JPH0829862B2 - 板材加工機における板材の移動位置決め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術的分野］ 本発明は、例えばパンチプレス等のごとき板材加工機
における板材の移動位置決め装置に係り、さらに詳細に
は、板材加工機における固定テーブルの両側に、上記板
材加工機におけるパンチ，ダイ等の加工位置に対して接
近離反するＹ軸方向へ移動位置決め自在の可動テーブル
を設け、上記可動テーブルに両端側を支持されたキャリ
ッジベースにキャリッジをＸ軸方向へ移動位置決め自在
に設け、このキャリッジに、前記固定，可動テーブル上
の板材の一端縁を把持自在の把持爪装置を設けてなるパ
ンチプレス等のごとき板材加工機における上記把持爪装
置に対して板材の移動位置決めを行う装置に関する。

［発明の技術的背景および従来技術の問題点］ 初めに第１図にもとづいて本発明のなされた背景を説
明する。

第１図に示したタレットパンチプレス１は、門形フレ
ーム３を備え、そのギャップ部分に板材Ｗを水平に載置
する左右の可動テーブル5,5と中央の固定テーブル７と
が設けてある。

また上記固定テーブル７のＹ軸方向奥側（第１図の上
側）には対をなすパンチとダイをとりつけた上下のタレ
ット9,9が設けてあり、上記可動テーブル5,5にまたがっ
てキャレッジベース11が設けてある。

前記可動テーブル5,5はＹ軸駆動電動機13に駆動され
るＹ軸リードスクリュ（図示省略）によってＹ軸方向に
移動位置決めされるから、前記キャレッジベース11もＹ
軸方向に移動位置決めが自在である。

同様に上記キャレッジベース11に乗りＸ軸駆動電動機
15に駆動されるＸ軸リードスクリュ（図示省略）によっ
てＸ軸方向に移動位置決め自在なキャレッジ17が設けて
あって、このキャレッジ17の奥側面にタレットパンチプ
レス１のための把持爪装置19が設けてある。

また前記可動テーブル５の板材Ｗの搬入側端にはＸ軸
方向の板材Ｗの基準位置を設定する位置決めゲージ21が
板材Ｗのパスラインに対して出没自在に設けてあり、前
記把持爪装置19の爪ののど部にはＹ軸方向の基準位置を
設定するＹ軸方向位置決めゲージ23が設けてある。

上記したタレットパンチプレス１の把持爪装置19は、
数値制御によって板材Ｗをパンチとダイの加工位置に配
置するものである。具体的には図示のようにキャレッジ
ベース11を最もタレット９から遠ざけた場合のＹ軸方向
位置決めゲージ23と前記出没自在のＸ軸方向位置決めゲ
ージ21とによって数値制御の原点に板材Ｗの一隅を位置
させるのである。

上記した従来技術では、板材Ｗの一隅を挟む隣接二辺
をＸ軸位置決めゲージ21と複数のＹ軸位置決めゲージ23
に整合するに当って最も一般的に行なわれるのは、作業
員が手作業で固定テーブル７と可動テーブル５上に送り
込まれた板材Ｗをずらして当接させるものであった。

また上記の手作業に代えて板材Ｗの一隅を、ほぼ45度
に引き込む板材Ｗの整合装置を設けたものもいくらかあ
ったが、いずれもテーブルの下方に複雑な構造の機構を
内蔵したもので、あとづけで設けることは不可能であっ
た。

［発明の目的とその概要］ 本発明の目的は上記した従来技術の不都合点を解消す
る目的でなされたもので、テーブルに対し容易にあとづ
けで容易できる板材の移動位置決め装置を創案したもの
である。

すなわち、本発明は、板材加工機における固定テーブ
ルの両側に、上記板材加工機における加工位置に対して
接近離反するＹ軸方向へ移動位置決め自在の可動テーブ
ルを設け、上記可動テーブルに両端側に支持されたキャ
リッジベースにキャリッジをＸ軸方向へ移動位置決め自
在に設け、このキャリッジに、前記固定，可動テーブル
上の板材の一端縁を把持自在の把持爪装置を設けてなる
板材加工機における板材の移動位置決め装置において、
前記可動テーブルの上面から離隔して当該可動テーブル
に一体的に設けたガイドバーをＹ軸方向に延伸して設
け、このガイドバーに移動自在に支持されたブラケット
の下部に、前記可動テーブル上の板材を前記把持爪装置
へ押し付け自在の板材移動部材を設け、この板材移動部
材の一部を、前記可動テーブル上において板材を支持す
る回転体の最上部位置より低く設けてなるものである。

［発明の実施例］ 本発明の実施例装置は、第１図に示したタレットパン
チプレス１の把持爪装置19ののど部に設けたＹ軸位置決
めゲージ23,23と、可動テーブル５の左端に設けた板材
のパスラインに関して出没自在のＸ軸位置決めゲージ21
に対して、板材Ｗを移動して位置決めする装置である。

第１図の左側に示したローラコンベア25は、前記タレ
ットパンチプレス１の可動テーブル５からあとづけ容易
な脚体（図示省略）に支承されていて、両側の枠体27,2
7と底板29から構成され、多数のローラ31が遊転自在で
ある。

その枠体27の上面には第２図に明らかなように、Ｘ軸
方向に指向した平行なガイドレール33,33が設けてあっ
て、該ガイドレール33,33に跨るスライド35に両端を支
承された例えば角梁37上をＹ軸方向に滑動自在な把持爪
基体39が設けてある。

上記把持爪基体39には板材ＷのＸ軸方向末端を把持す
る複数の把持爪41が設けてあり、前記スライド35の一方
の外側には例えばパルスモータなどの電動機で駆動され
る循環チエン（図示省略）などに連結してあって、スラ
イド35はＸ軸方向の正負両方向に移動位置決め自在であ
る。

また第２図に示したように角梁37の一部に前記把持爪
基体39のＹ軸方向移動を限定するストッパ43が設けてあ
り、把持爪基体39とスライド35の間には緊締弛緩装置で
ある小形流体圧装置45が設けてある。

したがって該小形流体圧装置45を作動すると、把持爪
基体39はストッパ43に押圧されてＸ軸方向に板材を移動
する間に板材ＷのＹ軸座標値を一定に維持する。

第1,3,4,5図に例示したように可動テーブル５の一部
（複数の把持爪装置19,19の中間など）にあとづけで容
易に取付けた門形枠体47が設けてあって、該門形枠体支
柱47の水平梁49から垂下するブラケット51,51を介して
リードスクリュ53とガイドバー55,55とが水平に設けて
ある。

前記リードスクリュ53は図示を省略したパルスモータ
などの電動機で正逆転自在であり、上記リードスクリュ
53と螺合するナット部材57がＹ軸方向に沿って移動自在
である。

上記ナット部材57の下方にはＺ字軸面のブラケット59
を介して板材Ｗの端辺を把持爪装置19へ押しつける板材
移動部材である下向き突出輪61が設けてあって、第６図
に示したように可動テーブル５上の回転体としてのフリ
ーボールベアリング63に支承されている板材Ｗの端縁を
押圧するように、前記板材移動部材の一部は前記回転体
の最上部位置より低く設けてある。

本実施例の装置で板材Ｗをテーブル5,7上に搬入しＸ
軸位置決めゲージ21とＹ軸位置決めゲージ23に当接させ
るには以下に述べる手順で行なう。

初めに流体圧装置45を作動させて把持爪基体39をスト
ッパ43に押圧した状態で把持爪41に板材Ｗの末端を把持
し、図示しない電動機や循環チエンによって板材Ｗを遊
点ローラ31上を移動せてテーブル5,7の上へ移動する。

この場合前記した出没自在なＸ軸位置決めゲージ21を
板材Ｗを把持した末端が過ぎたら直ちに板材Ｗの移動を
停止する。

次に前記Ｘ軸位置決めゲージ21を板材Ｗのパスライン
より上に突出させて、把持爪基体39を逆方向に移動して
板材Ｗの末端をＸ軸位置決めゲージ21に当接させて停止
させる。

次に前記流体圧装置45の作動を停止してストッパ43と
の間の把持爪基体39の押圧を解除する。

次に前記したリードスクリュ53を回転させてナット部
材57および突出輪61を把持爪装置19に向けて移動させ板
材Ｗの第１図における下端辺をＹ軸位置決めゲージ23,2
3に当接させれば移動位置決めの目的を達する。

上記した説明から明らかなように本発明の実施例装置
は板材を搬入移動位置決めするテーブルに特別の加工を
せずにあとづけでも容易に取付けが可能であり、比較的
簡単な構造でコスト安である。

更に板材Ｗの末端を広い幅で把持し、Ｘ軸方向に搬入
及び移動する間は把持爪基体39がＹ軸方向にずれること
がない。

更にキャレッジ17に設けた複数の把持爪装置19,19の
中間で板材Ｗを把持爪装置19に接近させるから簡単な構
造で複数のＹ軸位置決めゲージ23,23に板材Ｗの対応端
辺を当接させることが可能であり、把持爪基体39は角梁
37に案内されてＹ軸に沿った移動が確保されるのであ
る。

〔発明の効果〕

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、板材加工機における固定テーブル
（７）の両側に、上記板材加工機における加工位置に対
して接近離反するＹ軸方向へ移動位置決め自在の可動テ
ーブル（５）を設け、上記可動テーブル（５）に両端側
を支持されたキャリッジベース（11）にキャリッジ（1
7）をＸ軸方向へ移動位置決め自在に設け、このキャリ
ッジ（17）に、前記固定，可動テーブル（7,5）上の板
材（Ｗ）の一端縁を把持自在の把持爪装置（19）を設け
てなる板材加工機における板材の移動位置決め装置にお
いて、前記可動テーブル（５）の上面から離隔して当該
可動テーブル（５）に一体的に設けたガイドバー（55）
をＹ軸方向に延伸して設け、このガイドバー（55）に移
動自在に支持されたブラケット（59）の下部に、前記可
動テーブル（５）上の板材（Ｗ）を前記把持爪装置（1
9）へ押し付け自在の板材移動部材（61）を設け、この
板材移動部材（61）の一部を、前記可動テーブル（５）
上において板材（Ｗ）を支持する回転体（63）の最上部
位置より低く設けてなるものである。

上記構成より明らかなように、本発明においては、板
材加工機における可動テーブル５にはＹ軸方向に延伸し
たガイドバー55が上面から隔離して設けてあり、このガ
イドバー55に移動自在に支持されたブラケット59の下部
には可動テーブル５上の板材Ｗを把持爪装置19へ押し付
け自在の板材移動部材61が設けてある。そして、上記板
材移動部材61の一部は、可動テーブル５上において板材
Ｗを支持する回転体の最上部位置より低く設けてある。

したがって、本発明によれば、可動テーブル５上に搬
入された板材Ｗを、板材移動部材61でもって把持爪装置
19へ押し付けるべく移動位置決めすることができるもの
である。この際、板材移動部材61の一部が可動テーブル
５の上面に備えた回転体の最上部位置に低く設けてある
から、板材Ｗとの間に滑り等を生じることなしに確実に
押すことができるものである。

また、本発明においては、ガイドバー55が可動テーブ
ル５に一体的に設けてあることにより、可動テーブル５
がＹ軸方向の任意の位置に位置する場合であっても、可
動テーブル５上の板材Ｗを把持爪装置19へ押し付けるこ
とができ、可動テーブル５に対する板材Ｗの搬入位置を
任意にすることが可能なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例としてのタレットパンチプレス
の平面図、第２図はローラコンベアの把持爪基体周辺の
拡大平面図、第３図は門形枠体の平面図、第４図は同上
立面図で第１図のIV−IV矢視図に相当する。第５図は第
４図の右側面図、第６図は第４図のVI−VI矢視拡大図、
第７図は第４図のVII−VII矢視図である。 （図面の主要部を表わす符号の説明） １……タレットパンチプレス 19……把持爪装置 21……Ｘ軸位置決めゲージ 23……Ｙ軸位置決めゲージ 35……スライド、39……把持爪基体 43……ストッパ、61……（下向き）突出輪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】板材加工機における固定テーブル（７）の
   両側に、上記板材加工機における加工位置に対して接近
   離反するＹ軸方向へ移動位置決め自在の可動テーブル
   （５）を設け、上記可動テーブル（５）に両端側を支持
   されたキャリッジベース（11）にキャリッジ（17）をＸ
   軸方向へ移動位置決め自在に設け、このキャリッジ（1
   7）に、前記固定，可動テーブル（7,5）上の板材（Ｗ）
   の一端縁を把持自在の把持爪装置（19）を設けてなる板
   材加工機における板材の移動位置決め装置において、前
   記可動テーブル（５）の上面から離隔して当該可動テー
   ブル（５）に一体的に設けたガイドバー（55）をＹ軸方
   向に延伸して設け、このガイドバー（55）に移動自在に
   支持されたブラケット（59）の下部に、前記可動テーブ
   ル（５）上の板材（Ｗ）を前記把持爪装置（19）へ押し
   付け自在の板材移動部材（61）を設け、この板材移動部
   材（61）の一部を、前記可動テーブル（５）上において
   板材（Ｗ）を支持する回転体（63）の最上部位置より低
   く設けてなることを特徴とする板材加工機における板材
   の移動位置決め装置。