JPH08294938A - 図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法 - Google Patents

図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法

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JPH08294938A
JPH08294938A JP12593995A JP12593995A JPH08294938A JP H08294938 A JPH08294938 A JP H08294938A JP 12593995 A JP12593995 A JP 12593995A JP 12593995 A JP12593995 A JP 12593995A JP H08294938 A JPH08294938 A JP H08294938A
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silicone rubber
mold
molded product
rubber molded
transfer material
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JP12593995A
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English (en)
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Tatsuhiko Sawamura
立彦 沢村
Hideki Ueno
秀樹 上野
Seiichi Yamazaki
成一 山崎
Naoto Toyooka
尚登 豊岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14827Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles using a transfer foil detachable from the insert

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコーンゴム成形品の表面に文字、記号、
模様などの図柄を容易に形成でき、ガスケット、パッキ
ン、キーボード、自照式スイッチなどの製品に特に好適
な図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法を得る。 【構成】 転写材1を位置決めする工程、温調された金
型を型締めする工程、金型のキャビティに未硬化のシリ
コーンゴム組成物12を射出する工程、シリコーンゴム
硬化後金型を型開きする工程、転写材1とともにシリコ
ーンゴム成形品13を取り出す工程およびシリコーンゴ
ム成形品13から基体シート14を剥離する工程からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、図柄付シリコーンゴム
成形品の製造方法に関する。本発明の実施により得られ
る図柄付シリコーンゴム成形品は、シリコーンゴム成形
品の表面に文字、記号、模様などの図柄を容易に形成で
きるものであり、ガスケット、パッキン、キーボード、
自照式スイッチなどの製品に特に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコーンゴム成形品の製造方法
としては、金型を型締めする工程、温調された金型キャ
ビティ内に未硬化シリコーンゴム組成物を射出充満する
工程、シリコーンゴム組成物の硬化後に型開きする工
程、シリコーンゴム成形品を脱型する工程、シリコーン
ゴム成形品に生じたバリを取り去る工程を経る方法が知
られている。
【0003】そして、シリコーンゴム成形品を脱型する
には、金型に組み込みんだイジェクタピンでシリコーン
ゴム成形品を押し出して脱型するイジェクタ方式、型開
き時にイジェクタピンあるいは専用のエアー吹き出し口
からエアー加圧を行うことによりシリコーンゴム成形品
を押し出して脱型するエアーブッシュ方式、ロボットを
用いて金型からシリコーンゴム成形品を脱型するロボッ
ト方式がある。
【0004】また、シリコーンゴム成形品に生じたバリ
を取り去るには、ナイフやカッターなどで切り取る方
法、バリの一部を薄くすることによってシリコーンゴム
成形品のバリを切り取りやすくする喰い切り方法、ポン
チなどで打抜く方法がある。
【0005】一方、このようにして得たシリコーンゴム
成形品に図柄を形成する方法としては、あらかじめ成形
したシリコーンゴム成形品上に、シリコーンインキを用
いてスクリーン印刷あるいはスプレー塗布する方法が一
般的な方法として知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の図柄付シリコー
ンゴム成形品の製造方法には、シリコーンゴム成形品の
製造上の問題点とシリコーンゴム成形品への図柄形成上
の問題点とがあった。
【0007】シリコーンゴム成形品の製造上の問題点と
しては、シリコーンゴム組成物は金型に付着しやすいの
で、上記したいずれかの脱型手段を採用しなければ、シ
リコーンゴム成形品を金型から取り出すことが困難であ
るという問題点があった。
【0008】また、シリコーンゴム組成物の特性上、現
状ではシリコーンゴム成形品の製造方法において次のこ
とが避けることができないとされている。すなわち、パ
ーティング面などに薄いバリが発生し、これがそのまま
残存しやすいので、成形不良を生じ、ひどい場合には金
型を壊したり、金型を閉じられなかったりするという問
題点があった。
【0009】さらに、脱型手段としてイジェクタ方式あ
るいはエアーブッシュ方式を採用する場合には、これら
の可動部の精度がラフであると、シリコーンゴム組成物
が流れ込んでバリが発生するので、可動部の精度が5/1
000mmという非常に高い要求に応えなければならないと
いう問題点があった。また、脱型手段としてロボット方
式を採用する場合には、吸盤あるいはチャックによりシ
リコーンゴム成形品を脱型する装置を要するとともにシ
リコーンゴム成形品を脱型したことを確認する装置を要
し、ロボット装置全体として大掛かりとなりコストが高
くなるという問題点もあった。
【0010】一方、シリコーンゴム成形品への図柄形成
上の問題点としては、粘度が高く色数が限られたシリコ
ーンインキを用いるので、細やかなあるいは多色の図柄
を形成することが基本的に困難であるという問題点があ
った。
【0011】また、多色図柄を形成する場合、同時に多
色を重ねて形成することは不可能であるので、色の数だ
けの印刷工程が必要となるという問題点があった。
【0012】さらに、図柄の一形態として一部に光透過
部を有するシリコーンゴム成形品を得る場合には、光を
通さない色たとえば黒色でシリコーンゴム成形品上面全
面を被覆した後にレーザー光等で被覆層の一部を除去し
て光透過部を形成しなければならないという問題点があ
った。
【0013】さらにまた、シリコーンゴム成形品の表面
に図柄を形成するので、図柄がシリコーンゴム成形品表
面より出っ張るという問題点があった。
【0014】また、シリコーンゴム成形品の表面に、凹
部、凸部、シボなどの微細な凹凸がある場合、あるいは
複雑な曲面がある場合、印刷で図柄を形成することは不
可能であった。
【0015】本発明の目的は、上記のような諸問題点を
解決した優れた図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法
を得ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の図柄付シリコー
ンゴム成形品の製造方法は、以上の目的を達成するため
に、つぎのように構成した。
【0017】つまり、本発明の図柄付シリコーンゴム成
形品の製造方法は、基体シート上に転写層を有する転写
材を温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬
化のシリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーン
ゴム組成物の硬化後に金型を開いて転写材とともにシリ
コーンゴム成形品を取り出した後に基体シートを剥離す
るように構成した。
【0018】また、転写材を位置決めする工程、温調さ
れた金型を型締めする工程、金型のキャビティに未硬化
のシリコーンゴム組成物を射出する工程、シリコーンゴ
ム硬化後金型を型開きする工程、転写材とともにシリコ
ーンゴム成形品を取り出す工程およびシリコーンゴム成
形品から基体シートを剥離する工程からなるように構成
した。
【0019】また、基体シート上に転写層を有する転写
材を温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬
化のシリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーン
ゴム組成物の硬化後に金型を開いて基体シートを剥離し
た後に図柄付シリコーンゴム成形品を取り出すように構
成した。
【0020】また、基体シート上に転写層を有する転写
材を温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬
化のシリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーン
ゴム組成物の硬化後に金型を開いて基体シートを剥離し
ながら図柄付シリコーンゴム成形品を取り出すように構
成した。
【0021】上記の発明において、転写材が、基体シー
ト上に剥離層、図柄層、接着層からなる転写層を積層し
たものであるように構成してもよい。
【0022】また、上記の発明において、接着層が、部
分的に形成されているように構成してもよい。
【0023】また、上記の発明において、転写材が長尺
であり、転写材およびシリコーンゴム成形品の金型から
の取り出しが連続的であるように構成してもよい。
【0024】また、上記の発明において、金型がシリコ
ーンゴム用金型であるように構成してもよい。
【0025】また、上記の発明において、未硬化のシリ
コーンゴム組成物が、a成分;1分子中に少なくとも2
個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンと、
b成分;1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2
個の水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンと、c成分;白金化合物とを含み、かつa成分の
1分子あたりのアルケニル基の数、およびb成分の1分
子あたりのケイ素原子に結合した水素原子の数のうち少
なくともいずれかが平均2を越える数の付加反応型液状
シリコーンゴム組成物であるように構成してもよい。
【0026】図面を参照しながら本発明をさらに詳しく
説明する。
【0027】図1〜4は、本発明に係る図柄付シリコー
ンゴム成形品の製造方法を適用する金型の一実施例を示
す断面図である。図5は、本発明に係る図柄付シリコー
ンゴム成形品の製造方法により得ることのできる図柄付
シリコーンゴム成形品の一実施例を示す斜視図である。
図6は、本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法に使用する転写材の一実施例を示す断面図であ
る。図中、1は転写材、2は可動側金型、3は成形機可
動板、4は固定側金型、5は成形機固定板、6は転写材
クランプ、7は転写材プッシュ、8はイジェクタピン、
9はイジェクタプレート、10はイジェクタロッド、1
1はエアーブッシュ、12はシリコーンゴム組成物、1
3はシリコーンゴム成形品、14は基体シート、15は
剥離層、16は図柄層、17は接着層である。
【0028】本発明において用いる転写材の代表例とし
ては、剥離性を有する基体シート14上に、剥離層1
5、図柄層16、接着層17などを順次積層したものを
用いる(図6参照)。
【0029】基体シート14の材質としては、ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプ
ロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリアリレート樹脂などの樹脂シート、ア
ルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート
紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは上記
の各シートを積層したものなど、通常の転写材の基体シ
ート14として用いるものを使用するとよい。基体シー
ト14の厚さは、10〜100μmが適当である。なかで
も、25〜50μm程度のものが多用される。
【0030】また、基体シート14に剥離性を付与する
ために、離型層を基体シート14上に全面的に形成して
もよい。離型層は、基体シート14を剥離した際に、基
体シート14とともに転写層から離型して除かれるか、
あるいは、層内離型を起こして離型層の一部が転写層の
最外面に残存する。離型層の材質としては、メラミン樹
脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離
型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、
ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、あ
るいはこれらの複合型離型剤などを用いるとよい。離型
層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコー
ト法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0031】剥離層15は、基体シート14上に全面的
または部分的に形成する。また、離型層があるときは、
離型層上に剥離層15を形成する。剥離層15は、シリ
コーンゴム成形品13の脱型前または脱型後に、基体シ
ート14から剥離する層である。剥離層15は、基体シ
ート14を剥離した際に、基体シート14または離型層
から剥離してシリコーンゴム成形品13の最外面とな
る。なお、剥離層15が層内剥離を起こす場合には、層
内剥離した面が最外面となる。また、離型層が層内離型
を起こしている場合には、転写層の表面に残存している
離型層が、シリコーンゴム成形品13の最外面となる。
剥離層15の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル
系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポ
リマーを用いるとよい。剥離層15は、着色したもので
も、未着色のものでもよい。剥離層15の形成方法とし
ては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方
法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコ
ート法などのコート法がある。
【0032】次に、必要に応じて図柄層16を形成す
る。図柄層16は、通常、着色層または金属薄膜層のい
ずれか一方、あるいは両方からなる。着色層と金属薄膜
層を形成する箇所は限定されず、全面的であっても部分
的であってもよい。
【0033】着色層は、剥離層15の上に形成する。着
色層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステ
ルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキ
ド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料ま
たは染料を着色剤として含有する着色インキを用いると
よい。着色層の形成方法としては、オフセット印刷法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、
グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法
などのコート法がある。特に、多色刷りや階調表現を行
うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適してい
る。
【0034】金属薄膜層は、剥離層15上に形成する。
着色層があるときは、着色層上に形成する。金属薄膜層
は、金属光沢そのものや金属光沢を有するヘアライン模
様などを表現するために設ける。金属薄膜層は、真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍
金法などで形成する。金属薄膜層には、表現したい金属
光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、
クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、
鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用
する。金属薄膜層は、全面的あるいは部分的に形成する
ことができる。金属薄膜層を部分的に形成する方法とし
ては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂
層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、
溶剤で洗浄して溶剤可溶性樹脂層とともに不要な金属薄
膜を除去する方法がある。溶剤としてよく用いられるの
は、水または水溶液である。また、金属薄膜層を部分的
に形成する別の方法としては、全面的に金属薄膜を形成
し、次に金属薄膜を残したい部分にレジスト層を形成
し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層
を除去する方法がある。
【0035】また、金属薄膜層と剥離層15または着色
層との密着性を向上させるために、前アンカー層を形成
してもよい。また、金属薄膜層と接着層17との密着性
を向上させるために、後アンカー層を形成してもよい。
前アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液
性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系
樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹
脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを用いるとよい。前
アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、グ
ラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法がある。
【0036】接着層17は、シリコーンゴム成形品13
の表面に上記の各層を接着するものである。接着層17
は、金属薄膜層あるいは後アンカー層の上に全面的ある
いは部分的に形成する。接着層17を部分的に形成する
ことにより、図柄層16などを接着層17が形成された
部分のみに転写することができる。接着層17として
は、シリコーンゴム成形品13と強固に接着するものが
必要である。接着層17としては、シリコーンゴム成形
品13に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用
する。たとえば、チタン酸エステル、炭素官能性シラ
ン、あるいはこれらの混合物の有機溶媒溶液、ポリウレ
タン、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ブチラール系
樹脂、アセタール系樹脂、あるいはこれらにシラン化合
物としてアルコキシシラン、クロルシランなどを添加し
たものなどを用いることができる。接着層17の形成方
法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプ
レーコート法などのコート法がある。
【0037】なお、上記の転写材の層構成は、転写材の
一例であり、このほかの層構成であってもよい。たとえ
ば、図柄層16が剥離層15の機能を兼ね備えている場
合には、図柄層16をして剥離層15とすることができ
る。また、図柄層16が接着層17の機能を兼ね備えて
いる場合には、図柄層16をして接着層17とすること
ができる。
【0038】上記のような構成の転写材1を、温調され
た金型内に挟み込む(図1参照)。金型としては、射出
成形用金型、シリコーンゴム用金型(液状シリコーンゴ
ム射出成形用金型、LIM(Liquid Injection Moldin
g)用金型)、成形同時転写用金型などを用いるとよ
い。金型の材質としては、金属のほかにゴムあるいはプ
ラスチックを用いてもよい。金型を温調するには、通常
の樹脂成形で用いられる水あるいは油を熱媒体に用いた
温調方法、また電気カートリッジヒーターによる温調方
法、さらにはこれらの併用による温調方法がある。金型
の温調は、金型の一部あるいは全面を60〜220℃、好ま
しくは80〜200℃に保つようにするとよい。転写材1を
金型内の所望の位置に配置して固定するには、枚葉の転
写材1を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材1
の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材
1を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使
用して、たとえば転写材1の図柄層16と成形用金型と
の見当が一致するようにするとよい。また、転写材1を
間欠的に送り込む際に、転写材1の位置をセンサーで検
出した後に転写材1を可動型と固定型とで固定するよう
にすれば、常に同じ位置で転写材1を固定することがで
き、図柄層16などの位置ずれが生じないので便利であ
る。転写材1はキャビティに載置するか、あるいは真空
吸引などによりキャビティ面に密着させる。これらの場
合、シリコーンゴム成形品13の形状によっては、転写
材1をあらかじめ金型のキャビティ面に沿うような凹凸
形状にプレフォームしておいてもよい。
【0039】次に、キャビティ内に未硬化のシリコーン
ゴム組成物12を射出して充満させる(図2参照)。
【0040】本発明にて使用されるシリコーンゴム組成
物12は、反応性基を有する液状ポリシロキサン、架橋
剤および/または硬化触媒を主剤とする組成物であり、
常温で放置または加熱すると硬化してゴム状弾性体にな
るものである。その硬化機構によって、付加反応型、ラ
ジカル反応型、縮合反応型が上げられるが、射出成形性
に優れ、また加熱によって速い硬化速度が得られること
や、硬化の均一性に優れる点から付加反応型液状シリコ
ーンゴム組成物が好ましい。
【0041】このような付加反応型液状シリコーンゴム
組成物の代表例としては、 a成分;1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有
するポリオルガノシロキサン b成分;1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2
個の水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンおよび c成分;白金化合物を含み、かつa成分とb成分の反応
によって網状の分子骨格を形成するためにa成分の1分
子あたりのアルケニル基の数、およびb成分の1分子あ
たりのケイ素原子に結合した水素原子の数のうち少なく
ともいずれか、好ましくは後者が、平均2を越える数で
あり、射出成形品に適した優れた硬化性と物性のゴム状
弾性体を与えるために、さらに好ましくは平均3以上で
あるような組成物がある。
【0042】a成分において、アルケニル基としては、
ビニル、アリル、1−ブテンニル、1−ヘキセニルなど
が例示されるが、合成が容易で、また硬化前の組成物の
流動性や、硬化後の組成物の耐熱性を損ねないという点
から、ビニル基が最も好ましい。
【0043】a成分のケイ素原子に結合した他の有機基
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどのアル
キル基;フェニルなどのアリール基;2−フェニルエチ
ル、2−フェニルプロピルなどのアラルキル基;クロロ
メチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルなどの置換炭化水素基が例示される。これらのう
ち、合成が容易であって、機械的強度および硬化前の流
動性などの特性のバランスが優れているという点から、
メチル基が最も好ましい。
【0044】シロキサン骨格は、直鎖状でも分岐状であ
ってもよい。硬化後の組成物の機械的特性を向上させ、
複雑な形状の射出成形に適応するためには、直鎖状のポ
リジオルガノシロキサンと分岐状のポリオルガノシロキ
サンとを混合して用いることが好ましい。アルケニル基
は、a成分の分子鎖の末端または途中のいずれに存在し
てもよく、その双方に存在してもよいが、硬化後の組成
物に優れた機械的性質を与えるためには、直鎖状の場
合、少なくともその両末端に存在していることが好まし
い。
【0045】a成分の重合度は特に限定されないが、硬
化前の組成物が良好な流動性および作業性を有し、硬化
後の組成物が適度の弾性を有するには、25℃における粘
度が500〜500,000cPのものが好ましく、1,000〜100,000
cPのものが特に好ましい。
【0046】b成分のポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンは、分子中に含まれるヒドロシリル基がa成分中
のアルケニル基への付加反応を行うことにより、a成分
の架橋剤として機能するものである。b成分におけるシ
ロキサン骨格は、直鎖状、分岐状および環状のいずれで
あってもよい。
【0047】シロキサン単位のケイ素原子に結合した有
機基としては、前述のa成分におけるアルケニル基以外
の有機基と同等のものが例示され、それらの中でも、合
成が容易な点から、メチル基が最も好ましい。
【0048】b成分の重合度は特に限定されないが、同
一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合したポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンは合成が困難なため、
硬化物を網状化して優れた物性のシリコーンゴム成形品
13を得るには、3個以上のシロキサン単位からなるこ
とが好ましい。
【0049】b成分の配合量は、a成分中のアルケニル
基1個に対してb成分中のケイ素原子に結合した水素原
子が好ましくは、0.5〜5個、さらに好ましくは1〜3
個となるような量である。上記の水素原子の存在比が0.
5未満となる量では、硬化が完全に完了しない。逆に、
該存在比が5を越える量の場合は、射出成形品の圧縮永
久歪が増加するばかりでなく、硬化の際に発泡が起こり
やすく、表面状態のよくない成形品を与えることがあ
る。
【0050】本発明で用いられるc成分の白金化合物
は、a成分中のアルケニル基とb成分中のヒドロシリル
基との間の付加反応を促進させるための触媒であり、常
温付近において硬化反応の触媒能が良好であるという点
で優れている。
【0051】白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコールとの反応生成物、白金−オレフィン
錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン
錯体などが例示される。
【0052】このうち、a成分およびb成分への溶解性
や、触媒活性が良好な点から、塩化白金酸とアルコール
の反応生成物および白金−ビニルシロキサン錯体などが
好ましい。
【0053】c成分の配合量は、a成分に対し、白金原
子換算で好ましくは0.1〜500重量ppm、さらに好ましく
は1〜100重量ppmである。0.1重量ppm未満の場合は、硬
化速度が遅くそのため射出成形のサイクル時間が長くな
り、効率的でない。一方、500重量ppmを越えると、硬化
速度が過度に早まるために、各成分を配合した後の作業
性が損なわれ、また不経済でもある。
【0054】このようなa成分、b成分およびc成分を
含む液状シリコーンゴム組成物12の流動性を調節した
り、シリコーンゴム成形品13の機械的強度を向上させ
るために、通常、充填剤を配合する。充填剤としては、
沈殿シリカ、煙霧質シリカ、焼成シリカ、シリカエアロ
ゲル、煙霧質酸化チタンのような補強性充填剤;および
粉砕石英、ケイソウ土、アルミノケイ酸、酸化亜鉛、酸
化鉄、炭酸カルシウムのような非補強性充填剤が例示さ
れ、そのままでも、ヘキサメチルシラザン、ポリメチル
シロキサンのような有機ケイ素化合物で表面処理したも
のでもよい。
【0055】シリコーンゴム組成物12の室温における
硬化を抑制して、貯蔵安定性および作業性を改善するた
めに、アセチレンアルコール化合物、ビニル基含有低分
子シロキサン化合物、マレイン酸ジアリル、トリアリル
イソシアヌレート、ニトリル化合物または有機過酸化物
のような硬化遅延剤を配合してもよい。
【0056】そのほか、必要に応じて顔料、耐熱性向上
剤、難燃化剤、可塑剤などを配合してもよい。また、接
着性向上剤を配合して自己接着性を有するシリコーンゴ
ム組成物12としてもよい。
【0057】このようなシリコーンゴム組成物12は、
a成分およびb成分の所定量を必要に応じて任意に配合
される他の成分とともに、機械混合することによって調
整される。上記の3成分を混合すると、常温でも徐々に
硬化反応が進行するので、通常は、b成分を含む成分群
とc成分を含む成分群とをそれぞれ別個に保存してお
き、たとえば射出成形機に備えられた混合手段により、
使用直前に両成分を均一に混合してから使用するが、硬
化遅延剤の存在下に全成分を同一容器内に保存すること
も可能である。
【0058】混合温度は、好ましくは−45〜+70℃、よ
り好ましくは−10〜+25℃である。−45℃より低温では
シリコーンゴム組成物12が流動性を失い、+70℃を越
えると硬化反応が進行して粘度が上昇して、いずれも射
出成形が困難になって、寸法精度の優れたシリコーンゴ
ム成形品13が得られないからである。
【0059】また、別の好ましいシリコーンゴム組成物
12として、有機過酸化物によるラジカル反応型のシリ
コーンゴム組成物がある。これは、常温で、ゲル状ある
いは液状のビニル基含有ポリオルガノシロキサンをベー
スポリマーとし、触媒量の有機過酸化物を配合し、さら
に必要に応じて煙霧質シリカ、沈殿シリカのような無機
質充填剤;顔料;耐熱化剤などを添加したものである。
用いる有機過酸化物としては、分解温度が50〜200℃の
範囲にあるもの、たとえば、2,4ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、あるいは2,5ジメチル2,5ジター
シャリーブチルパーオキシヘキサンなどを選択すること
が好ましい。
【0060】また、シリコーンゴム組成物12として、
自己接着性を有するものを用いてもよい。この場合、特
に転写材1に接着層17を形成する必要はないが、射出
装置、ゲートおよび金型のシリコーンゴム組成物12と
接する面にフッ素樹脂でコーティングするか、多孔質の
ニッケルメッキまたはクロムメッキにフッ素樹脂を含浸
させた複合メッキを施すか、あるいはフッ素樹脂の金型
を用いることが望ましい。
【0061】以上のような組成の未硬化のシリコーンゴ
ム組成物12を射出して金型内に充満させ、シリコーン
ゴム組成物12を硬化させることによってシリコーンゴ
ム成形品13を形成するのと同時にその表面に転写材1
を接着させる。
【0062】シリコーンゴム組成物12の硬化を行うに
は、硬化温度は60〜220℃、好ましくは80〜200℃であ
り、かつ転写材1の熱溶融温度未満の温度であるように
するとよい。60℃未満ではシリコーンゴム組成物12の
硬化に長時間を要し、220℃を越えるとスコーチの原因
となる。また転写材1の熱溶融温度まで温度を上げる
と、転写材1を構成する基体シート14や図柄層16な
どが溶けてしまい、好ましくない。なお、加熱が短時間
であれば、転写材1の熱溶融温度を越えても転写材1が
溶融することはない。
【0063】最後に、シリコーンゴム組成物12の硬化
後に金型を開きし(図3参照)、転写材とともにシリコ
ーンゴム成形品13を取り出した(図4参照)後に基体
シート14を剥離するか、基体シート14を剥離した後
に図柄付シリコーンゴム成形品を取り出すか、基体シー
ト14を剥離しながら図柄付シリコーンゴム成形品を取
り出す。シリコーンゴム成形品13を取り出した後に基
体シート14を剥離するか、基体シート14を剥離しな
がら図柄付シリコーンゴム成形品を取り出す場合には、
シリコーンゴム成形品13の取り出しの際に転写材1が
シリコーンゴム成形品13に付着していることになるの
で、シリコーンゴム成形品13を脱型する工程におい
て、イジェクタ方式などの脱型手段を採用しなくても、
シリコーンゴム成形品13を金型からより簡単に取り出
すことができる。また、基体シート14がシリコーンゴ
ム成形品13に付着している場合には、シリコーンゴム
成形品13の周辺部に生じたバリを取り去る工程におい
て、シリコーンゴム成形品13が基体シート14により
支持されるので、シリコーンゴム成形品13の変形が少
なく、簡単にバリを取り去ることができる。
【0064】なお、転写材1を長尺のものとし、転写材
1およびシリコーンゴム成形品13の金型からの取り出
しを連続的に行うようにしてもよい。
【0065】このようにして得られる図柄付シリコーン
ゴム成形品は、ガスケット、パッキン、キーボードなど
の製品に極めて有用である。
【0066】
【作用】本発明は、上記構成よりなるから次の作用を奏
する。すなわち、転写材を金型内に挟み込んだ状態でキ
ャビティ内にシリコーンゴム組成物を射出充満させ、シ
リコーンゴム組成物の硬化後に金型を開いて図柄付シリ
コーンゴム成形品を得るので、シリコーンゴム組成物を
キャビティ内に射出充満させてから硬化させるまでの間
は、少なくとも、シリコーンゴム組成物と金型の間に基
体シートが介在することになる。
【0067】また、転写材を挟み込んだ金型内でシリコ
ーンゴム組成物を硬化させた後にシリコーンゴム成形品
に付着している基体シートを剥離するので、転写材の基
体シート上に形成した図柄層がシリコーンゴム成形品表
面に写し取られることになる。
【0068】さらに、転写材を金型内に挟み込んだ状態
でキャビティ内にシリコーンゴム組成物を射出充満させ
るので、転写材の転写層の背面はシリコーンゴム組成物
で充填されることになる。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳述す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0070】実施例1 液状シリコーンゴム用射出成形機として、アーブルグ社
製ALLROUNDER 320M/H/D 750-210を用い、装着した金型
は温調器で150℃に加熱し、液状シリコーンゴム組成物
を射出成形機に供給するポンプとして、ドパーク社製2K
-900を用いた。また、付加反応型液状シリコーンゴム組
成物として、東芝シリコーン株式会社製TLM1405を用い
た。
【0071】転写材として、厚さ25μmのポリエチレン
ナフタレートフィルムからなる基体シート上に、メチル
アクリレート系樹脂からなる剥離層と、ウレタン−ポリ
エステル共重合体樹脂と顔料からなる図柄層と、プライ
マー(東芝シリコーン株式会社製XP81-611)からなる接
着層とが形成された転写材を用意し、金型に位置決めし
て固定した。
【0072】次に、型締めを行い、下記に示す条件で未
硬化のシリコーンゴム組成物を金型内のキャビティに射
出し、シリコーンゴム組成物の硬化後に金型を開き、転
写材とともに転写材に密着したシリコーンゴム成形品を
金型より取り出した。この際、シリコーンゴム成形品を
イジェクタピンで押し出すのと同時に転写材をキャビテ
ィから離れる方向へ引っ張った。
【0073】最後に、転写材の基体シートを剥がしたと
ころ、図柄付シリコーンゴム成形品を得た。
【0074】以上の実施例により、図柄付シリコーンゴ
ム成形品は金型から容易に脱型できることが判明した。
また、基体シート剥離後のシリコーンゴム成形品は、バ
リを有さないものであった。
【0075】・成形条件 射出圧力 20kgf/cm2 射出時間 10sec 保圧時間 5sec 硬化時間 35sec 総成形時間 60sec 金型温度 150℃ 型締圧力 75t シリンダー温度 15℃
【0076】比較例1 比較例として、転写材を用いないこと以外は実施例1と
同様にしてシリコーンゴム成形品を製造したところ、シ
リコーンゴム組成物を硬化させた後に金型を開いたと
き、シリコーンゴム成形品は可動側金型に付いた。
【0077】可動側金型に付いたシリコーンゴム成形品
は、金型に密着しているためイジェクタピンの作用だけ
では落下せず、円滑な成形ができなかった。
【0078】さらに、金型の表面には、成形を重ねるご
とにシリコーンゴムの薄いバリが発生した。そのため数
ショットごとにバリを除去しなければならず、生産性が
大きく低下した。
【0079】実施例2 転写材として、ポリエチレンナフタレートからなる基体
シート上に、メチルアクリレート系樹脂からなる剥離層
と、ウレタン−ポリエステル共重合体樹脂と顔料からな
る図柄層と、厚さ800Åのアルミニウム蒸着膜と、熱硬
化ウレタン系樹脂からなるアンカー層と、プライマー
(東芝シリコーン株式会社製XP81-611)からなる接着層
とが形成された転写材を用意した。
【0080】このような転写材を用いて実施例1と同様
にして図柄付シリコーンゴム成形品を製造したところ、
脱型も良好で、発生したバリもすべて基体シートに付着
した。また、基体シート剥離後の図柄付シリコーンゴム
成形品は、バリを有さないものであった。
【0081】実施例3 実施例1のシリコーンゴム組成物に代えて、ミラブル型
シリコーンゴム(東芝シリコーン株式会社製TSE22
1−5U)に加硫剤TC−8を0.5phc配合したもの
を用いた。また、転写材としては、実施例1と同様のも
のを用いた。
【0082】下記の条件でシリコーンゴム成形品を製造
したところ、実施例1と同様にシリコーンゴム成形品と
バリはすべて接着し、金型から容易に脱型できた。ま
た、基体シート剥離後の図柄付シリコーンゴム成形品
は、バリを有さないものであった。
【0083】・成形条件 射出圧力 70kgf/cm2 射出時間 15sec 保圧時間 25sec 硬化時間 80sec 総成形時間 120sec 金型温度 170℃ 型締圧力 75t シリンダー温度 70℃
【0084】比較例2 比較例として、転写材を用いないこと以外は実施例3と
同様にしてシリコーンゴム成形品を製造したところ、シ
リコーンゴム組成物を硬化させた後に金型を開いたと
き、シリコーンゴム成形品は可動側金型あるいは固定側
金型に付いた。
【0085】可動側金型に付いた場合は、シリコーンゴ
ム成形品が金型に密着しているため、イジェクタピンの
作用だけでは落下せず、円滑な成形ができなかった。ま
た、固定側金型に付いた場合には、取り出し装置がない
ために手動で取り出さねばならなかった。
【0086】さらに、金型のパーティング面にシリコー
ンゴムの薄い未硬化の膜が発生した。そのため数ショッ
トごとに未硬化の膜を除去しなければならず、生産性が
大きく低下した。
【0087】
【発明の効果】本発明は、以上のとおりの構成・作用を
有するので、次のような優れた効果を有する。
【0088】すなわち、シリコーンゴム組成物をキャビ
ティ内に射出充満させてから硬化させるまでの間は、少
なくとも、シリコーンゴム組成物と金型の間に転写材が
介在することになるので、転写材が介在する側の金型に
はシリコーンゴム組成物が付着することがない。その結
果、従来、必須手段として採用されていた脱型手段を採
用しなくても、シリコーンゴム成形品を金型から簡単に
取り出すことができるとともに、シリコーンゴム成形品
の製造方法において避けることができないとされている
バリがパーティング面に発生することがあっても、転写
材の基体シートを金型から取り出す際にバリも一緒に金
型から取り出されるので、パーティング面にバリが残存
することはなく、成形不良などが生じない。
【0089】また、シリコーンゴム成形品を脱型するた
めの補助的手段としてイジェクタ方式あるいはエアーブ
ッシュ方式を採用する場合、イジェクタピンあるいはエ
アーブッシュの可動部は転写材の基体シートと接触する
ことになるので、イジェクタピンあるいはエアーブッシ
ュの可動部の精度が5/1000mmよりラフであっても、イ
ジェクタピン部分あるいはエアーブッシュ部分にバリは
発生しない。
【0090】一方、転写材の図柄層がシリコーンゴム成
形品の表面に写し取られることになるので、転写材の図
柄層として形成しておけばどのような図柄でも、1工程
でシリコーンゴム成形品表面に表現することができる。
たとえば、多色の図柄付シリコーンゴム成形品を得たい
場合は多色の転写材を用い、一部に光透過部を有するシ
リコーンゴム成形品を得たい場合は光透過部分と光不透
過部分とを有する転写材を用いるだけでよい。なお、転
写材の図柄層を形成するにあたっては、シリコーンイン
キに限定されることはない。
【0091】さらにまた、転写材の転写層の背面はシリ
コーンゴム組成物で充填されることになるので、シリコ
ーンゴム成形品の表面に転写層が出っ張った状態とはな
らず、図柄付シリコーンゴム成形品の表面は面一とな
る。
【0092】また、転写材は金型のキャビティに密着す
るので、シリコーンゴム成形品の表面形状が、凹部、凸
部、シボなどの微細な凹凸がある場合、あるいは複雑な
曲面がある場合であっても、図柄を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法を適用する金型の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法を適用する金型の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法を適用する金型の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法を適用する金型の一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法により得ることのできるシリコーンゴム成形品の
一実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る図柄付シリコーンゴム成形品の製
造方法に使用する転写材の一実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 転写材 2 可動側金型 3 成形機可動板 4 固定側金型 5 成形機固定板 6 転写材クランプ 7 転写材プッシュ 8 イジェクタピン 9 イジェクタプレート 10 イジェクタロッド 11 エアーブッシュ 12 シリコーンゴム組成物 13 シリコーンゴム成形品 14 基体シート 15 剥離層 16 図柄層 17 接着層
フロントページの続き (72)発明者 山崎 成一 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内 (72)発明者 豊岡 尚登 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート上に転写層を有する転写材を
    温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬化の
    シリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーンゴム
    組成物の硬化後に金型を開いて転写材とともにシリコー
    ンゴム成形品を取り出した後に基体シートを剥離するこ
    とを特徴とする図柄付シリコーンゴム成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 転写材を位置決めする工程、温調された
    金型を型締めする工程、金型のキャビティに未硬化のシ
    リコーンゴム組成物を射出する工程、シリコーンゴム硬
    化後金型を型開きする工程、転写材とともにシリコーン
    ゴム成形品を取り出す工程およびシリコーンゴム成形品
    から基体シートを剥離する工程からなることを特徴とす
    る図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 基体シート上に転写層を有する転写材を
    温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬化の
    シリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーンゴム
    組成物の硬化後に金型を開いて基体シートを剥離した後
    に図柄付シリコーンゴム成形品を取り出すことを特徴と
    する図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 基体シート上に転写層を有する転写材を
    温調された金型内に挟み込み、キャビティ内に未硬化の
    シリコーンゴム組成物を射出充満させ、シリコーンゴム
    組成物の硬化後に金型を開いて基体シートを剥離しなが
    ら図柄付シリコーンゴム成形品を取り出すことを特徴と
    する図柄付シリコーンゴム成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 転写材が、基体シート上に剥離層、図柄
    層、接着層からなる転写層を積層したものである請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の図柄付シリコーンゴム
    成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 接着層が、部分的に形成されたものであ
    る請求項5に記載の図柄付シリコーンゴム成形品の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 転写材が長尺であり、転写材およびシリ
    コーンゴム成形品の金型からの取り出しが連続的である
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の図柄付シリコー
    ンゴム成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 金型がシリコーンゴム用金型である請求
    項1〜請求項4または請求項7のいずれかに記載の図柄
    付シリコーンゴム成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 未硬化のシリコーンゴム組成物が、a成
    分;1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する
    ポリオルガノシロキサンと、b成分;1分子中にケイ素
    原子に結合した少なくとも2個の水素原子を有するポリ
    オルガノハイドロジェンシロキサンと、c成分;白金化
    合物とを含み、かつa成分の1分子あたりのアルケニル
    基の数、およびb成分の1分子あたりのケイ素原子に結
    合した水素原子の数のうち少なくともいずれかが平均2
    を越える数の付加反応型液状シリコーンゴム組成物であ
    る請求項1〜請求項4のいずれかに記載の図柄付シリコ
    ーンゴム成形品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101302745B1 (ko) * 2012-02-17 2013-08-30 (주)위코홀딩스 보강재가 삽입된 실리콘패드와 실리콘용기의 제조방법

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