JPH0829616B2 - 情報の記録用部材 - Google Patents

情報の記録用部材

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JPH0829616B2
JPH0829616B2 JP59208261A JP20826184A JPH0829616B2 JP H0829616 B2 JPH0829616 B2 JP H0829616B2 JP 59208261 A JP59208261 A JP 59208261A JP 20826184 A JP20826184 A JP 20826184A JP H0829616 B2 JPH0829616 B2 JP H0829616B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はレーザ光等の記録用ビームによつて、所定の
基板上に設けられた情報記録用薄膜に、たとえば映像や
音声などのアナログ信号をFM変調したものや、たとえば
電子計算機のデータや、ファクシミリ信号やデイジタル
オーデイオ信号などのデイジタル情報を、リアルタイム
で記録することを可能とする情報の記録用部材に関す
る。
〔発明の背景〕
レーザ光によつて薄膜に記録を行なう記録原理は種々
あるが、膜材料の相転移、フオトダークニングなどの原
子配列変化による記録は、膜の変形をほとんど伴なわな
いので、2枚のデイスクを直接貼り合わせた両面デイス
クができるという長所をもつている。また、組成を適当
に選べば記録の書き換えを行なうこともできる。この種
の記録に関する発明は多数出願されており、最も早いも
のは特公昭47−26897号公報に開示されている。ここで
は、Te−Ge系、As−Te−Ge系、Te−O系など多くの薄膜
について述べられている。また、特公昭50−3725号公報
にもTe−O系薄膜が、特開昭55−28530号公報にはTe−
O−Se系およびTe−O−S系薄膜について述べられてい
る。しかし、これらの材料はいずれも膜形成が極めた難
しく、非晶質状態の安定性も十分ではない。
〔発明の目的〕
したがつて、本発明の目的は上記した従来技術の欠点
をなくし、製造プロセスが簡単で再現性が良く、かつ長
期間安定な情報の記録用部材を提供することにある。
〔発明の概要〕
上記の目的を達成するために本発明の情報の記録用部
材においては、情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が
一般式MXTeYSeZAαで表わされるものとする。ただし、
X,Y,Zは、それぞれ25Y95,2.1X/Z9,0α65
の範囲の値であり、MはSn,In,Ga,Pbからなる群から選
ばれた少なくとも一種の元素を表わす。AはTe,Se,およ
びM以外の元素、すなわちSb,Bi,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Al,S
c,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,C
u,Ag,Au,Zn,Cd,Tl,B,C,Si,Ge,N,P,As,O,S,F,Hなどより
なる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表わす。X,
Y,Zおよびαのより好ましい範囲は、2.5X/Z4.0,35
Y65,0α30である。αとすれば製造が簡単に
なるという点で好ましい。
もちろん、これらの元素のいずれかを置換して、たと
えば、Li,Na,K,Rb,Cs,Cl,Br,I,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnなど
の不純物が少量含まれてもよい。上記の好ましい組成範
囲内であつてもYの値によつて記録膜の性質は変化し、
75Y95の範囲では記録の保存寿命は、やや短かい
が、記録・消去のレーザパワーが低くてよく、耐熱性の
低い保護膜を用いても書き換えによつてノイズが増さな
いという長所が有る。55<Y<75の範囲では、記録・消
去のレーザパワーも保存寿命も中程度である。25Y
55の範囲では、結晶化温度を高くでき、保存寿命を長く
することができる。
従つて、用途によつてYの値を適当に選ぶのが良い。
Mで表わされる元素のうちで特に好ましいものは、S
n,Inのうちの少なくとも一者、中でもSnは非晶質状態の
安定性を高くするので好ましい。ただし、真空蒸着はIn
の方が容易である。次いで好ましいものはGa,Pbのうち
の少くとも一者である。
MとAで表わされる元素が2元素以上共存すると特性
が向上する場合が多く、たとえば、InとSb,SnとGe,Pbと
Sn,SnとBi,SnとS,SnとNi,SnとTi,InとPb,InとBi,SbとP
b,SbとSn,AsとSn,AsとPbの組合せが有効である。中でも
Snと他元素との組合せが好ましい。
Mで表わされる元素の含有量の膜厚方向の分布は任意
であるが、記録用薄膜のいずれか一方の表面付近(他の
層との界面である場合もある)において、その内側より
も増加しているのが好ましい。これによつて酸化したり
結晶核の発生しやすい膜界面付近からの自然結晶化の防
止などの効果が得られる。同様な理由でSeの含有量の膜
厚方向の分布も任意であるが、表面(界面)付近で増し
ているのが好ましい。Aで表わされるTe,Se,M以外の元
素は、添加によつて記録・消去のメカニズムに大きく寄
与するものではないが、添加方法によつては65パーセン
トまで添加しても大きな悪影響は無い。これらの元素
は、たとえばSiO2などの酸化物や弗化物、硫化物などの
高融点化合物の形で膜中に導入されてもよい。この場合
は記録膜の透過率を上昇させ、記録膜の表面から反射し
た光と裏面から反射した光の干渉による打消しを容易に
して感度向上、信号レベル向上に寄与する。また、これ
らの元素はTe,Se,Mの精製しない原料を用いて記録膜に
導入してもよい。このような低価格の元素や原料の使用
により製造コストの低減が図れる。
本発明の記録膜は有機物を共蒸着、回転順次蒸着、ス
パツタリングなどによつて混合した膜としてもよい。
本発明の記録膜の少なくとも一方の面は他の物質で密
着して保護されているのが好ましい。両側が保護されて
いればさらに好ましい。これらの保護層は、基板でもあ
るアクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂板など、ある
いはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂な
どの有機物により形成されていてもよく、酸化物、硫化
物、弗化物、炭化物、窒化物、金属、あるいは炭素など
の無機物により形成されていてもよい。これらの複合膜
でもよい。ガラスあるいは石英、あるいはサフアイア、
あるいはアルミニウムを主成分とする。基板も一方の無
機物保護層として働き得る。無機物と密着している方が
耐熱性の面で好ましい。しかし無機物層の厚さを厚くす
るのは、クラツク発生、透過率低下、感度低下のうち少
なくとも1つを起こしやすいので、上記の無機物層の記
録膜と反対の側には、厚い有機物層が密着している方が
好ましい。この有機物層は基板であつてもよい。これに
よつて変形も起こりにくくなる。有機物としては、例え
ば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、エポキシ樹脂、ホツトメルト接着剤として知ら
れている、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、および
粘着剤などが用いられる。紫外線硬化樹脂でもよい。無
機物より成る保護層の場合は、そのままの形で形成して
もよいが、反応性スパツタリングや、金属、半金属、半
導体の少なくとも一元素よりなる膜を形成した後、酸
素、硫黄、窒素のうちの少なくとも一者と反応させるよ
うにすると製造が容易である。無機物保護層の例を挙げ
ると、主成分がCeO2,La2O3,SiO,SiO2,In2O3,Al2O3,G
eO,GeO2,PbO,Y2O3,TiO2,SnO,SnO2,Bi2O3,TeO2,W
O2,WO3,CdS,ZnS,CdSe,ZnSe,In2S3,In2Se3,Sb2S3,Sb
2Se3,Ga2S3,Ga2Se3,MgF3,CeF3,CaF2,GeS,GeSe,GeS
e2,SnS,SnSe,PbS,PbSe,Bi2Se3,Bi2S3,TaN,Si3N4,AlN,C
のうちの一者に近い組成をもつたものである。
これらの中では、表面反射率があまり高くなく、膜が
安定であり、強固である点でSi,Al,Tiのうちの少なくと
も一者の窒化物が好ましい。次いで好ましいのはSi,Ge,
Al,Sn,Ce,In,Ti,Yのうちの少なくとも一者の酸化物であ
る。相転移によつて記録を行なう場合、記録膜の全面を
あらかじめ結晶化させておくのが好ましいが、基板に有
機物を用いている場合には、基板を高温にすることがで
きないので、他の方法で結晶化させる必要がある。その
場合、紫外線照射と加熱、フラツシユランプよりの光の
照射、高出力ガスレーザからの光照射などを行なうのが
好ましい。ガスレーザからの光の照射の場合、光スポツ
ト径(半値幅)を5μm以上5mm以下とすると能率が良
い。結晶化は記録トラツク上のみで起らせ、トラツク間
は非晶質のままとしてもよい。非晶質状態の記録用薄膜
に結晶化によつて記録することももちろん可能である。
一般に薄膜に光を照射すると、その反射光は薄膜表面
からの反射光と薄膜裏面からの反射光との重ね合せにな
るため干渉をおこす。反射率の変化で信号を読みとる場
合には、記録膜に接近して光反射(吸収)層を設けるこ
とにより、干渉の効果を大きくし、読み出し信号を大き
くできる。干渉の効果をより大きくするためには記録膜
と反射(吸収)層の間に中間層を設けるのが好ましい。
中間層には読み出しに用いる光があまり吸収されない物
質が好ましい。上記中間層の膜厚は10nm以上、400nm以
下で、かつ記録状態または消去状態において読み出し光
の波長付近で記録用部材の反射率が極小値に近くなる膜
厚とするのが好ましい。反射層は記録膜と基板との間、
およびその反対側のうちのいずれの側に形成してもよ
い。
各部の膜厚の好ましい範囲は下記のとおりである。
記録膜:3nm以上、300nm以下、特に好ましい範囲65nm
以上、130nm以下。
無機物保護層:1nm以上、5μm以下(ただし無機物基
板自体で保護する時は、0.1〜20mm) 有機物保護層:10nm以上、10mm以下 中間層:10nm以上、400nm以下 光反射層:5nm以上、300nm以下 以上の各層の形成方法は、真空蒸着、ガス中蒸着、ス
パツタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーテイン
グ、電子ビーム蒸着、射出成形、キヤステイング、回転
塗布、プラズマ重合などのうちのいずれかを適宜選ぶも
のである。
本発明の記録膜は必ずしも非晶質状態と結晶状態の間
の変化を記録に利用する必要は無く、何らかの原子配列
変化によつて光学的性質の変化を起こさせればよい。
本発明の記録用部材は、デイスク状としてばかりでな
く、テープ状、カード状などの他の形態でも使用可能で
ある。
〔発明の実施例〕
以下に本発明を実施例によつて詳細に説明する。
実施例1 直径30cm、厚さ1.2mmのデイスク状化学強化ガラス板
の表面に紫外線硬化樹脂によつてトラツキング用の溝の
レプリカを形成し、一周を64セクターに分割し、各セク
ターの始まりで、溝と溝の中間の山の部分に凹凸ビツト
の形でトラツクアドレスやセクターアドレスなどを入れ
た(この部分をヘツダー部と呼ぶ)基板14上にマグネト
ロンスパツタリングによつてまず反射防止層兼保護層で
ある厚さ約100nmのSi3N4層を形成した。次に、この基板
を第1図に示したような内部構造の真空蒸着装置中に配
置した。蒸着装置中には、4つの蒸着用ボート1,2,3,4
が配置されている。これらのうちの1つは電子ビーム蒸
発源に付け換えが可能である。これらのボートは、基板
14に情報を記録しようとする部分の下であつて、基板回
転の中心軸5と中心を同一にする円周上にほぼ位置す
る。4つのボートのうちの3つに、それぞれ、Te,Se、
およびSnを入れた。各ボートと基板の間にはそれぞれ、
扇形のスリツトをもつマスク6,7,8,9とシヤツター10,1
1,12,13が配置されている。基板14を120rpmで回転させ
ておいて、各ボートに電流を流し、ボート中の蒸着原料
を蒸発させた。
各ボートからの蒸発量は水晶振動子式膜厚モニター1
5,16,17,18で検出し、蒸発速度が一定になるほうにボー
トに流す電流を制御した。
第2図に示すように、基板19のSi3N4層上にSn25Te60S
e8の組成の記録膜21を約100nmの膜厚に蒸着した。この
膜厚は記録膜の表面と裏面で反射した光が干渉し、記録
膜が非晶質状態あるいは結晶性の悪い状態にある時、読
出しに用いるレーザ光の波長付近で反射率が極小になる
ような膜厚である。続いて再びマグネトロンスパツタリ
ングによつてSi3N4に近い組成の保護層22を約40nmの膜
厚にした。同様にしてもう1枚の同様に基板19′上にSi
3N4に近い組成の保護層20′、Sn25Te60Se8の組成の記録
用膜21′、Si3N4に近い組成の保護層22′を蒸着した。
このようにして得た2枚の基板19,19′のそれぞれの蒸
着膜上に紫外線硬化樹脂層23,23′を約50μmの厚さに
塗布、形成した後、両者を紫外線硬化樹脂層側を内側に
して有機物接着剤層24によつて貼り合せてデイスクを作
製した。
上記のようにして作製したデイスクには、デイスクを
回転させ、半径方向に動かしながら両面から開口比(Nu
merical Aperture)が0.05のレンズで集光したアルゴン
イオンレーザ光(波長488nm)を全面に照射し、Sn25Te
60Se8記録膜21,21′を十分結晶化させた。記録は次のよ
うにして行なつた。デイスクを600rpmで回転させ、半導
体レーザ(波長820nm)の光を記録が行なわれないレベ
ルに保つて、記録ヘツド中のレンズで集光して基板を通
して一方の記録膜に照射し、反射光を検出することによ
つて、トラツキング用の溝と溝の中間に光スポツトの中
心が常に一致するようにヘツドを駆動した。こうするこ
とによつて溝から発生するノイズの影響を避けることが
できる。このようにトラツキングを行ないながらさらに
記録膜上に焦点が来るように自動焦点合わせを行ない、
レーザパワーを情報信号に従つて強めたり、元のレベル
に戻したりすることによつて記録を行なつた。また、必
要に応じて別の溝にジヤンプして記録を行なつた。上記
の記録によつて、記録膜には非晶質に変化したことによ
ると思われる反射率変化を生じた。この記録膜では、パ
ワーを下げた記録光スポツト、あるいはトラツク方向の
長さが記録光スポツトよりも長く、隣接するトラツク方
向への広がりは記録光スポツトと同程度のレーザ光を照
射することによつて記録を消去することもできる。アド
レスを表わすビツトの最隣接ピツト間の距離は、消去用
光スポツトのトラツク方向の長さの1/2以上2倍以下の
長さとすると、消去光スポツトによつてもトラツクやセ
クターのアドレスが読める。アドレスを表わすピツトの
長さも、消去光スポツトのトラツク方向の長さ1/2以上
であるのが好ましい。ヘツダー部に設けられるその他の
ピツトも同様である。記録・消去は3×105回以上繰返
し可能であつた。記録膜上に形成するSi3N4層を省略し
た場合は数回の記録・消去で著しい雑音増加が起こつ
た。
読出しは次のようにして行なつた。デイスクを600rpm
で回転させ、記録時と同じようにトラツキングと自動焦
点合わせを行ないながら、記録や消去が起らないような
レーザパワーで反射光の強弱を検出し、情報を再生し
た。本実施例では約1×10-6のエラーレイトが得られ
た。さらに、60℃、湿度95%、6ケ月の寿命試験で、エ
ラーレイトは2×10-6に増加したが、実用上問題はな
い。
SnXTeYSeZ系記録膜に於いて、その組成を変化させた
とき、600rpmでデイスクを回転させながら記録・再生・
消去を行つたときに消去に要するレーザ光の照射回数は
次のとおりであつた。
Yを一定値60としてZを変化させると Z=30(X/Z=0.33):〜10回 Z=15(X/Z=1.7):〜3回 Z=13(X/Z=2.1):〜1回 Yの値を変えてもX/Zの値と消去のための照射回数と
の関係はほとんど変化しなかつた。上記のようにX/Zの
値が小さくなると消去照射回数が急速に大きくなるの
で、X/Zの値は2.1以上が好ましい。
X/Zの値を2.5以上とすれば記録パワーが正常値よい10
%以上高くても一回の照射で消去できるので特に好まし
い。
SnXTeYSeZ系記録膜に於いて、その組成を変化させた
とき、60℃、湿度95%、6ケ月の寿命試験後のエレーレ
イトは次のようになつた。XをSnの原子数パーセント、
YをTeの原子数パーセント、ZをSeの原子数パーセント
として、X/Z=3の時、 Y=97:〜5×10-5 Y=95:〜1×10-5 Y=65:〜2×10-6 Y=55:〜2×10-6 Yの値が大きいところでエラーレイトが大きいのは、
結晶化温度が低いための自然結晶化によるものである。
従つてYの値は85以下が好ましく、75以下がより好まし
い。
Yを一定値60としてZを変化させると、 Z=2(X/Z=19):〜5×10-5 Z=5(X/Z=9):〜1×10-5 Z=8(X/Z=4):〜2×10-6 Z=10(X/Z=3):〜2×10-6 Zの値が小さいところでエラーレイトが大きいのは、
結晶化温度が低いための自然結晶化によるものである。
従つてX/Zの値は9以下が好ましく、4以下がより好ま
しい。
SnXTeYSeZ系記録膜において、その組成を変化させた
時、600rpmでデイスクを回転させながら消去を行つた時
の消去感度は次のようになつた。
X/Z=3の時 Y=15:〜20mW以上 Y=25:〜18mW Y=35:〜15mW Y=45:〜15mW Yの値が小さいところで、感度が低下しているのは光
の吸収が少なくなり、非晶質から結晶への変化が困難と
なつているためである。従つてYの値は25以上が好まし
く、35以上がより好ましい。
Sn−Te−Se系記録膜の膜厚は安定性と読出しに必要な
コントラストを得るために3nm以上が必要であり、300nm
以下にしないと熱伝導のために感度が低くなる。特に高
いSN比を得るために好ましい範囲は65nm以上、130nm以
下の範囲である。Si3N4による保護層の厚さは、効果を
得るために1nm以上が必要であり、クラツクの発生など
を防ぐために5μm以下であるのがよい。苛酷な条件下
の保管にも耐えられる膜厚範囲は、10nm以上、200nm以
下の範囲である。Si3N4層の外側の有機物層は、効果を
発揮するためには10nm以上の膜厚が必要であり、10μm
以上の厚さであるのが特に好ましい。さらに、レンズに
よる光の集光が可能であるように、10mm以下である必要
がある。Si3N4層の代わりにAlN層を用いても同様な効果
が得られる。Si3N4層の代わりにAl2O3層を用いると、記
録・消去感度は低下するが記録書換え時に高い保護効果
が得られる。また、SiO2層、SnO2、GeO2層を用いても、
ほとんど同様の効果が得られる。
Sn−Te−Se系記録膜はその蒸着中に各シヤツタの開き
角を変えることによつて基板側のSi3N4に近い組成の保
護層との界面付近および基板と反対側のSi3N4に近い組
成の保護層との界面付近のうちの少なくとも一方でSnお
よびSeのうちの少なくとも一方の含有量が増した領域を
形成することによつて耐酸化性を増し、かつ保管中の結
晶化を防ぐことができた。
Snの一部または全部を置換して、In,Pb,Gaのうち少な
くとも一者が添加可能であり、その添加可能量はSnの場
合に準ずるが、元素によつて長所,短所がある。In,Ga,
Pbの場合には酸化され易いという問題が有る。なお、In
はSnよりも真空蒸着が容易であるという長所がある。こ
の他、第4の元素として添加されるもののうち、Sb,Bi,
As,GeおよびSiは非晶質状態の安定化に役立つ。この
他、I,Arなどは少量含まれても差し支えない。
少なくとも一方の上記Si3N4保護層の代りに、他の酸
化物、弗化物、窒化物、硫化物などの層、たとえば主成
分が先に述べたAlN,Al2O3およびSiO2,SnO2,GeO2
他、CeO2,La2O3,SiO,In2O3,GeO,PbO,SnO,TeO2,WO2,W
O3,CdS,ZnS,CdSe,ZnSe,In2S3,In2Se3,Sb2S3,Sb2S
e3,Ga2S3,Ga2Se3,MgF2,CaF3,GaF2,GeS,GeSe,GeS
e2,SnS,SnSe,PbS,PbSe,Bi2Se3,Bi2S3,TaN,Cのうち少な
くとも一者より成る層を用いてもよい。ただし、炭素等
の不透明層を光入射側に用いる時は膜を薄くしなければ
ならない。
実施例2 基板として、射出成形法によつてアクリル樹脂板の表
面にトラツキング用の溝を形成したものを用い、電子ビ
ーム蒸着法によりSiO2に近い組成の厚さ20nmの膜を作製
し、抵抗加熱法Sn,Te,Se、電子ビームでY2O3を同時に蒸
発させ、記録膜の蒸着を行つた。記録膜の組成はSn25Te
45Se10Y10O15膜厚は100nmである。この膜はSn−Te−Se
とY2O3の混合膜と考えられる。同様にしてさらにもう一
枚の基板を作製し、それぞれのSiO2に近い組成の蒸着膜
上にアクリル樹脂を約0.5μmの厚さに塗布した後、塗
布したアクリル樹脂層を内側にして両基板を有機接着剤
により貼り合せてデイスクを作製した。
結晶化方法、記録方法、消去方法、読出し方法は実施
例1とほぼ同様である。
記録膜の平均組成をSnXTeYSeZAαとしたとき、Xおよ
びZの好ましい範囲は実施例1とほぼ同じである。ただ
し、αをおよそ25として実験を行つた。αが30以下のと
きには、記録、再生、消去特性にはほとんど変化が見ら
れなかつた。αが30を越え、αが30以上65以下では膜の
内部応力が増加によると思われるシワやクラツクの発生
が起り易くなり、感度もやや低下するが、記録・再生・
消去特性は使用可能なレベルである。αが65度を越すと
著しく感度が低下する。
Snの一部または全部を置換してInなどの他の元素のう
ち少なくとも一者が添加可能であることやSiO2層の代り
にSi3N4層、GeO2層などが使用可能であることは実施例
1と同様である。Y2O3の代わりに、たとえば実施例1で
保護層として使用可能と述べたような他の透明材料を蒸
着してもよい。Ni,Fe,Co,Ti,Cr,Pdなどの遷移金属は単
体でも第4の元素として添加可能である。
本実施例で得られた記録用部材も実施例1のものと同
様長寿命であつた。
実施例3 第3図に示したように、実施例2と同様な基板25上に
実施例2と同様にしてSiO2層26と厚さ約8nmのSn25Te70S
e10膜を形成した。この上に再びSiO2膜28を形成する
が、この上部のSiO2膜28は厚さ約20nmとし、この上に厚
さ約100nmのBiの層29を形成した。この上にさらにSiO2
層30を約40nmの厚さに形成した。ここまでの膜形成は真
空蒸着法(抵抗加熱および電子ビーム)によつて行なつ
た。同様な方法でもう一枚の基板を作製し、両基板の最
上部のSiO2層30,31′上にそれぞれポリスチレン31,31′
を約0.5μmの厚さに塗布して乾燥させた後、塗布した
ポリスチレン層側を内側にして粘着性有機物32で両基板
を貼り合せてデイスクを作製した。
結晶化方法、記録方法、消去方法、読出し方法は実施
例1とほぼ同様である。
中間層にはSiO2の代りに実施例1で保護層として使用
可能と述べたGeO2,Al2O3,CeO2等の他の無機透明物質
を用いてもよいし、有機物層を用いてもよい。有機物層
の方が記録感度は高くなるが書き換え可能回数が劣る。
無機物層と有機物層の2層膜としてもよい。もちろん、
Sn−Te−Se膜のSnをInなどの他元素のうちの少なくとも
一者で置換したものも使用可能である。
この場合には記録層の膜厚は3nm以上65nm以下の範囲
で、大きな再生信号を得られる。Bi層の膜厚は、光反射
(吸収)の効果を発揮するために5nm以上が必要であ
り、熱伝導による感度低下を小さくするために300nm以
下である必要がある。その他の層の好ましい膜厚は、実
施例1の対応する層と同じである。
反射層の材質としてはBiの代りに、Bi2Te3,Te,Sn,Sb,
Al,Au,Pb,Ge,Siなど、多くの半導体、半金属、金属やそ
れらの混合物、化合物が使用可能である。
実施例4 直径約35.5cmのアルミ合金デイスク上に厚さ約4μm
のポリスチレン層をスピン塗布法によつて形成した。次
に、この上に実施例1と同様にしてSi3N4−Sn25Te60Se8
−Si3N4積層膜を形成し、さらにその上に弗素系のプラ
ズマ重合膜を約200μmの厚さに形成した。このデイス
クでは記録・再生・消去光はアルミ合金板とは反対の側
から入射させる。
各元素の好ましい含有量範囲は実施例1と同様であ
る。Snの一部または全部をInなどの他の元素のうちの少
なくとも一者で置換してもよいこと、Si3N4の代りにCeO
2等を用いてもよいことは実施例1と同様である。ま
た、実施例3で述べたような反射層を基板側のSi3N4
とSn−Te−Se膜との間に形成してもよい。この場合は反
射層と記録層との間に実施例3で述べたような中間層を
設けるのがより好ましい。
各層の好ましい膜厚は実施例1と同様である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、製造プロセス
が簡単で、再現性がよく、かつ長期間安定な情報の記録
用部材を得ることができる。記録の書換えも多数回可能
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の記録用部材の作製に用いる真空蒸着装
置の内部構造を示す図、第2図、第3図はそれぞれ本発
明の実施例における記録用部材の構造を示す断面図であ
る。 1,2、3,4……ボート、6,7,8,9……扇形スリツトを持つ
たマスク、10,11,12,13……シヤツター、14……基板、1
5,16,17,18……水晶振動子式膜厚モニター、19,19′…
…基板、20,20′,22,22′……Si3N4層、21,21′……Sn
25Te60Se8記録膜、23,23′……紫外線硬化樹脂層、24…
…有機接着剤層、25,25′……基板、26,26′,28,28′,3
0,30′……Si3N4層、27,27′……記録膜、29,29′……B
i膜、31,31′……ポリスチレン層、32……粘着性有機物
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀籠 信吉 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−34897(JP,A) 特開 昭59−225992(JP,A) 特開 昭60−177446(JP,A) 特開 昭58−124693(JP,A) 特開 昭57−66996(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に直接もしくは無機物および有機物
    のうちの少なくとも一者からなる保護層を介して形成さ
    れた記録用ビームの照射を受けて変形を伴わずに原子配
    列変化による光学的性質の変化を生ずる情報記録用薄膜
    を有し、該情報記録用薄膜の両側が保護層により密着し
    て保護されている情報の記録用部材において、上記情報
    記録用薄膜はその膜厚方向の平均組成が一般式MXTeYSeZ
    Aα(ただし、X,Y,Zおよびαは、それぞれ2.1≦X/Z≦9,
    25≦Y≦95,0≦α≦65の範囲の値であり、MはSn,In,G
    a,Pbからなる群から選ばれた少なくとも1元素、AはS
    b,Bi,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Al,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,G
    d,Tb,Dy,Ho,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,R
    u,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Tl,B,C,Si,G
    e,N,P,As,O,S,F,Hからなる群から選ばれた少なくとも一
    種の元素を表わす。)で表わされる情報の記録用部材。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の情報の記録用
    部材において、上記MがSnであることを特徴とする情報
    の記録用部材。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の情報の記録用
    部材において、上記MがInであることを特徴とする情報
    の記録用部材。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の情報の記録用
    部材において、上記AがSbであることを特徴とする情報
    の記録用部材。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の情報の記録用
    部材において、上記αがOであることを特徴とする情報
    の記録用部材。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項または第5項記載の
    情報の記録用部材において、上記Mで表わされる元素と
    Seのうちの少なくとも一方の含有量が上記情報記録用薄
    膜のいずれか一方の表面付近においてその内側よりも増
    加していることを特徴とする情報の記録用部材。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項、第5項または第6
    項記載の情報の記録用部材において、上記情報記録用薄
    膜の少なくとも一方の側に隣接して無機物からなる保護
    層を有し、該保護層の該情報記録用薄膜に隣接しない側
    の面に隣接して有機物層を有することを特徴とする情報
    の記録用部材。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項、第4項、第5項ま
    たは第6項記載の情報の記録用部材において、上記情報
    記録用薄膜のいずれか一方の側に中間層を介して光反射
    層または光吸収層を有し、該中間層の膜厚さが1nm以上5
    00nm以下であることを特徴とする情報の記録用部材。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項、第5項または第6
    項記載の情報の記録用部材において、上記情報記録用薄
    膜の膜厚が3nm以上300nm以下であることを特徴とする情
    報の記録用部材。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項、第5項または第
    6項記載の情報の記録用部材において、上記情報記録用
    薄膜の膜厚が65nm以上130nm以下であることを特徴とす
    る情報の記録用部材。
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