JPH1142679A - 芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法

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JPH1142679A
JPH1142679A JP20061997A JP20061997A JPH1142679A JP H1142679 A JPH1142679 A JP H1142679A JP 20061997 A JP20061997 A JP 20061997A JP 20061997 A JP20061997 A JP 20061997A JP H1142679 A JPH1142679 A JP H1142679A
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polyamide resin
aromatic polyamide
mold
cavity
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JP20061997A
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English (en)
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Hideki Ueno
秀樹 上野
Nobuo Hirai
信男 平井
Stein Judy
スタイン ジュディー
Tatsuhiko Sawamura
立彦 沢村
Shuji Chiba
修二 千葉
Michio Zenbayashi
三千夫 善林
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Toshiba Silicone Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1676Making multilayered or multicoloured articles using a soft material and a rigid material, e.g. making articles with a sealing part
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2083/00Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only, in the main chain, as moulding material
    • B29K2083/005LSR, i.e. liquid silicone rubbers, or derivatives thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2283/00Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only, in the main chain, as reinforcement

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリアミド樹脂レート樹脂とシリコー
ンゴムとが強固に接着された接着複合体を、金型を使用
して生産効率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 本発明の製造方法では、加熱溶融された
芳香族ポリアミド樹脂を、 100〜 180℃の温度に加熱さ
れた金型のキャビティ内に一次射出した後、ケイ素原子
に直結した水素原子を有しかつフェニル基とエステル結
合とをそれぞれ有するシロキサン化合物を接着付与成分
とする付加反応型液状シリコーンゴム組成物を、金型キ
ャビティ内に二次射出して加熱硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法に係わ
り、さらに詳しくは、電気、電子、自動車、精密機器、
医療用機器等の分野で広く使用されている芳香族ポリア
ミド樹脂とシリコーンゴムとが良好に接着された接着複
合体を、金型を用いて製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気、電子、自動車、精密機器、
医療用機器等の分野では、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリカーボネートのような熱可
塑性樹脂が広く用いられており、このような熱可塑性樹
脂とシリコーンゴムとを接着する方法も数多く提案され
ている。
【0003】従来から、熱可塑性樹脂とシリコーンゴム
との接着方法としては、例えば、熱可塑性樹脂の成形体
表面にプライマーを塗布して接着する方法が提案されて
いる(特開昭 62-264920号公報記載)。しかしこの方法
では、成形体を一旦金型から取出した後にプライマーを
塗布しなければならず、複雑な工程管理が必要になるた
め、工業的利用という点では製造効率が低いという問題
があった。
【0004】また、熱可塑性樹脂とシリコーンゴムとの
接着複合体を得るために、接着性を向上させる成分(接
着性向上剤)を添加した自己接着性シリコーンゴムを用
いる方法が提案されている。そして、接着性向上剤とし
て、ケイ素原子に結合した水素原子とトリアルコキシシ
リルアルキル基を有するポリシロキサン(特開昭48-169
52号公報記載)、アクリロキシアルキル基を有するシラ
ンまたはシロキサンと有機過酸化物(特開昭50-26855号
公報記載)、ケイ素原子にエポキシ基および/またはエ
ステル基とケイ素原子に直接結合した水素原子とを有す
るポリシロキサン(特開昭50-39345号公報記載)などが
提案されている。しかしながら、これらの方法では、い
ずれも満足できる接着強度が得られなかった。
【0005】さらに、特開平3-111981号公報および同 5
-84780号公報にそれぞれ開示されているように、金型を
用いて射出成形を行なう接着複合体の製造方法も知られ
ている。しかしながら、これらの方法に記載されている
付加反応型液状シリコーンゴムは、ナイロン-6のような
脂肪族ポリアミド樹脂とは良好な接着性を示すものの、
芳香族系のポリアミド樹脂とは接着せず、したがってこ
れらの方法により芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴ
ムとの接着複合体を得ることができなかった。またこれ
らの方法では、シリコーンゴム組成物が金属材料に対し
ても接着性を有するため、フッ素樹脂等で表面処理を施
した高価な金型を使用しなければならず、また表面処理
の実施は、複雑な構造を有する金型やスライド、突き出
しピン等を持った金型では、耐久性が十分でないという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
の接着性シリコーンゴム組成物では、熱可塑性樹脂に対
して満足できる接着強度が得られないか、あるいは熱可
塑性樹脂に対して良好に接着するものは金属に対しても
接着しやすく、金型を用いて熱可塑性樹脂との接着複合
体を成形するのに適した材料は得られていなかった。
【0007】また、熱可塑性樹脂の中でも特に芳香族ポ
リアミド樹脂では、シリコーンゴムとの接着複合体を得
ることが極めて困難であった。すなわち、芳香族ポリア
ミド樹脂は、他の熱可塑性樹脂に比べて吸水性が低く、
耐クリープ性、耐疲労性、耐熱老化性、耐候性、耐油
性、難燃性に優れているため、自動車のコネクター、ハ
ウジングなど多くの用途に用いられている。そして、コ
ネクターにおいては、アッセンブリ時の作業性や脱着
性、防水性等の点から、シール材としてオイルブリード
性を有するフェニル基含有ポリオルガノシロキサンを含
むシリコーンゴムが使用されているが、このようなシリ
コーンゴムでは、ブリードする(滲み出す)シリコーン
オイルのために、芳香族ポリアミド樹脂との接着が阻害
され、接着複合体を得ることが困難であった。
【0008】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴ
ムとが強固に接着された接着複合体を、金型を使用して
生産効率良く製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の芳香族ポリアミ
ド樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法は、
加熱溶融された芳香族ポリアミド樹脂を、 100〜 180℃
の温度に加熱された金型のキャビティ内に一次射出した
後、接着付与成分として、1分子中にケイ素原子に直結
した水素原子を少なくとも1個有し、かつ少なくとも1
個のフェニル基とエステル結合とをそれぞれ有するシロ
キサン化合物が配合された付加反応型液状シリコーンゴ
ム組成物を、前記金型のキャビティ内に前記一次射出物
に接触するように二次射出し、しかる後これを加熱硬化
させることを特徴とする。
【0010】本発明に使用する芳香族ポリアミド樹脂
は、分子鎖中に芳香環を有するポリアミド樹脂であり、
例えば以下の化学式で表されるナイロンMXD6(三菱エン
ジニアリングプラスチック社製)が例示される。
【0011】
【化1】 その他、芳香族ポリアミド樹脂の市販品としては、三井
石油化学社製のPA-MCX、ウベ興産社製のH-PA、テイジン
アモコエンジニアリングプラスチック社製のH-PA、バイ
エル社製のデュレタン等を用いることができる。
【0012】次に、本発明に使用する付加反応型液状シ
リコーンゴム組成物について、以下に詳細に説明する。
【0013】この液状シリコーンゴム組成物は、接着付
与成分として、1分子中にケイ素原子に直結した水素原
子を少なくとも1個有するとともに、少なくとも1個の
フェニル基とエステル結合とをそれぞれ有するシロキサ
ン化合物が配合されたものである。このようなシロキサ
ン化合物としては、(CH3 )HSiO単位と、以下の
化学式で表されるエステル結合とフェニル基とを有する
シロキサン単位とをそれぞれ有する化合物が例示され
る。
【0014】
【化2】 さらに、本発明に使用する液状シリコーンゴム組成物と
しては、(A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサ
ンに、(B)1分子中にケイ素原子に直接結合した水素
原子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンと、(C)補強性充填剤と、(D)白金または白
金化合物からなる群から選ばれた付加反応触媒、および
接着付与成分として、(E)1-プロポキシベンゾエート
-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを配合
した接着性シリコーンゴム組成物を使用することが望ま
しい。このような接着性シリコーンゴム組成物は、芳香
族ポリアミド樹脂に対して良好な接着性を有するうえ
に、金属に対しては接着しにくいので、前記樹脂とシリ
コーンゴムとが良好に接着した接着性複合体を、金型を
用いて効率的に製造することができる。
【0015】ここで、接着性シリコーンゴム組成物を構
成する(A)成分のアルケニル基含有ポリオルガノシロ
キサンは、一般式:R1 a 2 b SiO
{4-(a+b)}/2 (式中、R1 はアルケニル基を表わし、R
2 は脂肪族不飽和結合を含まない置換または非置換の1
価の炭化水素基を表わす。また、aは 1〜3 の整数であ
り、bは 0〜2 の整数である。但し、a+bは 1〜3 の
整数である。)で示されるシロキサン単位を有し、アル
ケニル基であるR1 を1分子中に2個以上有する、25℃
における粘度が1000〜100000cpのポリオルガノシロキサ
ンである。
【0016】R1 としては、ビニル基、アリル基(2-プ
ロペニル基)、1-ブテニル基、1-ヘキセニル基等が挙げ
られるが、合成の容易さからビニル基とすることが望ま
しい。R2 およびその他のシロキサン単位のケイ素原子
に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基、クロロ
メチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の置換炭化
水素基等が挙げられる。合成の容易さから、これらの有
機基のうちでメチル基とすることが最も望ましい。ま
た、メチル基とした場合には、得られるシリコーンゴム
組成物が硬化前に低い粘度を保持し、かつ硬化後には十
分な重合度を有し良好な物理特性を示すという利点を有
する。さらに、硬化物に耐寒性が必要な場合には、フェ
ニル基を、また対油性が必要な場合には3,3,3-トリフル
オロプロピル基をそれぞれ少量導入するなど、任意に選
択することができる。
【0017】(B)成分のポリオルガノハイドロジェン
シロキサンは一般式:R3 c d SiO
{4-(c+d)}/2 (式中、R3 は置換または非置換の1価の
炭化水素基を表わす。また、cは 0〜2 の整数であり、
dは 1〜 3の整数である。但し、c+dは 1〜3 の整数
である。)で示されるシロキサン単位を有し、ケイ素原
子に直接結合した水素原子を1分子中に2個以上有する
ポリオルガノシロキサンであり、(A)成分のポリオル
ガノシロキサンと反応し架橋剤として作用するものであ
る。
【0018】ケイ素原子に結合した水素原子の数は、
(B)成分全体として1分子中に2個を超える数であ
り、特に機械的強度を必要とする場合には、3個以上で
あることが好ましい。R3 およびその他のシロキサン単
位のケイ素原子に結合する有機基としては、(A)成分
におけるR2 と同様なものが例示され、合成が容易な点
からメチル基とすることが最も好ましい。
【0019】(B)成分の配合量は、ケイ素原子に結合
した水素原子の数が、(A)成分のアルケニル基1個当
り 0.5〜 4個となる量が望ましく、さらに好ましくは 1
〜 3個となるような量である。アルケニル基1個当りの
水素原子数が 0.5個未満では、硬化が十分に進行せず、
目的の強度の硬化物が得られない。また水素原子数が4
個を越えると、硬化後の物理的特性や耐熱性が低下して
好ましくない。
【0020】(C)成分の補強性充填剤としては、硬化
後のシリコーンゴムに強度を付与するシリカ系の充填剤
を使用することができる。特に、煙霧質シリカ、表面処
理煙霧質シリカ、沈殿シリカのような、比表面積が 50m
2 /g以上である微粉状シリカの使用が好ましい。このよ
うな微粉状シリカの市販品としては、アエロジル 130、
200、 300、R972(いずれも日本アエロジル社製)等が
挙げられる。
【0021】(C)成分の配合量は、(A)成分のアル
ケニル基含有ポリオルガノシロキサン 100重量部に対し
て 5〜60重量部とすることが望ましい。(C)成分の配
合量が 5重量部未満では、配合による補強の効果が現れ
ず、反対に60重量部を越える場合には、伸び、引張り強
さ、引裂き強さ等の他の物性が低下して好ましくない。
【0022】(D)成分の白金または白金化合物からな
る群から選ばれた触媒は、(A)ポリオルガノシロキサ
ンのアルケニル基と、(B)ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンのケイ素原子に直結した水素原子(ハイド
ロジェン基)との間の付加反応を促進するものであり、
白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、塩化白金酸とアル
コールから得られる錯体、白金−オレフィン錯体、白金
−ビニルシロキサン錯体、白金−トリフェニルホスフィ
ン錯体、その他の白金配位化合物、あるいはアルミナ、
シリカなどの担体に白金単体を担持したものなどを用い
ることができる。塩化白金酸または白金−オレフィン錯
体は、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶
剤、炭化水素系溶剤などに溶解したものを使用すること
が望ましい。
【0023】このような(D)成分の配合量は、硬化速
度によって適宜増減されるが、通常は(A)成分に対す
る白金原子の量として、 0.1〜100ppmと極めて少量で十
分に架橋促進の効果を有し、特に 1〜 30ppmの範囲が有
効である。(D)成分の配合量が白金原子として0.1ppm
未満では、十分に硬化が進行せず、また100ppmを越えて
も特に硬化速度の向上等は期待できない。
【0024】(E)成分の1-プロポキシベンゾエート -
1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンは、以下
の構造式で表されるシロキサン化合物(ポリシロキサ
ン)であり、このような構造の化合物を接着付与成分と
して使用することで、芳香族ポリアミド樹脂に対して、
他のシロキサン化合物の使用では得られない高い接着強
度を得ることができる。
【0025】
【化3】 (E)成分の配合量は、(A)成分 100重量部に対して
0.5〜 5重量部とすることが望ましく、より好ましくは
1〜 3重量部とする。(E)成分の配合量が 0.5重量部
未満では、芳香族ポリアミド樹脂に対する接着性の発現
が不十分であり、また 5重量部を超えても接着性向上の
効果は変わらず、かえって硬さや引張り強さ等の特性が
低下して好ましくない。
【0026】以上の(A)〜(E)の各成分を配合した
接着性シリコーンゴム組成物には、さらに(F)フェニ
ル基含有ポリオルガノシロキサンを適宜配合することが
できる。このフェニル基含有ポリオルガノシロキサン
は、硬化後のシリコーンゴムにオイルブリード性を付与
し、接着複合体に防水、シール性を付与するものであ
る。硬化後のシリコーンゴム表面にブリードする(滲み
だす)シリコーンオイルは、金型に対する離型剤として
作用し、接着複合体の金型からの抜脱を容易にする。こ
こで、(F)フェニル基含有ポリオルガノシロキサンに
おけるフェニル基の含有割合は、 5〜35モル%であるこ
とが好ましい。 5モル%未満のものでは、硬化後のシリ
コーンゴムにオイルブリード性を付与する効果が十分に
現れない。また、フェニル基含有量が35モル%を越える
ポリオルガノシロキサンでは、ブリードするシリコーン
オイルの量が多くなり過ぎ、かえって芳香族ポリアミド
樹脂に対する接着性が悪くなるため、好ましくない。
【0027】(F)成分の配合量は、(A)成分 100重
量部に対して10重量部以下とすることが望ましく、より
好ましくは 2〜 5重量部とする。(F)フェニル基含有
ポリオルガノシロキサンの配合量が、(A)成分 100重
量部当り10重量部を超える場合には、シリコーンオイル
のブリード量が多くなり過ぎて、樹脂に対する接着性が
悪くなる。
【0028】さらに、このような接着性シリコーンゴム
組成物には、通常用いられている添加剤を必要に応じて
適宜配合することができる。そのような添加剤として
は、石英粉末、けいそう土、炭酸カルシウム等の非補強
性の充填剤、顔料、公知の難燃剤、酸化鉄、酸化セリウ
ム、カルボン酸鉄、希土類有機酸塩等の耐熱性向上剤な
どが例示される。また、常温における保存中の安定性を
増す目的で、アセチレンアルコールのような架橋反応遅
延剤を添加することもできる。
【0029】本発明において、このような接着性シリコ
ーンゴム組成物と、芳香族ポリアミド樹脂との接着複合
体を製造するには、まず加熱溶融された芳香族ポリアミ
ド樹脂を、射出機により金型の所定のキャビティ内に一
次射出し冷却した後、あるいは射出後冷却することなく
続いて、同一金型の別のキャビティ内に、未硬化の付加
反応型液状シリコーンゴム組成物を二次射出して、芳香
族ポリアミド樹脂の射出物と接触させ、次いで金型内で
加熱硬化させる方法が採られる。なお、一次射出と二次
射出とは、連続する2回の射出工程における前後の関係
を表わすもので、一次射出あるいは二次射出が2回以上
の射出工程を有していても良い。
【0030】ここで、芳香族ポリアミド樹脂の成形金型
温度は、 100〜 180℃とすることが望ましい。また、接
着性シリコーンゴム組成物の成形金型温度も、 100〜 1
80℃とすることが望ましい。これらの成形温度が 100℃
未満では接着性の発現が不十分であり、また 180℃を越
える場合には、樹脂成形体の寸法精度が悪くなり好まし
くない。
【0031】本発明においては、このように 100〜 180
℃に温度調節がなされた金型内に芳香族ポリアミド樹脂
を一次射出した後、続いて、接着付与成分が配合された
付加反応型液状シリコーンゴム組成物を同一金型内に射
出し、加熱硬化させているので、シリコーンゴムが、金
型に接着することなく芳香族ポリアミド樹脂にのみ選択
的に接着し、芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムと
が強固に接着した接着複合体を、生産効率良く得ること
ができる。また、得られた接着複合体においては、芳香
族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムとの両者の特性が十
分に発揮され、電気、電子、自動車、精密機器、医療用
機器等の分野で有効に使用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0033】まず、実施例に使用する2色射出成形装置
について説明する。
【0034】この射出成形装置は、図1に示すように、
2基の射出機を備え、これらの射出機の各ノズル部1、
2が、成形金型3のキャビティ部4に連結されている。
そして、一次射出用のノズル部1は金型3のパーティン
グラインから、二次射出用のノズル部2は金型3の右側
面中央部からそれぞれ射出するようになっている。ま
た、金型3は、左側金型片3aと右側金型片3bとから
成り、各金型片の対向する面の2箇所にはそれぞれ成形
凹部が形成され、これらの成形凹部により、2つのキャ
ビティ部4a、4bがそれぞれ形成されている。さら
に、金型片3a、3bをパーティングラインに沿って回
転することで、各キャビティ部4a、4bを互いに置き
換えることができるように構成されている。
【0035】実施例では、このような構造の2色射出成
形装置により、芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴム
との接着複合体が製造される。すなわち、芳香族ポリア
ミド樹脂レート樹脂を2色射出成形装置の一次射出用の
射出機に投入し、該樹脂の溶融温度以上に加熱して溶融
させる。そして、この溶融材料をノズル部1から、 100
〜 180℃に加熱保持された金型のキャビティ部4aに射
出した後、冷却硬化させ、芳香族ポリアミド樹脂成形体
を形成する。
【0036】次に、型開きを行なうとともに、左側金型
片3aの凹部に芳香族ポリアミド樹脂成形体を保持した
状態で左側金型片3bを 180°回転させることにより、
この樹脂成形体を含むシリコーンゴム射出用のキャビテ
ィ部を形成した後、 100〜 180℃に加熱保持されたこの
キャビティ部に、二次射出用のノズル部2から、ケイ素
原子に直結した水素原子を有し、かつフェニル基とエス
テル結合とをそれぞれ有するシロキサン化合物が配合さ
れた付加反応型液状シリコーンゴム組成物を射出する。
そして、そのまま加熱・硬化させてシリコーンゴム成形
体を形成する。
【0037】こうして、図2に示すように、芳香族ポリ
アミド樹脂成形体5とシリコーンゴム成形体6とが強固
に接着され、寸法精度が良好な接着複合体を得ることが
できる。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明する。なお、以下の文中における「部」
は、全て「重量部」を示すものとする。
【0039】実施例1、2 [シリコーンゴム組成物の調製] (A)両末端がそれぞれジメチルビニル基で封鎖された
ポリジメチルシロキサン(25℃における粘度 10000cp)
100部と、(C)アエロジル 200をオクタメチルテトラ
シクロシロキサンで処理した微粉末状シリカ40部とをニ
ーダーに仕込み、常温で 1時間撹拌混合を行なった後、
150℃に昇温し、 2時間加熱混合を行なった。その後混
合物を常温まで冷却し、これに、(B)(CH3 )HS
iOの 1/2単位67mol%と(CH3 2 SiO単位33mol%
とからなるポリメチルハイドロジェンシロキサン 1.5部
と、(D)白金−ビニルシロキサン錯体溶液(白金原子
含有量0.5wt%) 0.3部をそれぞれ添加し、均一になるま
で混合した。次いでこの組成物に、表1に示すように、
接着付与成分として(E)-1を 1部配合するとともに、
実施例1においては、さらに(F)フェニル基含有量が
28mol%で25℃における粘度が 200cPのフェニル基含有ポ
リオルガノシロキサン 3部を配合し、均一になるまで良
く混合してシリコーンゴム組成物を調製した。また、比
較例として、前記した組成物に(E)-2および前記した
(F)成分をそれぞれ表1に示す割合で配合し、シリコ
ーンゴム組成物を調製した。
【0040】なお、(E)-1は、前記した化学式 (I)で
表わされる1-プロポキシベンゾエート -1,3,5,7-テトラ
メチルシクロテトラシロキサンであり、(E)-2として
は、以下の化学式
【化4】 で表わされるグリシドキシ基を有するテトラシロキサン
を使用した。
【0041】次に、図1に示す2色射出成形装置を用い
て、芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムとの接着複
合体を製造した。すなわち、この2色射出成形装置にお
いて、金型を約 120kgf/cm2 の圧力で型締めした後、芳
香族ポリアミド樹脂(テイジンアモコエンジニアリング
プラスチック社のH-PA)を射出機に投入し、 290℃に加
熱して溶融させ、この溶融材料を、一次射出用ノズル部
から 140℃に加熱保持された金型のキャビティ部に、 7
00kgf/cm2 の射出圧力で約 5秒間射出した後、約10秒間
冷却・硬化させて、芳香族ポリアミド樹脂成形体を形成
した。
【0042】次に、右側の金型片を外して型開きを行な
うとともに、左側の金型片の凹部に芳香族ポリアミド樹
脂成形体を保持した状態で左側金型片を 180°回転させ
た後、右側の金型片を合わせて約 120kgf/cm2 の圧力で
再び型締めし、芳香族ポリアミド樹脂成形体に形成され
た凹部と右側金型片の成形凹部面とにより、シリコーン
ゴム射出用のキャビティ部を形成した。そして、このキ
ャビティ部に射出機の二次射出用ノズル部から、実施例
1、2および比較例1、2のシリコーンゴム組成物を、
50kgf/cm2 (スクリュー後端)の射出圧力で約 4秒間射
出した後、そのまま約60秒間加熱を続けて硬化させ、シ
リコーンゴム成形体を形成した。このときの金型キャビ
ティ部の設定温度は 140℃であった。
【0043】次いで、こうして得られた接着複合体にお
いて、樹脂成形体とシリコーンゴム成形体との接着性試
験を行なった。また、金型からの抜き出し容易性を調べ
た。これらの試験結果を表1下欄にそれぞれ示す。
【0044】
【表1】 表1の結果から、実施例でそれぞれ得られた接着複合体
においては、芳香族ポリアミド樹脂成形体とシリコーン
ゴム成形体とが強固に接着しているうえに、シリコーン
ゴム成形体表面へブリードするオイル量が適量であり、
金型からの抜き出しが容易であることがわかった。これ
に対して、比較例で得られた接着複合体では、芳香族ポ
リアミド樹脂成形体とシリコーンゴム成形体との接着性
が不十分であり、剥離しやすい。
【0045】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
においては、芳香族ポリアミド樹脂を金型内に一次射出
した後、ケイ素原子に直結した水素原子有し、かつフェ
ニル基とエステル結合とをそれぞれ有するシロキサン化
合物を接着性付与成分とする付加反応型液状シリコーン
ゴムを、同一金型内に射出し加熱硬化させているので、
シリコーンゴムが金型に接着することがなく、芳香族ポ
リアミド樹脂とシリコーンゴムとが強固に接着した接着
複合体を生産効率良く得ることができる。また、得られ
た接着複合体は、芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴ
ムとの両者の特性が良好に発揮され、電気、電子、自動
車、精密機器等の分野で有効に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用する2色射出成形装置の
概略を示す断面図。
【図2】本発明の実施例により製造される接着複合体の
斜視図。
【符号の説明】
1………一次射出用ノズル部 2………二次射出用ノズル部 3………金型 4………キャビティ部 5………芳香族ポリアミド樹脂成形体 6………シリコーンゴム成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢村 立彦 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 千葉 修二 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 善林 三千夫 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱溶融された芳香族ポリアミド樹脂
    を、 100〜 180℃の温度に加熱された金型のキャビティ
    内に一次射出した後、接着付与成分として、1分子中に
    ケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも1個有し、
    かつ少なくとも1個のフェニル基とエステル結合とをそ
    れぞれ有するシロキサン化合物が配合された付加反応型
    液状シリコーンゴム組成物を、前記金型のキャビティ内
    に前記一次射出物に接触するように二次射出し、しかる
    後これを加熱硬化させることを特徴とする芳香族ポリア
    ミド樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記付加反応型液状シリコーンゴム組成
    物が、(A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン
    に、(B)1分子中にケイ素原子に直接結合した水素原
    子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
    サンと、(C)補強性充填剤と、(D)白金または白金
    化合物からなる群から選ばれた付加反応触媒、および接
    着付与成分として、(E)1-プロポキシベンゾエート -
    1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを配合し
    た接着性シリコーンゴム組成物であることを特徴とする
    請求項1記載の芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴム
    との接着複合体の製造方法。
JP20061997A 1997-07-25 1997-07-25 芳香族ポリアミド樹脂とシリコーンゴムとの接着複合体の製造方法 Withdrawn JPH1142679A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113782259A (zh) * 2021-08-23 2021-12-10 浙江柔灵科技有限公司 一种包覆型导电硅胶电极触角

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Effective date: 20041005