JPH0830069B2 - 抗菌性化合物 - Google Patents

抗菌性化合物

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JPH0830069B2
JPH0830069B2 JP60120860A JP12086085A JPH0830069B2 JP H0830069 B2 JPH0830069 B2 JP H0830069B2 JP 60120860 A JP60120860 A JP 60120860A JP 12086085 A JP12086085 A JP 12086085A JP H0830069 B2 JPH0830069 B2 JP H0830069B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D519/00Heterocyclic compounds containing more than one system of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system not provided for in groups C07D453/00 or C07D455/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D505/00Heterocyclic compounds containing 5-oxa-1-azabicyclo [4.2.0] octane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. oxacephalosporins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた抗菌作用を有する新規な抗菌性化合物
およびその製造法ならびに抗菌組成物に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来より、3位に第4級アンモニウムメチル基、7位
に2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ヒド
ロキシ(または置換ヒドロキシ)イミノアセトアミド基
を合わせ持つセフェム化合物またはその誘導体は種々合
成され、特許出願されている[たとえば日本国公開特許
公報昭53-34795,同昭54-9296,同昭54-135792,同昭54-15
4786,同昭55-149289,同昭57-56485,同昭57-192394,同昭
58-159498など]が、3位の第4級アンモニウムメチル
基が含窒素芳香族複素環に由来するものとしては単環性
のピリジニウム基もしくはその環上に置換基を有するも
のがほとんどで、本発明の1,5−位で縮合環を形成する
ピラゾール−2−イル基を有する化合物については合成
はおろか、出願明細書における開示も全くなされていな
い。
(発明が解決しようとする問題点) セフェム系抗生物質は人および動物の病原性細菌によ
り生ずる疾病の治療に広く使用されており、たとえばペ
ニシリン系抗生物質に抵抗性を示す細菌に起因する疾病
の治療およびペニシリン感受性患者の治療に特に有用で
ある。その場合グラム陽性筋およびグラム陰性菌の両者
に対して活性を示すセフェム系抗生物質を用いることが
望ましく、この理由から広い抗菌スペクトルを持つセフ
ェム系抗生物質の研究が盛んに行なわれてきた。長期に
わたる研究の結果、セフェム環の7位に2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−ヒドロキシ(または置
換ヒドロキシ)イミノアセトアミド基や含窒素複素環ア
ミノ基などを導入するとグラム陽性菌およびグラム陰性
菌の両者に活性を示すようになることが発見され、いわ
ゆる第3世代セファロスポリン系化合物の開発へとつな
がった。現在、数種の第3世代セファロスポリン系化合
物がすでに市販されている。これら第3世代セファロス
ポリン系抗生物質のもうひとつの特徴は、かつてペニシ
リンにおいて経験されたと同様の耐性菌、いわゆるセフ
ァロスポリン耐性菌に対しても活性を示した点である。
すなわち既知のセファロスポリン類に耐性を示した一部
のエシェリヒア・コリ菌、一部のシロトバクター属およ
び大部分のインドール陽性のプロテウス属、エンテロバ
クター属、セラチア属あるいはシュウドモナス属などに
分類される病原性細菌に対しても臨床的に使用が可能な
ていどの抗菌力を発現した。これらの第3世代セファロ
スポリン系化合物の技術思想の中から、3位にピリジニ
ウムメチル基などの第4級アンモニウムメチル基、7位
に前記のアミノチアゾリルオキシイミノアセトアミド類
や含窒素複素環アミノ基などをあわせ持つセフェム化合
物およびそのオキサ体,カルバ体がさらに優れた抗菌作
用と独特な抗菌スペクトルを有することが示唆され、そ
の系統の化合物が種々合成されてきた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は一般式 [式中、R0は水素原子またはアシル基を、ZはSまたは
S→Oを、R4は水素原子を、R13は水素原子を、Aは置
換されていてもよいピラゾロ[1,5−a]ピリジニウム
−3−イル基を、それぞれ示す]で表わされる化合物ま
たはその生理学的に受容される塩もしくはエステル,お
よびその製造法ならびに抗菌組成物に関するものであ
る。本明細書におけるセフェム化合物は「ザ・ジャーナ
ル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」
第84巻,3400頁(1962年)に記載されている「セファ
ム」に基づいて命名された化合物群であり、セフェム化
合物はセファム化合物のうち3,4−位に二重結合を有す
る化合物を意味する。
従来技術の項で述べたように3位に第4級アンモニウ
ムメチル基,7位にアミノチアゾリルオキシイミノアセト
アミド類や含窒素複素環アミノ基などをあわせ持つセフ
ェム化合物およびそのオキサ体,カルバ体がさらに優れ
た抗菌作用と独特な抗菌スペクトルを有することが次第
に明らかになってきた。3位の第4級アンモニウムメチ
ル基が含窒素芳香族複素環に由来する化合物がすでに多
数合成されて特許出願されているが、それらの複素環は
単環性のピリジニウム基もしくはその環上に置換基を有
するものがほとんどで、本発明の1,5−位で縮合環を形
成するピラゾール−2−イル基を有する化合物について
は全く合成が行なわれていない。本発明者らはこのよう
な化学構造上の特徴を持つ一般式[I]で表わされる化
合物を合成することに成功するとともに、それらの化合
物の抗菌活性と抗菌スペクトルを調べた結果、化合物
[I]が各種の細菌に対して強い抗菌作用を示すこと、
特に前述のセファロスポリン耐性菌に対する強い抗菌作
用を有すること、シュウドモナス属の菌に対して特異な
抗菌力を示すことなどを見出して本発明を完成した。つ
ぎに本明細書において使用する基名,記号について述べ
る。特にことわりのない限り、本明細書における各基名
および各記号の意味は下記のとおりである。
「アルキル基」は直鎖状または分枝状の炭素数1〜6
の低級アルキル基(以後、「C1-6アルキル基」と略すこ
ともある)が好ましく、たとえばメチル,エチル,n−プ
ロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブ
チル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなどがあ
げられる。
「アルケニル基」は直鎖状または分枝状の炭素数2〜
6の低級アルケニル基(以後、「C2-6アルケニル基」と
略すこともある)が好ましく、たとえばビニル,アリ
ル,1−プロペニル,イソプロペニル,1−ブテニル,2−ブ
テニル,3−ブテニル,メタリル,1,1−ジメチルアリルな
どがあげられる。
「アルキニル基」は直鎖状または分枝状の炭素数2〜
6の低級アルキニル基(以後、「C2-6アルキニル基」と
略すこともある)が好ましく、たとえばエチニル,1−プ
ロピニル,プロパルギルなどがあげられる。
「シクロアルキル基」は炭素数3〜10からなる3〜7
員脂環状炭化水素基(以後、「C3-10シクロアルキル
基」と略すこともある)が好ましく、たとえばシクロプ
ロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシ
ル,シクロヘプチル,ノルボルニル,アダマンチルなど
があげられる。
「シクロアルケニル基」は二重結合を有する5〜6員
脂環状炭化水素基(以後、「C5-6シクロアルケニル基」
と略すこともある)が好ましく、たとえばシクロペンテ
ニル,シクロペンタジエニル,シクロヘキセニル,シク
ロヘキサジエニルなどがあげられる。
「アリール基」は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基
(以後、「C6-10アリール基」と略すこともある)が好
ましく、たとえばフェニル,α−ナフチル,β−ナフチ
ル,ビフェニリルなどがあげられる。
「アラルキル基」は炭素数7〜12の芳香族置換アルキ
ル基(以後、「C7-12アラルキル基」と略すこともあ
る)が好ましく、たとえばベンジル,1−フェニルエチ
ル,2−フェニルエチル,フェニルプロピル,ナフチルメ
チルなどがあげられる。なお、C7-12アラルキル基と下
記のジC6-10アリール−メチル基,トリC6-10アリール−
メチル基とをあわせて「C7-19アラルキル基」と記す場
合もある。
「ジアリールメチル基」は上記のC6-10アリール基が
2個置換したメチル基(以後、「ジC6-10アリール−メ
チル基」と略すこともある)を意味し、たとえばベンズ
ヒドリルなどがあげられる。
「トリアリールメチル基」は上記のC6-10アリール基
が3個置換したメチル基(以後、「トリC6-10アリール
−メチル基」と略すこともある)を意味し、たとえばト
リチルなどがあげられる。
「アリールメチレン基」のアリール基は上記のC6-10
アリール基がよく、したがって以後、「C6-10アリール
−メチレン基」と略すこともある。C6-10アリール−メ
チレン基としてはたとえば、ベンジリデン(C6H5CH=)
などがあげられる。
「アルコキシ基」のアルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルコキシ基」
と記すこともある。C1-6アルコキシ基としてはたとえ
ば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキ
シ,n−ブトキシ,tert−ブトキシ,アシルオキシ,ヘキ
シルオキシなどがあげられる。
「シクロアルキルオキシ基」のシクロアルキル基は上
記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルオキシ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルオキシ基としてはたとえば、
シクロプロピルオキシ,シクロペンチルオキシ,シクロ
ヘキシルオキシ,ノルボルニルオキシなどがあげられ
る。
「アリールオキシ基」のアリール基は上記のC6-10
リール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリー
ルオキシ基」と記すこともある。C6-10アリールオキシ
基としてはたとえば、フェノキシ,ナフチルオキシなど
があげられる。
「アラルキルオキシ基」のアラルキル基は上記のC
7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキルオキシ基」と記すこともある。C7-19
ラルキルオキシ基としてはたとえば、ベンジルオキシ,1
−フェニルエチルオキシ,2−フェニルエチルオキシ,ナ
フチルメチルオキシ,ベンズヒドリルオキシ,トリチル
オキシなどがあげられる。
「アルキルチオ基」のアルキル基は上記のC1-6アルキ
ル基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルキルチオ
基」と記すこともある。C1-6アルキルチオ基としてはた
とえば、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,n−
ブチルチオなどがあげられる。
「アミノアルキルチオ基」のアルキルチオ基は上記の
C1-6アルキルチオ基が好ましく、したがって以後、「ア
ミノC1-6アルキルチオ基」と記すこともある。アミノC
1-6アルキルチオ基としてはたとえば、アミノメチルチ
オ,2−アミノエチルチオ,3−アミノプロピルチオなどが
あげられる。
「アルケニルチオ基」のアルケニル基は上記のC2-6
ルケニル基が好ましく、したがって以後、「C2-6アルケ
ニルチオ基」と記すこともある。C2-6アルケニルチオ基
としてはたとえば、ビニルチオ,アリルチオ,1−プロペ
ニルチオ,イソプロペニルチオなどがあげられる。
「シクロアルキルチオ基」のシクロアルキル基は上記
のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルチオ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルチオ基としてはたとえば、シ
クロプロピルチオ,シクロヘキシルチオなどがあげられ
る。
「アリールチオ基」のアリール基は上記のC6-10アリ
ール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリール
チオ基」と記すこともある。C6-10アリールチオ基とし
てはたとえば、フェニルチオ,ナフチルチオなどがあげ
られる。
「アラルキルチオ基」のアラルキル基は上記のC7-19
アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C7-19
ラルキルチオ基」と記すこともある。C7-19アラルキル
チオ基としてはたとえば、ベンジルチオ,フェニルエチ
ルチオ,ベンズヒドリルチオ,トリチルチオなどがあげ
られる。
「モノアルキルアミノ基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「モノC1-6
ルキルアミノ基」と記すこともある。モノC1-6アルキル
アミノ基としてはたとえば、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノ,tert−ブチル
アミノ,n−ペンチルアミノ,n−ヘキシルアミノなどがあ
げられる。
「ジアルキルアミノ基」のアルキル基は上記のC1-6
ルキル基が好ましく、したがって以後、「ジC1-6アルキ
ルアミノ基」と記すこともある。
ジC1-6アルキルアミノ基としてはたとえば、ジメチル
アミノ,ジエチルアミノ,メチルエチルアミノ,ジ−
(n−プロピル)アミノ,ジ−(n−ブチル)アミノな
どがあげられる。
{トリアルキルアンモニウム基」のアルキル基は上記
のC1-6アルキル基が好ましく,したがって以後、「トリ
C1-6アルキルアンモニウム基」と記すこともある。トリ
C1-6アルキルアンモニウム基としてはたとえば、トリメ
チルアンモニウム[(CH3)3 −],トリエチルアンモ
ニウムなどがあげられる。トリアルキルアンモニウム基
はこれに対するアニオンを必ず伴っている。このような
アニオンとしてはたとえば、ハロゲンイオン(塩素イオ
ン,臭素イオン,ヨウ素イオンなど),スルフエートイ
オン,ナイトレートイオン,カルボネートイオン,有機
カルボキシレートイオン(たとえばオギザレートイオ
ン,トリフルオロアセテートイオンなど),有機スルホ
ネートイオン(たとえば、メタンスルホネートイオン,p
−トルエンスルホネートイオンなど)があげられる。有
機カルボキシレートイオン,有機スルホネートイオンな
どは分子内の場合もある。
「シクロアルキルアミノ基」のシクロアルキル基は上
記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがって以
後、「C3-10シクロアルキルアミノ基」と記すこともあ
る。C3-10シクロアルキルアミノ基としてはたとえば、
シクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,シクロ
ヘキシルアミノなどがあげられる。
「アリールアミノ基」のアリール基は上記のC6-10
リール基が好ましく、したがって以後、「C6-10アリー
ルアミノ基」と記すこともある。C6-10アリールアミノ
基としてはたとえば、アニリノ,N−メチルアニリノなど
があげられる。「アラルキルアミノ基」のアラルキル基
は上記のC7-19アラルキル基が好ましく、したがって以
後、「C7-19アラルキルアミノ基」と記すこともある。C
7-19アラルキルアミノ基としてはたとえば、ベンジルア
ミノ,1−フェニルエチルアミノ,2−フェニルエチルアミ
ノ,ベンズヒドリルアミノ,トリチルアミノなどがあげ
られる。
「環状アミノ基」は後記するような含窒素複素環または
その二重結合を飽和したものの環形成窒素原子に結合し
ている水素原子を1個とりのぞいてできる基といい、た
とえば1H−テトラゾール−1−イル,1H−ピロール−1
−イル,ピロリノ,ピロリジノ,1H−イミダゾール−1
−イル,イミダゾリノ,イミダゾリジノ,1H−ピラゾー
ル−1−イル,ピラゾリノ,ピラゾリジノ,ピペリジ
ノ,ピペラジノ,モルホリノなどがあげられる。「ヒド
ロキシアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「ヒドロキシC1-6アル
キル基」と記すこともある。ヒドロキシC1-6アルキル基
としてはたとえば、ヒドロキシメチル,1−ヒドロキシエ
チル,2−ヒドロキシエチル,3−ヒドロキシプロピルなど
があげられる。
「メルカプトアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「メルカプト
C1-6アルキル基」と記すこともある。メルカプトC1-6
ルキル基としてはたとえばメルカプトメチル,1−メルカ
プトエチル,2−メルカプトエチルなどがあげられる。
「アルコキシアルキル基」のアルコキシ基は上記のC
1-6アルコキシ基が、アルキル基は上記のC1-6アルキル
基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルコキシC1-6
アルキル基」と記すこともある。C1-6アルコキシC1-6
ルキル基としてはたとえば、メトキシメチル,エトキシ
メチル,2−メトキシエチルなどがあげられる。
「アルキルチオアルキル基」のアルキルチオ基は上記
のC1-6アルキルチオ基が、アルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルキルチ
オC1-6アルキル基」と記すこともある。C1-6アルキルチ
オC1-6アルキル基としてはたとえば、メチルチオメチ
ル,2−メチルチオエチルなどがあげられる。
「アミノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「アミノC1-6アル
キル基」と記すこともある。アミノC1-6アルキル基とし
てはたとえば、アミノメチル,2−アミノエチル,3−アミ
ノプロピルなどがあげられる。
「モノアルキルアミノアルキル基」は「モノC1-6アル
キルアミノC1-6アルキル基」が好ましく、たとえばメチ
ルアミノメチル,エチルアミノメチル,2−(N−メチル
アミノ)エチル,3−(N−メチルアミノ)プロピルなど
があげられる。「ジアルキルアミノアルキル基」は「ジ
C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基」が好ましく、たと
えば、N,N−ジメチルアミノメチル,N,N−ジエチルアミ
ノメチル,2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル,2−(N,N
−ジエチルアミノ)エチル,3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピルなどがあげられる。
「環状アミノアルキル基」の環状アミノ基は上記のも
のが好ましく、またアルキル基は上記のC1-6アミノ基が
好ましいので、したがって以後、「環状アミノC1-6アル
キル基」と記すこともある。環状アミノC1-6アルキル基
としてはたとえば、ピロリジノメチル,ピペリジノメチ
ル,ピペラジノメチル,モルホリノメチル,2−(モルホ
リノ)エチルなどがあげられる。
「環状アミノアルキルアミノ基」の環状アミノアルキ
ル基は上記の環状アミノC1-6アルキル基が好ましく、し
たがって以後、「環状アミノC1-6アルキルアミノ基」と
記すこともある。環状アミノC1-6アルキルアミノ基とし
てはたとえば、ピロリジノメチルアミノ,ピペリジノメ
チルアミノ,ピペラジノメチルアミノ,モルホリノメチ
ルアミノなどがあげられる。
「ハロゲノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
ルキル基が好ましく、したがって以後、「ハロゲノC1-6
アルキル基」と記すこともある。ハロゲノC1-6アルキル
基としてはたとえば、フルオロメチル,ジフルオロメチ
ル,トリフルオロメチル,クロロメチル,ジクロロメチ
ル,トリクロロメチル,2−フルオロエチル,2,2−ジフル
オロエチル,2,2,2−トリフルオロエチル,2−クロロエチ
ル,2,2−ジクロロエチル,2,2,2−トリクロロエチル,2−
ブロモエチル,2−ヨードエチルなどがあげられる。
「シアノアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「シアノC1-6アル
キル基」と記すこともある。シアノC1-6アルキル基とし
てはたとえば、シアノメチル,2−シアノエチルなどがあ
げられる。
「カルボキシアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「カルボキシ
C1-6アルキル基」と記すこともある。カルボキシC1-6
ルキル基としてはたとえば、カルボキシメチル,1−カル
ボキシエチル,2−カルボキシエチルなどがあげられる。
「スルホアルキル基」のアルキル基は上記のC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「スルホC1-6アル
キル基」と記すこともある。スルホC1-6アルキル基とし
てはたとえば、スルホメチル,2−スルホエチルなどがあ
げられる。「アルカノイルアルキル基」のアルカノイル
基は後記するC2-6アルカノイル基が好ましく、またアル
キル基は上記のC1-6アルキル基が好ましいので、以後
「C2-6アルカノイルC1-6アルキル基」と記すこともあ
る。C2-6アルカノイルC1-6アルキル基としてはたとえ
ば、アセチルメチル,1−アセチルエチル,2−アセチルエ
チルなどがあげられる。
「アルカノイルオキシアルキル基」のアルカノイルオ
キシ基は後記するC2-6アルカノイルオキシ基が好まし
く、またアルキル基は上記のC1-6アルキル基が好ましい
ので、以後「C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキル基」
と記すこともある。C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキ
ル基としてはたとえば、アセトキシメチル,1−アセトキ
シエチル,2−アセトキシエチルなどがあげられる。
「アルコキシカルボニルアルキル基」のアルコキシカ
ルボニル基は後記するC1-10アルコキシ−カルボニル基
が好ましく、またアルキル基は上記のC1-6アルキル基が
好ましいので、以後「C1-10アルコキシ−カルボニルC
1-6アルキル基」と記すこともある。C1-10アルコキシ−
カルボニルC1-6アルキル基としてはたとえば、メトキシ
カルボニルメチル,エトキシカルボニルメチル,tert−
ブトキシカルボニルメチルなどがあげられる。
「カルバモイルアルキル基」のアルキル基はC1-6アル
キル基が好ましく、したがって以後、「カルバモイルC
1-6アルキル基」と記すこともある。カルバモイルC1-6
アルキル基としてはたとえば、カルバモイルメチルなど
があげられる。
「カルバモイルオキシアルキル基」のアルキル基はC
1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「カルバ
モイルオキシC1-6アルキル基」と記すこともある。カル
バモイルオキシC1-6アルキル基としてはたとえば、カル
バモイルオキシメチルなどがあげられる。
「ハロゲン原子」としてはたとえば、フッ素,塩素,
臭素,ヨウ素などがあげられる。
「アルカノイル基」は炭素数1〜6の脂肪族アシル基
(以後、「C1-6アルカノイル基」と略すこともある)が
好ましく、たとえばホルミル,アセチル,プロピオニ
ル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリ
ル,ピバロイルなどがあげられる。このうちホルミルを
除いたアルカノイル基を「C2-6アルカノイル基」と記す
こともある。
「アルケノイル基」は炭素数3〜5のアルケノイル基
(以後、「C3-5アルケノイル基」と略すこともある)が
好ましく、たとえばアクリロイル,クロトノイル,マレ
オイルなどがあげられる。
「シクロアルキルカルボニル基」のシクロアルキル基
は上記のC3-10シクロアルキル基が好ましく、したがっ
て以後、「C3-10シクロアルキル−カルボニル基」と記
すこともある。C3-10シクロアルキル−カルボニル基と
してはたとえば、シクロプロピルカルボニル,シクロブ
チルカルボニル,シクロペンチルカルボニル,シクロヘ
キシルカルボニル,シクロヘプチルカルボニル,アダマ
ンチルカルボニルなどがあげられる。
「シクロアルケニルカルボニル基」のシクロアルケニ
ル基は上記のC5-6シクロアルケニル基が好ましく、した
がって以後、「C5-6シクロアルケニル−カルボニル基」
と記すこともある。C5-6シクロアルケニル−カルボニル
基としてはたとえば、シクロペンテニルカルボニル,シ
クロペンタジエニルカルボニル,シクロヘキセニルカル
ボニル,シクロヘキサジエニルカルボニルなどがあげら
れる。
「アリールカルボニル基」のアリール基は上記のC
6-10アリール基が好ましく、したがって以後、「C6-10
アリール−カルボニル基」と記すこともある。C6-10
リール−カルボニル基としてはたとえば、ベンゾイル,
ナフトイルなどがあげられる。
「アラルキルカルボニル基」のアラルキル基は上記の
C7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキル−カルボニル基」と記すこともある。C
7-19アラルキル−カルボニル基としてはたとえば、フェ
ニルアセチル,フェニルプロピオニル,α,α−ジフェ
ニルアセチル,α,α,α−トリフェニルアセチルなど
があげられる。
「アルコキシカルボニル基」のアルキル基はここでは
炭素数1〜8の低級アルキル基のほか、上記のC3-10
クロアルキル基も含むものとする。したがってアルコキ
シカルボニル基は以後、「C1-10アルコキシ−カルボニ
ル基」と記すこともある。C1-10アルコキシ−カルボニ
ル基としてはたとえば、メトキシカルボニル,エトキシ
カルボニル,n−プロポキシカルボニル,イソプロポキシ
カルボニル,n−ブトキシカルボニル,イソブトキシカル
ボニル,tert−ブトキシカルボニル,シクロペンチルオ
キシカルボニル,シクロヘキシルオキシカルボニル,ノ
ルボルニルオキシカルボニルなどがあげられる。
「アリールオキシカルボニル基」のアリールオキシ基
は上記のC6-10アリールオキシ基が好ましく、したがっ
て以後、「C6-10アリールオキシ−カルボニル基」と記
すこともある。C6-10アリールオキシ−カルボニル基と
してはたとえば、フェノキシカルボニル,ナフチルオキ
シカルボニルなどがあげられる。
「アラルキルオキシカルボニル基」のアラルキルオキ
シ基は上記のC7-19アラルキルオキシ基が好ましく、た
とえばベンジルオキシカルボニル,ベンズヒドリルオキ
シカルボニル,トリチルオキシカルボニルなどがあげら
れる。
「置換オキシカルボニル基」は上記のC1-10アルコキ
シ−カルボニル基,C6-10アリールオキシ−カルボニル
基またはC7-19アラルキルオキシ−カルボニル基をい
う。
「アルキルチオカルボニル基」のアルキルチオ基は上
記のC1-6アルキルチオ基が好ましく、したがって以後、
「C1-6アルキルチオ−カルボニル基」と記すこともあ
る。C1-6アルキルチオ−カルボニル基としてはたとえ
ば、メチルチオカルボニル,エチルチオカルボニル,n−
プロピルチオカルボニル,n−ブチルチオカルボニルなど
があげられる。
「アルカノイルオキシ基」のアルカノイル基は上記の
C1-6アルカノイル基が好ましく、したがって以後、「C
1-6アルカノイルオキシ基」と記すこともある。C1-6
ルカノイルオキシ基としてはたとえば、ホルミルオキ
シ,アセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキ
シ,バレリルオキシ,ピバロイルオキシなどがあげられ
る。このうちホルミルオキシを除いたアルカノイルオキ
シ基を「C2-6アルカノイルオキシ基」と記すこともあ
る。
「アルケノイルオキシ基」のアルケノイル基は上記の
C3-5アルケノイル基が好ましく、したがって以後、「C
3-5アルケノイルオキシ基」と記すこともある。C3-5
ルケノイルオキシ基としてはたとえば、アクリロイルオ
キシ,クロトノイルオキシなどがあげられる。
「モノアルキルカルバモイル基」のアルキル基は上記
のC1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「モノ
C1-6アルキルカルバモイル基」と記すこともある。モノ
C1-6アルキルカルバモイル基としてはたとえば、N−メ
チルカルバモイル,N−エチルカルバモイルなどがあげら
れる。
「ジアルキルカルバモイル基」のアルキル基は上記の
C1-6アルキル基が好ましく、したがって以後、「ジC1-6
アルキルカルバモイル基」と記すこともある。ジC1-6
ルキルカルバモイル基としてはたとえば、N,N−ジメチ
ルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイルなどがあげ
られる。
「モノアルキルカルバモイルオキシ基」のモノアルキ
ルカルバモイル基は上記のモノC1-6アルキルカルバモイ
ル基が好ましく、したがって以後、「モノC1-6アルキル
カルバモイルオキシ基」と記すこともある。モノC1-6
ルキルカルバモイルオキシ基としてはたとえば、N−メ
チルカルバモイルオキシ,N−エチルカルバモイルオキシ
などがあげられる。
「ジアルキルカルバモイルオキシ基」のジアルキルカ
ルバモイル基は上記のジC1-6アルキルカルバモイル基が
好ましく、したがって以後、「ジC1-6アルキルカルバモ
イルオキシ基」と記すこともある。ジC1-6アルキルカル
バモイルオキシ基としてはたとえば、N,N−ジメチルカ
ルバモイルオキシ,N,N−ジエチルカルバモイルオキシな
どがあげられる。
「アルキルスルホニル基」のアルキル基は上記のC1-6
アルキル基が好ましく、したがって以後、「C1-6アルキ
ルスルホニル基」と記すこともある。C1-6アルキルスル
ホニル基としてはたとえば、メタンスルホニル,エタン
スルホニルなどがあげられる。
「アリールスルホニル基」のアリール基は上記のC
6-10アリール基が好ましく、したがって以後、「C6-10
アリールスルホニル基」と記すこともある。C6-10アリ
ールスルホニル基としてはたとえば、ベンゼンスルホニ
ルなどがあげられる。
「アラルキルスルホニル基」のアラルキル基は上記の
C7-19アラルキル基が好ましく、したがって以後、「C
7-19アラルキルスルホニル基」と記すこともある。C
7-19アラルキルスルホニル基としてはたとえば、フェニ
ルメタンスルホニル,ジフェニルメタンスルホニルなど
があげられる。「アルキルスルホニルオキシ基」のアル
キルスルホニル基は上記のC1-6アルキルスルホニル基が
好ましく、したがって以後、「C1-6アルキルスルホニル
オキシ基」と記すこともある。C1-6アルキルスルホニル
オキシ基としてはたとえば、メタンスルホニルオキシ,
エタンスルホニルオキシなどがあげられる。
「アリールスルホニルオキシ基」のアリールスルホニ
ル基は上記のC6-10アリールスルホニル基が好ましく、
したがって以後、「C6-10アリールスルホニルオキシ
基」と記すこともある。C6-10アリールスルホニルオキ
シ基としてはたとえば、ベンゼンスルホニルオキシなど
があげられる。
「アラルキルスルホニルオキシ基」のアラルキルスル
ホニル基は上記のC7-19アラルキスルホニル基が好まし
く、したがって以後、「C7-19アリールスルホニルオキ
シ基」と記すこともある。C7-19アラルキルスルホニル
オキシ基としてはたとえば、フェニルメタンスルホニル
オキシ,ジフェニルメタンスルホニルオキシなどがあげ
られる。
「アミノ酸残基」は通常のアミノ酸のカルボキシル基
の水酸基をとりのぞいてできるアシル基をいい、具体的
にはたとえば、グリシル,アラニル,バリル,ロイシ
ル,イソロイシル,セリル,スレオニル,システィニ
ル,シスチニル,メチオニル,アスパラギル,グルタミ
ル,リジル,アルギニル,フェニルグリシル,フェニル
アラニル,チロシル,ヒスチジル,トリプトファニル,
プロリルなどがあげられる。「含窒素複素環」は1〜数
個の、好ましくは1〜4個の窒素原子(オキシド化され
ていてもよい)を含む5〜8員環またはその縮合環をい
う。このような含窒素複素環は窒素原子のほかに酸素原
子,硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数個、好ましくは
1〜2個含んでいてもよい。
「含窒素複素環基」は上記の含窒素複素環の環形成炭
素原子に結合している水素原子を1個とりのぞいてでき
る基をいう。「複素環基」は複素環の炭素原子に結合し
ている水素原子を1個とりのぞいてできる基をいい、そ
のような複素環はたとえば、窒素原子(オキシド化され
ていてもよい),酸素原子,硫黄原子などのヘテロ原子
を1〜数個、好ましくは1〜4個含む5〜8員環または
その縮合環をいう。このような複素環基としては具体的
には2−または3−ピロリル,3−,4−または5−ピラゾ
リル,2−,4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または1,
2,4−トリアゾリル,1H−または2H−テトラゾリル,2−ま
たは3−フリル,2−または3−チエニル,2−,4−または
5−オキサゾリル,3−,4−または5−イソキサゾリル,
1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル,1,2,4
−オキサジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−また
は1,3,4−オキサジアゾリル,2−,4−または5−チアゾ
リル,3−,4−または5−イソチアゾリル,1,2,3−チアジ
アゾール−4−または5−イル,1,2,4−チアジアゾール
−3−または5−イル,1,2,5−または1,3,4−チアジア
ゾリル,2−または3−ピロリジニル,2−,3−または4−
ピリジル,2−,3−または4−ピリジル−N−オキシド,3
−または4−ピリダジニル,3−または4−ピリダジニル
−N−オキシド,2−,4−または5−ピリミジニル,2−,4
−または5−ピリミジニル−N−オキシド,ピラジニ
ル,2−,3−または4−ピペリジニル,ピペラジニル,3H
−インドール−2−または3−イル,2−,3−または4−
ピラニル,2−,3−または4−チオピラニル,ベンゾピラ
ニル,キノリル,ピリド[2,3−d]ピリミジル,1,5−,
1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジル,チ
エノ[2,3−d]ピリジル,ピリミドピリジル,ピラジ
ノキノリル,ベンゾピラニルなどがあげられる。
「複素環オキシ基」,「複素環チオ基」,「複素環ア
ミノ基」,「複素環カルボニル基」,「複素環アセチル
基」および「複素環カルボキサミド基」の複素環基はい
ずれも上記の「複素環基」が好ましい。「第4級アンモ
ニウム基」は上記の含窒素複素環の1個の3級窒素原子
上の不対電子が結合手となり、自らは4級化している基
をいう。したがってこれに対するアニオンを必ず伴って
いる。第4級アンモニウム基としてはたとえば、オキサ
ゾリウム,チアゾリウム,イソキサゾリウム,イソチア
ゾリウム,ビリジニウム,キノリニウムなどがあげられ
る。アニオンとしてはたとえば、水酸イオン,ハロゲン
イオン(塩素イオン,臭素イオン,ヨウ素イオンな
ど),スルフェートイオン,ナイトレートイオン,カル
ボネートイオン,有機カルボキシレートイオン(たとえ
ばオギザレートイオン,トリフルオロアセテートイオン
など),有機スルホネートイオン(たとえばp−トルエ
ンスルホネートイオンなど)があげられる。有機カルボ
キシレートイオン,有機スルホネートイオンなどは分子
内の場合もある。右肩に記号を付した基は、その基が
「置換基を有していてもよい基」であることを示す。た
とえばアルキル基は「置換基を有していてもよいアル
キル基」を表わす。この場合、置換基の数は1個だけに
限定されず、置換される基によっては同一または異なっ
て2〜数個、好ましくは2〜3個存在していてもよい。
「C6-10アリール基」,「C7-12アラルキル基」,
「C6-10アリールオキシ基」および「C7-19アラルキル
オキシ基」としてはそれぞれ、「フェニル基」,
「ベンジル基」,「フェノキシ基」および「ベンジ
オキシ基」がより好ましい。
本発明の化合物[I]において置換基R0は水素原子ま
たはアシル基を表わす。これらのうち置換基R0がアシル
基である化合物[I]は各種の細菌,特にセファロスポ
リン耐性菌に対する強い抗菌作用を有し、しかもシュウ
ドモナス属の菌に対して特異な抗菌力を示す抗菌性化合
物である。一方、置換基R0が水素原子である化合物
[I]は置換基R0がアシル基である上記の化合物[I]
を製造する際に、中間体として使用しうる有用な化合物
である。
置換基R0としてのアシル基(以後、記号Rbで表わす場
合もある)は従来から知られているペニシリン誘導体の
6位のアミノ基に置換しているアシル基やセファロスポ
リン誘導体の7位アミノ基に置換しているアシル基など
をいう。このようなアシル基としてはアルカノイル基,
アルケノイル基,シクロアルキルカルボニル基,シクロ
アルケニルカルボニル基,アリールカルボニル基,複素
環カルボニル基,などがあげられ、より具体的にはそれ
ぞれC1-6アルカノイル基,C3-5アルケノイル基,C
3-10シクロアルキル−カルボニル基,C5-6シクロアルケ
ニル−カルボニル基,C6-10アリールカルボニル基,
複素環カルボニル基があげられる。
C1-6アルカノイル基としてはたとえば、ホルミル,ア
セチル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,イソバレリル,ピバロイルなどがあげられる。C
1-6アルカノイル基で表わされる「置換基を有してい
てもよいC1-6アルカノイル基」の置換基としてはたとえ
ば、C1アルカノイル基(すなわちホルミル)の場合は
複素環カルボニル基が、またC2-6アルカノイル基
(すなわちアセチル,プロピオニル,ブチリル,イソブ
チリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイルなど)の
場合は以下に述べる「置換基S1」があげられる。「置換
基S1」はC3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケ
ニル基,C6-10アリール基,水酸基,C1-6アルコキ
シ基,C3-10シクロアルキルオキシ基,C6-10アリール
オキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,メルカプト
基,C1-6アルキルチオ基,アミノC1-6アルキルチオ
基,C2-6アルケニルチオ基,C3-10シクロアルキルチ
オ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキルチオ
基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アル
キルアミノ基,C3-10シクロアルキルアミノ基,C6-10
リールアミノ基,C7-19アラルキルアミノ基,環状
アミノ基,ハロアジド基,シアノ基,カルボキシル
基,アシル基,置換オキシカルボニル基,C1-6アルキ
ルチオ−カルボニル基,アシルオキシ基,アシル
ミノ基,アシルアミノアルキルチオ基,カルバモイル
基,モノC1-6アルキルカルバモイル基,ジC1-6アルキル
カルバモイル基,カルバモイルオキシ基,モノC1-6アル
キルカルバモイルオキシ基,ジC1-6アルキルカルバモイ
ルオキシ基,スルホ基,ヒドロキシスルホニルオキシ
基,C1-6アルキルスルホニル基,C6-10アリールスル
ホニル基,C7-19アラルキルスルホニル基,C1-6アル
キルスルホニルオキシ基,C6-10アリールスルホニル
オキシ基,C7-19アラルキルスルホニルオキシ基,ウ
レイド基,スルファモイル基,複素環基,複素環
オキシ基,複素環チオ基,複素環アミノ基,複素
カルボニル基,複素環カルボキサミド基または第
4級アンモニウム基をいう。これらの置換基の数は1
個に限定されず、置換基が2個以上の場合、それらの置
換基は同一でも、また異なっていてもよい。さらにはそ
のうちの2個の置換基があわさって後記するようなC=
C二重結合またはC=N二重結合を形成していてもよ
い。
C3-5アルケノイル基で表わされる「置換基を有して
いてもよいC3-5アルケノイル基」の置換基(以後「置換
基S2」という)としてはたとえば、C3-10シクロアルキ
ル基,C6-10アリール基,C1-6アルコキシ基,C6-10
リールオキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,ハロ
ゲン原子,シアノ基,カルボキシル基,アシル基,置
換オキシカルボニル基,アシルオキシ基,複素環
基,第4級アンモニウム基などがあげられる。
C6-10アリールカルボニル基で表わされる「置換基
を有していてもよいC6-10アリール−カルボニル基」の
置換基および複素環カルボニル基で表わされる「置換
基を有していてもよい複素環基」の置換基(以後「置換
基S3〕という)としてはたとえば、C1-6アルキル基,C
2-6アルケニル基,C6-10アリール基,C7-12アラルキル
基,ジC6-10アリール−メチル基,トリC6-10アリール−
メチル基,水酸基,C1-6アルコキシ基,C6-10アリール
オキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,メルカプト基,C
1-6アルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラ
ルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,
ジC1-6アルキルアミノ基,ヒドロキシC1-6アルキル基,
メルカプトC1-6アルキル基,ハロゲノC1-6アルキル基,
カルボキシC1-6アルキル基,ハロゲン原子,ニトロ基,
アジド基,シアノ基,カルボキシル基,置換オキシカル
ボニル基,アシル基,アシルオキシ基,アシル
ミノ基,カルバモイル基,チオカルバモイル基,C1-6
ルキルスルホニル基,C6-10アリールスルホニル基,C
7-19アラルキルスルホニル基などがあげられる。
上記したC1-6アルカノイル基,C3-5アルケノイル基,
C6-10アリール−カルボニル基および複素環カルボニル
基の置換基(S1,S2およびS3)で以下に述べるもの以外
の基は前記した基をここでも意味する。C6-10アリール
基,フェニル基,C6-10アリールオキシ基,フェ
ノキシ基,C6-10アリールチオ基,C6-10アリール
アミノ基,C6-10アリールスルホニル基およびC6-10
リールスルホニルオキシ基のC6-10アリール基の置換
基としては、上記の置換基S3がここでもそのままあげら
れる。
C7-12アラルキル基,ベンジル基,C7-19アラルキ
オキシ基,ベンジルオキシ基,C7-19アラルキル
チオ基,C7-19アラルキルアミノ基,C7-19アラルキ
スルホニル基およびC7-19アラルキルスルホニル
オキシ基のC7-12またはC7-19アラルキル基の芳香環の置
換基としては、上記の置換基S3がここでもそのままあげ
られる。複素環基,複素環オキシ基,複素環チオ
基,複素環アミノ基,複素環アセチル基および複素
カルボキサミド基の複素環の置換基として上記の置
換基S3がここでもそのままあげられる。
第4級アンモニウム基の含窒素複素環上の置換基と
しては、上記の置換基S3がここでもそのままあげられ
る。C1-6アルキル基で表わされる「置換基されていて
もよいC1-6アルキル基」のC1-6アルキル基の置換基とし
ては、上記の置換基S1がここでもそのままあげられる。
C3-10シクロアルキル基およびC5-6シクロアルケニ
基で表わされる「置換されていてもよいC3-10シク
ロアルキル基」および「置換されていてもよいC5-6シク
ロアルケニル基」の置換基としては、上記の置換基S3
ここでもそのままあげられる。
C1-6アルキルチオ基で表わされる「置換されていて
もよいC1-6アルキルチオ基」のC1-6アルキルチオ基の置
換基(以後、「置換基S4」という)としてはたとえば、
水酸基,C1-6アルコキシ基,C3-10シクロアルキルオキ
シ基,C6-10アリールオキシ基,C7-19アラルキル
キシ基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ基,C3-10
クロアルキルチオ基、C6-10アリールチオ基,C7-19
ラルキルチオ基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ
基,ジC1-6アルキルアミノ基,環状アミノ基,ハロゲ
ン原子,シアノ基,カルボキシル基,カルバモイル基,
アシルオキシ基,スルホ基,第4級アンモニウム
などがあげられる。
C2-6アルケニルチオ基で表わされる「置換されてい
てもよいC2-6アルケニルチオ基」のC2-6アルケニルチオ
基の置換基(以後、「置換基S5」という)としてはたと
えば、ハロゲン原子シアノ基,カルボキシル基,カルバ
モイル基,モノC1-6アルキルカルバモイル基,ジC1-6
ルキルカルバモイル基,チオカルバモイル基などがあげ
られる。
「アシル基」は上記のC1-6アルカノイル基,C6-10
アリールカルボニル基,C7-19アラルキルカルボニ
ル基,複素環カルボニル基または複素環アセチル基
をいう。したがってアシル基の代表的なものをあげる
とたとえば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,n−ブ
チリル,イソブチリル,バレリル,ピバロイル,n−ヘキ
サノイル,クロロアセチル,ジクロロアセチル,トリク
ロロアセチル,3−オキソブチリル,4−クロロ−3−オキ
ソブチリル,3−カルボキシプロピオニル,4−カルボキシ
ブチリル,3−エトキシカルバモイルプロピオニル,ベン
ゾイル,ナフトイル,p−メチルベンゾイル,p−ヒドロキ
シベンゾイル,p−メトキシベンゾイル,p−クロロベンゾ
イル,p−ニトロベンゾイル,o−カルボキシベンゾイル,o
−(エトキシカルボニルカルバモイル)ベンゾイル,o−
(エトキシカルボニルスルファモイル)ベンゾイル,フ
ェニルアセチル,p−メチルフェニルアセチル,p−ヒドロ
キシフェニルアセチル,p−メトキシフェニルアセチル,
2,2−ジフェニルアセチル,2−チエニルカルボニル,2−
フリルカルボニル,2−,4−または5−チアゾリルアセチ
ル,2−または3−チエニルアセチル,2−または3−フリ
ルアセチル,2−アミノ−4−または5−チアゾリルアセ
チル,5−アミノ−3−チアジアゾリルアセチルなどがあ
げられる。
「アシルオキシ基」および「アシルアミノ基」の
アシル基は上記のアシル基をいい、したがって「ア
シルオキシ基」としてはたとえば、ホルミルオキシ,
アセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,バ
レリルオキシ,ピバロイルオキシ,クロロアセトキシ,
ジクロロアセトキシ,トリクロロアセトキシ,3−オキソ
ブチリルオキシ,4−クロロ−3−オキソブチリルオキ
シ,3−カルボキシプロピオニルオキシ,4−カルボキシブ
チリルオキシ,3−エトキシカルバモイルプロピオニルオ
キシ,ベンゾイルオキシ,ナフトイルオキシ,p−メチル
ベンゾイルオキシ,p−メトキシベンゾイルオキシ,p−ク
ロロベンゾイルオキシ,o−カルボキシベンゾイルオキ
シ,o−(エトキシカルボニルカルバモイル)ベンゾイル
オキシ,o−(エトキシカルボニルスルファモイル)ベン
ゾイルオキシ,フェニルアセチルオキシ,p−メチルフェ
ニルアセチルオキシ,p−メトキシフェニルアセチルオキ
シ,p−クロロフェニルアセチルオキシ,2,2−ジフェニル
アセチルオキシ,チエニルカルボニルオキシ,フリルカ
ルボニルオキシ,チアゾリルアセチルオキシ,チエニル
アセチルオキシ,フリルアセチルオキシなどが、また
「アシルアミノ基」としてはたとえば、アセトアミド
(CH3CONH−),ベンズアミド(C6H5CONH−),フェニ
ルアセトアミド(C6H5CH2CONH−),2−チエニルアセト
アミド などがあげられる。
「アシルアミノアルキルチオ基」のアシルアミノ
基およびアルキルチオ基はそれぞれ前記のアシルアミ
ノ基およびC1-6アルキルチオ基を意味し、したがってこ
のような「アシルアミノC1-6アルキルチオ基」として
はたとえば、アセトアミドメチルチオ,2−アセトアミド
エチルチオなどがあげられる。
「アリールアシル基」は「C6-10アリール−アシル
基」がよく、たとえばベンゾイル,フタロイル,ナフ
トイル,フェニルアセチルなどがあげられる。
「アリールアシルオキシ基」は「C6-10アリール−
アシルオキシ基」がよく、たとえばベンゾイルオキ
シ,ナフトイルオキシ,フェニルアセチルオキシなどが
あげられる。
「ウレイド基」で表わされる「置換されていてもよ
いウレイド基」のウレイド基の置換基としてはたとえ
ば、C1-6アルキル基,C6-10アリール基,C7-19アラル
キル基,アシル基,カルバモイル基,スルホ基(ナ
トリウム,カリウムなどと適宜に塩を形成していてもよ
い),スルファモイル基,アミジノ基などがあげられ
る。
「スルファモイル基」で表わされる「置換されてい
てもよいスルファモイル基」のスルファモイル基の置換
基としてはたとえば、C1-6アルキル基,アミジノ基など
があげられる。
「カルバモイル基」および「カルバモイルオキシ
基」で表わされる「置換されていてもよいカルバモイル
基」の置換基としてはたとえば、C1-6アルキル基,C
6-10アリール基,C7-12アラルキル基,アシル
などがあげられ、また、カルバモイル基の窒素原子が含
窒素複素環の環形成窒素原子である場合も含まれる。
「チオカルバモイル基」で表わされる「置換されて
いてもよいチオカルバモイル基」の置換基としてはたと
えば、C1-6アルキル基,C6-10アリール基,C7-12アラ
ルキル基,アシル基などがあげられ、また、チオカ
ルバモイル基の窒素原子が含窒素複素環の環形成窒素原
子である場合も含まれる。
「環状アミノ基」で表わされる「置換されていても
よい環状アミノ基」の環状アミノ基の置換基(以後、
「置換基S6」という)としてはたとえば、C1-6アルキル
基,C2-6アルケニル基,C3-10シクロアルキル基,C6-10
アリール基,C7-12アラルキル基,ジC6-10アリール
−メチル基,トリC6-10アリール−メチル基,水酸基,C
1-6アルコキシ基,C6-10アリールオキシ基、C7-19
ラルキルオキシ基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ
基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキルチオ
基,アミノ基,モノC1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アル
キルアミノ基,C6-10アリールアミノ基,C7-19アラル
キルアミノ基,ハロゲン原子,ニトロ基,アジド基,
オキソ基,チオキソ基,シアノ基,カルボキシル基,ア
シル基,置換オキシカルボニル基,アシルオキシ
基,アシルアミノ基,カルバモイル基,カルバモイル
オキシ基,チオカルバモイル基,スルホ基などがあげら
れる。
C1-6アルカノイル基のひとつとして前記した複素環
カルボニル基で置換されたホルミル基はすなわち複素
−CO−CO−なる式を有するアシル基で、該複素環
基は前記のものがここでもあげられるが、置換基を有し
ていてもよいオキサゾリル基,チアゾリル基,オキサジ
アゾリル基、チアジアゾリル基などがより好ましい。こ
のような「複素環−CO−CO−」なる基としてはたとえ
ば、2−(2−,4−または5−オキサゾリル)−2−オ
キソアセチル,2−(2−,4−または5−チアゾリル)−
2−オキソアセチル,2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−オキソアセチル,2−(1,2,4−オキサジアゾ
ール−3−または5−イル)−2−オキソアセチル,2−
(1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル)−2
−オキソアセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジア
ゾール−3−イル)−2−オキソアセチルなどがあげら
れる。
C2-6アルカノイル基としては置換基を有するアセチ
ル基が最も好ましい。置換基を有するアセチル基の置換
基の数は1〜3個であり、置換基はC1-6アルカノイル基
の置換基として前記した「置換基S1」がここでもあげら
れる。置換基の数が2〜3個の場合、それらの置換基は
同一でも、また異なっていてもよく、さらには2個の置
換基があわさって二重結合を形成していてもよい。モノ
置換アセチル基としてはR15CH2CO−,ジ置換アセチル基
としては と表すことができる。
一方、トリ置換アセチル基としてはそのうちの2個の置
換基があわさってC=C二重結合もしくはC=N二重結
合を形成しているものがよく、それぞれ と表わすことができる。
ここで記号R15〜R17,R20およびR22は前記した置換基(S
1)を意味し、記号R18,R19およびR21については後記す
る。以下、これらの置換基(R15〜R22)を有するアセチ
ル基について詳述する。
i)R15CH2CO− 記号R15は前記のC1-6アルキル基の置換基(S1)を意
味するが、とりわけ、C5-6シクロアルケニル基,C6-10
アリール基,C6-10アリールオキシ基,C1-6アルキ
チオ基,C2-6アルケニルチオ基,C6-10アリール
チオ基,アミノ基,環状アミノ基,シアノ基,アシル
基,アシルオキシ基,複素環基,複素環チオ
基,第4級アンモニウム基などが繁用される。したが
って「アシル基R15CH2CO−」としてはたとえば、1,4−
シクロヘキサジエニルアセチル,フェニルアセチル,p−
トリルアセチル,p−ヒドロキシフェニルアセチル,p−メ
トキシフェニルアセチル,p−クロロフェニルアセチル,o
−アミノメチルフェニルアセチル,フェノキシアセチ
ル,p−ヒドロキシフェノキシアセチル,p−クロロフェノ
キシアセチル,シアノメチルチオアセチル,ジフルオロ
メチルチオアセチル,トリフルオロメチルチオアセチ
ル,(2−カルボキシエチル)チオアセチル,(2−ア
ミノ−2−カルボキシエチル)チオアセチル,(2−ク
ロロビニル)チオアセチル,(2−カルボキシビニル)
チオアセチル,(2−フルオロ−2−カルバモイルビニ
ル)チオアセチル,(1,2−ジクロロビニル)チオアセ
チル,(2−クロロ−2−カルボキシビニル)チオアセ
チル,フェニルチオアセチル,p−ヒドロキシフェニルチ
オアセチル,グリシル,1H−テトラゾリル−1−イルア
セチル,3,5−ジクロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピ
リジン−1−イルアセチル,シアノアセチル,アセトア
セチル,ベンゾイルアセチル,フリルカルボニルアセチ
ル,チエニルカルボニルアセチル,(1H−テトラゾリ
ル)アセチル,1−メチル−1H−テトラゾリルアセチル,
(2−フリル)アセチル,(2−チエニル)アセチル,
(3−チエニル)アセチル,(4−オキサゾリル)アセ
チル,(4−チアゾリル)アセチル,(2−アミノ−4
−チアゾリル)アセチル,(1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)アセチル,(5−アミノ−1,2,4−チアジア
ゾール−3−イル)アセチル,(2−ピリジル)アセチ
ル,(4−ピリジル)アセチル,(2−イミダゾリル)
チオアセチル,(2−ピリジル)チオアセチル,(4−
ピリジル)チオアセチル,(2−チエニル)チオアセチ
ル,ヒドロキシピリジルチオアセチル,(5−イソチア
ゾリル)チオアセチル,(3−メチルチオ−5−イソチ
アゾリル)チオアセチル,(4−シアノ−5−イソチア
ゾリル)チオアセチル,(4−シアノ−2−メチル−3
−オキソ−2,3−ジヒドロイソチアゾール−5−イル)
チオアセチル,ビリジニウムアセチル,キノリニウムア
セチルなどがあげられる。
記号R16は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
け、C5-6シクロアルケニル基,C6-10アリール基,C
6-10アリールオキシ基,C1-6アルキルチオ基,C2-6
アルケニルチオ基,C6-10アリールチオ基,環状ア
ミノ基,シアノ基,複素環基,複素環チオ基,複素
カルボキサミド基,第4級アンモニウム基などが
ここでも繁用される。また記号R17も前記の置換基を意
味するが、とりわけ、水酸基,メルカプト基,アミノ
基,アミノ酸残基で置換されたアミノ基,ヒドラジノ
基,アジド基,ウレイド基,アシルオキシ基,アシ
アミノ基,カルボキシル基,置換オキシカルボニル
基,スルホ基,スルファモイル基,カルバモイル基,複
素環カルボキサミド基などが好ましい。これらのうち
置換基R17がアミノ基のもの は特に「アミノ酸残基」として分類される こともある。したがって「アシル基 」としてはたとえば2−アミノ−2−(1,4−シクロヘ
キサジエニル)アセチル,マンデリル,α−アジドフェ
ニルアセチル,α−カルボキシフェニルアセチル,α−
(フェノキシカルボニル)フェニルアセチル,α−(o
−ヒドロキシフェニル)オキシカルボニルフェニルアセ
チル,α−(p−トリルオキシカルボニル)フェニルア
セチル,α−スルホフェニルアセチル,α−スルホ−p
−ヒドロキシフェニルアセチル,α−ウレイドフェニル
アセチル,α−(Nγ−スルホウレイド)フェニルアセ
チル,α−カルボキシ−p−ヒドロキシフェニルアセチ
ル,α−(ホルミルオキシ)フェニルアセチル,α−
(2−アミノ−3−カルボキシプロピオンアミド)フェ
ニルアセチル,α−(3−アミノ−カルボキシプロピオ
ンアミド)フェニルアセチル,α−(3,4−ジヒドロキ
シベンズアミド)フェニルアセチル,α−(5−カルボ
キシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニルアセ
チル,α−(1,3−ジメチル−4−ピラゾリルカルボキ
サミド)フェニルアセチル,5−フェニル−3−イソキサ
ゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル,α−[1−
(p−メトキシフェニル)−4−クロロ−1,2,3−トリ
アゾール−5−イルカルボキサミド]フェニルアセチ
ル,α−(4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−
イルカルボキサミド)フェニルアセチル,α−[2−オ
キソ−5−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,2−ジヒ
ドロピリジン−3−イルカルボキサミド]フェニルアセ
チル,α−(4−オキソ−4H−1−チオピラン−3−イ
ルカルボキサミド)フェニルアセチル,α−(4−ヒド
ロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イルカルボキサミ
ド)フェニルアセチル,α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソピペラジノカルボキサミド)フェニルアセチル,α
−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサ
ミド)−p−ヒドロキシフェニルアセチル,α−(4−
エチル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサミド)−
p−ベンジルオキシフェニルアセチル,α−(4−エチ
ル−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサミド)−p−
スルホフェニルアセチル,α−(4−エチル−2,3−ジ
オキソピペラジノカルボキサミド)−p−メトキシフェ
ニルアセチル,α−(2−オキソイミダゾリジノカルボ
キサミド)フェニルアセチル,α−(2−オキソ−3−
メタンスルホニルイミダゾリジノカルボキサミド)フェ
ニルアセチル,α−(6,7−ジヒドロキシ−4−オキソ
−4H−ベンゾピラン−3−イルカルボキサミド)フェニ
ルアセチル,α−(6,7−ジヒドロキシ−2−オキソ−2
H−ベンゾピラン−3−イルカルボキサミド)フェニル
アセチル,α−ヒドロキシ−2−チエニルアセチル,α
−ヒドロキシ−3−チエニルアセチル,α−カルボキシ
−3−チエニルアセチル,α−アミノ−α−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)アセチル,α−ホルムアミド
−α−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル,
α−アセトアミド−α−(2−アミノチアゾール−4−
イル)アセチル,α−ホルムアミド−α−(2−アミノ
−5−クロロチアゾール−4−イル)アセチル,α−ア
セトアミド−α−(2−アミノ−5−クロロチアゾール
−4−イル)アセチル,α−ホルムアミド−α−(5−
アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセチ
ル,α−アセトアミド−α−(5−アミノ−1,2,4−チ
アジアゾール−3−イル)アセチル,α−ヒドラジノ−
α−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル,α
−ヒドロキシ−α−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)アセチル,α−ウレイド−α−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)アセチル,α−[Nγ−(m−ヒドロ
キシフェニル)ウレイド]フェニルアセチル,α−[N
γ−(2−メチル−6−ヒドロキシピリミジン−5−イ
ル]ウレイド」フェニルアセチル,α−[Nγ−(3,4
−ジアセトキシベンゾイル)ウレイド]フェニルアセチ
ル,α−[Nγ−(3,4−ジヒドロキシシンナモイル)
ウレイド]フェニルアセチル,α−[Nγ−(3,4−ジ
アセトキシベンズアミドアセチル)ウレイド]フェニル
アセチル,α−[Nγ−(2−フリルカルボニル)ウレ
イド]フェニルアセチル,α−[Nγ−(6,7−ジヒド
ロ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン−3−イルカルボニ
ル)ウレイド]フェニルアセチル,α−(2−クロロビ
ニルチオ)フェニルアセチル,α−カルバモイル−α−
(2−クロロビニルチオ)アセチル,α−(4−エチル
−2,3−ジオキソピペラジノカルボキサミド)−α−
(2−クロロビニルチオ)アセチル,α,α−ビス−
(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボ
キサミド)アセチル,α−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラ
ジノカルボキサミド)アセチル,α−(4−ヒドロキシ
−6−メチルニコチンアミド)−α−フェニルアセチ
ル,α−(4−ヒドロキシ−6−メチルニコチンアミ
ド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル,α−
{5,8−ジヒドロ−2−(4−ホルミル−1−ピペラジ
ニル)−5−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−6
−カルボキサミド}−α−フェニルアセチル,α−(3,
5−ジオキソ−1,2,4−トリアジン−6−カルボキサミ
ド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル,α−
(3−フルフリデンアミノ−2−オキソイミダゾリジン
−1−カルボキサミド)−α−フェニルアセチル,α−
(クマリン−3−カルボキサミド)−α−フェニルアセ
チル,α−(4−ヒドロキシ−7−メチル−1,8−ナフ
チリジン−3−カルボキサミド)−α−フェニルアセチ
ル,α−(4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチルキ
ノリン−3−カルボキサミド)−α−フェニルアセチ
ル,N−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)アセチ
ル]−D−フェニルグリシル,α−(6−ブロモ−1−
エチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]
ピリジン−3−カルボキサミド)−α−フェニルアセチ
ル,α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジ
ノカルボキサミド)−α−チエニルアセチル,α−(4
−n−ペンチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカル
ボキサミド)−α−チエニルアセチル,α−(4−n−
オクチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサ
ミド)−α−チエニルアセチル,α−(4−シクロヘキ
シル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキサミ
ド)−α−チエニルアセチル,α−[4−(2−フェニ
ルエチル)−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボキ
サミド]−α−チエニルアセチル,α−(フルフリデン
アミノ−2−オキソイミダゾリジン−1−カルボキサミ
ド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチルなどが
例示される。またアミノ酸の残基 としてはここでもたとえば、 アラニル,バリル,ロイシル,イソロイシル,セリル,
スレオニル,システイニル,シスチニル,メチオニル、
アスパラギル,グルタミル,リジル,アルギニル,フェ
ニルグリシル、フェニルアラニル,チロシル,ヒスチジ
ル,トリプトファニル,プロリルなどが例示される。ま
たこれらのアミノ酸残基のアミノ基は後記するようなア
ミノ基の保護基で保護されていてもよい。「アミノ基が
保護されたアミノ酸残基」としてはたとえば,N−ベンジ
ルオキシカルボニルアラニル,N−ベンジルオキシカルボ
キサミドフェニルグリシルなどがあげられる。またアミ
ノ酸残基のアミノ基はさらにもうひとつのアミノ酸残基
で置換されていてもよい。このようなアシル基はすなわ
ち「ジペプチドの残基」であり、このようなアシル基と
してはたとえば、フェニルグリシル−アラニル,ベンジ
ルNα−ベンジルオキシカルボニル−γ−グルタミル−
アラニル,アラニル−フェニルグリシル,γ−アスパル
チル−フェニルグリシル,γ−グルタミル−アラニルな
どがあげられる。またアミノ酸残基のアミノ基は環状カ
ルバモイル基で置換されていてもよい。このようなアシ
ル基としてはたとえば、N−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジノカルボニル)アラニル,N−(4−
エチル−2,3−ジチオキソ−1−ピペラジノカルボニ
ル)フェニルグリシル,N−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジノカルボニル)スレオニルなどがあげ
られる。
またアシル基 のひとつとしては [式中、R24,R25は同一または異なって水素原子,ハロ
ゲン原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),ヒドロキシ
メチル基,ジフルオロメチル基,トリフルオロメチル
基,ホルミル基,シアノ基,アジド基,カルボキシル
基,カルバモイル基,C1-6アルキルチオ基またはC6-10
アリールチオ基を示す]で表わされるアシル基も使用
される。このようなアシル基としてはたとえば などがあげられる。
記号R20は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
けC6-10アリール基基,C6-10アリールオキシ基,C
6-10アリールチオ基,複素環チオ基などが繁用され
る。記号R18は水素原子またはハロゲン原子(フッ素,
塩素,臭素,ヨウ素)を表わし、ハロゲン原子としては
塩素が好ましい。記号R19はC1-6アルキル基,C6-10アリ
ール基,C1-6アルキルチオ基,ハロゲン原子,シアノ
基,アミノ基,C1-6アルキルスルホニル基,C6-10アリ
ールスルホニル基,カルバモイル基,C1-6アルコキシ
イミドイル基または複素環基を表わす。ここでC1-6
ルコキシイミドイル基のC1-6アルコキシ基は前記のC1-6
アルコキシ基がよく、したがってC1-6アルコキシイミド
イル基としてはたとえば、メトキシイミドイル エトキシイミドイルなどがあげられる。その他の基はい
ずれも前記した基がここでもそのままあてはめられる。
したがって「アシル基 」としてはたとえば、2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−3−クロロアクリロイル,2−(2−アミノ−4−
チアゾリル)クロトノイル,2−(2−アミノ−4−チア
ゾリル)シンナモイル,2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−3−メタンスルホニルアクリロイル,2−(2−ア
ミノ−4−チアゾリル)−3−ベンゼンスルホニルアク
リロイル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−
3−イル)−2−ペンテノイル,2−(5−アミノ−1,2,
4−チアジアゾール−3−イル)−3−クロロアクリロ
イル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−
イル)クロトノイル,2−(2−アミノ−5−クロロ−4
−チアゾリル)−3−クロロアクリロイル,2−(2−ア
ミノ−5−クロロ−4−チアゾリル)クロトノイルなど
があげられる。
記号R22は前記の置換基(S1)を意味するが、とりわ
けC3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル
基,C6-10アリール基,C1-6アルコキシ基,C6-10アリ
ールオキシ基,C1-6アルキルチオ基,アミノC1-6
ルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C7-19アラルキ
チオ基,シアノ基,アシル基,カルバモイル基,
複素環基などが繁用される。
これらのなかでもC6-10アリール基,複素環基が
特に好ましい。これらのC6-10アリール基,複素環基の
置換基はC1-6アルキル基,水酸基,アミノ基,ハロゲン
原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)が好ましい。した
がって置換基R22として好ましい基をあげると、たとえ
ばフェニル,p−ヒドロキシフェニル,2−フリル,2−チエ
ニル,4−オキサゾリル,2−アミノ−4−オキサゾリル,2
−アミノ−5−クロロ−4−オキサゾリル,4−チアゾリ
ル,2−アミノ−4−チアゾリル,2−アミノ−5−クロロ
−4−チアゾリル,2−アミノ−5−ブロモ−4−チアゾ
リル,2−アミノ−5−フルオロ−4−チアゾリル,2−ア
ミノ−4−チアゾリル−3−オキシド,2−イミノ−3−
ヒドロキシチアゾリン−4−イル,3−イソキサゾリル,5
−アミノ−3−イソキサゾリル,3−イソチアゾリル,5−
アミノ−3−イソチアゾリル,1,2,4−オキサジアゾール
−3−イル,5−アミノ−1,2,4−オキサジアゾール−3
−イル,1,2,4−チアジアゾール−3−イル,5−アミノ−
1,2,4−チアジアゾール−3−イル,1,3,4−オキサジア
ゾリル,2−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−5−イ
ル,1,3,4−チアジアゾリル,2−アミノ−1,3,4−チアジ
アゾール−5−イル,1−(C1-6アルキル)−5−アミノ
−1,2,4−トリアゾール−3−イル,4−(C1-6アルキ
ル)−5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−イル,1
−(C1-6アルキル)−2−アミノ−4−イミダゾリル,2
−アミノ−6−ピリジル,4−アミノ−2−ピリミジル,2
−アミノ−5−ピリミジル,3−ピラゾリル,4−ピラゾリ
ルなどが例示される。また記号R21はOR23基(式中、R23
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素残基を
示す)である。
ここで で表される基は で表わされるシン異性体または で表わされるアンチ異性体,もしくはそれらの混合物を
表わし、なかでも置換基R22が複素環基でかつシン異
性体であるものがより好ましい。このようなアシル基は
[式中、R22′は複素環基を、R3は水素原子または置
換されていてもよい炭化水素残基を示す]で表わすこと
ができる。ここで複素環基R22′は置換されたチアゾ
リル基またはチアジアゾリル基,すなわち式 [式中、R1は保護されていてもよいアミノ基を、R2は水
素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を示す]のものが
最も好ましい。したがって最も好ましいRb基は式 である。すなわち置換基R0としてアシル基Rbを有する化
合物[I]としては の構造のものが好ましい。以下、置換基R1,R2,R3につい
て詳しく述べる。
記号R1は保護されていてもよいアミノ基を表わす。β
−ラクタムおよびペプチドの分野ではアミノ基の保護基
は充分に研究されていてその保護法はすでに確立されて
おり、本発明においてもアミノ基の保護基としてはそれ
ら公知のものが適宜に採用されうる。アミノ基の保護基
としてはたとえば、C1-6アルカノイル基,C3-5アルケ
ノイル基,C6-10アリールカルボニル基,フタロイ
ル基,複素環カルボニル基,C1-6アルキルスルホニ
ル基,カンファースルホニル基,C6-10アリールスル
ホニル基,置換オキシカルボニル基,カルバモイル
基,チオカルバモイル基,C6-10アリールメチル
基,ジC6-10アリールメチル基,トリC6-10アリール
メチル基,C6-10アリールメチレン基,C6-10アリール
チオ基,置換シリル基,2−C1-10アルコキシ−カルボ
ニル−1−メチル−1−エテニル基などがあげられる。
「C1-6アルカノイル基」としてはここではたとえ
ば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,バ
レリル,ピバロイル,サクシニル,グルタリル,モノク
ロロアセチル,ジクロロアセチル,トリクロロアセチ
ル,モノブロモアセチル,モノフルオロアセチル,ジフ
ルオロアセチル,トリフルオロアセチル,モノヨードア
セチル,3−オキソブチリル,4−クロロ−3−オキソブチ
リル,フェニルアセチル,p−クロロフェニルアセチル,
フェノキシアセチル,p−クロロフェノキシアセチルなど
があげられる。
「C3-5アルケノイル基」としてはここではたとえ
ば、アクリロイル,クロトノイル,マレオイル,シンナ
モイル,p−クロロシンナモイル,β−フェニルシンナモ
イルなどがあげられる。
「C6-10アリールカルボニル基」としてはここでは
たとえば、ベンゾイル,ナフトイル,p−トルオイル,p−
tert−ブチルベンゾイル,p−ヒドロキシベンゾイル,p−
メトキシベンゾイル,p−tert−ブトキシベンゾイル,p−
クロロベンゾイル,p−ニトロベンゾイルなどがあげられ
る。
複素環カルボニル基としては後記するものがあげら
れる。
「C1-6アルキルスルホニル基」としてはたとえば、
メタンスルホニル,エタンスルホニルなどがあげられ
る。
「C6-10アリールスルホニル基」としては前記の置
換オキシカルボニル基すなわちC1-10アルコキシ−カル
ボニル基,C6-10アリールオキシ−カルボニル基またはC
7-19アラルキルオキシ−カルボニル基のほか、ここでは
それらがさらに置換基を有しているものも含まれ、たと
えば、ベンゼンスルホニル,ナフタレンスルホニル,p−
トルエンスルホニル,p−tert−ブチルベンゼンスルホニ
ル,p−メトキシベンゼンスルホニル,p−クロロベンゼン
スルホニル,p−ニトロベンゼンスルホニルなどがあげら
れる。「置換オキシカルボニル基」としてはここではた
とえば、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,n−
プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,n−
ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,シク
ロヘキシルオキシカルボニル,ノルボルニルオキシカル
ボニル,フェノキシカルボニル,ナフチルオキシカルボ
ニル,ベンジルオキシカルボニル,メトキシメチルオキ
シカルボニル,アセチルメチルオキシカルボニル,2−ト
リメチルシリルエトキシカルボニル,2−メタンスルホニ
ルエトキシカルボニル,2,2,2−トリクロロエトキシカル
ボニル,2−シアノエトキシカルボニル,p−メチルフエノ
キシカルボニル,p−メトキシフエノキシカルボニル,p−
クロロフエノキシカルボニル,p−メチルベンジルオキシ
カルボニル,p−メトキシベンジルオキシカルボニル,p−
クロロベンジルオキシカルボニル,p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニル,シ
クロプロピルオキシカルボニル,シクロペンチルオキシ
カルボニル,シクロヘキシルオキシカルボニルなどがあ
げられる。
「カルバモイル基」としてはここではたとえば、カ
ルバモイル,N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバモ
イル,N,N−ジメチルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバ
モイル,N−フェニルカルバモイル,N−アセチルカルバモ
イル,N−ベンゾイルカルバモイル,N−(p−メトキシフ
ェニル)カルバモイルなどがあげられる。
「カルバモイルオキシ基」としてはここではたとえ
ば、カルバモイルオキシ,N−メチルカルバモイルオキ
シ,N,N,−ジメチルカルバモイルオキシ,N−エチルカル
バモイルオキシ,N−フェニルカルバモイルオキシなどが
あげられる。「チオカルバモイル基」としてはここで
はたとえば、チオカルバモイル,N−メチルチオカルバモ
イル,N−フェニルチオカルバモイルなどがあげられる。
「C6-10アリールメチル基」としてはたとえば、ベ
ンジル,ナフチルメチル,p−メチルベンジル,p−メトキ
シベンジル,p−クロロベンジル,p−ニトロベンジルなど
があげられる。
「ジC6-10アリールメチル基」としてはたとえば、
ベンズヒドリル,ジ(p−トリル)メチルなどがあげら
れる。
「トリC6-10アリールメチル基」としてはたとえ
ば、トリチル,トリ(p−トリル)メチルなどがあげら
れる。
「C6-10アリールメチレン基」としてはたとえば、
ベンジリデン,p−メチルベンジリデン,p−クロロベンジ
リデンなどがあげられる。
「C6-10アリールチオ基」としてはたとえば、o−
ニトロフェニルチオなどがあげられる。
「置換シリル基」は保護されるアミノ基とあわさって
一般式R6R7R8SiNH,(R6R7R8Si)2Nまたは [式中、R6,R7,R9,R10,R9′,R10′はそれぞれC1-6アル
キル基もしくはC6-10アリール基を示し、それぞれ同
一または異なっていてもよい。またZ′はたとえばメチ
レン,エチレン,プロピレンなどのC1-3アルキレン基を
示す]で表わされるようなシリル基を意味し、具体的に
はトリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシリル,−S
i(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2−などがあげられる。
「2−C1-10アルコキシ−カルボニル−1−メチル−
1−エテニル基のC1-10アルコキシ−カルボニル基は前
記したものがよく、したがって2−C1-10アルコキシ−
カルボニル−1−メチル−1−エテニル基としてたとえ
ば、2−メトキシカルボニル−1−メチル−1−エテニ
ル,2−エトキシカルボニル−1−メチル−1−エテニ
ル,2−tert−ブトキシカルボニル−1−メチル−1−エ
テニル,2−シクロヘキシルオキシカルボニル−1−メチ
ル−1−エテニル,2−ノルボルニルオキシカルボニル−
1−メチル−1−エテニルなどがあげられる。
記号R2は水素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を表
わす。ハロゲン原子としてはここまではフッ素,塩素,
臭素などがあげられ、好ましくは塩素である。
記号R3は水素原子または置換されていてもよい炭化水
素残基を表わす。炭化水素残基としてはたとえばC1-6
ルキル基,C2-6アルケニル基,C2-6アルキニル基,C
3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル基などが
あげられるが、とりわけC1-3アルキル基または置換され
たC1-3アルキル基が好ましい。C1-6アルキル基としては
ここでも前記したC1-6アルキル基がよく具体的にはメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イ
ソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−
ヘキシルなどがあげられるがとりわけメチル,エチル,n
−プロピルが好ましい。C2-6アルケニル基としてはここ
でも前記したC2-6アルケニル基がよく具体的にはビニ
ル,アリル,イソプロペニル,メタリル,1,1−ジメチル
アリル,2−ブテニル,3−ブテニルなどがあげられる。C
2-6アルキニル基としては具体的にはエチニル,1−プロ
ピニル,2−プロピニル,プロパルギルなどがあげられ
る。C3-10シクロアルキル基としてはここでも前記したC
3-8シクロアルキル基がよく具体的にはシクロプロピ
ル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
シクロヘプチル,アダマンチルなどがあげられる。C5-6
シクロアルケニル基としては具体的には2−シクロペン
テニル,3−シクロペンテニル,2−シクロヘキセニル,3−
シクロヘキセニル,シクロペンタジエニル,シクロヘキ
サジエニルなどがあげられる。
これらの炭化水素残基の置換基としてはたとえば水酸
基,C1-6アルキル基,C2-6アルケニル基,C2-6アルキニ
ル基,C3-10シクロアルキル基,C5-6シクロアルケニル
基,C6-10アリール基,C7-19アラルキル基,複素環基,
C1-6アルコキシ基,C3-10シクロアルキルオキシ基,C
6-10アリールオキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,複
素環オキシ基,メルカプト基,C1-6アルキルチオ基,C
3-10シクロアルキルチオ基,C6-10アリールチオ基,C
7-19アラルキルチオ基,複素環チオ基,アミノ基,モノ
C1-6アルキルアミノ基,ジC1-6アルキルアミノ基,トリ
C1-6アルキルアンモニウム基,C3-10シクロアルキルア
ミノ基,C6-10アリールアミノ基,C7-19アラルキルアミ
ノ基,複素環アミノ基,環状アミノ基,アジド基,ニト
ロ基,ハロゲン原子,シアノ基,カルボキシル基,C
1-10アルコキシ−カルボニル基,C6-10アリールオキシ
−カルボニル基,C7-19アラルキルオキシ−カルボニル
基,C6-10アリール−アシル基,C1-6アルカノイル
基,C3-5アルケノイル基,C6-10アリール−アシル
キシ基,C2-6アルカノイルオキシ基,C3-5アルケノイル
オキシ基,カルバモイル基,チオカルバモイル基,
カルバモイルオキシ基,フタルイミド基,C1-6アルカ
ノイルアミノ基,C6-10アリール−アシルアミノ基,
カルボキアミノ基,C1-10アルコキシ−カルボキサミド
基,C6-10アリールオキシ−カルボキサミド基,C7-19
ラルキルオキシ−カルボキサミド基などがあげられ、同
一または異なって2個以上存在していてもよい。炭化水
素残基の置換基としては、具体的にはC1-6アルキル基は
前記のもの、すなわちメチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert
−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなどを、C2-6アルケ
ニル基は前記のもの、すなわちビニル、アリル,イソプ
ロペニル,メタリル,1,1−ジメチルアリル,2−ブテニ
ル,3−ブテニルなどを、C2-6アルキニル基は前記のも
の、すなわちエチニル,1−プロピニル,2−プロピニル,
プロパルギルなどを、C3-10シクロアルキル基は前記の
もの、すなわちシクロプロピル,シクロブチル,シクロ
ペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,アダマン
チルなどを、C5-6シクロアルケニル基は前記のもの、す
なわちシクロプロペニル,2−シクロペンテニル,3−シク
ロペンテニル,2−シクロヘキセニル,3−シクロヘキセニ
ル,シクロペンタジエニル,シクロヘキサジエニルなど
を、C6-10アリール基は前記のもの、すなわちフェニ
ル,ナフチル,ビフェニリルなどを、C7-19アラルキル
基は前記のもの、すなわちベンジル,1−フェニルエチ
ル,2−フェニルエチル,フェニルプロピル,ナフチルメ
チル,ベンズヒドリルなどを、C1-6アルコキシ基は前記
のもの、すなわちメトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,
イソプロポキシ,n−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペン
チルオキシ,n−ヘキシルオキシなどを、C3-10シクロア
ルキルオキシ基は前記のもの、すなわちシクロプロピル
オキシ,シクロヘキシルオキシなどを、C6-10アリール
オキシ基は前記のもの、すなわちフェノキシ,ナフチル
オキシなどを、C7-19アラルキルオキシ基は前記のも
の、すなわちベンジルオキシ,1−フェニルエチルオキ
シ,2−フェニルエチルオキシ,ベンズヒドリルオキシな
どを、C1-6アルキルチオ基は前記のもの、すなわちメチ
ルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,n−ブチルチオな
どを、C3-10シクロアルキルチオ基は前記のもの、すな
わちシクロプロピルチオ,シクロヘキシルチオなどを、
C6-10アリールチオ基は前記のもの、すなわちフェニル
チオ,ナフチルチオなどを、C7-19アラルキルチオ基は
前記のもの、すなわちベンジルチオ,フェニルエチルチ
オ,ベンズヒドリルチオなどを、モノC1-6アルキルアミ
ノ基は前記のもの、すなわちメチルアミノ,エチルアミ
ノ,n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノなどを、ジC1-6
アルキルアミノ基は前記のもの、すなわちジメチルアミ
ノ,ジエチルアミノ,メチルエチルアミノ,ジ−(n−
プロピル)アミノ,ジ−(n−ブチル)アミノなどを、
トリC1-6アルキルアンモニウム基は前記のもの、すなわ
ちトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムな
どを、C3-10シクロアルキルアミノ基は前記のもの、す
なわちシクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,
シクロヘキシルアミノなどを、C6-10アリールアミノ基
は前記のもの、すなわちアニリノ,N−メチルアニリノな
どを、C7-19アラルキルアミノ基は前記のもの、すなわ
ちベンジルアミノ,1−フェニルエチルアミノ,2−フェニ
ルエチルアミノ,ベンズヒドリルアミノなどを、環状ア
ミノ基は前記のもの、すなわちピロリジノ,ピペリジ
ノ,ピペラジノ,モルホリノ,1−ピロリルなどを、ハロ
ゲン原子はここではフッ素,塩素,臭素,ヨウ素など
を、C1-10アルコキシ−カルボニル基は前記のもの、す
なわちメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,n−プ
ロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,n−ブ
トキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,tert−ブ
トキシカルボニル,シクロペンチルオキシカルボニル,
シクロヘキシルオキシカルボニル,ノルボルニルオキシ
カルボニルなどを、C6-10アリールオキシ−カルボニル
基は前記のもの、すなわちフェノキシカルボニル,ナフ
チルオキシカルボニルなどを、C7-19アラルキルオキシ
−カルボニル基は前記のもの、すなわちベンジルオキシ
カルボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニルなどを、
C6-10アリール−アシル基は前記のもの、すなわちベ
ンゾイル,ナフトイル,フタロイル,フェニルアセチル
などを、C1-6アルカノイル基は前記のもの、すなわちホ
ルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリ
ル,ピバロイル,サクシニル,グルタリルなどを、C3-5
アルケノイル基は前記のもの、すなわちアクリロイル,
クロトノイル,マレオイルなどを、C6-10アリール−ア
シルオキシ基は前記のもの、すなわちベンゾイルオキ
シ,ナフトイルオキシ,フェニルアセトキシなどを、C
2-6アルカノイルオキシ基は前記のもの、すなわちアセ
トキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,バレリ
ルオキシ,ピバロイルオキシなどを、C3-5アルケノイル
オキシは前記のもの、すなわちアクリロイルオキシ,ク
ロトノイルオキシなどを、カルバモイル基は前記のも
の、すなわちカルバモイル,N−メチルカルバモイル,N−
エチルカルバモイル,N,N−ジメチルカルバモイル,N−エ
チルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイル,N−フェ
ニルカルバモイル,N−アセチルカルバモイル,N−ベンゾ
イルカルバモイル,N−(p−メトキシフェニル)カルバ
モイルに加えてピロリジノカルボニル,ピペリジノカル
ボニル,ピペラジノカルボニル,モルホリノカルボニル
などを、チオカルバモイル基は前記のもの、すなわち
チオカルバモイル,N−メチルチオカルバモイル,N−フェ
ニルチオカルボニルなどを、カルバモイルオキシ基は
前記のもの、すなわちカルバモイルオキシ,N−メチルカ
ルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキシ,N
−エチルカルバモイルオキシ,N−フェニルカルバモイル
オキシなどを、「C1-6アルカノイルアミノ基」はたとえ
ばアセトアミド,プロピオンアミド,ブチロアミド,バ
レロアミド,ピバロアミドなどを、「C6-10アリール−
アシルアミノ基」はたとえばベンズアミド,ナフトイ
ルアミド,フタルイミドなどを、「C1-10アルコキシ−
カルボキサミド基」はたとえばメトキシカルボキサミド
(CH3OCONH-),エトキシカルボキサミド,tert−ブトキ
シカルボキサミドなどを、「C6-10アリールオキシ−カ
ルボキサミド基」はたとえばフェノキシカルボキサミド
(C6H5OCONH-)などを、「C7-19アラルキルオキシ−カ
ルボキサミド基」はたとえばベンジルオキシカルボキサ
ミド(C6H5CH2OCONH-),ベンズヒドリルオキシカルボ
キサミドなどを表わす。複素環基,複素環オキシ基,複
素環チオ基および複素環アミノ基の複素環基はここでも
複素環の炭素原子に結合している水素原子を1個とりの
ぞいてできる基をいい、そのような複素環は、たとえば
窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,
硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数個,好ましくは1〜
4個含む5〜8員環またはその縮合環をいう。このよう
な複素環基としてはここでも2−ピロリル以下、具体的
に前記したものがそのままあげられる。したがって「複
素環オキシ基」としてはたとえばチアゾリルオキシなど
が、「複素環チオ基」としてはたとえばチアゾリルチオ
などがあげられる。「複素環アミノ基」としてはたとえ
ばチアゾリルアミノ,チアジアゾリルアミノなどがあげ
られる。
置換された炭化水素残基でより好ましいものは水酸
基,シクロアルキル基,アルコキシ基,アルキルチオ
基、アミノ基,トリアルキルアンモニウム基,ハロゲン
原子,カルボキシル基,アルコキシカルボニル基,カル
バモイル基,シアノ基,アジド基,複素環基などで置換
されたC1-3アルキル基(C1-3アルキル基はメチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピルなどをいう)であり、そ
れらを具体的にあげると、シクロプロピルメチル,メト
キシメチル,エトキシメチル,1−メトキシエチル,2−メ
トキシエチル,1−エトキシエチル,2−ヒドロキシエチ
ル,メチルチオメチル,2−アミノエチル,2−(トリメチ
ルアンモニウム)エチル,2−(トリエチルアンモニウ
ム)エチル,フルオロメチル,ジフルオロメチル,トリ
フルオロメチル,2−フルオロエチル,2,2−ジフルオロエ
チル,クロロメチル,2−クロロエチル,2,2−ジクロロエ
チル,2,2,2−トリクロロエチル,2−ブロモエチル,2−ヨ
ードエチル,2,2,2−トリフルオロエチル,カルボキシメ
チル,1−カルボキシエチル,2−カルボキシエチル,2−カ
ルボキシプロピル,3−カルボキシプロピル,1−カルボキ
シブチル,シアノメチル,1−カルボキシ−1−メチルエ
チル,メトキシカルボニルメチル,エトキシカルボニル
メチル,tert−ブトキシカルボニルメチル,1−メトキシ
カルボニル−1−メチルエチル,1−エトキシカルボニル
−1−メチルエチル,1−tert−ブトキシカルボニル−1
−メチルエチル,1−ベンジルオキシカルボニル−1−メ
チルエチル,1−ピバロイルオキシカルボニル−1−メチ
ルエチル,カルバモイルメチル,2−アジドエチル,2−
(ピラゾリル)エチル,2−(イミダゾリル)エチル,2−
(2−オキソピロリジン−3−イル)エチル,2−アミノ
−4−チアゾリルメチルなどのほか多くのものがあげら
れる。具体的にあげた炭化水素残基のうち最も好ましい
ものはメチル,エチル,n−プロピルなどの直鎖状のC1-3
アルキル基および2−フルオロエチル,2−クロロエチ
ル,2−ヒドロキシエチル,2−メトキシエチル,シアノメ
チル,カルボキシメチル,tert−ブトキシカルボニルメ
チル,1−カルボキシ−1−メチルエチル,1−tert−ブト
キシカルボニル−1−メチルエチルなどのハロゲン原
子,水酸基,アルコキシ基,カルボキシ基,アルコキシ
カルボニル基,シアノ基で置換された直鎖状又は分枝状
のC1-3アルキル基およびアリル基,プロパルギル基であ
る。ここで記号R3′を上に例示した最も好ましい炭化水
素残基もしくは水素原子を表わすものとすると、置換基
R0としてアシル基 [式中,R22′は複素環基を示す]を有する本発明の
化合物[I]はいずれも抗菌活性が特に強く、特に耐性
菌に対して優れた殺菌作用をもつ。また前記したように
複素環基R22′は式 [いずれも式中、R1は保護されていてもよいアミノ基
を、R2は水素原子,ハロゲン原子またはニトロ基を、そ
れぞれ示す]のものが最も好ましく、したがって化合物
[I]としては [式中の記号は前記したものを示す] の構造のものが最も好ましい。
として好ましい例をあげるとたとえば、2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(ヒドロキシイ
ミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル,2−(2
−クロロアセタミドチアゾール4−イル)−2(Z)−
(メトキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(n−プロポキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2(Z)−(イソプロポキシ
イミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(n−ブトキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−)−2(Z)−(n−ヘ
キシルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2(Z)−(シクロプロピルメチル
オキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2(Z)−(ベンジルオキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(アリルオキシイミノ)アセチル,2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−(プロパルギ
ルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール
−4−イル)−2(Z)−(メトキシメチルオキシイミ
ノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−(エトキシメチルオキシイミノ)アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(1−メトキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール4−イル)−2(Z)−
{(2−メトキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−エトキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(1−エトキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−ヒドロキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(メチルチオメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(2−ア
ミノエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)2−(Z)−(フルオロメチル
オキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2(Z)−(ジフルオロメチルオキシイミ
ノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2(Z)−(トリフルオロメチルオキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(2−フルオロエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(2,2−ジフルオロエチル)オキシイミノ}
アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(クロロメチルオキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−クロロエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2−ジクロロエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2,2−トリクロロエチル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(2−ブロモエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−ヨードエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2,2,2−トリフルオロエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(カルボキシメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(1−カルボキシエチルオキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(2−カルボキシエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(1−カルボキシプロピルオキシイミノ)アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(3−カルボキシプロピル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(1−カルボキシブチル)オキシイミノ}アセチ
ル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(シアノメチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(1−カル
ボキシ−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(メトキシカルボニルメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
(エトキシカルボニルメチルオキシイミノ)アセチル,2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(tert−ブトキシカルボニルメチル)オキシイミノ}
アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
{1−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシイミノ}
アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(1−メトキシカルボニル−1−メチルエチ
ル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−{(1−エトキシカルボニ
ル−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−
{(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルエチ
ル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−{1−(tert−ブトキシカ
ルボニル)プロポキシイミノ}アセチル,2−(2−アミ
ノチアゾール4−イル)−2(Z)−{(1−ベンジル
オキシカルボニル−1−メチルエチル)オキシイミノ}
アセチル,2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
(Z)−{(1−ピバロイルオキシカルボニル−1−メ
チルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2(Z)−(カルバモイルメ
チルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−{1−(1−カルバモイル
−1−メチル)エチルオキシイミノ}アセチル,2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(2−
アジドエチルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノ
チアゾール−4イル)−2(Z)−(フェノキシカルボ
ニルオキシイミノ)アセチル,2−(2−アミノ−5−ク
ロロチアゾール−4−イル)−2(Z)−(ヒドロキシ
イミノ)アセチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾ
ール−4−イル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセ
チル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−(2
−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2
(Z)−(n−プロポキシイミノ)アセチル,2−(2−
アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2(Z)
−{(2−フルオロエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−
2(Z)−{(2−クロロエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イ
ル)−2(Z)−(カルボキシメチルオキシイミノ)ア
セチル,2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−
イル)−2(Z)−{(tert−ブトキシカルボニルメチ
ル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノ−5−ク
ロロチアゾール−4−イル)−2(Z)−{(1−カル
ボキシ−1−メチルエチル)オキシイミノ}アセチル,2
−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−
2(Z)−{(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メ
チルエチル)オキシイミノ}アセチル,2−(2−アミノ
−5−ブロモチアゾール−4−イル)−2(Z)−(エ
トキシイミノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チ
アジアゾール−3−イル)−2(Z)−(ヒドロキシイ
ミノ)アセチル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾ
ール−3−イル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセ
チル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−
イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−
(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−
2(Z)−エトキシイミノ)アセチル,2−(5−アミノ
−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−
{(2−フルオロエチル)オキシイミノ}アセチル,2−
(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−
2(Z)−{(2−クロロエチル)オキシイミノ}アセ
チル,2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−
イル)−2(Z)−(カルボキシメチルオキシイミノ)
アセチル,2−(5−アミノ1,2,4−チアジアゾール−3
−イル)−2(Z)−{(1−カルボキシ−1−メチル
エチル)オキシイミノ}アセチル,2−(5−アミノ−1,
2,4−チアジアゾール−3−イル−2(Z)−{(1−t
ert−ブトキシカルボニル−1−メチルエチル)オキシ
イミノ}アセチル,2−(5−アミノイソキサゾール−3
−イル)−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−
(5−アミノ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)
−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−(2−イ
ミノ−3−(Z)−(メトキシイミノ)アセチル,2−チ
エニル−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−フ
リル−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル、2−フ
リル−2(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−(1,
3,4−チアジアゾリル)−2(Z)−(エトキシイミ
ノ)アセチル,2−(p−ヒドロキシフェニル)−2
(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−フェニル−2
(Z)−(エトキシイミノ)アセチル,2−フェニル−2
(Z)−(ヒドロキシイミノ)アセチル,2−{p−(γ
−D−グルタミルオキシ)フェニル}−2(Z)−(ヒ
ドロキシイミノ)アセチル,2−{p−(3−アミノ−3
−カルボキシプロポキシ)フェニル}−2(Z)−(ヒ
ドロキシイミノ)アセチルなどが例示される。
以上、アシル基(Rb)のひとつとして述べてきたC1-6
アルカノイル基には上記のC1-6アルカノイル基,複素
CO-CO-,R15CH2 CO−, のほか、トリフルオロアセチル,4−カルボキシブチリ
ル,5−アミノ−5−カルボキシバレリル,5−オキソ−5
−カルボキシバレリル,N−{2−(2−アミノ−4−チ
アゾリル)−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル}
−D−アラニル,N−{2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル−2(Z)−(メトキシイミノ)アセチル}−D−フ
ェニルグリシル,2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−{2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2(Z)
−(メトキシイミノ)アセタミド}アセチルなども含ま
れる。
C1-6アルカノイル基以外のアシル基(Rb)としての
C3-5アルケノイル基としてはここでも前記したアクリ
ロイル,クロトノイル,マレオイル,シンナモイル,p−
クロロシンナモイル,β−フェニルシンナモイルなど
が、C3-10シクロアルキル−カルボニル基としてはここ
でも前記したシクロプロピルカルボニル,シクロブチル
カルボニル,シクロペンチルカルボニル,シクロヘキシ
ルカルボニル,シクロヘプチルカルボニル,アダマンチ
ルカルボニルなどが、C5-6シクロアルケニル−カルボニ
ル基としてはここでも前記したシクロペンテニルカルボ
ニル,シクロペンタジエニルカルボニル,シクロヘキセ
ニルカルボニル,シクロヘキサジエニルカルボニルなど
が、C6-10アリールカルボニル基としてはここでもベ
ンゾイル,ナフトイル,p−トルオイル,p−tert−ブチル
ベンゾイル,p−ヒドロキシベンゾイル,p−メトキシベン
ゾイル,p−tert−ブトキシベンゾイル,p−クロロベンゾ
イル,p−ニトロベンゾイルなどが、「複素環カルボニ
ル基」としてはたとえば、2−または3−ピロリルカル
ボニル,3−,4−または5−ピラゾリルカルボニル,2−,4
−または5−イミダゾリルカルボニル,1,2,3−または1,
2,4−トリアゾリルカルボニル,1H−または2H−テトラゾ
リルカルボニル,2−または3−フリルカルボニル,2−ま
たは3−チエニルカルボニル,2−,4−または5−オキサ
ゾリルカルボニル,3−,4−または5−イソキサゾリルカ
ルボニル,1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イ
ルカルボニル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または5
−イルカルボニル,1,2,5−または1,3,4−オキサジアゾ
リルカルボニル,2−,4−または5−チアゾリルカルボニ
ル,2−アミノ−4−チアゾリルカルボニル,3−,4−また
は5−イソチアゾリルカルボニル,1,2,3−チアジアゾー
ル−4−または5−イルカルボニル,1,2,4−チアジアゾ
ール−3−または5−イルカルボニル,5−アミノ−1,2,
4−チアジアゾール−3−イルカルボニル,1,2,5−また
は1,3,4−チアジアゾリルカルボニル,2−または3−ピ
ロリジニルカルボニル,2−,3−または4−ピリジルカル
ボニル,2−,3−または4−ピリジルカルボニル−N−オ
キシド,3−または4−ピリダジニルカルボニル,3−また
は4−ピリダジニルカルボニル−N−オキシド,2−,4−
または5−ピリミジニルカルボニル,2−,4−または5−
ピリミジニルカルボニル−N−オキシド,ピラジニルカ
ルボニル,2−,3−または4−ピペリジニルカルボニル,
ピペラジニルカルボニル,3H−インドール−2−または
3−イルカルボニル,2−,3−または4−ピラニルカルボ
ニル,2−,3−または4−チオピラニルカルボニル,ベン
ゾピラニルカルボニル,キノリルカルボニル,ピリド
[2,3−d]ピリミジルカルボニル,1,5−,1,6−,1,7−,
1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジルカルボニル,チエ
ノ[2,3−b]ピリジルカルボニル,ピリミドピリジル
カルボニル,ピラジノキノリルカルボニル,3−(2,6−
ジクロロフェニル)−5−メチルイソキサゾール−4−
イルカルボニルなどがあげられる。
本発明の化合物[I]において置換基R4は水素原子を
表わす。本発明の化合物[I]において置換基R13は水
素原子を表わす。
化合物[I]において置換基Aは置換されていてもよ
いピラゾロ[1,5−a]ピリジニウム−3−イル基を表
わす。また置換基Aに付記した は置換基Aが1価の陽
電荷を持つことを示す。置換されていてもよいピラゾロ
[1,5−a]ピリジニウム−3−イル基(A )は一般
で書き表される。上記のピラゾロ[1,5−a]ピリジニ
ウム−3−イル基の陽電荷を便宜上ピラゾールの1位の
窒素原子にあてはめたが、該第4級窒素原子が2位の窒
素原子にあてはめられる場合もある。また1価の陽電荷
がピラゾール環に非局在化している場合,さらには縮合
環全体に非局在化している場合もある。したがってたと
えば上記の などのようにも表される。この陽電荷の存在位置は化合
物[I]の状態(固体か溶液中か),溶媒の種類・液
性,温度,置換基の種類などによって流動的に変化する
ので、本発明は陽電荷が窒素原子に局在化した場合とピ
ラゾール環または縮合環全体に非局在化した場合のすべ
てを包含するものとする。縮合環A上の置換基R11およ
びR12としてはたとえば水酸基,ヒドロキシC1-6アルキ
ル基,C1-6アルキル基,C2-6アルケニル基,C2-6アルキ
ニル基,C4-6アルカジエニル基,C3-10シクロアルキル
基,C5-6シクロアルケニル基,C3-10シクロアルキルC
1-6アルキル基,C6-10アリール基,C7-12アラルキル
基,ジC6-10アリールメチル基,トリC6-10アリールメチ
ル基,複素環基,C1-6アルコキシ基,C1-6アルコキシ−
C1-6アルキル基,C3-10シクロアルキルオキシ基,C6-10
アリールオキシ基,C7-19アラルキルオキシ基,メルカ
プト基,メルカプトC1-6アルキル基,スルホ基,スルホ
C1-6アルキル基,C1-6アルキルチオ基,C1-6アルキルチ
オC1-6アルキル基,C3-10シクロアルキルチオ基,C6-10
アリールチオ基,C7-19アラルキルチオ基,アミノ基,
アミノC1-6アルキル基,モノC1-6アルキルアミノ基,ジ
C1-6アルキルアミノ基,モノC1-6アルキルアミノC1-6
ルキル基,ジC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基,C
3-10シクロアルキルアミノ基,C6-10アリールアミノ
基,C7-19アラルキルアミノ基,環状アミノ基,環状ア
ミノC1-6アルキル基,環状アミノC1-6アルキルアミノ
基,アジド基,ニトロ基,ハロゲン原子,ハロゲノC1-6
アルキル基,シアノ基,シアノC1-6アルキル基,カルボ
キシル基,カルボキシC1-6アルキル基,C1-10アルコキ
シ−カルボニル基,C1-10アルコキシ−カルボニルC1-6
アルキル基,C6-10アリールオキシ−カルボニル基,C
7-19アラルキルオキシ−カルボニル基,C6-10アリール
−アシル基,C1-6アルカノイル基,C2-6アルカノイル
C1-6アルキル基,C3-5アルケノイル基,C6-10アリール
−アシルオキシ基,C2-6アルカノイルオキシ基,C2-6
アルカノイルオキシC1-6アルキル基,C3-5アルケノイル
オキシ基,カルバモイルC1-6アルキル基,カルバモイル
基,チオカルバモイル基,カルバモイルオキシ
基,カルバモイルオキシC1-6アルキル基,C1-6アルカノ
イルアミノ基,C6-10アリール−アシルアミノ基,ス
ルホンアミド基,カルボキシアミノ基,C1-10アルコキ
シ−カルボキサミド基,C6-10アリールオキシ−カルボ
キサミド基,C7-19アラルキルオキシ−カルボキサミド
基などがあげられる。上記の置換基中、「C4-6アルカジ
エニル基」はたとえば、1,3−ブタジエニルなどを、「C
3-10シクロアルキルC1-6アルキル基」はたとえば、シク
ロペンチルメチル,シクロヘキシルメチルなどを、ハロ
ゲン原子はここではフッ素,塩素,臭素などをそれぞれ
表わす。その他の基はすべて前記のものがここでもその
ままあげられる。これらの置換基は同一または異なって
複数個(置換基の数は好ましくはR11では0〜2個,R12
では0〜3個)置換されていてもよいし、置換基R11,R
12はさらに置換分を有していてもよい。またピラゾール
環の3,4−位が脂環,芳香環,複素環と縮合していても
よい。これらの例としてはたとえば, [式中,R12は前記と同意義を示す]などがあげられ
る。
上記の化合物[I]において4位のカルボキシル基
(−COO)の右肩に付記したは該カルボキシル基がカ
ルボキシレートアニオンであって、置換基A上の陽電荷
と一対になって分子内塩を形成していることを示す。一
方、化合物[I]は生理学的に受容される塩もしくはエ
ステルであってもよい。生理学的に受容される塩として
は無機塩基塩,アンモニウム塩,有機塩基塩,無機酸付
加塩,有機酸付加塩,塩基性アミノ酸塩などがあげられ
る。無機塩基塩を生成させうる無機塩基としてはアルカ
リ金属(たとえばナトリウム,カリウムなど),アルカ
リ土類金属(たとえばカルシウムなど)などが、有機塩
基塩を生成させうる有機塩基としてはたとえばプロカイ
ン,2−フェニルエチルベンジルアミン,ジベンジルエチ
レンジアミン,エタノールアミン,ジエタノールアミ
ン,トリスヒドロキシメチルアミノメタン,ポリヒドロ
キシアルキルアミン,N−メチルグルコサミンなどが、無
機酸付加塩を生成させうる無機酸としてはたとえば塩
酸,臭化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸などが、有機酸付
加塩を生成させうる有機酸としてはたとえばp−トルエ
ンスルホン酸,メタンスルホン酸,ギ酸,トリフルオロ
酢酸,マレイン酸などが、塩基性アミノ酸塩を生成させ
うる塩基性アミノ酸としてはたとえばリジン,アルギニ
ン,オルニチン,ヒスチジンなどがあげられる。これら
の塩のうち塩基塩(すなわち無機塩基塩,アンモニウム
塩,有機塩基塩,塩基性アミノ酸塩)は化合物[I]の
置換基R0もしくはA中にカルボキシル基,スルホ基など
の酸性基が存在する場合に形成しうる塩基塩を意味し、
酸付加塩(すなわち無機酸付加塩,有機酸付加塩)は化
合物[I]の置換基R0もしくはA中にアミノ基,モノア
ルキルアミノ基,ジアルキルアミノ基,シクロアルキル
アミノ基,アリールアミノ基,アラルキルアミノ基,環
状アミノ基,含窒素複素環基などの塩基性基が存在する
場合に形成しうる酸付加塩を意味する。また酸付加塩と
しては化合物[I]の分子内塩を形成している部分,す
なわち4位のカルボキシレート部分(COO )と3位のC
H2 部分に酸が1モル付加して4位がカルボキシル基
(COOH),3位がCH2 ・M [式中、M は無機酸,
有機酸からプロトンH をとりのぞいてできるアニオン
を示す。たとえばクロライドイオン,ブロマイドイオ
ン,スルフェートイオン,p−トルエンスルホネートイオ
ン,メタンスルホネートイオン,トリフルオロアセテー
トイオンなど]となった塩も含まれる。化合物[I]の
エステル誘導体は分子中に含まれるカルボキシル基をエ
ステル化することにより生成されうるエステルを意味
し、合成中間体として利用できるエステルおよび代謝上
不安定な無毒のエステルである。合成中間体として利用
できるエステルとしてはC1-6アルキルエステル,C2-6
アルケニルエステル,C3-10シクロアルキルエステル,C
3-10シクロアルキルC1-6アルキルエステル,C6-10アリ
ールエステル,C7-12アラルキルエステル,ジC6-10
アリール−メチルエステル,トリC6-10アリール−メチ
ルエステル,置換シリルエステルなどがあげられる。C
1-6アルキルエステルを形成する「C1-6アルキル
基」としてはたとえば、メチル,エチル,n−プロピ
ル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチ
ル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシル,ベンジル
オキシメチル,2−メチルスルホニルエチル,2−トリメチ
ルシリルエチル,2,2,2−トリクロロエチル,2−ヨードエ
チル,アセチルメチル,p−ニトロベンゾイルメチル,p−
メシルベンゾイルメチル,フタルイミドメチル,サクシ
ンイミドメチル,ベンゼンスルホニルメチル,フェニル
チオメチル,ジメチルアミノエチル,ピリジン−1−オ
キシド−2−メチル,メチルスルフィニルメチル,2−シ
アノ−1,1−ジメチルエチルなどを、C2-6アルケニルエ
チルを形成するC2-6アルケニル基としてはここでも前記
のもの、すなわちビニル,アリル,1−プロペニル,イソ
プロペニル,1−ブテニル,2−ブテニル,3−ブテニル,メ
タリル,1,1−ジメチルアリル,3−メチル−3−ブテニル
などを、C3-10シクロアルキルエステルを形成するC3-10
シクロアルキル基としてはここでも前記のもの、すなわ
ちシクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シ
クロヘキシル,シクロヘプチル,ノルボルニル,アダマ
ンチルなどを、C3-10シクロアルキルC1-6アルキルエス
テルを形成するC3-10シクロアルキルC1-6アルキル基と
してはここでも前記のもの、すなわちシクロプロピルメ
チル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチルな
どを、C6-10アリールエステルを形成する「C6-10アリ
ール基」としてはたとえばフェニル,α−ナフチル,
β−ナフチル,ビフェニリル,p−ニトロフェニル,p−ク
ロロフェニルなどを、C7-12アラルキルエステルを形
成する「C7-12アラルキル基」としてはたとえば、ベ
ンジル,1−フェニルエチル,2−フェニルエチル,フェニ
ルプロピル,ナフチルメチル,p−ニトロベンジル,p−メ
トキシベンジル,1−インダニル,フェナシル,3,5−ジte
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジルなどを、ジC6-10
アリール−メチルエステルを形成するジC6-10アリール
−メチル基としてはここでも前記のもの、すなわちベン
ズヒドリル,ビス(p−メトキシフェニル)メチルなど
を、トリC6-10アリール−メチルエステルを形成するト
リC6-10アリール−メチル基としてはここでも前記のも
の、すなわちトリチルなどを、置換シリルエステルを形
成する置換シリル基としてはここでも前記のもの、すな
わちトリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシリル,
−Si(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2−などをそれぞれ表わす。上
記したエステルには4位のエステルも含まれる。このよ
うに4位が上記のエステル基であるものは3位がCH2
・M [式中、M は前記と同意義を示す]のような
塩を形成している。
代謝上不安定な無毒のエステルとしてはペニシリン,
セファロスポリンの分野ですでに確立されているものが
本発明においても便宜に採用されうる。このような代謝
上不安定な無毒のエステルとしては、たとえばC2-6アル
カノイルオキシC1-6アルキルエステル,1−(C1-6アルコ
キシ)C1-6アルキルエステル,1−(C1-6アルキルチオ)
C1-6アルキルエステルなどがあげられ、C2-6アルカノイ
ルオキシC1-6アルキルエステルとしてはたとえば、アセ
トキシメチルエステル,1−アセトキシエチルエステル,1
−アセトキシブチルエステル,2−アセトキシエチルエス
テル,プロピオニルオキシメチルエステル,ピバロイル
オキシメチルエステルなどが、1−(C1-6アルコキシ)
C1-6アルキルエステルとしてはたとえば、メトキシメチ
ルエステル,エトキシメチルエステル,イソプロポキシ
メチルエステル,1−メトキシエチルエステル,1−エトキ
シエチルエステルなどが、1−(C1-6アルキルチオ)C
1-6アルキルエステルとしてはたとえば、メチルチオメ
チルエステル,エチルチオメチルエステルなどがそれぞ
れあげられる。本発明は上記エステル誘導体のほかに、
生体内において化合物[I]に変換される生理学的に受
容しうる化合物も包含する。上記した合成中間体として
利用できるエステルおよび代謝上不安定な無毒のエステ
ルには4位のエステルも含まれる。このように4位が上
記のエステル基であるものは通常、3位がCH2 ・M
[式中、M は前記と同意義を示す]のような塩を形
成している。
また化合物[I]が水酸基を有する場合、その水酸基
は保護されていてもよい。水酸基の保護基としては、β
−ラクタムおよび有機化学の分野で通常、水酸基の保護
基として使用しうるものはすべて利用でき、前記のC2-6
アルカノイル基,置換オキシカルボニル基,tert−ブチ
ル基,C7-12アラルキル基,ジC6-10アリール−メチル
基,トリC6-10アリール−メチル基,1−(C1-6アルコキ
シ)C1-6アルキル基,1−(C1-6アルキルチオ)C1-6アル
キル基,置換シリル基などのほか、たとえば2−テトラ
ヒドロピラニル,4−メトキシ−4−テトラヒドロピラニ
ルなどのアセタール残基などが用いられる。
化合物[I]が前記したアミノ基以外のアミノ基をさ
らに有する場合、そのアミノ基もやはり保護されていて
もよい。このようなアミノ基の保護基としては、前記の
アミノ基の保護基がここでもそのままあげられる。
本発明の化合物[I]のうち置換基R0が含窒素複素環
基(Ra)またはアシル基(Rb)のものはスペクトルの広
い抗菌活性を有し、人および動物における病原性細菌に
より生ずる種々の疾病、たとえば気道感染,尿路感染の
予防およびに治療のために使用されうる。抗菌性化合物
[I](R0=RaまたはRb)の抗菌スペクトルの特徴とし
てつぎのような点があげられる。
(1)多種のグラム陰性菌に対して非常に高い活性を示
す。
(2)グラム陽性菌(たとえばスタフィロコッカス・ア
ウレウス,コリネバクテリウム・ジフテリアエなど)に
対して高い活性を有している。
(3)通常のセファロスポリン系抗生物質による治療に
感受性でないシュウドモナス・エアルギノサに対して顕
著な効果を示す。
(4)多くのβ−ラクタマーゼ生産性グラム陰性菌(た
とえばエシェリヒア属,エンテロバクター属,セラチア
属,プロテウス属など)に対しても高い活性を有してい
る。
特にシュウドモナス属微生物に対しては従来からアミカ
シン、ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物
質が用いられてきたが、抗菌性化合物[I]はこれらの
アミノグリコシド類に匹敵する抗菌力を示すばかりでな
く、人および動物に対する毒性がアミノグリコシド類よ
りも格段に低いので、大きな利点を持っている。
また本発明の抗菌化合物[I](R0=Rb)は優れた安
定性を有する、血中濃度が高い、効果の持続時間が長
い、組織移行性が顕著であるなどの特徴をも有してい
る。
本発明の化合物[I]またはその塩もしくはエステル
の製造法を以下に詳しく述べる。以下に述べる方法は反
応としてはいずれも公知であり、それらの公知方法また
はそれらに準ずる方法を応用することができる。製造法
(1):化合物[II]([I],R0=水素原子)の合成
法 たとえば、一般式 [式中、記号R5は水酸基,アシルオキシ基,カルバモイ
ルオキシ基,置換カルバモイルオキシ基またはハロゲン
原子を、その他の記号は前記と同意義を示す]で表わさ
れる化合物またはその塩もしくはエステルと一般式A′
[A′は置換されていてもよいピラゾロ[1,5−a]ピ
リジンを示す]で表わされるピラゾール化合物またはそ
の塩とを反応させることにより7−アミノ化合物[II]
([I],R0=水素原子)を合成することができる。す
なわち次の反応式で示される。
[式中、記号Z,R4,R13,R5およびAは前記と同意義を示
す] ここで原料となる化合物[IX]または塩・エステルは公
知の方法もしくはそれに準ずる方法を用いて容易に入手
しうる化合物である。化合物[IX]の塩,エステルにつ
いては化合物[II]の塩,エステルとして後記するもの
と同じ塩,エステルがここでもあげられる。
前記R5で表わされるアシルオキシ基は前記のアシル
オキシ基がここでも用いられるが、とりわけアセトキ
シ,クロロアセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリル
オキシ、ピバロイルオキシ,3−オキソブチリルオキシ,4
−クロロ−3−オキソブチリルオキシ,3−カルボキシプ
ロピオニルオキシ,4−カルボキシブチリルオキシ,3−エ
トキシカルバモイルプロピオニルオキシ,ベンゾイルオ
キシ,o−カルボキシベンゾイルオキシ,o−(エトキシカ
ルボニルカルバモイル)ベンゾイルオキシ,o−(エトキ
シカルボニルスルファモイル)ベンゾイルオキシなどが
好ましい。記号R5で表わされる置換カルバモイルオキシ
基は前記のものがここでも用いられるが、とりわけメチ
ルカルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキ
シなどが好ましい。記号R5で表わされるハロゲン原子は
塩素,臭素,ヨウ素などが好ましい。またピラゾール化
合物A′とその塩については後に詳記する。
本反応は7位−アミノ基が保護されていても上記と同
様に反応が進行し、反応後、要すれば保護基の脱離を行
うことにより同じく7−アミノ化合物[II]([I],
R0=水素原子)に導くことができる。製造法(2):化
合物[Ib](R0=Rb;Rbはアシル基を示す)の合成法 たとえば (2−1)前項(1)で得られた7−アミノ化合物[I
I]またはその塩もしくはエステルと一般式RbOH[式
中、Rbはアシル基を示す]で表わされるカルボン酸また
はその塩もしくは反応性誘導体とを反応させることによ
り化合物[Ib](R0=Rb)を合成することができる。す
なわち次の反応式で示される。
[式中、記号Rbはアシル基を、記号Z,R4,R13,およびA
は前記と同意義を示す] 本法は7−アミノ化合物[II]をカルボン酸RbOHまた
はその塩もしくは反応性誘導体でアシル化する方法であ
る。この方法においてカルボン酸RbOHは遊離のままある
いはその塩もしくは反応性誘導体が7−アミノ化合物
[II]の7位アミノ基のアシル化剤として用いられる。
すなわち遊離酸RbOHあるいは遊離酸RbOHの無機塩,有機
塩,酸ハライド,酸アジド,酸無水物,混合酸無水物,
活性アミド,活性エステル,活性チオエステルなどの反
応性誘導体がアシル化反応に供される。無機塩としては
アルカリ金属塩(たとえばナトリウム塩,カリウム塩な
ど),アルカリ土類金属塩(たとえばカルシウム塩な
ど)などが、有機塩としてはたとえばトリメチルアミノ
塩,トリエチルアミン塩,tert−ブチルジメチルアミン
塩,ジベンジルメチルアミン塩,ベンジルジメチルアミ
ン塩,N,N−ジメチルアニリン塩,ピリジン塩,キノリン
塩などが,酸ハライドとしてはたとえば酸クロライド,
酸ブロマイドなどが,混合酸無水物としてはモノC1-6
ルキル炭酸混合酸無水物(たとえば遊離酸RbOHとモノメ
チル炭酸,モノエチル炭酸,モノイソプロピル炭酸,モ
ノイソブチル炭酸,モノtert−ブチル炭酸,モノベンジ
ル炭酸,モノ(p−ニトロベンジル)炭酸,モノアリル
炭酸などとの混合酸無水物),C1-6脂肪族カルボン酸混
合酸無水物(たとえば遊離酸RbOHと酢酸,トリクロロ酢
酸,シアノ酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草
酸,イソ吉草酸,ピバル酸,トリフルオロ酢酸,トリク
ロロ酢酸,アセト酢酸などとの混合酸無水物),C7-12
芳香族カルボン酸混合酸無水物(たとえば遊離酸RbOHと
安息香酸,p−トルイル酸,p−クロロ安息香酸などとの混
合酸無水物),有機スルホン酸混合酸無水物(たとえば
遊離酸RbOHとメタンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベ
ンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸などとの混合
酸無水物)などが,活性アミドとしては含窒素複素環化
合物とのアミド(たとえば遊離酸RbOHとピラゾール,イ
ミダゾール,ベンゾトリアゾールなどとの酸アミドで,
これらの含窒素複素環化合物は前記のC1-6アルキル基,
C1-6アルコキシ基,ハロゲン原子,オキソ基,チオキソ
基,C1-6アルキルチオ基などで置換されていてもよい)
などがあげられる。活性エステルとしてはβ−ラクタム
およびペプチド合成の分野でこの目的に用いられるもの
はすべて利用でき、たとえば有機リン酸エステル(たと
えばジエトキシリン酸エステル,ジフェノキシリン酸エ
ステルなど)のほかp−ニトロフェニルエステル,2,4−
ジニトロフェニルエステル,シアノメチルエステル,ペ
ンタクロロフェニルエステル,N−ヒドロキシサクシンイ
ミドエステル,N−ヒドロキシフタルイミドエステル,1−
ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル,6−クロロ−1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル,1−ヒドロキ
シ−1H−2−ピリドンエステルなどがあげられる。活性
チオエステルとしては芳香族複素環チオール化合物との
エステル(たとえば2−ピリジルチオールエステル,2−
ベンゾチアゾリルチオールエステルなどで,これらの複
素環は前記のC1-6アルキル基,C1-6アルコキシ基,ハロ
ゲン原子,C1-6アルキルチオ基などで置換されていても
よい)があげられる。一方,7−アミノ化合物[II]は遊
離のまま,その塩あるいはエステルとして用いられる。
7−アミノ化合物[II]の塩としては無機塩基塩,アン
モニウム塩,有機塩基塩,無機酸付加塩,有機酸付加塩
などがあげられる。無機塩基塩としてはアルカリ金属塩
(たとえばナトリウム塩,カリウム塩など),アルカリ
土類金属塩(たとえばカルシウム塩など)などが、有機
塩基塩としてはたとえばトリメチルアミン塩,トリエチ
ルアミン塩,tert−ブチルジメチルアミン塩,ジベンジ
ルメチルアミン塩,ベンジルジメチルアミン塩,N,N−ジ
メチルアニリン塩,ピリジン塩,キノリン塩などが、無
機酸付加塩としてはたとえば塩酸塩,臭化水素酸塩,硫
酸塩,硝酸塩,リン酸塩などが、有機酸付加塩としては
ギ酸塩,酢酸塩,トリフルオロ酢酸塩,メタンスルホン
酸塩,p−トルエンスルホン酸塩などがあげられる。7−
アミノ化合物[II]のエステルとしては化合物[I]の
エステル誘導体としてすでに述べたエステルがここでも
そのままあげられる。すなわちC1-6アルキルエステ
ル,C2-6アルケニルエステル,C3-10シクロアルキルエ
ステル,C3-6シクロアルキルC1-6アルキルエステル,C
6-10アリールエステル,C7-12アラルキルエステ
ル,ジC6-10アリールメチルエステル,トリC6-10アリー
ルメチルエステル,C2-6アルカノイルオキシC1-6アルキ
ルエステルなどがあげられる。原料物質RbOHおよびその
塩・反応性誘導体は公知の方法またはそれに準ずる方法
によって容易に製造できる。化合物RbOHの反応性誘導体
は反応混合物から単離された物質として7−アミノ化合
物[II]と反応させてもよいし,または単離前の化合物
RbOHの反応性誘導体を含有する反応混合物をそのまま7
−アミノ化合物[II]と反応させることもできる。カル
ボン酸RbOHを遊離酸または塩の状態で使用する場合は適
当な縮合剤を用いる。縮合剤としてはたとえばN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのN,N′−ジ置換
カルボジイミド類,たとえばN,N′−カルボニルジイミ
ダゾール,N,N′−チオカルボニルジイミダゾールなどの
アゾライド類,たとえばN−エトキシカルボニル−2−
エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン,オキシ塩化リン,
アルコキシアセチレンなどの脱水剤,たとえば2−クロ
ロピリジニウムメチルアイオダイド,2−フルオロピリジ
ニウムメチルアイオダイドなどの2−ハロゲノピリジニ
ウム塩類などが用いられる。これらの縮合剤を用いた場
合、反応はカルボン酸RbOHの反応性誘導体を経て進行す
ると考えられる。反応は一般に溶媒中で行なわれ、反応
を阻害しない溶媒が適宜に選択される。このような溶媒
としてはたとえばジオキサン,テトラヒドロフラン,ジ
エチルエーテル,tert−ブチルメチルエーテル,ジイソ
プロピルエーテル,エチレングリコール−ジメチルエー
テルなどのエーテル類,たとえばギ酸エチル,酢酸エチ
ル,酢酸n−ブチルなどのエステル類,たとえばジクロ
ロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,トリクレン,1,2
−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類,たとえ
ばn−ヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化水素
類,たとえばホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミ
ド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類,たとえ
ばアセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケ
トンなどのケトン類,たとえばアセトニトリル,プロピ
オニトリルなどのニトリル類などのほか,ジメチルスル
ホキシド,スルホラン,ヘキサメチルホスホルアミド,
水などが単独または混合溶媒として用いられる。アシル
化剤(RbOH)の使用量は7−アミノ化合物[II]1モル
に対して通常1〜5モル,好ましは1〜2モルである。
反応は−80〜80℃,好ましくは−40〜50℃,最も好まし
くは−30〜30℃の温度範囲で行われる。反応時間は7−
アミノ化合物[II]およびカルボン酸RbOHの種類,溶媒
の種類(混合溶媒の場合はその混合比も),反応温度な
どに依存し、通常1分〜72時間,好ましくは15分〜3時
間である。アシル化剤として酸ハライドを用いた場合は
放出されるハロゲン化水素を反応系から除去する目的で
脱酸剤の存在下に反応を行うことができる。このような
脱酸剤としてはたとえば炭酸ナトリウム,炭酸カリウ
ム,炭酸カルシウム,炭酸水素ナトリウムなどの無機塩
基,たとえばトリエチルアミン,トリ(n−プロピル)
アミン,トリ(n−ブチル)アミン,ジイソプロピルエ
チルアミン,シクロヘキシルジメチルアミン,ピリジ
ン,ルチジン,γ−コリジン,N,N−ジメチルアニリン,N
−メチルピペジリン,N−メチルピロリジン,N−メチルモ
ルホリンなどの第3級アミン,たとえばプロピレンオキ
シド,エピクロルヒドリンなどのアルキレンオキシドな
とがあげられる。
ここにあげた方法によりたとえば前記した化合物[VI
I]を合成することができる。反応式は次に示すとおり
である。
カルボン酸[III]は公知の方法もしくはそれに準ず
る方法により容易に製造することができる。
(2−2):一般式 [式中、Rbはアシル基,その他の記号は前記と同意義を
示す]で表わされる化合物またはその塩もしくはエステ
ルと一般式A′[A′は前記と同意義を示す]で表わさ
れるピラゾール化合物またはその塩とを反応させること
により化合物[Ib](R0=Rb)を合成することができ
る。すなわち次の反応式で示される。
[式中、記号Rbはアシル基を、記号Z,R4,R13,R5および
Aは前記と同意義を示す] この反応は製造法(1)で述べた方法と本質的に同一の
反応であり、化合物[X]またはその塩もしくはエステ
ルに対してピラゾール化合物A′またはその塩を反応さ
せ、求核置換反応により化合物[I](R0=Rb)を合成
する方法である。化合物[X]においてR5はここでも水
酸基,アシルオキシ基,カルバモイルオキシ基,置換カ
ルバモイルオキシ基またはハロゲン原子を示す。化合物
[X]は遊離のまま、その塩あるいはエステルとして用
いられる。化合物[X]の塩,エステルとしては製造法
(2−1)において7−アミノ化合物[II]の塩,エス
テルとしてあげたものがここでもそのままあてはめられ
る。化合物[X],その塩およびエステルは公知の方法
またはそれに準ずる方法によって容易に製造できる。一
方ピラゾール化合物A′は置換されていてもよいピラゾ
ロ[1,5−a]ピリジンを示す。置換されていてもよい
ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(A′)は一般式 で書き表わされる。化合物A′上の置換基R11′およびR
12′としては基Aの置換基R11およびR12としてすでにあ
げたものがここでもそれぞれそのままあてはめられる。
またA′においてはピラゾール環の3,4−位が脂環,芳
香族環,複素環と縮合していてもよい。これらの例とし
ては、 などがあげられここでR12′は前記したものと同じであ
る。上記した置換基R11′,R12′はさらに置換されてい
てもよい。ピラゾール化合物A′は塩としても用いられ
る。化合物A′の塩としてはたとえば塩酸塩,臭化水素
酸塩,硫酸塩,硝酸塩,リン酸塩などの無機酸付加塩,
たとえばギ酸塩,酢酸塩,トリフルオロ酢酸塩,メタン
スルホン酸塩,p−トルエンスルホン酸塩などの有機酸付
加塩などがあげられる。ピラゾール化合物A′およびそ
の塩の一般的合成法は既知であり、文献記載の公知方法
またはそれに準ずる方法によって容易に製造できる。ピ
ラゾール化合物A′による化合物[X]への本求核置換
反応はそれ自体よく知られた反応であって、通常溶媒中
で行なわれる。この反応に用いられる溶媒としては製造
法(2−1)で使用されるエーテル類,エステル類,ハ
ロゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミド類,ケトン
類,ニトリル類,水などの溶媒がそのままあてはめられ
るが、これらのほかにたとえばメタノール,エタノー
ル,n−プロパノール,イソプロパノール,エチレングリ
コール,2−メトキシエタノールなどのアルコール類も用
いられる。またピラゾール化合物A′が液体の場合、こ
の化合物A′を化合物[X]に対して大過剰(たとえば
10〜200倍モル)使用して溶媒をも兼ねさせる場合があ
る。この場合、上記の溶媒を使用しなくてもよいし、ま
たは上記の溶媒とA′とを混合溶媒としてもよい。
(2−2−1):R5がアシルオキシ基,カルバモイルオ
キシ基,置換カルバモイルオキシ基の場合より好ましい
溶媒は水もしくは水と混合しうる有機溶媒と水との混合
溶媒で、水と混合しうる有機溶媒のうち、より好ましい
ものはアセトン,メチルエチルケトン,アセトニトリル
などがある。求核試薬A′の使用量は化合物[X]1モ
ルに対して通常1〜5モル,好ましくは1〜3モルであ
る。反応は10〜100℃,好ましくは30〜80℃の温度範囲
で行なわれる。
反応時間は化合物[X]および化合物A′の種類,溶媒
の種類(混合溶媒の場合はその混合比),反応温度など
に依存し、通常30分〜5日間,好ましくは1〜5時間で
ある。反応はpH2〜8,好ましくは中性付近すなわちpH5〜
8で行なうのが有利である。また本反応は通常2〜30当
量のヨウ化物またはチオシアン酸塩の存在下でより容易
に進行する。このような塩としてはヨウ化ナトリウム,
ヨウ化カリウム,チオシアン酸ナトリウム,チオシアン
酸カリウムなどがあげられる。上記の塩のほか、たとえ
ばトリメチルベンジルアンモニウムブロマイド,トリエ
チルベンジルアンモニウムブロマイド,トリエチルベン
ジルアンモニウムヒドロキサイドのような界面活性作用
を有する第4級アンモニウム塩を添加することによって
反応を円滑に進行させうる場合もある。
(2−2−2):R5が水酸基の場合 たとえば日本国公開特許公報昭58-43979などに記載さ
れた方法にしたがって有機リン化合物の存在下に行う。
ここで用いられる有機リン化合物としてはたとえばo−
フェニレンホスホロクロリデエイト、o−フェニレンホ
スホロフロリデエイト、メチル o−フェニレンホスフ
ェイト、エチル o−フェニレンホスフェイト、プロピ
ル o−フェニレンホスフェイト、イソプロピル o−
フェニレンホスフェイト、ブチル o−フェニレンホス
フェイト、イソブチル o−フェニレンホスフェイト、
sec−ブチル o−フェニレンホスフェイト、シクロヘ
キシル o−フェニレンホスフェイト、フェニル o−
フェニレンホスフェイト、p−クロロフェニル o−フ
ェニレンホスフェイト、p−アセチル o−フェニレン
ホスフェイト、2−クロロエチル o−フェニレンホス
フェイト、2,2,2−トリクロロエチル o−フェニレン
ホスフェイト、エトキシカルボニルメチル o−フェニ
レンホスフェイト、カルバモイルメチル o−フェニレ
ンホスフェイト、2−シアノエチル o−フェニレンホ
スフェイト、2−メチルスルホニルエチル o−フェニ
レンホスフェイト、ベンジル o−フェニレンホスフェ
イト、1,1−ジメチル−2−プロペニル o−フェニレ
ンホスフェイト、2−プロペニル o−フェニレンホス
フェイト、3−メチル−2−ブテニル o−フェニレン
ホスフェイト、2−チエニルメチル o−フェニレンホ
スフェイト、2−フルフリルメチル o−フェニレンホ
スフェイト、ビス−o−フェニレンピロホスフェイト、
2−フェニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール−2
−オキシド、2−(p−クロロフェニル)−1,3,2−ベ
ンゾジオキサホスホール−2−オキシド、2−ブチル−
1,3,2−ベンゾジオキサホスホール−2−オキシド、2
−アニリノ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール−2−
オキシド、2−フェニルチオ−1,3,2−ベンゾジオキサ
ホスホール−2−オキシド、2−メトキシ−5−メチル
−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール−2−オキシド、
2−クロロ−5−エトキシカルボニル−1,3,2−ベンゾ
ジオキサホスホール−2−オキシド、2−メトキシ−5
−エトキシカルボニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホ
ール−2−オキシド、5−エトキシカルボニル−2−フ
ェニル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール−2−オキ
シド、2,5−ジクロロ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホー
ル−2−オキシド、4−クロロ−2−メトキシ−1,3,2
−ベンゾジオキサホスホール−2−オキシド、2−メト
キシ−4−メチル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール
−2−オキシド、2,3−ナフタレンメチルホスフェイ
ト、5,6−ジメチル−2−メトキシ−1,3,2−ベンゾジオ
キサホスホール−2−オキシド、2,2−ジヒドロ−4,5,
6,7−テトラクロロ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,2−ベ
ンゾジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−4,5,6,7−テ
トラクロロ−2,2,2−トリフェノキシ−1,3,2−ベンゾジ
オキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2−エチレンジオ
キシ−2−メトキシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホー
ル、2,2−ジヒドロ−2−ベンジル−2,2−ジメトキシ−
1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−4,
5−ベンゾ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,2−ベンゾジオ
キサホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリフェノキ
シ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ
−2,2−(o−フェニレンジオキシ)−2−フェノキシ
−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、2−クロロ−2,2
−ジヒドロ−2,2−(o−フェニレンジオキシ)−1,3,2
−ベンゾジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2−メ
トキシ−2,2−(o−フェニレンジオキシ)−1,3,2−ベ
ンゾジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリ
クロロ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、9,10,−フ
ェナンスレンジオキシトリメトキシホスホラス、o−フ
ェニレンホスホロクロリダイト、o−フェニレンホスホ
ロブロミダイト,o−フェニレンホスホロフロリダイト、
メチル o−フェニレンホスファイト、ブチル o−フ
ェニレンホスファイト、メトキシカルボニルメチル o
−フェニレンホスファイト、フェニル o−フェニレン
ホスファイト、p−クロロ(またはp−ニトロ)フェニ
ル o−フェニレンホスファイト、2−フェニル−1,3,
2−ベンゾジオキサホスホール、ビス−o−フェニレン
ピロホスファイト、2−メトキシ−5−メチル−1,3,2
−ベンゾジオキサホスホール、5−アセチル−2−フェ
ノキシ、1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、9,10,−フ
ェナンスレンホスホロクロリダイト、2−クロロ−4−
メチル−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、5−エト
キシカルボニル−2−フェニル−1,3,2−ベンゾジオキ
サホスホール、2−クロロ−2−チオキソ−1,3,2−ベ
ンゾジオキサホスホール、2−フェノキシ−2−オキソ
−1,3,2−ベンゾジアザホスホール、2−フェノキシ−
1,3,2−ベンゾジオキサアザホスホール、2,2−ジヒドロ
−2−オキソ−2−メトキシ−4,5−ジメチル−1,3,2−
ジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2
−クロロ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホー
ル、2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2−(1−イミダゾ
リル)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホール、
2,2−ジヒドロ−2,2−エチレンジオキシ−2−メトキシ
−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2−
ジヒドロ−2,2−ジメトキシ−2−フェノキシ−4,5−ジ
メチル−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−
2,2,2−トリメトキシ−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキ
サホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリフェノキシ
−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2−
ジヒドロ−2,2,2−トリエトキシ−4,5−ジフェニル−1,
3,2−ジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2,2−ト
リメトキシ−4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサホスホ
ール、2,2−ジヒドロ−2−オキソ−2−メトキシ−4,5
−ジフェニル−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2−ジヒ
ドロ−2,2,2−トリメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホー
ル、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリメトキシ−4−フェニ
ル−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2−ジヒドロ−2,2,
2−トリメトキシ−4−メチル−1,3,2−ジオキサホスホ
ール、2,2−ジヒドロ−2,2,2−トリメトキシ−4−メチ
ル−5−フェニルカルバモイル−1,3,2−ジオキサホス
ホール、2,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2,2,2−トリメト
キシ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール、2,2′−オキ
シビス(4,5−ジメチル−2,2−ジヒドロ−1,3,2−ジオ
キサホスホール)、2,2′−オキシビス(4,5−ジメチル
−2,2−ジヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホール−2−オ
キシド)などがあげられる。反応に用いる溶媒は反応を
阻害しないものであればよく、好ましくは前記したエー
テル類、エステル類,ハロゲン化炭化水素類,炭化水素
類,アミド類,ケトン類,ニトリル類などが単独または
混合溶媒として用いられる。とりわけ、たとえばジクロ
ロメタン,アセトニトリル,ホルムアミド,ホルムアミ
ドとアセトニトリルの混合溶媒,ジクロロメタンとアセ
トニトリルの混合溶媒などを使用すると好効果が得られ
る。求核試薬A′および有機リン化合物の使用量は化合
物[X]1モルに対してそれぞれ1〜5モル,1〜10モ
ル,より好ましくはそれぞれ1〜3モル,1〜6モルであ
る。反応は−80〜50℃,好ましくは−40〜40℃の温度範
囲で行なわれる。反応時間は通常1分〜15時間,好まし
くは5分〜2時間である。反応系に有機塩基を添加して
もよい。このような有機塩基としてはたとえばトリエチ
ルアミン,トリ(n−ブチル)アミン,ジ(n−ブチ
ル)アミン,ジイソブチルアミン,ジシクロヘキシルア
ミン,2,6−ルチジンなどのアミン類があげられる。塩基
の添加量は化合物[X]1モルに対して1〜5モルがよ
い。
(2−2−3):R5がハロゲン原子の場合 好ましい溶媒は前記のエーテル類,エステル類,ハロ
ゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミド類,ケトン類,
ニトリル類,アルコール類,水などである。求核試薬
A′の使用量は化合物[X]1モルに対して通常1〜5
モル,好ましくは1〜3モルである。反応は0〜80℃,
好ましくは20〜60℃の温度範囲で行なわれる。反応時間
は通常30分〜15時間,好ましくは1〜5時間である。反
応を促進するため脱ハロゲン剤の存在下に反応を行うこ
ともできる。このような脱ハロゲン剤としては製造法
(2−1)の項で述べた無機塩基,第3級アミン,アル
キレンオキシド類などの脱酸剤がここでもあげられる
が、求核試薬A′自身を脱ハロゲン剤として働かせても
よい。この場合には化合物A′を化合物[X]1モルに
対して2モル以上使用する。R5で示されるハロゲン原子
は塩素,臭素,ヨウ素などであるが、好ましくはヨウ素
である。R5がヨウ素である化合物[X]はたとえば日本
国公開特許公報昭58-57390に記載の方法またはそれに準
ずる方法などを用いて容易に製造できる。ここにあげた
方法によりたとえば前記した化合物[VII]もしくは[V
III]を合成することができる。反応式は次に示すとお
りである。
化合物[III]および[IV]は公知の方法もしくはそれ
に準ずる方法により容易に製造することができる。
また化合物[VII],[VIII]を含む下記の化合物[X
I]は上記の製造法(2−1)または(2−2)の方法
のほか、下記の製造法(2−3)の方法によっても製造
することができる。化合物[VII]は(2−1),(2
−2)または(2−3)の方法のほか、下記の(2−
4)の方法によっても製造することができる。
(2−3):反応式は次のとおりである。
[式中、記号R22′は置換されていてもよい複素環基
を、記号Z,R4,R13,AおよびR3は前記と同意義を示す]本
法はヒドロキシイミノ化合物[V]に対して一般式R3
OHで示される化合物またはその反応性誘導体を反応させ
て化合物[XI]を合成する方法であり、よく知られたエ
ーテル化反応である。ここでR22″が、 の場合、生成物[XI]はそれぞれ化合物[VII]または
[VIII]である。R3″は置換されていてもよい炭化水素
残基を示し、このような炭化水素残基としてはR3におけ
る置換されていてもよい炭化水素残基としてすでにあげ
たものがここでもそのままあてはめられる。R3″OHはそ
のままあるいはその反応性誘導体として用いられる。
R3″OHの反応性誘導体はヒドロキシイミノ化合物[V]
の水素原子とともに離脱する基を有するR3″OHの誘導
体、すなわち一般式R3″Yで表わされる化合物を意味す
る。ここで水素原子とともに離脱する基Yはハロゲン原
子,スルホ基,モノ置換スルホニルオキシ基などを示
す。ハロゲン原子としては塩素,臭素,ヨウ素などがあ
げられる。モノ置換スルホニルオキシ基としてはたとえ
ばメタンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシ,
ベンゼンスルホニルオキシ,p−トルエンスルホニルオキ
シなどのC1-6アルキルスルホニルオキシ基,C6-10アリ
ールスルホニルオキシ基などがあげられる。また特に化
合物[V]のC1-4アルキルエーテル体を製造する場合に
は上記の反応性誘導体のほか、たとえばジアゾメタン,
ジアゾエタンなどのC1-4ジアゾアルカン,たとえばジメ
チル硫酸,ジエチル硫酸などのジC1-4アルキル硫酸など
も用いられる。
化合物[V]は製造法(2−1)で述べたアシル化反
応または製造法(2−2)で述べた求核置換反応にした
がって合成することができる。すなわち、それぞれ次の
反応式で示される。
また原料化合物[XII]および[X′]も公知の方法
またはそれに準ずる方法により容易に合成することがで
きる。化合物R3″OHおよびその反応性誘導体も公知の方
法またはそれに準ずる方法により容易に合成することが
できる。
(2−3−1):R3″OHを使用する場合 適当な脱水剤を用いてヒドロキシイミノ化合物[V]
と反応させ化合物[XI]を合成する。このような目的に
使用される脱水剤としてはたとえばオキシ塩化リン,塩
化チオニル,アゾジカルボン酸ジアルキル(通常、ホス
フィンとの共存で使用される),N,N′−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドなどがあげられ、好ましくはトリフェ
ニルホスフィン共存下のアゾジカルボン酸ジエチルであ
る。トリフェニルホスフィン共存下でアゾジカルボン酸
ジエチルを用いる反応は通常、無水の溶媒中で行なわ
れ、前記のエーテル類,炭化水素類などが使用される。
ヒドロキシイミノ化合物[V]1モルに対して化合物
R3″OH,アゾジカルボン酸エチル,トリフェニルホスフ
ィンはいずれも1〜1.5モル用いられる。0〜50℃の温
度範囲で1〜4日間を要する。(2−3−2):R3″Y
を使用する場合 R3″Yとヒドロキシイミノ化合物[V]との反応は通
常のエーテル化反応であって、溶媒中で行なわれる。溶
媒としては製造法(2−1)の項であげたエーテル類,
エステル類,ハロゲン化炭化水素類,炭化水素類,アミ
ド類,ケトン類,ニトリル類,アルコール類,水などの
溶媒もしくは混合溶媒がここでもあげられ、好ましくは
水と混合しうる溶媒と水との混合溶媒(たとえば含水メ
タノール,含水エタノール,含水アセトン,含水ジメチ
ルスルホキシドなど)である。本反応は適当な塩基の存
在下に円滑に進行させることもできる。このような塩基
としてはたとえば炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩,たとえば水酸
化ナトリウム,水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物などの無機塩基があげられる。また本反応をpH7.5
〜8.5の緩衝溶液中で行なってもよい。原料化合物
[V]1モルに対して使用する試薬R3″Yおよび塩基の
モル数はそれぞれ1〜5,1〜10,好ましくはそれぞれ1〜
3,1〜5である。反応温度は−30〜100℃,好ましくは0
〜80℃の範囲である。反応時間は10分〜15時間,好まし
くは30分〜5時間である。
(2−3−3):C1-4ジアゾアルカンを使用する場合 反応は通常溶液中で行なわれる。溶液としては前記の
エーテル類,炭化水素類などが用いられる。ヒドロキシ
イミノ化合物[V]を溶液に溶解したのち、ジアゾアル
カン化合物の溶液を加えると反応は進行する。試薬は化
合物[V]1モルに対して1〜10モル,好ましくは1〜
5モル使用する。反応は比較的低温で行なわれ−50〜20
℃,好ましくは−30〜0℃である。反応時間は1分〜5
時間,好ましくは10分〜1時間である。
(2−3−4):ジC1-4アルキル硫酸を使用する場合 反応は通常、水もしくは水と混合しうる溶媒と水との
混合溶媒中で行なわれる。混合溶媒としては製造法(2
−3−2)であげた含水溶媒がここでもあげられる。こ
の反応は通常、たとえば水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物などの無機塩基の存在
下に行なわれる。試薬は化合物[V]1モルに対して0.
5〜10モル,好ましくは1〜2モル使用する。反応温度
は20〜100℃,好ましくは50〜100℃の範囲である。反応
時間は10分〜5時間,好ましくは30分〜3時間である。
(2−4):反応式は次のとおりである。
[式中、記号Z,R4,R13,A,R1,R2およびR3は前記と同意義
を示す] 本法は化合物[VI]と一般式R1C(=S)NH2で表わされ
るチオ尿素またはチオ尿素誘導体とを反応させて目的化
合物[VII]を合成する方法である。化合物[VI]は遊
離のまま,塩あるいはエステルとして用いられる。化合
物[VI]におけるXはたとえば塩素,臭素,ヨウ素など
のハロゲン原子を示す。化合物[VI]の塩としては製造
法(2−1)の項であげた7−アミノ化合物[II]の塩
(無機塩基塩,アンモニウム塩,有機塩基塩,無機酸付
加塩,有機酸付加塩など)がここでもあてはめられる。
化合物[VI]のエステルとしては同じく製造法(2−
1)の項であげた7−アミノ化合物[II]のエステル
(C1-6アルキルエステル,C2-6アルケニルエステル,
C3-10シクロアルキルエステル,C3-6シクロアルキルC
1-6アルキルエステル,C6-10アリールエステル,C
7-12アラルキルエステル,ジC6-10アリール−メチル
エステル,トリC6-10アリール−メチルエステル,C2-6
アルカノイルオキシC1-6アルキルエステルなどがここで
もあてはめられる。原料化合物[VI]は一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
物またはその塩もしくは反応性誘導体と前記の7−アミ
ノ化合物[II]またはその塩あるいはエステルとを、製
造法(2−1)で述べた方法にしたがって反応させるこ
とにより容易に製造することができる。一般式 で表わされる化合物またはその反応性誘導体はそれ自体
公知の方法またはそれに準ずる方法によって容易に製造
できる。化合物[VI]とR1C(S=)NH2との反応は通常
溶媒中で行なわれる。溶媒としてはたとえばジオキサ
ン,テトラヒドロフラン,ジエチルエーテルなどのエー
テル類,たとえばメタノール,エタノール,n−ブロパノ
ールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド,ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類,などが用いられる。
チオ尿素またはその誘導体R1C(S=)NH2の使用量は化
合物[VI]に対して通常1〜5モル,好ましくは1〜3
モルである。反応は0〜100℃,好ましくは20〜60℃の
温度範囲で行なわれる。反応時間は通常30分〜15時間,
好ましくは1〜5時間である。
また上記した製造法(2−1)〜(2−4)により製
造される化合物[Ib]の置換基Rb中にヒドロキシイミノ
基(または置換ヒドロキシイミノ基)が存在する場合
(たとえば化合物[VII],[VIII]など),化合物
[I]がシン[Z]−,アンチ[E]−異性体の混合物
として得られる場合がある。混合物から所望のシン異性
体を分離するには自体公知の方法またはそれに準ずる方
法が適用される。それらの方法としてはたとえば溶解
性,結晶性などの差を利用した分別法,クロマトグラフ
ィーによる分離,エステル誘導体の加水分解速度の差を
利用した分離法などがあげられる。
上記した製造法(1)および(2)の反応ののち、要
すれば保護基の除去および精製を行うことにより本発明
の目的化合物[I]を得ることができる。以下に保護基
の除去法および精製法について説明する。
保護基除去法:前記した通りβ−ラクタムおよびペプ
チド合成の分野ではアミノ基の保護基は充分に研究され
ていてその保護法はすでに確立されている。また、アミ
ノ保護基の除去法も同様に確立されており、本発明にお
いても保護基の除去は従来の技術をそのまま利用でき
る。たとえばモノハロゲノアセチル基(クロロアセチ
ル,ブロモアセチルなど)はチオ尿素により,アルコキ
シカルボニル基(メトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,tert−ブドキシカルボニルなど)は酸(たとえば
塩酸など)により,アラルキルオキシカルボニル基(ベ
ンジルオキシカルボニル,p−メチルベンジルオキシカル
ボニル,p−ニトロベンジルオキシカルボニルなど)は接
触還元により,2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルは
亜鉛と酸(たとえば酢酸など)により除去することがで
きる。一方、合成中間体として化合物[I]がエステル
化されている場合もそれ自体公知の方法またはそれに準
ずる方法によってエステル残基を除去することができ
る。たとえば2−メチルスルホニルエチルエステルはア
ルカリにより,アラルキルエステル(ベンジルエステ
ル,p−メトキシベンジルエステル,p−ニトロベンジルエ
ステルなど)は酸(たとえばトリフルオロ酢酸など)ま
たは接触還元により,2,2,2−トリクロロエチルエステル
は亜鉛と酸(たとえば酢酸など)により,シリルエステ
ル(トリメチルシリルエステル,tert−ブチルジメチル
シリルエステルなど)は水のみにより除去することがで
きる。
化合物[I]の精製法:製造法(1)および(2)に
詳記した各種製造法により,また要すれば上記の保護基
除去法をつづいて行うことにより反応混合物中に生成し
た化合物[I]は抽出法,カラムクロマトグラフィー,
沈澱法,再結晶法などの公知の処理手段によって単離精
製することができる。一方、単離された化合物[I]を
公知の方法により所望の生理学的に受容される塩または
代謝上不安定な無毒のエステルへと変換することもでき
る。
セフェム化合物([I],Z=S)のスルホキシド
([I],Z=S→O)は化合物([I],Z=S)の酸化
反応により得られる。このような酸化反応はよく知られ
た反応である。セフェム環中の硫黄原子の酸化に適した
酸化剤としてはたとえば酸素,過酸,ヒドロパーオキシ
ド,過酸化水素なとがあげられ、過酸はその場で酸と過
酸化物の混和によって製造することもできる。過酸とし
ては過酢酸,過安息香酸,p−クロル過安息香酸などが繁
用される。反応は通常、溶媒中で行なわれる。この反応
に用いられる溶媒としてはたとえばジオキサン,テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類,たとえばジクロロメタ
ン,クロロホルム,クロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素類,たとえばギ酸,酢酸,トリフルオロ酢酸など
の有機酸類,たとえばジメチルホルムアミド,ジメチル
アセトアミドなどのアミド類などがあげられる。反応温
度は−20〜80℃の範囲で行なわれるが、なるべく低い温
度,好ましくは−20〜20℃で行なわれる。セフェム化合
物([I],Z=S)の酸化に際してはS−立体配位をも
つスルホキシドが主に生成することが一般に知られてい
る。R−およびS−スルホキシドはそれらの異なる溶解
性およびクロマトグラフィー分離に際しての異なる移動
速度によって分離される。スルホキシドを得るための上
記の酸化反応は前記製造法(1)および(2)の反応の
前に行なってもよいし、また(1)および(2)の反応
の後に行なってもよい。
化合物[VII]および[VIII]を含む本発明の化合物
[I]は公知のペニシリン剤,セフアロスポリン剤と同
様に注射剤,カプセル剤,錠剤,顆粒剤として非経口ま
たは経口的に投与できる。投与量は前記したような病原
性細菌に感染した人および動物の体重1kgあたり0.5〜80
mg/日,より好ましくは1〜20mg/日を1日3〜4回に分
割して投与すればよい。注射剤として用いられる場合の
担体は、たとえば蒸留水,生理食塩水などが用いられ、
カプセル剤,粉剤,顆粒剤,錠剤として用いられる場合
は、公知の薬学的に許容される賦形剤(たとえばデンプ
ン,乳糖,白糖,炭酸カルシウム,リン酸カルシウムな
ど),結合剤(たとえばデンプン,アラビアゴム,カル
ボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロー
ス,結晶セルロースなど),滑沢剤(たとえばステアリ
ン酸マグネシウム,タルクなど),破壊剤(たとえばカ
ルボキシメチルカルシウム,タルクなど)と混合して用
いられる。
発明を実施するための最良の形態 本発明はさらに下記の参考例,実施例で詳しく説明さ
れるが、これらの例は単なる実例であって本発明を限定
するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲
で変化させてもよい。
参考例,実施例のカラムクロマトグラフィにおける溶
出はTLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグ
ラフィ)による観察下に行なわれた。TLC観察において
は、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製のBOF
254を、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィで溶
出溶媒として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器
を採用した。カラム用シリカゲルは同じくメルク社製の
キーゼルゲル60(230〜400メッシュ)を用いた。“セフ
ァデックス”はファルマシア・ファイン・ケミカルズ社
(Pharmacia Fine Chemicals)製である。XAD-II樹脂は
ローム・アンド・ハース社製(Rohm & Haas Co.)製で
ある。NMRスペクトルは内部または外部基準としてテト
ラメチルシランを用いてXL-100A(100MHz),EM360(60M
Hz),EM390(90MHz)またはT60(60MHz)型スペクトロ
メーターで測定し、全δ値をppmで示した。混合溶媒に
おいて()内に示した数値は各溶媒の容量混合比であ
る。また溶液における%は溶液100ml中のg数を表わ
す。また参考例,実施例中の記号は次のような意味であ
る。s :シングレット(singlet) d :ダブレット(doublet) t :トリプレット(triplet) q :クワルテット(quartet) ABq :AB型クワルテット(AB type quartet) d.d :ダブル ダブレット(double doub- let) m :マルチプレット(multiplet) br. :ブロード(broad) J :カップリング定数(coupling con- stant) Hz :ヘルツ(Herz) mg :ミリグラム(milligram) g :グラム(gram) ml :ミリリーター(milliliter) l :リーター(liter) % :パーセント(percent) DMSO :ジメチルスルホキシド(dimethyl- sulfoxide) D2O :重水 CDCl3 :重クロロホルム 参考例1 7β−[2−(2−クロロアセトアミドチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸。
7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸157g をテトラヒドロフラン500mlと水500mlの混合液に懸濁
させ、かきまぜながら炭酸水素ナトリウム141gを少量づ
つ加える。ついで5℃で攪拌しながら2−(2−クロロ
アセトアミドチアゾール−4−イル)−2(Z)−メト
キシイミノアセチルクロライド・塩酸塩150gを20分間で
加え、同温度で反応液をさらに1時間かきまぜる。反応
終了後10%塩酸でpH3.0としたのち、反応液を酢酸エチ
ル−テトラヒドロフラン(1:1)の混合液各1で2回
抽出する。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧下で溶媒を留去し、得られた無色粉末を酢酸エチル20
0mlで洗浄後ろ取すると標記化合物253gが得られる。
元素分析値:C20H20ClN5O9S2として、 計算値(%):C,41.85;H,3.51;N,12.20。
実測値(%):C,41.39;H,3.57;N,11.94。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.20(3H,s),3.45と3.6
8(2H,ABq,J=18Hz),3.65(2H,s),3.92(3H,s),4.38
(2H,s),4.79と5.09(2H,ABq,J=13Hz),5.18(1H,d,J
=5Hz),5.85(1H,d.d,J=5Hzと8Hz),7.44(1H,s),9.
66(1H,d,J=8Hz),12.85(1H,br.s)。
参考例2 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸。
7β−2−[2−(クロロアセトアミドチアゾール−
4−イル)−2−(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−
セフェム−4−カルボン酸150gをテトラヒドロフラン−
水(1:1)の混合液500mlに溶解後N−メチルジチオカル
バミン酸ナトリウム51gを加え、20℃で3時間かきまぜ
る。反応液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を除去し
水層を10%塩酸でpH4にすると油状物が析出する。これ
をテトラヒドロフラン−酢酸エチル(1:1)の混合液1
で抽出し、さらに水層を1−ブタノール200mlで抽出
する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で
溶媒を留去する。残留物に酢酸エチル200mlを加えてか
きまぜ、析出した結晶をろ取すると標記化合物90gが得
られる。
元素分析値:C18H19N5O8S2として、 計算値(%):C,42.19;H,4.30;N,13.55。
実測値(%):C,41.94;H,4.11;N,13.59。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.20(3H,s),3.43と3.6
5(2H,ABq,J=18Hz),3.63(2H,s),3.86(3H,s),4.78
と5.06(2H,ABq,J=13Hz),5.14(1H,d,J=5Hz),5.79
(1H,d.d,J=5Hzと8Hz),6.73(1H,s),7.17(2H,b
r.),9.56(1H,d,J=8Hz)。
参考例3 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−エトキシイミノ酢酸23gをジメチルホルムアミド100ml
にとかし、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15gとジ
シクロヘキシルカルボジイミド20.6gを加えて20℃で1.5
時間かきまぜる。不溶物をろ去後、ろ液を7β−アミノ
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸31gとトリエチルアミン28mlのジ
メチルホルムアミド100ml溶液に氷冷下で加える。反応
液を20℃で3時間かきまぜたのちジエチルエーテル500m
lを加え、析出固型物をろ取する。これを水100mlに溶解
後10%塩酸でpH3.0としたのち、メチルエチルケトン各2
00mlで2回抽出する。抽出液を水洗し無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し得られた固型物を酢
酸エチルで洗浄すると標記化合物31gが得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.30(3H,t,J=7.5Hz),
2.25(3H,S),3.45-3.65(4H,m),4.20(2H,q,J=7.5H
z),4.70と5.10(2H,ABq,J=18Hz),5.25(2H,d,J=5H
z),5.90(1H,d.J=5Hzと8Hz),6.90(1H,s),7.20-7.8
0(2H,br.),9.80(1H,d,J=7.5Hz)。
参考例4 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−アリルオキシイミノアセトアミド]−3−
(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−
4−カルボン酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−アリルオキシイミノ酢酸13gをジメチルホルムアミド5
0mlにとかし、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール8gと
ジシクロヘキシルカルボジイミド10.3gを加え20℃で3
時間かきまぜる。不溶物をろ去後、ろ液を7β−アミノ
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸16gとトリエチルアミン10gのジメ
チルホルムアミド50ml溶液に氷冷下で加える。反応液を
20℃で3時間かきまぜるたのち、ジエチルエーテル500m
lを加えエーテル層を除き、得られた不溶物を水50mlに
溶解させついで10%塩酸でpH3.0に調整すると粗製の標
記化合物が得られる。これを酢酸エチル−テトラヒドロ
フラン(1:1)の混合液500mlに溶解させ無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、活性炭処理しついで減圧下で溶媒を留
去すると標記化合物25gが無晶形粉末として得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.30(3H,s),3.45-3.66
(4H,m),4.64(2H,d,J=6Hz),4.80-5.10(2H,ABq,J=
18Hz),5.23(2H,d,J=9Hz),5.26(2H,d,J=5Hz),5.9
0(1H,d.d,J=5Hzと9Hz),5.90-6.20(1H,m),6.80(1
H,s),7.20-8.00(2H,br.),9.83(1H,d,J=9Hz)。
参考例5 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(tert−ブトキシカルボニルメトキシイミ
ノ)アセトアミド]−3−(3−オキソブチリルオキシ
メチル)−3−セフェム−4−カルボン酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(tert−ブトキシカルボニルメトキシイミノ)酢酸6.
0gをジメチルホルムアミド20mlにとかし、1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール3.5gとジシクロヘキシルカルボジ
イミド4.4gを加え20℃で3時間かきまぜる。不溶物をろ
去後、ろ液を7β−アミノ−3−(3−オキソブチリル
オキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸6.2gと
トリエチルアミン4.0gのジメチルホルムアミド20ml溶液
に氷冷下で加え、反応液を20℃で8時間かきまぜる。ジ
エチルエーテル200mlを反応液に加えエーテル層を除去
し、残渣を水50mlに溶解させた後10%塩酸でpH4に調整
すると結晶が析出する。これをろ取して水洗後ジエチル
エーテルで洗浄し、乾燥すると標記化合物10gが得られ
る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.50(9H,s),2.20(3H,
s),3.40-3.60(4H,m),4.40(2H,s),4.80と5.10(2H,
ABq,J=14Hz),5.20(1H,d,J=5Hz),5.80(1H,d.d,J=
5Hzと8Hz),6.70(1H,s),7.20-7.80(2H,br.),9.30
(1H,d,J=8Hz)。
参考例6 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチ
ルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(3−オキソ
ブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン
酸。
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルエトキ
シイミノ)酢酸16gをジメチルホルムアミド30mlにとか
し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール8.0gとジクロヘ
キシルカルボジイミド11gを加えて20℃で10時間かきま
ぜる。不溶物をろ去後、ろ液を7β−アミノ−3−(3
−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−
カルボン酸16gとトリエチルアミン10gのジメチルホルム
アミド50ml溶液に氷冷下で加え、反応液を20℃で24時間
かきまぜる。ジエチルエーテル500mlを反応液に加えエ
ーテル層を除去し、残渣を水100mlに溶解させたのち10
%塩酸でpH4.0に調製すると結晶が析出する。これをろ
取して水洗後エチルエーテルで洗浄し、乾燥すると標記
化合物25gが得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.35(15H,s),2.25(3
H,s),3.40-3.60(4H,m),4.80-5.10(2H,ABq,J=14H
z),5.25(1H,d,J=5Hz),5.80(1H,d.d,J=5Hzと8H
z),6.70(1H,s),7.20-7.80(2H,br.),9.30(1H,d,J
=8Hz)。
参考例7 7β−[2−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−メ
トキシイミノアセトアミド]−3−(3−オキソブチリ
ルオキシメチル)−3−(3−セフェム−4−カルボン
酸。
2−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1,2,4
−チアジアゾール−3−イル)−2(Z)−メトキシイ
ミノ酢酸302mgを4mlのジクロロメタンに加え、ついで20
8mgの五塩化リンを加えて氷冷下に15分間かきまぜる。
溶媒を減圧下に留去し残留物にヘキサンを加える。再び
減圧下に乾固し、残留物をジクロロメタンに溶かす。こ
の液を7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシ
メチル)−3−セフェム−4−カルボン酸300mgおよび
トリエチルアミン0.6mlを5mlのジメチルアセタミドに溶
かした液に加え、氷冷下に30分間かきまぜる。反応液に
リン酸1gを水10mlに溶かして加え、メチルエチルケトン
(10ml)で抽出したのち、抽出液を水洗し硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。溶媒を減圧下に留去して残留物に酢酸
エチルを加え、再び留去すると390mgの標記の化合物を
得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.56(9H,s),2.20(3H,
s),3.43と3.70(2H,ABq,J=18Hz),3.65(2H,s),4.00
(3H,s),4.80と5.12(2H,ABq,J=12Hz),5.18(1H,d,J
=4.5Hz),5.88(1H,d.d,J=9Hzと4.5Hz),9.63(1H,d,
J=9Hz)。
参考例8 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−
セフェム−4−カルボン酸 7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸11gを200mlのジク
ロロメタンに懸濁し、これにビストリメチルシリルアセ
トアミド14gを加えて室温で溶液となるまでかきまぜ
る。ついで氷冷し、2−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセ
チルクロリド14gを加え、しばらくかきまぜたのち、ジ
メチルアセトアミド6gを加え、氷冷下に60分間かきまぜ
る。ジクロロメタンを留去し、残留物をメチルエチルケ
トンに溶かす。水洗・乾燥したのち溶媒を留去し、残留
物にジメチルエーテルを加えて粉末としてろ取し、12.5
gの標記の化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.25(3H,t,J=7Hz),2.
18(3H,s),3.41と3.63(2H,ABq,J=18Hz),3.62(2H,
s),4.18(2H,q,J=7Hz),4.76と5.06(2H,ABq,J=13H
z),5.14(1H,d,J=4.8Hz),5.82(1H,d.d,J=8Hzと4.8
Hz),8.00(2H,br.),9.48(1H,d,J=8Hz)。
参考例9 7β−ホルムアミド−3−(3−オキソブチリルオキ
シメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸。
7β−アミノ−3−(3−オキソブチリルオキシメチ
ル)−3−セフェム−4−カルボン酸3.2gをギ酸60mlに
溶解し0〜5℃に冷却する。攪拌下に無水酢酸20mlを30
分間かけて滴下し、同温度で30分間、ついで室温で1時
間攪拌する。減圧下溶媒を留去し、残渣をメチルエチル
ケトンに溶解して、水,飽和食塩水で洗ったのち無水硫
酸マグネシウム上で乾燥する。減圧下に溶媒を留去し残
渣にジイソプロピルエーテル−n−ヘキサンを加えて粉
末化し、ろ取すると標記の化合物が淡黄色粉末として3.
1g得られる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:2.20(3H,s),3.45と3.6
8(2H,ABq,J=18Hz),3.63(2H,s),4.79と5.09(2H,AB
q,J=13Hz),5.11(1H,d,J=4.5Hz),5.79(1H,d.d,J=
4.5Hzと8Hz),8.15(1H,br.s),9.00(1H,d,J=8Hz)。
参考例10 7β−[2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミドチ
アゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセ
トアミド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)
−3−セフェム−4−カルボン酸。
2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミドチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノ酢酸2.39g
を50mlのジクロロメタンに加え、−5℃から−8℃に冷
却しつつ五塩化リン2.13gを加えて45分間かきまぜる。
反応液に150mlのヘキサンを少量ずつ加え、沈澱する暗
色油状物をわけ取り、さらにヘキサンで洗浄して粗な対
応クロリドを得る。重炭酸ナトリウム2.06gを15mlの水
に溶かした液に7−アミノ−3−(3−オキソブチリル
オキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸2.06g
を15mlのテトラヒドロフランに溶かした液を加え、つい
で上記クロリドを内温を0−3°に保ちながら加える。
加え終ってから1時間5℃以下でさらに1時間室温でか
きまぜたのち、メチルエチルケトン50mlを加え、濃塩酸
で酸性とし、有機層を分取して取る。水層をメチルエチ
ルケトンで抽出し、有機層と抽出液とを合せて乾燥(無
水硫酸ナトリウム)したのち溶媒を減圧留去すると2.94
gの標記化合物が淡橙黄色粉末として得られる。
NMRスペクトル(CDCl3+d6‐DMSO)δ:2.23(3H,s),3.
24-3.73(2H,m),3.50(2H,s),4.01(3H,s),4.21,(2
H,s)4.91と5.18(2H,ABq,J=13Hz),5.05(1H,d,J=4.
5Hz),5.88(1H,d.d,J=4.5Hzと9Hz),6.43(2H,br.),
8.79(1H,d,J=9Hz)。
参考例11 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸。
7−[2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミドチ
アゾール−4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセ
トアミド]−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)
−3−セフェム−4−カルボン酸2.94gを水13mlとテト
ラヒドロフラン13mlとの混液にとかし、ナトリウム N
−メチルジチオカーバメート計1.15gを3回にわけて加
えつつ、室温で3時間かきまぜる。反応液に酢酸エチル
を加え、濃塩酸で酸性にし、酢酸エチル層を分取してす
てる。水層を計200mlのメチルエチルケトンで抽出し、
抽出液を食塩水で洗浄したのち乾燥(無水硫酸ナトリウ
ム)して溶媒を留去すると、2.28gの標記化合物が得ら
れる。
NMRスペクトル(d6‐DMSO+CDCl3)δ:2.21(3H,s),3.
3-3.75(2H,m),3.57(2H,s),3.90(2H,s),4.81と5.0
9(2H,ABq,J=13Hz),5.07(1H,d,J=5Hz),5.77(1H,
d.d,J=5Hzと9Hz),7.10(2H,br.),9.46(1H,d,J=9H
z)。
参考例12 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸。
2−(5−クロロ−2−クロロアセトアミドチアゾー
ル−4−イル)−2(Z)−エトキシイミノ酢酸より参
考例10および11と同様にして標記の化合物を得る。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.27(3H,t,J=7Hz),2.
20(3H,s),3.3〜3.8(2H,m),3.62(2H,s),4.17(2H,
q,J=7Hz),4.83と5.09(2H,ABq,J=12Hz),5.13(1H,
d,J=5Hz),5.81(1H,d.d,J=5Hzと8Hz),6.63(1H,br.
s),7.24(2H,br.s),9.50(1H,d,J=8Hz)。
実施例1 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(ピ
ラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)メチル]−
3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸2.0g,ピラゾロ[1,5-a]ピリジン2.0gおよびヨ
ウ化カリウム2.0gをアセトニトリル−水(1:1)の混合
液30mlに溶解させて70℃で1.5時間攪拌する。反応液を
減圧下で濃縮後、残留物を酢酸エチル30mlで洗浄し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付す。アセトニト
リル−水(4:1)の混合液で溶出して目的物を含む分画
を集め、減圧下で濃縮する。得られた残留物をXAD-IIカ
ラムクロマトグラフィーに付し、20%エタノール水で溶
出する。目的物を含む分画を集めて減圧下で濃縮後残留
物を凍結乾燥すると標記化合物0.11gが得られる。
元素分析値:C21H19N7O5S2・11/2H2Oとして, 計算値(%):C,41.17;H,4.94;N,16.00。
実測値(%):C,41.23;H,4.25;N,16.38。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.80(3H,s),5.05(1H,
d,J=4.5Hz),5.07と5.35(2H,ABq,J=13Hz),5.68(1
H,d.d,J=4.5Hzと8Hz),6.67(1H,s),7.14(2H,br.
s),7.5-8.2(3H,m),8.12-8.34(1H,m),8.58-8.71(1
H,m),8.77-8.95(1H,m),9.47(1H,d,J=8Hz)。
実施例1に記載した方法と同じ方法を用いて7β−
[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2(Z)
−(置換オキシイミノ)アセトアミド]−3−(3−オ
キソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カル
ボン酸と各種ピラゾール誘導体との反応から一般式 で表わされる以下の実施例2〜4の化合物を製造するこ
とができる。
実施例2 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−[(ピ
ラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)メチル]−
3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C22H21N7O5S2・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,43.42;H,4.97;N,16.11。
実測値(%):C,43.21;H,5.26;N,16.09。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.24(3H,t,J=7Hz),4.
11(2H,q,J=7Hz),5.05(1H,d,J=4.5Hz),4.90と5.12
(2H,ABq,J=13Hz),5.52-5.76(1H,m),6.72(1H,s),
7.14(2H,br.s),7.58-8.00(3H,m),8.12-8.30(1H,
m),8.54-8.73(1H,m),8.8-8.98(1H,m),9.40(1H,d,
J=8Hz)。
実施例3 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−アリルオキシイミノアセトアミド]−3−
[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)メチ
ル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C23H21N7O5S2・13/2H2Oとして, 計算値(%):C,42.06;H,5.22;N,14.93。
実測値(%):C,42.29;H,5.24;N,14.51。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:4.46-4.68(2H,m),5.02
(1H,d,J=4.5Hz),5.24(2H,br.s),5.38(2H,br.s),
5.63(1H,d.d,J=4.8Hzと8Hz),5.76-6.20(1H,m),6.8
4(1H,s),7.14(1H,br.s),7.5-8.0(3H,m),8.1-8.28
(1H,m),8.58-8.70(1H,m),8.8-8.9(1H,m),9.48(1
H,d,J=8Hz)。
実施例4 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(2−フルオロエトキシイミノ)アセトアミ
ド]−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−
イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト。
元素分析値:C22H20N7O5S2F・4H2Oとして, 計算値(%):C,42.78;H,4.57;N,15.87。
実測値(%):C,42.50;H,4.66;N,15.73。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:4.0-4.23(1H,m),4.25-
4.53(2H,m),4.80-5.00(1H,m),5.03(1H,d,J=4.5H
z),5.65(d.d,J=4.5Hzと8Hz),6.70(1H,s),7.14-7.
40(2H,br.s),7.50-8.0(3H,m),8.1-8.30(1H,m),8.
50-9.00(2H,m),9.50(1H,d,J=8Hz)。
実施例5 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(7
−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)
メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸2g,7−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン2g,ヨ
ウ化ナトリウム2gを50%含水アセトニトリル30mlに溶解
し60〜70℃で2時間攪拌する。冷後、反応液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、アセトン次いでア
セトン−水混液で溶出させ、目的物を含む分画を集め減
圧下に濃縮する。残留水溶液をMCIゲルカラムクロマト
グラフィー(CHP20p,150〜300メッシュ,三菱化成製)
に付し、含水アルコールで溶出させ、水−エタノール
(80:20)混液で溶出してくる分画を集め、減圧下に濃
縮し、残渣を凍結乾燥すると標記の化合物0.11gを得
る。
元素分析値:C22H21N7O5S2・3H2Oとして 計算値(%):C,45.43;H,4.68;N,16.86 実測値(%):C,45.10;H,3.93;N,16.43 NMRスペクトル(D2O)δ:2.52(3H,s),3.01と3.47(2
H,ABq,J=18Hz),3.96(3H,s),5.24(1H,d,J=4.5H
z),5.62(2H,br.s),5.81(1H,d,J=4.5Hz),6.81(1
H,s),6.99(1H,d,J=3.5Hz),7.3-7.54(1H,m),7.82
(1H,br.s),8.40(1H,d,J=3.5Hz),9.05(1H,d,J=8H
z)。
実施例5に記載した方法と同じ方法を用いて前記の一
般式[VII′]で表わされる以下の実施例6〜10の化合
物を製造することができる。
実施例6 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]−3−[(7
−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)
メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C23H23N7O5S2・9/2H2Oとして、 計算値(%):C,44.37;H,5.18;N,15.75。
実測値(%):C,44.54;H,4.83;N,15.52。
NMRスペクトル(D2O)δ:1.27(3H,t,J=7Hz),2.52(3
H,s),3.04と3.48(2H,ABq,J=18Hz),4.23(2H,ABq,J
=7Hz),5.25(1H,d,J=4.5Hz),5.62(2H,br.s),5.82
(1H,d,J=4.5Hz),6.87(1H,s),7.02(1H,d,J=3H
z),7.3-7.52(1H,m),7.74-7.96(1H,m),8.40(1H,d,
J=4Hz),9.04(1H,d,J=7Hz)。
実施例7 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(2
−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イル)
メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C22H21N7O5S2・4H2Oとして, 計算値(%):C,44.07;H,4.87;N,16.35。
実測値(%):C,44.11;H,4.07;N,16.22。
NMRスペクトル(D2O)δ:2.71(3H,s),2.87と3.41(2
H,ABq,J=18Hz),3.96(3H,s),5.20(1H,d,J=5Hz),
5.55-5.74(2H,m),5.80(1H,d,J=5Hz),6.88(1H,
s),6.98(1H,s),7.40-7.66(1H,m),7.68-8.08(2H,
m),9.19(1H,d,J=7Hz)。
実施例8 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(6,
8−ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C23H23N7O5S2・7/2H2Oとして, 計算値(%):C,45.69;H,5.00;N,16.22。
実測値(%):C,45.44;H,4.16;N,16.05。
NMRスペクトル(D2O)δ:2.46(3H,s),2.58(3H,s),
3.06と3.47(2H,ABq,J=18Hz),3.98(3H,s),5.22(1
H,d,J=4.5Hz),5.59(2H,s),5.79(1H,d,J=4.5Hz),
6.87(1H,s),7.12(1H,d,J=4Hz),7.53(1H,br.s),
8.36(1H,d,J=4Hz),8.82(1H,br.s)。
実施例9 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(2−メトキシエトキシイミノ)アセトアミ
ド]−3−[(7−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニ
ウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート。
元素分析値:C24H25N7O6S2・9/2H2Oとして, 計算値(%):C,44.17;H,5.25;N,15.02。
実測値(%):C,44.12;H,5.00;N,15.16。
NMRスペクトル(D2O)δ:2.54(3H,s),2.99と3.46(2
H,ABq,J=18Hz),3.31(3H,s),3.65-3.83(2H,m),4.2
4-4.46(2H,m),5.24(1H,d,J=5Hz),5.54-5.74(2H,
m),5.81(1H,d,J=5Hz),6.89(1H,s),7.01(1H,d,J
=4Hz),7.31-7.5(1H,m),7.83(1H,br.s),8.39(1H,
d,J=4Hz),9.06(1H,d,J=7Hz)。
実施例10 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(1
−ヒドロキシピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
元素分析値:C21H19N7O6S2・15/2H2Oとして、 計算値(%):C,37.95;H,5.16;N,14.75。
実測値(%):C,38.24;H,5.37;N,14.34。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.12と3.38(2H,ABq,J=
18Hz),3.68(3H,s),5.01(1H,d,J=4.5Hz),5.2-5.8
(3H,m),6.66(1H,s),7.25-7.6(3H,m),7.94-8.18
(2H,m),9.43(1H,d,J=8Hz),10.12(1H,d,J=6H
z)。
実施例5に記載した方法と同じ方法を用いて7β−
[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イ
ル)−2(Z)−(置換オキシイミノ)アセトアミド]
−3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−
4−カルボン酸と各種ピラゾール誘導体との反応から一
般式 で表わされる以下の実施例11〜13の化合物を製造するこ
とができる。
実施例11 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−
イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト。
元素分析値:C20H18N8O5S2・7/2H2Oとして、 計算値(%):C,41.59;H,4.36;N,19.40。
実測値(%):C,41.90;H,4.61;N,19.48。
実施例12 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセトアミ
ド]−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−
イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレー
ト。
元素分析値:C21H20N8O5S2・4H2Oとして、 計算値(%):C,41.99;H,4.70;N,18.66。
実測値(%):C,42.36;H,4.64;N,18.20。
NMRスペクトル(D2O)δ:1.22(3H,t,J=7Hz),3.07と
3.48(2H,ABq,J=18Hz),4.31(2H,q,J=7Hz),5.24(1
H,d,J=4.5Hz),5.65(2H,br.s),5.85(1H,d,J=4.5H
z),7.71(1H,d,J=4Hz),7.48-7.72(1H,m),7.74-8.0
0(1H,m),8.02-8.2(1H,m),8.44(1H,d,J=4Hz),9.1
7(1H,d,J=7Hz)。
実施例13 7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール
−3−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−[(7−メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジニ
ウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート。
元素分析値:C21H20N8O5S2・7H2Oとして, 計算値(%):C,38.52;H,5.23;N,17.12。
実測値(%):C,38.57;H,5.60;N,17.35。
NMRスペクトル(D2O)δ:2.54(3H,s),3.05と3.48(2
H,ABq,J=18Hz),4.06(3H,s),5.05(1H,d,J=4.5H
z),5.60(2H,s),5.86(1H,d,J=4.5Hz),6.94-7.1(1
H,m),7.28-7.52(1H,m),7.74-7.92(1H,m),8.29-8.4
4(1H,m),8.9-9.12(1H,m)。
実施例14 7β−ホルムアミド−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−
カルボキシレート。
7β−ホルムアミド−3−(3−オキソブチリルオキ
シメチル)−3−セフェム−4−カルボン酸とピラゾロ
[1,5-a]ピリジンとを実施例5と同様にすると、標記
の化合物を得る。
元素分析値:C16H14N4O4S・7H2Oとして、 計算値(%):C,39.64;H,5.83;N,11.56。
実測値(%):C,39.50;H,5.46;N,11.61。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:3.39(2H×1/2,ABq×1/
2,J=18Hz),5.01(1H,d,J=4.5Hz),5.44-5.99(3H,
m),6.59(1H,d,J=2Hz),6.74-6.98(1H,m),7.08-7.4
0(1H,m),7.56-7.76(1H,m),7.97(1H,d,J=2Hz),8.
00-8.22(2H,m),8.64(1H,d,J=7Hz),8.86(1H,d,J=
8Hz)。
実施例15 7β−アミノ−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニ
ウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート・塩酸塩。
7β−ホルムアミド−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−
カルボキシレート1.0gをメタノール10mlに懸濁し、5℃
以下に冷却する。攪拌下に濃塩酸1.0mlを滴下し、その
温度で10分間、次いで室温で3時間攪拌する。減圧下溶
媒を留去し、残渣に水10mlを加えて溶解し、MCIゲルカ
ラムクロマトグラフィー(CHP20p,150〜300メッシュ,
三菱化成製)に付し、含水アルコールで溶出してくる分
画を合わせ、減圧下濃縮後、凍結乾燥すると標記の化合
物が粉末として0.25g得られる。
元素分析値:C15H14N4O3・HCl・2H2Oとして、 計算値(%):C,44.72;H,4.75;N,13.91。
実測値(%):C,45.23;H,4.21;N,13.17。
NMRスペクトル(D2O)δ:3.13と3.51(2H,ABq,J=17H
z),5.02(1H,d,J=4.5Hz),5.19(1H,d,J=4.5Hz),5.
67(2H,br.s),7.21(1H,d,J=3Hz),7.52-8.30(3H,
m),8.49(1H,d,J=3Hz),9.17(1H,d,J=7Hz)。
実施例16 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
5−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]
−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−エトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸とピラゾロ[1,5-a]ピリジンと
から実施例5と同様にして標記の化合物を得る。
元素分析値:C22H20N7O5S2Cl・5/2H2Oとして、 計算値(%):C,43.53;H,4.15;N,16.15。
実測値(%);C,43.15;H,4.36;N,16.10。
NMRスペクトル(d6‐DMSO)δ:1.28(3H,t,J=7Hz),3.
06と3.47(2H,ABq,J=18Hz),4.26(2H,q,J=7Hz),5.2
4(1H,d,J=4.5Hz),5.67(2H,br.s),5.85(1H,d,J=
4.5Hz),7.18(1H,d,J=4Hz),7.48-8.24(3H,m),8.49
(1H,d,J=4Hz),9.18(1H,d,J=7Hz)。
実施例17 7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート。
7β−[2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−
4−イル)−2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]
−3−(3−オキソブチリルオキシメチル)−3−セフ
ェム−4−カルボン酸とピラゾロ[1,5-a]ピリジンと
から実施例5と同様にして標記の化合物を得る。
元素分析値:C21H18N7O5S2Cl・3H2Oとして、 計算値(%):C,41.90;H,4.02;N,16.29。
実測値(%):C,41.45;H,3.31;N,15.79。
NMRスペクトル(D2O)δ:3.23と3.64(2H,ABq,J=18H
z),4.12(3H,s),5.37(1H,d,J=4.5Hz),5.81(2H,b
r.s),6.00(1H,d,J=4.5Hz),7.34(1H,d,J=3Hz),7.
63-8.39(3H,m),8.63(1H,d,J=3Hz),9.31(1H,d,J=
7Hz)。
実施例18 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミ
ノ)アセトアミド]−3−[(ピラゾロ[1,5-a]ピリ
ジニウム−3−イル)メチル]−3−セフェム−4−カ
ルボキシレート・モノナトリウム塩。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−メチ
ルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(3−オキソ
ブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カルボン
酸3.8g,ピラゾロ[1,5-a]ピリジン3.8g,ヨウ化カリウ
ム3.7gとを50%含水アセトニトリル40mlに溶解し、60-7
0℃で2時間攪拌する。放冷後反応液をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、アセトンついで含水アセ
トンで溶出し、アセトン−水(80:20〜70:30)で溶出し
てくる分画を集め10mlまで減圧下濃縮する。残渣をMCI
ゲルカラムクロマトグラフィー(CHP20p,150〜300メッ
シュ,三菱化成)に付し、水,ついで含水アルコールで
溶出させる。水−アルコール(60:40)混液で溶出して
くる分画を集め減圧下に濃縮して残溶液を凍結乾燥す
る。得られる粉末をトリフルオロ酢酸1mlに溶解し、室
温で2時間攪拌したのち、減圧下溶媒留去し、残渣に水
を加え、さらに炭酸ナトリウムを加えて溶液とし、MCI
ゲルカラムクロマトグラフィーに付す。水ついで含水ア
ルコールで溶出し、目的物を含む分画を集め、減圧下濃
縮、残渣を凍結乾燥すると標記の化合物0.03gを得る。
元素分析値:C24H22N7O7S2Na・6H2Oとして、 計算値(%):C,40.28;H,4.79;N,13.70。
実測値(%):C,40.43;H,4.81;N,13.46。
実施例19 7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−[(7
−カルボキシピラゾロ[1,5-a]ピリジニウム−3−イ
ル)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート・
モノナトリウム塩。
7β−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2(Z)−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−
オキソブチリルオキシメチル)−3−セフェム−4−カ
ルボン酸と7−カルボキシピラゾロ[1,5-a]ピリジン
とを炭酸水素ナトリウムとを添加し実施例5と同様に反
応させ標記の化合物を得る。
元素分析値:C22H18N7O7S2Na・4H2Oとして, 計算値(%):C,40.55;H,4.02;N,15.05。
実測値(%):C,40.88;H,4.43;N,14.67。
NMRスペクトル(D2O)δ:3.60(2H,br.s),4.01(3H,
s),5.26(1H,d,J=4.5Hz),5.6-5.9(2H,m),6.94-7.0
5(1H,m),7.48-7.68(1H,m),7.85-8.00(1H,m),8.50
(1H,d,J=6Hz),9.16(1H,d,J=8Hz)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 519/06 // C07D 463/00 505/00 C07D 471/04 122

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R0は水素原子またはアシル基を、ZはSまたは
    S→Oを、R4は水素原子を、R13は水素原子を、Aは置
    換されていてもよいピラゾロ[1,5−a]ピリジニウム
    −3−イル基を、それぞれ示す]で表わされる化合物ま
    たはその生理学的に受容される塩もしくはエステル。
  2. 【請求項2】 一般式 [式中、ZはSまたはS→Oを、R4は水素原子を、R13
    は水素原子を、R5は水酸基,アシルオキシ基,カルバモ
    イルオキシ基,置換カルバモイルオキシ基またはハロゲ
    ン原子を、それぞれ示す]で表わされる化合物またはそ
    の塩もしくはエステルと一般式A′[式中、A′は置換
    されていてもよいピラゾロ[1,5−a]ピリジンを示
    す]で表わされるピラゾール化合物またはその塩とを反
    応させるか、 一般式 [式中、Aは置換されていてもよいピラゾロ[1,5−
    a]ピリジニウム−3−イル基を、その他の記号は前記
    と同意義を示す]で表わされる化合物またはその塩もし
    くはエステルと一般式RbOH[式中、Rbはアシル基を示
    す]で表わされるカルボン酸またはその塩もしくは反応
    性誘導体とを反応させるか、 一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
    物またはその塩もしくはエステルと一般式A′[式中の
    記号は前記と同意義を示す]で表わされるピラゾール化
    合物またはその塩とを反応させるか、 一般式 [式中、R22′は置換されていてもよい複素環基を、そ
    の他の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合物
    またはその塩もしくはエステルと一般式R3″OH[式中、
    R3″は置換されていてもよい炭化水素残基を示す]で表
    わされる化合物またはその反応性誘導体とを反応させる
    か、または 一般式 [式中、Xはハロゲン原子を、R2は水素原子,ハロゲン
    原子またはニトロ基を、R3は水素原子または置換されて
    いてもよい炭化水素残基を、その他の記号は前記と同意
    義を示す]で表わされる化合物またはその塩もしくはエ
    ステルと一般式R1C(=S)NH2[式中、R1は保護されて
    いてもよいアミノ基を示す]で表わされる化合物とを反
    応させることを特徴とする一般式 [式中、R0は水素原子またはアシル基を、その他の記号
    は前記と同意義を示す]で表わされる化合物またはその
    生理学的に受容される塩もしくはエステルの製造法。
  3. 【請求項3】一般式 [式中、R0は水素原子またはアシル基を、ZはSまたは
    S→Oを、R4は水素原子を、R13は水素原子を、Aは置
    換されていてもよいピラゾロ[1,5−a]ピリジニウム
    −3−イル基を、それぞれ示す]で表わされる化合物ま
    たはその生理学的に受容される塩もしくはエステルの少
    くとも1種以上を含有する抗菌組成物。
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