JPH08295080A - トナ−像への熱転写加飾方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、モノクロで複写した複写物等
の特定の部分のみにカラ−化したい場合、特別な装置や
複雑な装置を使わなくても部分的なカラ−転写がハンデ
ィ−タイプの装置で定着性よく確実にでき、かつ、イン
キフィルムの剥離やインキフィルムの繰り出しが簡単で
安価なものが可能となるトナ−像への熱転写加飾方法を
提供することにある。 【構成】本発明はトナ−像への熱転写加飾方法を、トナ
−像を有する複写物又は印刷物の上に、加熱手段を有す
る装置内に収納した着色熱転写層を有するインキリボン
を重ね合わせ、加熱手段で加熱し、軟化したトナ−像に
インキリボンの着色熱転写層を接着させ、その接着力で
インキリボンを複写物上に固定しつつ装置を移動させて
装置内のインキリボンを引き出すとともに、インキリボ
ンを複写物から引き剥がしてトナ−像に着色熱転写層部
分のみを移してなる、構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写物のトナ−像にイ
ンキリボンの熱転写層を転写してトナ−像を加飾する方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、黒色等のみで印刷や複写をしたモ
ノクロのものに、後からカラ−化して加飾したい場合、
印刷物やコピ−機等で複写したトナ−像の上に金箔等の
着色層を有するインキフィルムを載せ、その上からヒ−
トロ−ラ等で加熱してトナ−像等のみに着色層を接着さ
せていた。

【０００３】しかし、これらのものはヒ−トロ−ラ等の
特別な装置が必要であって、どこでも簡単に携帯しカラ
−化したいとき直ぐにカラ−化できるものではなかっ
た。また、部分的にカラ−化したい場合、その部分の大
きさにインキフィルムを切断してトナ−像等の上に載
せ、それを押さえつつ加熱せねばならず、一般ユ−ザ−
が使うにはかなり煩わしい操作となっていた。これが、
これらの転写方法をごく限られたデザイナ−等のみで一
般大衆に広く使わせることのできない要因となってい
た。また、ハンディ−プリンタ−のようなタイプのもの
も考えられたが、小さいスペ−スの中でトナ−等の効率
的な加熱、転写後のインキフィルムの確実な剥離、定着
性のよい転写、装置の走行と連動したインキフィルムの
繰り出し等を同時に行わなければならず、これらを全て
満足させる小型装置は難しく、装置もかなり複雑となっ
て一般ユ−ザ−が使うにはかなり高価になってしまい、
実用化には至らなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、モノクロで
複写した複写物等の特定の部分のみにカラ−化したい場
合、特別な装置や複雑な装置を使わなくても部分的なカ
ラ−転写がハンディ−タイプの装置で定着性よく確実に
でき、かつ、インキフィルムの剥離やインキフィルムの
繰り出しが簡単で安価なものが可能となるトナ−像への
熱転写加飾方法を、その目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を達成
するため、トナ−像への熱転写加飾方法を、トナ−像を
有する複写物又は印刷物の上に、加熱手段を有する装置
内に収納した着色熱転写層を有するインキリボンを重ね
合わせ、加熱手段で加熱し、軟化したトナ−像にインキ
リボンの着色熱転写層を接着させ、その接着力でインキ
リボンを複写物上に固定しつつ装置を移動させて装置内
のインキリボンを引き出すとともに、インキリボンを複
写物から引き剥がしてトナ−像に着色熱転写層部分のみ
を移してなる、構成とした

【０００６】本発明において加熱手段はインキリボンと
複写物等を加熱させるとともに加圧させるようにすると
トナ−像への熱転写層の転写がより好適となる。また、
前記装置に冷却手段を設けて、トナ−像に熱転写層を接
着させた後、トナ−像と熱転写層を冷却させてトナ−像
を固化させるようにすると、高速転写等でも充分にトナ
−が冷えるため定着が安定する。さらに、前記装置に第
２の加熱手段を設けて、インキリボンを複写物に重ね合
わせる前に、複写物のトナ−像をインキリボンを介さず
直接加熱するようにすると、トナ−像をインキリボンを
介して加熱する前に直接加熱するので高速転写であって
もトナ−像の軟化や熱転写の定着がより確実に安定した
ものとなる。

【０００７】

【作用】トナ−像を有する複写物又は印刷物上に装置内
から外部に露出させたインキリボンを重ね合わせ、その
インキリボンの上から加熱手段で加熱すると、トナ−像
は軟化して接触しているインクリボンの着色熱転写層に
接着する。この接着力によりインキリボンは複写物等に
固定し、その固定させた状態で装置を移動（図１，２で
右方向）させると、固定してあるインキリボンを複写物
等の上に置いたまま装置内の新たなインキリボンが引き
出されてくる。それと同時に先に固定していたインキリ
ボンは複写物等から引き剥がされて、トナ−像の上に接
着していた着色熱転写層が移されカラ−加飾される。加
熱後に冷却したり、加熱前に直接トナ−像を予備加熱し
たり、加熱や冷却時に同時に加圧すると、熱転写の定着
性等がより安定する。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図に基づいて説明する。図
１は本発明の一実施例を示す正面図、図２は同実施例の
先端部の拡大図、図３は同実施例の先端部の左側面図、
図４〜図６はそれぞれ本発明の他の実施例の正面図であ
る。

【０００９】図１〜図３の実施例において、熱転写加飾
装置１は巻き取りリ−ル２、繰り出しリ−ル３、電池
４、および加熱手段であるヒ−タ５、および冷却手段で
ある冷却プレ−ト６を内蔵し、ヒ−タ５と冷却プレ−ト
６は連結して先端部を露出させてあり、ばね７で常時外
方（図で下方）に弾発させるとともに、前後左右に傾斜
可能に保持してある。両リ−ル２，３には赤色をなす着
色熱転写層８を有するインキリボン９を巻き回してあ
り、両リ−ル２，３間の部分をヒ−タ５と冷却プレ−ト
６の先端部を通して掛け渡し、その部分を外部に露出さ
せてある。ヒ−タ５とインキリボン９の外側（図で右
側）にはプレヒ−ト用ヒ−タ10が設けてあり、その先端
面がヒ−タ５と同じように外部に露出してある。

【００１０】両リ−ル２，３はゴムベルト11を掛け渡し
て同じ右方向の回転をするようにしてある。装置１の先
端部には、ヒ−タ５と冷却プレ−ト６を挟んで図３のよ
うにロ−ラ12，12を回転自在に軸支してあり、その先端
をヒ−タ５と冷却プレ−ト６より僅かに突出させてあ
る。

【００１１】インキリボン９を装着した装置１を、複写
機（図示せず）でコピ−した複写シ−ト13上の赤色加飾
したいトナ−像14の僅か向こう側（図で左方）に配し、
電源スイッチを入れてその露出したインキリボン９およ
びロ−ラ12，12を押し当てると、プレヒ−ト用ヒ−タ10
がインキリボン９の僅か手前側（図で右方）のトナ−像
14を直接加熱した。そのまま装置１を僅かに手前側（図
で右方）に移動させるとヒ−タ５はインキリボン９を介
して先に加熱されたトナ−像14を加圧しつつさらに加熱
し軟化させ、その軟化したトナ−像14の先端にインキリ
ボン９の着色熱転写層８が接着し、インキリボン９は複
写シ−ト13上に固着した。

【００１２】さらに装置１を僅かに手前側（図で右方）
に移動させると、インキリボン内９を複写シ−ト13上に
固着させて置いたまま装置１のみ移動するので、装置１
内の新たなインキリボン９が引き出された。それと同時
に先に固着してあるインキリボン９は冷却プレ−ト６で
冷却されトナ−像14が固化し、繰り出しリ−ル３とゴム
ベルト11で連結してある巻き取りリ−ル２によりインキ
リボン９が複写シ−ト13から引き剥がされ、トナ−像14
に接着している着色熱転写層８はそのままトナ−像14の
先端部に移り、インキリボン９の残部は巻き取りリ−ル
２に巻き取られた。こうして所望のトナ−像のみ赤色に
定着性よく加飾された複写シ−ト13が得られた。

【００１３】赤色以外の色（例えば金色等）に加飾した
い場合は、装置１に所望の色のインキリボンを巻回した
リ−ル３を装着し、所望の箇所のトナ−像の上に押し当
てて移動すればよい。なお、冷却プレ−ト６、プレヒ−
ト用ヒ−タ10、およびロ−ラ12は必須ではないが、これ
らを設けるとトナ−像14へ着色熱転写層８を転写させる
際の定着性や操作性がより好適となる。また、本実施例
で装置１は斜めに立てた状態で操作したが、装置１を横
に位置させた状態で操作してもよい。

【００１４】図４の実施例は、両リ−ル２，３に互いに
かみ合うギヤ15，15’を連結させて両リ−ル２，３を逆
回転させ、インキリボン９の巻き取りを左回転で行なっ
たものである。図５および図６の実施例は装置１を向こ
う側（図で左方）に移動させるもので、図５はゴムベル
ト11で両リ−ル２，３を同じ左回転させて、インキリボ
ン９の巻取りを左回転で行なったものであり、図６はギ
ヤ15，15’をかみ合わせて両リ−ル２，３を逆回転さ
せ、インキリボン９の巻取りを右回転で行なったもので
ある。

【００１５】

【発明の効果】本発明の転写方法を用いれば、トナ−像
と着色熱転写層の接着力によりインキリボンを引出しつ
つ着色熱転写層をトナ−像のみに転写できるので、モノ
クロで複写した複写物や印刷物の特定部分のみにハンデ
ィ−タイプの装置で定着性のよいカラ−化が確実にで
き、かつ転写装置も構造が簡単な安価なものが可能とな
り、かつ操作性も良い等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正面図である。

【図２】同実施例の先端部の拡大図である。

【図３】同実施例の先端部の左側面図である。

【図４】本発明の他の実施例の正面図である。

【図５】本発明の他の実施例の正面図である。

【図６】本発明の他の実施例の正面図である。

【符号の説明】

１ 装置 ２ 巻き取りリ−ル ３ 繰り出しリ−ル ４ 電池 ５ ヒ−タ ６ 冷却プレ−ト ８ 着色熱転写層 ９ インキリボン 10 プレヒ−ト用ヒ−タ 13 複写シ−ト 14 トナ−像

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナ−像を有する複写物又は印刷物の上
   に、加熱手段を有する装置内に収納した着色熱転写層を
   有するインキリボンを重ね合わせ、加熱手段で加熱し、
   軟化したトナ−像にインキリボンの着色熱転写層を接着
   させ、その接着力でインキリボンを複写物上に固定しつ
   つ装置を移動させて装置内のインキリボンを引き出すと
   ともに、インキリボンを複写物から引き剥がしてトナ−
   像に着色熱転写層部分のみを移すことを特徴とする、ト
   ナ−像への熱転写加飾方法。
2. 【請求項２】前記加熱手段がインキリボンと複写物を加
   熱するとともに加圧することを特徴とする、請求項１記
   載のトナ−像への熱転写加飾方法。
3. 【請求項３】前記装置に冷却手段を設け、前記加熱手段
   で加熱し、軟化したトナ−像にインキリボンの熱転写層
   を接着させた後、トナ−像とインキリボンを冷却させて
   トナ−像を固化させインキリボンを複写物から引き剥が
   すことを特徴とする、請求項１又は２記載のトナ−像へ
   の熱転写加飾方法。
4. 【請求項４】前記装置に第２の加熱手段を設けて、イン
   キリボンを複写物に重ね合わせる前に、複写物のトナ−
   像をインキリボンを介さず直接加熱することを特徴とす
   る、請求項１，２又は３記載のトナ−像への熱転写加飾
   方法。