JPH05294903A - 含フッ素芳香族ジアミン化合物、アミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合物及びそれらの製造法 - Google Patents

含フッ素芳香族ジアミン化合物、アミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合物及びそれらの製造法

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JPH05294903A
JPH05294903A JP3734592A JP3734592A JPH05294903A JP H05294903 A JPH05294903 A JP H05294903A JP 3734592 A JP3734592 A JP 3734592A JP 3734592 A JP3734592 A JP 3734592A JP H05294903 A JPH05294903 A JP H05294903A
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信司 武田
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雄二 長谷川
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正己 湯佐
Yasuo Miyadera
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フッ素含有量が多く、ポリイミド、ポリアミド
等の原料として有用な新規なジアミンを提供する。 【構成】下記化1〔一般式(I)〕で表される含フッ素
芳香族ジアミン化合物。 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Rfは−Cn2n-1(ここ
でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
を1個含み、適宜分岐していてもよく、、ベンゼン環の
水素は低級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、塩
素または臭素で置換されていてもよい〕。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素芳香族ジアミ
ン化合物、アミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合
物及びそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド、ポリアミドなどの縮合系ポ
リマーは、耐熱性に優れ、電子材料から航空宇宙材料ま
で、幅広い分野で使用されている。近年、これらの分野
では、優れた耐熱性に加えて、種々の高性能、高機能を
併せ持った材料が必要になってきている。例えば、電子
材料分野では、吸湿率、誘電率の低減や透明性の向上が
要求されている。しかし、これらの高性能化の要求に十
分にこたえることのできる材料は、これまでに得られて
いない。
【0003】このような要求を満足するポリマーを得る
ためには、モノマーである芳香族ジアミンの分子構造中
に、これらの性能を発現する置換基として、多くのフッ
素原子を含む置換基を導入することが有効であると考え
られる。
【0004】従来、多くのフッ素原子を含むパーフルオ
ロアルキル基を導入した芳香族ジアミンの例としては、
特開平1−190562号公報に、化5
【化5】 〔ただし、化5中、Rf’は、パーフルオロアルキル基
を示す)で表わされる芳香族ジアミンが示されている。
【0005】また、特開平1−180860号公報に、
化6
【化6】 で表わされる芳香族ジアミンが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平1−190
562号公報に具体的に示されているのは、パーフルオ
ロアルキル基としてトリフルオロメチル基を置換基とし
た芳香族ジアミンの製造例だけであり、これではフッ素
含量が低く、要求性能の発現は難しい。
【0007】また、特開平1−180860号公報に示
されている芳香族ジアミンは、ベンゼン環とパーフルオ
ロアルキル基との間に、結合解離エネルギーの小さいメ
チレン基が存在するため、加熱すると結合が切断しやす
く、耐熱性に劣るものであった。
【0008】そこで、本発明者らは、多くのフッ素原子
をもつ置換基としてパーフルオロアルケニルオキシ基を
分子構造中に導入した含フッ素芳香族ジアミン化合物、
その中間体及びそれらの製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における含フッ素
芳香族ジアミン化合物は、化7〔一般式(I)〕
【化7】 〔ただし、一般式(I)中、Rfは、−Cn 2n-1(こ
こでnは6−12の整数を示す)を示し、これは二重結
合を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の
水素は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、
塩素、臭素等の置換基で適宜置換されていてもよく、2
個のアミノ基はそれぞれエステル結合に対してオルト
位、メタ位またはパラ位に結合している〕で表される化
合物である。
【0010】一般式(I)で表される化合物としては、
5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(4−アミノフェニルエステル)、5−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メチル−4−
アミノフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−アミ
ノフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−アミノフ
ェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−アミノフェニ
ルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸ビス(2−ブロモ−4−アミノフェニルエス
テル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−アミノフェニルエステル)、5−(パー
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミ
ノ−5−メチルフェニルエステル)、5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5
−メトキシフェニルエステル)、5−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−フ
ルオロフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−クロロフェ
ニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−ブロモフェニルエ
ステル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−アミノフェニルエステル)、5−(パ
ーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ア
ミノ−4−メチルフェニルエステル)、5−(パーフル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ−
4−メトキシフェニルエステル)、5−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ−4−
フルオロフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ−4−クロ
ロフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ−4−ブロモフェ
ニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メチル−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メトシキ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキシニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−フルオロ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−クロロ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−ブロモ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−アミノフェニルエステル)、5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ア
ミノ−5−メチルフェニルエステル)、5−(パーフル
オロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ
−5−メトキシフェニルエステル)、5−(パーフルオ
ロヘキシニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−
5−フルオロフェニルエステル)、5−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5
−クロロフェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−ブ
ロモフェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノフェニルエス
テル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−アミノ−4−メチルフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−アミノ−4−メトキシフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキシニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−アミノ−4−フルオロフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−アミノ−4−クロロフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−アミノ−4−ブロモフェニルエステル)
などがある。
【0011】これらの化合物において、パーフルオロノ
ネニル基とは、一般式(I)におけるRfが−C9 17
のものであり、、パーフルオロヘキセニル基とは一般式
(I)におけるRfが−C6 11のものであり、以下も
同様である。
【0012】前記に例示した化合物において、パーフル
オロノネニル基又はパーフルオロヘキセニル基の代わり
に、−C1019基、−C1223基等を有する化合物も同
様に例示することができる。
【0013】本発明における〔一般式(I)〕で表わさ
れる含フッ素芳香族ジアミン化合物は、化8〔一般式
(II)〕
【化8】 〔ただし、一般式(II)中Rfは、−Cn2n-1(ここ
でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水
素は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、塩
素、臭素等の置換基で適宜置換されていてもよい。R1
は1価の有機基、R2 は水素またはR1 とR2 を併せて
2価の有機基を示し、窒素原子は、エステル基に対して
オルト位、メタ位またはパラ位に結合している〕で表さ
れるアミノ基が保護された含フッ素ジアミンを保護基の
脱保護反応に供することを特徴とする方法により製造す
ることができる。
【0014】前記一般式(II)中、R1 としての1価の
有機基又はR1 とR2 を併せた2価の有機基は、アミノ
基を保護する基であり、例えば、R3 OC(=0)−基
(ここで、R3 は1価の有機基を示す)があり、具体的
には、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブチルカルボ
ニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ビフェニル
イソプロピルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル基等がある。アミノ基を保護する
基としてはさらに、R4 C(=0)−基(ここで、R4
は水素、アルキル基又はアリール基を示す)、トリチル
基、p−トルエンスルホニル基、下記化9の基等があ
る。
【化9】
【0015】前記一般式(II)で表されるアミノ基が保
護された含フッ素ジアミンとしては、5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−ベンジルオ
キシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パー
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メチ
ル−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエス
テル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(4−メトキシ−4−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5
−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−クロロ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−ブロモ−4−ベンジルオキ
シカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−
(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−メチルフェニ
ルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−5−メトキシフェニルエステル)、5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−5−フルオロフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル
酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ク
ロロフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−5−ブロモフェニルエステル)、5−(パ
ーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5
−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−メチルフ
ェニルエステル)、5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−4−メトキシフェニルエステル)、5−(パー
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−4−フルオロフェニルエ
ステル)、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4
−クロロフェニルエステル)、5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ−4−ブロモフェニルエステル)、5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メチル−4−ベンジルオキシカルボニル
アミノフェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5
−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−フルオロ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ
フェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−ベンジルオ
キシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ブ
ロモ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエ
ステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−5−メチルフェニルエステル)、5−(パーフ
ルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−5−メトキシフェニルエ
ステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
5−フルオロフェニルエステル)、5−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−5−クロロフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−
ブロモフェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジル
オキシカルボニルアミノ−4−メチルフェニルエステ
ル)、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−
メトキシフェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−4−フルオロフェニルエステル)、
5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビ
ス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−クロロ
フェニルエステル)、5−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−4−ブロモフェニルエステル)、などがあ
る。前記に例示した化合物において、アミノ基の保護基
であるベンジルオキシカルボニル基の代わりに、t−ブ
チルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、
9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、前記R4
C(=0)−基、トリチル基、p−トルエンスルホニル
基、前記化9の基等などの基を有する化合物も同様に例
示することができる。
【0016】前記脱保護反応は、次のようにして行うこ
とができる。前記一般式(II)で表される化合物を酢酸エ
チル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ベンゼン、キシレン、アセトン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に溶解した溶液にパラジウム炭素等の触媒の
存在下、水素ガスを0〜100℃(特に好ましくは室温
付近)で通す方法(触媒の使用量は、一般式(II)で表さ
れる化合物に対して1〜50重量%が好ましく、水素ガ
スを通す時間は適宜決定すればよいが、通常1〜10時
間で充分である)、前記一般式(II)で表される化合物を
前記したような有機溶媒に溶解し、HF、HBr、HC
1、H2SO4等の水素酸を加え、反応させる方法(水素
酸は、一般式(II)で表される化合物に対して1〜50倍
当量使用するのが好ましく、HFを使用するときは、室
温以下、特に0℃以下で反応させるのが好ましく、その
他の水素酸は0〜100℃、特に室温付近で反応させる
のが好ましい。さらに、反応時間は適宜決定されるが、
通常、HFを使用する場合、0.1〜1時間、その他の
水素酸を使用する場合1〜10時間で充分である)、前
記一般式(II)で表される化合物を炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の塩基性化合物及び水の存在下に反応させる方法(塩
基性化合物及び水は、それぞれ一般式(II)で表される化
合物に対して1〜50倍当量使用するのが好ましく、反
応は、上記したような有機溶剤の他に、水、メタノー
ル、エタノール等のアルコール、クレゾール等を溶媒と
して用いて行なってもよい)などがある。
【0017】一般式(II)で表されるアミノ基が保護さ
れた含フッ素ジアミン化合物は化10〔一般式(II
I)〕
【化10】 〔ただし、一般式(III)中、Rfは−Cn2n-1(ここ
でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水
素は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、塩
素、臭素等の置換基で適宜置換されていてもよい〕で表
される酸クロライド化合物と化11〔一般式(IV)〕
【化11】 〔ただし、一般式(IV)中、R1 は1価の有機基、R2
は水素またはR1 とR2を併せて2価の有機基を示し、
ベンゼン環の水素は、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置換されてい
てもよく、窒素原子は、ヒドロキシ基に対してオルト
位、メタ位またはパラ位に結合している〕で表されるア
ミノ基が保護されたアミノヒドロキシベンゼン化合物と
を反応させることを特徴とする方法により製造すること
ができる。
【0018】前記一般式(III)で表わされる酸クロラ
イド化合物としては、5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−メチル−5−(パ
ーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロライ
ド、4−メトキシ−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−フルオロ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロラ
イド、4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−ブロモ−5−(パ
ーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロライ
ド、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−メチル−5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ジクロライド、4−メトキ
シ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−フルオロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)イソフタル酸ジクロライド、4−クロ
ロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−ブロモ−5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ジクロライドなどがある。
【0019】これらの化合物において、パーフルオロノ
ネニル基とは、一般式(III)におけるRfが−C917
のものであり、、パーフルオロヘキセニル基とは一般式
(III)におけるRfが−C611のものであり、以下も
同様である。
【0020】前記に例示した化合物において、パーフル
オロノネニル基又はパーフルオロヘキセニル基の代わり
に、−C1019基、−C1223基等を有する化合物も同
様に例示することができる。
【0021】前記一般式(IV)中、R1 としての1価の
有機基又はR1 とR2 を併せた2価の有機基は、アミノ
基を保護する基であり、このような保護基は、前記一般
式(II)において説明したものがある。
【0022】前記一般式(IV)で表わされるアミノ基が
保護されたアミノヒドロキシベンゼン化合物としては、
1−ヒドロキシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(t−ブチルオキ
シカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−
(p−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)ベン
ゼン、1−ヒドロキシ−4−(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−
(p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(9−フルオレニ
ルメチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒド
ロキシ−4−(アセチルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロ
キシ−4−(4−トルエンスルホニルアミノ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−4−(トリチルアミノ)ベンゼン 1−ヒドロキシ−3−メチル−4−(ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−メト
キシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−3−フルオロ−4−(ベンジルオ
キシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3
−クロロ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ベ
ンゼン、1−ヒドロキシ−3−ブロモ−4−(ベンジル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
3−メチル−4−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−メトキシ−4−
(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−
ヒドロキシ−3−フルオロ−4−(t−ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−クロ
ロ−4−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−3−ブロモ−4−(t−ブチルオ
キシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3
−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−
ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(p−メトキシベ
ンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロ
キシ−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(p−ビフェニル
イソプロピルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−
ヒドロキシ−3−(9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(ベン
ジルオキシカルボニルアミノ)−5−メチルベンゼン、
1−ヒドロキシ−3−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−5−メトキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−フルオロベ
ンゼン、1−ヒドロキシ−3−(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)−5−クロロベンゼン、1−ヒドロキシ−
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−ブロモ
ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)−5−メチルベンゼン、1−ヒドロキ
シ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−5−
メトキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)−5−フルオロベンゼン、1
−ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)−5−クロロベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t
−ブチルオキシカルボニルアミノ)−5−ブロモベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
2−(p−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
2−(p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニルア
ミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(9−フルオレ
ニルメチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒ
ドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−
4−メチルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジル
オキシカルボニルアミノ)−4−メトキシベンゼン、1
−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−4−フルオロベンゼン、1−ヒドロキシ−2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4−クロロベン
ゼン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)−4−ブロモベンゼン、1−ヒドロキシ−2
−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4−メチル
ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)−4−メトキシベンゼン、1−ヒドロ
キシ−2−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4
−フルオロベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチ
ルオキシカルボニルアミノ)−4−クロロベンゼン、1
−ヒドロキシ−2−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)−4−ブロモベンゼンなどがある。
【0023】前記一般式(I)、(II)及び(III)に
おいて、これらの式中のRfとしては、例えば、下記化
12中、式(a)〜(i)の基がある。
【化12】
【0024】一般式(III)で表わされる化合物の一例
としては、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ジクロライドがあり、以下の説明はこの化合物を
用いて行なうが、一般式(III)で表わされる化合物の
うち他のものに対して、以下の説明は本質的に異なると
ころはない。5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸ジクロライドとアミノ基が保護されたアミノヒ
ドロキシベンゼン化合物との反応は、新化学講座14巻
(II)(丸善(株)昭和52年12月20日発行)第1
020頁以下に示される様な公知の方法を採用すること
ができる。例えば、窒素雰囲気中で反応させ、生成する
塩酸を捕獲するためにピリジン、トリエチルアミン、ジ
メチルアニリンなどの塩基を用いることが好ましい。塩
基の使用量は、生成する塩酸に対して1モル当量〜3モ
ル当量用いることが好ましい。1モル当量より少ないと
塩酸の捕獲が不十分であり、3モル当量より多いと副反
応などにより収率が低下する場合がある。さらに、この
反応を促進させる触媒として、N,N−ジメチルアミノ
ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ジアザビシクロノ
ネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)
などの強塩基を用いることができる。触媒の使用量は、
塩酸を捕獲するために加えた前記の塩基に対して、0.
5モル%から200モル%用いることが好ましい。上記
反応は、有機触媒中で行われることが好ましい。用いる
ことのできる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、テト
ラヒドロフランジエチルエーテルなど酸クロライド、フ
ェノールと反応性のない有機溶媒が使用される。これら
有機溶媒は、互いに相溶すれば2種以上を混合して用い
ても良い。使用する有機溶媒は充分に脱水したものを用
いることが好ましい。反応系中に水分が存在すると酸ク
ロライドが分解するため収率が低下することがある。前
記の反応によって、一般式(IV)で表わされるアミノ基
が保護された含フッ素ジアミン化合物が得られるが、こ
れは、溶媒留去、貧溶媒と混合して沈澱させる方法等に
より分離して次の反応に供してもよく、場合により反応
液のまま次の反応に供してもよい。
【0025】5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸ジクロライドは5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸を塩化チオニル、五塩化リン、三塩
化リンなどを用いる酸クロライド合成の公知の方法によ
って反応させることにより得られる。反応条件について
は用いる試薬により異なり特に限定されるものではな
い。
【0026】前記の5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸は、化13〔一般式(V)〕
【化13】 (ただし、式中−C917基は二重結合を1個含み、適
宜分岐していてもよい)で示される化合物である。
【0027】一般式(V)において、−C917基は、
例えば、ヘキサフルオロプロペンの3量体に基づいて導
入されるものである。一般式(V)で示される化合物
は、例えば、特開昭60−51146号公報に示される
ようにヘキサフルオロプロペンの3量体と5−ヒドロキ
シイソフタル酸を反応させることにより得ることができ
る。反応は、非プロトン性極性溶媒中、室温以下で塩基
触媒の存在下に行なわれ、下記化14〔一般式(VI)〕
で示される構造式の化合物が得られる。
【化14】
【0028】各工程で得られる化合物は、カラム分離、
アルコールからの再結晶などにより精製することができ
る。
【0029】
【実施例】
(1) 5−(パーフルオロノネニルオシキ)イソフタ
ル酸ジクロライドの合成 前記式(VI)の5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸61.2g(0.1モル)に塩化チオニル12
0g(0.1モル)を加え、80℃で加熱した。12時
間後、反応系は均一な溶液となった。過剰の塩化チオニ
ルを減圧留去後、減圧蒸留を行ない、5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロライドを得た
(収率51%、得られた化合物の沸点140℃/3mm
Hg)。
【0030】(2) 1−ヒドロキシ−4−(ベンジル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼンの合成 p−アミノフェノール13.08g(0.120モル)
に乾燥テトラヒドロフラン(THF)260mL、ピリ
ジン11.38g(0.144モル)を加えた。窒素気
流下、氷浴上でベンジルオキシカルボニルクロライドの
30%トルエン溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、0℃5時間、室温で16時間反応させた。生じたピ
リジン塩酸塩をろ別し、ろ液をエバポレートして濃縮
し、これを大量の水に注いで沈澱させた。生じた白色沈
澱をろ過、減圧乾燥して、1−ヒドロキシ−4−(ベン
ジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼンを得た(収率6
5%)。この化合物の1H−核磁気共鳴(NMR)スペ
クトル(溶媒アセトンd6、TMS標準)つぎのとおり
である。1 H−NMRスペクトル〔溶媒アセトンd6、TMS標
準、δ(ppm)〕 8.47(s,1H)、8.09(s,1H,NH,O
H)、7.45〜7.30(m,7H)、6.77
(d,2H,芳香族)、5.14(s,2H,ベンジル
のCH2)。
【0031】(3) 5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス4−(ベンジルオキシカルボニル
アミノフェニルエステル)の合成 1−ヒドロキシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン11.7g(48.0ミリモル)を乾燥T
HF80mLに溶解させ、ピリジン3.79g(48.
0ミリモル)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.4
9g(4.0ミリモル)を加えた。ここに、窒素気流
下、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸
ジクロライド13.0g(20.0ミリモル)の乾燥T
HF溶液(40mL)をゆっくりと滴下した。滴下後、
室温で5時間、60℃で2時間反応させた。生じたピリ
ジン塩酸塩をろ別し、ろ液をエバポレートして濃縮して
から大量の水に注いだ。生じた白色沈澱をろ過、水で洗
浄した後、減圧乾燥した、5−(パーフルオロノネニル
オシキ)イソフタル酸ビス4−(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノフェニルエステル)を得た(収率88%)。
この化合物の赤外線吸収(IR)スペクトル及び1H−
NMRスペクトルは次のとおりであった。 IRスペクトル〔KBr、ν(cm-1)〕 3380(N−H)、1748(C=O,エステル)、
1720(C=O,ウレタン)、1548(N−H)、
1242(C−F)。スペクトルを図1に示す。1 H−NMRスペクトル〔溶媒アセトンd6、TMS標
準、δ(ppm)〕 8.90(s,2H,NH)、8.85(t,1H)、
8.11(s,2H,芳香族)、7.68(d,4
H)、7.42〜7.28(m,14H,芳香族)、
5.18(s,4H,ベンジルのCH2)。
【0032】上記で得られた5−(パーフルオロノネニ
ルオシキ)イソフタル酸ビス4−(ベンジルオキシカル
ボニルアミノフェニルエステル)の構造式は、化15で
表される。
【化15】
【0033】(4) 5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステル)
の合成 5−(パーフルオロノネニルオシキ)イソフタル酸ビス
4−(ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステ
ル)10.6g(0.010モル)にTHF50mL、
5%パラジウム/カーボン2.7gを加え、水素気流
下、室温で7時間攪拌した。パラジウム/カーボンをろ
別し、ろ液を留去後、酢酸エチル/ヘキサンからカラム
分離して、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(4−アミノフェニルエステル)を得た(収
率63%)。
【0034】次に、得られた5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエス
テル)の分析データを示す。 融点 149−150℃ IRスペクトル(KBr)ν(cm-1) 3468,3388(NH2),1744(C=0),
1240(C−F)スペクトルを図2に示す。 1H−NMRスペクトル(溶媒アセトン、TMS標
準)δ(ppm) 8.77(t,1H,aromatic),8.06
(s,2H,aromatic),7.04−7.00
(m,4H,aromatic),6.75−6.70
(m,4H,aromatic),4.73(s,4
H,amine),スペクトルを図3に示す。19 F−NMRスペクトル(溶媒アセトン、ベンゾトリ
フルオライド標準) δ(ppm) 7.25(d,3F,CF3),−8.15(s,6
F,CF3),−9.43(d,6F,CF3),−10
4.23(quart.,1F,CF),−106.1
6(quart.,1F,CF) スペクトルを図4に示す。 元素分析表(%):表1のとおり。
【表1】
【0035】以上により、目的化合物であることを確認
した。この化合物の構造式は次の化16で示される。
【化16】
【0036】
【発明の効果】請求項1における含フッ素芳香族ジアミ
ン化合物は新規であり、ポリイミド等の原料として有用
であり、請求項3における方法により、収率よく製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で得られた5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカル
ボニルアミノフェニルエステル)のIRスペクトルであ
る。
【図2】 実施例で得られた5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエス
テル)のIRスペクトルである。
【図3】 1H−NMRスペクトルである。
【図4】 19F−NMRスペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、式中Rfは、−Cn2n-1(ここでnは6〜
    12の整数を示す)を示し、これは二重結合を1個含
    み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水素は、適
    宜置換されていてもよく、2個のアミノ基はそれぞれエ
    ステル結合に対してオルト位、メタ位またはパラ位に結
    合している〕で表される含フッ素芳香族ジアミン化合
    物。
  2. 【請求項2】 化2〔一般式(II)〕 【化2】 〔ただし、一般式(II)中Rfは、−Cn2n-1(ここ
    でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
    を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水
    素は、適宜置換されていてもよく、R1 は1価の有機
    基、R2 は水素またはR1 とR2 を併せて2価の有機基
    を示し、2個のR1 及び2個のR2 は同一でも異なって
    いてもよく、2個の窒素原子は、それぞれエステル基に
    対してオルト位、メタ位またはパラ位に結合している〕
    で表されるアミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合
    物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の一般式(II)で表され
    るアミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合物を保護
    基の脱保護反応に供することを特徴とする請求項1に記
    載の一般式(I)で表わされる含フッ素芳香族ジアミン
    化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 化3〔一般式(III)〕 【化3】 〔ただし、一般式(III)中Rfは、−Cn2n-1(ここ
    でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
    を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水
    素は、適宜置換されていてもよい〕で表される酸クロラ
    イド化合物と化4〔一般式(IV)〕 【化4】 〔ただし、一般式(IV)中、R1 は1価の有機基、R2
    は水素またはR1 とR2を併せて2価の有機基を示し、
    ベンゼン環の水素は、適宜置換されていてもよく、窒素
    原子は、ヒドロキシ基に対してオルト位、メタ位または
    パラ位に結合している〕で表されるアミノ基が保護され
    たアミノヒドロキシベンゼン化合物とを反応させること
    を特徴とする請求項2に記載の一般式(II)で表される
    アミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合物の製造
    法。
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