JPH08290525A - 被覆金属板 - Google Patents

被覆金属板

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JPH08290525A
JPH08290525A JP12426895A JP12426895A JPH08290525A JP H08290525 A JPH08290525 A JP H08290525A JP 12426895 A JP12426895 A JP 12426895A JP 12426895 A JP12426895 A JP 12426895A JP H08290525 A JPH08290525 A JP H08290525A
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JP
Japan
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metal plate
coated metal
film
resin
adhesive layer
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JP12426895A
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English (en)
Inventor
Shigemi Seki
重己 関
Tomoaki Ueda
智昭 上田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属板の少なくとも一表面上に、接着層を介
してプラスチックフイルムが積層されてなる被覆金属板
において、該接着層が紫外線吸収型アクリル系樹脂を主
成分とした組成物からなることを特徴とする被覆金属
板。 【効果】 耐熱性と耐久性に優れ、しかも、優れた層間
密着性等を有する被覆金属板を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆金属板に関するも
のである。さらに詳しくは、耐熱性、耐久性等に優れた
被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフイルムで金属板の表面を
覆った被覆金属板は、各基材の特性を活かした組合せに
より種々のものが提案されている。かかる被覆金属板は
耐久性が優れており、しかも、成形加工時に金属表面に
スリ傷が入らず、また、意匠性に富んだ成形品を作るこ
とができる等の多くの利点があることから、建材や家
電、什器等への広範な用途に需要が拡大している。しか
し、一方では、被覆金属板には用途拡大に伴なって各種
の機能、例えば、耐熱性、耐侯性等が要求されつつあ
り、その分野が増大している。
【0003】被覆金属板としては、一般的に接着層を介
して金属板とプラスチックフイルムを貼り合わせたもの
が知られており、その接着層としては、溶剤型、エマル
ジョン型の接着剤やホットメルト接着剤などが使用され
ている。この様な被覆金属板としては、例えば特開昭5
2−134686号公報、特開昭58−183248号
公報等が開示されているが、これらの被覆金属板におい
て、耐熱性や耐候性等の機能付与やその改良検討が従来
より種々の方法でなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の被覆金属板においては、接着層の耐熱性が
不十分であることから、高温雰囲気下の熱履歴で酸化劣
化が進行し、黄着色化が著しくなって美観を損ねたり、
層間密着力が低下することが問題となっている。また、
接着層の耐候性が不十分であることから、屋外用途等に
用いた場合、紫外線劣化が著しく、耐久性に欠ける等の
問題もある。
【0005】本発明は、上記のような問題を解消し、被
覆金属板として耐熱性と耐久性を満たし、しかも、優れ
た層間密着性等を有する被覆金属板を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
被覆金属板は、金属板の少なくとも一表面上に、接着層
を介してプラスチックフイルムが積層されてなる被覆金
属板において、該接着層が紫外線吸収型アクリル系樹脂
を主成分とした組成物からなるものである。
【0007】本発明でいう金属板とは、鉄、銅、アルミ
ニウム、亜鉛及びステンレス等の各種合金や、前記金属
表面にメッキ等によって別の金属又は合金が積層された
ものなど、各種の金属の板状又は箔状のものである。ま
た、金属表面には、例えばリン酸処理、クロム酸処理等
の各種化学処理や、電解クロム酸処理、電気錫メッキ等
の電解処理や、溶融錫メッキ、溶融亜鉛メッキ等の溶融
メッキ等が施されていてもよく、更には防錆処理、硬度
化処理、接着促進処理、研磨等の各種表面処理を施した
ものでもよい。中でも、本発明では、ステンレス鋼板、
各種メッキ鋼板を用いるのが好ましく、特にメッキ鋼板
としては、例えば亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ
鋼板、亜鉛−アルミニウム系合金メッキ鋼板、ニッケル
系メッキ鋼板、亜鉛−ニッケル系合金メッキ鋼板、ステ
ンレスメッキ鋼板、クロムメッキ鋼板等を用いることが
できる。
【0008】金属板の厚さは、特に限定されず、一般に
0.01〜3mm、好ましくは0.1〜1mmのものが
使用できる。
【0009】本発明では、金属板と接着層との密着性を
より強固なものとするために、金属板表面がプライマー
層を有していることが望ましい。
【0010】プライマー層は、例えば、シランカップリ
ング剤や熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂等より選択された
ものからなる接着促進作用を有する層である。樹脂プラ
イマーの場合、親水性基或いは親水性成分の少ないもの
がプライマー層の耐水性、耐湿性等の点で好ましく、具
体例としては、熱可塑性樹脂として、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアセ
タール、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、
ハロゲン化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド
イミド、ケイ素樹脂、フッ素樹脂等やこれらの共重合体
や混合体等を用いることができる。また、光、熱、酸素
などにより硬化する硬化性樹脂としては、例えばフェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、架橋型有機ケ
イ素樹脂等を用いることができる。樹脂プライマーは、
層の耐水性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性、機械強度等
から熱硬化性樹脂を用いるのが好ましく、更には周知の
架橋剤の併用で架橋化が図れるものがより好ましい。
【0011】本発明では、上記プライマー剤のうちで
も、シランカップリング剤やエポキシ系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、アクリル共重合体系樹脂の使用が望まし
い。なお、プライマー剤の溶媒としては、水系でもよい
が、周知のアルコール系、カルボン酸エステル系、ケト
ン系、脂肪族炭化水素、脂環式又は芳香族炭化水素系及
びこれらの混合系を用いることもできる。
【0012】プライマー層の厚さは、特に限定されず、
0.01〜100μmが好ましく、中でも0.5〜50
μmの範囲にあるものがプライマー層の均一形成性、密
着性等の点で好ましい。
【0013】また、本発明では、被覆金属板に美観や意
匠性、高級感等を付与するために金属板表面或いはプラ
イマー層上に印刷層を設けることが望ましい。印刷層
は、印刷文字、絵柄等が紫外線硬化型インク、電子線硬
化型インク、油性インク、水性インク、熱転写インクリ
ボン、電子写真用トナー等の各種インクで、適宜の印刷
技術によって形成される。
【0014】本発明において用いられるプラスチックフ
イルムとしては、プラスチックフイルムであればどのよ
うなものであってもよいが、代表的なものとしてポリオ
レフィンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリエステ
ルフイルム、ポリカーボネートフイルム、トリアセチル
セルロースフイルム、セロハンフイルム、フッ素フイル
ム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルム、ポリフ
ェニレンスルフィドフイルム、ポリエーテルイミドフイ
ルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリスルホンフ
イルム、ポリアクリロニトリルフイルム、ポリ酢酸ビニ
ルフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム等の
単体或いは複合体を用いることができる。
【0015】しかし、機械的特性、熱的特性等の面から
ポリエステルフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ
フェニレンスルフィドフイルム、フッ素フイルムの単体
或いは複合体を用いるのが好ましく、中でも耐候性、防
汚性等に優れるフッ素フイルムが特に好ましい。
【0016】フッ素樹脂フイルムの材質は特に限定され
ず、各種のものを用いることができる。代表的なものと
して4フッ化エチレン重合体、エチレン−4フッ化エチ
レン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン
共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン重合体、3
フッ化エチレン重合体、1フッ化エチレン重合体、塩化
3フッ化エチレン重合体等やこれらの共重合体や混合体
等を用いることができる。しかし機械的特性、製膜性、
加工適性等の面から4フッ化エチレン−6フッ化プロピ
レン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体を
用いるのが好ましく、中でもエチレン−4フッ化エチレ
ン共重合体を主成分としたものが特に好ましい。尚、主
成分とは、そのものが樹脂成分中50%以上であるもの
をいい、より好ましくはそのものが70%以上であるも
であり、適宜、他の物質を含有してもよい。添加する樹
脂は特に限定されないが、例えばポリオレフィン系樹
脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
【0017】また、プラスチックフイルムには必要に応
じて、本発明の効果を損わない量で適宜な添加剤、例え
ば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸
収剤、顔料、染料、無機又は有機の微粒子、分散剤、カ
ップリング剤、充填剤等を配合してもよい。さらに、プ
ラスチックフイルムは未配向、一軸配向、二軸配向のい
ずれでも用い得るが、機械的強度が要求される場合には
配向フイルムが望ましい。
【0018】プラスチックフイルムの厚みは、特に限定
されず、1〜500μm程度の範囲から所望特性に応じ
て適当な厚みを設定することができる。また、プラスチ
ックフイルムの表面粗さや光学的特性等についても、特
に限定されず、要求特性を勘案して、適切に所望の値に
設定すればよい。
【0019】さらに本発明では、プラスチックフイルム
表面に表面処理や下塗り処理を施すことによって、接着
層との密着性、耐水性、耐溶剤性等が改良されるのでよ
り好ましく使用できる。表面処理としては、例えばコロ
ナ放電処理(空気中、窒素中、炭酸ガス中等)、プラズ
マ処理(高圧、低圧)、アルカリ金属溶液処理、高周波
スパッタエッチング処理等をすることができる。
【0020】なお、表面処理の場合、処理強度は、特に
限定されず、所望の値とすることができるが、処理強度
の目安として、JIS−K−6768に基づいて測定し
たフイルムの表面濡れ指数は35dyn/cm以上が好
ましく、さらに好ましくは40dyn/cm以上とする
のが望ましい。
【0021】本発明における接着層とは、紫外線吸収型
アクリル系樹脂を主成分とする層である。主成分とする
層とは、そのものが接着層中50重量%以上であるもの
を指し、適宜他の物質を添加してもよい。
【0022】本発明においては、紫外線吸収型アクリル
系樹脂とは、例えば特公昭43−27737号公報、特
開昭63−139958号公報、特開平2−18090
9号公報、特開平3−281685号公報等に記載され
ているものである。すなわち、紫外線吸収能を有する反
応性ベンゾフェノン系化合物と重合性不飽和基を有する
アクリル系モノマーとの共重合体樹脂である。ここで反
応性ベンゾフェノン系化合物とは、分子内に共重合が可
能な不飽和基を有するベンゾフェノン系モノマーであ
り、例えば2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−
3−メタクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ビニルオキシカ
ルボニルメトキシベンゾフェノンなどがある。中でも、
重合性、特性等の面から2−ヒドロキシ−4−メタクリ
ルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−
メタクリルオキシ)エトキシベンゾフェノンを用いるの
が好ましい。
【0023】また、重合性不飽和基を有するアクリル系
モノマーとは、下記化1で表わされる基本式(化1にお
いてRは水素又はメチル基、R′は炭素数1〜18のア
ルキル基を表わしている。)で示されるアルキルアクリ
レート、およびアルキルメタクリレート、アクリル酸、
メタクリル酸、β−ヒドロキシアクリレート、β−ヒド
ロキシメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリ
オキシエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエ
チレンポリテトラメチレンエーテルグリコールモノメタ
クリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−
n−ブトキシメチルアクリルアミド、アシッドホスホオ
キシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッド
ホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタク
リレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート、3−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、ポリオキシエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタ
クリレート1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、ジブロムネオペ
ンチルグリコールジメタクリレート、テトラメチロール
メタントリアクリレートなどから選ばれた少なくとも1
種以上を用いることができる。
【0024】
【化1】
【0025】中でも、共重合体は、その重合性や塗膜特
性等の点でアルキルメタクリレート、アルキルアクリレ
ートが好ましく、例えばメチルメタクリレート、エチル
アクリレートを例示することができる。さらには基材と
の密着性の点でカルボキシル基、メチロール基含有アク
リルモノマーを用いるのが好ましい。
【0026】なお、紫外線吸収型アクリル系樹脂の組成
面では、反応性ベンゾフェノン系化合物として、2−ヒ
ドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン或いは
2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキ
シベンゾフェノンとアクリル系モノマーとしてメタクリ
ル酸メチルとの組み合わせを主体としたものが特性面で
好ましい。また、アクリル系モノマーは20重量%以上
80重量%以下含有させた場合、透明性、塗膜特性が優
れるのでより好ましい。紫外線吸収型アクリル系樹脂と
して、特に好ましいものとしては、一方社油脂工業
(株)製のULS−935LH、ULS−680等が例
示される。該紫外線吸収型アクリル系樹脂は水分散体或
いは有機溶媒体として用い得るが、有機溶媒体の場合
は、有機溶媒として、例えば周知のアルコール系、カル
ボン酸エステル系、ケトン系、脂肪族炭化水素、脂環族
又は芳香族炭化水素系及びこれらの混合系が挙げられ、
塗布性等に悪影響を及ぼさないものの選択が好ましい。
【0027】本発明では、接着層の密着性をより良化せ
しめるために、接着層にウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル共重合樹脂等を含有させることが好まし
く、最も好ましいのはアクリル共重合樹脂であり、中で
もポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、反応性モ
ノマを含有するポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合
体であり、かかる反応性モノマとしては、官能基とし
て、例えばカルボキシル基(例えば(メタ)アクリル酸
など)、水酸基((メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルなど)、アミド基((メタ)アクリル酸アミドな
ど)、グリシジル基((メタ)アクリル酸グリシジルな
ど)、アミノ基((メタ)アクリル酸2−ジエチルアミ
ノエチルなど)等を含有する化合物を用いることができ
る。
【0028】アクリル共重合体樹脂は、その水酸基価が
40以上、好ましくは45以上のものが支持体との密着
性、塗膜形成性、易接着性等の点で好ましい。本発明で
いう水酸基価とは以下のように定義される。すなわち、
試料1g中に含まれる水酸基のモル数に相当する水酸化
カリウムのmg数である。また、アクリル共重合体樹脂
の接着層内での含有量は固形分当り5〜40重量%、好
ましくは10〜30重量%の範囲にあるものが密着性等
の点で望ましい。
【0029】本発明では、接着層の密着性、耐溶剤性、
耐熱性をより良化せしめるため、接着層に架橋結合剤を
含有させることが好ましい。本発明でいう架橋結合剤と
は、紫外線吸収型アクリル系樹脂等に存在する官能基、
例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル
基、アミド基などと架橋反応し、最終的には三次元網状
構造を有する接着層とするための架橋剤で、代表例とし
てはメチロール化或いはアルキロール化した尿素系、メ
ラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、およ
びエポキシ化合物、イソシアネート化合物、カップリン
グ剤、アジリジン化合物等を用いることができる。本発
明では、これらの中でも支持体との密着性、架橋性など
からイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
【0030】これらの架橋結合剤は単独、場合によって
は2種以上を併用してもよい。添加する架橋結合剤の量
は架橋剤の種類によって適宜選択されるが、通常は紫外
線吸収型アクリル系樹脂の固形分100重量部に対し、
0.01〜50重量部が好ましく、0.2〜30重量部
がより好ましい。また架橋結合剤には、架橋触媒を併用
するとより架橋が進むために更に好ましい。架橋触媒と
しては塩類、無機物質、有機物質、酸物質、アルカリ物
質などを用いることができる。添加する架橋触媒の量は
紫外線吸収型アクリル系樹脂の固形物100重量部に対
し0.001〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量
部がより好ましい。架橋剤を加えた塗剤は支持体に塗布
後、加熱、紫外線、電子線等によって架橋されるが、通
常は加熱による方法が一般的である。
【0031】本発明では、例えば本発明の被覆金属板を
製造するに当って、例えば金属板とフイルムとのラミネ
ート加工時等に粘着や滑性不足による作業性悪化を生じ
た場合、接着層に無機或いは有機の微粒子を含有せしめ
ることが望ましい。
【0032】無機粒子としては、例えば、炭酸亜鉛、酸
化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カリオン、重質・軽質或い
は合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、コロイ
ダルシリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸
バリウム、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニア、リン
酸カルシウム、天然或いは合成の膨潤性あるいは非膨潤
性のマイカ等を用いることができ、有機粒子としては、
例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメト
キシスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリレート、
ポレメチルメタクリレート、ポリクロルアクリレート、
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等を用いる
ことができ、これらの中から選ばれた少なくとも1種以
上を用いることができるが、特に限定されるものではな
い。また微粒子は中空多孔質或いは非中空多孔質状態で
あってもよい。さらに前記微粒子は、樹脂に対する分散
性を良化せしめるため表面にグリシジル基、メチロール
基等の官能基を付加させるなどの処理が施されていても
よい。
【0033】微粒子の平均粒径は0.01〜500μm
が好ましく、0.1〜50μmの範囲にあるものが取扱
い性、塗工性等の点でより好ましい。また、微粒子の接
着層内での含有量は0.1〜50重量%が好ましく、1
〜25重量%がより好ましい。含有量がこの範囲外で
は、作業性の低下を招いたり、ラミネート加工品の密着
性が低下し易い。
【0034】本発明では、接着層の厚みは、特に限定さ
れるものではないが、0.1〜500μmが好ましく、
1〜100μmの範囲にあるものが接着層の均一形成
性、密着性等の点でより好ましい。また、密着層には必
要に応じて、本発明の効果を損わない量で各種の添加
剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止
剤、染料等を含有せしめてもよい。
【0035】次に、本発明の被覆金属板の製造方法につ
いて、いくつかの例を説明するが、かかる例のみに限定
されるものではない。 (1)プラスチックフイルムの製膜工程内で基体となる
フイルムに予め所定量に調製した塗液を塗布し、しかる
後に乾燥して接着層を有する複合フイルムを作る。この
複合フイルムと予め加熱された金属板とをラミネートロ
ールで加圧熱接着し、必要に応じて加熱オーブン中を通
過させた後、冷却する方法である。
【0036】(2)プラスチックフイルムを単膜として
巻き取った後に、塗布−乾燥の工程を設けて接着層を有
する複合フイルムを作る。以下、上記(1)と同様の方
法である。
【0037】(3)金属板上に、塗布−乾燥の工程を設
けて金属板/接着層の複合体を作った後、プラスチック
フイルムをラミネートロールで加圧熱接着して一体化す
る方法である。
【0038】また、塗布方法は特に限定されず押出ラミ
ネート法、メルトコーティング法等を用いてもよいが、
高速で薄膜コートすることが可能であるという理由から
グラビヤコート法、リバースコート法、スプレイコート
法、キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコ
ート法などの方法を用いることができる。
【0039】なお、塗膜乾燥条件や加圧熱接着条件は各
基材の諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行うのが望ま
しい。
【0040】[特性の測定方法および評価方法]本発明
の特性値は、次の測定方法、評価基準による。 (1)密着性 金属板/プラスチックフイルムの層間密着力は、テンシ
ロン引張り試験機(東洋ボールドウィン(株)製)で引
張り速度200mm/分、剥離角180°にて幅25m
mあたりの値を求めた。
【0041】(2)耐熱性 被覆金属板を250°の雰囲気中で8時間熱処理し、冷
却後、接着層の黄着色度をSMカラーコンピューター
“SM−6”(スガ試験機(株)製)で反射法により測
定した。尚、黄着色度は色調b値で測定し、b値が大き
い程、黄変度が大きい。
【0042】(3)耐久性 被覆金属板をユーブコン試験機((株)東洋精機製作所
製)を用いて、500時間照射後、層間の密着性を上記
(1)と同様に評価し、以下の如く判定した。 ○ : 密着保持率が初期値の80%以上 △ : 密着保持率が初期値の50%以上80%未満 × : 密着保持率が初期値の50%未満
【0043】(4)折り曲げ加工性 被覆金属板のフイルム面を外側にして密着折り曲げ加工
を行なう。折り曲げ部に刃物で金属板表面に達する切れ
目を入れ、層間の密着度合を観察し、折り曲げ加工によ
る密着性の低下を次の基準で評価した。 ○ : 密着性の低下のないもの △ : 密着性が若干低下しているもの × : 密着性が低下し、剥離するもの
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 厚さ60μmのエチレン−4フッ化エチレン共重合樹脂
フイルム(東レ(株)製)の塗設面をコロナ放電処理
し、該面に接着層としてトルエン/メチルエチルケトン
(混合比は1:1)を希釈溶媒とし、これに紫外線吸収
型アクリル系樹脂として“ULS−935LH”(一方
社油脂工業(株)製)を混合した濃度15重量%の均一
塗材を塗布し、塗布層を120℃で1分間乾燥させ、厚
さ3.5μmの接着層を有する複合フイルムを作製し
た。
【0046】次に、金属板として、表面を粗面化しクロ
メート処理した厚さ0.4mmのステンレス板(SUS
304)を予め190℃まで加熱到達させた後、該金属
板上に前記複合フイルムの接着層面を重ね、200℃の
ラミネートロールで加圧熱接着させた。更に、積層品を
200℃で30分間熱処理した後、徐冷し、被覆金属板
を作製した。得られた被覆金属板の特性は表1に示した
通りであり、各特性に優れていた。
【0047】実施例2 実施例1の塗材において、該塗材の樹脂固形分に対して
架橋結合剤としてイソシアネート化合物“コロネート”
HX(日本ポリウレタン工業(株)製)を5重量部加え
た他は、実施例1と同一手法で被覆金属板を得た。表1
に示したように被覆金属板は各特性に優れていることが
判る。
【0048】実施例3 実施例1に基づき、金属板として、表面をシランカップ
リング剤“SH6040”(トーレ・シリコーン(株)
製)の1%水溶液で処理し、乾燥後、160℃で1分間
焼付けてプライマー層を形成させたものを用いた他は、
実施例2と同一手法で被覆金属板を得た。表1に示した
如く、被覆金属板は各特性に優れたものであった。
【0049】比較例1、比較例2 実施例1に基づき、接着層としてポリエステル樹脂“バ
イロン”29SS(東洋紡績(株)製)に樹脂固形分当
りイソシアネート架橋剤“コロネート”HX(日本ポリ
ウレタン工業(株)製)を10重量部加えた塗材(比較
例1)及びポリエステルウレタン樹脂“バイロン”UR
1400(東洋紡績(株)製)に樹脂固形分当りイソシ
アネート架橋剤“コロネート”HXを5重部加えた塗材
(比較例2)の各々を用いた他は、熱処理工程を除いて
実施例1と同一手法で被覆金属板を作製した。被覆金属
板の特性を表1に示した。このような構成では満足する
特性が得られないことが判る。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の被覆金属板においては、金属板
とプラスチックフイルムとを特定の樹脂組成物を主成分
とした接着層を介して積層せしめたので、次のような優
れた効果を得ることができた。
【0052】まず、本発明の被覆金属板は、優れた耐熱
性を有しているので、熱履歴を受けても黄変度が殆どな
い。
【0053】また、本発明の被覆金属板は、層間密着性
に優れており、しかもその密着耐久性にも優れている。
【0054】更に、本発明の被覆金属板は、成形加工性
に優れているので加工による剥離、破れ等の発生もな
く、加工変形度合の大きい加工ができる。
【0055】本発明の被覆金属板は、上記のような優れ
た特性を有するので、装飾品の部材、什器類の部材、調
理加工器具の部材、厨房設備の部材、電子レンジ用やガ
ステーブル用の部材、壁材や天井板等の建築材料など広
範囲な分野に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 27/18 LGB C08L 27/18 LGB

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも一表面上に、接着層
    を介してプラスチックフイルムが積層されてなる被覆金
    属板において、該接着層が紫外線吸収型アクリル系樹脂
    を主成分とした組成物からなることを特徴とする被覆金
    属板。
  2. 【請求項2】 前記金属板が表面にプライマー層及び/
    又は印刷層を有する、請求項1に記載の被覆金属板。
  3. 【請求項3】 前記接着層が架橋されてなる、請求項1
    又は2に記載の被覆金属板。
  4. 【請求項4】 前記プラスチックフイルムがフッ素樹脂
    フイルムからなる、請求項1ないし3のいずれかに記載
    の被覆金属板。
  5. 【請求項5】 前記フッ素樹脂フイルムがエチレン−4
    フッ化エチレン共重合体を主成分とする組成物からな
    る、請求項4に記載の被覆金属板。
JP12426895A 1995-04-24 1995-04-24 被覆金属板 Pending JPH08290525A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027046A3 (en) * 2000-09-29 2002-05-16 3M Innovative Properties Co A transparent resin-coated stainless steel article
US6890658B2 (en) 2000-09-29 2005-05-10 3M Innovative Properties Company Transparent resin-coated stainless steel article

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