JP2005206410A - 高耐久コンクリートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリートのひび割れや白華の問題を解決し、強度向上と共に耐酸性、耐海水性および耐候性を向上し、また中性化を防止した高耐久性コンクリートを製造する技術を提供する。
【解決手段】 硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去し乾燥する工程、上記コンクリートをセメント水和物と反応するガスに接触させることによって水分が除去された空隙に反応生成物を形成する工程、および/またはガス接触した後の空隙に超微粒子を充填する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法とその高耐久コンクリート。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリートやモルタルなどのセメント製品の高耐久化技術に関する。本発明の技術によれば、コンクリートやモルタルの強度向上と共に、耐酸性、耐海水性や耐候性が向上し、中性化が抑制されるので優れた耐久性を有するコンクリートが得られる。
一般に、コンクリートは設計基準強度を満足する配合に従って製造され、施工現場に打設されて使用されている。コンクリート中の水分は所定強度(通常水中20℃28日強度)が発現した後も徐々に強度を増進する機能を保有しているが、弊害も有している。例えば、水分がセメントと反応して生じる自己収縮や水分の乾燥によって生じる乾燥収縮などはコンクリートのひび割れの原因となる現象である。またコンクリート中の微細な空隙を通じて水分が表層に到達すると、水分中にはカルシウムなどのイオンが溶け込んでいるため、水分の乾燥によってコンクリート表面にカルシウムなどが白色粉として析出するいわゆる白華現象が生じる。これらはコンクリート構造物の寿命を短くしたり美観を損なうなどの大きな問題となっていた。
従来の上記課題に対して種々の対策がとられている。コンクリートのひび割れに対してはひび割れ発生後、その部分を補修するという考え方に立脚し、ひび割れ部分に硬化剤などの充填材を注入するのが一般的である。例えば、確実にひび割れを誘発して硬化剤を注入する方法がある(特許文献1)。また、白華防止方法として、白華原因物質であるカルシウムやナトリウムを吸着する材料をコンクリート中に混合する方法が知られている。例えば、陽イオン吸着性を有するアルカリ処理無機粉体にアルミニウムや鉄、水素を置換させておき、白華物質であるカルシウムやナトリウムなどのアルカリイオンと、アルカリ中で不溶化するアルミニウム等とのイオン交換によって白華を防止する技術が知られている(特許文献2)。
しかし、これらの従来方法はひび割れについて、発生した後に補修するという考え方から脱しきれず、発生そのものを防ぐ対策はとられていない。補修による方法では目視による発生を確認できた場合にのみ補修が可能であって、見え難い場所や海中部、閉所など補修作業ができない場所のひび割れについては、対策は講じることができないと云う問題がある。また、従来の白華防止方法は、セメント中にイオン交換物質(ゼオライトなどの多孔質)を混入しているが、これらがコンクリートのフレッシュ性状や強度、長期的な耐久性に与える悪影響については定量的には評価されておらず、白華防止の理論は理解できるものの実用面では不安が残されていた。
特許第3225818号 特許第2827090号
本発明は、コンクリートのひび割れや白華に対する従来の対策にみられた上記問題を解決したものであり、強度の向上と共に耐酸性、耐海水性および耐候性が向上し、また中性化が防止された高耐久性コンクリートを製造する技術を提供する。なお、本発明においてコンクリートとはモルタルを含む意味である。
本発明者らは、従来の上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、硬化コンクリートを所定強度が発現した後、乾燥収縮の原因となる余分な水分を除去し、水分を除去した空隙を別の物質で塞ぐことによって、ひび割れや白華現象が生じない高耐久コンクリートを製造できることを見出した。さらにコンクリート構造物やコンクリート製品は必要とされる設計基準強度を上回れば、それ以上の強度発現は必要ではないことを考慮し、コンクリートが必要強度を発現した後は、強度保持のための水和物を保有する以外の水分の存在は不必要であると考え、この水分を適当な方法によって乾燥させて除去し、この乾燥によって生じた空隙(気孔)に対して、セメント水和物と反応するガスとの接触によってこの空隙に反応生成物を形成し、あるいはこの空隙に超微粒子を注入して空隙を塞げば、水分の再流入が防止され、また、二酸化炭素の浸入を防止してコンクリートの中性化を抑制することができ、耐久性に優れたコンクリートを得ることができることを見出した。
本発明によれば以下の構成を有する高耐久コンクリートとその製造方法が提供される。
(1)硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、上記コンクリートをセメント水和物と反応するガスに接触させることによって水分を除去した空隙に反応生成物を形成する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
(2)硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、水分を除去した空隙に超微粒子を充填する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
(3)硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、上記コンクリートをセメント水和物と反応するガスに接触させることによって水分が除去された空隙に反応生成物を形成する工程、さらに、ガス接触した後の空隙に超微粒子を充填する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
(4)上記(2)または(3)の方法において、水分を除去した空隙に超微粒子を充填する方法として、空隙の水分を除去したコンクリートを超微粒子懸濁液に加圧下で浸漬する高耐久コンクリートの製造方法。
(5)上記(2)〜(4)の製造方法において、水分を除去した空隙に超微粒子を充填した後に焼結処理する高耐久コンクリートの製造方法。
(6)上記(1)〜(5)の何れかの方法によって製造された高耐久コンクリート。
〔発明の具体的な説明〕
本発明の処理方法は、硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する。凍結乾燥によって水分を除去する工程は所謂フリーズドライと呼ばれる方法であり、所定の強度に達したコンクリート構造物を容器内に入れて凍結処理し、これを真空加温処理して乾燥することによって水分を除去する工程である。この凍結乾燥法は食品などを凍結したままの状態で乾燥する方法と同じであり、通常の乾燥では液体状態で「蒸発」するのに対して、凍結乾燥では凍結したまま水分子が固体から気体に変化して「昇華」する。このように凍結乾燥は基本的には水分を先ず氷の結晶として凍結させ、それを真空条件下で、エネルギーを加え昇華することによって氷の結晶を水蒸気に変え、除去する方法である。真空を利用するので真空凍結乾燥とも呼ばれる。
凍結乾燥法は水分が液体の状態からゆっくり蒸発するのではなく、氷の状態から瞬間的に気体に変わるため、乾燥によるセメント水和物の形態の変化や乾燥収縮、亀裂を発生させずに水分を除去することができる。なお、高温乾燥では水分やイオン等の物質の移動が起こり、セメント水和物が変化するが、凍結乾燥はこれと対照的である。
本発明の処理方法は、凍結乾燥処理によって余分な水分を除去したコンクリートについて、(イ)コンクリートのセメント水和物と反応するガスによる処理、(ロ)水分が除去された空隙を超微粒子で充填する処理、(ハ)上記ガスとの反応による処理の後に更にこの空隙を超微粒子で充填する処理を行う方法である。
凍結乾燥処理されたコンクリートは、空隙の余分な水分が除去されているため、この部分は空の状態である。この空隙はコンクリートの系外と連通しており、そこで、空気中の炭酸ガス流入や水分の再流入などを引き起こさないように空隙を塞ぐ必要がある。セメント水和物と反応するガスに凍結乾燥処理したコンクリートを接触させる処理方法は、このガスとセメント水和物との反応によって、空隙の表面に反応生成物による皮膜が形成されることにより、コンクリートの中性化などを防止する方法である。さらに、セメント水和物による数nm程度の微細な空隙は、このガスとの反応生成物によって塞がれ、あるいはセメントの水和物と反応して空隙のない非常に耐食性の高い反応生成物を生成することができる。従って、使用するガスはセメント水和物に対して反応性を有するものが用いられる。非反応性のガスは適さない。
凍結乾燥処理によって水分が除去された空隙を超微粒子で充填する処理方法は、空隙の最大径よりも小さな粒子を使用して物理的に空隙を塞ぐ方法である。使用する超微粒子はコンクリートに対して反応性であっても非反応性であってもよいが、反応性であるほうが空隙を塞いだ場合に強固な付着力を保有するので好ましい。空隙を塞いだ超微粒子は空隙にもともとあった水分にくらべて高剛性であるため、コンクリートの機械的強度も同時に向上する。
上記ガス接触による処理方法と上記超微粒子を充填する処理方法とを単独に実施してもよく、またこれらの処理方法を組み合わせて実施しても良い。これらの処理方法を組み合わせれば、より微細な空隙から大きな空隙までを網羅的に塞ぐことができるので更に好ましい。
本発明で使用するコンクリートと反応するガスとは先に述べたとおりセメント水和物すなわち珪酸カルシウムや水酸化カルシウムなどと反応するものであり、例えばシリコン系、フッ素系、りん系、炭素系などのガスを適宜用いることができる。具体的には例えば、SiF4、SiH4、SiCl4、HF、F2、CF4、NF3、PH3、PCl3、PF3、PCl5、PF5、CO2などが挙げられる。ガスとの反応によって生成した皮膜やセメント水和物との反応生成物は非常に耐食性があるため、コンクリートの耐酸性や耐海水性が向上する。
本発明で使用する超微粒子は、セメント水和物すなわち珪酸カルシウムや水酸化カルシウムに対して反応性であっても非反応性であってもよいが、反応性を有するものが良く、酸化ケイ素の超微粒子が好適である。非反応性の超微粒子としてはアルミナ、ジルコニアや酸化カルシウムなどの酸化物、TiN、TiC、SiC、Si34などの炭化物や窒化物などを用いることができる。また、炭素の超微粒子でも良い。酸化ケイ素の超微粒子は四塩化ケイ素や珪素アルコキシドを原料として、水やアルコール溶媒中で製造されるものが一般的である。
水分が除去された空隙に超微粒子を充填するには、加圧下で超微粒子の懸濁液をコンクリートに圧入すれば良い。超微粒子の懸濁液を得るには、酸化ケイ素の超微粒子のように溶媒中で超微粒子を生成することによって超微粒子が凝集していない好適な懸濁液を得ることができる。また、粉体で製造された超微粒子の場合はそのまま溶媒と混合しても凝集体を形成することが多いため、適当な分散剤を使用して超音波振動によって溶媒に分散させると良い。
これらの超微粒子を充填した後は溶媒が空隙に残ることもあるので、溶媒を蒸発させるべく加熱すると更に良い。また超微粒子、特に酸化ケイ素などの酸化物は超微粒子表面が完全な酸化物でなくシアノール基すなわちOHとなっていることもあるので、より完全な酸化物にするために適宜焼結してもより良い。また、この焼結によって粒子どうしが結合してさらにコンクリートが強固になる。
以下、本発明にかかる高耐久コンクリートの製造工程を、図1および図2の工程図を参照して、具体的に説明する。
〔凍結乾燥処理工程〕
図1に示すように、コンクリートは混練し成形した後、設計基準強度が発現するまで水中や蒸気など所定の養生がなされる。強度確認を終えた製品や硬化体はまず凍結処理を行う。凍結はコンクリート硬化体(以下、単にコンクリートとも云う)が凍結する温度環境下にコンクリートを置けば良い。なお、通常の水は0℃以下で凍結するが、微細孔に入った水分は凝固点降下現象が起こるため、これより低い温度が必要である。この冷却温度は概ねマイナス10℃〜マイナス50℃であるが、セメントの水和停止温度がマイナス10℃であることを考慮し、通常マイナス30℃程度で凍結することが経済的に好ましい。
凍結が完了したコンクリート硬化体は、次に装置内に加熱板を備えた真空装置内に入れられる。この加熱板にコンクリート硬化体を置いて加熱し、凍結した状態の水分を昇華させる。上記加熱板には熱電対を設け、コンクリート硬化体と加熱板との間に熱電対が挟まれるように設置して温度を検出する。真空度は高いほうが好ましいが、通常1Pa程度で充分である。凍結した水は昇華して乾燥する。より効率的に昇華させるため加熱板の温度を高めてコンクリート硬化体を加温すると良い。加熱温度は熱電対が30〜50℃、好ましくは40℃になるように電圧をコントロールする。水分の昇華に伴い昇華熱を吸収するためコンクリート硬化体の温度が下がるが、乾燥が進むにことによって徐々に温度が上昇し、概ね設定温度(例えば40℃)になれば乾燥が終了したと判断することができる。さらに、厳密に乾燥を確認するにはコンクリート硬化体の重量を測定し、恒量になることで判断しても良い。
〔ガス接触反応処理工程〕
凍結乾燥処理したコンクリート硬化体を密閉容器内に入れ、この容器内にセメント水和物に対して反応性を有するガスを導入してコンクリート硬化体をこの反応性ガスに接触させる。加圧下の接触によってコンクリート硬化体の空隙にガスが浸入し、セメント水和物と反応して空隙内部に反応生成物が形成される。このガス接触の温度は常温でもよく、100℃以下の加温下でも良い。なお、加温して反応を促進させることができる。ガス濃度は100%〜20%が適当であり、通常50%程度が好ましい。ガスは反応によって消費されるために圧力が下がる。そこで、100%ガスを装置内に適宜導入して室内を一定ガス濃度に保つようにすると良い。ガス接触の時間はコンクリート硬化体の大きさにもよるが、30分から6時間程度が適当である。
〔超微粒子充填処理工程〕
凍結乾燥処理したコンクリート硬化体を密閉容器内に入れ、加圧下で超微粒子の懸濁液にコンクリート硬化体を浸漬させることによって、水分が除去された空隙に超微粒子を充填することができる。圧力は概ね0.1〜1MPaであれば良く、通常は0.3〜0.5MPa程度で良い。この超微粒子の圧入によれば、上記ガス処理よりも比較的大きな空隙(気孔)を埋めることができる。なお、超微粒子の粒径はコンクリートの空隙の大きさにもよるが、一般的には概ね1μm以下であれば良い。
超微粒子充填処理の温度は常温で良いが、圧入後に40℃〜150℃程度に加熱して焼付け処理を行うことが好ましい。これによって超微粒子どうしが焼結に似た状態になってコンクリートがより強固になる。なお、コンクリート硬化体の高耐久化をより高めるには、ガス処理を行った後に、さらに超微粒子処理するとより好ましい。これによって微細な気孔から大きな気孔まで確実に気孔を塞ぐことができる。
本発明によって、コンクリートから余分な水分を除去し、この水分除去によって生じた空隙を反応生成物あるいは超微粒子によって塞いだ高耐久コンクリートは、外界からの水分やガスの出入りが無いため、従来の課題であるひび割れや白華の他に、コンクリート中に存在する水分や系外に放出される水分によって生じる種々の現象を効果的に防止することができる。具体的には例えば、凍結融解抵抗性が飛躍的に向上する効果がある。また、本発明の高耐久コンクリートは、系外からの浸食現象、例えば、酸やガス、海水の浸入を防止できるので、耐酸性が向上すると共に、中性化を防止でき、耐海水性も向上させることができる。さらに空隙を塞ぐことによって密実化するので、コンクリート強度が向上する。
本発明を実施例によって具体的に示す。なお、各実施例および比較例の結果を表1および表2に示した。
28日経過後のJISモルタル供試体を、マイナス30℃、真空度1Pa、加熱板温度40℃の条件下で真空凍結乾燥した。次に、テトラエトキシシランの加水分解によって得た酸化ケイ素超微粒子(粒径0.01μm)を含む水溶液を加圧容器に入れ、この溶液に上記モルタル供試体を入れ、0.5MPaに加圧して1時間浸漬し、上記酸化ケイ素超微粒子をモルタル供試体に圧入した。次いで、このモルタル供試体を取り出し、110℃で24時間焼き付け処理をした。このモルタル供試体について、規格(JIS-A5202)に従って圧縮強度試験を行ったところ、圧縮強度は64.6Mpaであった。超微粒子圧入前の供試体の圧縮強度は59.4MPaであり、圧縮強度が8.8%増加した。
28日経過後のJISモルタル供試体を実施例1の条件で真空凍結乾燥した。その後、SiF4の窒素希釈ガス(ガス濃度50%)に一時間接触させた。この供試体について濃度5%のCO2促進中性化試験、乳酸10%溶液中での耐酸性試験を行った。その結果、この供試体の中性化深さは、7日後0.44mm、14日後0.71mm、28日後2.43mmであり、大幅に中性化し難いことが判明した。また、耐酸性試験の腐食深さは1.85mmであり、高い耐酸性を示した。
実施例1の処理をしたモルタル供試体を、乳酸10%溶液に浸して長さ変化と目視観察による耐酸性試験を行った。その結果、目視観察によれば7日目から劣化が始まった。また、長さ変化は試験開始前が4.02cm、3日後4.01cm、7日後3.95cmであり、長さの変化が極めて小さく、優れた耐酸性を示した。
28日経過後のJISモルタル供試体を実施例1の条件で真空凍結乾燥した。その後、SiF4の窒素希釈ガス(ガス濃度50%)に一時間接触させた。その後、テトラエトキシシランの加水分解によって得た粒径0.01μmの酸化ケイ素超微粒子を含む水溶液を加圧容器に入れ、この溶液に上記モルタル供試体を入れ、0.3MPaに加圧して3時間浸漬し、上記酸化ケイ素超微粒子をモルタル供試体に圧入した。次いで、このモルタル供試体を取り出し、110℃で24時間焼き付け処理をした。この供試体を5%硫酸溶液に浸漬し、その長さ変化を測定した。その結果、測定前4.02cm、3日後4.01cm、7日後3.95cmであり、長さの変化が極めて小さく、優れた耐酸性を示した。
実施例4の処理をしたモルタル供試体に、コンタクトチップを取り付けて、その長さ変化と白華現象の有無を屋外に暴露して確認した。その結果、長さ変化は僅か50μの収縮率にとどまり、白華現象も生じなかった。
比較例
〔比較例1〕
実施例1の凍結乾燥に代えて加熱乾燥(110℃、24時間)を行い、同様に超微粒子を圧入した。その結果、圧縮強度は48.9MPAであり、圧入前の強度(59.4MPa)と比べ17.7%の圧縮強度の減少となった。
〔比較例2〕
SiF4の窒素希釈ガスによる処理を行わない以外は実施例2と同様の条件でモルタル供試体の凍結乾燥を行い、この供試体について濃度5%のCO2促進中性化試験、乳酸10%溶液中での耐酸性試験を行った。その結果、供試体の中性化深さは、7日後6.36mm、14日後7.32mm、28日後8.64mmであった。また、耐酸性試験の腐食深さは8.84mmであり、実施例2の結果に比べて中性化しやすく、また腐食しやすい。
〔比較例3〕
実施例2の凍結乾燥に代えて加熱乾燥(110℃、24時間)を行い、SiF4ガス処理の後に中性化深さを測定した。その結果、中性化深さは28日後8.42mmであり、未処理の供試体に近い中性化深さであった。また、耐酸性試験の酸性浸食深さは6.4mmであった。
〔比較例4〕
比較例1の処理をしたモルタル供試体を乳酸10%溶液に浸漬して長さ変化と目視による劣化開始時期を判定した。その結果、劣化は1日目から開始し、長さ変化は開始前が3.98cm、3日後が3.72cm、7日後が3.57cmであり、大きな長さ変化と目視変化を示し、耐酸性は非常に悪かった。
〔比較例5〕
比較例1の処理をしたモルタル供試体を実施例5と同様に長さ変化と白華現象を観察した。その結果、収縮率は850μと大きく、実物大のコンクリート製品では乾燥収縮による引張り応力のためにひび割れが生じる大きな収縮率であることが判明した。また屋外暴露5日目の降雨後、翌日の晴天日から白華現象が観察された。
Figure 2005206410
Figure 2005206410
本発明の処理工程を示す概念図

Claims (6)

  1. 硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、上記コンクリートをセメント水和物と反応するガスに接触させることによって水分を除去した空隙に反応生成物を形成する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
  2. 硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、水分を除去した空隙に超微粒子を充填する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
  3. 硬化コンクリートが所定強度発現した後、凍結乾燥法によって該コンクリート中の水分を除去する工程、上記コンクリートをセメント水和物と反応するガスに接触させることによって水分を除去した空隙に反応生成物を形成する工程、さらに、ガス接触した後の空隙に超微粒子を充填する工程を有することを特徴とする高耐久コンクリートの製造方法。
  4. 請求項2または3の方法において、水分を除去した空隙に超微粒子を充填する方法として、空隙の水分を除去したコンクリートを超微粒子懸濁液に加圧下で浸漬する高耐久コンクリートの製造方法。
  5. 請求項2〜4の製造方法において、水分を除去した空隙に超微粒子を充填した後に焼結処理する高耐久コンクリートの製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかの方法によって製造された高耐久コンクリート。


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