JPH082982A - コンクリートの補修方法 - Google Patents

コンクリートの補修方法

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JPH082982A
JPH082982A JP13755094A JP13755094A JPH082982A JP H082982 A JPH082982 A JP H082982A JP 13755094 A JP13755094 A JP 13755094A JP 13755094 A JP13755094 A JP 13755094A JP H082982 A JPH082982 A JP H082982A
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concrete
pores
inorganic compound
superfine powder
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JP13755094A
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English (en)
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Koichi Ishibashi
孝一 石橋
Kiminobu Ashida
公伸 芦田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】コンクリートの表面及び/又は内部の細孔に超
微粉や可溶性の無機化合物を供給し、該細孔に超微粉や
付着させたり、不溶性の無機化合物を析出させ、細孔に
付着させることを特徴とするコンクリートの補修方法で
あり、コンクリートの表面及び/又は内部の細孔に超微
粉及び/又は可溶性の無機化合物を供給し、コンクリー
ト表面に設置した電極を外部電極とし、コンクリート中
の鋼材を内部電極とし、外部電極間及び/又は外部電極
と内部電極間に電流を流して、該細孔に超微粉及び/又
は不溶性の無機化合物を付着させる。 【効果】コンクリートの緻密性が向上し、水分、塩分、
及び炭酸ガスや硫化ガスなどのガス等の外部からのコン
クリートの劣化要因が遮断されコンクリート構造物の耐
久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋やPC鋼材を補強
材とする鉄筋コンクリート構造物やプレストレストコン
クリート構造物のコンクリートの補修方法、特に、コン
クリート表面や内部に存在する細孔に超微粉や無機化合
物を付着させ、コンクリート構造物を緻密にすることに
よりコンクリートの耐久性を向上する方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】鉄筋コンクリート構造物やプ
レストレストコンクリート構造物などのコンクリート構
造物は、圧縮強度の強いコンクリートと引張強度の強い
鋼材とを組み合わせることによって、力学的に圧縮強度
と引張強度のバランスの取れた構造体となり、それゆえ
種々の重要な構造物に広く使用されてきた。
【0003】また、コンクリートは、一般には、水、
火、及び日光等の環境に対する耐久性が強く、さらに、
コンクリートのアルカリ度がpHで11〜14の強アルカリ
性であるため、コンクリート内部にある鋼材はその表面
に不動体被膜を形成して腐食から保護され、そのため
に、コンクリート構造物は耐久性のある永久構造物であ
ると考えられてきた。
【0004】しかしながら、この永久構造物と考えられ
てきたコンクリート構造物も、種々の原因によりその耐
久性が低下し、構造物としての寿命に疑問が投げかけら
れるようになってきた。
【0005】コンクリート構造物が劣化する原因の一つ
として、コンクリートの中性化、例えば、「炭酸化」と呼
ばれる現象が挙げられる。
【0006】炭酸化とは、セメントの水和反応によって
生成された水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反
応して炭酸カルシウムとなる現象であって、炭酸化によ
り、コンクリートのアルカリ度が通常のpH11〜14より
低下する。そして、pHが10程度にまで低下すると鋼材
の不動体被膜が破壊され、鋼材の腐食がはじまり、コン
クリート構造物としての強度バランスが崩れ、その耐久
性が大きく低下することになる。
【0007】そして、コンクリートの中性化現象は、炭
酸化以外にも、酸化イオウ(SOX)や酸化窒素(NOX)によっ
ても、同様に引き起こされている。
【0008】一方、海岸周辺等にあるコンクリート構造
物では、海水の飛沫が飛んできて、コンクリート表面に
付着し、その付着した海水中に含まれている塩分が、塩
素イオンとしてコンクリート中の空隙を通ってコンクリ
ート内部に浸透し、内部鉄筋等の鋼材の不動体被膜を破
壊し、そのため鋼材が腐食し、コンクリート構造物の耐
久性が大きく低下することになる。また、コンクリート
材料として、細骨材として海砂を用いた場合、その塩分
除去が不十分であると、コンクリート製造時から多量の
塩化物を含有することとなり、その結果、鋼材の不動体
被膜形成が不十分となり、鋼材が腐食してコンクリート
構造物の耐久性が大きく低下することになる。このよう
に、塩素イオンにより、鋼材が腐食し、さらに、コンク
リートのひび割れ、欠落、及び剥離等に進展し、コンク
リート構造物としての耐久性が大きく低下する現象を一
般に、「塩害」と呼んでいる。
【0009】このようなコンクリート構造物の劣化は、
コンクリート内部の鋼材の発錆、コンクリートのひび割
れ、及びコンクリートの欠落等という現象を引き起こ
し、構造的にも、外見的にも、大きな課題となってい
る。
【0010】そして、コンクリート構造物の劣化に対す
る影響は、コンクリートの緻密性の低下によるものが大
きく、緻密性に劣るコンクリートは劣化が早く、適切な
補修方法が必要となっている。
【0011】一般に、コンクリートは良質なものであっ
ても、その内部に多くの細孔を有している。また、コン
クリートは、そのコンクリート製造時のAE剤の使用に
よる気泡の混入、不完全な施工、及び乾燥収縮時のひび
割れ等により多くの欠陥が存在するものである。
【0012】これらコンクリート中に存在する細孔や欠
陥により、コンクリートの防水性は著しく低下し、凍結
融解の原因となるコンクリート中への水の浸透性が大き
くなり、鉄筋の発錆を引き起こし塩害の原因となる塩分
のコンクリート中への浸透性や、中性化の原因となるの
コンクリート中への炭酸ガスの浸透性等が増大する。ま
た、アルカリ−シリカ反応が進んでコンクリートの劣化
を著しく促進する作用等が生じる。
【0013】ここで、アルカリ−シリカ反応とは、細孔
等に存在する水に溶解したシリカとアルカリが反応する
もので、この反応により生成したアルカリシリケートが
水を吸収して膨張する。コンクリート表面より浸透する
水分量が多いと、このアルカリシリケートの膨張反応が
進み、最終的にコンクリートに亀裂を生じたりしてコン
クリートの劣化に通じるものである。
【0014】劣化したコンクリート構造物の補修方法
は、コンクリートのひび割れや欠落部分についてはその
部分のコンクリートを「はつり」取ったのち、新しいコン
クリートやモルタルを充填する、いわゆる、断面修復が
主体であった。しかしながら、この方法は、コンクリー
ト劣化の根本的な原因には、何ら対策を行っておらず、
劣化現象の根本的な解決は期待できるものではなかっ
た。
【0015】このような、劣化原因が残されている潜在
的な危険部分の課題解決や根本原因の課題解決を目的と
して、電気化学的な手法を応用した補修工法やコンクリ
ート内部の鉄筋を陰極にして電気的に防食する工法が提
案されている(特開平1−176287号公報や特開平2−302
384号公報)。
【0016】さらに、コンクリートの劣化がコンクリー
ト内部へ波及するのを防ぐために、コンクリート表面の
コーティングによる補修方法も用いられている。このコ
ンクリート表面のコーティングによる補修方法は、前記
の断面修復や電気化学的手法による補修を行った後の最
終仕上げ法として用いられる他、単独に用いられる場合
もある。
【0017】コンクリート表面のコーティング方法は、
ポリマー系や浸透型の塗料等による塗装をコンクリート
表面に行うことにより、炭酸ガス、塩分、水分、及び酸
素等のコンクリートを劣化する物質の浸入を防ぐ方法で
あるが、ピンホールが存在する場合、その部分でのコン
クリート成分と大気中の物質との反応などにより、ま
た、塗料等材料自身の膨張や収縮などにより数年で剥離
が生じてしまう等の課題があった。また、地上のコンク
リート表面のコーティングに剥離が生じた場合は、再コ
ーティングにより対処することが可能であるが、土中に
あるコンクリート構造物の場合は、なんら対処する方法
がないという課題があった。
【0018】本発明者は、このような状況に鑑み、前記
課題を解消すべく種々検討した結果、特定の方法を採用
することにより前記課題を解消し、土中や地上のコンク
リート構造物の補修処理が十分に行い得る知見を得て本
発明を完成するに至った。
【0019】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、コンク
リートの表面及び/又は内部の細孔に平均粒径500×10
-9m以下の超微粉を供給し、該超微粉を細孔に付着させ
ることを特徴とするコンクリートの補修方法であり、ま
た、細孔に可溶性の無機化合物を供給して不溶性の無機
化合物を析出させ、細孔に付着させることを特徴とする
コンクリートの補修方法であり、さらには、細孔に該超
微粉及び/又は可溶性の無機化合物を供給し、コンクリ
ート表面に設置した電極を外部電極とし、コンクリート
中の鋼材を内部電極とし、外部電極間及び/又は外部電
極と内部電極間に電流を流して、該細孔に超微粉及び/
又は不溶性の無機化合物を付着させることを特徴とする
コンクリートの補修方法である。
【0020】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】コンクリートの表面及び/又は内部の細孔
とは、コンクリートの表面やコンクリート中に存在する
連通する細孔であり、コンクリート硬化時の水分蒸発や
結晶水の消失により生じるものである。この細孔の径
は、通常、数オングストローム(Å、10-10m)から数ミリ
(10-3m)の広範囲におよぶが、連通孔としては数百μm
以下のものが代表とされ、通常、数十〜数百μm程度の
ものである。そして、細孔量は、コンクリート材料の種
類、配合量、及び配合方法等によって変化するもので、
配合時の水の配合量によって大きく変化するものであ
る。細孔量は、個数で表すことは困難であり、細孔の空
隙を全て合計した空隙量とコンクリートの全体積の割合
である空隙率の大小で、細孔量の大小を示すことが通常
行われており、通常のコンクリート配合で、水・セメン
ト比が50〜60%では空隙率が12%程度である。
【0022】本発明は、コンクリートの表面及び/又は
内部の細孔に平均粒径500×10-9m以下の超微粉及び/
又は可溶性の無機化合物を供給し、コンクリートの表面
及び/又は内部の細孔に超微粉及び/又は不溶性の無機
化合物を付着させ、細孔の空隙を埋めて、コンクリート
構造物を緻密にし、最終的にコンクリートの耐久性を向
上するものである。また、本発明では、細孔だけでな
く、細孔と細孔周囲のコンクリート表面等に付着させる
ことも耐久性向上の面から好ましい。
【0023】本発明での最終の細孔半径は、コンクリー
トによって、初期の細孔半径が種々変化するため、一義
的には決定できないが、超微粉及び/又は不溶性の無機
化合物の付着によって、例えば、水銀ポロシメーターに
より測定できる50%空隙量の細孔半径として、250Å以
下にすることが好ましく、150Å以下にすることがより
好ましい。
【0024】また、本発明の全空隙量は、コンクリート
によって、全空隙量が種々変化するため、一義的には決
定できないが、超微粉及び/又は不溶性の無機化合物の
付着によって、例えば、水銀ポロシメーターにより測定
できる全空隙量として、100mm3/g以下とすることが好ま
しく、60mm3/g以下とすることがより好ましい。
【0025】本発明で使用する超微粉とは、コンクリー
ト構造物を構成する成分と反応してもコンクリート構造
物自身に悪影響をおよばさないもので、コンクリートの
細孔の溶液中にイオン又は水和物として存在し得るもの
である。具体的には、ケイ素、カルシウム、アルミニウ
ム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、リチウ
ム、銀、及び鉄等の化合物が挙げられる。
【0026】超微粉の粒度は、平均粒径で、500×10-9
m以下であり、100×10-9m以下が好ましく、30×10-9
m以下がより好ましい。500×10-9mを越えると目的と
する連通孔内へ充填された場合、緻密な最密充填がされ
にくくなる傾向がある。
【0027】超微粉の供給方法は、特に限定されるもの
ではないが、水溶液中に超微粉を添加し、混合攪拌しな
がらコロイド状の溶液とする方法が通常行われる。特
に、例えば、pH12のケイ酸ナトリウム水溶液をイオン
交換でナトリウムイオンを除去し、pH2〜3の活性ケ
イ酸とし、さらにpH調整後、加熱熟成して濃縮し、コ
ロイド溶液とするように、イオン交換樹脂を用いて不要
なカチオンやアニオンを除去してコロイド溶液を得る方
法は好ましい。
【0028】超微粉の細孔への付着方法としては、処理
溶液の塗布・乾燥を繰り返し行う方法、コンクリート表
面への処理溶液の塗布後に無機化合物を析出させるため
にpH調節溶液を塗布し、コンクリート中の二価の金属
であるカルシウムと水酸イオンの存在によりコロイド溶
液を不安定にしゲル化させる方法、及びコンクリート表
面に処理溶液保持層と外部電極を設置し、コンクリート
内部の鋼材を内部電極とすることにより溶液中の超微粉
を電気泳動させること等によりコンクリートのより内部
まで超微粉を付着させる方法等が挙げられる。本発明で
は、電流を流すことによって、超微粉を内部に引っ張る
力が働き、単に塗布するだけの場合に比べ、コンクリー
トの細孔により密着する面から、電流を流し、細孔のよ
り内部まで超微粉を充填する方法が好ましい。
【0029】一方、コンクリート構造物等のコンクリー
トはアルカリ性物質であり、内部には、飽和状態の水酸
化カルシウム水溶液である間隙水が十分に存在してお
り、表面に水分が存在する場合の細孔中の水やコンクリ
ート内部の細孔中にある間隙水中には、飽和状態の水酸
化カルシウム水溶液等が存在し、それにより高アルカリ
性が保たれている。
【0030】このように、水溶液中に多量の水酸イオン
(OH-)が存在しているため、一部の無機化合物は、可溶
性の塩化物から不溶性の水酸化物に変化し、緻密な析出
物となる。特に、ケイ酸リチウムやコロイダルシリカは
水酸イオン濃度の影響を受けやすく、pHが11以上にな
るとゲル化するものである。
【0031】不溶性の無機化合物の析出、付着方法とし
ては、溶解度の高い塩化物などを、反応によって、溶解
度の低い水酸化物などとする方法や、溶解度の高い状態
から、低い状態に変化させる方法などがある。具体的に
は、水酸化物に変化することにより、溶解度が減少する
化合物としては、塩化銀、塩化バリウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、及び塩化ストロンチウム等の塩
化物や、硝酸リチウム、亜硝酸リチウム、及び亜硝酸カ
リウム等の硝酸塩、亜硝酸塩などが挙げられる。即ち、
溶解度の高い状態でコンクリート表面や内部に可溶性の
無機化合物を供給し、コンクリート表面や内部のアルカ
リ性溶液との反応により水への溶解度の低い水酸化物と
し、コンクリート表面や内部の細孔に析出させ、付着さ
せる方法などが挙げられる。
【0032】本発明で用いる可溶性の無機化合物として
は、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属や、カル
シウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属を始めと
し、銀やニッケルなどのような可溶性の無機化合物があ
り、それらが水酸化物や炭酸化物などになると溶解度が
低くなる金属塩類、さらには、ケイ酸やケイ酸塩などが
挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を使用する
ことが可能である。
【0033】具体例として、ケイ酸リチウムを使用した
例について説明するが、本発明はこれに限られるもので
はない。
【0034】ケイ酸リチウムは、電解質溶液の影響を受
けやすく、ゲル化して細孔に付着しやすい。特に、一価
の金属イオンが存在するとpHが10程度になり、コロイ
ドが安定な状態であるが、一価の金属イオン以外の金属
塩が存在すると、pHが11以上になり、コロイドが不安
定になりゲル化して析出する。
【0035】一般に可溶性の無機化合物は、その存在状
態により水に対する溶解度が異なり存在する環境の変化
等で、塩化物、硝酸塩、及び亜硝酸塩等が不溶性の水酸
化物等に変化し、物質の状態変化が起こり、析出するこ
とが多い。
【0036】本発明は、コンクリートの表面やコンクリ
ート内部の細孔中に、可溶性の無機化合物を供給し、不
溶性の無機化合物を析出させ、細孔に付着させることで
コンクリートの補修を行うものである。
【0037】可溶性の無機化合物を、コンクリートの表
面や内部の細孔中に供給する方法は、可溶性の無機化合
物が細孔中に存在するようになれば特に限定されるもの
ではなく、いかなる方法も可能であが、可溶性の無機化
合物を、まんべんなく、コンクリート表面や内部に移動
させる面から、コンクリートの表面及び/又はコンクリ
ート内部に電流を流すことは好ましい。
【0038】また、可溶性の無機化合物を、土中のコン
クリート構造物に供給する場合は、通常、コンクリート
が土と接している境界部分に可溶性の無機化合物を含有
する溶液を流し込み、常時供給する方法が考えられる。
しかしながら、コンクリートが埋まっている個所の土壌
は連続しており、溶液が逸散する可能性があるため、コ
ンクリートから僅かに離れた個所の土壌に溶液溜を設け
ることは好ましい。溶液溜を設けることが困難な場合
は、可溶性の無機化合物を含有する溶液を保持する保持
材料を使用することが好ましい。
【0039】コンクリートの表面に設置した電極を外部
電極とし、コンクリート中の鋼材を内部電極とし、外部
電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電流を流す。
【0040】外部電極としては、導電性のものであれ
ば、特に制限されるものではないが、金属を使用する場
合は、腐食が発生しないように貴金属メッキ等の処理を
行ったものが好ましい。
【0041】また、内部電極としては、コンクリート内
部の鉄筋を使用することも可能であり、特別に鋼材をコ
ンクリート中に配置することも可能である。
【0042】次に、本発明の実際のコンクリート構造物
への適用例としてコンクリート壁を用いた場合について
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0043】本発明では、可溶性の無機化合物を外部電
極間や外部電極と内部電極間に存在させることが必要で
ある。
【0044】可溶性の無機化合物を外部電極間や外部電
極と内部電極間に存在させる方法は、特に、限定される
ものではないが、可溶性の無機化合物を含有する溶液を
コンクリート表面に塗布したり吹付したり、コンクリー
ト表面に容器を設けてその中に可溶性の無機化合物を含
有する溶液を保持する方法等が可能である。
【0045】これらのうち、コンクリート表面に容器を
設けて、その中に可溶性の無機化合物を含有する溶液を
保持する方法が通常行われるが、コンクリートの表面が
水平上向き面だけでなく、垂直面や天井面があることを
考えると、常に、可溶性の無機化合物を含有する溶液を
保持する容器を設けることは困難である。そのため、コ
ンクリートの表面が垂直面や天井面である場合、可溶性
の無機化合物を含有する溶液を吸着又は保持する保持材
料を用いてコンクリート表面に供給することが好まし
い。
【0046】保持材料としては、パルプ、布、及び不織
布等の繊維状物質又はそのシート、ゼオライト、シラス
バルーン、及び発泡ビーズ等の無機や有機の多孔質材
料、並びに、吸水性の有機高分子等の一種又は二種以上
が使用可能である。
【0047】可溶性の無機化合物を含有する溶液をコン
クリート表面に供給し、コンクリートの表面及び/又は
コンクリート内部に電流を流すことによって、これら可
溶性の無機化合物を、まんべんなく、コンクリート表面
やコンクリート内部に移動する方法について説明する。
【0048】例えば、コンクリートの壁体の場合、壁を
はさむように、保持材料の存在する一方のコンクリート
表面に陽極を、他方のコンクリート表面又はコンクリー
ト内部の鉄筋に陰極を設ける。柱の場合、1つ以上のコ
ンクリート表面に陽極を、他のコンクリート表面又はコ
ンクリート内部の鉄筋に陰極を設ける。床の場合、上面
に陽極を、下面又は内部鉄筋に陰極を設ける。
【0049】可溶性の無機化合物を含有する溶液を電気
的にコンクリート内部へ供給すれば表面からより深い位
置まで可溶性の無機化合物を含有する溶液を供給でき、
さらに陰極となる部分では水の電気分解による水酸イオ
ンの発生により溶液のpHが高くなるため平衡状態にあ
った各種イオンのバランスがくずれ、コンクリート内部
での緻密層の形成を促進するものである。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。
【0051】実施例1 セメント280kg/m3、水168kg/m3、細骨材860kg/m3、粗骨
材1,002kg/m3、及びAE減水剤0.7kg/m3の配合のコンク
リートを調製し、コンクリート試験体の断面の中心に長
さ方向に公称径10mmの異形鉄筋を15cm間隔で埋設し、縦
60×横60×厚さ15cmのコンクリート試験体を作製した。
コンクリート試験体を土中に埋め、そのコンクリート試
験体の一面に約5cm間隔で平行になるように、幅12.7mm
×長さ50cmの白金被覆のチタン製リボンを10cm間隔で10
本埋設した。チタン製リボンを陽極とし、コンクリート
試験体内部の鉄筋を陰極にして、コンクリート表面積1
m2当たり1Aとなるように直流電流を流した。通電中は
コンクリート試験体とチタン製リボンの間が常に湿潤状
態を保つように20%濃度のケイ酸リチウム水溶液を補充
した。この状態で2週間電流を流したところ、チタン製
リボンに面したコンクリート表面部分に析出物が認めら
れた。コンクリート試験体から、鉄筋を含まないように
直径10cm、長さ15cmのコアを採取し、細孔半径、全空隙
量、塩分濃度、及び透水係数を測定した。結果を表1に
示す。
【0052】<使用材料> セメント :電気化学工業社製普通ポルトランドセメン
ト 水 :水道水 細骨材 :姫川産川砂 粗骨材 :姫川産砕石、Gmaxは20mm AE減水剤:エム・エム・ビー社製商品名「ポゾリスNo.
70」 ケイ酸リチウム:本荘ケミカル社製、平均粒径20〜50×
10-9m チタンメッシュ:エルテックコーポレーション社製商品
名「エルガードメッシュ#210」
【0053】<試験方法> 細孔半径 :コアの表面から深さ5mm部分のモルタルを
粉砕し、2.5〜5mmの粒度の試料とし、セルに入れ、水
銀圧入式ポロシメータで測定し、次のWashburnの式 P
r=2γ・cosθから算出。ここで、Pは加えた圧力、
rは細孔半径、γは水銀の表面張力、θは水銀と固体と
の接触角である。細孔半径は50%空隙量の値とした。測
定細孔半径は18Å〜100μmの範囲である。 全空隙量 :全半径にわたる空隙量の総量 塩分濃度 :コアの表面部分を除いた、底面と側面をエ
ポキシ樹脂で塗布し、30℃、湿度80%の気中で16時間乾
燥して、その後30℃、3%塩化ナトリウム溶液に8時間
浸せきする。この乾燥−浸せきを100サイクル、繰り返
した後に、表面部分から内部10cm深さ部分までを2cm間
隔で切断し、粉砕後、酸分解して、吸光光度法により、
JIS R 5202「ポルトランドセメント中の化学分析方法」に
準じて、塩分量を測定 透水係数 :コアの表面から2cmまでを切断し、円板状
の透水試験用の試験片とし、試験片の片面に水圧を加
え、試験片を通る浸透流量より透水係数を数1に基づい
て算出
【0054】
【数1】
【0055】
【表1】
【0056】表から明らかなように、コンクリート試験
体表面への析出物は他のコンクリート表面に較べ緻密で
あり、表面部分に僅かに塩分が認められるものの内部に
は塩分は浸透していなかった。
【0057】比較例1 平均粒径2μm(2,000×10-9m)の球状シリカの固形分2
0重量%のスラリーを使用したこと以外は実施例1と同
様に行った。結果を表1に併記する。
【0058】<使用材料> 球状シリカ:電気化学工業社製
【0059】比較例2 実施例1で使用したものと同様のコンクリート試験体を
何も処理せず大気中に2週間放置したこと以外は、実施
例1と同様に行った。結果を表1に併記する。表から明
らかなように、未処理のコンクリート試験体の表面での
塩分濃度が高く、深さ10cm部分までも塩分の浸透が認め
られた。
【0060】実施例2 実施例1で使用したものと同様のコンクリート試験体を
土中に埋設しないで使用し、ケイ酸リチウムの代わりに
1モルの塩化ストロンチウム溶液を使用したこと以外は
実施例1と同様に行った。結果を表1に併記する。
【0061】<使用材料> 塩化ストロンチウム:和光純薬社製試薬
【0062】実施例3 実施例2で使用したものと同様のコンクリート試験体の
表面に取り付けたスポンジを、2週間放置したこと以外
は実施例2と同様に行った。スポンジを除去したとこ
ろ、コンクリート表面全体に析出物の付着が認められ
た。結果を表1に併記する。表から明らかなように、コ
ンクリート試験体表面への析出物はコンクリートに較べ
緻密であり、表面部分に僅かに塩分が認められるものの
内部には塩分は浸透していなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明のコンクリートの補修方法によ
り、コンクリートの緻密性が向上し、水分、塩分、及び
炭酸ガスや硫化ガスなどのガス等の外部からのコンクリ
ートの劣化要因が遮断されコンクリート構造物の耐久性
が向上する等の効果を奏する。また、外部電極間及び/
又は外部電極と内部電極間に、超微粉及び/又は可溶性
の無機化合物を含有する溶液を保持し、電流を流すこと
により、コンクリート表面又はコンクリート中の細孔に
超微粉及び/又は不溶性の無機化合物がより多く、か
つ、深い位置にまで付着し、それによりコンクリートの
緻密性をより一層向上させ、コンクリート構造物の耐久
性を向上させることができるなどの効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートの表面及び/又は内部の細
    孔に平均粒径500×10-9m以下の超微粉を供給し、該超
    微粉を該細孔に付着させることを特徴とするコンクリー
    トの補修方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートの表面及び/又は内部の細
    孔に可溶性の無機化合物を供給して不溶性の無機化合物
    を析出させ、該細孔に付着させることを特徴とするコン
    クリートの補修方法。
  3. 【請求項3】 コンクリートの表面及び/又は内部の細
    孔に平均粒径500×10-9m以下の超微粉及び/又は可溶
    性の無機化合物を供給し、コンクリート表面に設置した
    電極を外部電極とし、コンクリート中の鋼材を内部電極
    とし、外部電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電
    流を流して、該細孔に超微粉及び/又は不溶性の無機化
    合物を付着させることを特徴とするコンクリートの補修
    方法。
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