JP2836432B2 - Abs樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体及びその製造方法 - Google Patents
Abs樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体及びその製造方法Info
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Description
精密機器の分野で有用なABS樹脂とシリコーンゴムと
の一体成型体及びその製造方法に関するものである。
付加硬化型シリコーンゴムと有機樹脂を接着させる方法
は数多く提案されている。例えば成形樹脂表面にプライ
マーを塗布しその上から未硬化のシリコーンゴム組成物
を塗布硬化させ接着する方法や自己接着性シリコーンゴ
ム組成物を成形樹脂の上から硬化させる方法が知られて
いる。また、この自己接着性シリコーンゴム組成物につ
いては、特にその接着成分を骨子とする提案が数多くな
されている。
素原子を30モル%以上含有するオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンを添加し、付加硬化型シリコーンゴム
と接着させる試み(特公平2−34311号公報)、有
機樹脂へのシリコーンゴムの物理的な嵌合方法による一
体化(特公昭63−45292号公報)、脂肪族不飽和
基と珪素原子結合加水分解性基を有する化合物をグラフ
トしたオレフィン樹脂にシリコーンゴムを接着一体化さ
せる方法(特開昭63−183843号公報)なども提
案されている。
せる方法は、いったん成形した樹脂成形物を金型等より
取り出しプライマーを塗布するという手間がかかる。一
方、自己接着性樹脂組成物を成形樹脂に塗布して硬化さ
せる方法は、金型を用いて樹脂及びシリコーンゴムを成
形する場合にはシリコーンゴム自身が金型に接着すると
いう大きい難点がある。
ェンポリシロキサンをオレフィン樹脂等の有機樹脂に添
加する方法は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
を添加するため有機樹脂自体の特性に変化を生じ、その
樹脂本来の特性を得ることが困難となる場合がある。ま
た、物理的な嵌合により一体化させる方法は逆に物理的
な力により嵌合がはずれるというおそれがある。更に、
脂肪族不飽和基と珪素原子結合加水分解性基を有する化
合物をグラフトしたオレフィン樹脂を用いる方法は付加
硬化型シリコーンゴムの一体化にプライマーが必要であ
るという難点を有する。
耐候性、電気特性等においての高い信頼性が認識され、
電気電子分野、自動車分野などでその用途が広がりつつ
あり、ABS樹脂に対してもシリコーンゴムとの強固に
接着した一体成型物の供給が望まれていた。
シリコーンゴムがABS樹脂に対して十分な接着力を持
って強固に一体化されたABS樹脂とシリコーンゴムと
の一体成型体及びその製造方法を提供することを目的と
する。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ABS樹
脂又は該樹脂を含む組成物に接着、一体化されるシリコ
ーンゴムを、下記一般式(I),(II)及び(II
I)で示される1種又は2種以上の化合物を含有する付
加型シリコーンゴム組成物を用い、該組成物を硬化して
得られた付加型シリコーンゴムとすることにより、従来
は付加硬化型シリコーンゴム組成物の接着力が低く、あ
るいは短時間に接着できなかったABS樹脂に対して十
分実用に耐える接着力を有するシリコーンゴムの一体成
型体が得られると共に、射出成形方法を用いてABS樹
脂に対し短時間の硬化条件で良く接着し、しかもシリコ
ーンゴム自身は成形金型から十分な実用性をもって剥離
するといういまだかってないABS樹脂/シリコーンゴ
ムの一体成型体が得られることを見い出したものであ
る。
(I),(II)及び(III)から選ばれる1種又は
2種以上の化合物を含有する付加型シリコーンゴムが一
体化されてなることを特徴とするABS樹脂とシリコー
ンゴムとの一体成型体。
素原子を少なくとも1個有し、他の置換基がある場合、
該他の置換基が炭素数1〜8の置換もしくは非置換の一
価炭化水素基であるシラン又はシロキサン結合を示し、
Aは一価の基、Bは二価の基である。Dは、−(CR1
R2)n−結合(R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素
数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、n
は2〜30の整数である)を示し、E,Fはそれぞれ−
(CR1R2)m−R3結合(R1,R2は上記と同様の意味
を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜10の置換もし
くは非置換の一価炭化水素基、mは1〜30の正数であ
る)を示し、xは0又は整数である。)、及び (2)ABS樹脂又は該樹脂を含む組成物に、 (a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 (b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なく
とも2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン (c)付加反応用触媒 (d)上記一般式(I),(II)及び(III)から
選ばれる1種又は2種以上の化合物 を含有する付加型シリコーンゴム組成物を接触させ、次
いでABS樹脂又は該樹脂を含む組成物の軟化温度より
低い温度で上記シリコーンゴム組成物を硬化することを
特徴とするABS樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体
の製造方法を提供する。
明に用いるABS樹脂はアクリロニトリル、ブタジエ
ン、スチレンを共重合させて製造する従来公知のもので
よく、通常の市販品が使用できる。市販製品の例として
は日本合成ゴム(株)製JSR、東洋レーヨン(株)製
トヨラック、三菱レーヨン(株)製ダイヤペット、ダイ
セル化学工業(株)製セビアン等を挙げることができ
る。また、ABS樹脂を含む組成物として、ABS樹脂
とポリカーボネイト樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等とのポリマー
アロイなどを使用することができる。
と一体化させるシリコーンゴムは、付加型シリコーンゴ
ムであるが、このシリコーンゴムは (a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン (b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なく
とも2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン (c)付加反応用触媒 (d)後述する一般式(I),(II)及び(III)
から選択される1種又はそれ以上の化合物 を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物とすることが
できる。
ルガノポリシロキサンは、通常付加硬化型シリコーンゴ
ム組成物の主原料として使用されている公知のオルガノ
ポリシロキサンを用いることができ、常温で100〜1
00,000cpの粘度を有するものが好ましく、一般
式RaSiO(4-a)/2で示されるものを挙げることができ
る。この式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基で
あり、好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であ
る。具体的にはメチル、エチル、プロピル等の飽和炭化
水素基、ビニル、プロペニル、ブテニル等の不飽和炭化
水素基、フェニル、キシリル等のアリール基、3,3,
3−トリフルオロプロピル等のハロゲン置換、シアノ基
置換炭化水素基などが挙げられる。上記一価炭化水素基
は互いに異なっていても同一であってもよいが、分子中
にアルケニル基を含んでいることが必要である。この場
合、アルケニル基の量はR中0.001〜10モル%、
特に0.1〜1モル%であることが好ましい。aは1.
9〜2.4の範囲であり、このオルガノポリシロキサン
は直鎖状であっても、RSiO3/2単位或いはRSiO
4/2単位を含んだ分岐状であってもよい。珪素原子の置
換基は、基本的には上記のいずれであってもよいが、ア
ルケニル基としては好ましくはビニル基、その他の置換
基としてはメチル基、フェニル基の導入が望ましい。こ
のようなオルガノポリシロキサンとしては、下記のもの
を例示することができる。
は除く)、p,qはp=100〜5000、p+q=1
00〜5000、p/(p+q)=0.001〜0.1
である。)
とって公知の方法によって製造することができる。例え
ばオルガノポリシロキサンとヘキサオルガノジシロキサ
ンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行う
ことによって得ることができる。
ンポリシロキサンは(a)成分と反応し、架橋剤として
作用するものであり、その分子構造は後述する(d)成
分と相違する点を除けば特に制限はなく、従来製造され
ている例えば線状、環状、分岐状構造等各種のものが使
用可能であるが、一分子中に少なくとも2個以上の珪素
原子に直結結合した水素原子を含むものとすることが必
要である。この化合物の水素以外の珪素原子に結合する
置換基は(a)成分のオルガノポリシロキサンにおける
置換基と同様であり、このようなオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンとして下記のものを挙げることができ
る。
価炭化水素基、R5〜R8は炭素数8以下の一価炭化水素
基、R9,R10は一方がビニル基又はアリル基であり、
他方がビニル基又はアリル基又は炭素数3以下の一価炭
化水素基を示し、pは0又は100以下の正の整数、q
は3以上又は100以下の正の整数である。
含まれるアルケニル基1個に対して0.4〜5等量とす
る量であり、好ましくは0.8〜2の範囲とされる。
0.4等量より少ない場合は、架橋密度が低くなりすぎ
硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与える場合
が生じる。また、5等量より多い場合には脱水素反応に
よる発泡の問題が生じたり、やはり耐熱性に悪影響を与
えるおそれが生じる。
によって得ることが可能である。ごく一般的な製造方法
を挙げると、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び
/又はテトラメチルシクロテトラシロキサンと末端基と
なり得るヘキサメチルジシロキサン或いは1,1’−ジ
ハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメチルジシロキ
サン単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10
〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易
に得ることができる。
用触媒は、白金や白金族化合物などを挙げることがで
き、これらは、前記した(a)成分と(b)成分との付
加硬化反応(ハイドロサイレーション)を促進させるた
めの触媒として使用されるものであるが、これは当業者
において公知とされるものでよい。従って、これには白
金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性
物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロ
キサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例
示される。また、ロジウム錯体などを使用することもで
きる。なお、この添加量は希望する硬化速度に応じて適
宜増減すればよいが、通常は全成分に対して白金量又は
ロジウム量で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜
200ppmの範囲である。
般式(I),(II)及び(III)から選ばれる1種
又は2種以上の化合物である。 A−(D−B)x−D−A (I) E−(B−D)x−B−E (II) A−F (III) (但し、式中A,Bは、それぞれ珪素原子に直結した水
素原子を少なくとも1個有し、他の置換基がある場合、
該他の置換基が炭素数1〜8の置換もしくは非置換の一
価炭化水素基であるシラン又はシロキサン結合を示し、
Aは一価の基、Bは二価の基である。Dは、−(CR1
R2)n−結合(R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素
数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、n
は2〜30の整数である)を示し、E,Fはそれぞれ−
(CR1R2)m−R3結合(R1,R2は上記と同様の意味
を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜10の置換もし
くは非置換の一価炭化水素基、mは1〜30の整数であ
る)を示し、xは0又は正数である。)
水素基としては、置換もしくは非置換のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基
などが挙げられ、上述したRと同様のものを例示するこ
とができる。なお、上記Aの一価の基の具体的な例とし
ては、下記のものを挙げることができる。
化水素基を示す。)
は、下記のものを挙げることができる。
の一価炭化水素基を示す。)
のものを例示することができる。
ものが例示される。
のものが例示される。
00重量部に対して0.05〜10重量部とすることが
好ましい。
度が必要な場合には、微粉状シリカを配合することがで
きる。この場合、比表面積が50m2/g以上である微
粉状シリカが有用である。
親水性のシリカとして、Aerosil 130,20
0,300(日本アエロジル社、Degussa社
製)、Cabosil MS−5,MS−7(Cabo
t社製)、RheorosilQS−102,103
(徳山曹達社製)、Nipsil LP(日本シリカ社
製)等が挙げられる。また、疎水性シリカとしては、A
erosil R−812,R−812S,R−97
2,R−974(Degussa社製)、Rheoro
sil MT−10(徳山曹達社製)、Nipsil
SSシリーズ(日本シリカ社製)等が挙げられる。
合、硬化時間の調整を行う必要がある場合には、制御剤
としてビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基
含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレ
ート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及
びそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサ
イド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾ
ール及びそれらの混合物からなる群から選んだ化合物な
どを配合しても差し支えない。
等の非補強性の充填剤、コバルトブルー等の無機顔料、
有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸
マンガン、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック等
の耐熱性、難燃性向上剤等の添加も可能である。
ゴム組成物をABS樹脂又は該樹脂を含む組成物の上に
一体化成形する方法としては、予め成形されたABS樹
脂の上に未硬化の付加型シリコーンゴム組成物を所望の
形状にして乗せ、ABS樹脂の溶融する温度以下の温度
で加熱する方法(金型、コーティング、ディッピング
等)、予め成形されたABS樹脂の上に未硬化の付加型
シリコーンゴム組成物を乗せ、ABS樹脂の溶融する温
度以下の温度で加熱、圧縮する方法、射出成形機により
ABS樹脂を金型に先に射出成形し、次いで該金型内に
付加型シリコーンゴム組成物を加熱射出する方法等が挙
げられる。
方法としては、通常の熱可塑性樹脂の成形加工法が適用
される。このような方法の一例として、例えば上記AB
S樹脂をペレット化し、ABS樹脂の軟化点以上に加熱
された成形金型へ注入し、次いで金型をABS樹脂の軟
化点以下に冷却する公知の方法が便利である。一般に射
出成形機、トランスファ成形機と呼ばれている機器の使
用が可能である。なお、ABS樹脂成形体上に形成され
るシリコーンゴム組成物は、未硬化の状態で液状、パテ
状、ペースト状のいずれでもよいが、成形の容易さから
当業者によって液状シリコーンゴムと呼ばれている液状
もしくはペースト状のものを用いることが望ましい。
の一体成型体は、ABS樹脂又は該樹脂を含有する組成
物を使用すると共に、上記一般式(I),(II)及び
(III)の化合物の1種又は2種以上を含有する付加
型シリコーンゴムを積層、接着、一体化するようにした
もので、ABS樹脂とシリコーンゴムとが強固に接着し
た成型体を得ることができる。このため、この成型体
は、電気、電子、自動車、精密機器等の部品に有効に使
用され、ABS樹脂とシリコーンゴムとの特性をそれぞ
れ有効に発揮させることができる。
ABS樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体を簡単かつ
確実に製造でき、特にABS樹脂又は該樹脂を含む組成
物の成形物の成形及びこの成形物に対するシリコーンゴ
ム組成物の接触を射出成形により行うことを可能にする
と共に、この場合(d)成分の化合物を用いるようにす
れば、脱型に際し、シリコーンゴムがスムーズに金型か
ら剥離するもので、金型に付着し難いものである。
的に説明するが、本発明は下記の実施例によって制限さ
れるものではない。
の粘度が10,000センチポイズであるジメチルシロ
キサンポリマー100重量部、比表面積が300cm2
/gである煙霧質シリカ40重量部、ヘキサメチルジシ
ラザン8重量部、水1重量部をニーダーに仕込み、常温
で1時間撹拌混合を行った後、150℃に昇温し、2時
間保温混合を行った。その後、混合物を常温迄冷却し、
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃で
の粘度が10,000センチポイズであるジメチルシロ
キサンポリマーを更に20重量部及び下記式(1)で表
わされる常温での粘度が約10センチポイズであるハイ
ドロジェンメチルポリシロキサンを3重量部、珪素原子
に直結したビニル基〔−Si(CH=CH2)O−〕を
5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイ
ズであるビニルメチルポリシロキサンを4重量部、常温
における硬化までの時間を延長させるためアセチレンア
ルコールを0.1重量部、白金ビニルシロキサン錯体を
白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく
混合し、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物(A)を
得た。
S樹脂(ダイセル化学工業(株)製,セビアンV50
0)を導入し、220℃で可塑化した後、多数個取りシ
ート型金型キャビティに射出し、厚み2mm,幅25m
m,長さ100mmのシートを数枚得た。なお、射出条
件は、射出時間6秒、冷却時間30秒、射出圧力100
0kg/cm2、型締圧力35ton、キャビティ温度
60℃であった。
キ金属、ニッケルメッキ金属及びアルミ合金を引っ張り
剪断接着試験片作成治具に固定し、前記液状付加硬化型
シリコーンゴム組成物(A)100重量部に化学構造式
が下記式(2)又は(3)で示される化合物をそれぞれ
1及び2重量部添加した組成物を調製した。これらの組
成物を同治具に適量流し込み、100℃恒温槽にて8分
加熱して硬化させた。このようにして得られた図1の試
験片を用いて、接着性を調べた。その結果を表1に示
す。
件で、ABS樹脂厚み2mm,幅25mm,長さ100
mmのシートを数枚得た。作成したシートに前記化合物
(2)及び(3)を添加しない液状付加型シリコーンゴ
ム組成物(A)を100℃恒温槽にて8分加熱して硬化
させ、図1の接着試験片を作成し、接着性を調べた。そ
の結果を表1に示す。
出成形方法及び条件にて、ABS樹脂シート(厚み2m
m,幅25mm,長さ100mm)数枚を得た。
キ金属、ニッケルメッキ金属及びアルミ合金を引っ張り
剪断接着試験片作成治具に固定し、前記液状付加型シリ
コーンゴム組成物(A)100重量部に化学構造式が下
記式(4)又は(5)で表わされる化合物をそれぞれ1
及び2重量部添加した組成物を調製した。これらの組成
物を同治具に適量流し込み、100℃恒温槽にて8分加
熱して硬化させた。このようにして得られた図1の試験
片を用いて、接着性を調べた。その結果を表2に示す。
件で、ABS樹脂厚み2mm,幅25mm,長さ100
mmのシートを数枚得た。作成したシートに前記化合物
(4)及び(5)を添加しない液状付加型シリコーンゴ
ム組成物(A)を100℃恒温槽にて8分加熱して硬化
させ、図1の接着試験片を作成し、接着性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
成形機は2基の射出装置を備えた2色射出成形装置であ
り、図2に示すように、射出装置のノズル部(1)及び
(2)が金型(3),(4)のキャビティ部(5),
(6)に連結する。ノズル部(1)は金型パーティング
ラインから、ノズル部(2)は、金型右側面中央部から
射出する。また、使用した金型は、左側金型片(3)と
右側金型片(4)とからなり、それぞれの相対向する面
の2箇所には成形凹部が形成されており、該各成形凹部
により図2に示したようにキャビティ部(5)及び
(6)が形成されている(図2参照)。
製,JSR ABS15)を該射出成形装置に投入し、
220℃にて溶融し、ノズル部(1)からキャビティ部
(5)に射出し、樹脂シート成形体(7)を形成させ
た。その条件は、射出時間6秒、冷却時間35秒、キャ
ビティ部(5)及び左側金型片(3)の温度は70℃で
あった(図3参照)。
を行うと共に、左側の金型片(3)の凹部に樹脂シート
成形体(7)を保持したまま金型片(3)を180°回
転させ、右側の金型片(4)を合わせて再び型締めし、
シリコーンゴムシート成形体形成用のキャビティ部を樹
脂シート成形体(7)に形成された面と金型片(4)の
成形凹部面とで形成せしめた(図4参照)。
樹脂シート成形体(7)に形成された面に液状付加型シ
リコーンゴム組成物(A)100重量部に実施例2で用
いた(3)及び(4)の化合物を0.5及び1重量部添
加した組成物を射出し、ゴムシート成形体(8)を形成
させた。その条件は射出時間6秒、硬化時間100秒、
左側金型片(3)の温度は60℃、右側金型片(4)の
温度は100℃であった(図5参照)。
樹脂シートとゴムシートからなる複合体(幅が2.5m
m,長さが15cm及び厚みが2mm、樹脂とシリコー
ンゴムは同寸)を得た。実施例2で用いた(3)及び
(4)の化合物を0.5及び1重量部添加した組成物の
複合体はいずれも強固に接着したものであり、寸法精
度、生産性が良好であった。また、クロムメッキされた
炭素鋼製金型とゴムシートは全て容易に剥離した。
を添加しない液状付加型シリコーンゴム組成物(A)を
用い、実施例3と同様の射出成形方法及び条件で図6の
複合体を作成し、接着性を調べたが、樹脂とシリコーン
ゴムは容易に剥離した。
平面図である。
概略断面図である。
た状態の概略断面図である。
概略断面図である。
形した状態の概略断面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ABS樹脂又は該樹脂を含む組成物に下
記一般式(I),(II)及び(III)から選ばれる
1種又は2種以上の化合物を含有する付加型シリコーン
ゴムが一体化されてなることを特徴とするABS樹脂と
シリコーンゴムとの一体成型体。 A−(D−B)x−D−A (I) E−(B−D)x−B−E (II) A−F (III) (但し、式中A,Bは、それぞれ珪素原子に直結した水
素原子を少なくとも1個有し、他の置換基がある場合、
該他の置換基が炭素数1〜8の置換もしくは非置換の一
価炭化水素基であるシラン又はシロキサン結合を示し、
Aは一価の基、Bは二価の基である。Dは、−(CR1
R2)n−結合(R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素
数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、n
は2〜30の整数である)を示し、E,Fはそれぞれ−
(CR1R2)m−R3結合(R1,R2は上記と同様の意味
を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜10の置換もし
くは非置換の一価炭化水素基、mは1〜30の整数であ
る)を示し、xは0又は正数である。) - 【請求項2】 ABS樹脂又は該樹脂を含む組成物に、 (a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 (b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なく
とも2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン (c)付加反応用触媒 (d)請求項1記載の一般式(I),(II)及び(I
II)から選ばれる1種又は2種以上の化合物 を含有する付加型シリコーンゴム組成物を接触させ、次
いでABS樹脂又は該樹脂を含む組成物の軟化温度より
低い温度で上記シリコーンゴム組成物を硬化することを
特徴とするABS樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体
の製造方法。 - 【請求項3】 ABS樹脂又は該樹脂を含む組成物の成
形及びこの成形物に対するシリコーンゴム組成物の接触
を射出成形により行うことを特徴とする請求項2記載の
製造方法。
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