JPH0723861A - 調理用器具 - Google Patents

調理用器具

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JPH0723861A
JPH0723861A JP5220405A JP22040593A JPH0723861A JP H0723861 A JPH0723861 A JP H0723861A JP 5220405 A JP5220405 A JP 5220405A JP 22040593 A JP22040593 A JP 22040593A JP H0723861 A JPH0723861 A JP H0723861A
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JP
Japan
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fluororesin
carbon material
impregnation
pressure
oil
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JP5220405A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Koji Kuroda
浩二 黒田
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Toyo Tanso Co Ltd
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 はく離用の油を完全に不要とし、耐水性、耐
油性を向上させ、被調理食品による焦げ付きをなくし、
また食品のかすや油、洗剤などによる汚染を防ぎ、更に
これらの効果が長期に亘って発揮される様な調理用器具
を開発すること。 【構成】 開気孔率5乃至20%、平均気孔半径0.3
乃至2.5μmの炭素材料の気孔中にフツ素樹脂が含浸
率45%以上で含浸され、しかも含浸後の前記平均気孔
半径が0.3μm以下であるフッ素樹脂含浸炭素材料を
用いた調理用器具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調理用器具に関し、更に
詳しくは家庭用、業務用の加熱板(ホットプレート、焼
肉プレート等)、フライパン、すき焼鍋、天ぷら鍋やフ
ライヤー、オーブンの内壁構造材などとして適用するこ
とができる調理用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は化学的に極めて安定であるた
め、接触物質との反応を嫌う用途や耐食性、耐久性が要
求される用途など、化学工業を初めとして広範な産業分
野において利用されている。
【0003】ところが、金属やガラスなど融成物からの
材料とは違い、炭素化品や黒鉛化品などの炭素材料には
様々な形状や分布の開気孔が存在し、表面だけではなく
組織の内部にまで液体や気体が浸透し、用途によっては
接触物質の化学的、物理的作用を受けて組織が破壊され
て材料が劣化し、あるいは破壊組織の脱落による接触物
質の汚染を生ずる。
【0004】この様な接触物質からの作用をしゃ断する
1つの有効な手段として、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)微粒子の水性ディスパージョンを材料表面
に吹付けなどで塗付し、焼成してPTFEを主体とする
厚み50μm程度の被膜を形成する技術が開発され、材
料に対して非粘着性、はっ水性などの環境しゃ断性能が
付与されていた。しかし、この表面コーティング法によ
ると、被膜にピンホールが存在したり、あるいは被膜が
はく離したりすると環境しゃ断性能が著しく損なわれ、
効果が無くなってしまう。
【0005】前記表面コーティング法に代る方法とし
て、特開平3−119095号及び同3−250095
号の多孔質材料への低分子量化フッ素樹脂含浸の手法が
あるが、この方法はフッ素樹脂を用いて潤滑性を付与し
たり、耐摩耗性を向上させることを目的としたものであ
り、比較的高い分子量のフッ素樹脂を用いる場合には1
0気圧(約10.3kg/cm)程度の低加圧条件で
の含浸処理を行ない、また比較的低い分子量のフッ素樹
脂を用いる場合には短時間の含浸処理や加熱蒸発といっ
た方法を用いているため、表面被覆や表面近傍のみへの
含浸に止まり、機能においてコーティングと余り変りが
なく、炭素材料の組織内部にまで長期に亘って発現する
十分な環境しゃ断性能を付与することが難しい。
【0006】また、フッ素樹脂のコーティングにより本
来良好な炭素材料の熱伝導性が損なわれ、熱の良導体で
あることを要求される用途に不適となる問題点があっ
た。更に、液体や気体と接触させて使用する場合の炭素
材料の開気孔からの漏れを十分に防止する必要がある。
【0007】特に、食品調理用材料の分野について述べ
ると、食品を調理する際、従来鉄、アルミニウム等の金
属製、陶板等のセラミック製などの調理用器具が広く用
いられている。しかし、これらの調理用器具は通常調理
の際にはく離用の油を必要とし、油の分解による発煙、
臭気、被調理食品の味の劣化等を伴ない、また油の飛散
による周辺雰囲気の汚染を引き起す。
【0008】このため、油の飛散等を防止し、更に遠赤
外線の作用を発現させることを目的とした、内部に多数
の孔隙を形成した炭素又は黒鉛から成る調理用加熱板が
提案された(特開昭63−270015号公報参照。)
【0009】ところが、これらの調理用器具では被調理
食品の焦げ付きが生じ、洗浄除去が困難であると共に、
耐水性や耐油性が不十分なため表面特性の劣化を起した
り、使用後に慎重な手入れを要するなどの問題点があっ
た。また、孔隙を有する材質では食品のかすや油、洗剤
などが孔隙中に入り込み、除去が困難であるため残留し
て腐敗を起したり、新たに調理する食品を汚染するとい
った問題点があった。
【0010】これらの問題の1つの解決策として、前述
のPTFE塗付・焼成で調理用器具への食品の焦げ付き
等が防がれていた。ところが、この技術によると、使用
当初は食品の焦げ付き等が防止されるが、繰り返して使
用するとフッ素樹脂被膜が徐々にはく離し、食品に対す
る非粘着作用の発現が困難となる。従って、フッ素樹脂
を被覆しているにも拘わらず、焦げ付きを防止するため
に油の使用を余儀無くされると共に、遂にはフッ素樹脂
の被膜が本来の作用を発現し得ない程度にはく離してし
まい、非粘着作用が無くなる。
【0011】更に、前述の特開平3−119095号及
び同3−250095号の手法では、はっ水性、耐油
性、非粘着性が不十分であり、かきまぜ操作を伴なう調
理や洗剤等による洗浄の際に日常的に頻繁に摩滅する可
能性のある調理用器具に適用することができない。
【0012】そこで本発明者らは、はく離等の問題を生
ずるコーティングに代るフッ素樹脂による調理用器具の
改質方法を確立すべく、調理用器具のフッ素樹脂含浸に
よる改質について検討を重ねた。その結果、フッ素樹脂
を炭素材料表面の気孔口付近のみならず気孔壁に沿って
気孔内奥にまで浸透させて十分な環境しゃ断性能を発現
させることを企図して鋭意検討した結果、炭素材料の気
孔率及び気孔の大きさと気孔中へのフッ素樹脂の含浸率
との関係を最適化し、更に含浸後の気孔の大きさを調整
することにより、環境しゃ断性能が顕著に向上し且つ長
期に亘って発現すると共に、液体や気体に対する優れた
不浸透性及び良好な熱伝導性が発現され、特に、調理用
途では耐水性、耐油性、非粘着性や耐久使用性について
意想外の効果が発現されることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記従来技術を改良し、はく離用の油を完
全に不要とし、耐水性、耐油性を向上させ、被調理食品
による焦げ付きをなくし、また食品のかすや油、洗剤な
どによる汚染を防ぎ、更にこれらの効果が長期に亘って
発揮される様な調理用器具を開発することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、開気孔率5
乃至20%、平均気孔半径0.3乃至2.5μmの炭素
材料の気孔中にフッ素樹脂が含浸率45%以上で含浸さ
れ、しかも含浸後の前記平均気孔半径が0.3μm以下
であるフッ素樹脂含浸炭素材料を用いた調理用器具によ
り解決する。
【0015】
【発明の作用及び構成】本発明において、前記フッ素樹
脂の炭素材料への含浸率は、式:I=100G/PDの
I(%)で示される数値である。但し、Pは炭素材料の
開気孔の体積の実測値(cm)、Dはフッ素樹脂の真
密度(g/cm)、Gは実際に含浸したフッ素樹脂の
重量(g)を表わす。つまり、I値は開気孔に占める含
浸フッ素樹脂の体積割合を示す。
【0016】以下の実施例において実証する様に、前記
特定範囲の開気孔率及び平均気孔半径を有する炭素材料
の気孔中にフッ素樹脂を含浸率45%以上で含浸するこ
とにより、フッ素樹脂の気孔への浸透が気孔内奥にまで
及び、環境しゃ断性能が飛躍的に向上し、しかもこの性
能が長期に亘って持続し、調理用途では耐水性、耐油
性、非粘着性の付与、油や残留物質による汚染防止等の
効果が飛躍的に向上し、しかもこれらの効果が長期に亘
って持続する。更に、意想外なことに、炭素材料の熱伝
導率が良好なまま保たれ、調理用器具として好適である
ことを見い出した。
【0017】次に、炭素材料の開気孔率及び平均気孔半
径を上記範囲に限定した理由を説明する。炭素材料の開
気孔率は、含浸可能なフッ素樹脂の総量を規制するもの
である。即ち、開気孔率が高い程、炭素材料全体に対す
る含浸可能なフッ素樹脂の量が増える。開気孔率が5%
未満であると、はっ水性、非粘着性などの環境しゃ断性
能の向上が期待できなくなる。一方、開気孔率が20%
を超えると、含浸可能なフッ素樹脂量は増えるが、炭素
材料の機械的強度が低下し、更に含浸後の熱伝導率の低
下及び不浸透性の劣化を招き易くなると共に、含浸にム
ラを生じ易くなり、環境しゃ断性能の乏しい部分が生じ
易くなる。また、炭素材料の平均気孔半径は、以下の実
施例でも実証する様に、フッ素樹脂の含浸のし易さを決
定する要因である。即ち、平均気孔半径が大きい程、フ
ッ素樹脂の含浸率を高め易くなる。平均気孔半径が0.
3μm未満であると、45%以上の含浸率の確保が難し
くなる。2.5μmを超えると、含浸したフッ素樹脂に
よる気孔口の閉塞が不十分となり易く、はっ水性、非粘
着性の発現が難しくなり、また気孔壁からの組織脱落を
起し易くなる。フッ素樹脂含浸前の炭素材料の平均気孔
半径が1.0乃至2.0μmであることが、より一層好
ましい。
【0018】更に、本発明においては、フッ素樹脂を含
浸した後の前記炭素材料の平均気孔半径を0.3μm以
下とする必要がある。0.3μmを超えると、炭素材料
の液体や気体に対する不浸透性が不十分となる。
【0019】本発明において使用する炭素材料は、前記
特定範囲の開気孔率及び平均気孔半径を有する、炭素の
みから実質的に成る材料乃至は炭素を主成分とする材料
であり、ピッチ含浸品、樹脂含浸品及び金属含浸品等の
含浸品を包含する所謂炭素化品や黒鉛化品などの各種炭
素材料を包含する。具体的には、冷間等方圧加圧成形工
程を経た高密度等方性黒鉛や熱間加圧法を用いた高密度
黒鉛等の黒鉛材料、焼成炭素材料などがある。また、そ
のほかに、加圧焼成法により製造される炭化ホウ素(B
C)を含む炭素材料、ピッチバインダー法により製造
される各種セラミックを含む炭素材料及び炭素繊維強化
炭素材料などがある。本発明においては、特に熱伝導の
均一性を確保する上で、異方比が1.2以下の等方性の
高い材料を用いることが好ましい。ここで、異方比が
1.2以下であるとは、炭素材料における任意に直角を
なす方向に測った固有電気抵抗の比の平均値が1.2以
下であることを意味する。
【0020】本発明でいう炭素材料の平均気孔半径は、
例えば水銀圧入法により測定される累積気孔容積(cm
/g)の1/2に相当する半径値(μm)として決定
することができ、開気孔率は(かさ密度)×(全気孔容
積)×100で計算することができる。ここで、全気孔
容積(cm/g)は圧力が予め定めた最高圧力、例え
ば98MPaまで達したときの累積気孔容積をいう。
【0021】本発明において使用する前記フッ素樹脂の
種類に特に制限はなく、含浸のし易さから見て、80乃
至350℃で溶融し、多くとも10ポアズの粘度を有
するものが好ましい。ここで、フッ素樹脂の溶融温度は
常法により測定することができ、例えば示差熱分析にお
いてアルゴン雰囲気中、試料重量0.5g、昇温速度1
0℃/分の条件で測定する。具体的には、特開平3−1
19095号及び同3−269008号各公報に記載さ
れている様な、フッ素化剤で低分子量化したフッ素樹
脂、特開昭62−275190号公報に記載されている
フッ化ピッチなどを用いることができる。
【0022】次に、炭素材料へのフッ素樹脂の含浸方法
について説明する。例えば、前述の80乃至350℃で
溶融するフッ素樹脂を用いる場合には、溶融温度の違い
に応じて次の2つの方法により含浸することができる。
80乃至250℃で溶融する、粘度が1乃至10ポア
ズ程度のフッ素樹脂を用いる場合には、フッ素樹脂を圧
力容器(オートクレーブ)内で所定温度に加熱して十分
に溶融させた後、炭素材料を浸漬し、容器内を減圧から
加圧までの任意の圧力、好ましくは減圧の状態にする。
この際、フッ素樹脂が炭素材料と接触することにより固
化するので、容器内の温度を再上昇させる必要がある。
従って、所定の圧力状態に保つ時間を約30分乃至1時
間あるいはそれ以上とする必要がある。一方、250乃
至350℃で溶融する、粘度が10乃至10ポアズ
程度のフッ素樹脂を用いる場合には、同様にして圧力容
器内にて炭素材料を溶融状態のフッ素樹脂中に浸漬し、
一旦、例えば10乃至50mmHg程度の減圧にし、フ
ッ素樹脂が再溶融するまで温度調節を行なう。この様に
減圧にするのは、炭素材料の気孔から空気を除去すると
共に、材料の酸化を防止し、圧入含浸操作を容易にする
ためである。その後、容器内を加圧状態にして含浸操作
を行なう。処理時間は約30分乃至数時間とする。な
お、これら一連の操作を行なう際に、圧力容器内を窒素
ガス等を用いて非酸化性雰囲気としておく必要がある。
【0023】本発明においては、含浸処理の際の前記圧
力容器内の圧力(含浸圧)を適宜選択することにより、
フッ素樹脂の含浸率を所要の45%以上の値とすること
ができる。
【0024】その後、含浸処理した炭素材料を圧力容器
から取り出し、大気中に放置することにより、本発明の
フッ素樹脂含浸炭素材料を得ることができる。なお、こ
の際に炭素材料表面を被覆しているフッ素樹脂をヘラ等
で十分に除去することが好ましい。
【0025】かくして得られる本発明の調理用器具の形
状に得に制限はなく、家庭用、業務用の加熱板(ホット
プレート、焼肉プレート等)、フライパン、すき焼鍋、
天ぷら鍋やフライヤーなどに適用することができるほ
か、非粘着を応用してオーブンの内壁構造材等他の用途
にも利用することができる。
【0026】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0027】製造例1 ステンレス鋼製の圧力容器内に、すき焼鍋状に成形した
種々の等方性黒鉛又は焼成炭素材料を収容し、310℃
で溶融するフッ素樹脂を溶融させた。この際の溶融フッ
素樹脂の添加量は、被含浸材を十分浸漬させることがで
きる量であった。溶融フッ素樹脂を所定温度に保ち、容
器を減圧にし、適宜選択した滅圧下で1時間保持して含
浸を行なった。この際の容器の圧力とフッ素樹脂の含浸
率との関係を図1及び図2に示した。
【0028】図1及び図2から分る様に、圧力を所定値
以下とすることにより45%以上の含浸率を達成するこ
とができる。
【0029】実施例1 製造例1において各含浸圧にて調製した試料に夫々水滴
を付着させ、液−固のなす接触角を測定した。
【0030】また、被調理食品の粘着性を調べるため、
各試料の食品に擬した物体に対する付着力を引倒し法に
より評価した。この引倒し法による付着力評価試験法を
図3に示した。直径7.967mm、長さ95.0mm
のS45Cの棒21を十分に洗浄し、接着剤(ポリ酢酸
ビニル)22を塗り、含浸層23の表面に接着させた。
この際、接着条件は170℃で1時間保持であり、自然
放置して室温まで冷却した。このロッドとロードセル2
4をワイヤでつなぎ、図3に示す様に試料を水平方向に
引っ張り、その時の力F(kgf)をロードセル24に
て測定した。1つの試料につき2回測定を行ない、平均
値を出した。引倒し棒21の直径をd、高さをL、引倒
したときの力をFとすると、応力σは式:σ=M・y/
Iで表わされる。ここでMは棒21に働くモーメント、
Iは断面2次モーメント、yは棒断面の半径を夫々表わ
す。M=|M|max=FL、y=d/2、I=πd
/64であるので、σ=32FL/πdとなり、これ
をPaの単位に換算すると、σ=18.76F(MP
a)となる。
【0031】更に、これらの試料を用い、油を用いた際
の油煙の発生や油の飛散の状況を目視観察し、また食品
(肉、魚、野菜、めん類等)を調理し、調理と洗浄のサ
イクルを十数回繰り返した後に空焼きして、食品のかす
や油、洗剤などによる汚染の状況を触手及び目視により
評価した。これらの結果をまとめて、表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】更に表1に示した試料について、含浸後の
平均気孔半径を測定し、更に熱伝導率の測定及び不浸透
性の評価を行なった。結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表1及び表2から分る様に、本発明範囲内
の開気孔率及び含浸前後の平均気孔半径を有する炭素材
料に対してフッ素樹脂の含浸率を45%以上とすること
により、炭素材料のはっ水性、耐油性、非粘着性、食品
や洗剤による汚染防止性などが飛躍的に向上すると十藻
に、熱伝導率が低下せず、しかも液不浸透性が極めて優
れている。
【0036】実施例2 実施例1に従って含浸率を45%とした試料について、
SiCペーパーにより摩耗深度50μm、100μm、
300μm、2mmで表面を摩耗させた。各摩耗深度で
の水滴の接触角を測定し、結果を表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】表3から明らかな様に、フッ素樹脂含浸品
では何れの試料においても摩耗深度に依存せずに接触角
が110〜120°となり、繰り返して使用しても長期
に亘ってフッ素樹脂のはっ水性が発現することが分っ
た。
【0039】比較例1 PTFEを50μmコーティングした黒鉛について、実
施例2と同様の方法で接触角測定を行ない、得られた結
果を表4に示した。
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかな様に、50μm以上摩耗
すると接触角が黒鉛自体の値となっており、従来のPT
FEコーティングでは深さ方向に特性が発現していない
ことが分った。
【0042】実施例3 実施例2と同一の試料について、同様に摩耗処理を施し
て、各摩耗深度での付着力を測定し、結果を表5に示し
た。
【0043】
【表5】
【0044】表5から明らかな様に、付着力はフッ素樹
脂含浸によって未含浸の試料の8〜10%にまで低下し
ており、その効果が繰り返して使用しても長期に亘って
発揮されることが分った。
【0045】比較例2 PTFEを50μmコーティングした黒鉛について、実
施例3と同様の方法で付着力を測定し、得られた結果を
表6に示した。
【0046】
【表6】
【0047】表6から明らかな様に、50μm以上摩耗
すると付着力が4.5倍に増加し、深さ方向に非粘着性
が維持されないことが分った。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の調理用器具
は、はく離用の油が完全に不要であり、耐水性、耐油性
に優れ、被調理食品による焦げ付きがなく、また食品の
かすや油、洗剤などによる汚染を防ぎ、更にこれらの効
果が長期に亘って発揮される。更に、熱伝導率が良好な
まま保たれ、食品の調理の際に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素樹脂の含浸圧と炭素材料へのフッ素樹脂
の含浸率との関係を示した曲線図である。
【図2】フッ素樹脂の含浸圧と炭素材料へのフッ素樹脂
の含浸率との関係を示した曲線図である。
【図3】引倒し法による粘着力測定法の説明図である。
【符号の説明】
1 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径2.0μm、開気孔率14.8%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 2 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.8μm、開気孔率12.1%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 3 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.6μm、開気孔率15.3%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 4 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.5μm、開気孔率15.0%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 5 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.20μm、開気孔率11.7%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 6 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.05μm、開気孔率8.6%の等方性黒
鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 7 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径4.4μm、開気孔率16.5%の焼成炭素
材料を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 8 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.9μm、開気孔率20.7%の等方性黒
鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 9 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.3μm、開気孔率4.9%の等方性黒鉛
を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との関
係を示す曲線 10 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.07μm、開気孔率8.2%の等方性
黒鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 21 引倒し棒 22 接着剤 23 フッ素樹脂含浸炭素材料 24 ロードセル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開気孔率5乃至20%、平均気孔半径
    0.3乃至2.5μmの炭素材料の気孔中にフツ素樹脂
    が含浸率45%以上で含浸され、しかも含浸後の前記平
    均気孔半径が0.3μm以下であるフツ素樹脂含浸炭素
    材料を用いた調理用器具。
JP5220405A 1993-07-05 1993-07-05 調理用器具 Pending JPH0723861A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11128084A (ja) * 1997-10-27 1999-05-18 Toyo Tanso Kk 調理器
JP2008278984A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Mitsubishi Electric Corp 電磁誘導加熱調理器の製造方法
JP2009196890A (ja) * 2009-06-08 2009-09-03 Mitsubishi Electric Corp 表面改質カーボン凝結体並びに電磁誘導加熱調理器ないし電磁誘導加熱炊飯器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11128084A (ja) * 1997-10-27 1999-05-18 Toyo Tanso Kk 調理器
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