JP3042137B2 - 含フッ素ビスアミド酸化合物、その製造法及び含フッ素熱硬化性ビスイミド化合物の製造法 - Google Patents

含フッ素ビスアミド酸化合物、その製造法及び含フッ素熱硬化性ビスイミド化合物の製造法

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JP3042137B2
JP3042137B2 JP4037346A JP3734692A JP3042137B2 JP 3042137 B2 JP3042137 B2 JP 3042137B2 JP 4037346 A JP4037346 A JP 4037346A JP 3734692 A JP3734692 A JP 3734692A JP 3042137 B2 JP3042137 B2 JP 3042137B2
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雄二 長谷川
正己 湯佐
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素ビスアミド酸
化合物、その製造法及び含フッ素熱硬化性ビスイミド化
合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性ポリイミドは、耐熱性に優れ、
電子材料から航空宇宙材料まで、幅広い分野で使用され
ている。近年、これらの分野では、優れた耐熱性に加え
て、種々の高性能を併せ持った材料が必要になってきて
いる。例えば、電子材料分野では、低吸水率、低誘電率
の材料が要求されている。
【0003】このような要求を満足するポリマ−を得る
ためには、モノマ−の分子構造中に、これらの性能を発
現する置換基として、多くのフッ素原子を含む置換基を
導入することが有効であると考えられる。従来、フッ素
原子を導入した熱硬化性イミド化合物の例としては、特
公昭63−37786号公報に、化5
【化5】 の熱硬化性ビスマレイミド化合物が示されている。
【0004】特公昭63−37786号報には、ヘキ
サフルオロイソプロピリデン基を分子構造中に導入した
熱硬化性イミド化合物が示されているだけであり、これ
ではフッ素含量が低く、要求性能の発現は難しい。
【0005】そこで、このような問題点を解決するもの
として、より多くのフッ素原子をもつ置換基、すなわ
ち、パ−フルオロアルケニルオキシ基を分子構造中に導
入した含フッ素熱硬化性イミド化合物が特開平2−29
0874号公報に示されている。この公報に記載の上記
含フッ素熱硬化性イミド化合物の製造法は化6
【化6】 で表される酸クロライド化合物と、化7
【化7】 で表されるヒドロキシフェニルマレイミドとを有機溶媒
中、塩基の存在下で反応させる方法である。
【0006】しかし、特開平2−290847号公報に
示される製造法は、化6で表される酸クロライドの反応
性が低いため、化7で表されるヒドロキシフェニルマレ
イミドとのエステル化反応の収率が低いという欠点があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パ−フルオ
ロアルキニルオキシ基を分子構造中に有する含フッ素熱
硬化性イミド化合物を収率よく製造するための中間体、
その製造法及びその中間体を用いる上記イミド化合物の
製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における新規化合
物は、下記化8〔一般式(I)〕で表されてる含フッ素
ビスアミド酸化合物である。
【化8】 〔ただし、一般式(I)中、Rfは、−Cn2n-1(こ
こではnは6〜12の整数を示す)を示し、これは、二
重結合を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン
の水素は、低級(すなわち、炭素数1〜5)アルキル
基、低級(すなわち、炭素数1〜5)アルコキシ基、フ
ッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置換されていてもよ
く、2個のアミド酸基は、それぞれベンゼン環のエステ
ル結合に対してオルト位、メタ位またはパラ位に結合し
ており、Dは−CH=CH−、−CH=C(CH 3
−、−C(=CH 2 )−CH−、−CCl=CCl−及び
【化52】 の群から選ばれる二価の有機基を示す〕。
【0009】一般式(I)で表される含フッ素ビスアミ
ド酸化合物としては、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−(マレアミド酸)フェニル
エステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(2−メチル−4−(マレアミド酸)フェ
ニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−(マレアミド
酸)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−(マレ
アミド酸)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−
(マレアミド酸)フェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ブロモ−
4−(マレアミド酸)フェニルエステル)、5−(パ−
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マ
レアミド酸)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレアミド
酸)−5−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレア
ミド酸)−5−メトキシフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−
(マレアミド酸)−5−フルオロフェニルエステル)、
5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(3−(マレアミド酸)−5−クロロフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル
酸ビス(3−(マレアミド酸)−5−ブロモフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−(マレアミド酸)フェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル
酸ビス(2−マレアミド酸)−4−メチルフェニルエス
テル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−(マレアミド酸)−4−メトキシフェニ
ルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸ビス(2−(マレアミド酸)−4−フルオロ
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−(マレアミド酸)−4−ク
ロロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸ビス(2−マレアミド酸)−4−
ブロモフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−(マレアミド酸フ
ェニルエステル)、5−(パフルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−メチル−4−(マレアミド
酸)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(メトキシ−4−
(マレアミド酸)フェニルエステル)、5−(パ−フル
オロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオ
ロ−4−(マレアミド酸)フェニルエステル、5−(パ
−フルオロヘセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ク
ロロ−4−(マレアミド酸)フェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−ブロモ−4−(マレアミド酸)フェニルエステ
ル、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ビス(3−(マレアミド酸)フェニルエステル、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(3−(マレアミド酸)−5−メチルフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−マレアミド酸)−5−メトキシフェニル
エステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イ
ソフタル酸ビス(3−(マレアミド酸)−5−フルオロ
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(3−(マレアミド酸)−5−
クロロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレアミド酸)
−5−ブロモフェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マレアミ
ド酸)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−マレアミド酸)−
4−メチルフェニルエステル)、(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−マレアミド酸)−
4−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マレアミ
ド酸)−4−フルオロフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−
(マレアミド酸)−4−クロロフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−(マレアミド酸)−4−ブロモフェニルエステ
ル)などがある。
【0010】前記に例示した化合物において、マレアミ
ド酸基の代わりに、ジクロルマレアミド酸基、シトラコ
ンアミド酸基、イタコンアミド酸基、エンドメチレンテ
トラヒドロフタルアミド酸基などを有する化合物も同様
に例示することができる。
【0011】これらの化合物において、パ−フルオロノ
ネニル基とは、一般式(I)におけるRfが−C9 17
基のものであり、パ−フルオロヘキセニル基とは一般式
(I)におけるRfが−C6 11基のものであり、以下
も同様である。上記に例示した化合物において、パ−フ
ルオロノネニル基又はパ−フルオロヘキセニル基の代わ
りに、−C1019基,−C1223基等を有する化合物も
同様に例示することができる。
【0012】前記一般式(I)で表される含フッ素ビス
アミド酸化合物は、下記化9〔一般式(II)〕で表さ
れる含フッ素芳香族ジアミン化合物と、下記化10〔一
般式(III)〕で表される不飽和ジカルボン酸無水物
を反応させることによって製造することができる。
【化9】 〔ただし、一般式(II)中、Rfは、一般式(I)に
同じであり、ベンゼン環の水素は、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜
置換されていてもよく、2個のアルキル基はそれぞれエ
ステル結合に対してオルト位、メタ位またはパラ位に結
合している〕
【化10】 〔ただし、一般式(III)中Dは、式(I)中におけ
る意味と同じであり、エチレン性不飽和二重結合を有す
るジカルボン酸残基を示す〕
【0013】一般式(II)で表される化合物として
は、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸
ビス(4−アミノフェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メチル−
4−アミノフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−
アミノフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−アミ
ノフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−アミノフェ
ニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸ビス(2−ブロモ−4−アミノフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(3−アミノフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ア
ミノ−5−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−
5−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−
フルオロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−クロ
ロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−ブロモフェ
ニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸ビス(2−アミノフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−メチルフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2
−アミノ−4−メトキシフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ア
ミノ−4−フルオロフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ
−4−クロロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−アミノ−4−
ブロモフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(2−メチル−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メトキシ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−フルオロ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−クロロ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−ブロモ−4−アミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−アミノフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ア
チルフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニ
ルオキシ)イソタル酸ビス(3−アミノ−4−メトキシ
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−フルオロフ
ェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−クロロフェニ
ルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)
イソフタル酸ビス(3−アミノ−5−ブロモフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(2−アミノフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−メチルフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−メトキシフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−フルオロフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−クロロフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−アミノ−4−ブロモフェニルエステル)などがあ
る。
【0014】これらの化合物において、パ−フルオロノ
ネニル基とは、一般式(II)におけるRfが−C9
17のものであり、パ−フルオロヘキセニル基とは一般式
(II)におけるRfが−C611のものであり、以下
も同様である。前記に例示した化合物において、パ−フ
ルオロノネニル基又はパ−フルオロヘキセニル基の代わ
りに、−C1019基,−C1223基等を有する化合物も
同様に例示することができる。
【0015】一般式(III)で表わされる不飽和ジカ
ルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水
ジクロルマレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン
酸、無水ピロシコン酸など、あるいはこれらの化合物と
シクロジエンとのディ−ルス・アルダ−(Diels−
Alder)付加物の少なくとも1種が用いられる。
【0016】前記一般式(II)で表わされる含フッ素
芳香族ジアミンと前記一般式(III)で表わされる不
飽和ジカルボン酸無水物を反応させて、前記一般式
(I)で表わされる含フッ素ビスアミド酸化合物を得る
方法については、公知の方法が適用されるが、有利な方
法としては、一般式(II)で表わされる含フッ素芳香
族ジアミンと一般式(III)で表わされる不飽和ジカ
ルボン酸無水物を、両者の溶媒である有機溶媒中で接触
させる方法がある。通常、一般に用いられる溶媒として
は、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン
等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、ジイソプロピルケトン等のケト
ン類、エ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エ−テル類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の
芳香族化合物、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N
−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒がある。
このとき、一般式(II)で表わされる含フッ素芳香族
ジアミンと一般式(III)で表わされる不飽和ジカル
ボン酸無水物は前者1当量に対して後者1〜1.2当量
使用するのが好ましい。また、反応温度は、−20℃〜
50℃の範囲内が好ましく、特に0〜25℃が好まし
い。
【0017】さらに、本発明は、下記化11〔一般式
(IV)〕で表わされる含フッ素熱硬化性ビスイミド化
合物の製造法を提供するものである。
【化11】 ただし、一般式(IV)中、Rf及びDは一般式(I)
に同じであり、芳香環の水素は、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置
換されていてもよく、2個のイミド基は、それぞれ芳香
環のエステル結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位
に結合している。
【0018】前記一般式(IV)で表わされる含フッ素
ビスイミド化合物は、前記一般式(I)で表わされる含
フッ素ビスアミド酸化合物を環化脱水反応させて製造す
ることができる。その方法としては、無水酢酸等の酸無
水物やジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤を
用いる方法、p−トルエンスルホン酸や酢酸の存在下で
加熱脱水させる方法がある。例えば、米国特許第301
8290号明細書、米国特許第3018292号明細
書、米国特許第3127414号明細書等に記載の公知
の方法を用いればよい。すなわち、無水酢酸を脱水剤と
して用い、反応を塩基及び触媒の存在下に有機溶媒中で
行う方法が用いられる。このとき、無水酢酸の使用量
は、アミド酸基に対して、通常1〜2モル量用いられ
る。使用される触媒は、アルカリ土類金属の酸化物、鉄
(II,III)、銅(I,II)、ニッケル(I
I)、マンガン(II,III)、コバルト(II,I
II)などの炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩などで
ある。具体的には、酢酸ニッケル(II)、酢酸コバル
ト(II)、酸化マグネシウムなどがあり、アミド酸基
に対して、通常、0.01〜0.05モル用いられる。
使用される塩基は、アルカリ金属の酢酸塩あるいは3級
アミンである。具体的には、酢酸ナトリウム、トリエチ
ルアミンなどがあり、アミド酸基に対して、通常、0.
01〜2.0モル用いられる。反応条件は試薬により異
なり、特に限定さるものではない。第1段階で生成する
中間体のアミド酸は、必ずしも単離しなくてよく、その
まま第2段階の環化脱水反応を行うこともできる。
【0019】一般式(IV)で表わされる含フッ素熱硬
化性ビスイミド化合物としては、5−(パ−フルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−(マレイミド)
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−メチル−4−(マレイミ
ド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−(マレ
イミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−
(マレイミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4
−(マレイミド)フェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ブロモ−
4−(マレイミド)フェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレ
イミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)−
5−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)
−5−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミ
ド)−5−フルオロフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレ
イミド)−5−クロロフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マ
レイミド)−5−ブロモフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−
(マレイミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マレイミ
ド)−4−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マレイ
ミド)−4−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マ
レイミド)−4−フルオロフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2
−(マレイミド)−4−クロロフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−(マレイミド)−4−ブロモフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(4−(マレイミド)フェニルエステル)、5
−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−メチル−4−(マレイミド)フェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メトキシ−4−(マレイミド)フェニル
エステル、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(2−フルオロ−4−(マレイミド)フェ
ニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−(マレイミ
ド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ブロモ−4−(マレ
イミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)−5−メ
チルフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)−5
−メトキシフェニルエステル、5−(パ−フルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイミド)
−5−フルオロフェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マレイ
ミド)−5−クロロフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−(マ
レイミド)−5−ブロモフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−
(マレイミド)フェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マレイ
ミド)−4−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−(マ
レイミド)−4−メトキシフェニルエステル、5−(パ
−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−
(マレイミド)−4−フルオロフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−(マレイミド)−4−クロロフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−(マレイミド)−4−ブロモフェニルエ
ステル)などがある。
【0020】前記に例示した化合物において、マレイミ
ド基の代わりに、ジクロルマレイミド基、シトラコンイ
ミド基、イタコンイミド基、エンドメチレンテトラヒド
ロフタルイミド基などを有する化合物も同様に例示する
ことができる。
【0021】また、以上の化合物において、パ−フルオ
ロノネニル基とは、一般式(IV)におけるRfが−C
9 17基のものであり、パ−フルオロヘキセニル基とは
一般式(IV)におけるRfが−C6 11基のものであ
り、以下も同様である。
【0022】上記に例示した化合物において、パ−フル
オロノネニル基又はパ−フルオロヘキセニルきの代わり
に、−C1019基,−C1223基等を有する化合物も同
様に例示することができる。
【0023】前記一般式(II)で表わされる含フッ素
芳香族ジアミン化合物は下記化12〔一般式(V)〕で
表わされるアミノ基が保護された含フッ素芳香族ジアミ
ン化合物を保護基の脱保護反応に供することにより製造
するこたができる。
【化12】 ただし、一般式(V)中Rfは一般式(I)に同じであ
り、ベンゼン環の水素は、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で置換されてい
てもよい。R1 は1価の有機基、R2 は水素またはR1
とR2 を併せて2価の有機基を示し、2個のR1 及び2
個のR2 は同一でも異なっていていもよく、2個の窒素
原子は、それぞれエステル基に対してオルト位、メタ位
またはパラ位に結合している。ここで、保護基とは、具
体的には一般式(V)中のR1 又はR1 とR2 を意味す
る。
【0024】一般式(V)で表わされるアミノ基が保護
された含フッ素ジアミン化合物の脱保護反応は、例えば
次のような方法で行うことができる。
【0025】一般式(V)で表わされる含フッ素ジアミ
ンを酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ベンゼン、キシレン、アセトン、テトラヒド
ロフラン等の有機溶剤に溶解した溶液にパラジウム炭素
等の触媒の存在下、水素ガスを0〜100℃(特に好ま
しくは室温付近)で通す方法(触媒の使用量は、ジアミ
ノベンゼン化合物に対して1〜50重量%が好ましく、
水素ガスを通す時間は適宜決定すればよいが、通常1〜
10時間で充分である)、前記ジアミノベンゼン化合物
を前記したような有機溶剤に溶解し、HF,HBr,H
Cl,H2S04等の水素酸を加え、反応させる方法(水
素酸は、ジアミノベンゼン化合物に対して1〜50倍当
量使用するのが好ましく、HFを使用するときは、室温
以下、特に0℃以下で反応させるのが好ましく、その他
の水素酸では0〜100℃、特に室温付近で反応させる
のが好ましい。さらに、反応時間は適宜決定されるが、
通常、HFを使用する場合、0.1〜1時間、その他の
水素酸を使用する場合1〜10時間で充分である)、一
般式(V)で表わされる含フッ素ジアミンを炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等の塩基性化合物及び水の存在下に反応させ
る方法(塩基性化合物及び水は、それぞれジアミノベン
ゼン化合物に対して1〜50倍当量使用するのが好まし
く、反応は、上記したような有機溶剤の他に、水、メタ
ノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル、クレゾ−ル等を溶
媒として用いて行なってもよい)などがある。
【0026】このようにして得られる一般式(II)で
表わされる芳香族ジアミン化合物は、カラム分離、アル
コ−ルからの再結晶などにより精製することができる。
【0027】前記一般式(V)で表わされるアミノ基が
保護された含フッ素ジアミンとしては、5−(パ−フル
オロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−ベンジル
オキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メ
チル−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−メトキシ−4−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−フルオロ−4−
ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、
5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−クロロ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−ブロモ−4−ベンジルオキ
シカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−メチルフェニ
ルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−5−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−5−フルオロフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル
酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ク
ロロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−5−ブロモフェニルエステル)、5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−メチルフ
ェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−4−メトキシフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−4−フルオロフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4
−クロロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ−4−ブロモフェニルエステル)、5−
(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−メチル−4−ベンジルオキシカルボニル
アミノフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−メトキシ−4−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)、5
−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス
(2−フルオロ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−クロロ−4−ベンジルオ
キシカルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パ−
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ブ
ロモ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−5−メチルフェニルエステル)、5−(パ−フ
ルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−5−メトキシフェニルエ
ステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
5−フルオロフェニルエステル)、5−(パ−フルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−5−クロロフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−
ブロモフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセ
ニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノフェニルエステル)、5−(パ−フルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジル
オキシカルボニルアミノ−4−メチルフェニルエステ
ル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−
メトキシフェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−4−フルオロフェニルエステル)、
5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸ビ
ス(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−クロロ
フェニルエステル)、5−(パ−フルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(2−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−4−ブロモフェニルエステル)、などがあ
る。
【0028】前記に例示した化合物において、アミノ基
の保護基であるベンジルオキシカルボニル基の代わり
に、t−ブチルオキシカルボニル基、p−メトキシベン
ジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル基、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボ
ニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、
3−C(=O)−基(ここで、R3は水素、アルキル基又
はアリール基を示す)、トリチル基、p−トルエンスル
ホニル基、下記化13の基などを有する化合物も同様に
例示することができる。
【化13】
【0029】前記一般式(V)で表わされるアミノ基が
保護された含フッ素芳香族ジアミン化合物は、下記化1
4〔一般式(VI)〕で表わされる酸クロライド化合物
と、下記化15〔一般式(VII)〕で表わされるアミ
ノ基が保護されたアミノヒドロキシベンゼン化合物とを
溶媒中、塩基の存在下で反応させて製造することができ
る。
【化14】 〔ただし、一般式(VI)中Rfは、一般式(I)に同
じであり、ベンゼン環の水素は、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置
換されていてもよい〕。
【化15】 〔ただし、一般式(VII)中R1 は1価の有機基、R
2 は水素又はR1 とR2を併せて2価の有機基であり、
ベンゼン環の水素は、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置換されてい
てもよく、窒素原子は、ヒドロキシ基に対してオルト
位、メタ位またはパラ位に結合している〕。一般式(V
II)中、保護基としては、一般式(V)で表わされる
化合物において説明したものがある。
【0030】前記一般式(VI)で表わされる酸クロラ
イド化合物としては、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−メチル−5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロライ
ド、4−メトキシ−5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−フルオロ−5−
(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロラ
イド、4−クロロ−5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ジクロライド、4−ブロモ−5−(パ
−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロライ
ド、5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−メチル−5−(パ−フルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ジクロライド、4−メトキ
シ−5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−フルオロ−5−(パ−フルオロヘ
キセニルオキシ)イソフタル酸ジクロライド、4−クロ
ロ−5−(パ−フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸ジクロライド、4−ブロモ−5−(パ−フルオロヘキ
セニルオキシ)イソフタル酸ジクロライドなどがある。
【0031】これらの化合物において、パ−フルオロノ
ネニル基とは、一般式(VI)におけるRfが−C9
17のものであり、パ−フルオロヘキセニル基とは一般式
(VI)におけるRfが−C6 11のものであり、以下
も同様である。
【0032】前に例示した化合物において、パ−フルオ
ロノネニル基又はパ−フルオロヘキセニル基の代わりに
−C1019基、−C1223基等を有する化合物も同様に
例示することができる。
【0033】前記一般式(VII)で表わされるアミノ
基が保護されたアミノヒドロキシベンゼン化合物として
は、1−ヒドロキシ−4−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
4−(p−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
4−(p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニルア
ミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(9−フルオレ
ニルメチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒ
ドロキシ−4−(アセチルアミノ)ベンゼン、1−ヒド
ロキシ−4−(4−トルエンスルホニルアミノ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−4−(トリチルアミノ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−(ベンジルオキ
シカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−
メトキシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ベ
ンゼン、1−ヒドロキシ−3−フルオロ−4−(ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ
−3−クロロ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−ブロモ−4−(ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロ
キシ−3−メチル−4−(t−ブチルオキシカルボニル
アミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−メトキシ−4
−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1
−ヒドロキシ−3−フルオロ−4−(t−ブチルオキシ
カルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−ク
ロロ−4−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)ベン
ゼン、1−ヒドロキシ−3−ブロモ−4−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1
−ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(p−メトキシベ
ンジルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロ
キシ−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(p−ビフェニル
イソプロピルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−
ヒドロキシ−3−(9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(ベン
ジルオキシカルボニルアミノ)−5−メチルベンゼン、
1−ヒドロキシ−3−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−5−メトキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−フルオロベ
ンゼン、1−ヒドロキシ−3−(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)−5−クロロベンゼン、1−ヒドロキシ−
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−ブロモ
ベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)−5−メチルベンゼン、1−ヒドロキ
シ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−5−
メトキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)−5−フルオロベンゼン、1
−ヒドロキシ−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ)−5−クロロベンゼン、1−ヒドロキシ−3−(t
−ブチルオキシカルボミルアミノ)−5−ブロモベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
2−(p−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−
2−(p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニルア
ミノ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(9−フルオレ
ニルメチルオキシカルボニルアミノ)ベンゼン、1−ヒ
ドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−
4−メチルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジル
オキシカルボニルアミノ)−4−メトキシベンゼン、1
−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)−4−フルオロベンゼン、1−ヒドロキシ−2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4−クロロベン
ゼン、1−ヒドロキシ−2−(ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)−4−ブロモベンゼン、1−ヒドロキシ−2
−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4−メチル
ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)−4−メトキシベンゼン、1−ヒドロ
キシ−2−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4
−フルオロベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(t−ブチ
ルオキシカルボニルアミノ)−4−クロロベンゼン、1
−ヒドロキシ−2−(t−ブチルオキシカルボミルアミ
ノ)−4−ブロモベンゼンなどがある。
【0034】一般式(VI)で表わされる酸クロライド
化合物と一般式(VII)で表わされるアミノ基が保護
されたアミノヒドロキシベンゼン化合物とを反応させ
て、一般式(V)で表わされるアミノ基が保護された含
フッ素ジアミン化合物を製造する方法としては、新化学
講座14巻(II)(丸善(株)昭和52年12月20
日発行)第1012頁以下に示される様な公知の方法を
採用することができる。例えば、窒素雰囲気中で反応さ
せ、生成する塩酸を捕獲するためにピリジン、トリエチ
ルアミン、ジメチルアニリンなどの塩基を用いることが
好ましい。塩基の使用量は、生成する塩基に対して1モ
ル当量〜3モル当量用いることが好ましい。1モル当量
より少ないと塩基の捕獲が不十分であり、3モル当量よ
り多いと副反応などにより収率が低下する場合がある。
さらに、この反応を促進させる触媒として、N,N−ジ
メチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、ジア
ザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセ
ン(DBU)などの強塩基を用いることができる。触媒
の使用量は塩基を捕獲するために加えた前記の塩基にた
いして、0.5モル%から200モル%用いることが好
ましい。上記反応は、有機溶媒中で行われることが好ま
しい。用いることのできる溶媒としては、トルエン、ベ
ンゼン、テトラヒドロフランジエチルエ−テルなど酸ク
ロライド、フェノ−ルと反応性のない有機溶媒が使用さ
れる。これら有機溶媒は、互いに相溶すれば2種以上を
混合して用いても良い。使用する有機溶媒は充分に脱水
したものを用いることが好ましい。反応系中に水分が存
在すると酸クロライドが分解するため収率が低下するこ
とがある。前記の反応によって、一般式(V)で表わさ
れるアミノ基が保護された含フッ素ジアミン化合物が得
られるが、これは、溶媒留去、貧溶媒と混合して沈澱さ
せる方法等により分離して次の反応に供してもよく、場
合により反応液のまま次の反応に供してもよい。
【0035】なお、前記した一般式において、Rfで表
される基の具体例としては、下記化16中の式(a)〜
(i)のものなどがある。
【化16】
【0036】
【実施例】
合成例1〔5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ジクロライドの合成〕 前記式(a)の基を有する5−(パ−フルオロノネニル
オキシ)イソフタル酸61.2g(0.1モル)に塩化
チオニル120g(1.0モル)を加え、80℃で加熱
した。12時間後、反応系は均一な溶液となった。過剰
の塩化チオニルを減圧留去後、減圧蒸留を行い、5−
(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ジクロラ
イドを得た(収率51%、沸点140℃/3mmH
g)。
【0037】合成例2〔1−ヒドロキシ−4−(ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ)ベンゼンの合成〕 p−アミノフェノ−ル13.08g(0.120モル)
に乾燥THF260mL、ピリジン11.38g(0.
144モル)を加えた。窒素気流下、氷浴上でベンジル
オキシカルボニルクロライドの30%トルエン溶液を1
時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃5時間、室温で
16時間反応させた。生じたピリジン塩酸塩をろ別し、
ろ液をエバポレ−トして濃縮し、これを大量の水に注い
で沈澱させた。生じた白色沈澱をろ過、減圧乾燥して、
1−ヒドロキシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼンを得た(収率65%)。
【0038】合成例3〔5−パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニル
アミノフェニルエステル)の合成〕 1−ヒドロキシ−4−(ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ベンゼン11.7g(48.0ミリモル)を乾燥H
TF80mLに溶解させ、ピリジン3.79g(48.
0ミリモル)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.4
9g(4.0ミリモル)を加えた。ここに、窒素気流
下、前記で得た5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸ジクロライド13.0g(20.0ミリモ
ル)の乾燥HTF溶液(40mL)をゆっくりと滴下し
た。滴下後、室温で5時間、60℃で2時間反応させ
た。生じたピリジン塩酸塩をろ別し、ろ液をエバポレ−
トして濃縮してから大量の水に注いだ。生じた白色沈澱
をろ過、水で洗浄した後、減圧乾燥して、5−(パ−フ
ルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス(4−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノフェニルエステル)を得た
(収率88%)。
【0039】合成例4〔5−(パ−フルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステ
ル)の合成〕 前記でえた5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェ
ニルエステル)10.6g(0.010モル)にTHF
50mL,5%パラジウム/カ−ボン2.7gを加え、
窒素気流下、室温で7時間撹拌した。パラジウム/カ−
ボンをろ別し、ろ液を留去後、酢酸エチル/ヘキサンか
らカラム分離して、5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステル)
を得た(収率63%)。
【0040】次に5−(パ−フルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステル)の分
析デ−タを示す。 (1)融点 149−150℃ (2)IRスペクトル(KBr)γ(cm-1) 3468,3388(NH2),1744(C=0),1
240(C−F) (3)1 H−NMRスペクトル(溶媒アセトンd6、TM
S標準)δ(ppm) 8.77(t,1H,aromatic) 8.06(s,2H,aromatic) 7.04−7.00(m,4H,aromatic),6.75
−6.70(m,4H,aromatic),4.73(s,4
H,amine) (4)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトンd6、ベン
ゾトリフルオライド標準) δ(ppm) 7.25(d,3F,CF3),−8.15(s,6F,
CF3),−9.43(d,6F,CF3),−104.2
3(quart.,1F,CF),−106.16(q
uint.,1F,CF) (五)元素分析値(%):表1のとおり。
【表1】
【0041】以上より上記化合物の構造式は次の化17
のとおりである。
【化17】
【0042】実施例1 無水マレイン酸0.431g(4.40mmol )をアセ
トン5mLに溶解させ、氷水浴上でかくはんしながら、
窒素気流下で合成した5−(パ−フルオロノネニルオキ
シ)イソフタル酸ビス(4−アミノフェニルエステル)
1.59g(2.00mmol )のアセトン溶液(5m
L)を滴下し、6時間かくはんした。反応終了後、生成
した沈澱をろ過し、アセトンで洗浄後、減圧乾燥して、
5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタル酸ビス
(4−マレアミド酸フェニルエステル)を収率99%で
得た。
【0043】この化合物の融点及びスペクトルデ−タは
次のとおりである。 (1)融点 224〜234℃ (2)1 H−NMRスペクトル(溶媒DMSOd6、TM
S標準);図1に示す。 12.93(2H,COOH,s) 10.50(2H,CONH,s) 8.67(1H,aromatic,s) 8.03(2H,aromatic,s) 7.70−7.38(8H,aromatic,m) 6.48〜6.31(4H,olefinic, m) 〔( )内は、水素の積分強度比、吸収の基礎となる基
及びピ−クの種類を順次示し、sは一重線、tは三重
線、qは四重線、及びmは多重線を示す。以下も同様で
ある。〕 (3)19F−NMRスペクトル(溶媒DMSOd6、ベン
ゾトリフルオライド標準) ;図2に示す。 6.59(3F,CF3 ,d) −8.84(6F,CF3 ,s) −10.10(6F,CF3 ,d) −105.60(1F,CF,quart.) −107.59(1F,CF,quint.) 〔( )内は、フッ素の積分強度比、吸収の基礎となる
基及びピ−クの種類を順次示し、sは一重線、dは二重
線、quart.は四重線、quint.は五重線を示
す。以下も同様である。〕 (4)IRスペクトル;図3に示す。 3304cm-1(N−H,アミド) 1710cm-1(C=O,カルボン酸) 1556cm-1(NH−R,アミド) 以上から目的物の生成を確認した。この化合物の構造式
は、化18のとおりである。
【化18】
【0044】実施例2 化17の5−(パ−フルオロノネニルオキシ)イソフタ
ル酸ビス(4−マレアミド酸フェニルエステル)1.7
8g(1.80mmol )、無水酢酸0.816g(8.
00mmol )、トルエチルアミン0.202g(2.0
0mmol )、酢酸ニッケル(II)4水和物0.050
g(0.20mmol )をアセトン15mL中、窒素気流
下、還流温度で8時間かくはんした。反応終了後、50
0mLの水に反応溶液を注ぎ、生じた沈澱をろ過して水
で洗浄した。減圧乾燥後、クロロホルム/メタノ−ルか
ら再結晶して、目的物である5−(パ−フルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−マレイミドフェニル
エステル)を収率89%で得た。
【0045】この化合物の融点、スペクトルデ−タ及び
元素分析値は、つぎのとおりである。(1)融点 22
0−230 (2)1 H−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6、T
MS標準) 8.87(1H,aromatic,t) 8.16(2H,aromatic,d) 7.15(8H,aromatic,m) 7.06(4H,olefinic, s) (3)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6、ベ
ンゾトリフルオライド標準) 7.32(3F,CF3 ,d) −8.16(6F,CF3 ,s) −9.46(6F,CF3 ,d) −104.28(1F,CF,quart.) −106.35(1F,CF,quint.) (4)IRスペクトル 3112cm-1(C=CH) 1752cm-1(エステル) 1724cm-1(C=O マレイミド) 1220cm-1(C−F) (5)元素分析値(%);表2のとおり。
【表2】
【0046】以上から、目的物の生成を確認した。この
化合物の構造式は、下記19のとおりである。
【化19】
【0047】
【発明の効果】請求項1における化合物は、新規な化合
物であり、含フッ素熱硬化性ビスイミド化合物の有用な
中間体である。請求項2における方法により、請求項1
における化合物を収率よく製造することができる。請求
項3における方法により、含フッ素熱硬化性ビスイミド
化合物を収率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた5−(パ−フルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−マレアミド酸フェニ
ルエステル)の1 H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた5−(パ−フルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−マレアミド酸フェニ
ルエステル)の19F−NMRスペクトルである。
【図3】実施例1で得られた5−(パ−フルオロノネニ
ルオキシ)イソフタル酸ビス(4−マレアミド酸フェニ
ルエステル)のIRスペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平2−290847(JP,A) 特開 平4−164922(JP,A) 特開 平4−178422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Rfは、−Cn2n-1(こ
    こではnは6〜12の整数を示す)を示し、これは、二
    重結合を1個含み、 分岐していてもよく、ベンゼン環
    の水素は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5の
    アルコキシ基、フッ素、塩素又は臭素で置換されていて
    もよく、2個のアミド基は、それぞれベンゼン環のエス
    テル結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位に結合し
    ており、Dは−CH=CH−、−CH=C(CH 3
    −、−C(=CH 2 )−CH−、−CCl=CCl−及び 【化51】 の群から選ばれる二価の有機基を示す〕で表わされる含
    フッ素ビスアミド酸化合物。
  2. 【請求項2】 化2〔一般式(II)〕 【化2】 〔ただし、一般式(II)中、Rfは、−Cn
    2n-1(ここではnは6〜12の整数を示す)を示し、こ
    れは二重結合を1個含み、 分岐していてもよく、ベン
    ゼン環の水素は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1
    〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素又は臭素で置換され
    ていてもよく、2個のアミノ基はそれぞれエステル結合
    に対してオルト位、メタ位またはパラ位に結合してい
    る〕で表される含フッ素芳香族ジアミン化合物と化3
    〔一般式(III)〕 【化3】 〔ただし、一般式(III)中、Dは式(I)中におけ
    る意味と同じ〕で表されるエチレン性不飽和ジカルボン
    酸無水物を反応させることを特徴とする請求項1に記載
    の一般式(I)で表される含フッ素ビスアミド酸化合物
    の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(I)で表され
    る含フッ素アミド酸化合物を閉環反応させることを特徴
    とする化4〔一般式(IV)〕 【化4】 〔ただし、一般式(IV)中、Rfは、−Cn
    2n-1(ここではnは6〜12の整数を示す)を示し、こ
    れは二重結合を1個含み、 分岐していてもよく、ベン
    ゼン環の水素は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1
    〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素又は臭素で置換され
    ていてもよく、2個のイミド基は、それぞれベンゼン
    のエステル結合に対してオルト位、メタ位またはパラ位
    に結合しており、Dは式(I)中における意味と同じ
    で表される含フッ素熱硬化性ビスイミド化合物の製造
    法。
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