JP2600979Y2 - 直動ころがり案内軸受 - Google Patents

直動ころがり案内軸受

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JP2600979Y2
JP2600979Y2 JP1993002404U JP240493U JP2600979Y2 JP 2600979 Y2 JP2600979 Y2 JP 2600979Y2 JP 1993002404 U JP1993002404 U JP 1993002404U JP 240493 U JP240493 U JP 240493U JP 2600979 Y2 JP2600979 Y2 JP 2600979Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、工作機械、一般産業機
械等の直線運動部分に使用される直動ころがり案内軸受
のうち、剛性と負荷容量が比較的低いタイプのものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、直動ころがり案内軸受には、図1
乃至図1に示すエンドキャップ式直動ころがり案内
軸受と称されるものがある。この種の直動ころがり案内
軸受100は、主に、軸受組立体101と軌道台102
とで構成されている。軌道台102には、軌道台102
の長手方向の左右両側面に上下2条のボール転動溝11
1,112,113,114が形成され、幅方向断面形
状が略々コ字状の軸受組立体101が軌道台102上に
移動自在に跨るようにして設けられている。
【0003】軸受組立体101は、軸受本体103と、
エンドキャップ104,104とで構成されている。軸
受本体103の左右脚部130,131の内側面の長手
方向には、軌道台102のボール転動溝111,11
2,113,114に各々対向するボール転動溝10
7,108,109,110が形成されている。さら
に、左右脚部130,131の肉厚内には、ボール転動
溝107,108,109,110に各々対向して平行
に貫通するボール戻り通路としての貫通孔106,10
6,106,106が形成されている。
【0004】エンドキャップ104も、コ字状に形成さ
れており、ボール戻り通路とボール転動溝とを各々連通
させてボールの無限循環路を形成するU字形のボール方
向変換路(図示省略)を有し、軸受本体103の前後両
端に位置決めして取付けられている。
【0005】そして、互いに対向する両ボール転動溝1
07,111;108,112;109,113;11
0,114、及び、両ボール転動溝に各々対向するボー
ル戻り通路106,106,106,106には、それ
ぞれ多数のボール105が転動自在に装填され、そのボ
ール105の転動を介して、軸受組立体101が軌道台
102上を軌道台102の長手方向に移動するようにな
っている。
【0006】そして、この直動ころがり案内軸受100
の全てのボール転動溝107,108,109,11
0,111,112,113,114は、焼入硬化され
た後、所定のサーキュラーアーク形状に精密研削によっ
て仕上げられている。そして、転動体としてのボール1
05は、軌道台102のボール転動溝111,112,
113,114及び軸受本体103のボール転動溝10
7,108,109,110に約45度の接触角度でア
ンギュラコンタクトしている。又、軌道台102の片側
の上下2条のボール転動溝111,112(又は11
3,114)とボール105との接触線は、軌道台10
2の軸方向と直角の断面において軌道台102の外方で
略々直角に交わっている(図示省略)。このため、直動
ころがり案内軸受100は、軸受本体103に作用する
上下左右方向からの負荷に対して同一定格荷重になると
ともに、モーメント荷重に対しても安定な状態になるよ
うに構成されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
直動ころがり案内軸受が使用される分野が拡大し多岐に
わたるにつれて、上記のような高剛性、高負荷容量を有
する直動ころがり案内軸受とは別に、特にコストが安い
直動ころがり案内軸受の要望が出てきた。しかしなが
ら、上記のような従来の直動ころがり案内軸受では次の
理由でコストの低減に限界があり、要望に応えることが
できないという問題点がある。
【0008】(1) 材料面において、第1に、軌道台を、
ボール転動溝111,112,113,114を有し且
つ所定の研削代を含む大きさの形成にダイス(図示省
略)によって引抜加工を行なわなければならない点、第
2に、軸受本体内側面の形状が軌道台の形状と比較して
複雑であるため、ボール転動溝を有する内側面を引抜加
工で形成することができず、一旦、材料を断面コ字状に
引抜いた後に、ブローチ加工によって研削代を残した内
側面を形成しなければならない点等。
【0009】(2) 機械加工において、軸受本体103の
ボール戻り孔通路106を、所定の加工精度の範囲内で
軸受本体103の長手方向に貫通形成しなければならな
い点等。
【0010】(3) 熱処理において、第1に、長尺の軌道
台102の熱処理における曲り変形をプレス矯正できる
ように、軌道台102のボール転動溝111,112,
113,114が形成される両側面には焼入れ処理を施
すが、上面及び底面には焼入しないようにする必要があ
り、このため、通常は高周波によって焼入れを行なう
が、サイズと軌道台の側面形状に合った高周波コイル
(図示省略)を製作しなければならない点、第2に、高
周波コイルの段取り替えのロスがある点、第3に、軸受
本体103には一般に浸炭による硬化処理が施される
が、肉厚の薄いものは焼き割れ防止を施す必要がある点
等。
【0011】(4) ボール転動溝の研削加工において、第
1に、軌道台102と軸受本体103は、特殊な専用研
削盤(図示省略)と、所定のサーキュラーアーク形状を
得るための軌道台と軸受本体の種々のサイズに応じた専
用クラッシャー(図示省略)とを必要とする点、第2
に、軌道台102と軸受本体103は、左右のボール転
動溝の軸心に対する対称度を所定の加工誤差の範囲内に
入れなければならない難点があり、特に段取り替えの際
に時間を要する点等。
【0012】(5) エンドキャップ104は一般に合成樹
脂を射出成形したものが用いられているが、サイズの種
類に応じた数の金型を製作しなければならず費用がかか
る。
【0013】さらに、直動ころがり案内軸受100は、
軌道台102と、その上に跨架されて移動する軸受組立
体101との間に生じる隙間に、ゴミ、ほこり、切粉等
の異物が入り込み、ボール転動溝面に付着すると、ボー
ル105の円滑な転動が妨げられるため、軸受組立体1
01の前後両端の隙間からの異物の侵入を防ぐ防塵シー
ル120,120がエンドキャップ104の外端面に取
付けられている。しかし、防塵シール120を軌道台1
02の外形に沿って密着するシールリップ状に形成する
には、軌道台102のボール転動溝面111,112,
113,114と他の部分を同時に密着させなければな
らず、シールリップ形状の成形に困難がともなうという
問題点も有している。
【0014】本考案は、上記の課題を解決すべくなされ
たものであり、従来のものと構造が異なる、ボール転動
溝の加工を必要としないコストの安い直動ころがり案内
軸受を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案は、四角柱状の軌道台と、軌道台の長手方
向の上面及び両側面上を各々転がる複数のボールを保持
するライナを前記各面に対向させて有するとともに前記
軌道台上に移動自在に跨架された鞍形状の軸受組立体と
を具え、前記ライナは互いに重なり合う長方形平板状の
ベース板とケージ板とを有し、前記ベース板の表面に
前記軸受組立体の移動方向と平行且つその長手方向
の両端が半円形のスロットと、該スロットの長手方向の
一方の側に沿った凹部と、前記スロットの他方の側に沿
った前記ベース板の表面と前記凹部とを接続するととも
前記スロットの両端に沿った傾斜面とが形成され、前
記ケージ板には前記スロットに嵌合され且つ前記ベース
板に対して垂直な突条の外周面から前記ボールの直径よ
りも離間して前記突条の外周面を取り囲むボール案内壁
が貫通形成され、さらに、前記ボール案内壁の先端には
ボール案内壁と交差する方向に突出したボール保持片
が形成されている直動ころがり案内軸受によって、前記
の課題を解決した。
【0016】
【作用】本考案の軸受組立体は、ボールに支持及び案内
されて軌道台上を移動する。ボールは、軸受組立体の移
動に伴って、突条の外周面とボール案内壁との間に形成
されたボール循環路を循環転動する。このとき、ボール
は、ボール保持片によってボール循環路内部に保持され
ながら、凹部と傾斜部とベース板の上面とを循環転動す
る。凹部と軌道台との間隔は、ベース板の上面と軌道台
との間隔より広いため、凹部上を転動するボールは無負
荷ボールとなり、ベース板の上面を転動するボールは負
荷ボールとなる。このように、ボールは、突条の外周面
とボール案内壁との間に形成されたボール循環路を循環
転動する。従って、軸受組立体と軌道台とには、従来、
必要とされていたボール転動溝を形成する必要がない。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例を図1乃至図1に基
づいて説明する。図1乃至図13において、直動ころが
り案内軸受1は、主に、軸受組立体2と軌道台3とで構
成されている。長尺の軌道台3は4角柱状に形成されて
おり、ボール転走面となる上面3a、及び両側面3b,
3c、並びに底面3dは、浸炭又は高周波焼入れにより
焼入硬化した後、汎用の平面研削盤で研削仕上げされて
いる。軌道台3の底面3dには、軌道台3を基台(図示
省略)にボルト(図示省略)で固定するためのねじ孔4
3(図2、図3参照)が等間隔に形成されている。
【0018】軸受組立体2は、軌道台3の上面3a及び
両側面3b,3cに対向するライナ5を各内面8a,8
b,8cに具えた軸受本体4と、この軸受本体4の移動
方向の両端部4d,4eに取付けられた防塵シール6,
6と、防塵シール6,6の外側に取付けられたスクレー
パ7,7とで構成されている。
【0019】軸受本体4は、図4に示すように、軌道台
3の上方部分に遊嵌する凹所8を有し、幅方向断面形状
が略々コ字状に形成されている。そして、凹所8を形成
する3つの内面8a,8b,8cにはライナ5を取付け
るための研削加工が施されている。上面4a及び両側面
4b,4cに各々2ヵ所ずつに形成されたねじ挿通孔9
は、ライナ5を軸受本体4に固着する取付ボルト50
(図3参照)用の貫通孔である。また、上面4aの4ヵ
所に形成されたねじ孔10は、軸受組立体2をテーブル
等(図示省略)に固着するためのものである。軸受組立
体2(図4参照)の移動方向の両端部4d,4eに各々
4ヵ所ずつ形成されたねじ孔11は、防塵シール6とス
クレーパ7を軸受本体4に取付けるためのボルト51
(図1参照)がねじ込まれる孔である。
【0020】次に、ライナ5の構成を説明する。図5に
示すように、ライナ5は、ボール16を保持する部品で
あり、互いに重なり合う長方形状のベース板12と、ケ
ージ部材(ケージ板)19からなる。ベース板12に
形成された一対の平行なスロット15,15には長尺
のガイド部材(突条)20,20が嵌合する。ボール1
6は、ガイド部材20を包囲してベース板12とケージ
部材19とによって保持され、2列長円形に配列されて
いる。
【0021】ベース板12(図6乃至図9参照)の上面
12aには、長手方向に、両端が半円形の一対の平行な
スロット15,15と、スロット15,15に挟まれて
2つのスロット15,15の幅の半分を含み上面12a
よりC(図9参照)だけ深い凹部13と、これ等スロッ
ト15,15及び凹部13の両端を挟み、ベース板12
の厚み方向に角度α(図8参照)を有して傾斜する一対
の傾斜部(傾斜面)14,14とが形成されている。
又、ベース板12は、ボール16の転動による摩耗を考
慮して、焼入可能な材料が用いられ、浸炭等の手段によ
り焼入硬化された後、その上面12a及び凹部13、並
びに底面12bに研削加工が施されている。なお、各傾
斜部14,14に設けられたねじ孔17,17は、ライ
ナ5(図3参照)を軸受本体4の各内面8a,8b,8
cに固着するための取付ボルト50がねじ込まれる孔で
ある。
【0022】ガイド部材20は、材料に耐摩耗性を有す
る砲金等が用いられ、その両端は半円形に形成されてい
る。そして、ガイド部材20,20は、ベース板12の
上面12aに形成された平行な2つのスロット15,1
5に嵌合され、ボール16の長円状の配列の中央部分に
装着されている。
【0023】ガイド部材20と同じく砲金等を材料に用
いたケージ部材19には、2つの長円形の開口部21,
21が形成されている。ケージ部材19の開口部21,
21は、ピン24,24をケージ部材19に設けたピン
孔23,23とベース板12に設けたピン孔18,18
とに嵌合することによって、ベース板12に正確に位置
決めされるようになっている。そして、ベース板12の
上面12aに嵌合固定されたガイド部材20の外周面
(突条の外周面)20aとケージ部材19の開口部2
1,21の壁(ボール案内壁)21aは協働して、ベー
ス板12とケージ部材19との間に2列のボール循環路
60,60を形成している。外周面20aと壁21aの
間隔はボール16の直径より広く設定されている。ボー
ル16は開口部21の縁(ボール保持片)22とガイド
部材20とによってボール循環路60内に保持される。
なお、縁22は、ガイド部材20の先端に形成してもよ
い。
【0024】軸受組立体2が移動すると、各ボール循環
路60,60内にそれぞれ保持されている多数のボール
16は、ガイド部材20の周囲を移動する。ガイド部材
20同士の間にあるボール16は、ベース板12の凹部
13上を移動するので、凹部13と軌道台3の上面3a
又は側面3b,3cとの両方に同時に接触するようなこ
とが無く、無負荷ボールとして機能する。一方、ガイド
部材20の外側を移動するボール16は、ベース板12
の上面12a上を移動するので、軌道台3の上面3a又
は側面3b,3cと接触して転動することになり、負荷
ボールとして機能する。なお、ベース板12の傾斜部1
4は、ボール16が負荷状態から無負荷状態に変わると
きは圧力解放の機能を有するとともに、逆に、ボール1
6を無負荷状態から負荷状態へ導き入れる機能を有す
る。
【0025】次に、防塵シール6とスクレーパ7につい
て説明する。図12と図13に示されるように、防塵シ
ール6は、補強材としての金属板(図示省略)と、その
表面側に焼き付け等により固着されたゴム等のシール部
材とで構成されており、中央部に軌道台3を通す開口部
25が設けられていて全体が略々コ字状に形成されてい
る。すなわち、開口部25は、幅方向断面形状が略々方
形状の軌道台3の輪郭と相補い合う形状をしており、外
向きに傾斜したリップ部29を有している。このリップ
部29は、軌道台3の上面3a及び両側面3b,3cと
適当な締めしろを有して摺接し、軌道台3の外面(上面
3a及び両側面3b,3c)に付着するゴミ、ほこり、
切粉等の異物を払拭することができる。
【0026】金属板からなるスクレーパ7は防塵シール
6と同形状で、開口部26の形状だけが異なる。開口部
26は、軌道台3の外面(上面3a及び両側面3b,3
c)との間に摩擦を生じないように軌道台3の外形形状
よりDだけ大きく形成され、隙間Sが形成されている。
スクレーパ7は、防塵シール6のリップ部29では払拭
できない軌道台3の外面に付着した異物を掃掻き落とし
て、防塵シール6を保護することができる。なお、取付
ボルト51(図2参照)は、スクレーパ7(図12参
照)に穿設され貫通孔28、及び防塵シール6に穿設さ
れ貫通孔27を貫通して軸受本体4(図4参照)の移動
方向の両端部4d,4eのねじ孔11に螺合され、防塵
シール6及びスクレーパ7を軸受本体4に固着してい
る。
【0027】次に、直動ころがり案内軸受の組み立て順
序を説明する。前述のように組み立てられたライナ5
(図3参照)を、軸受本体4の各内面8a,8b,8c
に取付ボルト50を用いて固着する。ライナ5に組み込
まれるボール16の寸法公差は、ライナ5を各内面8
a,8b,8cに一体的に固着させた軸受本体4を軌道
台3に差し込み摺動させた際、遊び(ガタ)がなく所定
の予圧が得られるように選定されている。ライナ5を軸
受本体4に一体的に固着させて軌道台3に差し込んだ
後、軸受本体4の移動方向の両端部4d,4eに防塵シ
ール6,6とスクレーパ7,7が固着される。
【0028】前述した実施例の軌道台3は、図2、図3
に示すように、軌道台3を基台(図示省略)に固着する
ためのねじ孔12を底面3dに設けたものであるが、図
乃至図1に示されるような形状にしてもよい。す
なわち、軌道台36の上面36aからこの軌道台36を
基台42に固着するためのボルト52の挿通孔(ボルト
貫通孔)37を長手方向に等間隔に形成するとともに、
ボルト挿通孔37の上部に長手方向の凹溝38を形成す
る。この凹溝38に上面がボール転走面となる軌道板4
0を嵌着する。
【0029】この軌道板40は、ボールの転走による摩
耗を考慮して焼入硬化処理が施されている。そして、軌
道板40は、底面36d及びボールの転走面となる両側
面36b,36cを焼入硬化した後に研削仕上げした軌
道台36の凹溝38に取付ボルト53を用いて固定さ
れ、所定の高さになるまで上面36aと共に研削加工が
施される。このようにして、軌道板40の上面は凹凸の
ない平坦なボール転走面に形成される。なお、符号39
は、取付ボルト53が螺合するねじ孔を示し、符号41
は、軌道板40を軌道台36の凹溝38に嵌着するため
の取付ボルト53のザグリ孔を示す。
【0030】以上の実施例において、軸受組立体の予圧
は、軸受本体の各内面に固着されたライナに組み入れら
れたボールの寸法公差により調節されるものを例示した
が、次のようにすることによっても可能である。すなわ
ち、軸受本体の内面の両側面のうちの一方の側面に凹部
(図示省略)を形成し、この凹部にライナを嵌合する。
この場合、他方の内側面には実施例のようにライナが取
付ボルトにより固着されている。そして、この凹部に嵌
合したライナの底面(ベース板底面)を、凹部側の側面
肉厚内に設けたねじ孔にねじを螺合させて押圧し、軸受
組立体の予圧を調節してもよい。
【0031】なお、本考案の直動ころがり案内軸受は、
市販のキー材を軌道台に用いたミニチュアサイズの場合
に好適である。
【0032】
【考案の効果】請求項1の直動ころがり案内軸受は、ボ
ールをライナで保持しているため、次の効果を奏する。 (1) 軌道台、軸受組立体ともボール転動溝の加工が不要
になり、軸受組立体のブローチ加工を省けるとともに、
ボール転動溝を形成するための特殊な専用研削盤及び専
用クラッシャーが不要になる。すなわち、汎用の平面研
削盤で全ての研削加工を行なえるようになるとともに、
研削のための加工工数を大幅に削減することができる。 (2) 熱処理において、焼入硬化を要するものは実質、ラ
イナのベース板、軌道台のみで、軸受組立体自体の焼入
れは行なわなくても済むようになる。 (3) さらに、熱処理において、軌道台の幅方向断面形状
が方形であるので、ボール転動溝を両側面に有する軌道
台を高周波焼入れする従来必要とされていた専用の高周
波コイルが不要になる。 (4) また、熱処理において、軌道台の幅方向断面形状が
方形であるので、軌道台の曲り変形をプレス矯正する
際、応力集中による折損の危険を著しく減少させること
ができる。 (5) 軸受組立体に、ボール戻り孔としての貫通孔を形成
する必要がなくなり、軸受組立体の加工工数を削減する
ことができる。 (6) さらに、エンドキャップも不要で、部品点数が少な
くなる。 (7) 上記(1)乃至(6)の効果によって、従来の直動ころが
り案内軸受と比較して、コストを大幅に低減することが
できる。 (8) ボールを組み込んだライナを軸受本体各内面に固着
するだけでよく、組み立てが簡単になり、ライナだけの
交換が可能になる。 (9)ベース板に設けたスロットに突条を嵌合するように
しているので、ベース板の加工が容易になる。 (10)特に、負荷を受けるボールの転動により、ベース板
の表面、ケージ板のボール案内壁の先端に形成したボー
ル保持片又は突条の外周面が摩耗した場合、摩耗した部
材だけを交換することができる。 請求項2の直動ころがり案内軸受は、軌道台の形状が単
純なため、シールのリップ部を完全に軌道台の外面に密
着させることができ、軌道台の外面に付着したごみ等の
異物の軸受組立体内への侵入を防止することができる。
請求項3の直動ころがり案内軸受は、ボール転走面とな
る軌道台の上面、両側面、底面に擦傷や打ち傷(いわゆ
る打痕)が付き難くなる。 請求項4の直動ころがり案内
軸受は、軌道台の上面からも軌道台を基台に固着するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の直動ころがり軸受の全体斜視図。
【図2】 図1の側面図であり、一部分断面で表わした
図。
【図3】 図2中3−3矢視断面図。
【図4】 軸受本体の斜視図。
【図5】 ライナの分解斜視図。
【図6】 ライナのベース板の平面図。
【図7】 図6の手前側側面図。
【図8】 図7のベース板の部分拡大図。
【図9】 図6中9−9矢視断面図。
【図10】 軸受組立体のケージ部材の平面図。
【図11】 図10中11−11矢視断面図。
【図12】 防塵シールとスクレーパを重ね合わせた
図。
【図13】 図12の防塵シールとスクレーパを軸受本
体に取付けた図であり、軸受組立体の移動方向に沿った
断面図。
【図14】 他の実施例の軌道台の正面図で、軌道台の
幅方向の断面図。
【図15】 図14の軌道台の斜視図。
【図16】 従来の直動ころがり案内軸受の全体斜視
図。
【図17】 図16中17−17矢視断面図。
【符号の説明】
1 直動ころがり案内軸受 2 軸受組立体 3,36 軌道台 4 軸受本体 5 ライナ 6 防塵シール 7 スクレーパ 12 ベース板 13 凹部 14 傾斜部(傾斜面) 15 スロット 16 ボール 19 ケージ部材(ケージ板) 20 ガイド部材(突条) 20a ガイド部材の外周面(突条の外周面) 21 開口部 21a ボール案内壁 22 縁(ボール保持片) 29 リップ部 37 挿通孔(ボルト貫通孔) 38 軌道台の凹溝 40 軌道台板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 29/06 F16C 29/08

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四角柱状の軌道台と、軌道台の長手方
    向の上面及び両側面上を各々転がる複数のボールを保持
    するライナを前記各面に対向させて有するとともに前記
    軌道台上に移動自在に跨架された鞍形状の軸受組立体と
    を具え、前記ライナは互いに重なり合う長方形平板状の
    ベース板とケージ板とを有し、前記ベース板の表面に
    前記軸受組立体の移動方向と平行且つその長手方向
    の両端が半円形のスロットと、該スロットの長手方向の
    一方の側に沿った凹部と、前記スロットの他方の側に沿
    った前記ベース板の表面と前記凹部とを接続するととも
    前記スロットの両端に沿った傾斜面とが形成され、前
    記ケージ板には前記スロットに嵌合され且つ前記ベース
    板に対して垂直な突条の外周面から前記ボールの直径よ
    りも離間して前記突条の外周面を取り囲むボール案内壁
    が貫通形成され、さらに、前記ボール案内壁の先端には
    ボール案内壁と交差する方向に突出したボール保持片
    が形成されていることを特徴とする、直動ころがり案内
    軸受。
  2. 【請求項2】 前記軸受組立体の移動方向の両端に、前
    記軌道台の長手方向の上面及び両側面に接触するリップ
    部を有する防塵シールと前記軌道台の上面及び両側面と
    の間に隙間を有するスクレーパとが該スクレーパを外側
    にして重ね合わせて取付けられている、請求項1の直動
    ころがり案内軸受。
  3. 【請求項3】 前記軌道台の長手方向の外周には焼入硬
    化処理が施されている、請求項1又は2の直動ころがり
    案内軸受。
  4. 【請求項4】 前記軌道台は、該軌道台の長手方向の上
    面に形成された凹溝と、該凹溝と前記軌道台の長手方向
    の底面とを貫通するボルト貫通孔と、前記凹溝に嵌着さ
    れるとともに前記ボルト貫通孔に挿通されるボルトを覆
    う軌道板とを有し、前記軌道台の長手方向の両側面及び
    側面と前記ボールの転走面となる前記軌道板の上面に焼
    入硬化処理が施されている、請求項1又は2の直動ころ
    がり案内軸受。
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