JPH08299192A - 調理器 - Google Patents

調理器

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JPH08299192A
JPH08299192A JP7147997A JP14799795A JPH08299192A JP H08299192 A JPH08299192 A JP H08299192A JP 7147997 A JP7147997 A JP 7147997A JP 14799795 A JP14799795 A JP 14799795A JP H08299192 A JPH08299192 A JP H08299192A
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JP
Japan
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layer
cooking
ceramic
fluororesin
metal
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JP7147997A
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English (en)
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Toyohiro Hamazaki
豊弘 濱崎
Akira Asari
明 浅利
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Koji Kuroda
浩二 黒田
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、実質的に油を不要とし、被調理食
品の焦げ付きを防ぐと共にこれらの特性が長期に亘って
発現する耐久性により優れたホットプレート、フライパ
ン等の調理器を提供することを目的とする。 【構成】 室温から400℃までの温度範囲の全域にお
いて50W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、調理
用の所定の形状を付与した黒鉛基体と、少なくとも調理
用面において前記黒鉛基体の表面上に形成したセラミッ
クから成る溶射層と、少なくとも調理用面において前記
セラミック溶射層の表面上乃至は表層に形成した金属含
有有機重合体の熱分解生成物から成る層と、少なくとも
調理用面において前記金属含有有機重合体の熱分解生成
物から成る層の表面上に形成したフッ素樹脂層と、を有
することを特徴とする調理器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調理器に関し、更に詳し
くは家庭用、業務用の加熱板(ホットプレート、焼き肉
プレート等)、フライパン、すき焼鍋、天ぷら鍋やフラ
イヤーなどとして適用することができる調理器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品を調理する際、鉄、アルミニウム等
の金属製、陶板等のセラミック製などの調理器が広く用
いられている。しかし、これらの調理器は通常調理の際
にはく離用の油を必要とし、油の分解による発煙、臭
気、被調理食品の味の劣化などを伴ない、また油の飛散
による周辺雰囲気の汚染を引き起す。
【0003】このため、油の飛散等を防止し、更に遠赤
外線の作用を発現させることを目的とした、内部に多数
の孔隙を形成した炭素又は黒鉛から成る調理用加熱板が
提案された(特開昭63−270015号公報参照)。
【0004】ところが、これらの調理器では被調理食品
の焦げ付きが生じ、洗浄除去が困難であると共に、耐水
性や耐油性が不十分なため表面特性の劣化を起したり、
使用後に填重な手入れを要するなどの問題点があった。
また、孔隙を有する材質では食品のかすや油、洗剤など
が孔隙中に入り込み、除去が困難であるため残留して腐
敗を起したり、新たに調理する食品を汚染するといった
問題点があった。これらの問題の1つの解決策として、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子の水性
ディスパージョンを金属、セラミック等の基体上に吹付
けなどで塗付し、焼成してPTFEを主体とする厚み5
0μm程度の被膜を形成する技術が開発され、調理器へ
の食品の焦げ付き等を防いでいた。ところが、この技術
によると、使用当初は食品の焦げ付き等が防止される
が、繰り返して使用するとフッ素樹脂被膜が徐々にはく
離し、食品に対する非粘着作用の発現が困難となる。従
って、フッ素樹脂を被覆しているにも拘わらず、焦げ付
きを防止するために油の使用を余儀なくされると共に、
遂にはフッ素樹脂の被膜が本来の作用を発現し得ない程
度にはく離してしまい、非粘着作用がなくなる。
【0005】また、非粘着性の改良とは別の観点から、
特開平2−84910号公報には炭素基材からの炭素粉
末の飛散及び液体や気体の浸透を防止する目的でフッ素
樹脂を被覆した炭素製食品加熱用具が記載されている。
【0006】更に、特開平5−154057号公報には
均熱性を向上させるためにかさ密度1.7g/cc以
上、気孔率20%以下とした緻密質黒鉛板に非汚染性を
付与するために耐熱性樹脂又はセラミック材の1層構造
の被覆層を設けた調理用プレートが記載されている。し
かしながら、耐熱性樹脂のみの被覆では前述の様なはく
離による非粘着作用の消失が起り、またセラミック材の
みの被覆では非粘着作用の発現が望めない。
【0007】また、黒鉛基体の表面上に直接、フッ素樹
脂層を形成した調理器は、前述したフッ素樹脂層のはく
離問題の他に、繰返し使用によりフッ素樹脂層が黒鉛基
体の開気孔中に徐々に浸透していき、遂にはフッ素樹脂
層が基体表面上から部分的に消失してしまう問題も発生
することが判明した。
【0008】一方、黒鉛基材の表面上に溶射法によりセ
ラミック溶射層を形成し、この溶射層の表面上にフッ素
樹脂層を設けた調理器も考えられるが、溶射層の場合に
は、セラミック粒子が重なり合った積層構造の層が形成
し、空隙を多数有する多孔質層になるため、更には黒鉛
基体の表面に開いた気孔口を完全に封じることはできな
い。しかも、セラミック溶射層を設けることで、この溶
射層が有する開気孔中にもフッ素樹脂層が浸透する結果
になり、何らフッ素樹脂層の漫透問題の解決にはならな
かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、実質的に油を不要とし、被調理食品
の焦げ付きを防ぐと共にこれらの特性が長期に亘って発
現する耐久性により優れた調理器を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明の調理器は、室温から400℃ま
での温度範囲の全域において50W/(m・K)以上の
熱伝導率を有する、調理用の所定の形状を付与した黒鉛
基体と、少なくとも調理用面において前記黒鉛基体の表
面上に形成したセラミックから成る溶射層と、少なくと
も調理用面において前記セラミック溶射層の表面上乃至
は表層に形成した金属含有有機重合体の熱分解生成物か
ら成る層と、少なくとも調理用面において前記金属含有
有機重合体の熱分解生成物から成る層の表面上に形成し
たフッ素樹脂層と、を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用及び構成の具体的説明】上記本発明の構成
によると、元来熱を伝え易く食品調理用として優れてい
る黒鉛基体を選択使用すると共に、この黒鉛基体の少な
くとも調理用面、即ち被調理物(食品や煮汁、調理油等
の被加熱物)と直接接触する面に、基体表面の耐摩耗性
を向上させ且つ基材黒鉛とは異なる遠赤外線放射特性等
を発揮するセラミックから成る溶射層と、セラミック重
合体の熱分解生成物から成る層と、非粘着作用等を発揮
するフッ素樹脂層と、の3層構造の被覆層を設けること
により、フッ素樹脂層がもたらす食品の非粘着性や焦げ
付き防止機能が長期に亘って発現する、従来にない耐久
性に優れた調理器となる。
【0012】本発明では、セラミック溶射層の表面上乃
至は表層に金属含有有機重合体の熱分解生成物から成る
層を形成する。すると、この層はセラミック溶射層の表
面に開いた気孔口を封じるという封孔作用を奏する。そ
のため、この層の表面上にフッ素樹脂層を設けても、長
期使用によって調理中にフッ素樹脂層がセラミック溶射
層中に浸透することがない。さらにこの層は、優れた耐
熱性及び不融性を有しているので、約400℃という調
理温度でもこの層が膨れたり割れたりすることもなく、
また調理中にこの層が融解してセラミック溶射層の奥深
くに、更にはこの溶射層を通過して黒鉛基体の奥深くに
まで浸透し、基体表面から消失することもない。しか
も、この層を設けることで、基体の表面硬度が高くな
り、耐摩耗性にも優れた調理器になる。
【0013】この金属含有有機重合体の熱分解生成物か
ら成る層は、セラミック溶射層の表面上乃至は表層に形
成され、封孔作用を発揮したり耐摩耗性が向上する。こ
の層は、セラミック溶射層の表面に開いた気孔口に蓋を
するように溶射層表面上に形成されたり、溶射層表層部
に存在する開気孔を充填するよう溶射層の表層に形成さ
れたり、あるいは、溶射層の表層部に存在する開気孔を
充填し更に開気孔口の上も覆うように、溶射層の表面上
から表層にかけて連続した層が形成される。
【0014】しかしながら、これらの特性を発現させる
ためには、セラミック溶射層、金属含有有機重合体の熱
分解生成物から成る層及びフッ素樹脂層が共に一定以上
の厚みが必要となり、このため黒鉛本来の熱を伝え易い
性質が損なわれてしまい、例えば調理面の中央部と周辺
部との温度分布にばらつきを生ずるなど、均熱性が低下
してしまう。勿論、黒鉛内部での熱の伝達は黒鉛内の空
孔の存在率のみに支配されるものではなく、黒鉛材料の
結晶や組織の構造にも左右されるため、単にかさ密度や
気孔率を規定するのみでは均熱性を最適化することがで
きない。そこで本発明者らは、上記の3層構造の被覆を
有する黒鉛については、均熱性を確保するための厳密な
要件として熱伝導率の値を最適化する必要があることを
認識した上で、最適の条件として調理温度領域、即ち室
温から400℃までの温度範囲の全域において熱伝導率
が50W/(m・K)以上、更に好ましくは70W/
(m・K)以上である高熱伝導率の黒鉛基体を選択使用
すれば、加熱調理時にも調理用面における十分な均熱性
を確保することができ、食品の焦げ付き付着を防止でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明で使用する前記黒鉛基体は、炭素の
みから実質的に成る材料乃至は炭素を主成分とする材料
から成り、ピッチ含浸品、樹脂含浸品及び金属含浸品等
の含浸品を包含する所謂黒鉛化品(通常はコークス等の
骨材にピッチ等のバインダーを加えて混練した後、成
形、焼成、黒鉛化に、必要に応じてピッチ含浸、再焼
成、樹脂含浸、金属含浸、高純度化などの工程を経る)
などの各種黒鉛材料を包含する。具体的には、冷間等方
圧加圧成形工程を経た高密度等方性黒鉛や熱間加圧法を
用いた高密度黒鉛等の黒鉛材料などがある。また、その
ほかに、加圧焼成法により製造される炭化ホウ素(B
C)を含む黒鉛材料、ピッチバインダー法により製造さ
れる各種セラミックを含む黒鉛材料及び黒鉛化した炭素
繊維強化炭素複合材料などがある。
【0016】本発明においては、特に熱伝導の均一性を
確保する上で異方比が1.2以下の等方性の高い黒鉛材
料を用いることが好ましい。ここで、異方比が1.2以
下であるとは、黒鉛材料における任意に直角をなす方向
に測った固有電気抵抗の比の平均値が1.2以下である
ことを意味する。また、黒鉛材料の属性としては上記の
熱伝導率以外に特に制限はないが、開気孔率が5乃至3
0%であるものが望ましい。開気孔率が5%未満ではセ
ラミック溶射層のアンカリング作用が十分ではなく、セ
ラミック溶射層の密着性が低下し、また30%を超える
と黒鉛基体の機械的強度が低下するために望ましくな
い。更に、平均気孔半径は0.1乃至2.5μmの範囲
が望ましい。平均気孔半径が0.1μm未満ではセラミ
ック溶射層のアンカリング作用が不十分となり、2.5
μmを超えると調理用面での均熱性に悪影響を与えるこ
ととなる。更に、セラミック溶射層及び金属含有有機重
合体の熱分解生成物から成る層のはく離を防止するため
に、黒鉛基体とこれらの層の熱膨張率がなるべく近いこ
とが望ましい。前記平均気孔半径は、例えば水銀圧入法
により測定される累積気孔容積(cm/g)の1/2
に相当する半径値(μm)として決定することができ、
開気孔率は(かさ密度)×(全気孔容積)×100で計
算することができる。ここで、全気孔容積(cm
g)は圧力が予め定めた最高圧力、例えば98MPaま
で達したときの累積気孔容積をいう。
【0017】本発明においては、かかる黒鉛基体の少な
くとも調理用面が、セラミック溶射層と、金属含有有機
重合体の熱分解生成物から成る層と、フッ素樹脂層との
3層構造の被覆層を有することが必要である。調理用面
以外の面にこれらの被覆層を設けることは必ずしも必要
ではないが、例えば、調理用面と反対側の加熱を受ける
面や側壁面などその他の面乃至は黒鉛基体の全面にセラ
ミック溶射層を形成し、その上に金属含有有機重合体の
熱分解生成物から成る層を形成し、加熱を受ける面以外
のこの層の表面にフッ素樹脂を被覆しても良い。ここ
で、黒鉛基体の調理用面と加熱を受ける面との間の厚み
は、均熱性を確保するため5乃至20mmであることが
好ましい。
【0018】セラミック溶射層は、黒鉛基体との密着性
に優れた層が得られるプラズマ溶射法(大気圧溶射でも
減圧溶射でもよい)で形成するのが好ましい。コーティ
ング材料としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸
化チタン(チタニア)等の金属酸化物、炭化ケイ素、炭
化チタン等の金属炭化物、窒化チタン等の金属窒化物な
どが挙げられる。このうち、アルミナ(ホワイトアルミ
ナを包含する)、アルミナとチタニアどの混合物(グレ
ーアルミナやアルミナチタニア)などが、原料の入手性
や食品の安全性の面から望ましい。セラミック溶射層の
厚みは5乃至200μmの範囲が好ましい。また、溶射
層の密着性を高めるために予め黒鉛基体の表面をアルミ
ナ等でブラスト処理した方が良い。
【0019】金属含有有機重合体はケイ素、チタン、鉄
などの金属を含む有機高分子である。例えば、有機ケイ
素重合体や有機ケイ素共重合体(特開平60−2268
90号などに記載されているポリシラザン等)であり、
分子量1000程度の低分子量のものも含む。本発明で
は、金属含有有機重合体の熱分解生成物から成る層は、
このような金属含有有機重合体を用い、必要に応じて溶
媒に溶かし、黒鉛基体の少なくとも調理用面にハケ、ス
プレー、浸漬等で塗布を行い、調理時より高い温度、通
常は500〜2500℃で不活性ガス雰囲気中等で加熱
し、熱分解により形成させる。こうすると、この層は、
塗布液の粘度が高いときにはセラミック溶射層の表面上
に形成し、塗布液の粘度が低いときには浸透してセラミ
ック溶射層の表層に形成し、塗布液の粘度が中程ではセ
ラミック溶射層に塗布液の一部が浸透し溶射層の表面上
から表層にかけて形成する。
【0020】ここで、良く知られているように、金属含
有有機重合体は熱処理温度によって生成物が異なり、例
えば、熱処理温度が500〜1000℃程度の低温の熱
処理では非晶質の硬化物になり、熱処理温度が高くなる
につれて徐々に結晶子が発達していき、約1500〜2
500℃程度という高温の熱処理を行うと結晶質の炭化
ケイ素や窒化ケイ素のセラミックになる。本発明におい
ては、この層を構成する熱分解生成物は、非晶質の硬化
物でも良いし、セラミックでも良い。
【0021】金属含有有機重合体の熱分解生成物から成
る層は、厚み5乃至200μmの範囲で形成するのが好
ましい。厚み5μm未満では封孔作用や耐摩耗性の向上
を発揮することが困難になり、厚み200μmを超える
と熱伝導の均一性を確保するのが難しくなるからであ
る。
【0022】また、フッ素樹脂層は、例えばディスパー
ジョンやエナメルを塗布し、焼き付ける方法、フィルム
を熱融着させる方法など従来公知の方法により形成する
ことができる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体等を用いること
ができる。フッ素樹脂層の厚みは5乃至200μm、更
には20乃至100以mであることが好ましい。
【0023】本発明の調理用器具の形状に特に制限はな
く、例えば家庭用、業務用の加熱板(ホットプレート、
焼き肉プレート等)、フライパン、すき焼鍋、天ぷら鍋
やフライヤーなどとして所望する形状に賦形することが
できる。
【0024】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0025】実施例1 レーザー・フラッシュ法により測定した20℃における
熱伝導率が100W/(m・K)であり、400℃にお
ける熱伝導率が70W/(m・K)である高密度等方性
黒鉛材料を、直径300mm、側壁の高さ60mmのす
き焼鍋(厚み10mm)の形状に成形し、アルミナでブ
ラスト処理した後、プラズマ溶射法によりこの鍋の全面
に市販のグレーアルミナ(アルミナ94.0%、チタニ
ア2.5%、シリカ2.0%、酸化鉄1.0%を含む)
を100μmの厚みで被覆した。次いで、金属含有有機
重合体として、シラザンのオリゴマー乃至ポリマーをイ
ソシアネートすなわち尿素結合で連結させたポリユリア
シラザンを用い、これを有機溶媒溶液に溶かし、この鍋
の全面に塗布し、不活性ガス雰囲気中で1700℃で熱
分解させて、セラミック溶射層の表面上から表層にかけ
て炭化ケイ素を80μmの厚みで被覆した。その後、か
くして得られたセラミック被覆鍋の調理用面のみに市販
の界面活性剤のプライマー、次いで市販のポリテトラフ
ルオロエチレンのディスパージョンを塗布し、焼き付け
て、厚み50μmのフッ素樹脂層を形成させた。
【0026】このすき焼鍋を電熱器(ニクロム線巻回部
の直径が25mm)で加熱して、調理用面の中央部と周
辺部との温度分布を測定したところ、殆ど加熱むらがな
く均熱性に優れていることが分った。
【0027】また、このすき焼き鍋を用いて牛肉、白身
魚や野菜を調理油を用いないで焼いたところ、焦げ付き
付着がなく、長期に亘って使用しても非粘着性に衰えが
なく耐久性にも優れていることが分った。
【0028】実施例2 20℃における熱伝導率が80W/(m・K)であり、
400℃における熱伝導率が50W/(m・K)である
高密度等方性黒鉛材料を用いた以外は実施例1と同一の
すき焼鍋を得た。
【0029】このすき焼鍋を実施例1と同様にして試験
したところ、実施例1と比べて若干の加熱むらが生じ、
均熱性、非粘着性に僅かに劣るものであることが分っ
た。
【0030】比較例1 20℃における熱伝導率が70W/(m・K)であり、
400℃における熱伝導率が40W/(m・K)である
黒鉛材料を用いた以外は実施例1と同一のすき焼鍋を得
た。
【0031】このすき焼鍋を実施例1と同様にして試験
したところ、実施例1と比べてかなり大きな加熱むらが
生じ、短期間の使用によっても食品の焦げ付きが著しい
ことが分った。
【0032】比較例2 フッ素樹脂で被覆しない以外は実施例と同一のすき焼鍋
を作製し、同様に試験したところ、調理油を使用しない
と食品の焦げ付きが生じ、非粘着性の発現が期待できな
いものであった。
【0033】比較例3 黒鉛基体に直接フッ素樹脂を被覆した以外は、実施例1
と同一のすき焼鍋を得た。
【0034】このすき焼鍋は、長期に亘り繰返し使用す
るとフッ素樹脂層がはく離し、さらに長期の繰返し使用
により、フッ素樹脂層の一部がセラミック溶射層の内部
に浸透し、表面上にはフッ素樹脂層がなくなった部分が
存在した。
【0035】
【発明の効果】以上の実施例においても確認される様
に、本発明の調理器を用いると、調理用面の均熱性が良
好であり、調理時に実質的に油が不要でありながら被調
理食品の焦げ付きを防ぐことができると共に、封孔処理
が施されているので非粘着性が長期に亘って発現する耐
久性により一層優れた調理器を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 9/00 B32B 9/00 A Z 18/00 18/00 27/30 27/30 D (72)発明者 黒田 浩二 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温から400℃までの温度範囲の全域
    において50W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、
    調理用の所定の形状を付与した黒鉛基体と、少なくとも
    調理用面において前記黒鉛基体の表面上に形成したセラ
    ミックから成る溶射層と、少なくとも調理用面において
    前記セラミック溶射層の表面上乃至は表層に形成した金
    属含有有機重合体の熱分解生成物から成る層と、少なく
    とも調理用面において前記金属含有有機重合体の熱分解
    生成物から成る層の表面上に形成したフッ素樹脂層と、
    を有することを特徴とする調理器。
JP7147997A 1995-05-10 1995-05-10 調理器 Pending JPH08299192A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203427A1 (ja) * 2013-06-17 2014-12-24 住友電気工業株式会社 調理プレート及びこれを備えた調理器
JP2015029627A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 住友電気工業株式会社 調理プレート及びこれを備えた調理器
JP2017140204A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 株式会社大木工藝 加熱調理器具

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