JP3365523B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JP3365523B2 JP26090193A JP26090193A JP3365523B2 JP 3365523 B2 JP3365523 B2 JP 3365523B2 JP 26090193 A JP26090193 A JP 26090193A JP 26090193 A JP26090193 A JP 26090193A JP 3365523 B2 JP3365523 B2 JP 3365523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なるプ
レコート塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細には、
本発明は、高分子量ポリエステル樹脂と、特定のアクリ
ル系樹脂とを必須成分として含有する架橋剤が配合され
た形の、たとえば、鉄あるいは非鉄金属などの表面への
塗装に用いられる、加工性が良好であって、しかも、と
りわけ、塗膜の硬度ならびに耐汚染性、耐溶剤性および
耐薬品性などに優れた塗膜を形成し得る、極めて実用性
の高いプレコート塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、家電製品などの塗装は、
鋼板を加工し成形したのちに、すなわち、ポスト・コー
トの形で以て為されていたが、塗装工程の合理化、生産
性の向上化、公害防止化ならびに作業環境改善化などの
諸問題を解決するために、平鋼板を塗装したのちに、加
工し成形を行う、いわゆるプレ・コート塗装方法に移り
つつある。
【0003】こうした方式に使用されるプレ・コート鋼
板は、塗装後において、複雑なる形状に加工されるため
に、高い加工性が要求される。さらに、家電製品中でも
特に冷蔵庫、洗濯機などには、塗膜硬度、耐汚染性、耐
薬品性、耐蝕性に高い性能が要求される。
【0004】これまでの処、これらの家電製品の塗装に
は、主として、熱硬化アクリル樹脂が用いられて来た。
これは、アクリル樹脂塗料が、塗膜硬度および耐汚染性
に優れているというためである。
【0005】ところが、かかるアクリル樹脂塗料は、プ
レ・コート塗料として用いるには、加工性が不足してお
り、此の加工性を満足させるには、アクリル樹脂を軟質
化せしめる必要があって、実用に耐え得るような塗膜硬
度ならびに耐汚染性を求めることは、至極、困難であ
る。
【0006】他方、熱硬化性ポリエステル樹脂塗料は、
カラートタンなどの、いわゆるコイル・コーティングの
方面に用いられて来たが、とりわけ、加工性、塗膜硬度
ならびに耐汚染性などのバランスが取れないという欠点
があった。
【0007】しかし、ポリエステル樹脂を、減圧下に、
高度に重縮合させて得られる形の高分子量型ポリエステ
ル樹脂は、通常の分岐型ポリエステル樹脂に比して、加
工性に優れるというものであり、冷蔵庫や洗濯機などの
家電製品にも、実用化が為されている。
【0008】しかしながら、かかる高分子量型ポリエス
テル樹脂の多くは、直鎖状のポリエステル樹脂であっ
て、カラートタンなどのコイル・コーティングに、通
常、用いられている分岐状ポリエステル樹脂に比べて、
とりわけ、塗膜の硬度、耐溶剤性、耐汚染性ならびに耐
薬品性などに劣るという問題があった。
【0009】ところで、高分子量直鎖状ポリエステル樹
脂を、一般的なる架橋剤としての、たとえば、塗料用ア
ミノ樹脂などのような硬化剤で以て硬化させた場合に
は、塗膜の硬度が、まだまだ低く、耐汚染性、耐溶剤性
ならびに耐薬品性などにも劣るという欠点を有してい
る。
【0010】そのために、特開昭63ー278973号
公報または特開平1−156374号公報などに開示さ
れているように、アクリル樹脂で以て変性するとか、あ
るいは、特開昭和57ー179255号公報に開示され
ているように、硬化剤として、アミノ樹脂と、ブロック
イソシアネートとの組み合わせ系を使用するなどの、種
々の提案も為されてはいるというものの、
【0011】硬度ならびに耐汚染性に至っては、従来の
アクリル樹脂のみならず、分岐型ポリエステル樹脂に比
しても、著しく、劣っているというのが実状であり、今
こそ、それぞれの物性ないしは性能の面での改良が、と
みに、求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、こうし
た現状に鑑み、高度加工性を保持しつつ、塗膜の塗膜硬
度、耐汚染性ならびに耐薬品性などの良好なる家電用プ
レ・コート塗料用樹脂を開発することを、本発明の解決
すべき課題として捉え、本発明の目的として掲げて、鋭
意、研究を開始した。
【0013】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、加工性が良好であって、つまり、
高度の加工性を保持したままに、とりわけ、塗膜の硬度
ならびに耐汚染性、耐溶剤性および耐薬品性などに優れ
た塗膜を形成し得る、極めて実用性の高いプレコート塗
料用樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、研究を重ねた結果、高分子量ポリエステル
樹脂に対して、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
および/またはN−アルコキシメチル(メタ)アクリル
アミド、あるいはそれらの誘導体を軸とした、特定の架
橋剤を組み合わせることによって、上記の目的を達成す
るに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0015】すなわち、本発明は、基本的には、95〜
60重量%の6,000〜40,000なる範囲の数平均
分子量を有する(以下高分子量という)ポリエステル樹
脂に、架橋剤としての、5〜40重量%のN−メチロー
ル(メタ)アクリルアミドおよび/またはN−アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミドあるいはそれらのモノ
置換誘導体とを必須成分として含有するアクリル系樹脂
とを配合せしめてなり、
【0016】該N−メチロールアクリルアミドおよび/
またはN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドあ
るいはそれらのもの置換誘導体が該アクリル樹脂中30
〜80重量%である、加工性が良好であって、しかも、
とりわけ、塗膜の硬度ならびに耐汚染性、耐溶剤性およ
び耐薬品性などに優れた塗膜を形成し得る、極めて実用
性の高いプレコート塗料用樹脂組成物を提供しようとす
るものである。
【0017】具体的には、全酸性分を基準として、95
〜100モル%のジカルボン酸と、0〜5モル%の、3
価以上のポリカルボン酸と、一方、全ポリオール成分を
基準として、95〜100モル%のジオールと、0〜5
モル%の、3価以上のポリオールとから構成される、特
定の高分子量ポリエステル樹脂(A−1)、
【0018】ジカルボン酸と、ジオールとから製造され
る、数平均分子量が3,000〜15,000なる範囲
内のポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂とを反応させて
得られる、特定の高分子量ポリエステル樹脂(A−
2)、
【0019】あるいは、ジカルボン酸と、ジオールとか
ら製造される、数平均分子量が3,000〜15,000
なる範囲内のポリエステル樹脂と、ジイソシアネートと
を反応させて得られる、特定の高分子量ポリエステル樹
脂(A−3)を配合せしめることから成る、
【0020】
【0021】斬新なる組成物であって、高度加工性を保
持したままに、とりわけ、塗膜硬度、耐汚染性、耐溶剤
性ならびに耐薬品性などの諸物性ないしは諸性能が良好
なる、極めて実用性の高い塗料用樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
【0022】ところで、一般に、塗膜硬度を上げ、耐汚
染性を良くする方法としては、いずれも、硬い原料(硬
質成分)を使用するとか、架橋密度を高めるなどの手段
が用いられているが、ポリエステル樹脂は、アクリル樹
脂などに比して、主鎖がエステル結合であるという処か
ら、塗膜の高度加工性が保持される面においては有利で
あるものの、塗膜硬度の面においては、自ずと限界があ
る。
【0023】また、高分子量ポリエステル樹脂は、それ
自体の水酸基価と酸価とによって、その分子量が決定さ
れるために、高分子量ポリエステル樹脂単独の場合に
は、架橋剤との反応時において、反応に寄与し得る水酸
基濃度が、決定的に、不足状態にある。
【0024】そのために、架橋剤として、たとえば、塗
料用アミノ樹脂を使用すれば、該アミノ樹脂の自己縮合
が優先的に起こるという処から、得られる硬化塗膜は、
不均一なる構造、すなわち、加工性に富むポリエステル
部分と、硬くて脆く耐溶剤性に富むアミノ樹脂の部分と
から成り立っているものと考えられている。
【0025】それがために、アミノ樹脂の含有率を上げ
ると、どうしても、加工性が著しく低下することになる
ので、通常、アミノ樹脂の使用量としては、20重量%
以下の範囲で以て用いられていた。
【0026】また、高度加工性の保持の目的で、耐汚染
性の余り良くないブチルエーテル化メラミン樹脂を併用
するなどの方法が、多用されているために、塗膜硬度を
高めることも、耐汚染性を良くすることも、自ずから限
界があった。
【0027】その改良のために、ポリエステル部分を、
塗膜硬度が高く、耐汚染性ならびに耐薬品性などに優れ
るアクリル樹脂で以て変性せしめるという方法もまた、
考えられた。
【0028】さらに、耐薬品性の余り良くないポリエリ
テル樹脂と、アミノ樹脂とで以て構成される形の塗膜に
おける耐薬品性の改良は、それ自体が、本質的に、困難
であったという処から、耐薬品性に優れるというブロッ
クイソシアネートを、架橋剤として、併用するなどの方
法も考えられて来たけれども、
【0029】アクリル樹脂で以て変性すると、どうして
も、高度加工性の保持に必要なるポリエステル部分の必
要含有率の保持が困難となり、高度加工性の保持それ自
体が出来なくなるなどの不都合があった。
【0030】さらにまた、架橋剤として、ブロックイソ
シアネートを併用するなどの方法にあっては、塗膜硬度
を高め、耐汚染性を改善することは、至極、困難であ
る。
【0031】本発明のように、高分子量ポリエステル樹
脂に、特定の架橋用樹脂、すなわち、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドおよび/またはN−アルコキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、あるいはそれらのモノ
置換誘導体を必須の成分とした形のアクリル系樹脂を、
架橋剤成分として用いることにより、
【0032】高度加工性に必要なるポリエステル樹脂の
含有量の確保が容易であって、しかも、塗膜硬度が高
く、とりわけ、耐汚染性ならびに耐薬品性などに優れる
という、アクリル樹脂の特徴を存分に生かすことが可能
となり、本発明を完成するに到った。
【0033】本発明において、高度加工性を保持する目
的で以て、数平均分子量が6,000〜40,000なる
範囲の数平均分子量のポリエステル樹脂を必須の成分と
して用いる。
【0034】6,000未満の場合には、どうしても、
高度加工性の保持が困難であるし、一方、40,000
を超えて余りに高くなる場合には、どうしても、有機溶
剤に溶解させることが困難となるし、加えて、希釈粘度
が高くなって、実用的ではなくなるので、いずれの場合
も好ましくない。
【0035】好ましくは、8,000〜30,000なる
範囲内である。
【0036】当該ポリエステル樹脂のうち、前記した
(A−1)なる形の樹脂は、ジカルボン酸と、ジオール
とを主体として製造されるものであるが、ポリエステル
樹脂の水酸基価を高め、かつ、分子量を高める目的で以
て、3価以上の多価カルボン酸および/または多価アル
コールを、それぞれ、5モル%未満の範囲内において使
用することが出来る。
【0037】多価カルボン酸と多価アルコールとを、そ
れぞれ、5モル%を超えて余りに多く使用する場合に
は、どうしても、高分子量領域にある該ポリエステル樹
脂が、ゲル化を生じ易くなるので、好ましくない。
【0038】より好ましくは、それぞれ、3%未満であ
る。
【0039】当該ポリエステル樹脂のうち、前記した
(A−2)なる形の樹脂は、ジカルボン酸と、ジオール
とを主体として調製された、カルボキシル基を残した中
間体ポリエステル樹脂を、ジグリシジル−エステルやエ
ーテルなどの、各種のエポキシ樹脂で以て鎖伸長せしめ
ることによって得ることが出来る。
【0040】この際に、分子量や酸価の如き諸性状値の
調整など、必要によっては、モノグリシジル−エステル
やエーテルなどの、各種のエポキシ樹脂を、少量、使用
することは、何ら差し支えない。
【0041】また、必要によっては、前述した如く、3
価以上の多価カルボン酸および/または多価アルコール
を、極く少量、併用してもよいが、エポキシ樹脂で以て
鎖伸長するときに、ゲル化し易くなるので、極力、使用
しない方が望ましい。
【0042】また、上記した中間体ポリエステル樹脂
は、一般には、エポキシ樹脂との反応に与るカルボキシ
ル基を残すという必要性から、酸過剰の状態で以て製造
することが望ましいが、アルコール過剰で以て反応せし
めたのちに、無水ジカルボン酸を付加反応せしめても、
容易に、得ることが出来る。
【0043】このようにして得られるポリエステル樹脂
と、エポキシ樹脂とを、第三級アミン、第四級アミンま
たはホスフィンなどのような、公知慣用の各種の触媒で
以て、あるいは無触媒下で、80〜180℃程度の温度
で反応せしめることによって得ることが出来る。
【0044】この際に、使用できるエポキシ樹脂として
は、特に限定はなく、市販のものを、そのまま、使用す
ることが出来る。それらのうちでも特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、「エピクロン 1050、
4050、7050もしくは7055」[以上、大日本
インキ化学工業(株)製品]などをはじめ、
【0045】「エピコート 152、154、100
1、1002、1004、1007、1009もしくは
1010」[以上、油化シェル(株)製品]、「デナコ
−ル EX−111、−121、−141、−145、
−146、−171、−192、−731、−147、
−211、−212、−810、−811、−850、
【0046】−861、−701、−721、−91
1、−941、−920、−931、−921、−20
00、−4000、−922、−701もしくは−72
1」[以上、ナガセ(株)製品]などのような、種々の
モノ−ないしはジグリシジルエ−テル、グリセリントリ
グリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルポリグリシ
ジルエ−テル、ポリグリセロ−ルポリグリシジルエ−テ
ル、
【0047】ソルビタンポリグリシジルエ−テル、トリ
グリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−ト、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テ
ルの如き、各種の多価アルコ−ルグリシジルエ−テル、
p−tert−ブチル安息香酸モノグリシジルエステ
ル、ステアリン酸モノグリシジルエステル、「バーサチ
ック酸」モノグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、
【0048】ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、セバチン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグ
リシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、
トリメッリト酸ジ−ないしはトリグリシジルエステルま
たはピロメッリト酸ジ−、トリ−ないしはテトラグリシ
ジルエステルなどである。
【0049】当該ポリエステル樹脂のうち、前記した
(A−3)なる形の樹脂は、ジカルボン酸と、ジオール
とを主体として調製された、水酸基を残した中間体ポリ
エステル樹脂を、ジイソシアネートで以て鎖伸長せしめ
ることによって得ることが出来る。
【0050】この際に、分子量や酸価の如き諸性状値の
調整など、必要によっては、モノイソシアネートを、少
量、使用することは、何ら差し支えない。また、必要に
よっては、前述した如く、3価以上の多価カルボン酸お
よび/または多価アルコールを、極く少量、併用しても
よいけれども、ジイソシアネートで以て鎖伸長せしめる
ときに、ゲル化し易くなるので、極力、使用しない方が
望ましい。
【0051】また、此の(A−3)なる形の樹脂は、一
般には、イソシアネートとの反応に与る水酸基を残すと
いう必要性から、アルコール過剰の状態で以て調製する
ことが望ましい。
【0052】このようにして得られるポリエステル樹脂
と、ジイソシアネートとを、ジブチルチンジオクテート
または2−メチルイミダゾールなどのような、公知慣用
の各種の反応触媒の共存下で、あるいは無触媒下で、5
0〜100℃程度の温度で反応せしめて得ることが出来
る。
【0053】使用できるイソシアネート化合物として
は、特に限定はなく、市販のものを、そのまま、使用す
ることが出来る。それらのうちでも特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、トリレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ジメチルビフェニレンジイ
ソシアネート、ジメトキシビフェニレンジイソシアネー
ト、ジクロロビフェニレンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネート、テトラヒドロナフタレンジイソシ
アネートなどをはじめ、
【0054】テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはジメ
チルジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどであ
る。
【0055】あるいは、これらの種々のイソシアネート
の、2量体ないしは3量体もまた、使用することが出来
る。
【0056】当該高分子量ポリエステル樹脂(A−1)
の製造は、既に、公知慣用の高分子量ポリエステル樹脂
の製造方法である、それぞれ、エステル交換法、あるい
は直接エステル化法などによるエステル化反応ののち
に、減圧下で、脱アルコールを行うなどの、公知慣用の
高分子量ポリエステル樹脂の製造方法によって調製する
ことが出来る。
【0057】また、ポリエステル樹脂(A−2)および
(A−3)なる中間体ポリエステル樹脂は、公知慣用の
ポリエステル樹脂の製造方法に従って、容易に、調製す
ることが出来る。
【0058】かかる高分子量ポリエステル樹脂に使用で
きる原料としては、特に限定はないが、それらのうちで
も特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサ
ンジアシッド、無水トリメリット酸、無水ピロメリト
酸、無水テトラクロルフタル酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、フマル酸、アジピン酸、セバチン酸の如き、各種の
多価カルボン酸;
【0059】エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、数平均分子量が150〜6000なるポリエチレン
グリコールもしくはポリプロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチルプロパンジオール、エチル
ブチルプロパンジオール、ヘキサンジオール、ブチレン
グリコール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジトリメ
チロールプロパン、3,3−ジメチロールヘプタン、ペ
ンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノールの如
き、各種の多価アルコール;
【0060】さらには、これらのアルキレンオキサイド
付加体、ビスフェノール−A、−Fないしは−Sの如
き、各種のアルキレンオキサイド付加体;ε−カプロラ
クトンなどの分子内エステル;あるいはその開環重合し
た、分子量が200〜5,000なる範囲内のラクトン
ポリマー;
【0061】「トーレシリコーン SH−6088、−
6018もしくは−5050」「トーレシリコーン
(株)製品」などのような、反応可能なる種々のシリコ
ーン樹脂など、通常、これらのポリエステル樹脂の製造
に使用されているようなものであれば、任意の割合で以
て、使用することが出来る。当該ポリエステル樹脂の使
用量は、高度加工性を保持するためには、95〜60重
量%であることが必要である。
【0062】本発明において、架橋剤成分として用いら
れる、前記した、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ドおよび/またはN−アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、あるいは、それらのモノ置換誘導体を、必須
の構成成分としたアクリル系樹脂(B)中の、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミドおよび/またはN−アル
コキシメチル(メタ)アクリルアミド、あるいは、それ
らのモノ置換誘導体の含有率については、
【0063】当該アクリル系樹脂中の30重量%未満の
場合には、どうしても、架橋に寄与するN−メチロール
基またはN−アルコキシメチロール基が不足する処とな
り易く、塗膜の架橋が進まないようになるし、一方80
重量%を越えて余りに多く使用する場合には、どうして
も、有機溶剤に溶解し難くなるので、いずれの場合も好
ましくない。
【0064】
【0065】また、N−アルコキシメチロール基中のア
ルコキシ基については、特に制限はないが、一般的に
は、その製造の容易さなどにより、エーテル化用の1価
アルコールの炭素数としては、1〜5なる範囲内のもの
の使用が、最も望ましい。
【0066】さらに、N−メチロール(メタ)アクリル
アミドおよび/またはN−アルコキシメチル(メタ)ア
クリルアミドのモノ置換誘導体の置換基についても、特
に制限はないが、置換基の分子量が余り大きすぎると、
N−メチロール基含有率が低下して、架橋剤としての効
果が低下するようになるので、好ましくない。
【0067】かかる置換基の炭素数としては、1〜8な
る範囲内のものが、最も好ましい。
【0068】用いられるN−メチロール(メタ)アクリ
ルアミドおよび/またはN−アルコキシメチル(メタ)
アクリルアミドのモノ置換誘導体として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、N−メチル−N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブチル−N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミドまたはN−ジアセトン−
N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどをはじめ、
さらには、これらのアルキルエーテル化物などである。
【0069】当該アクリル系樹脂(B)の分子量として
も、特に制限するものではないが、数平均分子量が50
0未満のアクリル系樹脂の調製は、多量の連鎖移動剤や
重合開始剤など使用して行うという、あるいは、重合濃
度を下げて行うという、通常のアクリル系樹脂の低分子
量化の手段を駆使する製造方法によっては、調製するこ
とが、極めて困難である。
【0070】一方、数平均分子量が10,000を超え
て余りに高くなる場合には、高分子量ポリエステル樹脂
との相溶性が、多くの場合において、無くなるようにな
る。好ましくは、1,000〜8,000という範囲内に
あるものを使用すべきであり、そのようにすれば、期待
される結果が得られ易い。
【0071】当該樹脂(B)の使用量としても、何ら、
限定されるものではないが、5重量%未満の場合には、
どうしても、塗膜の架橋密度が上がらなくなるし、一
方、40重量%を超えて余りに多くなる場合には、どう
しても、必要なるポリエステル樹脂の量が不足するよう
になって、高度加工性を保持せしめことが困難となるの
で、いずれの場合も好ましくない。
【0072】好ましくは、5〜40重量%の範囲内で以
て使用することが肝要である。より好ましくは、10〜
35重量%の範囲内で以て使用すべきであり、そのよう
にすれば、期待される結果が得られ易い。
【0073】また、必要によっては、当該アクリル系樹
脂と、塗料用アミノ樹脂および/またはブロックイソシ
アネート化合物などの、公知慣用のの架橋剤とを複合し
た形で以て使用することも出来る。
【0074】当該アクリル系樹脂(B)の製造に使用で
きる原料としては、特に限定はないけれども、それらの
うちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸の如き、各種
のカルボキシル基含有モノマー類;2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4ーヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、モノブチルヒドロキシルフマレート、モノブ
チルヒドロキシルイタコネートの如き、各種の水酸基含
有モノマー類;
【0075】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ートの如き、各種の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドま
たは(メタ)アクリロニトリルなどのような種々の窒素
含有ビニル系単量体類;
【0076】スチレン、αーメチルスチレン、ビニルト
ルエンの如き、各種のスチレン誘導体類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニルの如き、各種のビニルエステル類;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、「サイラプレーン FMー07
11」[チッソ(株)製のメタクリロイロシリコンマク
ロマー]などのような種々の珪素含有モノマー類;
【0077】さらには、燐含有ビニル系単量体類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、トリフルオロクロルエチレン、テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロ
プロピレンの如き、各種のハロゲン化ビニル類;または
ブタジエンの如き、各種の共役ジエン類などである。
【0078】当該アクリル系樹脂の製造方法としては、
特に限定はなく、常法によって調製することが出来る。
たとえば、有機溶剤、上掲した如き各種のアクリル系樹
脂調製用モノマーおよび重合開始剤を使用して、加熱攪
拌して重合反応を行うというものである。
【0079】あるいは、有機溶剤を加熱攪拌しながら、
上掲した如き各種のアクリル系樹脂調製用モノマーと、
重合開始剤とを滴下して重合反応を行うというものであ
るし、さらには、有機溶剤、樹脂調製用モノマーおよび
重合開始剤を、オートクレーブ内で以て重合反応を行う
などの方法が用いられる。
【0080】これらのモノマ−を反応せしめることによ
って、目的とするアクリル系樹脂を製造するには、重合
開始剤が使用されるが、かかる重合開始剤としては、特
に限定はないものの、それらのうちでも特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、過硫酸アンモニウム、
過酸化水素などのような、種々の無機のパーオキサイド
化合物;または過酸化ベンゾイルなどのような、種々の
アシルパーオキサイド化合物;あるいは第3級ブチルヒ
ドロパーオキサイド;
【0081】p−メンタンヒドロパーオキシドなどのよ
うな、種々のアルキルヒドロパーオキサイド化合物;ま
たはジ−tert−ブチルパーオキシドなどのような、
種々のジアルキルパーオキシドなどで代表されるよう
な、種々の有機パーオキシド化合物;あるいは、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾジ−tert−ブタンなど
のような、種々のアゾ系化合物などである。
【0082】また、上掲したような、無機または有機パ
ーオキサイド化合物は、還元剤と組み合わせて、いわゆ
るレドックス系触媒として使用することも出来る。これ
らの重合触媒は、単独使用でも2種以上の併用でもよい
ことは、勿論である。
【0083】この場合における上記還元剤として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、有機アミン
類;L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、ナフテン酸
コバルト、オクテン酸コバルト、ナフテン酸鉄またはオ
クテン酸鉄などが挙げられる。
【0084】本発明において用いられる、前述した、そ
れぞれ、ポリエステル樹脂(A)ならびにアクリル系樹
脂(B)は、一般に、有機溶剤に溶解して使用される
が、使用できる有機溶剤としては、特に限定はないが、
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、トルエン、キシレン、「ソルベッソ100」
[エクソン化学(株)製品]、「スワゾール1500も
しくは1800」[丸善石油(株)製品]などのよう
な、種々の芳香族系炭化水素溶剤などをはじめ、
【0085】オクタン、ヘキサン、デカン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン、水添ナフタレンなどのような、種々の脂肪族系ない
しは脂環式系炭化水素溶剤;エタノール、イソプロピル
アルコール(イソプロパノール)、n−ブタノール、イ
ソブタノール、アミルアコール、3−メトキシブタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、フルフリールアルコール、ジアセト
ンアルコールなどのような、種々のアルコール系溶剤;
【0086】メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、ヘキシルセロソルブ、エチルカルビトール、
ブチルカルビトールなどのような、種々のエチレングリ
コール誘導体系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのよ
うな、種々のケトン系溶剤;N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホオキシド、テトラヒドロフランなどのよう
な、種々の非プロトン性溶剤などであり、これらの中か
ら、その溶解性ならびに蒸発速度よって、適宜、1種あ
るいは数種を、選択して使用することが出来る。
【0087】多くの場合に、本発明の目的の一つでもあ
る塗装鋼板においては、高速塗装で、かつ、高温短時間
焼き付けが行われるので、塗膜にピンホールなどの塗膜
欠陥を生じないように、沸点が100℃以上なる溶剤
を、2〜3種類以上、混合して使用することが望まし
い。
【0088】一般には、芳香族系炭化水素溶剤類の90
〜30重量%と、エステル系溶剤類、ケトン系溶剤類お
よび/またはエーテル系溶剤類などの、いわゆる極性溶
媒の10〜70重量%との割合で以て使用することが望
ましい。
【0089】また、脂肪族系炭化水素またはは脂環式系
炭化水素溶剤類は、ポリエステル樹脂およびアクリル系
樹脂の貧溶剤ともなるので、樹脂粘度が高くなり易く、
ひいては、作業性が良くないなどの欠点があるので、そ
の使用量としては、特に制限するものではないけれど
も、やはり、少ない方が望ましい。
【0090】かくして得られる、本発明のプレコート塗
料用樹脂組成物の焼き付け温度は、鋼板の厚さ、あるい
は、焼き付け炉の能力、塗料の硬化性などによって、適
宜、選択してもよいが、N−メチロール基およびNーア
ルコキシメチロール基の反応温度などを考慮して、13
0〜300℃程度の範囲内で焼き付けを行うべきであ
る。より好ましくは、150〜270℃なる範囲内であ
る。
【0091】本発明のプレコート塗料用樹脂組成物は、
アクリル樹脂、オイルフリー・アルキド樹脂、アルキド
樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂またはウレタン樹脂などのような、種々の
樹脂類を、本発明の目的を逸脱しないような範囲内で、
あるいは、本発明の効果を損なわない範囲内で、添加す
ることによって、改質せしめることもできる。
【0092】また、目的ないしは用途に応じて、酸化チ
タン、弁柄、ジンククロメート、フタロシアニンブルー
またはキナクリドンレッドなどのような、種々の無機系
ないしは有機系顔料をはじめ、ガラスファイバー(硝子
繊維)、シリカ、ワックス、紫外線吸収剤、光安定化
剤、酸化防止剤または着色防止剤などのような、通常の
塗料に用いることの出来る、公知慣用の各種の顔料類な
らびに添加剤類などを添加して、ロール練り機、ボール
ミルまたはブレンダーなどのような、種々の混合機で以
て、直接、混練りすることが可能であり、
【0093】そのようにして得られる塗料は、ローラー
塗り、ロールコーター、カーテンフローコーターまたは
スプレー塗装あるいは静電塗装などのような、種々の手
段を駆使して、適宜、選択して、鋼板上に塗装される。
【0094】かくして得られる塗膜は、折曲げ、深絞り
などの、いわゆる高度加工性に、極めて優れるというも
のであるし、しかも、耐汚染性、硬度、耐溶剤性、密着
性ならびに耐候性などに優れるというものであるし、加
えて、高度の光沢をも有するというものである。
【0095】そのほか、本発明のプレコート塗料用樹脂
組成物は、アルミニューム、鉄板、錫鍍金鋼板などに代
表されるような、各種の基材;種々の前処理を施した各
種鋼板;ステンレススチール;アルカリ基材の如き、各
種の無機質基材;各種の木材などの下塗り用被覆剤とし
ても、あるいは、上塗り用被覆剤としても、さらには、
自動車の上塗り、中塗り用、制振鋼板用、接着剤用、粘
着剤用あるいは繊維加工用などとしても有用である。
【0096】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明することにするが、本発
明は、その技術的思想を逸脱しない限り、これらの実施
例のみに、何ら、限定されるものではない。
【0097】なお、以下において、特に断りの無い限
り、部および%は、すべて重量基準であるものとする。
【0098】参考例1 窒素ガスを還流せしめた、清浄なる反応容器に、テレフ
タル酸の491.3部、イソフタル酸の163.8部、
アジピン酸の117.1部、ネオペンチルグリコールの
249.8部およびエチレングリコールの148.7部
と、チタンブトキサイトの0.2部とを仕込み、攪拌し
ながら、160〜240℃にまで、2時間かけて昇温
し、さらに、5時間に亘ってエステル化反応を行った。
【0099】続いて、30分間、20〜25mHgに減
圧し、さらに、260℃で、50分間のあいだ重縮合反
応を行った。かくして得られた共重合ポリエステル樹脂
は、ゲル・パーメーション・クロマト・グラフィー(G
PC)を用いての、標準ポリスチレン換算による数平均
分子量が15,000であり、かつ、固形分の酸価が
1.0なるものであった。
【0100】このポリエステル樹脂1,000部を、シ
クロヘキサノン/「ソルベッソ100」=1/1(重量
比;以下同様)なる組成の混合溶剤で以て、よく撹拌し
溶解せしめて、不揮発分が40%なる、粘ちょうな高分
子量ポリエステル樹脂(A−1)を得た。以下、これを
樹脂(A−1)と略記する。
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】参考例 窒素ガスを還流せしめた、清浄なる反応容器に、「スワ
ゾール1500」の100部、シクロヘキサノンの20
0部、n−ブタノールの500部およびメチルエチルケ
トンの300部を仕込み、加熱撹拌しながら、80℃に
まで昇温した。
【0115】次いで、ここへ、n−ブトキシメチルアク
リルアミドの230部、アクリルアミドの70部、エチ
ルアクリレートの80部、メチルメタクリレートの20
部、n−ブチルアクリレートの40部および2−ヒドロ
キシエチルアクリレートの60部と、トルエンの250
部およびn−ブタノールの300部と、「パーブチル
O」の40部およびアゾビスイソブチロニトリルの30
部との混合物を、3時間かけて滴下した。
【0116】滴下終了後も、同温度に、5時間のあいだ
保持して重合反応を続行せしめてから、50℃にまで冷
却し、1,300部の溶剤を、減圧下で、脱溶剤せしめ
ることによって、不揮発分が60%なる、粘稠な樹脂
(B)を得た。
【0117】GPCを用いての、標準ポリスチレン換算
による、此の樹脂の数平均分子量は3,300なるもの
であった。以下、これを樹脂(B−)と略記する。
【0118】参考例 窒素ガスを還流せしめた、清浄なる反応容器に、「スワ
ゾール1500」の100部、シクロヘキサノンの20
0部、n−ブタノールの500部およびメチルエチルケ
トンの300部を仕込み、加熱撹拌しながら、80℃に
まで昇温した。
【0119】n−ブトキシメチルアクリルアミドの20
0部、アクリルアミドの70部、スチレンの20部、エ
チルアクリレートの70部、N−ジアセトン−N−メチ
ロールアクリルアミドの50部、n−ブチルアクリレー
トの20部および2−ヒドロキシルエチルアクリレート
の70部と、トルエンの250部およびn−ブタノール
の300部と、「パーブチル O」の40部およびアゾ
ビスイソブチロニトリルの33部とをよく混合せしめ
て、これらの混合物を、3時間かけて滴下した。
【0120】滴下終了後も、同温度に、5時間保持して
重合反応を続行せしめてから、50℃にまで冷却し、
1,300部の溶剤を、減圧下で、脱溶剤せしめて、不
揮発分が60%なる、粘稠な樹脂(B)を得た。
【0121】GPCを用いての、標準ポリスチレン換算
による、此の樹脂の数平均分子量は3,100であっ
た。以下、これを樹脂(B−2)と略記する。
【0122】参考例 窒素ガスを還流せしめた、清浄なる反応容器に、ヘキサ
メチレンジイソシアネートの340.0部および「スワ
ゾール100」の300部を仕込み、撹拌しながら、8
0℃に保持した処へ、メチルエチルケトキシム(MEK
オキシム)の355部を、3時間かけて滴下せしめるこ
とによって、不揮発分が70%なるブロック・イソシア
ネート化合物(BI−1)を得た。
【0123】実施例1 参考例1で得られた高分子量ポリエステル樹脂:樹脂
(A−1)の175部と、「ソルベッソ100」の40
部、シクロヘキサノンの35部および「タイペーク C
R−95」[石原産業(株)製のルチル型酸化チタン]
の100部とを、実験用小型サンドミルで練肉せしめた
のちに、参考例で得られたアクリル系樹脂:樹脂(B
−1)の50部を加えて、これらの両樹脂の固形分総量
の100部に対して、顔料が1:1(重量部比)となる
ような割合で以て、
【0124】さらに、「ネイキュア 5225」(アメ
リカ国キング社製のアミン・ブロック型酸性触媒)の
0.3部をも加え、よく攪拌せしめることによって、本
発明の塗料用樹脂組成物、つまり、塗料を調製せしめ
た。
【0125】実施例2 各参考例で得られた、それぞれの樹脂液を、第1表に示
されるような配合割合で以て、実施例1と同様にして、
樹脂固形分総量の100部/顔料=1/1(固形分重量
比)となるように混合せしめ、小型サンドミルで以て練
肉し、塗料化せしめた。
【0126】比較例1〜4 第2表に示されるような組成比(配合割合)に変更する
以外は、実施例1と同様にして、対照用の塗料用樹脂組
成物、つまり、塗料を調製せしめた。
【0127】以後は、各実施例ならびに比較例で以て得
られた、それぞれの塗料を用いて、下記するような条件
で、塗装をし、焼き付けを行って、各種の試験用硬化塗
膜(試験板)を得た。
【0128】しかるのち、かくして得られた、それぞれ
の試験板について、塗膜性能の比較検討を行った。それ
らの結果は、まとめて、第1表および第2表に示す。
【0129】《試験板作製条件》 基 材:新日本製鐵(株)製の電気亜鉛メッキ鋼板
(EG板);板厚=0.5mm
【0130】塗 装:アプリケーターを使用して、乾
燥膜厚が20ミクロン(μm)となるようにした。 焼き付け:270℃で、40秒間
【0131】《諸塗膜性能の評価判定要領》各評価判定
項目ならびにその評価判定要領は、次の通りである。
【0132】(1) 硬度(エンピツ硬度):鋼板の塗
面を、JIS S−6006に規定された高級鉛筆を用
い、JIS K−5400に従って測定した。
【0133】(2) 光 沢:60度鏡
面反射率を測定した。
【0134】(3) デュ ポ ン 衝 撃 値 :デュポン
衝撃試験器を使用し、荷重を1.0kgとし、1/2イ
ンチ・ノッチ付きで、所定の高さから、塗膜上に、此の
重りを落下させて、塗面に割れを生じない、最大の高さ
を測定値とした(JISK−5460)。
【0135】(4) T ベ ン ド:塗装鋼板
を、180度に折り曲げ、その屈曲部に発生する割れを
判定した。
【0136】「0T」とは、何も挟まずに、直接、折り
曲げた場合に、異状の無いことを、「1T」とは。折り
曲げ部に、同じ板厚のものを、1枚、挟んだ場合を指
す。
【0137】また、「2T」とは、折り曲げ部に、同じ
板厚のものを、2枚、挟んだ場合を指す。
【0138】(5) ク ロ ス カ ッ ト ・エリクセン
・テスト :1mm間隔に、直角に、11本の直線を引
いて、その中央部を、エリクセン試験器で以て押し出し
て、剥離するまでの押し出し長さ(mm)を測定した。
【0139】(6) 耐 汚 染 性:油性イン
キを、0.5cm×2cmなるサイズの塗面上に塗り、
20℃で、24時間のあいだ放置せしめたのちに、トル
エンを含浸したガーゼで拭きとった時の、汚れの度合い
を測定した。
【0140】◎………全く、汚染されず ○………極く僅かながら、汚染される △………少しく、汚染される(中位程度の汚染) ×………著しく、汚染される(高度の汚染)
【0141】(7) 耐 溶 剤 性:キシロー
ルを滲ませた脱脂綿で以て、塗面を擦り、素面が露出す
るまでの回数で以て、表示した。
【0142】(8) 耐 沸 水 性:沸騰水中
に、2時間にあいだ浸漬したのちの塗面の状態を、目視
により判定した。
【0143】◎………全く、変化が認められなく、極め
て良好 ○………少しく、光沢の低下があるのみ △………少し、光沢の低下があるし、加えて、ブリスタ
ーの発生も、少しくあり ×………光沢の低下も、ブリスターの発生も共に顕著
【0144】なお、第1表および第2表中の、配合に係
る数値は、いずれも、固形分重量比で以て表わされた部
数である。
【0145】
【0146】
【表1】
【0147】《第1表の脚注》 「L−105−60」………「スーパーベッカミン L
−105−60」の略記であって、大日本インキ化学工
業(株)製のメチルエーテル化メラミン樹脂;不揮発分
=60%
【0148】「G−821−60」………「スーパーベ
ッカミン G−821−60」の略記であって、大日本
インキ化学工業(株)製のブチルエーテル化メラミン樹
脂;不揮発分=60%
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】《第2表の脚注》 「A−430−60」………「アクリディク A−43
0−60」の略記であって、大日本インキ化学工業
(株)製のメラミン樹脂硬化型家電用アクリル樹脂;不
揮発分=60%、数平均分子量=約13000
【0152】「M−6003−60」……「ベッコライ
ト M−6003−60」の略記であって、大日本イン
キ化学工業(株)製のオイルフリーアルキド樹脂;不揮
発分=60%、数平均分子量=約2,500、水酸基価
=約140
【0153】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は、従来型ポ
スト・コートとして使用されていた、アルキド樹脂やア
クリル系樹脂などのように、塗膜硬度が高い、というこ
とに加えて、とりわけ、耐汚染性、耐薬品性ならびに耐
蝕性などの優れた塗膜諸性能を保持しつつ、しかも、高
分子量ポリエステル樹脂本来の、折曲げや深絞りなど
の、いわゆる高度加工性のある、就中、PCM塗料用な
どとして有用なるものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−52366(JP,A) 特開 平1−110552(JP,A) 特開 昭49−97071(JP,A) 特開 昭56−84758(JP,A) 特開 昭57−179255(JP,A) 特開 平3−39377(JP,A) 特開 昭56−118463(JP,A) 特開 平4−314770(JP,A) 特開 昭59−210977(JP,A) 特公 昭49−30517(JP,B1) 特公 昭49−40863(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 167/00 - 167/08 C09D 133/00 - 133/26 B05D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 95〜60重量%の6,000〜40,0
    00なる範囲の数平均分子量を有するポリエステル樹脂
    と、架橋剤としての、5〜40重量%のN−メチロール
    (メタ)アクリルアミドおよび/またはN−アルコキシ
    メチル(メタ)アクリルアミドあるいはそれらのモノ置
    換誘導体を必須成分として含有するアクリル系樹脂とを
    配合せしめてなり、該N−メチロールアクリルアミドお
    よび/またはN−アルコキシメチル(メタ)アクリルア
    ミドあるいはそれらのもの置換誘導体が該アクリル樹脂
    中30〜80重量%であることを特徴とする、プレコー
    ト塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記6,000〜40,000なる範囲の
    数平均分子量を有するポリエステル樹脂が、3,000
    〜20,000なる範囲の数平均分子量を有するポリエ
    ステル樹脂とエポキシ樹脂とを反応させて得られる、請
    求項1又は2記載のプレコート塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記6,000〜40,000なる範囲の
    数平均分子量を有するポリエステル樹脂が、3,000
    〜20,000なる範囲の数平均分子量を有するポリエ
    ステル樹脂とジイソシアネートとを反応させて得られ
    る、請求項1又は2記載のプレコート塗料用樹脂組成
    物。
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