JPH0723859A - 調理用器具 - Google Patents

調理用器具

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JPH0723859A
JPH0723859A JP19188093A JP19188093A JPH0723859A JP H0723859 A JPH0723859 A JP H0723859A JP 19188093 A JP19188093 A JP 19188093A JP 19188093 A JP19188093 A JP 19188093A JP H0723859 A JPH0723859 A JP H0723859A
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fluororesin
cooking utensil
oil
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porous material
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JP19188093A
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Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Koji Kuroda
浩二 黒田
Yasushi Kida
康 喜田
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Toyo Tanso Co Ltd
Central Glass Co Ltd
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Toyo Tanso Co Ltd
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】はく離用の油を完全に不要とし、耐水性、耐油
性を向上させ、被調理食品による焦げ付きをなくし、ま
た食品のかすや油、洗剤などによる汚染を防ぎ、更にこ
れらの効果が長期に亘って発揮される様に調理用器具を
改良すること。 【構成】平均分子量5,000乃至15,000のフッ
素樹脂を含浸した多孔性材料からなる調理用器具であっ
て、前記フッ素樹脂の多孔性材料への含浸率が15%以
上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調理用器具に関し、更に
詳しくは家庭用、業務用の加熱板(ホットプレート、焼
肉プレート等)、フライパン、すき焼鍋、天ぷら鍋やフ
ライヤー、オーブンの内壁構造材などに適用することが
できる、フッ素樹脂含浸多孔性材料から成る調理用器具
に関する。
【0002】
【従来の技術】食品を調理する際、鉄、アルミニウム等
の金属製、陶板等のセラミック製などの調理用器具が広
く用いられている。しかし、これらの調理用器具は通常
調理の際にはく離用の油を必要とし、油の分解による発
煙、臭気、被調理食品の味の劣化等を伴い、また油の飛
散による周辺雰囲気の汚染を引き起こす。
【0003】このため、油の飛散等を防止し、更に遠赤
外線の作用を発現させることを目的とした、内部に多数
の孔隙を形成した炭素又は黒鉛から成る調理用加熱板が
提案された(特開昭63−270015号公報参照)。
【0004】ところが、これらの調理用器具では被調理
食品の焦げ付きが生じ、洗浄除去が困難であると共に、
耐水性や耐油性が不十分なため表面特性の劣化を起した
り、使用後に慎重な手入れを要するなどの問題点があっ
た。また、孔隙を有する材質では食品のかすや油、洗剤
などが孔隙中に入り込み、除去が困難であるため残留し
て腐敗を起したり、新たに調理する食品を汚染するとい
った問題点があった。
【0005】これらの問題の1つの解決策として、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子の水性ディ
スパージョンを金属、セラミック等の基体上にスプレー
などで塗付し、焼成してPTFEを主体とする厚み50
μm程度の被膜を形成する技術が開発され、調理用器具
への食品の焦げ付き等を防いできた。ところが、この技
術によると、使用当初は食品の焦げ付き等が防止される
が、繰り返して使用するとフッ素樹脂被膜が徐々にはく
離し、食品に対する非粘着作用の発現が困難となる。従
って、フッ素樹脂を被覆しているにも拘わらず、焦げ付
きを防止するために油の使用を余儀無くされると共に、
遂にはフッ素樹脂の被膜が本来の作用を発現し得ない程
度にはく離してしまい、非粘着作用が無くなる。
【0006】そこで本発明者らは、はく離等の問題を生
ずるコーティングに代るフッ素樹脂による調理用器具の
改質方法を確立すべく、調理用器具のフッ素樹脂含浸に
よる改質について検討を重ねた。調理用器具用途ではな
いが、既に特開平3−250095号公報に平均分子量
1,500乃至15,000のフッ素樹脂を含浸した多
孔性材料が報告されている。この材料は、フッ素樹脂含
浸により潤滑性が付与され、耐摩耗性が向上しているた
め、軸受等の無給油部品などに適用することができる。
ところが、この材料では主として材料表面における潤滑
性や耐摩耗性が考慮され、前記公報実施例に見られる様
に10気圧(約10.3kgf/cm2)程度の比較的
低い圧力で含浸処理を行うため、耐水性、耐油性、非粘
着性が不十分であり、かきまぜ操作を伴う調理や洗剤等
による洗浄の際に日常的に頻繁に摩滅する可能性のある
調理用器具に適用することができない。
【0007】今回、本発明者らは、フッ素樹脂含浸多孔
性材料について調理用途を意図して更に改良を重ね、あ
る特定の条件下で耐水性、耐油性、非粘着性や耐久使用
性について予想外の効果が発現されることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前述の様な従来の調理用器具の欠点を解消
し、はく離用の油を完全に不要とし、耐水性、耐油性を
向上させ、被調理食品による焦げ付きをなくし、また食
品のかすや油、洗剤などによる汚染を防ぎ、更にこれら
の効果が長期に亘って発揮される様に調理用器具を改良
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の調理用器具は、平均分子量5,000乃
至15,000のフッ素樹脂を含浸した多孔性材料から
成る調理用器具であって、前記フッ素樹脂の多孔性材料
への含浸率が15%以上であることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用及び構成】本発明において、前記フッ素樹
脂の多孔性材料への含浸率は、式:I=100G/PD
のI(%)で示される数値である。但し、Pは多孔性材
料の開気孔の体積の実測値(cm3)、Dはフッ素樹脂
の真密度(g/cm3)、Gは実際に含浸したフッ素樹
脂の重量(g)を表す。つまり、I値は開気孔に占める
含浸フッ素樹脂の体積割合を示す。
【0011】以下の実施例において実証する様に、上記
の含浸率を15%以上、好ましくは経時変化による損耗
をも考慮して30%以上とすることにより、調理用器具
の耐水性、耐油性、非粘着性の付与、油や残留物質によ
る汚染防止等の効果が飛躍的に向上し、しかもこれらの
効果が長期に亘って持続する。
【0012】この様な含浸率を構成する1つの方法とし
ては、後述する様に、含浸の際の条件、特に含浸圧を調
節することが挙げられる。
【0013】本発明において使用する前記多孔性材料
は、調理用途での使用に耐え得るものであれば材質、形
状等に特に制限はなく、例えば炭素化又は黒鉛化された
炭素材料;多孔性焼結合金など、鉄、アルミニウム等の
多孔性金属材料;陶磁器、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の
多孔性焼結体、多孔性ガラス等の多孔性セラミック材料
などを被含浸材として使用することができる。多孔性材
料の有する細孔(気孔)については、その形状や径の分
布及び配置などは、多孔性材料の表面において開気孔を
形成している限りにおいて特に制限はないが、気孔率が
5乃至30%であることが好ましい。気孔率が5%未満
であると、フッ素樹脂含浸による効果が十分に得られ
ず、30%を超えると多孔性材料の熱的特性、機械的特
性が低下する。
【0014】また、このうち炭素材料については、熱伝
導率や熱伝導の均一性を考慮して等方性黒鉛が好まし
く、特に気孔率が10乃至20%であるものが好まし
い。更にまた、平均気孔半径は0.1乃至2μmの範囲
が好ましい。平均気孔半径が0.1μm未満であると含
浸しにくくなり、2μmを超えると熱的、機械的特性が
低下する。
【0015】本発明において使用する平均分子量5,0
00乃至15,000のフッ素樹脂は、特開平1−49
403号、特開平1−49404号、特開平1−250
095号各公報などに記載されている。以下に示すフッ
素化剤によりフッ素樹脂の主鎖を切断して分子量を著し
く低下させる方法により得られるものを使用することが
できる。
【0016】まず原料のフッ素樹脂としては、PTF
E、テトラフルオロエチレン−テトラフルオロプロピレ
ン共重合体(PFE)、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、クロ
ロトリフルオロエチレン(CTFE)−テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等の汎用樹
脂を用いるが、特にPTFEが好ましく、これらは粉
末、ペレット、シート状物のスクラップ、あるいはフィ
ラー入りのもの等、いかなる形状のものでも使用するこ
とができる。
【0017】供給するフッ素化剤としては、分子状のフ
ッ素(F2)、フッ化塩素(CIF)、三フッ化塩素
(CIF3)、五フッ化塩素(CIF5)、フッ化臭素
(BrF)、三フッ化臭素(BrF3)、五フッ化臭素
(BrF5)、三フッ化ヨウ素(IF3)、五フッ化ヨウ
素(IF5)、七フッ化ヨウ素(IF7)、二フッ化キセ
ノン(XeF2)、四フッ化キセノン(XeF4)、六フ
ッ化キセノン(XeF6)、フッ化クリプトン(Kr
2)、三フッ化窒素(NF3)等が挙げられる。
【0018】上記フッ化物は、Fラジカルを発生するフ
ッ素化剤であり、Fラジカルはフッ素樹脂の主鎖の切断
及び生じたポリマーの末端ラジカルをカップリング安定
化させ、反応制御を容易にするものである。
【0019】これらのフッ素化剤の添加は、フッ素樹脂
の種類、形状にもよるが、フッ素樹脂100重量部に対
しFとして0.01重量部以上となる様に供給(存在)
させればよい。0.01重量部より少ないと、切断反応
がうまく進行しない。なお、過剰に存在する場合は未反
応物として残存するため、これらを回収再使用すればよ
いので特に問題は起らないが、10重量部程度までの範
囲で選択するのが望ましい。
【0020】使用する反応器は、気体と固体を接触させ
ることができるものであれば、何れのものでも使用する
ことができるが、例えば多段の棚を具備する強制循環式
の反応器、流動層等の気−固接触が良好に行なえる反応
器が好ましい。
【0021】ガスの圧力は、高圧になればなる程速やか
に反応するが、常圧においても十分な反応速度を有して
いる。
【0022】また、フッ素化剤は、そのまま使用できる
ことは勿論、窒素、アルゴン、ヘリウム、四フッ化炭素
等の不活性ガスで希釈して使用することもできる。
【0023】従来の熱分解では多量の不飽和の猛毒ガス
が副生するのに対し、本発明におけるフッ素化剤との反
応では、強力なフッ素化能を有するフッ素化剤中で反応
を行なうため、反応で副生するガス自身が極めて少な
く、またそのガスもC26、C38、CF4等をはじめ
として、使用するフッ素化剤により多少は異なるもの
の、フロン系化合物、希ガスのXe、Kr等の安全で取
扱い易い化合物である。
【0024】生成する低分子量フッ素樹脂の分子量分布
は、反応温度と反応時間により調節することができる
が、主として反応温度が分子量に大きく影響し、上記し
たフッ素樹脂の温度を250乃至550℃に保つことに
より、本発明における様な分子量5,000乃至15,
000のフッ素樹脂を容易に得ることができる。なお、
生成物は活性なフッ素ラジカルの存在下で分解反応を行
なっているため、末端はCF3化されており、極めて安
定であり、そのため粘度も下述する様に、熱分解したも
のに比べて低下している。
【0025】即ち、本発明に係わるフッ素樹脂は、通常
のPTFEの溶融粘度が1011乃至1012ポイズである
のに対して、106乃至107ポイズ程度まで低下してお
り、また熱分解により得られる数万乃至数十万程度の分
子量のフッ素樹脂に比べても可成り粘度が低下し、また
融点も315乃至320℃となり、多孔性材料への含浸
が容易となっている。
【0026】フッ素樹脂の平均分子量が5,000より
小さい場合は、溶融粘度が低く含浸は容易であるが、沸
点が低く蒸発し易いため、耐久性、耐熱性に問題があ
り、一方平均分子量が15,000より大きい場合は、
溶融粘度が高いため、多孔性材料に含浸させることが難
しくなる。
【0027】なお、本明細書におけるフッ素樹脂の「平
均分子量」は、例えば特開平3−25009号公報にも
記載されている様に、既知のパーフルオロカーボンの融
点と分子量との関係及び米国特許第3,067,262
号明細書に示されている融点と分子量との関係式:分子
量=200/685[1/融点(華氏、度)−1/60
0」から求められる。
【0028】次に、多孔性材料への前記フッ素樹脂の含
浸は、減圧及び非酸化性雰囲気下において、前記フッ素
樹脂を加熱、溶融した液体中に多孔性材料を浸漬した
後、系内を所定の圧力とすることにより行なう。この圧
力が、本発明における前記15%以上の含浸率を達成す
る上で重要であり、以下の実施例においても実証してい
るとおり、多孔性材料の性状に応じて含浸圧を適宜選択
することにより、含浸率を15%以上とすることができ
る。
【0029】更に具体的には、例えば、前記フッ素樹脂
をポット中に入れ、圧力容器(オートクレーブ)中にて
330℃程度に加熱して十分溶融させた後、調理用器具
となる多孔性材料を入れ、該容器を10乃至50mmH
gまで減圧にする。調理用器具の浸漬操作により温度が
低下しているため、融体が十分溶融するまで減圧の状態
にてオートクレーブの温度を再度上昇させる。この際、
減圧にするのは、多孔性材料の気孔から空気を除去する
と共に、材料の酸化を防止し、圧入含浸操作を容易にす
るためである。次に、この様にして溶融したフッ素樹脂
と多孔性材料とが接触共存した状態で、容器内に例えば
窒素又はアルゴン等の不活性ガスを導入して、所定の内
圧で約30分乃至数時間保持する。その後、含浸処理し
た多孔性材料を圧力容器から取り出し、大気中に自然放
置して本発明の調理用器具を得ることができる。
【0030】なお、含浸処理後に多孔性材料の表面上に
被覆してなるフッ素樹脂をヘラ等で十分に除去すること
が好ましい。
【0031】本発明の調理用器具の形状に特に制限はな
く、例えば加熱板(ホットプレート、焼肉プレート
等)、フライパン、すき焼鍋、天ぷら鍋やフライヤー、
オーブンの内壁構造材等に適用することができるほか、
非粘着性を応用してオーブンの内壁構造材等の他の用途
にも利用することができる。
【0032】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0033】
【実施例1】ステンレス鋼製の圧力容器内に、すき焼鍋
状に成形した気孔率15%、平均気孔半径1.5μm、
かさ比重1.79(ピッチ含浸済、以下黒鉛1という)
の等方性黒鉛、及び気孔率21%、平均気孔半径2.5
μm、かさ比重1.68(ピッチ含浸なし、以下黒鉛2
という)の等方性黒鉛を収容し、平均分子量が約8,5
00のフッ素樹脂(セントラル硝子株式会社製、商品名
セフラルルーブ−I)を溶融させた。この際の溶融フッ
素樹脂の添加量は、被含浸材を十分浸漬させることがで
きる量であった。溶融フッ素樹脂の温度を330〜35
0℃に保ち、窒素ガスを圧力容器内に導入して、適宜選
択した内圧で3時間保持して含浸を行なった。この際の
含浸圧とフッ素樹脂の含浸率との関係を図1に示した。
図中、曲線11は黒鉛1について、曲線12は黒鉛2に
ついての含浸圧と含浸率との関係を示している。
【0034】図1から分る様に、含浸圧を所定値以上と
することにより15%以上の含浸率を達成することがで
きる。
【0035】次に、各含浸圧にて調製した試料に夫々水
滴を付着させ、液−固のなす接触角を測定した。
【0036】また、被調理食品の粘着性を調べるため、
各試料の食品に擬した物体に対する付着力を引倒し法に
より評価した。この引倒し法による付着力評価試験法を
図2に示した。直径7.967mm、長さ95.0mm
のS45Cの棒21を十分に洗浄し、接着剤(ポリ酢酸
ビニル)22を塗り、フッ素樹脂含浸黒鉛23の表面に
接着させた。この際、接着条件は170℃で1時間保持
であり、自然放置して室温まで冷却した。このロッドと
ロードセル4をワイヤでつなぎ、図2に示す様に試料を
水平方向に引っ張り、その時の力F(kgf)をロード
セル24にて測定した。
【0037】1つの試料につき2回測定を行ない、平均
値を出した。引倒し棒1の直径をd、高さを1、引倒し
たときの力をFとすると、応力σは式:σ=M・y/I
で表される。ここでMは棒1に働くモーメント、Iは断
面2次モーメント、yは棒断面の半径を夫々表わす。M
=|M|max=FL、y=d/2、I=πd4/64であ
るので、σ=32FL/πd3となり、これをPaの単
位に換算すると、σ=18.76F(MPa)となる。
【0038】更に、これらの試料を用い、油を用いた際
の油煙の発生や油の飛散の状況を目視観察し、また食品
(肉、魚、野菜、めん類等)を調理し、調理と洗浄のサ
イクルを十数回繰り返した後に空焼きして、食品のかす
や油、洗剤などによる汚染の状況を触手及び目視により
評価した。これらの結果をまとめて、表1に示した。但
し表1中の(*)の評価中、◎は良好、○は普通、×は
不良である。
【0039】
【表1】
【0040】表1から分る様に、含浸率を15%以上と
することにより、多孔性材料の耐水性、耐油性、非粘着
性、食品や洗剤による汚染防止性などが飛躍的に向上す
る。
【0041】
【実施例2】実施例1の方法に従って含浸率を夫々18
%とした等方性黒鉛、陶板、焼結鋼について、SiCペ
ーパーにより摩耗深度50μm、100μm、300μ
m、2mmで表面を摩耗させた。各摩耗深度での水滴の
接触角を測定し、結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかな様に、フッ素樹脂含浸品
では何れの試料においても摩耗深度に依存せずに接触角
が110〜120°となり、繰り返して使用しても長期
に亘ってフッ素樹脂のはっ水性が発現することが分っ
た。
【0044】
【比較例1】PTFEを50μmコーティングした黒鉛
について、実施例2と同様の方法で接触角測定を行な
い、得られた結果を表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】50μm以上摩耗すると、接触角が黒鉛自
体の値となっており、従来のPTFEコーティングでは
深さ方向に特性が発現していないことが分った。
【0047】
【実施例3】実施例2と同一の試料について、同様の摩
耗処理を施して、各摩耗深度での付着力を測定し、結果
を表4に示した。
【0048】
【表4】
【0049】表4から明らかな様に、付着力はフッ素樹
脂含浸によって未含浸の試料の8〜10%にまで低下し
ており、その効果が繰り返して使用しても長期に亘って
発揮されることが分った。
【0050】
【比較例2】PTFEを50μmコーティングした黒鉛
について、実施例3と同様の方法で付着力を測定し、得
られた結果を表5に示した。
【0051】
【表5】
【0052】50μm以上摩耗すると、付着力が4.5
倍に増加し、深さ方向に非粘着性が維持されないことが
分った。
【0053】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の調理用器具
によれば、はく離用の油が完全に不要であり、耐水性、
耐油性に優れ、被調理食品による焦げ付きがなく、また
食品のかすや油、洗剤などによる汚染を防ぎ、更にこれ
らの効果が長期に亘って発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素樹脂の含浸圧と含浸率との関係を示した
曲線図である。
【図2】引倒し法による粘着力測定法の説明図である。
【符号の説明】
11 黒鉛1についての含浸圧と含浸率との関係を示し
た曲線 12 黒鉛2についての含浸圧と含浸率との関係を示し
た曲線 21 引倒し棒 22 接着剤 23 フッ素樹脂含浸黒鉛 24 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜田 康 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セント ラル硝子株式会社宇部研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均分子量5,000乃至15,000の
    フッ素樹脂を含浸した多孔性材料から成る調理用器具で
    あって、前記フッ素樹脂の多孔性材料への含浸率が15
    %以上であることを特徴とする調理用器具。
  2. 【請求項2】調理用器具が調理用加熱板である請求項1
    記載の調理用器具。
  3. 【請求項3】調理用器具がフライパンである請求項1記
    載の調理用器具。
  4. 【請求項4】調理用器具がすき焼鍋である請求項1記載
    の調理用器具。
  5. 【請求項5】調理用器具が天ぷら鍋である請求項1記載
    の調理用器具。
  6. 【請求項6】調理用器具がフライヤーである請求項1記
    載の調理用器具。
JP19188093A 1993-07-05 1993-07-05 調理用器具 Pending JPH0723859A (ja)

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