JPH08291264A - 熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物

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JPH08291264A
JPH08291264A JP9676795A JP9676795A JPH08291264A JP H08291264 A JPH08291264 A JP H08291264A JP 9676795 A JP9676795 A JP 9676795A JP 9676795 A JP9676795 A JP 9676795A JP H08291264 A JPH08291264 A JP H08291264A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り扱いが容易であるということは、もとよ
りのこと、とりわけ、塗膜の外観ならびに諸物性にも優
れるし、併せて、塗料それ自体の安定性にも優れるとい
う、極めて実用性の高い、熱硬化性の粉体塗料、つま
り、熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物を提供することにあ
る。 【構成】 不飽和カルボン酸アルキルエステル、就中、
不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを含む単量体類
の混合物を共重合せしめて得られる、特定の軟化点を有
する固形樹脂と、複数の水酸基を有する化合物と、スル
ホン酸基含有化合物で代表されるようなエステル交換触
媒とを含有することから成る、熱硬化性粉体塗料用樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる熱
硬化性粉体塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細に
は、本発明は、不飽和カルボン酸のアルキルエステル
(以下、不飽和カルボン酸アルキルエステルともい
う。)という特定の化合物を必須の単量体成分とする単
量体類の混合物を共重合して得られる固形樹脂と、水酸
基含有化合物と、エステル交換触媒とを含有することか
ら成るというものであって、上記アルキルエステル類中
のエステル結合と水酸基との間における、いわゆるエス
テル交換反応を、当該樹脂組成物の架橋硬化に利用した
という、斬新なる形の熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性の粉体塗料は、昨今の公害規制
の高まりや、すぐれた塗膜性能により工業用塗装分野で
以て、広く利用されて来てはいるけれども、とかく、ポ
リエステル系粉体塗料分野にあっては、粉体塗料用の硬
化剤として使用される、それぞれ、ブロック・イソシア
ネート化合物やエポキシ化合物などの安全性が、頗る、
疑問視されて来ている。
【0003】かてて加えて、こうした硬化剤が、特に、
ブロック・イソシアネート化合物であるという場合にお
いては、実際の焼き付け炉による、高温で以て粉体塗料
の硬化を行った際に、得てして、塗膜が黄変し易いとい
う問題もある。
【0004】また、アクリル系粉体塗料にあっては、ベ
ース樹脂としてのグリシジル基含有アクリル系樹脂と、
硬化剤としての多価カルボン酸との硬化方式が、主とし
て、採用されてはいるけれども、これらの、ベース樹脂
成分と硬化剤成分との反応性が高いという反面で、貯蔵
安定性の面においては、頗る、問題がある、ということ
である。
【0005】そこで、粉体塗料ないしは粉体塗料用樹脂
組成物それ自体が安全であって、しかも、架橋反応時に
黄変しにくい、新規な粉体塗料用の硬化方式の開発が待
たれているというのが、実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来技術における種々の問題点ない
しは欠点などを、悉く、解決し解消するということによ
って、安全性の上で以て疑問視されている部類の化合物
を用いることなしに、塗膜の黄変が起こりにくくて、し
かも、塗料それ自体の安定性にも優れるし、併せて、と
りわけ、塗膜の外観ならびに諸物性などにも優れるとい
う、極めて実用性の高い、熱硬化性の粉体塗料用樹脂組
成物を得るべく、鋭意、研究を開始した。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、取扱いが容易であることは、もとよりのこと、と
りわけ、塗膜の外観ならびに諸物性にも優れるし、併せ
て、塗料の安定性にも優れるという、極めて実用性の高
い、熱硬化性の粉体塗料、つまり、粉体塗料用樹脂組成
物を提供するということにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような、従来型の各種の熱硬化性粉体塗料にお
ける種々の欠点ないしは問題点などを解消し解決して、
大幅に、改善化された形の粉体塗料を得るべく、鋭意、
検討を重ねた結果、所望の、極めて実用性の高い熱硬化
性粉体塗料が提供できることを見出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
【0009】すなわち、本発明は、基本的には、不飽和
カルボン酸アルキルエステルを必須の単量体として用い
る、該不飽和カルボン酸アルキルエステルを含む単量体
類の混合物を共重合せしめることによって得られる特定
の固形樹脂と、特定の水酸基含有化合物とに、さらに、
エステル交換触媒を添加することにより、塗膜諸性能、
塗膜外観ならびに保存安定性にも優れるという、極めて
実用性に高い熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物、つまり、
熱硬化性粉体塗料を提供しようとするものである。
【0010】具体的には、不飽和カルボン酸アルキルエ
ステルを含む単量体の混合物を共重合せしめて得られ
る、軟化点が約70〜約150℃なる範囲内の固形樹脂
(A)と、一分子中に平均2個以上の水酸基を有すると
いう、いわゆる水酸基含有化合物(B)と、エステル交
換触媒(C)とを含有することから成る、叙上のような
種々の優れた物性ならびに性能を有する、極めて実用性
に高い熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物を提供しようとす
るものである。
【0011】以下に、本発明の構成を、詳細に述べるこ
ととする。
【0012】ここにおいて、まず、本発明の此の熱硬化
性粉体塗料用樹脂組成物を構成している諸必須成分のう
ちの、まず、前記した固形樹脂(A)成分について述べ
ることにする。
【0013】当該固形樹脂(A)を調製するに当たって
用いられる、前記した不飽和カルボン酸アルキルエステ
ルとして特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、
まず、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアル
キルエステルおよび/またはイタコン酸ジアルキルエス
テルなどであるが、
【0014】斯かる不飽和カルボン酸アルキルエステル
について、さらに詳細に説明をすることにすると、その
アルキル基が1〜8個なる炭素原子を有する、直鎖状な
いしは分岐状(分枝状)のものであるような、不飽和ジ
カルボン酸のジアルキルエステルの使用が望ましく、そ
うした形のものとして特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、
【0015】フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジt
ert−ブチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジオク
チル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレ
イン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸
ジtert−ブチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン
酸オクチル、マレイン酸ジ2エチルヘキシル、
【0016】イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチ
ル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジイソブチル、イ
タコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオクチルまたはイタ
コン酸ジ2エチルヘキシルの如き、種々の不飽和ジカル
ボン酸のジアルキルエステルなどであるが、これらは1
種のみの使用でも、あるいは2種以上の併用でもよいこ
とは、勿論である。
【0017】そのほかにも、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
トもしくはベンジルメタクリレートの如き、各種のメタ
クリル酸エステル類;
【0018】メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレートもしくはシクロヘキシル
アクリレートの如き、各種のアクリル酸エステル類;ま
たはマレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のα,β
−不飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜18なる一価ア
ルコールとのモノエステル類などもまた、使用すること
が出来る。
【0019】就中、硬化性などの面からは、上掲した、
マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のα,β−不
飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜8なる一価アルコー
ルとのジエステル類、つまり、不飽和ジカルボン酸のジ
アルキルエステルなどの使用が、特に望ましいものであ
る。
【0020】また、斯かる不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル類と共重合せしめるべき、その他の共重合性単量
体として好適なる、その他の共重合性不飽和単量体類
(共単量体類)として特に代表的なもののみを挙げれる
にとどめれば、エチレン、プロピレンもしくはブテン−
1の如き、各種のα−オレフィン類;
【0021】塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如
き、フルオロオレフィンを除く、各種のハロゲン化オレ
フィン類;スチレン、α−メチルスチレンもしくはビニ
ルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル化合物類;
【0022】N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドもしくはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽
和単量体類;
【0023】ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
の如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート類;tert−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、tert−ビチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレー
ト、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレートもしくは
ピペリジニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種
のアミノ基含有単量体類;
【0024】(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のカル
ボキシル基含有単量体類;グリシジル(メタ)アクリレ
ート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートもし
くは(メタ)アリルグリシジルエーテルの如き、各種の
エポキシ基含有単量体類;
【0025】ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シランもしくはアリルトリメトキシシラン、
【0026】トリメトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、メチル
ジメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシ
シリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプ
ロピルビニルエーテルもしくはメチルジエトキシシリル
プロピルビニルエーテル、
【0027】またはγ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリエトキシシランもしくはγ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの如き、加水分解性シリル基を有する各種の単量体
類;
【0028】フッ化ビニル(ふっ化ビニル)、フッ化ビ
ニリデン(ふっ化ビニリデン)、トリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプ
ロピレンもしくはヘキサフルオロプロピレンの如き、各
種のフッ素(ふっ素)含有α−オレフィン類をはじめ、
【0029】さらには、トリフルオロメチルトリフルオ
ロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロ
ビニルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピルトリフ
ルオロビニルエーテルの如き、各種のパーフルオロアル
キル・パーフルオロビニルエーテルまたは(パー)フル
オロアルキルビニルエーテル(ただし、該アルキル基の
炭素数としては、1〜18なる範囲内が適切である。)
などのような、種々のフッ素(ふっ素)原子含有単量体
類;
【0030】メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、tert−ブチルブニルエーテル、n−
ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテ
ル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシル
ビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、クロロ
エチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルもしく
はフェニルエチルビニルエーテルの如き、各種のアルキ
ルビニルエーテルないしは各種の置換アルキルビニルエ
ーテル類;
【0031】シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテルもしくはメチルシクロヘキシルビ
ニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエー
テル類;ビニル−2,2−ジメチルプロパノエート、ビ
ニル−2,2−ジメチルブタノエート、ビニル−2,2
−ジメチルペンタノエート、ビニル−2,2−ジメチル
ヘキサノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルブタ
ノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルペンタノエ
ートもしくはビニル−3−クロロ−2,2−ジメチルプ
ロパノエートなどをはじめ、
【0032】さらには、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、
カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニルもしくはラウリン
酸ビニルまたはC9 なる分岐脂肪族(分枝脂肪族)カル
ボン酸ビニル、C10なる分岐脂肪族(分枝脂肪族)カル
ボン酸ビニル、C11なる分岐脂肪族(分枝脂肪族)カル
ボン酸ビニルなどのような、あるいはステアリン酸ビニ
ルなどのような、各種の脂肪族カルボン酸ビニル類;
【0033】シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチル
シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルもし
くはp−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状
構造を有するカルボン酸の種々のビニルエステル類など
である。
【0034】以上に例示したような、不飽和カルボン酸
アルキルエステルと、その他の共重合性単量体との使用
量としては、全単量体の総量を100重量%を基準とし
て、それぞれ、約10〜約99重量%なる範囲内の、好
ましくは、20〜99重量%なる範囲内の不飽和カルボ
ン酸アルキルエステルと、約90〜約1重量%なる範囲
内の、好ましくは、80〜1重量%なる範囲内の、その
他の共重合性単量体とのような割合となるのが適切であ
る。
【0035】不飽和カルボン酸アルキルエステルの量が
約10重量%よりも少ない場合には、どうしても、、と
りわけ、得られる塗膜の機械的物性などが劣るようにな
るので、好ましくない。
【0036】また、斯かる不飽和カルボン酸アルキルエ
ステルのうち、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル
類の含有量としては、とりわけ、塗膜の機械的物性など
の面からも、全単量体の総量100重量%中、約10〜
約50重量%なる範囲内が適切である。
【0037】かくして得られる、当該固形樹脂(A)の
軟化点としては、約70〜約150℃なる範囲内が適切
であり、約70℃未満となるような場合には、どうして
も、粉体塗料の貯蔵安定性が悪くなり易いし、一方、約
150℃を超えて余りに高くなるという場合には、どう
しても、塗膜外観が低下し易くなるので、いずれの場合
も好ましくない。
【0038】また、当該固形樹脂(A)の数平均分子量
としては、約500〜約50,000なる範囲内が、好
ましくは、1,000〜10,000なる範囲内が適切
である。此の数平均分子量が約500よりも小さい場合
には、どうしても、とりわけ、塗膜の機械的物性などが
劣るようになるし、一方、約50,000よりも大きい
場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の平滑性などが
低下するようになるので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0039】そして、これらの上掲の単量体類成分、つ
まり、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル類と、そ
の他の共重合性単量体類との共重合方法としては、公知
慣用の種々のいずれの方法によってもよいことも勿論で
はあるが、就中、溶液ラジカル重合法を採用して此の共
重合を行い、しかるのち、脱溶剤せしめるという方法に
よるが最も簡便であり、特に推奨できるものである。
【0040】次いで、本発明の必須構成成分(B)とし
ての、前記した水酸基含有化合物について述べることに
するが、ここにおいて、当該水酸基含有化合物(B)と
は、前述した固形樹脂(A)と反応し得る水酸基を、一
分子中に、平均2個以上、有するという化合物を指称す
るものである。
【0041】さらに、当該(B)成分としては、得られ
る塗料の、とりわけ、安定性などをを考慮した場合に
は、常温で以て、固形状のものであるということが望ま
しく、したがって、当該水酸基含有化合物(B)とは、
前述した固形樹脂(A)と反応し得る水酸基を、一分子
中に、平均2個以上、有するよう化合物を指称するもの
である。
【0042】具体的には、当該水酸基含有化合物(B)
として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれ
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンンジオールもしくはネオペンチルグリコール、
【0043】シクロヘキサンジメタノール、オクタンジ
オール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチルプロ
パンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール
もしくは2,2,4−トリメチルペンタンジオールまた
はビスヒドロキシエチルテレフタレート、水添ビスフェ
ノールA、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物もしくは水添ビスフェノールAアルキレンオキサイド
付加物、
【0044】あるいはグリセリン、ジグリセリン、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトールまたはトリスヒ
ドロキシエチルイソシアヌレート、あるいはまた、「プ
リミド XL−552」(アメリカ国ローム・アンド・
ハース社製の、ヒドロキシアミドの商品名)の如き、各
種の多価アルコール類;
【0045】水酸基含有ポリエステル樹脂類;水酸基含
有アクリル樹脂類;水酸基含有ポリウレタン樹脂類;水
酸基含有ポリエーテル樹脂類;水酸基含有エポキシ樹脂
類または水酸基含有変性ポリオレフィン樹脂類;あるい
はヒドロキシ・エチル・セルロース(HEC)もしくは
セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)の如
き、各種のセルロース類などである。
【0046】特に、得られる塗膜の機械的物性ならびに
耐水性などの面からは、水酸基含有ポリエステル樹脂
類、水酸基含有アクリル樹脂類、水酸基含有ポリウレタ
ン樹脂類または水酸基含有フッ素樹脂類などが好適なも
のである。
【0047】さらに、具体的には、上記した水酸基含有
ポリエステル樹脂類とは、多価酸としての、たとえば、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
(無水)グルタル酸、スベリン酸、マレイン酸、フマル
酸、(無水)コハク酸または1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、
【0048】(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)
フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸もしくは2,6 ナフタレンジカルボン酸または4,
4−ジフェニルジカルボン酸の如き、各種のジカルボン
酸(無水物)あるいはそれらのジメチルエステルや、
【0049】(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、
シクロペンタンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセ
ントリカルボン酸または(無水)ピロメリット酸などの
ような、種々の化合物と、
【0050】多価のアルコールとしての、たとえば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ンジオールもしくはネオペンチルグリコール、
【0051】シクロヘキサンジメタノール、オクタンジ
オール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチルプロ
パンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール
もしくは2,2,4−トリメチルペンタンジオール、
【0052】ビスヒドロキシエチルテレフタレートまた
は水添ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレン
オキサイド付加物、水添ビスフェノールAアルキレンオ
キサイド付加物あるいは「カージュラ E10」(オラ
ンダ国シェル化学社製の、分枝状脂肪族カルボン酸のグ
リシジルエステル)や、
【0053】さらには、グリセリン、ジグリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリスヒド
ロキシエチルイソシアヌレートなどのような、種々の化
合物とを、主原料として用いて、常法により、反応せし
めることによって得られる、エステル結合により構成さ
れていて、官能基として、一分子中に2個以上の水酸基
を有するという形の化合物を指称するものである。
【0054】別に、前記した水酸基含有アクリル樹脂と
は、具体的には、前述した固形樹脂(A)の処で、すで
に、その他の共重合性単量体類として例示したような、
種々の原料のほかに、水酸基含有単量体として特に代表
的なる、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレートまたは1,4−ブタ
ンジオールモノ(メタ)アクリレートや、
【0055】ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの
ε−カプロラクトン付加物や、ヒドオロキシエチル(メ
タ)アクリレートのエチレンないしはプロピレン付加物
や、ヒドロキシエチルビニルエーテルもしくはヒドロキ
シプロピルビニルエーテルなどのような、種々の化合物
を、必須の原料成分として、1種または2種以上、用い
て、常法により、
【0056】共重合せしめた形の化合物などをはじめ、
さらには、ポリビニルアルコールのように、予め、共重
合せしめたのちに、ケン化によって水酸基を生じせしめ
た形の化合物などを指称するものである。
【0057】また、前記した水酸基含有ポリウレタン樹
脂とは、たとえば、上述した水酸基含有ポリエステル樹
脂についての説明を行った処で以て例示したような、公
知慣用の種々のアルコール類や、水酸基含有ポリエステ
ル樹脂または水酸基含有ポリエーテル樹脂などのよう
な、種々のアルコール成分を、ジイソシアネート化合物
と共に、常法により、反応せしめることによって得られ
るという形の化合物を指称するものである。
【0058】この際に用いられる、上記のジイソシアネ
ート化合物として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシ
リレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネー
トなどである。
【0059】さらに、前記した水酸基含有フッ素樹脂と
は、たとえば、それぞれ、上述したような、水酸基含有
ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂または水酸
基含有ポリウレタン樹脂についての説明の処で以て例示
したような、種々の樹脂類のうち、特に、原料の一つと
して、いわゆるフッ素原子含有化合物(ふっ素原子含有
化合物)を用いることによって得られる、
【0060】主として、分子の主鎖中に、此のフッ素原
子(ふっ素原子)を有するという形で以て構成されてい
る部類の化合物を指称するものであるが、就中、とりわ
け、塗膜の耐候性ならびにコストなどの面からは、水酸
基含有のアクリル系フッ素樹脂の使用が望ましい。
【0061】以上において掲げたような、それぞれ、水
酸基含有の、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウ
レタン樹脂またはフッ素樹脂の水酸基価としては、大約
20〜大約400(mgKOH/g固形分;以下同様)
なる範囲内が好適である。
【0062】水酸基価が約20より小さいという場合に
は、どうしても、とりわけ、塗膜の機械的物性などが劣
るというようになるし、一方、約400よりも大きいと
いう場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の耐水性な
どが低下するというようになるので、いずれの場合も好
ましくない。
【0063】また、以上に掲げた諸々の水酸基含有樹脂
類の調製方法としては、勿論、公知慣用のいずれの方法
によっても行うことが出来るが、中でも、溶液中で以て
調製したような場合には、脱溶剤せしめるというのが望
ましい。
【0064】本発明の熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物中
の、それぞれ、固形樹脂(A)と、水酸基含有化合物
(B)との比率としては、固形樹脂(A)中の不飽和カ
ルボン酸アルキルエステルのモル数と、水酸基含有化合
物(B)中の水酸基のモル数との比、つまり、A/Bな
る比が、約4/1〜約1/4となるような範囲内が好適
である。
【0065】斯かるA/B比が約4/1よりも余りにも
大きくなるという場合には、どうしても、とりわけ、塗
膜の機械的物性などが劣るというようになるし、一方、
斯かるA/B比が約1/4よりも余りにも小さくなると
いう場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の耐水性な
どが低下するというようになるので、いずれの場合も好
ましくない。
【0066】本発明の必須構成成分の他の一つである、
前記したエステル交換触媒(C)とは、前述した固形樹
脂(A)中の不飽和カルボン酸アルキルエステル類と、
前述した水酸基含有化合物(C)中の水酸基との間での
エステル交換反応を促進せしめるという形の化合物を指
称するものであって、一般的には、酸性または塩基性の
化合物が用いられるというものである。
【0067】当該エステル交換触媒(C)として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、塩酸、硫酸、
硝酸、酢酸、燐酸またはスルホン酸などのような、各種
の酸性化合物;LiOH、KOHまたはNaOHなどの
ような、各種の塩基性化合物などをはじめ、
【0068】さらには、PbO、酢酸亜鉛、酢酸鉛、三
酸化アンチモン、テトライソプロピルチタネート、ジブ
チル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテートまたはモ
ノブチル錫酸などのような、各種の金属化合物などであ
るが、就中、本発明の効果を充分に発揮せしめるものと
しては、
【0069】分子中にスルホン酸基を有する化合物また
はスルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアミン塩からな
る基、つまり、アルカリ金属塩基ないしはアミン塩基を
有する化合物などの使用が特に望ましいというものであ
る。
【0070】ここにおいて、まず、上記したスルホン酸
基を有する化合物とは、たとえば、分子中にスルホン酸
基;または次式
【0071】
【化1】−SO3
【0072】を有する化合物を指称するというものであ
るし、
【0073】他方、上記したスルホン酸のアルカリ金属
塩基ないしはアミン塩基を有する化合物とは、たとえ
ば、スルホン酸基の塩;または次式
【0074】
【化2】−SO3
【0075】〔ただし、式中のMは、アルカリ金属原子
または−NR3 (ただし、此のRは、それぞれ、同一で
あってもよいし、異なっていてもよい、水素原子または
アルキル基を表わすものとする。)を表わすものとす
る。〕
【0076】で示されるような基を有する化合物を指称
するというものである。
【0077】これらの諸々の化合物のうちでも特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、ベンゼンスルホ
ン酸、パラトルエンスルホン酸またはドデシルベンゼン
スルホン酸、あるいはこれらのナトリウム塩、アンモニ
ウム塩ないしはアミン塩などである。
【0078】当該エステル交換触媒(C)は、通常は、
固形樹脂(A)と水酸基含有化合物(B)との合計の固
形分100重量部に対し、約0.01〜約10重量部な
る範囲内で以て、好ましくは、0.1〜5重量部なる範
囲内で以て添加されるのが適切である。
【0079】此の添加量が、約0.01重量部よりも少
なくなるという場合には、どうしても、とりわけ、塗膜
の硬化性などが劣るようになり易いし、一方、10重量
部よりも多くなるという場合には、どうしても、とりわ
け、塗料の保存安定性などが劣るようになり易いので、
いずれの場合も好ましくない。
【0080】また、これらのエステル交換触媒は、単独
使用であってもよいし、あるいは2種以上の併用であっ
てもよいことは、勿論である。
【0081】以上に詳説して来たような、必須の諸構成
成分を用いて得られる、本発明の熱硬化性粉体塗料用樹
脂組成物から、粉体塗料を調製する方法としては、勿論
ながら、公知慣用のいずれもが採用できるというもので
ある。
【0082】それらのうちでも特に代表的な方法として
は、まず、以上に詳説して来たような、必須の諸構成成
分を、必要に応じては、顔料や流展剤などと共に混合せ
しめるという工程;次いで、かくして得られる混合物
(ないしは配合物)を溶融混練せしめるという工程;
【0083】しかるのち、微粉砕化工程(微粉砕工程)
を経、そして、分級化工程(分級工程)を経るというこ
とによって、目的とする粉体塗料を得る、いわゆる機械
的粉砕方式などが挙げられる。
【0084】本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応
じて、有機系ないしは無機系の顔料類をはじめ、流動調
整剤、紫外線吸収剤または酸化防止剤などのような、公
知慣用の各種の添加剤類;ニトロセルロースもしくはセ
ルロース・アセテート・ブチレートの如き、各種の繊維
素誘導体類;
【0085】あるいは塩素化ポリエチレン、塩素化ポリ
プロピレン、石油樹脂、エポキシ樹脂または塩化ゴムな
どのような、公知慣用の各種の樹脂類を添加せしめると
いうことも出来る。
【0086】かくして得られる、本発明の粉体塗料用樹
脂組成物は、常法により、各種の基材類に塗布され、次
いで、常法に従って、焼き付け乾燥せしめることによっ
て、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械
的諸物性などに優れた塗膜を与えることが出来るという
ものである。
【0087】そして、かくして得られる、本発明の粉体
塗料用樹脂組成物は、主として、自動車上塗り用または
自動車中塗り用の、あるいは自動車部品用の、建材用
の、さらには各種金属製品用の塗料などとして、広範
に、利用し適用することが出来るというものである。
【0088】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明することにするが、本発明
は、これらの例示例のみに、決して、限定されるもので
はない。以下において、特に断りの無い限りは、「部」
は、すべて、「重量部」を意味するものとする。
【0089】参考例1〜3〔固形樹脂(A)の調製例〕 温度計、撹拌器、還流、冷却器および窒素導入口を備え
た反応容器中に、キシレンの66.7部を仕込んで、窒
素で以て、反応容器内の空気を置換して、加熱して還流
を行った。
【0090】そこへ、第1表に示すような量の、単量体
と重合開始剤とからなる混合物を、4時間に亘って加え
てから、さらに、還流下で以て、1時間のあいだ保持し
たのち、冷却して、約100℃なる温度で、アゾビスイ
ソブチロニトリルの0.5部を加えて、重合反応を完結
せしめた。
【0091】かくして得られた、各種の重合反応溶液か
ら、溶剤を除去せしめることによって、目的とする固形
樹脂(A)を得た。それぞれの固形樹脂の諸性状値は、
まとめて、同表に示す。
【0092】
【表1】
【0093】《第1表の脚注》表中の単量体類ならびに
重合開始剤の使用量は、いずれも、重量部数を意味する
ものとする。
【0094】参考例4(水酸基含有ポリエステル樹脂の
調製例) 温度計、撹拌器、精留器および窒素導入口を備えた反応
容器中に、エチレングリコールの11部、ネオペンチル
グリコールの27部、トリメチロールプロパンの16部
およびテレフタル酸の80部と、ジ−n−ブチル錫オキ
サイドの1部との混合物を仕込んで、240℃にまで昇
温して、エステル化反応により生じた生成水を留去しな
がら、10時間のあいだ反応を行うことによって、水酸
基価が110なる、目的の水酸基含有ポリエステル樹脂
を得た。以下、これをB−1−1と略記する。
【0095】参考例5(水酸基含有アクリル樹脂の調製
例) 使用する単量体類を、β−ヒドロキシエチルメタアクリ
レートの25部と、スチレンの75部とするように変更
した以外は、参考例1〜3と同様にして、目的とする水
酸基含有アクリル樹脂を得た。以下、これをB−1−2
と略記する。
【0096】参考例6(水酸基含有ポリウレタン樹脂の
調製例) 温度計、撹拌器、還流、冷却器および窒素導入口を備え
た反応容器中に、エチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、テレフタル酸、イソフタル酸およびアジピン
酸を用いて、常法により得られる、数平均分子量が70
0なる、ポリエステルポリオールの88部と、イソホロ
ンジイソシアネートの12部とを混合し、80℃におい
て、10時間のあいだ反応を行ったのち、1,3−ブタ
ンジオールの0.3部を添加することによって、水酸基
価が90なる、目的とする水酸基含有ポリウレタン樹脂
を得た。以下、これをB−1−3と略記する。
【0097】参考例7(水酸基含有フッ素樹脂の調製
例) ステンレス製の耐圧容器中に、メチルイソブチルケトン
の100部と、「パーブチル PV][日本油脂(株)
製の、過酸化物系重合開始剤の商品名]の2部と、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケートの1部と、エチルビニルエーテルの15
部と、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの18部
と、p−tert−ブチル安息香酸ビニルの27部とを
仕込んで、−70℃にまで冷却をし、耐圧容器内の空気
を窒素で以て置換した。引き続き、液化採取したクロル
トリフルオロエチレンの40部を仕込んで封管した。
【0098】封管した此の耐圧容器を、60℃に加温し
た回転式恒温水槽中に入れて、16時間のあいだ反応を
行ってから、内容物を取り出し、減圧し、さらに、加熱
条件下において、溶剤ならびに揮発分を留去せしめるこ
とによって、水酸基価が90なる、目的とする水酸基含
有フッ素樹脂を得た。以下、これをB−1−4と略記す
る。
【0099】実施例1〜8ならびに比較例1〜3
【0100】(1) 粉体塗料の調製例
【0101】第2表に示すように、参考例1〜3で得ら
れた、A−1−1〜A−1−3なる各種の固形樹脂
(A)と、参考例4〜7で得られた、各種の水酸基含有
化合物(B)と、エステル交換触媒(C)と、さらに、
熱硬化性粉体塗料に用いられる、各種の樹脂類、硬化剤
類、添加剤類および顔料とを、
【0102】110℃において、「コニーダー PR−
46型」(スイス国ブス社製の商品名)で以て溶融混練
せしめ、冷却し、粉砕せしめた。次いで、150メッシ
ュのスクリーンを用いて、それぞれの粉砕物を通過した
ものを集めることによって、各種の粉体塗料を得た。
【0103】(2) 粉体塗料の評価
【0104】第2表に示すような組成割合で以て調製し
た、それぞれの粉体塗料を、静電スプレー塗装機で以
て、燐酸亜鉛処理を施した、0.8mm厚の梨地鋼板上
に、50±5ミクロン(μmm)となるように塗装し、
170℃で、20分間の焼き付けを行って、各種の試験
板(つまり、硬化塗膜の載っている塗装板)を得た。
【0105】次いで、それぞれの塗装板について、第3
表に示すような、各種の試験項目に関して、塗膜の評価
判定を行った。それらの結果は、まとめて、同表に示
す。
【0106】
【表2】
【0107】《第2表の脚注》
【0108】「タイペーク CR−90」…石原産業
(株)製の、ルチル型酸化チタンの商品名
【0109】「アクロナール4F」…………ドイツ国B
ASF社製の、流動調整剤の商品名
【0110】
【表3】
【0111】《第2表の脚注》 「THEIC」………「トリスヒドロキシエチルイソシ
アヌレート」の略記
【0112】
【表4】
【0113】《第2表の脚注》 「水含化」………「水酸基含有化合物」の略記
【0114】「A−224S」………………「ファイン
ディック A−224S」の略記であって、大日本イン
キ化学工業(株)製の、グリシジル基含有アクリル樹脂
の商品名;エポキシ当量=525
【0115】「M−8020」………………「ファイン
ディック M−8020」の略記であって、同上社製
の、水酸基含有ポリエステル樹脂の商品名;水酸基価=
30
【0116】「B−1530」………………「IPDI
-adduct B−1530」の略記であって、ドイ
ツ国ヒュルス社製の、ブロック・イソシアネート化合物
の商品名
【0117】
【表5】
【0118】《第3表の脚注》
【0119】「耐黄変性」…………220℃で、20分
間の焼き付けを行った際の塗膜のの黄変の度合いを、目
視により評価判定した。
【0120】「エリクセン」………エリクセン試験器に
よる絞り出し試験であって、塗面に亀裂の入らない限界
値(mm数)を以て表示。此の値が大きいほど、塗膜が
可撓性に優れているということを意味する。
【0121】「耐衝撃性」…………デュポン衝撃試験器
を用い、JIS K−5981に準拠し、500gの荷
重を用い、1/2インチのノッチ付きという条件で以て
行った。
【0122】「ゲル分率」…………焼き付け後の塗膜を
単離し、常温で、24時間のあいだ、アセトン中に浸漬
させた際の残存重量を、初期重量で以て除した値を、百
分率で以て表示した。
【0123】此の値が大きいほど、硬化性が高いという
ことを意味する。
【0124】「耐候性」……………サンシャイン・ウェ
ザオメーターにかけて500時間後における試験片(硬
化塗膜)の外観を、目視により評価判定した。
【0125】「貯蔵安定性」………粉体塗料を、40℃
の恒温槽中に、1ヵ月のあいだ貯蔵してのち、その粉体
塗料を塗装した際の塗装作業性により評価判定した。
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】このように、本発明の熱硬化性粉体塗料用
樹脂組成物は、塗料の貯蔵安定性は勿論のこと、とりわ
け、塗膜外観ならびに塗膜諸物性などにも優れた、極め
て実用性の高いものであることが、無理なく、知り得よ
う。
【0129】
【発明の効果】以上において詳述したように、本発明の
熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物は、安全性が疑問視され
ているような化合物を、わざわざ、用いるということも
無く、黄変しにくく、しかも、とりわけ、塗膜外観、塗
膜諸物性ならびに塗料安定性などにも優れた、極めて実
用性の高いものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】水酸基含有ポリエステル樹脂類;水酸基含
有アクリル樹脂類;水酸基含有ポリウレタン樹脂類;水
酸基含有ポリエーテル樹脂類;水酸基含有エポキシ樹脂
類;水酸基含有フッ素樹脂類または水酸基含有変性ポリ
オレフィン樹脂類;あるいはヒドロキシ・エチル・セル
ロース(HEC)もしくはセルロース・アセテート・ブ
チレート(CAB)の如き、各種のセルロース類などで
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】主として、分子の主鎖中に、此のフッ素原
子(ふっ素原子)を有するという形で以て構成される部
類の化合物を指称するものであるが、就中、塗膜の、と
りわけ、耐候性ならびにコストなどの面からは、水酸基
含有のビニル系フッ素樹脂の使用が望ましい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸アルキルエステルを含
    む単量体類の混合物を共重合せしめて得られる、軟化点
    が約70〜約150℃なる範囲内の固形樹脂(A)と、
    一分子中に平均2個以上の水酸基を有する水酸基含有化
    合物(B)と、エステル交換触媒(C)とを含有するこ
    とを特徴とする、熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記した固形樹脂(A)が、前記不飽和
    カルボン酸アルキルエステルとして、フマル酸ジアルキ
    ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルおよびイタ
    コン酸ジアルキルエステルよりなる群から選ばれる、少
    なくとも1種の化合物を用いることによって得られるも
    のである、請求項1に記載の成物。
  3. 【請求項3】 前記したエステル交換触媒(C)がスル
    ホン酸基を有する化合物である、請求項1または2に記
    載の組成物。
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