JPH08290930A - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents
光ファイバ母材の製造方法Info
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Abstract
作製に好適な光ファイバ製作用の光ファイバ母材の製造
方法を提供する。 【構成】 本発明の方法では、まず、酸化ゲルマニウム
が添加された、コアロッド101を用意する。次に、酸
化ゲルマニウムおよびフッ素が添加された、内層クラッ
ドパイプ102を用意し、内層クラッドパイプ102の
中空部にコアロッド101を挿入する。引き続き、コア
ロッド101が挿入された内層クラッドパイプ102を
加熱し、一体化してガラスロッド103とする。次い
で、添加物を添加していない石英ガラスから成る、外層
クラッドパイプ104を用意し、ガラスロッド103を
挿入する。引き続き、ガラスロッド103が挿入された
外層クラッドパイプ104を加熱し、一体化して光ファ
イバ母材100とする。
Description
の作製に好適な光ファイバ製作用の光ファイバ母材の製
造方法に関するものである。
の態様のものがあるが、光通信システム等に利用する場
合には、通信用光ファイバとの接続が容易で、挿入損失
の低い光ファイバ型回折格子が好適である。
しては、特許出願公表昭62−500052に記載のも
のが知られている。これは、酸化ゲルマニウムを添加し
て高屈折率のコアを形成した石英系ファイバに強力な紫
外光を照射することより、コアに屈折率変化部を光軸に
沿って等間隔に配列して、回折格子を形成する方法であ
る。そして、紫外光を照射する光ファイバの製作は、酸
化ゲルマニウムが添加された高屈折率のコアと成るべき
部分と、酸化ゲルマニウムが添加されず、コアとなるべ
き部分よりも低屈折率のクラッドとなるべき部分とを備
える光ファイバ母材を加熱線引することによりなされ
る。
製造方法では、得られる回折格子の反射率は必ずしも十
分でない。すなわち、回折格子が作り込まれた光導波路
では、その反射率が重要な特性であるが、この反射率は
以下の式(1)のように、回折格子長(コア内におい
て、屈折率が周期的に変化している領域の長さ)と光誘
起屈折率変化に依存する。
子長、ΔnUVは紫外光に対する屈折率変化(光誘起屈折
率変化)、λは反射波長である。
ゲルマニウム関連のガラス欠陥に起因することが知られ
ているが、従来のように通信用光ファイバを用いたので
はクラッド部においてはGe関連のガラス欠陥がないた
め、屈折率変化はしないので、この部分における紫外光
による屈折率変化ΔnUVは実質的にない。したがって、
導波路全体として十分な反射率が得られない。
のコア(回折格子が作り込まれた部位)の屈折率は高く
なるため、この部位のモードフィールド径は他の紫外光
が照射されていないコアのモードフィールド径より小さ
くなる。このモードフィールド径の変化がコア内に生じ
ると、モードミスマッチによりコア内を伝搬している光
がクラッド側へ放射され、伝送損失が増加するという。
り、高い反射率を有する光ファイバ型回折格子の作製に
好適な光ファイバ製作用の光ファイバ母材の製造方法を
提供することを目的とする。
の製造方法は、(a)酸化ゲルマニウムが添加された石
英ガラスから成り、第1の径を有する第1の柱状ガラス
部材を用意する第1の工程と、(b)酸化ゲルマニウム
およびフッ素が添加された石英ガラスから成り、内径が
第1の径と略同一であり、外径が第2の径である第1の
筒状ガラス部材を用意し、第1の柱状ガラス部材を第1
の筒状ガラス部材の中空部に挿入する第2の工程と、
(c)第1の柱状ガラス部材が挿入された第1の筒状ガ
ラス部材を加熱して一体化して第2の柱状ガラス部材と
する第3の工程とを備えることを特徴とする。
以内とすることができる。
径が第2の径と略同一である第2の筒状ガラス部材を用
意し、第2の柱状ガラス部材を第2の筒状ガラス部材の
中空部に挿入する第4の工程と、(e)第2の柱状ガラ
ス部材が挿入された第2の筒状ガラス部材を加熱して一
体化して第3の柱状ガラス部材とする第5の工程とを更
に備えることが可能である。
物が添加されていない石英ガラスとすることができる。
ず、酸化ゲルマニウムが添加された石英ガラスから成
り、第1の径を有する第1の柱状ガラス部材を用意する
(第1の工程)。この第1の柱状ガラス部材が、加熱線
引されて光ファイバのコアとなった場合に、紫外光が照
射されると屈折率が効率的に変化するコアとなるべき部
分である。
加された石英ガラスから成り、内径が第1の径と略同一
であり、外径が第2の径である第1の筒状ガラス部材を
用意し、第1の柱状ガラス部材を第1の筒状ガラス部材
の中空部に挿入する(第2の工程)。この第1の柱状ガ
ラス部材が、加熱線引されて光ファイバの内層クラッド
となった場合に、紫外光が照射されると屈折率が効率的
に変化する、クラッド(少なくとも、最内層クラッド)
となるべき部分である。
た第1の筒状ガラス部材を加熱して一体化して第2の柱
状ガラス部材とする(第3の工程)。
材の製造方法によれば、光ファイバ化後に紫外光を照射
した場合に、コアに加えてクラッド(少なくとも、最内
層クラッド)で屈折率変化が効率的に発生するので、反
射率の高い光ファイバ型回折格子の出発材として好適な
光ファイバ母材を得ることができる。
得るには、コア径の小さなシングルモードファイバであ
ってもコア径に対して6倍の外径の領域に回折格子を形
成すればよい。
2の径と略同一である第2の筒状ガラス部材を用意し、
第2の柱状ガラス部材を第2の筒状ガラス部材の中空部
に挿入し(第4の工程)、第2の柱状ガラス部材が挿入
された第2の筒状ガラス部材を加熱して一体化して第3
の柱状ガラス部材とする(第5の工程)とを更に備える
ことが可能である。
を紫外光の照射による屈折率変化が発生する酸化ゲルマ
ニウムの添加状態にすると光導波路の強度が低減する。
したがって、外層クラッドとなるべき第2の筒状ガラス
部材は、ゲルマニウムが添加されていない材料、例えば
実質的な純石英からなることが好適である。
材を加熱線引して光ファイバを製作し、この光ファイバ
に紫外光を照射すると、コアと内層クラッドとで効率的
な屈折率変化が発生する。
たコアと内層クラッドを備えるガラス光ファイバに紫外
光を照射すると、コアと内層クラッドに紫外光が入射
し、紫外光が入射した部分の屈折率が変化(上昇)す
る。
するメカニズムは、完全には解明されてはいない。しか
しながら、屈折率変化の重要な要因として、ガラス中の
ゲルマニウムに関連した酸素欠損型の欠陥が考えられて
おり、Si−GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ
空孔が想定されている。
いるクラマース・クローニッヒ機構によれば、屈折率変
化は以下のように説明される。すなわち、上記の欠陥は
波長240〜250nmの紫外光を吸収し、この吸収に
よりSi−GeまたはGe−Ge結合が切れて、新たな
欠陥が生じる。この新たな欠陥は、波長210nmおよ
び280nm付近を中心に吸収帯を形成する。その結
果、クラマース・クローニッヒの関係に従いガラスの屈
折率が変化する。
例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
工程図である。図1に示すように、本実施例では、ま
ず、周知のVAD法により、酸化ゲルマニウムが6wt
%添加された、外径=3mmのコアロッド101を用意
する(図1(a)参照)。このコアロッド101の純石
英ガラスに対する比屈折率差は0.353%である。
ニウムが5wt%、フッ素が0.85%添加された、内
径=3mm、外径=15mmの内層クラッドパイプ10
2を用意し、内層クラッドパイプ102の中空部にコア
ロッド101を挿入する(図1(b)参照)。この内層
クラッドパイプ102の屈折率は、純石英ガラスの屈折
率と略同一である。引き続き、コアロッド101が挿入
された内層クラッドパイプ102を加熱し、一体化して
ガラスロッド103とする(図1(c)参照)。
スから成る、内径=15mm、外径=45mmの外層ク
ラッドパイプ104を用意し、ガラスロッド103を挿
入する(図1(d)参照)。引き続き、ガラスロッド1
03が挿入された外層クラッドパイプ104を加熱し、
一体化して光ファイバ母材100とする(図1(e)参
照)。
で2000℃程度に加熱して溶融状態にした後、線引き
する。これにより、光ファイバが得られる。この光ファ
イバでは、(コア径):(内層クラッド外径):(外層
クラッド外径)が、光ファイバ母材における(コアとな
るべき部分の径):(内層クラッドとなるべき部分の外
径):(外層クラッドとなるべき部分の外径)と略一致
するので、コア径≒8μm、内層クラッド外径≒40μ
m、外層クラッド外径≒125μmとなる。
の一例の説明図である。図2に示す方法では、ホログラ
フィック干渉法により紫外光を干渉させて光ファイバに
照射する。この方法では、干渉手段20は、ビームスプ
リッタ21aと反射鏡21b、21cとから構成され
る。また、紫外光光源10には、アルゴンレーザ光源1
1を用いた。
コヒーレントな紫外光を連続発振する。この紫外光は、
ビームスプリッタ21aにより透過光と反射光の2光束
に分岐される。分岐された各光束は、それぞれ反射鏡2
1b及び21cによって反射され、コア41の軸方向に
対し互いに補角の関係にある74゜(図2における
α)、106゜(図2における180゜−α)の角度を
もって光ファイバ40に照射される。
し、所定間隔の干渉縞を形成しつつ、光ファイバ40に
照射される。そして、照射された紫外光は、外層クラッ
ド45を透過し、内層クラッド42およびコア41に入
射して、入射した部分の屈折率を変化させる。
向に対する紫外光の入射角度θ(=90°−α)と紫外
光の波長λとを用いると、干渉縞の間隔Λは、 Λ=λ/(2sinθ) …(2) のように表される。したがって、コア41及び内層クラ
ッド42の紫外光が入射した領域には、屈折率の変化し
た部分が干渉縞の間隔Λを周期として光ファイバ40の
光軸方向に沿って配列されるので、ピッチΛの回折格子
43,44が、それぞれコア41、内層クラッド42に
形成されることになる。こうして、コア41及び内層ク
ラッド42に回折格子を有する光導波路としての光ファ
イバが得られた。
ッチΛを用いると、周知なブラッグの回折条件により、
この回折格子の反射波長λR は、 λR =2・n1 ・Λ =λ・n1 /sinθ …(3) のように表される。なお、本実施例では、この反射波長
λR を1300nmに設定した。
の光を光ファイバ40の一端から入射させ、他端に接続
されたスペクトルアナライザでこの光の透過スペクトル
を測定して、回折格子43、44の形成をリアルタイム
でモニターした。ここで、スペクトルアナライザは、回
折格子43、44を透過した光について波長と透過率と
の関係を測定する。
3、44の形成が進むので、透過スペクトルにおいて透
過光の強度が反射波長を中心に減少する。透過スペクト
ルに変化がなくなれば、回折格子43、44の形成が飽
和したと考えられるので、この時点で紫外光の照射を停
止する。なお、本実施例では、飽和時間は約40〜50
分であった。
て求まるので、回折格子43、44の形成が飽和した時
点の透過スペクトルから、波長と反射率との関係を示し
た反射スペクトルを求めることができる。その結果、本
実施例で作製された光ファイバ型回折格子の反射率は9
0%以上であり、良好な結果を得た。
外光を光ファイバ40に照射したが、代わりに位相格子
法を用いることもできる。
造方法で製造された光ファイバ母材はクラッドの内層部
となるべき部分にもGeO2 が添加されているので、こ
の光ファイバ化後に紫外光を照射すると、コア及び内層
クラッドの双方に回折格子が形成されるので、この回折
格子が形成された領域ではコアを伝搬する導波光のみな
らず、導波光のうちクラッド側へ放射される光も反射さ
れ、モードフィールド全域にわたって導波光が反射され
るとともに光導波路の強度が維持される。したがって、
高い反射率を有する光ファイバ型回折格子を実現でき
る。
である。
形成の説明図である。
プリッタ、21b,21c…反射鏡、30…干渉領域、
40…光ファイバ型回折格子、41…コア、42…内層
クラッド、43,44…回折格子、45…外層クラッ
ド、100…天然石英管、100…光ファイバ母材、1
01…コアロッド、102…内層クラッドパイプ、10
3…ガラスロッド,104…外層クラッドパイプ。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸化ゲルマニウムが添加された石英ガラ
スから成り、第1の径を有する第1の柱状ガラス部材を
用意する第1の工程と、 酸化ゲルマニウムおよびフッ素が添加された石英ガラス
から成り、内径が前記第1の径と略同一であり、外径が
第2の径である第1の筒状ガラス部材を用意し、前記第
1の柱状ガラス部材を前記第1の筒状ガラス部材の中空
部に挿入する第2の工程と、 前記第1の柱状ガラス部材が挿入された前記第1の筒状
ガラス部材を加熱して一体化して第2の柱状ガラス部材
とする第3の工程と、 を備えることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2の径は、前記第1の径の6倍以
内であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ母
材の製造方法。 - 【請求項3】 前記第3の工程に引き続いて、 内径が前記第2の径と略同一である第2の筒状ガラス部
材を用意し、前記第2の柱状ガラス部材を前記第2の筒
状ガラス部材の中空部に挿入する第4の工程と、 前記第2の柱状ガラス部材が挿入された前記第2の筒状
ガラス部材を加熱して一体化して第3の柱状ガラス部材
とする第5の工程と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載の光ファイ
バ母材の製造方法。 - 【請求項4】 前記第2の筒状部材は、実質的に不純物
が添加されていない石英ガラスからなることを特徴とす
る請求項3記載の光ファイバ母材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9088395A JP3596080B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 光ファイバ型回折格子作製用光ファイバ母材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9088395A JP3596080B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 光ファイバ型回折格子作製用光ファイバ母材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08290930A true JPH08290930A (ja) | 1996-11-05 |
JP3596080B2 JP3596080B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=14010846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9088395A Expired - Fee Related JP3596080B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 光ファイバ型回折格子作製用光ファイバ母材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3596080B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2780516A1 (fr) * | 1998-06-24 | 1999-12-31 | Samsung Electronics Co Ltd | Fibre optique a gaines multiples, reseau de bragg a fibre optique, a periode longue, inscrit dans celle-ci et procede d'inscription de ce reseau |
US6728458B2 (en) | 2001-02-28 | 2004-04-27 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Optical fiber and fiber grating device |
KR100982765B1 (ko) * | 2002-08-07 | 2010-09-16 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 광섬유 프리폼, 그 제조 방법 및 광섬유 프리폼의드로잉에 의해 얻어지는 광섬유 |
-
1995
- 1995-04-17 JP JP9088395A patent/JP3596080B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2780516A1 (fr) * | 1998-06-24 | 1999-12-31 | Samsung Electronics Co Ltd | Fibre optique a gaines multiples, reseau de bragg a fibre optique, a periode longue, inscrit dans celle-ci et procede d'inscription de ce reseau |
US6728458B2 (en) | 2001-02-28 | 2004-04-27 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Optical fiber and fiber grating device |
KR100982765B1 (ko) * | 2002-08-07 | 2010-09-16 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 광섬유 프리폼, 그 제조 방법 및 광섬유 프리폼의드로잉에 의해 얻어지는 광섬유 |
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