JPH08298128A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JPH08298128A
JPH08298128A JP7103950A JP10395095A JPH08298128A JP H08298128 A JPH08298128 A JP H08298128A JP 7103950 A JP7103950 A JP 7103950A JP 10395095 A JP10395095 A JP 10395095A JP H08298128 A JPH08298128 A JP H08298128A
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JP
Japan
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exchange membrane
ion exchange
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membrane layer
fuel cell
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JP7103950A
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Masaru Yoshitake
優 吉武
Naoki Yoshida
直樹 吉田
Toyoaki Ishizaki
豊暁 石崎
Tetsuji Shimodaira
哲司 下平
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガスのクロスオーバー現象によるセル電圧の低
下が少なくかつ高出力化が可能な固体高分子型燃料電池
を提供する。 【構成】固体高分子電解質型燃料電池のイオン交換膜と
して、アノード側イオン交換膜層と、水素ガスと酸素ガ
スから水を生成する反応を促進する触媒を含有するイオ
ン交換膜層と、カソード側イオン交換膜層と、の3層か
らなる複層イオン交換膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子電解質型燃
料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、その反応生成物
が原理的に水のみであり、地球環境への悪影響がほとん
どない発電システムとして注目されている。とりわけ、
固体高分子電解質型は近年の研究の急速な進展により、
高出力密度化が可能になっており、小型、低温作動とい
う特徴とあわせて車載用電源等への実用化が大きく期待
されている。
【0003】本用途に用いられる固体高分子電解質とし
ては、通常厚さ50〜200μmのプロトン伝導性イオ
ン交換膜が用いられ、特にスルホン酸基を有するパーフ
ルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が基本特性
に優れ広く検討されている。固体高分子電解質型燃料電
池では、このイオン交換膜の両面にガス拡散性の電極層
を形成し、燃料である水素と酸化剤となる酸素又は空気
をそれぞれアノード(水素極)及びカソード(酸素極)
に供給することにより発電を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、水素ガスは
アノードで反応するが、その一部は未反応のまま系外に
排出され、さらにその一部はイオン交換膜を透過してカ
ソード側へ漏洩する。同様に、酸素ガスの一部はカソー
ド側からイオン交換膜を透過してアノード側へ漏洩す
る。この現象はガスのクロスオーバーと呼ばれ、電極に
供給した水素ガス又は酸素ガスとイオン交換膜の反対側
から漏れ込んだ酸素ガス又は水素ガスが電極上で反応す
ることによりそれぞれの電極の作動電位がシフトし、セ
ル電圧の低下を引き起こす。
【0005】また、電解質膜であるイオン交換膜の含水
率及び膜厚と、電気抵抗及びガスの透過性との間には関
連がある。すなわち、イオン交換膜の含水率が高いほ
ど、電気抵抗は小さく、ガスの透過性は高くなる傾向に
ある。イオン交換膜の膜厚が大きいほど、電気抵抗は大
きく、ガスの透過性は低くなる傾向にある。
【0006】固体高分子電解質型燃料電池の高出力化の
ためには、電解質であるイオン交換膜には電気抵抗が小
さく、かつガスの透過によるクロスオーバー現象が小さ
いことが要求されるが、従来提案されているイオン交換
膜はいずれもこれらを同時に満足するものではない。
【0007】従来、このクロスオーバー現象によるセル
電圧の低下を抑制するために電解質膜として、2枚のイ
オン交換膜を使用し、この膜間にスパッタリングによる
白金層の触媒層を存在させ、この触媒層で膜中を透過す
る水素と酸素を反応させて消費することにより反対側の
電極に到達するガス量を低減する方法(特開平6−10
3992等)が提案されているが、性能的に未だ充分な
ものとはいえない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、イオン交換膜を固体高分
子電解質とする燃料電池において、上記イオン交換膜
が、アノード側イオン交換膜層(1)と、水素ガスと酸
素ガスから水を生成する反応を促進する触媒を含有する
イオン交換膜層(2)と、カソード側イオン交換膜層
(3)との少なくとも3層からなる複層イオン交換膜で
あることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池を提
供する。
【0009】本発明で使用される複層イオン交換膜にお
いて、アノード側イオン交換膜層(1)の含水率は、カ
ソード側イオン交換膜層の含水率よりも大きい場合、特
に優れた性能を有する。その場合前者の含水率は後者に
比して、好ましくは5〜50重量%、特には10〜30
重量%大きくするのが好ましい。一方、イオン交換膜層
(2)の含水率は、カソード側イオン交換膜層(3)と
同等以上であるのが好ましい。これらイオン交換膜層
(1)、(2)、(3)の含水率は30〜110重量
%、特には35〜95重量%に制御するのが好ましい。
【0010】本発明でイオン交換膜層の含水率△Wは以
下のように定義される。
【0011】
【数1】△W=(W1 /W2 −1)×100(重量%) W1 :90℃、純水中、24時間浸漬後の膜重量、 W2 :W1を測定後、100℃にて16時間真空乾燥後
の膜重量。
【0012】本発明の複層イオン交換膜におけるアノー
ド側イオン交換膜層(1)とカソード側イオン交換膜層
(3)との間に形成されるイオン交換膜層(2)に含有
される水素ガスと酸素ガスから水を生成する反応を促進
する触媒は、好ましくは固体触媒であり、金属、金属酸
化物、複合酸化物である。これらは、好ましくは0.5
〜500nmの微粒子であるが、適宜の担体に担持させ
た担持触媒としても使用される。
【0013】担体としては、炭素、金属酸化物、複合酸
化物等が用いられる。触媒としては使用環境下で触媒活
性及び耐食性が優れている白金族金属、その合金、酸化
物又は、複合酸化物が好ましい。これら触媒は、イオン
交換膜層(2)中において分散されており、イオン交換
膜を形成するイオン交換樹脂により被覆された状態で存
在するのが好ましい。
【0014】本発明でイオン交換膜層(2)において、
触媒の存在量は重要であり、触媒の存在量(担体使用の
場合は担体を除く)は、0.1〜500mg/cm3
特には1.0〜250mg/cm3 、が好ましい。上記
範囲より小さい場合には、触媒添加効果が小さく、一
方、大きい場合にも触媒添加効果はそれ以上に増大せ
ず、逆にイオン交換膜層の電気抵抗の増加を招く。
【0015】触媒が特に上記担持触媒の場合などは、特
にその嵩が問題になるので、イオン交換膜層(2)中の
触媒は、イオン交換膜層(2)中、50体積%以下、特
には30体積%以下、であるのが好ましい。上記範囲外
の場合には層中のイオン交換樹脂の比率が小さくなるた
め電気抵抗が増大し、電池の出力が低下する。
【0016】本発明の複層イオン交換膜の厚さは、全厚
として30〜300μm、特には50〜250μmが好
ましい。上記範囲より小さい場合には、膜強度及び電極
接合等における膜取扱い性が低下し、一方、大きい場合
には膜抵抗が上昇し、電池の出力が低下する。
【0017】複層イオン交換膜において、イオン交換膜
層(1)、(2)、(3)の各厚みは同じである必要は
ない。むしろアノード側イオン交換膜層(1)は、カソ
ード側イオン交換膜層(3)よりも好ましくは5〜20
0μm大きい厚みを有するのが性能上好ましい。一方、
中間のイオン交換膜層(2)は、上記2つの層よりも小
さくされ、好ましくは2〜30μmとされる。
【0018】本発明の複層イオン交換膜を構成する上記
イオン交換膜層(1)、(2)、(3)は、好ましくは
スルホン酸基を有するフルオロカーボン重合体からな
る。かかるフルオロカーボン重合体としては、CF2
CF2 とCF2 =CF−(OCF2 CFX)m −Oq
(CF2n −A(式中mは0〜3の整数、nは0〜1
2の整数、qは0又は1、XはF又はCF3 、Aはスル
ホン酸型官能基)で表されるフルオロビニル化合物との
パーフルオロカーボン共重合体が好ましい。
【0019】上記フルオロビニル化合物の好ましい例と
しては、化1の各化合物などが挙げられる。
【0020】
【化1】CF2 =CFO(CF21-8 −SO2 F、 CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )0(CF21-8
−SO2 F、 CF2 =CF(CF20-8 −SO2 F、 CF2 =CF(OCF2 CF(CF3 ))1-5 −(CF
22 SO2 F。
【0021】なお、上記フルオロカーボン重合体を構成
する単量体に加えて、ヘキサフルオロプロピレン、クロ
ロトリフルオロエチレン等のパーフルオロオレフィン、
パーフルオロアルキルビニルエーテル等を共重合させる
こともできる。
【0022】上記イオン交換膜層(1)、(2)、
(3)からなる複層イオン交換膜は、フィブリル状、織
布状、又は不織布状のフルオロカーボン重合体で補強す
ることもできる。
【0023】上記複層イオン交換膜は、アノード側イオ
ン交換膜層(1)、触媒を含有するイオン交換膜層
(2)、及びカソード側イオン交換膜層(3)をそれぞ
れ別々にフィルム状に成形し、好ましくは120〜23
0℃、0.5〜30kg/cmにてホットプレス法等
により密着、積層させることにより製造できる。
【0024】また、アノード側イオン交換膜層(1)又
はカソード側イオン交換膜層(3)の片面に塗布法、ス
プレー法、印刷法等により触媒を含有するイオン交換膜
層(2)を形成後、もう一方のイオン交換膜層(3)又
は(1)を上記イオン交換膜層(2)を挟むように積層
させ、ホットプレス法等によっても製造できる。
【0025】上記複層イオン交換膜には、通常の既知の
方法に従ってその表面にガス拡散電極を接合し、次いで
カーボンペーパー等の集電体を取り付ける。電極及び集
電体を表面に有する複層イオン交換膜は、燃料ガス(水
素ガス)又は酸化剤ガス(酸素ガス)の通路となる溝が
形成された一対の導電性の室枠に挟み込むことにより、
燃料電池として組み立てられる。
【0026】本発明で使用されるガス拡散電極は特に限
定されない。例えば、白金担持カーボンブラック粉末を
ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性樹脂結着材で
保持させた多孔質シートが使用でき、該多孔質シートは
スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体やその重合体
で被覆された微粒子を含んでもよい。この多孔質シート
はガス拡散電極としてホットプレス法等により固体高分
子型電解質たる上記イオン交換膜に接合される。
【0027】また別の例では、イオン交換膜又は集電体
を形成するカーボンペーパー等の両面又は片面に、塗布
法、スプレー法又は印刷法等により白金担持カーボン粒
子とスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の混合物
からなるガス拡散電極の層を形成し、これらを、好まし
くは120〜350℃、2〜100kg/cm2 にてホ
ットプレス法等により密着させることで、表面に電極層
を有するイオン交換膜又は集電体が製造できる。
【0028】次いで、かかるイオン交換膜層又は集電体
に、それぞれ集電体又はイオン交換膜層が接合される。
【0029】
【作用】本発明では、開放起電力及び端子電圧の点で良
好な燃料電池が得られ、その機構は以下のように考えら
れる。イオン交換膜を電解質とする固体高分子型燃料電
池では、以下の反応に従って化学エネルギーが電気エネ
ルギーに変換される。
【0030】
【化2】アノード:H2 →2H+ +2e、 カソード:1/2O2 +2H+ +2e→H2 O。
【0031】上記反応で使用される水素ガス及び酸素ガ
スは、前記クロスオーバー現象により、イオン交換膜内
をそれぞれカソード方向及びアノード方向に移動し、電
極上で反応することにより、セル電圧の低下を引き起こ
す。本発明では、複層イオン交換膜が、中間層としてイ
オン交換膜層(2)を有することにより、上記クロスオ
ーバー現象を膜性能を低下させることなく阻止できる。
【0032】すなわち、本発明では、上記クロスオーバ
ー現象を阻止する触媒はイオン交換膜中にそれほど大量
に存在させる必要がないことを見出し、触媒となる白金
族金属などの触媒は、分散された状態で、かつイオン交
換樹脂で被覆された状態でイオン交換膜層(2)中に存
在するため、イオン交換膜中を通過するプロトンの移動
を実質上妨げることなく、クロスオーバー現象を阻止で
きる。
【0033】さらに本発明におけるプロトンの移動を妨
げない上記クロスオーバー現象の阻止は、イオン交換膜
の含水率を大きくして、水素ガス及び酸素ガスのイオン
交換膜内の透過性を大きくした場合も達成しうることが
判明した。かくして、反応により生成する水のために高
含水率状態となるイオン交換膜のカソード側イオン交換
膜層(3)に比べて、相対的に低い含水率を補うため
に、アノード側に高い含水率を有するイオン交換膜層
(1)を有する複層イオン交換膜でも達成しうる。
【0034】これらにより、クロスオーバー現象を防止
し、高いプロトン移動性及び低い電気抵抗という相反す
る特性を満足することが可能となり、結果として、燃料
電池の高出力化が達成される。
【0035】
【実施例】以下に本発明の具体的態様を実施例(例1、
例3、例5)及び比較例(例2、例4)により説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0036】[例1]CF2 =CF2 とCF2 =CFO
CF2 CF(CF3 )OCF2 CF2 SO2Fとの共重
合体からなるイオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹
脂、及び1.0ミリ当量/g乾燥樹脂の2種類の共重合
体を用意した。前者の共重合体を220℃で押出製膜
し、厚さ45μmのフィルム(1)を得た。次に、後者
の共重合体を220℃で押出製膜し、厚さ45μmのフ
ィルム(3)を得た。さらに、前者の共重合体に40%
白金担持カーボンブラック粉末を10体積%の割合で添
加し混練したものを220℃で押出製膜し、厚さ20μ
m、白金含有量25mg/cm3 のフィルム(2)を得
た。
【0037】上記の3種類の共重合体フィルム(1)、
(2)、(3)を、フィルム(2)を中央にして220
℃でロールを用いて積層し、ジメチルスルホキシド30
重量%と水酸化カリウム15重量%との混合水溶液中で
加水分解し、水洗した後、1規定の塩酸中に浸漬した。
次に積層膜を水洗し、その四辺を専用治具で拘束した後
60℃で1時間乾燥し、複層イオン交換膜を得た。共重
合体フィルム(1)、(2)及び共重合体フィルム
(3)の90℃の純水中の含水率はそれぞれ、70重量
%、50重量%であった。
【0038】上記複層イオン交換膜をPTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)製のガス透過性測定セルに組み
込み、ヒータでセルを85℃に保温し、共重合体フィル
ム(1)側に85℃の飽和水蒸気で加湿した常圧の水素
を供給し、共重合体フィルム(3)側に85℃の飽和水
蒸気で加湿した常圧の不活性ガス又は酸素を供給し、不
活性ガス又は酸素中に漏洩した水素の量をガスクロマト
グラフにより測定した。不活性ガス供給時の水素の透過
量は0.27マイクロリットル/cm2 /秒であるのに
対して、酸素供給時の水素の透過量は0.021マイク
ロリットル/cm2 /秒であり、水素透過量が減少し
た。
【0039】[例2]例1で使用した1.1ミリ当量/
g乾燥樹脂の共重合体を220℃で押出製膜し、厚さ6
5μmのフィルムを得た。
【0040】このフィルムと例1で使用したイオン交換
容量1.0ミリ当量/g乾燥樹脂の共重合体フィルム
(3)とを220℃でロールを用いて積層し、これを例
1と同様に加水分解、塩酸浸漬、水洗次いで乾燥処理す
ることにより複層イオン交換膜を得た。この複層イオン
交換膜について、例1と同様な方法によりガスの水素の
透過量を測定した。不活性ガス供給時と酸素供給時で変
化はなく、水素の透過量は0.29マイクロリットル/
cm2 /秒であった。
【0041】[例3]例1で使用した複層イオン交換膜
の両面に、ガス拡散電極としてカーボンブラック60重
量部とPTFE40重量部とからなる厚さ約200μm
の白金担持ガス拡散電極(白金担持量0.5mg/cm
2 )を温度150℃、圧力10kg/cm2 で10秒間
の条件で、ホットプレス法により接合した。
【0042】複層イオン交換膜の共重合体フィルム
(1)側がアノード側に、一方、共重合体フィルム
(3)側がカソードになるように電池性能測定用セルに
組み込んで、開放起電力と発電性能を測定した。結果を
表1に示す。
【0043】[例4]例2で使用した複層イオン交換膜
の両面に、例3と同様にしてガス拡散電極を接合した。
複層イオン交換膜の1.1ミリ当量/g乾燥樹脂の共重
合体フィルム側がアノード側に、一方、イオン交換容量
1.0ミリ当量/g乾燥樹脂の共重合体フィルム側がカ
ソード側になるように電池性能測定用セルに組み込ん
で、開放起電力と発電性能を測定した。結果を表1に示
す。
【0044】[例5]例1で使用したイオン交換容量
1.0ミリ当量/g乾燥樹脂の共重合体フィルム(3)
2枚の間に例1で使用した共重合体フィルム(2)をサ
ンドイッチしたものを220℃でロールプレスし、例1
と同様に処理して複層イオン交換膜を得た。この複層イ
オン交換膜の両面に、例3と同様にしてガス拡散電極を
接合した。これを電池性能測定用セルに組み込んで、開
放起電力と発電性能を測定した。結果を表1に示す。
【0045】なお、例3、例4及び例5の電池性能の測
定は、セル温度70℃で、アノード及びカソードにそれ
ぞれ加湿した水素と空気を供給し、いずれも同じ条件下
で行った。端子電圧は、電流密度0.5A/cm2 にお
ける値を示す。
【0046】表1によると、複層イオン交換膜内にイオ
ン交換層(2)を含有する例3はこれを有しない例4に
比べて開放起電力が高く、また、アノード側に高含水率
のイオン交換膜層を有する例3は、アノード側とカソー
ド側の含水率が等しいイオン交換膜層を有する例5より
も発電時の端子電圧が高い。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の固体高分子電解質型燃料電池
は、イオン交換膜層(2)における水素ガスと酸素ガス
との反応で生成する水による含水率の増大、アノード側
のイオン交換膜層(1)の高含水率、及びカソードで本
来生成する水による含水率の増大のために複層イオン交
換膜全体が高含水率になるため、膜を通じてプロトンの
移動量が大きくなり、高い開放起電力と端子電圧を有す
る高出力を達成できるだけでなく、イオン交換膜が常時
高含水率に保持されるため外界の湿度の変化の影響を受
けにくく、燃料電池の運転操作が容易になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下平 哲司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換膜を固体高分子電解質とする燃
    料電池において、上記イオン交換膜が、アノード側イオ
    ン交換膜層(1)と、水素ガスと酸素ガスから水を生成
    する反応を促進する触媒を含有するイオン交換膜層
    (2)と、カソード側イオン交換膜層(3)との少なく
    とも3層からなる複層イオン交換膜であることを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】イオン交換膜層(2)中の触媒量が、0.
    1〜500mg/cm3 である請求項1の固体高分子電
    解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】アノード側イオン交換膜層(1)の含水率
    が、カソード側イオン交換膜層(3)の含水率よりも5
    〜50重量%大きい請求項1又は2の固体高分子電解質
    型燃料電池。
JP7103950A 1995-04-27 1995-04-27 固体高分子電解質型燃料電池 Pending JPH08298128A (ja)

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