JPH08291128A - 含ハロゲンシアン酸エステルとその製造方法 - Google Patents

含ハロゲンシアン酸エステルとその製造方法

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JPH08291128A
JPH08291128A JP9835795A JP9835795A JPH08291128A JP H08291128 A JPH08291128 A JP H08291128A JP 9835795 A JP9835795 A JP 9835795A JP 9835795 A JP9835795 A JP 9835795A JP H08291128 A JPH08291128 A JP H08291128A
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JP
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halogen
cyanate ester
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group
ester
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Hisashi Watabe
久 渡部
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子部品の封止用、積層板用、複合材料用、成
形材料用および接着剤用として有用な難燃材となる高純
度の含ハロゲンシアン酸エステルとその製造方法を提供
すること。 【構成】下記一般式[I] [式中、Aは炭素数1以上6以下の炭素水素基を示し、
Aは相互に異なっていても良い。Bはハロゲン原子であ
り、Xは単結合、炭素数1から20の炭化水素基、カル
ボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子または酸素原子
である。iは0以上3以下の整数値で相互に異なってい
ても良く、jは1以上4以下の整数値で相互に異なって
いても良い。nは0または1を表わす。]で示される含
ハロゲンシアン酸エステルであって、その1. 0%(重
量/容量)クロロホルム溶液について、赤外分光光度計
を用いセル長1. 0mmで測定した波数1660〜17
40cm-1における吸光度の最大値を波数2100〜2
300cm-1における吸光度の最大値で除した値が0.
2以下であることを特徴とする含ハロゲンシアン酸エス
テル、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品の封止用、積層
板用、複合材料用、成形材料用および接着剤用として有
用な難燃材となる含ハロゲンシアン酸エステルおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のシアネート基を有するシアン酸エ
ステルは3量化により熱硬化し、シアネート樹脂を与え
ることが知られている。得られた硬化物は機械的性質に
優れ、低誘電性を示すうえに、熱安定性も高いことか
ら、電子部品の封止用、積層板用、複合材料用、成形材
料用および接着剤用に適している。しかしながら、ハロ
ゲン原子を含まないシアネート樹脂に耐燃性(94UL V-
0)を与えるために、難燃材として、例えば含臭素エポ
キシ樹脂等と混合するとシアネート樹脂が持つ機械的性
質、低誘電性および熱安定性に悪影響を与える。そこ
で、含ハロゲンシアン酸エステルの製造が試みられてき
たが、フェノール性芳香環にハロゲン原子が置換するた
め、該フェノール基の酸性度はハロゲン原子が置換しな
いフェノール基より高くなり、結果として未反応の該フ
ェノール基と生成シアネート基が反応してイミノ炭酸エ
ステルを与える。このイミノ炭酸エステルがシアン酸エ
ステル中に存在すると、熱硬化の際のゲル化時間が短く
なり操作性を悪化させるばかりか、生成シアネート樹脂
に含まれるイミノ炭酸エステルが吸湿して加水分解した
のち脱炭酸してしまう。イミノ炭酸エステルの副生を抑
制して含ハロゲンシアン酸エステルを製造する方法とし
て、ビスフェノールAと含ハロゲンフェノール類の混合
物をシアネート化する方法が提案されているが、含ハロ
ゲンシアン酸エステルのみを高純度に単離することには
成功していない(特公昭61−54816)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は電子部
品の封止用、積層板用、複合材料用、成形材料用および
接着剤用として有用な難燃材となる高純度の含ハロゲン
シアン酸エステルとその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、本発明は次のとおりである。 (1)下記一般式[I]
【0005】
【化5】 [式中、Aは炭素数1以上6以下の炭素水素基を示し、
Aは相互に異なっていても良い。Bはハロゲン原子であ
り、Xは単結合、炭素数1から20の炭化水素基、カル
ボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子または酸素原子
である。iは0以上3以下の整数値で相互に異なってい
ても良く、jは1以上4以下の整数値で相互に異なって
いても良い。nは0または1を表わす。]で示される含
ハロゲンシアン酸エステルであって、その1. 0%(重
量/容量)クロロホルム溶液について、赤外分光光度計
を用いセル長1. 0mmで測定した波数1660〜17
40cm-1における吸光度の最大値を波数2100〜2
300cm-1における吸光度の最大値で除した値が0.
2以下であることを特徴とする含ハロゲンシアン酸エス
テル。 (2)下記式
【化6】 [式中、Bは塩素または臭素原子を示し、Xは単結合、
炭素数1から20の炭化水素基、カルボニル基、スルホ
ン基、2価の硫黄原子または酸素原子を示す。jは1以
上4以下の整数値で相互に異なっていても良い。]で示
される(1)に記載の含ハロゲンシアン酸エステル。 (3)下記式
【化7】 で示される(1)に記載の含ハロゲンシアン酸エステ
ル。 (4)下記の一般式[II]
【化8】 [式中、A、B、X、i、j、nの定義は一般式[I]
と同じである。]で示されるフェノール類とハロゲン化
シアンとを、塩基として含窒素複素環芳香族化合物の存
在下反応させることを特徴とする含ハロゲンシアン酸エ
ステルの製造方法。 (5)含窒素複素環芳香族化合物がピリジン、ルチジ
ン、ピコリンまたはキノリンである(4)に記載の含ハ
ロゲンシアン酸エステルの製造方法。
【0006】本発明の製造方法で用いられるフェノール
類は一般式[II]を満足するものであればいかなるも
のでも使用可能であるが、同式中のAとしてはメチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロ
ヘキシル基、アリル基、フェニル基等の飽和または不飽
和炭化水素基が挙げられ、Bは塩素および臭素等のハロ
ゲン原子が挙げられる。nが1の場合には、Xとしてビ
フェニル型の単結合、イソプロピリデン基、シクロヘキ
シリデン基、ビニレン基、カルボニル基、エーテル基、
スルフィド基およびスルホン基が挙げられる。
【0007】フェノール類を例示すると、クロロフェノ
ール、ブロモフェノ−ル、4−メチル−2−クロロフェ
ノール、2−メチル−4−クロロフェノール、4−メチ
ル−2−ブロモフェノール、2−メチル−4−ブロモフ
ェノール、ジクロロフェノ−、ジブロモフェノ−ル、4
−メチル−2,5−ジクロロフェノール、4−メチル−
2,5−ジブロモフェノール、トリブロモフェノール、
3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラブロモ
−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)メンタン、ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5,
2,1,02.6 ]デカン、ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5,2,1,0
2.6 ]デカン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エ−テ
ル、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)カルボニル、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)カルボニル、ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、等が挙げ
られる。
【0008】本発明の含ハロゲンシアン酸エステルは、
有機溶媒中でフェノール類をハロゲン化シアンによりシ
アネート化する際に、塩基として特に含窒素複素環芳香
族化合物の存在下に行うことにより得ることができる。
例示すると、ピリジン、ルチジン、キノリン、コリジ
ン、ピラジン、ピコリン等が挙げられる。これらの塩基
は任意の割合で組み合わせて用いても良い。
【0009】反応溶媒としてはアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチ
ルエーテル、ジメチルセロソルブ、ジグライム、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、
ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリドン、ジメチルスルホキシド等
の非プロトン性極性溶媒、アセトニトリル、ベンゾニト
リル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼ
ン等のニトロ系溶媒、酢酸エチル、安息香酸エチル等の
エステル系溶媒が使用可能である。
【0010】ハロゲン化シアンとしては塩化シアンある
いは臭化シアンが用いられ、塩化シアンを用いる場合、
反応温度は好ましくは−30〜15℃、より好ましくは
−10℃〜15℃、臭化シアンを用いる場合は好ましく
は−30℃〜65℃の温度で行われる。含窒素複素環芳
香族化合物はフェノール類の水酸基に対して好ましくは
1.0〜5倍当量、さらに好ましくは1.0〜1.5倍
当量使用され、ハロゲン化シアンはフェノール類の水酸
基に対して好ましくは1.0〜5倍当量、さらに好まし
くは1.0〜1.5倍当量使用される。
【0011】後処理は水洗あるいは濾過により副生した
塩基のハロゲン化水素塩を除去した後、濃縮、沈澱化あ
るいは晶析により行われる。水洗を行う場合はあらかじ
め水と相分離する溶媒を反応溶媒として用いるのが好ま
しい。塩基を効率的に洗浄するため反応液を塩酸等の酸
性水溶液で水洗することも可能である。濃縮は生成物の
融点以下の温度で減圧下行うのが好ましく、温度を上げ
すぎるとシアネートの3量化が始まるので好ましくな
い。沈澱化および晶析は生成物を貧溶媒に添加するか、
あるいは逆に添加することにより行われる。貧溶媒とし
は、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノール、アミ
ルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、石油エ
−テル等の炭化水素類が好ましい。アルコール類につい
ては、水と任意の割合で混合して用いても良い。また、
アルコール類と炭化水素類は、任意の割合で混合して用
いても良い。
【0012】得られた含ハロゲンシアン酸エステルの純
度は赤外分光光度計により定量可能である。すなわち、
含ハロゲンシアン酸エステルのシアネート基の吸収帯が
2100〜2300cm-1に観察され、一方、不純物の
イミノ炭酸エステル基の吸収帯が1660〜1740c
-1に観察されることから、その強度比により純度が測
定できる。本発明により得られる含ハロゲンシアン酸エ
ステルの赤外吸収スペクトルを測定するならば、波数1
660〜1740cm-1における吸光度の最大値を波数
2100〜2300cm-1における吸光度の最大値で除
した値は0. 2以下である。
【0013】前述の吸光度は、含ハロゲンシアン酸エス
テルの1. 0%(重量/容量)クロロホルム溶液をセル
長1. 0mmのKBr液体用セルに入れ、フーリエ変換
型赤外分光光度計(例えば、Perkin Elmer 1600 型、パ
ーキンエルマージャパン社製)により測定積算回数4回
の赤外吸収スペクトルを測定し、波数1660〜174
0cm-1における吸光度の最大値と波数2100〜23
00cm-1における吸光度の最大値をブランク(クロロ
ホルム)と比較して求めることができる。
【0014】従来知られていたシアン酸エステルの合成
方法(USP3553244)に従い、塩基にトリエチ
ルアミンを用いて含ハロゲンシアン酸エステルを合成し
た場合、得られた含ハロゲンシアン酸エステルの赤外吸
収スペクトルを前述の方法により測定するならば強度比
は1. 22となる。このようにイミノ炭酸エステルを多
く含有する含ハロゲンシアン酸エステルは200℃で3
0秒後にはゲル化し、実用に耐えなかった。本発明者ら
の検討結果によれば、同様の測定条件による強度比が
0. 2以下の含ハロゲンシアン酸エステルならば200
℃におけるそのゲル化時間は60秒以上となり、実用に
供することができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 撹拌機をつけた丸底フラスコに、2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ブロ
ミン コンパウンズ社製)108.8g(0.2mo
l)、塩化メチレン643gおよびピリジン(特級、和
光純薬(株)製)44.3g(0.56mol)を加
え、撹拌、溶解したのち、0℃まで冷却した。また、温
度計、撹拌機、滴下ロ−ト及び還流冷却器をつけた反応
器に窒素雰囲気下、塩化メチレン50gを加え0℃まで
冷却したのち、塩化シアン49.2g(0.8mol)
を加えた。この反応器に、丸底フラスコの溶液を−2〜
6℃で2時間30分かけて滴下しさらに同温度で30分
間保温した。次に、室温まで昇温された反応溶液は3%
塩酸水300gで洗浄ののち、水300gで2回水洗、
分液した。得られた有機層を約200gまで減圧濃縮し
てからメタノ−ル200mlを滴下し、5℃まで冷却し
ながら3時間撹拌した。得られたスラリーを濾過しメタ
ノ−ル350mlで洗浄したのち、風乾して融点199
℃の黄白色結晶103.3gを得た(収率88%)。L
C(液体クロマトグラフィ−)により、原料ビスフェノ
ール、モノシアネート体およびジシアネート体の面積百
分率を分析したところジシアネート体の面積比は99%
であった。また、この結晶の1. 0%(重量/容量)ク
ロロホルム溶液をセル長1. 0mmのKBr液体用セル
に入れ、フーリエ変換型赤外分光光度計(Perkin Elmer
1600 型、パーキンエルマージャパン社製)により測定
積算回数4回の赤外吸収スペクトルを測定したところ、
イミノ炭酸エステル基の1660〜1740cm-1の吸
収は認められなかった。
【0016】実施例2 温度計、撹拌機、滴下ロ−ト及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ブロミン コン
パウンズ社製)108.8g(0.2mol)、および
メチルイソブチルケトン643gを加え0℃まで冷却し
た。この反応溶液の中にピリジン(特級、和光純薬
(株)製)44.3g(0.56mol)および塩化シ
アン49.2g(0.8mol)を−2〜6℃で2時間
30分かけて滴下しさらに同温度で30分間保温した。
得られたスラリーを5℃以下まで冷却したイソプロパノ
ール500mlの中に添加し、氷温下に冷却しながら3
0分間攪拌したのち静置した。得られた沈殿物を溶液と
ともに濾過したのち、イソプロパノール500mlで洗
浄した。風乾して融点197℃の黄白色結晶84.3g
を得た(収率71%)。LCによるジシアネート体の面
積百分率は92%であった。また、この結晶の赤外分光
スペクトルから1660〜1740cm-1の吸収は認め
られなかった。
【0017】比較例1 温度計、撹拌機、滴下ロート及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ブロミン コン
パウンズ社製)108.8g(0.2mol)、および
メチルイソブチルケトン643gを加え0℃まで冷却し
た。次にトリエチルアミン(特級、和光純薬(株)製)
44.5g(0.44mol)および塩化シアン27.
1g(0. 44mol)を−2〜6℃で2時間30分か
けて滴下し、さらに同温度で30分間保温した。室温ま
で昇温された反応溶液を3%塩酸水300gで洗浄し、
さらに水300gで2回水洗した後、減圧濃縮により溶
媒を濃縮して、5℃まで冷却した。得られた生成物を5
℃まで冷却したメタノールに添加し、氷温下に冷却しな
がら30分間攪拌したのち静置した。得られた沈殿物を
溶液とともに濾過したのち、メタノール500mlで洗
浄した。風乾して融点187℃の白色結晶90. 7gを
得た(収率77%)。LCによる分析からは原料ビスフ
ェノールおよびモノシアネート体は検出されなかった
が、GPC (ゲル浸透クロマトグラフィー)で分析したと
ころ、モノマーの面積百分率は44%であり、それ以外
はすべて目的のシアネート類よりも分子量が大きいオリ
ゴマーであった。また、この結晶の赤外吸収スペクトル
の波数1660〜1740cm-1における吸光度の最大
値を波数2100〜2300cm-1における吸光度の最
大値で除した値は1.22であった。この白色結晶の2
00℃でのゲル化時間は30秒であった。
【0018】実施例1で得られた黄白色結晶と比較例1
で得られた白色結晶を所定量、混合し、クロロホルムに
溶解したのち、風乾して得た試料について、赤外吸収ス
ペクトルから得られる強度比と200℃におけるゲル化
時間を表1に示した。表1に示したように赤外吸収スペ
クトルによる強度比が0. 2以下の含ハロゲンシアン酸
エステルならばその200℃でのゲル化時間は60秒以
上となり、実用に供することができる。
【0019】
【表1】 a)(波数1660〜1740cm-1における吸光度の
最大値)/(波数2100〜2300cm-1における吸
光度の最大値) 試料の1. 0%(重量/容量)クロロホルム溶液をセル
長1. 0mmのKBr液体用セルに入れ、フーリエ変換
型赤外分光光度計(Perkin Elmer 1600 型、パーキンエ
ルマージャパン社製)により測定積算回数4回の赤外吸
収スペクトルを測定。 b)ゲル化試験器(GT−D型、日新科学製)にて20
0℃で実施。 c)1660〜1740cm-1における吸収は認められ
なかった。 d)1000秒以上経過してもゲル化しなかった。
【0020】
【発明の効果】従来の含ハロゲンシアン酸エステルはた
だちにゲル化するため、実用化が困難であったが、本発
明により得られる高純度含ハロゲンシアン酸エステル
は、ゲル化時間が遅いため、硬化触媒の添加等によりゲ
ル化時間の調整が容易であり、電子部品の封止用、積層
板用、複合材料用、成形材料用および接着剤用の難燃材
として単独で使用することが可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I] 【化1】 [式中、Aは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、
    Aは相互に異なっていても良い。Bはハロゲン原子であ
    り、Xは単結合、炭素数1から20の炭化水素基、カル
    ボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子、または酸素原
    子である。iは0以上3以下の整数値で相互に異なって
    いても良く、jは1以上4以下の整数値で相互に異なっ
    ていても良い。nは0または1を表わす。]で示される
    含ハロゲンシアン酸エステルであって、その1.0%
    (重量/容量)クロロホルム溶液について、赤外分光光
    度計を用いセル長1. 0mmで測定した波数1660〜
    1740cm-1における吸光度の最大値を波数2100
    〜2300cm-1における吸光度の最大値で除した値が
    0. 2以下であることを特徴とする含ハロゲンシアン酸
    エステル。
  2. 【請求項2】下記式 【化2】 [式中、Bは塩素または臭素原子を示し、Xは単結合、
    炭素数1から20の炭化水素基、カルボニル基、スルホ
    ン基、2価の硫黄原子または酸素原子を示す。jは1以
    上4以下の整数値で相互に異なっていても良い。]で示
    される請求項1に記載の含ハロゲンシアン酸エステル。
  3. 【請求項3】下記式 【化3】 で示される請求項1に記載の含ハロゲンシアン酸エステ
    ル。
  4. 【請求項4】下記の一般式[II] 【化4】 [式中、A、B、X、i、j、nの定義は一般式[I]
    と同じである。]で示されるフェノール類とハロゲン化
    シアンとを、塩基として含窒素複素環芳香族化合物の存
    在下反応させることを特徴とする含ハロゲンシアン酸エ
    ステルの製造方法。
  5. 【請求項5】含窒素複素環芳香族化合物がピリジン、ル
    チジン、ピコリンまたはキノリンである請求項4記載の
    含ハロゲンシアン酸エステルの製造方法。
JP9835795A 1995-04-24 1995-04-24 含ハロゲンシアン酸エステルとその製造方法 Pending JPH08291128A (ja)

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