴としてつぎのような点があげられる。
(1)多種のグラム陰性菌に対して非常に高い活性を示
す。
(2)グラム陽性菌(たとえばスタフィロコッカス・ア
ウレウス,コリネバクテリウム・ジフテリアエなど)に
対して高い活性を有している。
(3)通常のセファロスポリン系抗生物質による治療に
感受性でないシュウドモナス・エアルギノサに対して顕
著な効果を示す。
(4)多くのβ−ラクタマーゼ生産性グラム陰性菌(た
とえばエシェリヒア属,エンテロバクター属,セラチア
属,プロテウス属など)に対しても高い活性を有してい
る。
特にシュウドモナス属微生物に対しては従来からアミカ
シン,ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物
質が用いられてきたが、抗菌性化合物[I]はこれらの
アミノグリコシド類に匹敵する抗菌力を示すばかりでな
く、人および動物に対する毒性がアミノグリコシド類よ
りも格段に低いので、大きな利点を持っている。
また本発明の抗菌性化合物[I]は優れた安定性を有
する、血中濃度が高い、効果の持続時間が長い、組織移
行性が顕著であるなどの特徴をも有している。
本発明の化合物[I]の製造法を以下に詳しく述べ
る。以下に述べる方法は反応としてはいずれも公知であ
り、それらの公知方法またはそれらに準ずる方法を応用
することができる。
製造法(1):化合物[II]の合成法 たとえば、一般式 [式中、記号R5は水酸基,アシルオキシ基,カルバモイ
ルオキシ基,置換カルバモイルオキシ基またはハロゲン
原子を、その他の記号は前記と同意義を示す]で表わさ
れる化合物またはその塩もしくはエステルと式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
合していてもよい5〜6員芳香族基複素環を形成する基
を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
アルキル基,C1-6アルコキシ基.C1-6アルキルチオ基,
C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
示す]で表わされる縮合トリアゾール化合物またはその
塩(以下、A′で表わす)とを反応させることにより7
−アミノ化合物[II]を合成することができる。すなわ
ち次の反応式で示される。
[式中、記号Z,R4,R13,R5,AおよびA′は前記と同意義
を示す] ここで原料となる化合物[IX]または塩・エステルは公
知の方法もしくはそれに準ずる方法を用いて容易に入手
しうる化合物である。化合物[IX]の塩,エステルにつ
いては化合物[II]の塩,エステルとして後記するもの
と同じ塩,エステルがここでもあげられる。
前記R5で表わされるアシルオキシ基は前記のアシル
オキシ基がここでも用いられるが、とりわけアセトキ
シ,クロロアセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリル
オキシ,ピバロイルオキシ,3−オキソブチリルオキシ,4
−クロロ−3−オキソブチリルオキシ,3−カルボキシプ
ロピオニルオキシ,4−カルボキシブチリルオキシ,3−エ
トキシカルバモイルプロピオニルオキシ,ベンゾイルオ
キシ,o−カルボキシベンゾイルオキシ,o−(エトキシカ
ルボニルカルバモイル)ベンゾイルオキシ,o−(エトキ
シカルボニルスルファモイル)ベンゾイルオキシなどが
好ましい。記号R5で表わされる置換カルバモイルオキシ
基は前記のものがここでも用いられるが、とりわけメチ
ルカルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキ
シなどが好ましい。記号R5で表わされるハロゲン原子は
塩素,臭素,ヨウ素などが好ましい。またトリアゾール
化合物とその塩(A′)及び、3位の求核置換反応につ
いては(3−2)項において詳記する。
本反応は7位−アミノ基が保護されていても上記と同
様に反応が進行して第(4)項に記載する方法で合成さ
れる化合物と同一の化合物が得られ、反応後、要すれば
保護基の脱離を行うことにより同じく7−アミノ化合物
[II]に導くことができる。
製造法(2):化合物[I]の合成法 たとえば (2−1)前項(1)で得られた7−アミノ化合物[I
I]またはその塩もしくはエステルと一般式R0OH[式中
の記号は前記と同意義を示すで表わされるカルボン酸ま
たはその塩もしくは反応性誘導体とを反応させることに
より化合物[I]を合成することができる。すなわち次
の反応式で示される。
[式中、記号R0,Z,R4,R13,およびAは前記と同意義を
示す] 本法は7−アミノ化合物[II]をカルボン酸R0OHまた
はその塩もしくは反応性誘導体でアシル化する方法であ
る。この方法においてカルボン酸R0OHは遊離のままある
いはその塩もしくは反応性誘導体が7−アミノ化合物
[II]の7位アミノ基のアシル化剤として用いられる。
すなわち遊離酸R0OHあるいは遊離酸R0OHの無機塩,有機
塩,酸ハライド,酸アジド,酸無水物,混合酸無水物,
活性アミド,活性エステル,活性チオエステルなどの反
応性誘導体がアシル化反応に供される。無機塩としては
アルカリ金属塩(たとえばナトリウム塩,カリウム塩な
ど),アルカリ土類金属塩(たとえばカルシウム塩な
ど)などが,有機塩としてはたとえばトリメチルアミン
塩,トリエチルアミン塩,tert−ブチルジメチルアミン
塩,ジベンジルメチルアミン塩,ベンジルジメチルアミ
ン塩,N,N−ジメチルアニリン塩,ピリジン塩,キノリン
塩などが,酸ハライドとしてはたとえば酸クロライド,
酸ブロマイドなどが,混合酸無水物としてはモノC1-6
ルキル炭酸混合酸無水物(たとえば遊離酸R0OHとモノメ
チル炭酸,モノエチル炭酸,モノイソプロピル炭酸,モ
ノイソブチル炭酸,モノtert−ブチル炭酸,モノベンジ
ル炭酸,モノ(p−ニトロベンジル)炭酸,モノアリル
炭酸などとの混合酸無水物),C1-6脂肪族カルボン酸混
合酸無水物(たとえば遊離酸R0OHと酢酸,トリクロロ酢
酸,シアノ酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草
酸,イソ吉草酸,ピバル酸,トリフルオロ酢酸,トリク
ロロ酢酸,アセト酢酸などとの混合酸無水物),C7-12
芳香族カルボン酸混合酸無水物(たとえば遊離酸R0OHと
安息香酸,p−トルイル酸,p−クロロ安息香酸などとの混
合酸無水物),有機スルホン酸混合酸無水物(たとえば
遊離酸R0OHとメタンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベ
ンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸などとの混合
酸無水物)などが,活性アミドとしては含窒素複素環化
合物とのアミド(たとえば遊離酸R0OHとピラゾール,イ
ミダゾール,ベンゾトリアゾールなどとの酸アミドで,
これの含窒素複素環化合物は前記のC1-6アルキル基,C
1-6アルコキシ基,ハロゲン原子,オキソ基,チオキソ
基,C1-6アルキルチオ基などで置換されていてもよい)
などがあげられる。活性エステルとしてはβ−ラクタム
およびペプチド合成の分野でこの目的に用いられるもの
はすべて利用でき,たとえば有機リン酸エステル(たと
えばジエトキシリン酸エステル,ジフェノキシリン酸エ
ステルなど)のほかp−ニトロフェニルエステル,2,4−
ジニトロフェニルエステル,シアノメチルエステル,ペ
ンタクロロフェニルエステル,N−ヒドロキシサクシンイ
ミドエステル,N−ヒドロキシフタルイミドエステル,1−
ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル,6−クロロ−1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル,1−ヒドロキ
シ−1H−2−ピリドンエステルなどがあげられる。活性
チオエステルとしては芳香族複素環チオール化合物との
エステル(たとえば2−ピリジルチオールエステル,2−
ベンゾチアゾリルチオールエステルなどで,これらの複
素環は前記のC1-6アルキル基,C1-6アルコキシ基,ハロ
ゲン原子,C1-6アルキルチオ基などで置換されていても
よい)があげられる。一方,7−アミノ化合物[II]は遊
離のまま、その塩あるいはエステルとして用いられる。
7−アミノ化合物[II]の塩としては無機塩基塩,アン
モニウム塩,有機塩基塩,無機酸付加塩,有機酸付加塩
などがあげられる。無機塩基塩としてはアルカリ金属塩
(たとえばナトリウム塩,カリウム塩など),アルカリ
土類金属塩(たとえばカルシウム塩など)などが、有機
塩基塩としてはたとえばトリメチルアミン塩,トリエチ
ルアミン塩,tert−ブチルジメチルアミン塩,ジベンジ
ルメチルアミン塩,ベンジルジメチルアミン塩,N,N−ジ
メチルアニリン塩,ピリジン塩,キノリン塩などが無機
酸付加塩としてはたとえば塩酸塩,臭化水素酸塩,硫酸
塩,硝酸塩,リン酸塩などが、有機酸付加塩としてはギ
酸塩,酢酸塩,トリフルオロ酢酸塩,メタンスルホン酸
塩,p−トルエンスルホン酸塩などがあげられる。7−ア
ミノ化合物[II]のエステルとしては化合物[I]のエ
ステル誘導体としてすでに述べたエステルがここでもそ
のままあげられる。すなわちC1-6アルキルエステル,
C2-6アルケニルエステル,C3-10シクロアルキルエステ
ル,C3-6シクロアルキルC1-6アルキルエステル,C6-10
アリールエステル,C7-12アラルキルエステル,ジC
6-10アリールメチルエステル,トリC6-10アリールメチ
ルエステル,C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキルエス
テルなどがあげられる。原料物質R0OHおよびその塩・反
応性誘導体は公知の方法またはそれに準ずる方法によっ
て容易に製造できる。化合物R0OHの反応性誘導体は反応
混合物から単離された物質として7−アミノ化合物[I
I]と反応させてもよいし,または単離前の化合物R0OH
の反応性誘導体を含有する反応混合物をそのまま7−ア
ミノ化合物[II]と反応させることもできる。カルボン
酸R0OHを遊離酸または塩の状態で使用する場合は適当な
縮合剤を用いる。縮合剤としてはたとえばN,N′−ジシ
クロヘキシルカルボジイミドなどのN,N′−ジ置換カル
ボジイミド類,たとえばN,N′−カルボニルジイミダゾ
ール,N,N′−チオカルボニルジイミダゾールなどのアゾ
ライド類,たとえばN−エトキシカルボニル−2−エト
キシ−1,2−ジヒドロキノリン,オキシ塩化リン,アル
コキシアセチレンなどの脱水剤,たとえば2−クロロピ
リジニウムメチルアイオダイド,2−フルオロピリジニウ
ムメチルアイオダイドなどの2−ハロゲノピリジニウム
塩類などが用いられる。これらの縮合剤を用いた場合、
反応はカルボン酸R0OHの反応性誘導体を経て進行すると
考えられる。反応は一般に溶媒中で行なわれ、反応を阻
害しない溶媒が適宜に選択される。このような溶媒とし
てはたとえばジオキサン,テトラヒドロフラン,ジエチ
ルエーテル,tert−ブチルメチルエーテル,ジイソプロ
ピルエ−テル,エチレングリコール−ジメチルエーテル
などのエーテル類,たとえばギ酸エチル,酢酸エチル,
酢酸n−ブチルなどのエステル類,たとえばジクロロメ
タン,クロロホルム,四塩化炭素,トリクレン,1,2−ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類,たとえばn
−ヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化水素類,た
とえばホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−
ジメチルアセトアミドなどのアミド類,たとえばアセト
ン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンなど
のケトン類,たとえばアセトニトリル,プロピオニトリ
ルなどのニトリル類などのほか,ジメチルスルホキシ
ド,スルホラン,ヘキサメチルホスホルアミド,水など
が単独または混合溶媒として用いられる。アシル化剤
(R0OH)の使用量は7−アミノ化合物[II]1モルに対
して通常1〜5モル,好ましくは1〜2モルである。反
応は−80〜80℃,好ましくは−40℃〜50℃,最も好まし
くは−30〜30℃の温度範囲で行われる。反応時間は7−
アミノ化合物[II]およびカルボン酸R0OHの種類,溶媒
の種類(混合溶媒の場合はその混合比も),反応温度な
どに依存し、通常1分〜72時間,好ましくは15分〜3時
間である。アシル化剤として酸ハライドを用いた場合は
放出されるハロゲン化水素を反応系から除去する目的で
脱酸剤の存在下に反応を行うことができる。このような
脱酸剤としてはたとえば炭酸ナトリウム,炭酸カリウ
ム,炭酸カルシウム,炭酸水素ナトリウムなどの無機塩
基,たとえばトリエチルアミン,トリ(n−プロピル)
アミン,トリ(n−ブチル)アミン,ジイソプロピルエ
チルアミン,シクロヘキシルジメチルアミン,ピリジ
ン,ルチジン,γ−コリジン,N,N−ジメチルアニリン,N
−メチルピペジリン,N−メチルピロリジン,N−メチルモ
ルホリンなどの第3級アミン,たとえばプロピレンオキ
シド,エピクロルヒドリンなどのアルキレンオキシドな
どがあげられる。
ここにあげた方法によりたとえば前記した化合物[VI
I]を合成することができる。反応式は次に示すとおり
である。
カルボン酸[III]は公知の方法もしくはそれに準ずる
方法により容易に製造することができる。
,(2−2):一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
物またはその塩もしくはエステルとトリアゾール化合物
またはその塩(A′)とを反応させることにより化合物
[I]を合成することができる。すなわち次の反応式で
示される。
〔式中、記号R0、記号Z,R4,R13,R5,AおよびA′は前
記と同意義を示す] この反応は製造法(1)で述べた方法と本質的に同一の
反応であり、化合物[X]またはその塩もしくはエステ
ルに対してトリアゾール化合物またはその塩(A′)を
反応させ、求核置換反応により化合物[I]を合成する
方法である。化合物[X]においてR5はここでも水酸
基,アシルオキシ基,カルバモイルオキシ基,置換カル
バモイルオキシ基またはハロゲン原子を示す。化合物
[X]は遊離のまま、その塩あるいはエステルとして用
いられる。化合物[X]の塩,エステルとしては製造法
(2−1)において7−アミノ化合物[II]の塩,エス
テルとしてあげたものがここでもそのままあてはめられ
る。化合物[X],その塩およびエステルは公知の方法
またはそれに準ずる方法によって容易に製造できる。一
方トリアゾール化合物(A′)は一般式[A1′],
[A3′]または[A5′] で書き表わされ、化合物[X]またはその塩またはエス
テルと化合物[A1′]とを反応させた場合に合成できる
目的化合物[I]のA 基は前記のA1基もしくはA2
を、化合物[X]またはその塩またはエステルと化合物
[A3′]とを反応させた場合に合成できる目的化合物
[I]のA 基は前記のA3基を、化合物[X]またはそ
の塩またはエステルと化合物[A5′]とを反応させた場
合に合成できる目的化合物[I]のA 基は前記のA4
もしくはA5基をそれぞれ示す。縮合トリアゾール
[A1′],[A3′]および[A5′]の式中の記号BはA1
基〜A5基中のBとしてすでにあげたものがここでもその
ままあてはめられ、したがって化合物[A1′]としては
具体的には などが、[A3′]としては具体的には などが、[A5′]としては具体的には などがあげられる。ソリアゾール化合物A′はその塩も
含まれる。化合物A′の塩としてはたとえば塩酸塩,臭
化水素酸塩,硫酸塩,硝酸塩,リン酸塩などの無機酸付
加塩,たとえばギ酸塩,酢酸塩,トリフルオロ酢酸塩,
メタンスルホン酸塩,p−トルエンスルホン酸塩などの有
機酸付加塩などがあげられる。トリアゾール化合物およ
びその塩(A′)の一般的合成法は既知であり、文献記
載の公知方法またはそれに準ずる方法によって容易に製
造できる。かかる文献としては、例えば、総括的に記載
されたものとしては、コンプリヘンシブ・ヘテロサイク
リック・ケミストリー5巻(カトリツキー(Alan R.Kat
ritzky)があげられ、更に詳しくは、[1,2,4]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリジンに関しては、 ・ジャーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリー31
(1966),260 ・ケミカル・アンド・ファーマシュティカルブレティン
14(1966),506が、 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリジンに関しては、 ・ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ195
7,4510 ・ジャーナル・オブ・ザ・オーガニツク・ケミストリ31
(1966),251が [1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンに関して
は、 ・テトラヘドロン・レターズ1973,1677 ・ジャーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリ39(19
74),2143 ・ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリ
12(1975),107 [1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンに関しては ・ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリ
17(1980),1527 ・オーストラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー
34(1981),1729が [1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジンに関して
は、 ・テトラヘドロン・レターズ1978,3059 ・ジャーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリー39
(1974),2143 ・オーガニツク・プリパレーションズ・プロシデュア10
(1978),293 ・ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリ
14(1977),1403 [1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンに関しては、 ・ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリ
12(1975),481 ・薬学雑誌101(1981),329等が、 それぞれ挙げられる。
トリアゾール化合物(A′)と化合物[X]との本求
核置換反応はそれ自体よく知られた反応であって、通常
溶媒中で行なわれる。この反応に用いられる溶媒として
は製造法(2−1)で使用されるエーテル類,エステル
類,ハロゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミド類,ケ
トン類,ニトリル類,水などの溶媒がそのままあてはめ
られるが、これらのほかにたとえばメタノール,エタノ
ール,n−プロパノール,イソプロパノール,エチレング
リコール,2−メトキシエタノールなどのアルコール類も
用いられる。またトリアゾール化合物A′が液体の場
合、この化合物A′を化合物[X]に対して大過剰(た
とえば10〜200倍モル)使用して溶媒をも兼ねさせる場
合がある。この場合、上記の溶媒を使用しなくてもよい
し、または上記の溶媒とA′とを混合溶媒としてもよ
い。
(2−2−1):R5がアシルオキシ基,カルバモイルオ
キシ基,置換カルバモイルオキシ基の場合 より好ましい溶媒は水もしくは水と混合しうる有機溶
媒と水との混合溶媒で、水と混合しうる有機溶媒のう
ち、より好ましいものはアセトン,メチルエチルケト
ン,アセトニトリルなどである。求核試薬A′の使用量
は化合物[X]1モルに対して通常1〜5モル,好まし
くは1〜3モルである。反応は10〜100℃,好ましくは3
0〜80℃の温度範囲で行なわれる。反応時間は化合物
[X]および化合物A′の種類,溶媒の種類(混合溶媒
の場合はその混合比),反応温度などに依存し、通常30
分〜5日間,好ましくは1〜5時間である。反応はpH2
〜8,好ましくは中性付近すなわちpH5〜8で行なうのが
有利である。また本反応は通常2〜30当量のヨウ化物ま
たはチオシアン酸塩の存在下でより容易に進行する。こ
のような塩としてはヨウ化ナトリウム,ヨウ化カリウ
ム,チオシアン酸ナトリウム,チオシアン酸カリウムな
どがあげられる。上記の塩のほか、たとえばトリメチル
ベンジルアンモニウムブロマイド,トリエチルベンジル
アンモニウムブロマイド,トリエチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキサイドのような界面活性作用を有する第4
級アンモニウム塩を添加することによって反応を円滑に
進行させうる場合もある。
(2−2−2):R5が水酸基の場合 たとえば日本国公開特許公報昭58-43979などに記載さ
れた方法にしたがって有機リン化合物の存在下に行う。
ここで用いられる有機リン化合物としてはたとえばo−
フェニレンホスホロクロリデエイト、o−フェニレンホ
スホロフロリデエイト、メチル o−フェニレンホスフ
ェイト、エチル o−フェニレンホスフェイト、プロピ
ル o−フェニレンホスフェイト、イソプロピル o−
フェニレンホスフェイト、ブチル o−フェニレンホス
フェイト、イソブチル o−フェニレンホスフェイト、
sec−ブチル o−フェニレンホスフェイト、シクロヘ
キシル o−フェニレンホスフェイト、フェニル o−
フェニレンホスフェイト、p−クロロフェニル o−フ
ェニレンホスフェイト、p−アセチル o−フェニレン
ホスフェイト、2−クロロエチル o−フェニレンホス
フェイト、2,2,2−トリクロロエチル o−フェニレン
ホスフェイト、エトキシカルボニルメチル o−フェニ
レンホスフェイト、カルバモイルメチル o−フェニレ
ンホスフェイト、2−シアノエチル o−フェニレンホ
スフェイト、2−メチルスルホニルエチル o−フェニ
レンホスフェイト、ベンジル o−フェニレンホスフェ
イト、1,1−ジメチル−2−プロペニル o−フェニレ
ンホスフェイト、2−プロペニル o−フェニレンホス
フェイト、3−メチル−2−ブテニル o−フェニレン
ホスフェイト、2−チエニルメチル o−フェニレンホ
スフェイト、2−フルフリルメチル o−フェニレンホ
スフェイト、ビス−o−フェニレンピロホスフェイト、
2−フェニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル−2
−オキシド(2−フェニル−2−オキソ−1,3,2−ベン
ゾオキサホスホール)、2−(p−クロロフェニル)−
1,3,2ベンゾジオキサホスホ−ル−2−オキシド、2−
ブチル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル−2−オキ
シド、2−アニリノ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−
ル−2−オキシド、2−フェニルチオ−1,3,2−ベンゾ
ジオキサホスホ−ル−2−オキシド、2−メトキシ−5
−メチル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル−2−オ
キシド、2−クロロ−5−エトキシカルボニル−1,3,2
−ベンゾジオキサホスホ−ル−2−オキシド、2−メト
キシ−5−エトキシカルボニル−1,3,2−ベンゾジオキ
サホスホ−ル−2−オキシド、5−エトキシカルボニル
−2−フェニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル−
2−オキシド、2,5−ジクロロ−1,3,2−ベンゾジオキサ
ホスホ−ル−2−オキシド、4−クロロ−2−メトキシ
−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル−2−オキシド、
2−メトキシ−4−メチル−1,3,2−ベンゾジオキサホ
スホ−ル−2−オキシド、2,3−ナフタレンメチルホス
フェイト、5,6−ジメチル−2−メトキシ−1,3,2−ベン
ゾジオキサホスホ−ル−2−オキシド、2,2−ジヒドロ
−4,5,6,7−テトラクロロ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,
2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−4,5,6,
7−テトラクロロ−2,2,2−トリフェノキシ−1,3,2−ベ
ンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2−エチレ
ンジオキシ−2−メトキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホ
スホ−ル、2,2−ジヒドロ−2−ベンジル−2,2−ジメト
キシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒド
ロ−4,5−ベンゾ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,2−ベン
ゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリフ
ェノキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジ
ヒドロ−2,2−(o−フェニレンジオキシ)−2−フェ
ノキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2−クロ
ロ−2,2−ジヒドロ−2,2−(o−フェニレンジオキシ)
−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−
2−メトキシ−2,2−(o−フェニレンジオキシ)−1,
3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2,
2−トリクロロ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、9,
10,−フェナンスレンジオキシトリメトキシホスホラ
ス、o−フェニレンホスホロクロリダイト、o−フェニ
レンホスホロブロミダイト、o−フェニレンホスホロフ
ロリダイト、メチル o−フェニレンホスファイト、ブ
チル o−フェニレンホスファイト、メトキシカルボニ
ルメチル o−フェニレンホスファイト、フェニル o
−フェニレンホスファイト、p−クロロ(またはp−ニ
トロ)フェニル o−フェニレンホスファイト、2−フ
ェニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、ビス−o
−フェニレンピロホスファイト、2−メトキシ−5−メ
チル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、5−アセチ
ル−2−フェノキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−
ル、9,10−フェナンスレンホスホロクロリダイト、2−
クロロ−4−メチル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−
ル、5−エトキシカルボニル−2−フェニル−1,3,2−
ベンゾジオキサホスホ−ル、2−クロロ−2−チオキソ
−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、2−フェノキシ
−2−オキソ−1,3,2−ベンゾジアザホスホ−ル、2−
フェノキシ−1,3,2−ベンゾジオキサアザホスホ−ル、
2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2−メトキシ−4,5−ジメ
チル−1,3,2−ジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2
−オキソ−2−クロロ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキ
サホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2−(1
−イミダゾリル)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホ
ルホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2−エチレンジオキシ−2
−メトキシ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホ−
ル、2,2−ジヒドロ−2,2−ジメトキシ−2−フェノキシ
−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホ−ル、2,2−
ジヒドロ−2,2,2−トリメトキシ−4,5−ジメチル−1,3,
2−ジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリ
フェノキシ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホ−
ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリエトキシ−4,5−ジフ
ェニル−1,3,2−ジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−
2,2,2−トリメトキシ−4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオ
キサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2−メ
トキシ−4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサホスホ−
ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,2−ジ
オキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリメトキ
シ−4−フェニル−1,3,2−ジオキサホスホ−ル、2,2−
ジヒドロ−2,2,2−トリメトキシ−4−メチル−1,3,2−
ジオキサホスホ−ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリメト
キシ−メチル−5−フェニルカルバモイル−1,3,2−ジ
オキサホスホ−ル、2,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2,2,2
−トリメトキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ−ル、
2,2′−オキシビス(4,5−ジメチル−2,2−ジヒドロ−
1,3,2−ジオキサホスホ−ル)、2,2′−オキシビス(4,
5−ジメチル−2,2−ジヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホ
−ル−2−オキシド)などがあげられる。とりわけメチ
ル o−フェニレンホスフェイト,エチル o−フェニ
レンホスフェイトなどの低級アルキル o−フェニレン
ホスフェイト類や2−フェニル−1,3,2−ベンゾジオキ
サホスホール−2−オキシドが好ましい。反応に用いる
溶媒は反応を阻害しないものであればよく、好ましくは
前記したエーテル類,エステル類,ハロゲン化炭化水素
類,炭化水素類,アミド類,ケトン類,ニトリル類など
が単独または混合溶媒として用いられる。とりわけ、た
とえばジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン,アセトニ
トリル,酢酸エチル,ホルムアミド,テトラヒドロフラ
ン,ホルムアミドとアセトニトリルの混合溶媒,ジクロ
ロメタンとアセトニトリルの混合溶媒などを使用すると
好効果が得られる。とりわけジクロロメタンの使用が好
ましい。求核試薬A′および有機リン化合物の使用量は
化合物[X]1モルに対してそれぞれ1〜5モル,1〜10
モル,より好ましくはそれぞれ1〜3モル,1〜6モルで
ある。反応は−50〜100℃,好ましくは−35〜35℃の温
度範囲で行なわれる。反応時間は通常1分〜15時間,好
ましくは5分〜2時間である。反応系に有機塩基を添加
してもよい。このような有機塩基としてはたとえばトリ
エチルアミン,トリ(n−ブチル)アミン,ジ(n−ブ
チル)アミン,ジイソブチルアミン,ジシクロヘキシル
アミン,2,6−ルチジンなどのアミン類があげられる。塩
基の添加量は化合物[X]1モルに対して1〜5モルが
よい。
(2−2−3):R5がハロゲン原子の場合 好ましい溶媒は前記のエーテル類,エステル類,ハロ
ゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミド類,ケトン類,
ニトリル類、アルコール類,水などである。求核試薬
A′の使用量は化合物[X]1モルに対して通常1〜5
モル,好ましくは1〜3モルである。反応は0〜80℃,
好ましくは20〜60℃の温度範囲で行なわれる。反応時間
は通常30分〜15時間,好ましくは1〜5時間である。反
応を促進するため脱ハロゲン剤の存在下に反応を行うこ
ともできる。このような脱ハロゲン剤としては製造法
(2−1)の項で述べた無機塩基,第3級アミン,アル
キレンオキシド類などの脱酸剤がここでもあげられる
が、求核試薬A′自身を脱ハロゲン剤として働かせても
よい。この場合には化合物A′を化合物[X]1モルに
対して2モル以上使用する。R5で示されるハロゲン原子
は塩素,臭素,ヨウ素などであるが、好ましくはヨウ素
である。R5がヨウ素である化合物[X]はたとえば日本
国公開特許公報昭58-57390に記載の方法またはそれに準
ずる方法などを用いて容易に製造できる。
ここにあげた方法によりたとえば前記した化合物[VI
I]もしくは[VIII]を合成することができる。反応式
は次に示すとおりである。
化合物[III]および[IV]は公知の方法もしくはそれ
に準ずる方法により容易に製造することができる。
また化合物[VII],[VIII]を含み下記の化合物[X
I]は上記の製造法(2−1)または(2−2)の方法
のほか、下記の製造法(2−3)の方法によっても製造
することができる。化合物[VII]は(2−1),(2
−2)または(2−3)の方法のほか、下記の(2−
4)の方法によっても製造することができる。
(2−3):反応式は次のとおりである。
[式中、記号R22′は置換されていてもよい複素環基
を、記号Z,R4,R13,AおよびR3は前記と同意義を示す] 本法はヒドロキシイミノ化合物[V]に対して一般式
R3″OHで示される化合物またはその反応性誘導体を反応
させて化合物[XI]を合成する方法であり、よく知られ
たエーテル化反応である。ここでR22″が の場合、生成物[XI]はそれぞれ化合物[VII]または
[VIII]である。R3″は置換されていてもよい炭化水素
残基を示し、このような炭化水素残基としてはR3におけ
る置換されていてもよい炭化水素残基としてすでにあげ
たものがここでもそのままあてはめられる。R3″OHはそ
のままあるいはその反応性誘導体として用いられる。
R3″OHの反応性誘導体はヒドロキシイミノ化合物[V]
の水素原子とともに離脱する基を有するR3″OHの誘導
体、すなわち一般式R3″Yで表わされる化合物を意味す
る。ここで水素原子とともに離脱する基Yはハロゲン原
子,スルホ基、モノ置換スルホニルオキシ基などを示
す。ハロゲン原子としては塩素,臭素,ヨウ素などがあ
げられる。モノ置換スルホニルオキシ基としてはたとえ
ばメタンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシ,
ベンゼンスルホニルオキシ,p−トルエンスルホニルオキ
シなどのC1-6アルキルスルホニルオキシ基,C6-10アリ
ールスルホニルオキシ基などがあげられる。また特に化
合物[V]のC1-4アルキルエーテル体を製造する場合に
は上記の反応性誘導体のほか、たとえばジアゾメタン,
ジアゾエタンなどのC1-4ジアゾアルカン,たとえばジメ
チル硫酸,ジエチル硫酸などのジC1-4アルキル硫酸など
も用いられる。
化合物[V]は製造法(2−1)で述べたアシル化反
応または製造法(2−2)で述べた求核置換反応にした
がって合成することができる。すなわち、それぞれ次の
反応式で示される。
また原料化合物[XII]および[X′]も公知の方法
またはそれに準ずる方法により容易に合成することがで
きる。化合物R3″OHおよびその反応性誘導体も公知の方
法またはそれに準ずる方法により容易に合成することが
できる。
(2−3−1):R3″OHを使用する場合 適当な脱水剤を用いてヒドロキシイミノ化合物[V]
と反応させ化合物[XI]を合成する。このような目的に
使用される脱水剤としてはたとえばオキシ塩化リン,塩
化チオニル,アゾジカルボン酸ジアルキル(通常、ホス
フィンとの共存で使用される),N,N′−ジシクロロヘキ
シルカルボジイミドなどがあげられ、好ましくはトリフ
ェニルホスフィン共存下のアゾジカルボン酸ジエチルで
ある。トリフェニルホスフィン共存下でアゾジカルボン
酸ジエチルを用いる反応は通常、無水の溶媒中で行なわ
れ、前記のエーテル類,炭化水素類などが使用される。
ヒドロキシイミノ化合物[V]1モルに対して化合物
R3″OH,アゾジカルボン酸エチル,トリフェニルホスフ
ィンはいずれも1〜1.5モル用いられる。0〜50℃の温
度範囲で1〜4日間を要する。
(2−3−2):R3″Yを使用する場合 R3″Yとヒドロキシイミノ化合物[V]との反応は通
常のエーテル化反応であって、溶媒中で行なわれる。溶
媒としては製造法(2−1)の項であげたエーテル類,
エステル類,ハロゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミ
ド類,ケトン類,ニトリル類,アルコール類,水などの
溶媒もしくは混合溶媒がここでもあげられ、好ましくは
水と混合しうる溶媒と水との混合溶媒(たとえば含水メ
タノール,含水エタノール,含水アセトン,含水ジメチ
ルスルホキシドなど)である。本反応は適当な塩基の存
在下に円滑に進行させることもできる。このような塩基
としてはたとえば炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩,たとえば水酸
化ナトリウム,水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物などの無機塩基があげられる。また本反応をpH7.5
〜8.5の緩衝溶液中で行なってもよい。原料化合物
[V]1モルに対して使用する試薬R3″Yおよび塩基の
モル数はそれぞれ1〜5,1〜10,好ましくはそれぞれ1〜
3,1〜5である。反応温度は−30〜100℃,好ましくは0
〜80℃の範囲である。反応時間は10分〜15時間,好まし
くは30分〜5時間である。
(2−3−3):C1-4ジアゾアルカンを使用する場合 反応は通常溶液中で行なわれる。溶液としては前記の
エーテル類,炭化水素類などが用いられる。ヒドロキシ
イミノ化合物[V]を溶液に溶解したのち、ジアゾアル
カン化合物の溶液を加えると反応は進行する。試薬は化
合物[V]1モルに対して1〜10モル,好ましくは1〜
5モル使用する。反応は比較的低温で行なわれ−50〜20
℃,好ましくは−30〜0℃である。反応時間は1分〜5
時間,好ましくは10分〜1時間である。
(2−3−4):ジC1-4アルキル硫酸を使用する場合 反応は通常、水もしくは水と混合しうる溶媒と水との
混合溶液中で行なわれる。混合溶媒としては製造法(2
−3−2)であげた含水溶媒がここでもあげられる。こ
の反応は通常、たとえば水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物などの無機塩基の存在
下に行なわれる。試薬は化合物[V]1モルに対して0.
5〜10モル,好ましくは1〜2モル使用する。反応温度
は20〜100℃,好ましくは50〜100℃の範囲である。反応
時間は10分〜5時間,好ましくは30分〜3時間である。
(2−4):反応式は次のとおりである。
[式中、記号Z,R4,R13,A,R1,R2およびR3は前記と同意義
を示す] 本法は化合物[VI]と一般式R1C(=S)NH2で表わされるチ
オ尿素またはチオ尿素誘導体とを反応させて目的化合物
[VII]を合成する方法である。化合物[VI]は遊離の
まま,塩あるいはエステルとして用いられる。化合物
[VI]におけるXはたとえば塩素,臭素,ヨウ素などの
ハロゲン原子を示す。化合物[VI]の塩としては製造法
(2−1)の項であげた7−アミノ化合物[II]の塩
(無機塩基塩,アンモニウム塩,有機塩基塩,無機酸付
加塩,有機酸付加塩など)がここでもあてはめられる。
化合物[VI]のエステルとしては同じく製造法(2−
1)の項であげた7−アミノ化合物[II]のエステル
(C1-6アルキルエステル,C2-6アルケニルエステル,
C3-10シクロアルキルエステル,C3-6シクロアルキルC
1-6アルキルエステル,C6-10アリールエステル,C
7-12アラルキルエステル,ジC6-10アリール−メチル
エステル,トリC6-10アリール−メチルエステル,C2-6
アルカノイルオキシC1-6アルキルエステルなどがここで
もあてはめられる。原料化合物[VI]は一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
物またはその塩もしくは反応性誘導体と前記の7−アミ
ノ化合物[II]またはその塩あるいはエステルとを、製
造法(2−1)で述べた方法にしたがって反応させるこ
とにより容易に製造することができる。
一般式 で表わされる化合物またはその反応性誘導体はそれ自体
公知の方法またはそれに準ずる方法によって容易に製造
できる。化合物[VI]とR1C(S=)NH2との反応は通常溶媒
中で行なわれる。溶媒としてはたとえばジオキサン,テ
トラヒドロフラン,ジエチルエーテルなどのエーテル
類,たとえばメタノール,エタノール,n−ブロパノール
などのアルコール類、ジメチルホルムアミド,ジメチル
アセトアミドなどのアミド類,などが用いられる。チオ
尿素またはその誘導体R1C(S=)NH2の使用量は化合物[V
I]に対して通常1〜5モル,好ましくは1〜3モルで
ある。反応は0〜100℃,好ましくは20〜60℃の温度範
囲で行なわれる。反応時間は通常30分〜15時間,好まし
くは1〜5時間である。
また上記した製造法(2−1)〜(2−4)により製
造される化合物[I]の置換基R0中にヒドロキシイミノ
基(または置換ヒドロキシイミノ基)が存在する場合
(たとえば化合物[VII],[VIII]など),化合物
[I]がシン[Z]−,アンチ[E]−異性体の混合物
として得られる場合がある。混合物から所望のシン異性
体を分離するには自体公知の方法またはそれに準ずる方
法が適用される。それらの方法としてはたとえば溶解
性,結晶性などの差を利用した分別法,クロマトグラフ
ィーによる分離,エステル誘導体の加水分解速度の差を
利用した分離法などがあげられる。
上記した製造法(1)〜(2)の反応ののち、要すれば
保護基の除去および精製を行うことにより本発明の目的
化合物[I]を得ることができる。以下に保護基の除去
法および精製法について説明する。
保護基除去法:前記した通りβ−ラクタムおよびペプ
チド合成の分野ではアミノ基の保護基は充分に研究され
ていてその保護法はすでに確立されている。また、アミ
ノ保護基の除去法も同様に確立されており、本発明にお
いても保護基の除去は従来の技術をそのまま利用でき
る。たとえばモノハロゲノアセチル基(クロロアセチ
ル,ブロモアセチルなど)はチオ尿素により,アルコキ
シカルボニル基(メトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,tert−ブトキシカルボニルなど)は酸(たとえば
塩酸など)により,アラルキルオキシカルボニル基(ベ
ンジルオキシカルボニル,p−メチルベンジルオキシカル
ボニル,p−ニトロベンジルオキシカルボニルなど)は接
触還元により,2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルは
亜鉛と酸(たとえば酢酸など)により除去することがで
きる。一方、合成中間体として化合物[I]がエステル
化されている場合もそれ自体公知の方法またはそれに準
ずる方法によってエステル残基を除去することができ
る。たとえば2−メチルスルホニルエチルエステルはア
ルカリにより,アラルキルエステル(ベンジルエステ
ル,p−メトキシベンジルエステル,p−ニトロベンジルエ
ステルなど)は酸(たとえばトリフルオロ酢酸など)ま
たは接触還元により,2,2,2−トリクロロエチルエステル
は亜鉛と酸(たとえば酢酸など)により,シリルエステ
ル(トリメチルシリルエステル,tert−ブチルジメチル
シリルエステルなど)は水のみにより除去することがで
きる。
化合物[I]の精製法:製造法(1)〜(2)に詳記
した各種製造法により,また要すれば上記の保護基除去
法をつづいて行うことにより反応混合物中に生成した化
合物[I]は抽出法,カラムクロマトグラフィー,沈澱
法,再結晶法などの公知の処理手段によって単離精製す
ることができる。一方、単離された化合物[I]が塩も
しくはエステルでない場合にこれを公知の方法により所
望の生理学的に受容される塩または代謝上不安定な無毒
のエステルへと変換することもできる。
セフェム化合物([I],Z=S)のスルホキシド
([I],Z=S→O)は化合物([I],Z=S)の酸化
反応により得られる。このような酸化反応はよく知られ
た反応である。セフェム環中の硫黄原子の酸化に適した
酸化剤としてはたとえば酸素,過酸,ヒドロパ−オキシ
ド,過酸化水素などがあげられ、過酸はその場で酸と過
酸化物の混和によって製造することもできる。過酸とし
ては過酢酸,過安息香酸,p−クロル過安息香酸などが繁
用される。反応は通常、溶媒中で行なわれる。この反応
に用いられる溶媒としてはたとえばジオキサン,テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類,たとえばジクロロメタ
ン,クロロホルム,クロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素類,たとえばギ酸,酢酸,トルフルオロ酢酸など
の有機酸類,たとえばジメチルホルムアミド,ジメチル
アセトアミドなどのアミド類などがあげられる。反応温
度は−20〜80℃の範囲で行なわれるが、なるべく低い温
度,好ましくは−20〜20℃で行なわれる。セフェム化合
物([I],Z=S)の酸化に際してはS−立体配位をも
つスルホキシドが主に生成することが一般に知られてい
る。R−およびS−スルホキシドはそれらの異なる溶解
性およびクロマトグラフィー分離に際しての異なる移動
速度によって分離される。スルホキシドを得るための上
記の酸化反応は前記製造法(1)〜(2)の反応の前に
行なってもよいし、また(1)〜(2)の反応の後に行
なってもよい。
(作用,効果) 化合物[VII]および[VIII]を含む本発明の化合物
[I]は公知のペニシリン剤,セフアロスポリン剤と同
様に注射剤として筋注または静注により投与できる。ま
た特に代謝上不安定な無毒のエステルの場合は、カプセ
ル剤,錠剤,顆粒剤として経口的に投与することができ
る。投与量は前記したような病原性細菌に感染した人お
よび動物の体重1kgあたり0.5〜80mg/日,より好ましく
は1〜20mg/日を1日3〜4回に分割して投与すればよ
い。注射剤として用いられる場合の担体は、たとえば蒸
留水,生理食塩水などが用いられ、カプセル剤,粉剤,
顆粒剤,錠剤として用いられる場合は、公知の薬学的に
許容される賦形剤(たとえばデンプン,乳糖,白糖,炭
酸カルシウム,リン酸カルシウムなど),結合剤(たと
えばデンプン,アラビアゴム,カルボキシメチルセルロ
ース,ヒドロキシプロピルセルロース,結晶セルロース
など),滑沢剤(たとえばステアリン酸マグネシウム,
タルクなど),破壊剤(たとえばカルボキシメチルセル
ロースカルシウム,タルクなど)と混合して用いられ
る。
(実施例,参考例) 本発明はさらに下記の参考例,実施例で詳しく説明さ
れるが、これらの例は単なる実例であって本発明を限定
するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲
で変化させてもよい。
参考例,実施例のカラムクロマトグラフィにおける溶
出はTLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグ
ラフィ)による観察下に行なわれた。TLC観察において
は、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製のBOF
254を、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィで溶
出溶媒として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器
を採用した。カラム用シリカゲルは同じくメルク社製の
キーゼルゲル60(230〜400メッシュ)を用いた。“セフ
ァデックス”はファルマシア・ファイン・ケミカルズ社
(Pharmacia Fine Chemicals)製である。XAD-II樹脂は
ローム・アンド・ハース社製(Rohm & Haas Co.)製で
ある。NMRスペクトルは内部または外部基準としてテト
ラメチルシランを用いてXL-100A(100MHz),EM360(60M
Hz),EM390(90 MHz)またはT60(60MHz)型スペクトロ
メーターで測定し、全δ値をppmで示した。混合溶媒に
おいて( )内に示した数値は各溶媒の容量混合比であ
る。また溶液における%は溶液100ml中のg数を表わ
す。また参考例,実施例中の記号は次のような意味であ
る。
s :シングレット(singlet) d :ダブレット(doublet) t :トリプレット(triplet) q :クワルテット(quartet) ABq :AB型クワルテット(AB type quartet) d.d :ダブル ダブレット(double doublet) m :マルチプレット(multiplet) br. :ブロード(broad) J :カップリング定数(coupling constant) Hz :ヘルツ(Herz) mg :ミリグラム(milligram) g :グラム(gram) ml :ミリリーター(milliliter) l :リーター(liter) % :パーセント(percent) DMSO :ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide) D2O :重水 CDCl3 :重クロロホルム 参考例1 7β−[2−(2−クロロアセトアミドチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸。
7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸157gをテトラヒド
ロフラン500mlと水500mlの混合液に懸濁させ、かきまぜ
ながら炭酸水素ナトリウム141gを少量づつ加える。つい
で5℃で攪拌しながら2−(2−クロロアセトアミドチ
アゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセ
チルクロライド・塩酸塩150gを20分間で加え、同温度で
反応液をさらに1時間かきまぜる。反応終了後10%塩酸
でpH3.0としたのち、反応液を酢酸エチル−テロラヒド
ロフラン(1:1)の混合液各1で2回抽出する。抽出
液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留
去し、得られた無色粉末を酢酸エチル200mlで洗浄後ろ
取すると標記化合物253gが得られる。
元素分析値:C20H20C1N5O9S2として、 計算値(%):C,41.85; H,3.51; N,12.20。
実測値(%):C,41.39; H,3.57; N,11.94。
NMRスペクトル(d6−DMSO)δ:2.20(3H,s),3.45と3.6
8(2H,ABq, J=18Hz),3.65(2H,s),3.92(3H,s),4.3
8(2H,s),4.79と5.09(2H,ABq,J=13Hz),5.18(1H,d,
J=5Hz),5.85(1H,d.d,J=5Hzと8Hz),7.44(1H,s),
9.66(1H,d,J=8Hz),12.85(1H,br.s)。
参考例2 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸。
7β−2−[2−(クロロアセトアミドチアゾール−
4−イル)−2−(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルイオキシメチル)−3
−セフェム−4−カルボン酸150gをテトラヒドロフラン
−水(1:1)の混合液500mlに溶解後N−メチルジオカル
バミン酸ナトリウム51gを加え、20℃で3時間かきまぜ
る。反応液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を除去し
水層を10%塩酸でpH4にすると油状物が析出する。これ
をテトラヒドロフラン−酢酸エチル(1:1)の混合液1
で抽出し、さらに水層を1−ブタノール200mlで抽出
する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で
溶媒を留去する。残留物に酢酸エチル200mlを加えてか
きまぜ、析出した結晶をろ取すると標記化合物90gが得
られる。
元素分析値:C18H19N5O8S2として、 計算値(%):C,42.19; H,4.30; N,13.55。
実測値(%):C,41.94; H,4.11; N,13.59。
NMRスペクトル(d6−DMSO)δ:2.20(3H,s),3.43と3.6
5(2H,ABq,J=18Hz),3.63(2H,s),3.86(3H,s),4.78
と5.06(2H,ABq,J=13Hz),5.14(1H,d,J=5Hz),5.79
(1H,d.d,J=5Hzと8Hz),6.73(1H,s),7.17(2H,br.
s),9.56(1H,d,J=8Hz)。
参考例3 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−エトキシイミノ酢酸23gをジメチルホルムアミド100ml
にとかし、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15gとジ
シクロヘキシルカルボジイミド20.6gを加えて20℃で1.5
時間かきまぜる。不溶物をろ去後、ろ液を7β−アミノ
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸31gとトリエチルアミン28mlのジ
メチルホルムアミド100ml溶液に氷冷下で加える。反応
液を20℃で3時間かきまぜたのちジエチルエーテル500m
lを加え、析出固型物をろ取する。これを水100mlに溶解
後10%塩酸でpH3.0としたのち、メチルエチルケトン各2
00mlで2回抽出する。抽出液を水洗し無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し得られた固型物を酢
酸エチルで洗浄すると標記化合物31gが得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.30(3H,t,J=7.5Hz),
2.25(3H,s),3.45-3.65(4H,m),4.20(2H,q,J=7.5H
z),4.70と5.10(2H,ABq,J=18Hz),5.25(2H,d,J=5H
z),5.90(1H,d,d,J=5Hzと8Hz),6.90(1H,s),7.20-
7.80(2H,br.s),9.80(1H,d,J=7.5Hz)。
参考例4 7β−[2−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−メ
トキシイミノアセトアミド]−3−(3−オキソブチリ
ルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸。
2−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1,2,4
−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−メトキシイ
ミノ酢酸302mgを4mlのジクロルメタンに加え、ついで20
8mgの五塩化リンを加えて氷冷下15分かきまぜ、溶媒を
減圧下に留去し、残留物にヘキサンを加えて再び減圧下
に乾固し、残留物をジクロルメタンに溶かす。この液を
7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸300mgおよびトリ
エチルアミン0.6mlを5mlのジメチルアセトアミドに溶か
した液に加え、氷冷下に30分間かきまぜる。反応液にリ
ン酸1gを水10mlに溶かして加え、メチルエチルケトン
(10ml)で抽出し、抽出液を水洗後硫酸マグネシウムで
乾燥する。溶媒を減圧下に留去し残留物に酢酸エチルを
加えて再び留去し、390mgの標記の化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.56(9H,s),2.20(3H,
s),3.43と3.70(2H,ABq,J=18Hz),3.65(2H,s),4.00
(3H,s),4.80と5.12(2H,ABq,J=12Hz),5.18(1H,d,J
=4.5Hz),5.88(1H,d,d,J=9Hzと4.5Hz),9.63(1H,d,
J=9Hz)。
参考例5 i)7β−[2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミ
ドチアゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノ
アセトアミド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸。
2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミドチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノ酢酸2.39g
を50mlのジクロロメタンに加え、−5から−8℃に冷却
しつつ五塩化リン2.13gを加えて45分間かきまぜる。反
応液に合計150mlのヘキサンを30mlずつ加え、沈澱する
暗色油状物をわけ取り、さらにヘキサンで洗浄して粗な
対応するクロリドを得る。重炭酸ナトリウム2.06gを15m
lの水に溶かした液に7β−アミノ−3−(3−オキソ
ブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン
酸2.06gを15mlのテトラヒドロフランに溶かした液を加
え、ついで上記のクロリドを内温を0−3°に保ちなが
ら加える。加え終ってから1時間5℃以下で、さらに1
時間室温でかきまぜたのちメチルエチルケトン50mlを加
え、濃塩酸で酸性とし、有機層を分液して取る。水層を
メチルエチルケトンで抽出し、有機層と抽出液とを合わ
せて無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち溶媒を減圧留去
すると2.94gの標記の化合物が淡橙色粉末として得られ
る。
NMRスペクトル(CDCl3+d6‐DMSO)δ:2.23(3H,s),3.2
4-3.73(2H,m),3.50(2H,s),4.01(3H,s),4.21(2H,
s),4.91と5.18(2H,ABq,J=13Hz),5.05(1H,d,J=4.5
Hz),5.88(1H,d,d,J=4.5Hzと9Hz),6.43(2H,br.s),
8.79(1H,d,J=9Hz)。
ii)7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール
−4−イル)−2−(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−
セフェム−4−カルボン酸。
7β−[2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミド
チアゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノア
セトアミド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸2.94gを水13mlと
テトラヒドロフラン13mlとの混液にとかし、ナトリウム
N−メチルジチオカーバメート計1.15gを3回にわけ
て加えつつ、室温で3時間かきまぜる。反応液に酢酸エ
チルを加え酢酸エチル層を分液してすてる。ついで水層
を濃塩酸で酸性にし、200mlのメチルエチルケトンで抽
出し、抽出液を食塩水で洗浄したのち無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し溶媒を留去すると、2.28gの標記化合物が得
られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO+CDCl3)δ:2.21(3H,s),3.
3-3.75(2H,m),3.57(2H,s),3.90(2H,s),4.81と5.0
9(2H,ABq,J=13Hz),5.07(1H,d,J=5Hz),5.77(1H,
d,d,J=5Hzと9Hz),7.10(2H,br,s),9.46(1H,d,J=9H
z)。
参考例6 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチ
ルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(3−オキソ
ブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン
酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルエトキ
シイミノ)酢酸12gをN,N−ジメチルホルムアミド60mlに
溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール5.86gとジ
シクロヘキシルカルボジイミド7.5gを加え室温で30分間
攪拌する。不溶物をろ去したのちろ液を7β−アミノ−
3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェ
ム−4−カルボン酸11gとトリエチルアミン10mlとのN,N
−ジメチルホルムアミド懸濁液30ml中に加えて室温で6
時間攪拌する。不溶物をろ去しろ液にジエチルエーテル
1.3lを加えて、しばらく攪拌し上澄のエーテル層を除
く。残渣を水に溶解したのち1N-HClでpH3〜4に調節
し、メチルエテルケトン(1)で抽出する。有機層を
飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウム上で乾
燥し、ついで減圧下溶媒を留去し、残渣にn−ヘキサン
を加えて固化させて粉末をろ取すると標記化合物18.7g
を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.42(s,15H),2.20(s,
3H),3.4-3.7(m,4H),4.70と5.10(ABq,J=14Hz,2H),
5.19(d,J=4.5Hz,1H),5.82(d,d,J=4.5Hz,J=8Hz,1
H),6.73(s,1H),7.19(br.s,2H),9.29(d,J=8Hz,1
H)。
参考例7 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−
セフェム−4−カルボン酸 トルフルオロ酢酸50mlを氷冷下にかきまぜながら、こ
れに7−[2−(5−tert−ブチルオキシカルボニルア
ミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)
−メトキシイミノアセトアミド−3−(3−オキソブチ
リルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸13
gを添加する。冷浴をはずし、30分間かきまぜたのち、
減圧下にトリフルオロ酢酸を留去する。残渣に酢酸エチ
ル100mlを加え、減圧下に酢酸エチルを留去したのちエ
チルエーテル100mlを加え、粉末をほぐしてろ取し、標
記化合物10gを得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.20(3H,s),3.43およ
び3.64(2H,ABq,J=18Hz),3.64(2H,s).3.93(3H,
s),4.77および5.07(2H,ABq,J=12Hz),5.14(1H,d,J
=4.8Hz),5.82(1H,d,d,J=4.8Hzと8Hz),8.00-9.00
(2H,br,s),9.53(1H,d,J=8Hz)。
参考例8 7β−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒ
ドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸 トリ
エチルアミン塩。
7β−アミノ−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム
−4−カルボン酸2.37gを水15mlに懸濁し、氷冷下にか
き混ぜながらトリエチルアミン3mlを加え、ついで重炭
酸ジ(tert−ブチル)4.5gおよびジオキサン15mlを加え
る。室温で16時間かき混ぜたのち重炭酸ジ(tert−ブチ
ル)2.18gおよびトリエチルアミン1.4mlを追加する。室
温でさらに16時間かき混ぜたのち反応液に水と酢酸エチ
ルを加えて水層を分取する。分取した水層を0℃に冷却
し、希塩酸でpH2にしたのち酢酸エチルで抽出する。抽
出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
たのちトリエチルアミン2.9mlをジクロロメタン50mlに
溶かし、冷却した溶液に注ぐ。減圧下に溶媒を留去し、
残留物をデシケーター中で減圧下に乾燥すると標記化合
物が黄色泡状物として3.18g得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.13(9H,t),1.39(9H,
s),2.93(6H,q,J=7Hz),3.38(2H,ABq,J=18Hz),4.0
8(2H,ABq,J=12Hz),4.87(1H,d,J=5Hz),5.26(1H,
d,d,J=5Hz,9Hz),7.74(1H,d,J=9Hz)。
参考例9 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸。
7β−アミノ−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム
−4−カルボン酸16.97gを水400mlとテトラヒドロフラ
ン400mlの混液に懸濁し、氷冷下にかき混ぜながら炭酸
水素ナトリウム27.72gを加える。ついで2−(2−クロ
ロアセトアミドチアゾール−4−イル)−2(Z)−メ
トキシイミノアセチルクロライド 塩酸塩29.4gを徐々
に加えて30分間かき混ぜる。反応液に水150mlと酢酸エ
チル200mlを加えて分液し、分取した水層を氷冷下に1N
塩酸でpH7に調整する。室温でかき混ぜながら、N−メ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム18.9gを徐々に加え
てさらに3時間かき混ぜる。反応液を酢酸エチル300ml
で洗浄したのち70mlに濃縮し、つぎにカラムクロマトグ
ラフィー(XAD-21を用い水で溶出)で精製する。溶出
液を100mlに濃縮し、氷冷下に4N塩酸でpH2.5に調整して
析出する結晶をろ取する。水100ml,酢酸エチル50mlおよ
びテトラヒドロフラン50mlで順次洗浄したのち減圧下に
乾燥すると標記化合物が19.3g得られる。融点200-210℃
(分解)。
元素分析値:C14H15N5O6S2・1/2H2Oとして, 計算値(%):C,39.81;H,3.82;N,16.58。
実測値(%):C,39.73;H,3.74;N,16.39。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.55(2H,s),3.84(3H,
s),4.25(2H,s),5.08(1H,d,J=5Hz),5.75(1H,d.d,
J=5Hz,8Hz),6.73(1H,s),7.16(2H,s),9.55(1H,d,
J=8Hz)。
トリ(n−ブチル)アミン185mgをメタノール15mlに
溶かし、−20℃に冷却してかき混ぜながら上記の結晶42
2mgを加える。減圧下にメタノールを留去し、残留物に
乾燥したジクロロメタンを加えて再び留去したのちデシ
ケーター中で減圧下に乾燥することにより標記化合物の
トリ(n−ブチル)アミン塩を得る。
参考例10 7−エトキシカルボニルメチルチオ−5−メチル−
[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン。
チオグリコール酸エチル1.2gを乾燥したエタノール30
mlに溶かし、氷水冷却下に水素化ナトリウム400mg(油
性60%)を加えて10分間かき混ぜる。つぎに7−クロロ
−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン1.7gと乾燥したジクロロメタン10mlを加えて16時間
かき混ぜたのち反応液に水とジクロロメタンを加えて分
液する。分取した有機層を食塩水で洗浄したのち無水炭
酸カリウム上で乾燥する。減圧下に溶媒を留去し、残留
物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル40gを用い
酢酸エチルで展開,溶出)で精製すると標記化合物が無
色粉末として2.2g得られる。
元素分析値:C10H12N4O2Sとして, 計算値(%):C,47.61;H,4.79;N,22.21。
実測値(%):C,47.65;H,4.73;N,22.19。
NMRスペクトル(CDCl3)δ:1.27(3H,t),2.67(3H,
s),3.97(2H,s),4.24(2H,q,J=7Hz),6.90(1H,s),
8.42(1H,s)。
参考例11 7−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ
[1,5−a]ピリミジン。
ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液2.52gを
乾燥したメタノール50mlで希釈し、室温で7−クロロ−
5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン2.00gを加えて30分間かき混ぜる。減圧下に溶媒を留
去し残留物に水を加えてジクロロメタンで2回抽出す
る。抽出液を合わせて食塩水で洗浄したのち無水炭酸カ
リウム上で乾燥する。減圧下に溶媒を留去すると標記化
合物が無色結晶として1.69g得られる。
元素分析値:C7H8N4Oとして, 計算値(%):C,51.21;H,4.91;N,34.13。
実測値(%):C,51.22;H,4.98;N,34.05。
NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.67(3H,s),4.24(3H,
s),6.33(1H,s),8.38(1H,s)。
参考例12 6−エトキシカルボニルメチルチオ−[1,2,4]トリ
アゾロ[4,3−b]ピリダジン。
チオグリコール酸エチル1.2gを乾燥したエタノール30
mlに溶かし、氷水冷却下に水素化ナトリウム400mg(油
性60%)を加えて10分間かき混ぜる。つぎに6−クロロ
−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン1.55gを
加えて室温で67時間かき混ぜたのち反応液に水を加え、
クロロホルムで2回抽出する。抽出液を合わせて食塩水
で洗浄したのち無水炭酸カリウム上で乾燥する。減圧下
に溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル40gを用い酢酸エチルで展開,溶出)で精
製すると標記化合物が融点130-133℃の無色結晶として
1.93g得られる。
元素分析値:C9H10N4O2Sとして, 計算値(%):C,45.37;H,4.23;N,23.51。
実測値(%):C,45.45;H,4.25;N,23.71。
NMRスペクトル(CDCl3)δ:1.39(3H,t,J=7.5Hz),4.2
8(2H,s),4.54(2H,q,J=7.5Hz),7.44(1H,d,J=10H
z),8.49(1H,d,J=10Hz),9.57(1H,s)。
参考例13 6−(2−ヒドロキシエチルチオ)[1,2,4]トリア
ゾロ[4,3−b]ピリダジン。
参考例12と同様にして標記化合物を得る。
NMRスペクトル(CDCl3‐d6‐DMSO)δ:3.47(2H,t,J=6
Hz),3.95(2H,d.t,J=5.5Hz,6Hz),4.97(1H,t,J=5.5
Hz),7.08(1H,d,J=10Hz),8.07(1H,d,J=10Hz),9.2
2(1H,s)。
参考例14 7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸トリブチルアミン塩 1)7−アミノ−3−アセトキシメチル−3−セフェム
−4−カルボン酸5.44gを氷冷攪拌下、1N-NaOH40mlに溶
解し、0〜5℃で1時間攪拌する。この反応液にアセト
ン40mlを加え、同温度で2−(5−アミノ−1,2,4−チ
アジアゾール−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノ
酢酸クロリド塩酸塩5.2gを加え、1時間攪拌する。減圧
下アセトンを留去し、残液をMCI-Gel CHP20Pを用いるカ
ラムクロマトグラフィーに付し、水で溶出する。目的物
を含む分画を合わせ減圧下溶媒を濃縮し、残液を凍結乾
燥すると標記化合物のナトリウム塩4.3gを得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.90(3H,s),3.83と4.2
1(2H,ABq,J=13Hz),4.90(1H,d,J=4.5Hz),5.59(1
H,d.d,J=9Hzと4.5Hz),8.11(2H,br.s),9.42(1H,d,J
=9Hz)。
2)ナトリウム塩3.1gを水20mlに溶解し、氷冷下濃塩酸
を滴下し、酸性にする。テトラヒドロフラン−メチルエ
チルケトン(1:1)混液で抽出し、有機層を合わせ飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥,ろ過
後、ろ液にトリブチルアミン2mlを加え、減圧下溶媒を
留去し残渣にエチルエーテル10mlを加え粉末化すると標
記の化合物が淡黄色粉末として4.5g得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:0.91(9H,t,J=7Hz),1.
1-1.9(12H,m),2.8-3.1(6H,m),3.47(2H,br.s),3.9
2(3H,s),4.18(2H,br.s),5.02(1H,d,J=4.5Hz),5.
71(1H,d.d,J=4.5Hz,9Hz),8.13(2H,br.s),9.48(1
H,d,J=9Hz)。
参考例15 6−ジメチルアミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]
ピリダジン 6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジ
ン0.9gをエタノール10mlに溶解、この溶液に7.2%ジメ
チルアミン−エタノール溶液10mlを加え、室温で24時間
攪拌する。減圧下溶媒を留去、残渣を塩化メチレンに溶
解し、水,飽和食塩水で洗浄,無水硫酸マグネシウム上
で乾燥後減圧下溶媒を留去すると無色結晶として標記の
化合物0.82gを得る。
NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.17(6H,s),7.04(1H,d,J
=10Hz),7.84(1H,d,J=10Hz),8.20(1H,s)。
参考例16 6−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジ
ン 3−アミノ−6−メチルピリダジンを用い、エス・ポ
ランク(S.Polanc)らの方法[ジャーナル・オブ・オル
ガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)39巻,2143頁
(1974年)]に準じ標記の化合物を得る。
NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.70(3H,s),7.29(1H,d,J
=10Hz),8.05(1H,d,J=10Hz),8.43(1H,s)。
実施例1 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(5
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸1.8g,5−メチル−[1,2,4]−トリアゾロ[1,5
−a]ピリジン1.34g,ヨウ化ナトリウム2.2gを50%含水
アセトニトリル40mlに溶解し、50〜60℃で2時間攪拌す
る。冷却後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、アセトン,含水アセトンで順次溶出させ、
目的物を含む分画を合わせて減圧下に濃縮する。ついで
残渣をMCIゲルCHP20P(三菱化成,150〜300μ)カラムク
ロマトグラフィーに付し、水,含水アルコールで順次溶
出させ、目的物を含む分画を合わせて減圧下に濃縮し、
残渣を凍結乾燥すると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.86(3H,s),3.11(2H
×1/2,ABqの半分,J=18Hz),3.80(3H,s),4.95(1H,d,
J=4.5Hz),5.30と5.52(2H,ABq,J=14Hz),5.60(1H,
d.d,J=4.5Hz,J=8Hz),6.68(1H,s),7.13(2H,br.
s),7.52-7.80(1H,m),8.12-8.42(1H,m),8.62-8.88
(1H,m),9.45(1H,d,J=8Hz),9.80(1H,s)。
元素分析値:C21H20N8O5S2・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,41.37;H,4.79;N,18.38。
実測値(%):C,41.45;H,4.93;N,17.77。
実施例2 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−
[([1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウム−
1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレ
ート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンと
を実施例1と同様にすると標記化合物を得る。
IRスペクトル NMRスペクトル(d6‐DMSO-D2O)δ:3.00と3.34(2H,AB
q,J=18Hz),3.83(3H,s),5.00(1H,d,J=4.5Hz),5.5
-5.25(2H,m),5.63(1H,d,J=4.5Hz),6.69(1H,s),
7.6-7.9(1H,m),8.2-8.5(1H,m),8.7-8.9(1H,m),9.
29(1H,d,J=7Hz),9.67(1H,s)。
元素分析値:C20H18N8O5S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,39.73;H,4.67;N,18.53。
実測値(%):C,39.81;H,4.18;N,18.57。
実施例3 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と6−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると標記化合
物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.38(3H,s),3.09(2H
×1/2,ABqの半分,J=18Hz),3.80(3H,s),4.99(1H,d,
J=4.5Hz),5.25と5.48(2H,ABq,J=14Hz),5.61(1H,
d.d,J=4.5Hz,J=8Hz),6.68(1H,s),7.14(2H,br.
s),8.21(1H,d,J=9Hz),8.82(1H,d,J=9Hz),9.21
(1H,s),9.46(1H,d,J=8Hz),9.72(1H,s)。
元素分析値:C21H20N8O5S2・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,41.37;H,4.79;N,18.38。
実測値(%):C,40.92;H,4.75;N,18.55。
実施例4 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(7
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると標記化合
物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.63(3H,s),3.17(2H
×1/2,ABqの半分,J=18Hz),3.81(3H,s),5.01(1H,d,
J=4.5Hz),5.1-5.5(2H,m),5.61(2H,d.d,J=4.5Hz,J
=8Hz),6.70(1H,s),7.16(2H,br.s),7.52-7.72(1
H,m),8.6-8.78(1H,m),9.01(1H,d,J=7Hz),9.48(1
H,d,J=8Hz),9.72(1H,s)。
元素分析値:C21H20N8O5S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,40.77;H,4.89;N,18.11。
実測値(%):C,40.98;H,4.94;N,18.30。
実施例5 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(8
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジンとを用い、実施例1と同様にすると標記化
合物を得る。
元素分析値:C21H20N8O5S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,40.77;H,4.89;N,18.11。
実測値(%):C,40.87;H,5.11;N,18.09。
実施例6 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−
[([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニウム−1
−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンと
を用い実施例1と同様にすると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.17と3.45(2H,ABq,J=
18Hz),3.80(3H,s),4.96(1H,d,J=4.5Hz),5.45と5.
86(2H,ABq,J=15Hz),5.60(1H,d.d,J=4.5Hz,J=8H
z),6.67(1H,s),7.13(2H,br.s),7.46-7.73(1H,
m),8.0-8.35(1H,m),8.85-9.14(2H,m),9.45(1H,d,
J=8Hz),9.83(1H,s)。
元素分析値:C20H18N8O5S2・7/2H2Oとして, 計算値(%):C,41.59;H,4.36;N,19.40。
実測値(%):C,41.74;H,4.46;N,19.10。
実施例7 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(3
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニウ
ム−1−および2−イル)メチル]−3−セフェム−4
−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−
a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると標記化合
物を2:1の混合物として得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.68(3H×1/3,s),2.83
(3H×2/3,s),3.13と3.48(2H,ABq,J=18Hz),3.80(3
H×2/3,s),3.83(3H×1/3),4.98(1H,d,J=4.5Hz),
5.43と5.61(2H,ABq,J=14Hz),5.64(1H,d.d,J=4.5H
z,J=8Hz),6.69(1H×2/3,s),6.72(1H×2/3,s),7.1
6(2H,br.s),7.3-7.76(1H,m),7.8-8.4(1H,m),8.64
-9.14(2H,m),9.45(1H×2/3,d,J=8Hz),9.49(1H×1
/3,d,J=8Hz)。
元素分析値:C21H20N8O5S2・3H2Oとして, 計算値(%):C,43.29;H,4.50;N,19.23。
実測値(%):C,43.48;H,4.33;N,19.30。
実施例8 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−
[([1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウム−2
−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンと
を用い実施例1と同様にすると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO-D2O)δ:3.15と3.46(2H,AB
q,J=18Hz),3.86(3H,s),5.02(1H,d,J=4.5Hz),5.3
-5.72(2H,m),5.90(1H,d,J=4.5Hz),6.74(1H,s),
7.06-7.27(1H,m),7.3-7.5(1H,m),7.84-8.06(1H,
m),8.19(1H,s),8.94-9.08(1H,m)。
元素分析値:C20H18N8O5S2・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,40.33;H,4.57;N,18.81。
実測値(%):C,40.45;H,4.05;N,18.29。
実施例9 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[5−
メチル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウム
−2−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシ
レート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と5−メチル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると標記化合
物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.84(3H,s),3.81(3H,
s),5.03(1H,d,J=4.5Hz),5.27-6.00(3H,m),6.70
(1H,s),7.14(2H,br.s),7.55-7.95(2H,m),8.2-8.4
(2H,m),9.43(1H,d,J=8Hz),9.82(1H,s)。
元素分析値:C21H20N8O5S2・4H2Oとして, 計算値(%):C,41.99;H,4.70;N,18.66。
実測値(%):C,41.72;H,4.90;N,18.44。
実施例10 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−[(5−メチル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジニウム−2−イル)メチル]−3−セフェム
−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸と5−メチル−[1,2,3]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリジンとを用い実施例1と同様にす
ると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO-D2O)δ:2.83(3H,s),3.88
(3H,s),5.03(2H,br.s),5.15(1H,d,J=4.5Hz),5.9
0(1H,d,J=4.5Hz),6.96-7.12(1H,m),7.25-7.48(1
H,m),7.78-7.94(1H,m),8.23(1H,s)。
元素分析値:C21H19N8O5S2Cl・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,39.16;H,4.38;N,17.40。
実測値(%):C,39.03;H,4.36;N,17.23。
実施例11 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−[(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジニウム−1−イル)メチル]−3−セフェム
−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸と5−メチル−[1,2,4]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリジンとを用い実施例1と同様にす
ると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.86(3H,s),3.09と3.4
6(2H,ABq,J=18Hz),3.80(3H,s),4.97(1H,d,J=4.5
Hz),5.30と5.53(2H,ABq,J=14Hz),5.61(1H,d.d,J=
4.5Hz,J=8Hz),7.31(2H,br.s),7.55-7.80(1H,m),
8.10-8.4(1H,m),8.78(1H,d,J=9Hz),9.41(1H,d,J
=8Hz),9.78(1H,s)。
元素分析値:C21H19N8O5S2Cl・4H2Oとして, 計算値(%):C,39.72;H,4.29;N,17.64。
実測値(%):C,39.77;H,4.32;N,17.86。
実施例12 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−[(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5
−a]ピリジニウム−1−イル)メチル]−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−
セフェム−4−カルボン酸と5−メチル−[1,2,4]ト
リアゾロ[1,5−a]ピリジンとを用いて実施例1と同
様にすると標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.88(3H,s),3.13と3.3
1(2H,ABq,J=18Hz),5.01(1H,d,J=4.5Hz),5.39(2
H,br,s),5.67(1H,d.d,J=4.5Hz,J=8Hz),7.58-7.74
(1H,m),8.05-8.35(1H,m),8.4-8.6(1H,m),9.50(1
H,d,J=8Hz),9.57(1H,s)。
元素分析値:C20H19N9O5S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,38.77;H,4.72;N,20.34。
実測値(%):C,39.03;H,4.78;N,20.29。
実施例13 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と6−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると標記化合
物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.19(3H,t,J=7Hz),2.
38(3H,s),4.06(2H,q,J=7Hz),4.98(1H,d,J=4.5H
z),5.12-5.74(3H,m),6.66(1H,s),7.13(2H,br.
s),8.08-8.32(1H,m),8.7-8.9(1H,m),9.20(1H,br.
s),9.41(1H,d,J=8Hz),9.70(1H,s)。
元素分析値:C22H20N8O5S2・6H2Oとして, 計算値(%):C,40.74;H,4.97;N,17.27。
実測値(%):C,41.39;H,4.77;N,17.04。
実施例14 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(3
−カルバモイル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリ
ジニウム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カ
ルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と3−カルバモイル−[1,2,4]トリアゾロ
[4,3−a]ピリジンとを用い実施例1と同様にすると
標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO-D2O)δ:2.98と3.23(2H,AB
q,J=17Hz),3.86(3H,s),5.00(2H,br.s),5.16(1H,
d,J=4.5Hz),5.37(1H,d,J=4.5Hz),6.65-7.14(2H,
m),6.86(1H,s),7.80-8.32(2H,m)。
元素分析値:C21H19N9O6S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,38.94;H,4.51;N,19.46。
実測値(%):C,38.91;H,4.07;N,18.94。
実施例15 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(5,
7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミ
ジニウム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カ
ルボキシレート。
7β−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒ
ドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ
エチルアミン塩1.296gと5,7−ジメチル[1,2,4]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリミジン666mgとを乾燥したジクロロ
メタン60mlに溶かし、−30℃に冷却して2−フェニル−
2−オキソ−1,3,2−ベンゾジオイキサホスホール1.392
gを加える。反応混合物をかき混ぜながら徐々に昇温さ
せ、3時間で10℃とする。ジクロロメタン30mlで希釈
し、5%硫酸水素カリウム水溶液,水および飽和食塩水
で順次洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。減圧下に溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル450gを用いアセトニトリルおよび
含水アセトニトリルで展開,溶出)で精製したのち凍結
乾燥することにより、7β−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−3−[(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリミジニウム−1−イル)メチル]
−3−セフェム−4−カルボキシレートが淡黄色粉末と
して333mg得られる。本品311mgにアニソール1mlとトル
フルオロ酢酸10mlを加え、室温で1時間かき混ぜる。減
圧下にトリフルオロ酢酸を留去し、残留物に水20mlを加
え氷冷下に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを7.5
とする。さらにS−(2−ベンゾチアゾリル)2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシ
イミノ酢酸チオエステル245mgとテトラヒドロフラン20m
lを加えて室温で21時間かき混ぜる。上記チオエステル
を同量追加し、室温でさらに24時間かき混ぜる。反応液
をエーテルで洗浄し、減圧下に濃縮したのちカラムクロ
マトグラフィー(XAD-2 100mlを用い水および10%エタ
ノールで展開,溶出)で精製する。溶出液を減圧下に3m
lまで濃縮し、アセトン80mlを加えて冷蔵庫中に放置し
たのち析出する粉末をろ取する。アセトンで洗浄したの
ち乾燥すると標記化合物18mgを得る。母液分をセファデ
ックスLH-20で精製したのち同様に処理するとさらに55m
gの標記化合物を粉末として得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.79(3H,s),2.86(3H,
s),3.79(3H,s),5.07(1H,d,J=5Hz),5.13(2H,ABq,
J=15Hz),5.65(1H,d.d,J=5Hz,J=7Hz),6.70(1H,
s),7.81(1H,s),10.07(1H,s)。
元素分析値:C21H21N9O5S2・7/2H2Oとして, 計算値(%):C,41.58;H,4.65;N,20.78。
実測値(%):C,41.25;H,4.35;N,20.53。
実施例16 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−
[([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニウム−
1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレ
ート。
7β−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒ
ドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ
エチルアミン塩と[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリ
ミジンとを実施例15と同様に反応させて7β−(tert−
ブトキシカルボニルアミノ)−3−[([1,2,4]−ト
リアゾロ[1,5−a]ピリミジニウム−1−イル)メチ
ル]−3−セフェム−4−カルボキシレートを得、これ
に5−(2−ベンゾチアゾリル)2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノチオ酢
酸エステルを実施例15と同様に反応させて処理を行うと
標記化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO-D2O)δ:4.06(3H,s),5.27
(1H,d,J=5Hz),5.48(2H,ABq,J=14Hz),5.88(1H,d,
J=5Hz),7.05(1H,s),8.02(1H,d.d,J=5Hz,J=7H
z),9.43(1H,d.d,J=2Hz,J=5Hz),9.60(1H,s),9.60
(1H,d.d,J=2Hz,J=7Hz)。
実施例17 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(2
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニ
ウム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩898mgと2−メチル[1,2,4]トリア
ゾロ[1,5−a]ピリミジン604mgとを乾燥したジクロロ
メタン30mlに溶かし、−35℃に冷却してエチル o−フ
ェニレンホスフェイト901mgを加える。反応混合物をか
き混ぜながら徐々に昇温させ、1.5時間で−15℃とす
る。さらに氷水浴中8時間,室温で15時間かき混ぜたの
ち減圧下に溶媒を留去し、残留物にアセトニトリルと水
の混液(6:1)を加えてろ過する。ろ液をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル100gを用い含水アセトニトリ
ルで展開,溶出)で精製し、溶出液を減圧下に濃縮後、
さらにカラムクロマトグラフィー(XAD-2 100mlを用い
水,5%および10%エタノールで展開,溶出)で精製す
る。溶出液を減圧下に濃縮し凍結乾燥することにより標
記化合物を淡黄色粉末として91mg得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.89(3H,s),3.83(3H,
s),5.02(1H,d,J=5Hz),5.66(1H,d.d,J=5Hz,J=7H
z),6.72(1H,s),7.17(2H,s),7.97(1H,d.d,J=5Hz,
J=7Hz),9.34(1H,d.d,J=2Hz,J=5Hz),9.53(1H,d,J
=7Hz),9.81(1H,d.d,J=2Hz,J=7Hz)。
元素分析値:C20H19N9O5S2・4H2Oとして, 計算値(%):C,39.93;H,4.52;N,20.95。
実測値(%):C,39.88;H,4.65;N,20.79。
実施例18 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(7−
エトキシカルボニルメチルチオ−5−メチル−[1,2,
4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニウム−1−イル)
メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と7−エトキシカルボニルメチルチ
オ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリ
ミジンとを用い実施例17と同様にすると標記化合物を淡
黄色粉末として得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.26(3H,t,J=7Hz),2.
76(3H,s),3.79(3H,s),4.24(2H,q,J=7Hz),4.57
(2H,s),5.01(1H,d,J=5Hz),5.09(2H,ABq,J=14H
z),5.67(1H,d.d,J=5Hz,J=8Hz),6.71(1H,s),7.18
(2H,s),7.81(1H,s),9.51(1H,d,J=8Hz),10.05(1
H,s)。
実施例19 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−エトキシカルボニルメチルチオ−[1,2,4]トリアゾ
ロ[4,3−b]ピリダジニウム−1−および−2−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩599mgと6−エトキシカルボニルメ
チルチオ−[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジ
ン715mgとを乾燥したジクロロメタン20mlに溶かし、−3
0℃に冷却して2−フェニル−2−オキソ−1,3,2−ベン
ゾジオキサホスホール697mgを加える。反応混合物をか
き混ぜながら徐々に昇温させ、2時間で0℃とする。さ
らに氷水浴中で6時間かき混ぜたのち減圧下に溶媒を留
去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
70gを用い含水アセトニトリルで展開,溶出)で精製す
る。溶出液を減圧下に濃縮し、残留物をさらにカラムク
ロマトグラフィー(XAD-2 100mlを用い順次,水,10%お
よび20%エタノールで展開,溶出)で精製したのち凍結
乾燥することにより標記化合物を2:1の混合物(淡黄色
粉末)として131mg得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO+D2O)δ:1.36(3H,t,J=7H
z),4.02(3H,s),4.34(2H,q,J=7Hz),6.95(1H,s),
7.77,8.07(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.35,8.81(計1
H,それぞれd,J=10Hz)。
元素分析値:C23H23N9O7S3・7/2H2Oとして, 計算値(%):C,39.65;H,4.34;N,18.09。
実測値(%):C,39.49;H,4.23;N,17.87。
実施例20 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−メトシキ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジ
ニウム−1−および2−イル)メチル]−3−セフェム
−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と6−メトキシ−[1,2,4]トリア
ゾロ[4,3−b]ピリダジンとを用い実施例19と同様に
すると標記化合物を4:3の混合物として得る。
NMRスペクトル(D2O)δ:4.06(3H,s),4.19,4.22(計3
H,それぞれs),6.96,6.97(計1H,それぞれs),7.45,
7.74(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.28,8.71(計1H,そ
れぞれd,J=10Hz)。
実施例21 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−メトシキ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−
b]ピリダジニウム−1−および2−イル)メチル]−
3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と6−メトキシ−3−メチル−[1,
2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンとを用い実施例
19と同様にすると標記化合物を3:2の混合物として得
る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.75,3.06(計3H,それぞ
れs),3.80,3.82(計3H,それぞれs),4.10(3H,s),
6.69,6.72(計1H,それぞれs),7.19(2H,br.s),7.52,
7.86(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.51,9.54(計1H,そ
れぞれd,J=10Hz),9.45,9.51(計1H,それぞれd,J=8H
z)。
実施例22 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−クロロ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−
b]ピリダジニウム−1−および2−イル)メチル]−
3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と6−クロロ−3−メチル−[1,2,
4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンとを用い実施例19
と同様にすると標記化合物を2:1の混合物として得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO+D2O)δ:2.95,3.17(計3H,
それぞれs),4.07(3H,s),7.04(1H,s),7.88,8.21
(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.48,8.92(計1H,それぞ
れd,J=10Hz)。
実施例23 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6
−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニ
ウム−1−および2−イル)メチル]−3−セフェム−
4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と6−クロロ−[1,2,4]トリアゾ
ロ[4,3−b]ピリダジンとを用い実施例19と同様にす
ると標記化合物を2:1の混合物として得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO+D2O)δ:4.04(3H,s),6.99
(1H,s),7.94,8.25(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.59,
9.02(計1H,それぞれd,J=10Hz)。
実施例24 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[6−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−[1,2,4]トリアゾロ
[4,3−b]ピリダジニウム−1−および2−イル)メ
チル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩と6−(2−ヒドロキシエチルチ
オ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンとを
用い実施例19と同様にすると標記化合物を2:1の混合物
として得る。
NMRスペクトル(D2O-CD3CN)δ:3.95(3H,s),6.87(1
H,s),7.53,7.85(計1H,それぞれd,J=10Hz),8.12,8.6
2(計1H,それぞれd,J=10Hz)。
実施例25 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(3
−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリミジニ
ウム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロ
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸のトリ(n
−ブチル)アミン塩599mgと3−メチル[1,2,4]トリア
ゾロ[4,3−a]ピリミジン402mgとを乾燥したジクロロ
メタン20mlに溶かし、−30℃に冷却して2−フェニル−
2−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール697mgを
加える。反応混合物をかき混ぜながら徐々に昇温させ、
1時間で−20℃とする。さらに氷水浴中で4時間かき混
ぜたのち減圧下に溶媒を留去し、残留物をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル100gを用い含水アセトニトリ
ルで展開,溶出)で精製する。溶出液を減圧下に濃縮
し、残留物をさらにカラムクロマトグラフィー(XAD-2
100mlを用い水および10%エタノールで展開,溶出)で
精製したのち凍結乾燥することにより標記化合物を無色
粉末として12mg得る。
NMRスペクトル(D20)δ:3.21(3H,s),4.07(3H,s),
5.32(1H,d,J=5Hz),5.69(2H,ABq,J=14Hz),5.90(1
H,d,J=5Hz),7.05(1H,s),7.63(1H,d.d,J=4Hz,J=7
Hz)。
実施例26 7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジニウ
ム−1−イル)メチル−3−セフェム−4−カルボキシ
レート。
トリブチルアンモニウム 7−[2−(5−アミノ)
−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−メ
トキシイミノ−アセトアミド]−3−ヒドロキシメチル
−3−セフェム−4−カルボキシレート0.6gと[1,2,
4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジン0.24gとを塩化メ
チレン15mlに溶解後、−30〜−40℃に冷却し、エチルo
−フェニレンホスフェイト0.41gを加え、攪拌下3時間
かけて0℃まで昇温する。反応液にエチルエーテル5ml
を加え、析出物をろ取する。得られた粉末を水に懸濁さ
せ、炭酸ナトリウムを加え溶解し、MCIゲルCHP20P(三
菱化成製)カラムクロマトグラフィーに付す。水,つい
で含水エタノールで溶出し、目的物を含む分画を集め、
減圧下濃縮、残液を凍結乾燥すると標記の化合物0.12g
を粉末として得る。
NMR(d6‐DMSO)δ:3.36と3.58(2H,ABq,J=18Hz),3.8
8(3H,s),5.17(1H,d,J=4.5Hz),5.53(2H,br.s),5.
84(1H,d.d,J=4.5Hzと8Hz),7.5〜7.7(1H,m),8.02
(2H,br.s),8.3〜8.50(1H,m),8.62(1H,s),8.72(1
H,d,J=4.5Hz),9.48(1H,d,J=8Hz)。
元素分析値C18H16N10O5S2・5/2H2Oとして, 計算値(%):C,38.50;H,4.49;N,24.95。
実測値(%):C,38.30;H,3.75;N,24.82。
実施例27 7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(6−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピ
リダジニウム−1−イル)メチル−3−セフェム−4−
カルボキシレート。
7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸トリブチルアミン塩と6−メチル[1,2,4]トリアゾ
ロ[1,5−b]ピリダジンとを実施例26記載の方法に付
すことによって標記の化合物を得る。
NMR(d6‐DMSO)δ:2.62(3H,s),3.91(3H,s),5.02
(1H,d,J=4.5Hz),5.4〜5.8(3H,m),7.55(1H,d,J=9
Hz),8.06(2H,br.s),8.30(1H,d,J=9Hz),8.53(1H,
s),9.44(1H,d,J=8Hz)。
元素分析値C19H18N10O5S213/2H2Oとして, 計算値(%):C,35.24;H,4.82;N,21.63。
実測値(%):C,35.01;H,4.79;N,21.48。
実施例28 7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(6−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
b]ピリダジニウム−1−イル)メチル−3−セフェム
−4−カルボキシレート。
7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸トリブチルアミン塩と6−メチルチオ[1,2,4]トリ
アゾロ[1,5−b]ピリダジンとを実施例26記載の方法
に付すことにより標記の化合物を得る。
NMR(d6‐DMSO)δ:3.18(3H,s),3.26と3.56(2H,ABq,
J=18Hz),3.86(3H,s),5.14(1H,d,J=4.5Hz),5.70
(2H,br.s),5.97(1H,d.d,J=4.5Hz,8Hz),7.54(1H,
d,J=9Hz),8.04(2H,br.s),8.24(1H,s),8.72(1H,
d,J=9Hz),9.46(1H,d,J=8Hz)。
元素分析値C19H18N10O5S3・3H2Oとして, 計算値(%):C,37.01;H,3.92;N,22.71。
実測値(%):C,37.18;H,3.94;N,22.82。
実施例29 7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(6−ジメチルアミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5
−b]ピリダジニウム−1−イル)メチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレート。
7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−ヒドロキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸トリブチルアミン塩と6−ジメチルアミノ[1,2,4]
トリアゾロ[1,5−b]ピリダジンとを実施例26記載の
方法に付すことによって標記の化合物を得る。
NMR(d6‐DMSO)δ:3.20(6H,s),3.92(3H,s),5.03
(1H,d,J=4.5Hz),5.37(2H,dr.s),5.71(1H,d.d,J=
4.5Hz,8Hz),7.34(1H,d,J=9Hz),8.00(2H,br.s),8.
19(1H,s),8.73(1H,d,J=9Hz),9.44(1H,d,J=8H
z)。
元素分析値C20H21N11O5S2・4H2Oとして, 計算値(%):C,38.03;H,4.63;N,24.39。
実測値(%):C,37.74;H,4.63;N,24.21。
実施例30 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[1,2,
4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジニウム−1−イル]
メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロキ
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸トリブチルア
ミン塩と[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジンと
を実施例26記載の方法に付すことにより標記の化合物を
得る。
NMR(d6‐DMSO)δ:3.83(3H,s),4.91(1H,d,J=4.5H
z),5.32-5.58(3H,m),6.72(1H,s),7.16(2H,br.
s),7.65(1H,d.d,J=4.5Hz,9Hz),8.43(1H,d.d,J=9H
z,1.5Hz),8.62(1H,s),8.73(1H,d.d,J=4.5Hz,1H
z),9.49(1H,d,J=8Hz)。
元素分析値C19H17N9O5S2・5H2Oとして, 計算値(%):C,37.68;H,4.49;N,20.82。
実測値(%):C,37.86;H,4.38;N,20.98。
実施例31 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6−
メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジニ
ウム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート。
7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロキ
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸トリブチルア
ミン塩と6−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−
b]ピリダジンとを実施例26記載の方法に付すことによ
り標記の化合物を得る。
NMR(d6‐DMSO-D2O)δ:3.11(3H,s),3.93(3H,s),5.
06(1H,d,J=4.5Hz),5.43(2H,br.s),5.82(1H,d,J=
4.5Hz),6.83(1H,s),7.62(1H,d,J=9Hz)8.23(1H,
s),8.48(1H,d,J=9Hz)。
実施例32 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6−
メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジニウ
ム−1−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキ
シレート。
7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−ヒドロキ
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸トリブチルア
ミン塩と6−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−b]
ピリダジンとを実施例26記載の方法に付すことにより標
記の化合物を得る。
NMR(D2O-CD3CN)δ:3.50(2H,ABq,J=18Hz),4.00(3
H,s),4.23(3H,s),5.29(1H,d,J=5Hz),5.45(2H,AB
q,J=14Hz),5.86(1H,d,J=5Hz),6.97(1H,s),7.88
(1H,d,J=10Hz),8.82(1H,d,J=10Hz),9.41(1H,
s)。
元素分析値C20H19N9O6S2・2.5H2Oとして, 計算値(%):C,40.67;H,4.10;N,21.34。
実測値(%):C,40.77;H,3.99;N,20.51。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R0はアシル基を、ZはSまたはS→Oを、R4
    水素原子を、R13は水素原子を、Aは式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
    合していてもよい5〜6員芳香族複素環を形成する基
    を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
    アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキルチオ基,
    C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
    キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
    アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
    たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
    個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
    示す]で表わされる基を、それぞれ示す]で表わされる
    化合物またはその生理学的または薬学的に受容される塩
    もしくはエステル。
  2. 【請求項2】 一般式 [式中、ZはSまたはS→Oを、R4は水素原子を、R13
    は水素原子を、Aは式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
    合していてもよい5〜6員芳香族複素環を形成する基
    を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
    アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキルチオ基,
    C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
    キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
    アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
    たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
    個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
    示す]で表わされる基を、それぞれ示す]で表わされる
    化合物またはその塩もしくはエステルと一般式R0OH[式
    中、R0はアシル基を示す]で表わされるカルボン酸また
    はその塩もしくは反応性誘導体とを反応させるか、また
    は 一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその塩もしくはエステルと式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる縮合
    トリアゾール化合物またはその塩とを反応させて一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその生理学的または薬学的に受容される塩もし
    くはエステルを製造するか、 一般式 [式中、R22は置換されていてもよい複素環基を、その
    他の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合物ま
    たはその塩もしくはエステルと一般式R3″OH[式中、
    R3″は置換されていてもよい炭化水素残基を示す]で表
    わされる化合物またはその反応性誘導体とを反応させて
    一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその生理学的または薬学的に受容される塩もし
    くはエステルを製造するか、または、 一般式 [式中、Xはハロゲン原子を、R2は水素原子,ハロゲン
    原子またはニトロ基を、R3は水素原子または置換されて
    いてもよい炭化水素残基を、その他の記号は前記と同意
    義を示す]で表わされる化合物またはその塩もしくはエ
    ステルと一般式R1C(=S)NH2[式中、R1は保護され
    ていてもよいアミノ基を示す]で表わされる化合物とを
    反応させて一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその生理学的または薬学的に受容される塩もし
    くはエステルを製造することを特徴とする一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその生理学的または薬学的に受容される塩もし
    くはエステルの製造法。
  3. 【請求項3】一般式 [式中、R0はアシル基を、ZはSまたはS→Oを、R4
    水素原子を、R13は水素原子を、Aは式 [式中、Bはさらに別の芳香環または芳香族複素環と縮
    合していてもよい5〜6員芳香族複素環を形成する基
    を、R11は水素原子,ヒドロキシC1-6アルキル基,C1-6
    アルキル基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルキルチオ基,
    C1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルチオ基,ヒドロ
    キシC1-6アルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキル
    アミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,カルバモイル基ま
    たはハロゲン原子を、R12はR11として前記の置換基の1
    個あるいは同一または異なる2個の置換基を、それぞれ
    示す]で表わされる基を、それぞれ示す]で表わされる
    化合物またはその生理学的または薬学的に受容される塩
    もしくはエステルの少くとも1種以上を含有する抗菌組
    成物。
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