JPH08296641A - スプラインユニットおよびスプラインユニットの外筒成形方法 - Google Patents

スプラインユニットおよびスプラインユニットの外筒成形方法

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JPH08296641A
JPH08296641A JP12297395A JP12297395A JPH08296641A JP H08296641 A JPH08296641 A JP H08296641A JP 12297395 A JP12297395 A JP 12297395A JP 12297395 A JP12297395 A JP 12297395A JP H08296641 A JPH08296641 A JP H08296641A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】外筒に形成する樹脂部の位置を正確に設定して
一体成形可能なスプラインユニットおよびスプラインユ
ニットの外筒成形方法を提供する。 【構成】無負荷転動体通路8、転動体保持部6a,6b
および転動体方向転換路内周部19aの内、少なくとも
いずれか一つを、負荷転動体転動溝2を基準にして外筒
3を金型内に配置するインサート成形によって、外筒3
と一体成形したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプライン軸と外筒の
間に転動体を介在させた転がり接触形のスプラインユニ
ットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のスプラインユニットは、
内周に複数の負荷ボール転動溝が設けられた円筒状の外
筒を備え、この外筒には、負荷ボール転動溝に対応する
複数の無負荷ボール通路が設けられている。外筒の両端
には、前記負荷ボール転動溝と無負荷ボール通路間を結
ぶ方向転換路を備えた側蓋が取り付けられている。ま
た、外筒内周には、負荷ボール転動溝内のボールの脱落
を防止するべく、負荷ボール転動溝に沿ってボール保持
部が設けられている。
【0003】外筒内には、スプライン軸が往復移動自在
に挿通される。スプライン軸外周には、外筒に設けられ
た負荷ボール転動溝に対応する負荷ボール転動溝が設け
られ、これら負荷ボール転動溝間には多数個のボールが
介装されていた。
【0004】そして、従来から、高剛性を必要としない
ボール保持部、側蓋および無負荷ボール通路については
樹脂成形品とし、低コスト化が図られてきた。
【0005】しかし、従来の上記した各樹脂成形部は外
筒とは別体成形品であり、それぞれ別途成形した後に組
立工程が必要であった。
【0006】そこで、ボール保持部等と外筒を一体成形
することにより組立工程を削減することが考えられる。
【0007】このような一体成形技術としては、たとえ
ばUSP4,128,279号に示されるような直線運
動ボールベアリングが知られている。
【0008】この直線運動ボールベアリングは、図9に
示すように、一部が切り欠かれた開断面形状の外筒10
1と、外筒101内に挿入される軸105と、から構成
されている。
【0009】この外筒101内周と軸105外周の間
に、軸方向に配列さらた多数のボール104が介装さ
れ、ボール104を介して、外筒101が軸105に沿
って直線運動するようになっている。ボール104は、
外筒101の円周方向に複数列設けられ、各ボール列
は、外筒101両端の方向転換路108および外筒10
1外周側に設けられた複数の無負荷ボール通路110を
通じて循環するようになっている。外筒101と軸10
5の間に介装される負荷域のボール104は、ボール列
の両側に軸方向に沿って延びるボール保持部106によ
って保持されている。
【0010】そして、前記ボール保持部106、方向転
換路108の内周部108a及び無負荷ボール通路11
0が、インサート成形にて、外筒101と一体成形され
ていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の直線運動ボールベアリングの場合には、インサ
ート成形する際には、図9(c)に示すように、たとえ
ば、外筒101の外周を第1の金型111に、外筒10
1の内周を第2の金型112に密着させて、ボール保持
部106及び無負荷ボール通路110成形用のキャビテ
ィ106a,110aを形成することになるが、外筒1
01の内外周を第1,第2の金型111,112に正確
に密接させることが困難であり、接触面間に隙間ができ
てバリが発生するという問題があった。
【0012】特に、外筒101内周と第2の金型112
との接触面間にバリが発生すると、負荷ボール転動面に
バリが発生することになり、バリを除去する必要があ
る。しかし、このようなボール保持部106,106間
の奥に発生するバリを除去することは非常に困難であ
り、事実上不可能である。
【0013】このようなバリが存在すると、ボール10
4の循環が悪くなるために送り精度が悪くなる。甚だし
い場合には、ボール104が詰まって機械が停止してし
まい、生産性に重大な影響を及ぼす。
【0014】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、外
筒に形成する樹脂部の位置を正確に設定して一体成形可
能なスプラインユニットおよびスプラインユニットの外
筒成形方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、内周に複数の負荷転動体転動溝
が設けられた円筒状の外筒と、外筒に設けられた前記負
荷転動体転動溝に対応する複数の無負荷転動体通路と、
外筒の両端に設けられ、前記負荷転動体転動溝と無負荷
転動体通路間を結ぶ方向転換路を備えた側蓋と、前記負
荷転動体転動溝に沿って設けられ負荷転動体転動溝内の
転動体の脱落を防止する転動体保持部と、 前記外筒内
に挿通され、外周に前記外筒に設けられた負荷転動体転
動溝に対応する負荷転動体転動溝が設けられたスプライ
ン軸と、前記外筒とスプライン軸の負荷転動体転動溝間
に介装され、前記方向転換路および無負荷転動体通路を
通って無限循環する多数個の転動体と、を備えたスプラ
インユニットにおいて、前記無負荷転動体通路、転動体
保持部および転動体方向転換路内周部の内、少なくとも
いずれか一つを、前記負荷転動体転動溝を基準にして外
筒を金型内に配置するインサート成形によって、外筒と
一体成形したことを特徴とする。
【0016】外筒内周に設けられる負荷転動体転動溝
は、互いに隣合う一対の負荷転動体転動溝を一組として
円周方向に複数組の負荷転動体溝組として構成され、ス
プライン軸は、外周に前記各負荷転動体転動溝組を構成
する一対の負荷転動体転動溝間に位置する複数の角部を
有し、角部の両側面に前記外筒に設けられた一対の負荷
転動体転動溝に対応する一対の負荷転動体転動溝が設け
られていることが好ましい。
【0017】外筒は内部に薄肉円筒状の芯金を埋設した
樹脂によって成形され、樹脂で覆われた芯金の内周面を
部分的に露出させ、この露出された芯金内周露出部に負
荷転動体転動溝が形成されていることを特徴とする。
【0018】また、外筒成形方法は、外筒を前記負荷転
動体転動溝を基準にして金型内に配置し、無負荷転動体
通路、転動体保持部および転動体方向転換路内周部の
内、少なくともいずれか一つをインサート成形によって
一体成形することを特徴とする。
【0019】また、外筒外周を、負荷転動体転動溝を基
準にして研削仕上げを行い、その後、負荷転動体転動溝
を基準にして外筒を金型内に配置してインサート成形を
行うことを特徴とする。
【0020】また、負荷転動体転動溝と金型との接触状
態は、成形材料の浸入を阻止できる程度の隙間を許容す
る。
【0021】
【作用】本発明にあっては、外筒内周に設けた負荷転動
体転動溝を基準にして、無負荷転動体通路、転動体保持
部および転動体方向転換路内周部の内、少なくともいず
れか一つをインサート成形により一体成形する。
【0022】これにより、組立て工程を削減することが
できる。
【0023】また、転動体方向転換路と負荷転動体転動
溝間、方向転換路と無負荷転動体転動溝間の継ぎ目に組
み付け誤差により段差が生じることがなく、転動体の循
環が円滑になり、また、騒音の発生も少なくなる。
【0024】そして、外筒を、負荷転動体転動溝を基準
にして金型内に位置決めするので、負荷転動体転動溝と
金型との間のバリの発生が防止できる。
【0025】また、インサート成形するべき外筒外周の
研削仕上げを、負荷転動体転動溝を基準にして行えば、
金型内に挿入した外筒外周と金型との接触面間の隙間を
可及的に小さく設定することができ、外周側のバリの発
生も防止することができる。
【0026】ここで、バリを防止するためには、外筒と
金型との接触面が完全に密着している必要はなく、隙間
が開いていても、成形材料の浸入を阻止できる程度の大
きさであればよい。本発明のように、負荷転動体転動溝
を基準にし外周を研削し、この負荷転動体転動溝を基準
にして外筒を金型内に配置するようにすれば、外周側の
隙間を成形材料の流入を阻止できる程度の僅少な一定の
大きさに設定できる。また、外筒の外周側だけでなく、
内周側の負荷転動体転動溝と金型間にも、成形材料の流
入を阻止できる程度の僅少な一定の大きさに設定するこ
とができる。
【0027】このように、金型と外筒間に隙間に設定す
れば、外筒の装着が容易となり、しかもバリの発生を阻
止することができる。負荷転動体転動溝にバリが発生す
るとバリの削除は不能であり、バリを削除するためには
外筒を壊さなければならなくなる。そのため、バリの発
生を阻止することは極めて重要である。
【0028】特に、負荷転動体転動溝と金型間に、成形
材料の浸入を阻止できる程度の若干の隙間の発生を許容
しておけば、負荷転動体転動溝の研削仕上げ時の加工精
度要求を軽減できる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0030】図1には本発明の第1実施例に係るスプラ
インユニットが示されている。
【0031】このスプラインユニット1は、概略、図1
(a)に示すように、円筒状の外筒3と、外筒3の両端
に設けられる一対の側蓋5と、負荷ボール転動溝7が設
けられたスプライン軸8と、から構成されている。
【0032】外筒3は、図2〜図4に示すように、金属
製の高剛性の円筒体で、その内周に複数の負荷ボール転
動溝2が設けられている。負荷ボール転動溝2は、互い
に隣合う一対の負荷ボール転動溝2,2を一組として円
周方向に複数組の負荷ボール転動溝組2Aとして構成さ
れる。この実施例では、3組の負荷ボール転動溝組2A
が、円周方向に等配されている。
【0033】一方、スプライン軸8は、この外筒4内に
挿通され、外周に各負荷ボール転動溝2A組を構成する
一対の負荷ボール転動溝2,2間に位置する複数の角部
8aを有し、この角部8aの両側面に外筒4に設けられ
た一対の負荷ボール転動溝2,2に対応する一対の負荷
ボール転動溝7,7が設けられている。そして、互いに
対向する負荷ボール転動溝2,7間に転動体としてのボ
ール9が介装されており、このボール9には所定の予圧
が加えられている。転動体としては、ボールの他にロー
ラ等も適用できる。各負荷ボール9の負荷ボール転動溝
2,7との接触点を結ぶ接触角線は、ボール中心とスプ
ライン軸8の中心とを結ぶ半径方向線に対して所定角度
αだけ傾斜しており、この接触角αは、スプライン軸8
の中心と角部8aの中心とを結ぶ線に対して互いに線対
称に設定されている。
【0034】外筒3の各負荷ボール転動溝組2Aの負荷
ボール転動溝2,2は、図2(a)および図4(c)に
示すように、断面U字状の第1U字溝10の両端部に設
けられている。もっとも、U字溝に限らず、図4(d)
に示すように、一対の円弧溝10aによって構成しても
よい。
【0035】また、外筒3の内周には、図2(a)に示
すように、上記第1U字溝10の間に、無負荷ボール通
路4が形成される第2U字溝11が設けられている。こ
の第2U字溝11には、外筒3の長さ方向全長にわたっ
て延びる第1樹脂部12が一体的に嵌合される。この第
1樹脂部12は、厚肉の略断面円弧形状で、厚さ方向に
外径端部から半分程度が第2U字溝11に一体的に嵌合
し、内径端部が外筒3の内周よりも内側に突出してい
る。
【0036】そして、この第1樹脂部12に無負荷ボー
ル通路4が形成されている。この無負荷ボール通路4
は、ボール9よりも若干大径の円形の貫通穴によって構
成され、その中心位置がほぼ外筒3の内径と一致するよ
うに構成される。
【0037】また、第1樹脂部12の内径端部の円周方
向側縁6aは、隣接する第1U字溝10側に突出してい
る。
【0038】外筒3の外周には、その中央部において、
全周にわたって延びる潤滑剤を流すための潤滑剤案内溝
13が設けられ、この潤滑剤案内溝13と前記内周側の
第2U字溝11とが、第1連通孔14を介して連通して
おり、さらに、第1樹脂部12に、前記第1連通孔14
と、各無負荷ボール通路4間を連通する第2連通孔15
が設けられている。また、外筒3の外周には、軸方向に
延びるキー溝3aが形成されている。
【0039】前記第1U字溝10には、ボール9を保持
する第2樹脂部16が設けられている。この第2樹脂部
16の円周方向側縁6bと上記第1樹脂部12の円周方
向側縁部6aとは、ボール9の直径よりも小さい距離で
もって互いに対向しており、ボール9の脱落を防止する
ボール保持部を構成している。
【0040】第1樹脂部12と第2樹脂部17とは、図
2(b)および図3に示すように、外筒3の両端面に接
合される環状の第3樹脂部18において一体的に接続さ
れている。
【0041】第3樹脂部18の端面には、直線状に延び
る負荷ボール転動溝2の端部および無負荷ボール通路4
の端部が開口しており、負荷ボール転動溝2と無負荷ボ
ール通路4間には、円弧状の方向転換路内周部19aが
設けられている。
【0042】一方、図5に示すように、外筒3の端面に
取り付けられる側蓋5は環状部材で、前記第3樹脂部1
8の環状の端面に突き合わされる環状の端面を有し、こ
の端面に方向転換路外周部19bを構成する円弧溝が、
第3樹脂部18端面に形成された6箇所の方向転換路内
周部19aに対応して凹設されている。
【0043】また、この側蓋5の外径端部には、前記外
筒3側の第3樹脂部18の外周面に嵌合する環状壁22
が設けられ、環状壁22の内周に、前記第3樹脂部18
外周に設けられた係止溝21に係止する係止突起23が
設けられている。環状壁22の端面は外筒3の端面に当
接する。
【0044】上記した無負荷ボール通路を構成する第1
樹脂部12、ボール保持部6を構成する第1樹脂部12
および第2樹脂部17、さらに転動体方向転換路内周部
19aを構成する第3樹脂部18が、すべて、外筒3を
金型内に配置したインサート成形によって、外筒3と一
体成形されている。
【0045】図6には、インサート成形時の、外筒3と
金型との嵌合状態を示している。
【0046】外筒3のインサート成形は、外筒3を負荷
ボール転動溝2を基準にして互いに同心的に配置される
第1金型40と第2金型41との間に配置し、無負荷ボ
ール通路4を構成する第1樹脂部12形成用のキャビテ
ィ12a、ボール保持部を構成する第2樹脂部16形成
用のキャビティ16a、ボール方向転換路内周部19a
成形用のキャビティ19c、さらに第3樹脂部18形成
用のキャビティ18aを構成し、各キャビティ12a,
16a,18a,19cに樹脂材料を射出充填して、第
1樹脂部12,第2樹脂部16,第3樹脂部18及び方
向転換路内周部19aを成形する。
【0047】このように、外筒3を、負荷ボール転動溝
2を基準にして第1,第2金型40,41内に位置決め
するので、負荷ボール転動溝2と第1金型40との間の
バリの発生が防止できる。特に、本実施例では、ボール
転動溝組2Aは基本的に3箇所であり、外筒3は第1金
型40によって3点で位置決めされることになる。しか
もアンギュラコンタクト構造となるので、回転方向の位
置決めがなされ、第1金型40に対して外筒3が正確に
位置決めされる。
【0048】また、インサート成形するべき外筒3外周
の研削を、負荷転ボール転動溝2を基準にして行えば、
金型内に挿入した外筒3外周と第2金型41との接触面
間の隙間を可及的に小さく設定することができ、外周側
のバリの発生も防止することができる。
【0049】ここで、バリを防止するためには、外筒3
と金型との接触面が完全に密着している必要はなく、隙
間が開いていても、成形材料の浸入を阻止できる程度の
大きさであればよい。本発明のように、負荷ボール転動
溝2を基準にし外周を研削仕上げし、この負荷ボール転
動溝2を基準にして外筒3を金型内に配置するようにす
れば、外周側の隙間を成形材料の流入を阻止できる程度
の僅少な一定の大きさに設定できる。また、外筒3の外
周側だけでなく、内周側の負荷ボール転動溝2と第1金
型40間にも、成形材料の流入を阻止できる程度の僅少
な一定の大きさに設定することができる。負荷ボール転
動溝2も研削仕上げするので、金型と負荷ボール転動溝
2とがある程度の隙間内で接触する。
【0050】このように、第1,第2金型40,41と
外筒3の内外周間に僅少な隙間を設ければ、外筒3の装
着が容易となり、しかもバリの発生を阻止することがで
きる。
【0051】上記したように、外筒3内周に設けた負荷
ボール転動溝2を基準にして、無負荷ボール通路4、ボ
ール保持部6および方向転換路内周部19aのすべてを
インサート成形により一体成形したので、組立は、側蓋
5を組み付けるだけでよく、これにより、組立て工程を
大幅に削減することができる。
【0052】また、方向転換路19と負荷ボール転動溝
6間、方向転換路19と無負荷ボール通路4間の継ぎ目
に組み付け誤差により段差が生じることがなく、ボール
の循環が円滑になり、また、騒音の発生も少なくなる。
【0053】本実施例では、無負荷ボール通路4、ボー
ル保持部6および方向転換路内周部19aのすべてをイ
ンサート成形により外筒と一体成形したが、少なくとも
1つをインサート成形するようにしてもよい。
【0054】図7には、本発明の第2実施例を示してい
る。
【0055】この第2実施例は、無負荷ボール通路を外
筒外周部に設けた例である。
【0056】この例では、無負荷ボール通路4が外筒3
外周側に設けられている点で第1実施例と異なる。すな
わち、外筒3外周に、第2U字溝51が設けられ、この
第2U字溝51を埋めるように一体成形された第2樹脂
部51に無負荷ボール通路4が形成されている。
【0057】その他の構成及び作用は、第1実施例と同
様であるので、同一の構成部分については、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0058】図8は、本発明の第3実施例を示してい
る。
【0059】この第3実施例では、外筒33全体を内部
に薄肉円筒状の芯金331を埋設した樹脂332によっ
て成形したものである。
【0060】すなわち、第1,第2実施例では外筒3を
高剛性の厚肉の金属ブロック体によって構成している
が、この第3実施例では、外筒33を薄肉円筒状の芯金
331を有する樹脂成形品として軽量化を図ったもので
ある。そして、この第3実施例も、無負荷ボール通路3
4と、ボール保持部36及び方向転換路内周部319a
のすべてをインサート成形により外筒3と一体成形した
ものである。
【0061】芯金331はSUS等の薄肉円筒によって
構成され、この芯金331内周に負荷ボール転動溝32
が3箇所に等配されている。この負荷ボール転動溝32
は塑性加工によって芯金331内周を部分的に外側に凸
となるように断面円弧状に塑性変形させたものである。
この塑性変形による材料の加工硬化によって負荷ボール
転動溝32を負荷に耐え得るように硬度を硬くしてい
る。また、芯金331内周には、上記負荷ボール転動溝
32と隣接する位置に無負荷ボール通路34が設けられ
ている。
【0062】負荷ボール転動溝32は、樹脂332で覆
われた芯金331の内周面を部分的に露出させ、この露
出された芯金331の内周露出部に形成される。
【0063】一方、無負荷ボール通路34は外筒33の
樹脂332に貫通形成した断面円形の貫通孔によって構
成され、この無負荷ボール通路34は樹脂332の内部
に位置し、内周側に露出していない。もっとも、無負荷
ボール通路34もボールが脱落しない程度で内周側に露
出していても良い。また、この無負荷ボール通路34内
周には前記芯金331内周に形成した無負荷ボール転動
溝34aが露出して、無負荷ボール通路34の内周面と
なっている。
【0064】また、ボール39を負荷ボール転動溝32
の端部から無負荷ボール通路34に方向転換させる方向
転換路319は、上記第1実施例と同様に側蓋35によ
って構成される。方向転換路内周部319aは外筒33
と一体成形されるので、側蓋35は方向転換路の外周部
319bを構成するものである。
【0065】一方、この実施例ではスプライン軸38に
ついても薄肉パイプ構造としており、その外周面に、断
面円弧状の負荷ボール転動溝37が形成されている。こ
の負荷ボール転動溝37も円筒状のパイプを塑性変形さ
せたもので、塑性変形による加工硬化によって負荷ボー
ル転動溝37を負荷に耐え得るように硬くしている。ま
た、スプライン軸38の端末開口部は、埋め栓38aに
よって封止され、埋め栓38aがノックピン等によって
固定されている。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外筒と、無負荷転動体通路,転動体保持部および転動体
方向転換路内周部の内、少なくともいずれか一つをイン
サート成形により一体成形したので、組立て工程を削減
することができる。
【0067】また、一体成形することにより、転動体方
向転換路と負荷転動体転動溝間、方向転換路と無負荷転
動体転動溝間の継ぎ目に組み付け誤差により段差が生じ
ることがなく、転動体の循環が円滑になり、騒音の発生
も少なくなる。
【0068】さらに、外筒を、負荷転動体転動溝を基準
にして金型内に位置決めするので、負荷転動体転動溝と
金型との間のバリの発生が防止できる。したがって、転
動体の循環不良に起因する送り精度不良や、転動体の詰
まりによる送り装置の停止等の不具合が生じるおそれが
なく、常に転動体の円滑な循環が保障され、精密な送り
精度を保障することができる。
【0069】また、インサート成形するべき外筒外周の
研削を、負荷転動体転動溝を基準にして行えば、金型内
に挿入した外筒外周と金型との接触面間の隙間を可及的
に小さく設定することができ、外周側のバリの発生も防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係るスプラインユ
ニットを示す図である。
【図2】図2(a)は図1のスプラインユニットの縦断
面図、同図(b)は同図(a)のボール循環路を断面と
して示す図である。
【図3】図3は図1のスプラインユニットの外筒端面を
示すもので、同図(a)はボールを充填した状態の図、
同図(b)はボールを外した状態の図である。
【図4】図4(a)は外筒の半縦断面図、同図(b)は
キー溝の平面図、同図(c)は同図(a)の中央縦断面
図、同図(d)は円弧溝の場合のボール転動溝部の部分断
面図である。
【図5】図5(a)は側蓋の縦断面図、同図(b)はボ
ール装着した状態の側蓋の裏面図、同図(c)はボール
を外した状態の側蓋の裏面図、同図(d),(e)は外
筒と側蓋の係合状態を示す図である。
【図6】図6は本発明の外筒成形方法の概略工程を示す
図である。
【図7】図7は本発明の第2実施例のスプラインユニッ
トの縦断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の第3実施例のスプラインユ
ニットの断面図、同図(b)は同図(a)の外筒の断面図、
同図(c)はスプライン軸の断面図、同図(d)はスプライ
ン軸の端末の断面図、同図(e)はボ−ル循環路の部分
断面図である。
【図9】図9は従来の直線運動ベアリングを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 スプラインユニット 2 負荷ボール転動溝(外筒側) 3 外筒 4 無負荷ボール通路 5 側蓋 6a 第1樹脂部端縁(ボール保持部) 6b 第2樹脂部端縁(ボール保持部) 7 ボール転動溝(スプライン軸側) 8 スプライン軸 8a 角部 9 ボール(転動体) 10 第1U字溝 11 第2U字溝 12 第2樹脂部 18 第3樹脂部 19a 方向転換路内周部 19b 方向転換路外周部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周に複数の負荷転動体転動溝が設けられ
    た円筒状の外筒と、 該外筒に設けられた前記負荷転動体転動溝に対応する複
    数の無負荷転動体通路と、 外筒の両端に設けられ、前記負荷転動体転動溝と無負荷
    転動体通路間を結ぶ方向転換路を備えた側蓋と、 前記負荷転動体転動溝に沿って設けられ負荷転動体転動
    溝内の転動体の脱落を防止する転動体保持部と、 前記外筒内に挿通され、外周に前記外筒に設けられた負
    荷転動体転動溝に対応する負荷転動体転動溝が設けられ
    たスプライン軸と、 前記外筒とスプライン軸の負荷転動体転動溝間に介装さ
    れ、前記方向転換路および無負荷転動体通路を通って無
    限循環する多数個の転動体と、を備えたスプラインユニ
    ットにおいて、 前記無負荷転動体通路、転動体保持部および転動体方向
    転換路内周部の内、少なくともいずれか一つを、前記負
    荷転動体転動溝を基準にして外筒を金型内に配置するイ
    ンサート成形によって、外筒と一体成形したことを特徴
    とするスプラインユニット。
  2. 【請求項2】内周に、互いに隣合う一対の負荷転動体転
    動溝を一組として円周方向に複数組の負荷転動体溝組が
    設けられた円筒状の外筒と、 該外筒外周部に設けられた前記負荷転動体溝に対応する
    複数の無負荷転動体通路と、 外筒の両端に設けられ、前記負荷転動体溝と無負荷転動
    体通路間を結ぶ方向転換路を備えた側蓋と、 前記負荷転動体溝に沿って設けられ負荷転動体溝内の転
    動体の脱落を防止する転動体保持部と、 前記外筒内に挿通され、外周に前記各負荷転動体転動溝
    組を構成する一対の負荷転動体転動溝間に位置する複数
    の角部を有し、該角部の両側面に前記外筒に設けられた
    一対の負荷転動体転動溝に対応する一対の負荷転動体転
    動溝が設けられたスプライン軸と、 前記外筒とスプライン軸の負荷転動体転動溝間に介装さ
    れ、前記方向転換路および無負荷転動体逃げ通路を通っ
    て無限循環する多数個の転動体と、を備えたスプライン
    ユニットにおいて、 前記無負荷転動体通路、転動体保持部および転動体方向
    転換路内周部の内、少なくともいずれか一つを、前記負
    荷転動体転動溝を基準にして外筒を金型内に挿入して型
    成形を行うインサート成形によって、外筒と一体成形し
    たことを特徴とするスプラインユニット。
  3. 【請求項3】内周に、互いに隣合う一対の負荷転動体転
    動溝を一組として円周方向に複数組の負荷転動体溝組が
    設けた円筒状の外筒と、 外筒内周に配置され、前記複数の負荷転動体溝組の間
    に、各負荷転動体溝に対応して設けられた複数の無負荷
    転動体通路と、 外筒の両端に設けられ、前記負荷転動体溝と無負荷転動
    体通路間を結ぶ方向転換路を備えた側蓋と、 前記負荷転動体溝に沿って設けられ負荷転動体溝内の転
    動体の脱落を防止する転動体保持部と、 前記外筒内に挿通され、外周に前記各負荷転動体転動溝
    組を構成する一対の負荷転動体転動溝間に位置する複数
    の角部を有し、該角部の両側面に前記外筒に設けられた
    一対の負荷転動体転動溝に対応する一対の負荷転動体転
    動溝が設けられたスプライン軸と、 前記外筒とスプライン軸の負荷転動体転動溝間に介装さ
    れ、前記方向転換路および無負荷転動体逃げ通路を通っ
    て無限循環する多数個の転動体と、を備えたスプライン
    ユニットにおいて、 前記無負荷転動体通路、転動体保持部および転動体方向
    転換路内周部の内、少なくともいずれか一つを、前記負
    荷転動体転動溝を基準にして外筒を金型内に配置して型
    成形を行うインサート成形によって、外筒と一体成形し
    たことを特徴とするスプラインユニット。
  4. 【請求項4】外筒は内部に薄肉円筒状の芯金を埋設した
    樹脂によって成形され、樹脂で覆われた芯金の内周面を
    部分的に露出させ、この露出された芯金内周露出部に負
    荷転動体転動溝が形成されていることを特徴とする請求
    項1,2または3に記載のスプラインユニット。
  5. 【請求項5】外筒を負荷転動体転動溝を基準にして金型
    内に配置し、無負荷転動体通路、転動体保持部および転
    動体方向転換路内周部の内、少なくともいずれか一つを
    インサート成形によって一体成形するスプラインユニッ
    トの外筒成形方法。
  6. 【請求項6】外筒外周を、負荷転動体転動溝を基準にし
    て研削仕上げを行い、その後、負荷転動体転動溝を基準
    にして外筒を金型内に配置してインサート成形を行う請
    求項5に記載のスプラインユニットの外筒成形方法。
  7. 【請求項7】負荷転動体転動溝と金型との接触状態は、
    成形材料の浸入を阻止できる程度の隙間を許容して設定
    される請求項5に記載のスプラインユニットの外筒成形
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998054474A1 (fr) * 1996-02-23 1998-12-03 Thk Co., Ltd. Ensemble cannelures-billes et procede pour former un cylindre exterieur a partir dudit ensemble
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JP2015113979A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 上銀科技股▲フン▼有限公司 潤滑構造を備えたボールスプライン装置

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