JPH08289780A - 微生物等の検出方法、この検出方法に用いる抗体、及びこの抗体を産生する新規ハイブリドーマ - Google Patents

微生物等の検出方法、この検出方法に用いる抗体、及びこの抗体を産生する新規ハイブリドーマ

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JPH08289780A
JPH08289780A JP7094697A JP9469795A JPH08289780A JP H08289780 A JPH08289780 A JP H08289780A JP 7094697 A JP7094697 A JP 7094697A JP 9469795 A JP9469795 A JP 9469795A JP H08289780 A JPH08289780 A JP H08289780A
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JP7094697A
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Takako Nogami
尊子 野上
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検液中の微量な微生物,ウイルス等の検
出、測定を迅速かつ高感度に行なうことができる新規な
抗DNA抗体を提供する。 【構成】 自己免疫疾患動物である全身性エリテマトー
デス(SLE)の病態モデルMRLマウスの抗DNA抗
体産生B細胞と、マウス由来の骨髄種細胞株PAIの細
胞との融合細胞である新規ハイブリドーマにより産生さ
れたIgG型の抗DNA抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検液中の微生物,ウ
イルス等を、迅速かつ高感度に検出する方法、この検出
方法に用いる抗体、及びこの抗体を産生する新規ハイブ
リドーマに関し、例えば、水、純水、超純水中の微生
物,ウイルス等の検出,測定を行なう方法に関する。
【0002】
【発明の背景と従来技術】細菌を含めた微生物は、数の
多少に差はあるものの、あらゆる領域に普遍的に存在し
ており、種々の製造産業において常に製品中の混入微生
物の管理に頭を悩ませている。
【0003】例えば、食品、清涼飲料水等の飲料水、医
薬用水などでは、安全衛生上の観点から、混入微生物の
除去管理は特に厳重である。また電子部品製造業などに
おいては、例えば半導体デバイス等の電子部品の洗浄に
使用される純水,超純水に微生物が混入していると、微
小な配線に短絡等の欠陥を招いて製品歩留を低下させる
という理由から、洗浄水中の微生物有無については厳重
な管理が行われている。
【0004】このような微生物混入の防止を管理する場
合にあっては、用水等の製造工程に除菌、殺菌の工程を
設けることと、この除菌や殺菌の処理が確実に行われて
いるか否かを検出,評価して、用水製造工程にフィード
バックすることとが必要になる。
【0005】従来、このようなフィードバック管理のた
めの微生物の混入検出,測定の方法は、一般に培養法に
依存している。
【0006】この培養法は、被検液を寒天培地に塗沫す
るか、マイクロフィルター等でろ過し、捕捉した微生物
をフィルターごと培地上に移して2日から5日間培養
し、しかる後、培地あるいはフィルター上に形成された
コロニーを目視で数えて被検液中の細菌数を算出する方
法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の培養法
は、細菌がコロニーを形成して目視で確認できる大きさ
になるまでに、一般細菌であっても2日〜5日間の日数
を要することが避けられない。このため例えば食品や医
薬の分野では細菌検査の結果が得られるまで製品の出荷
が滞ってしまうという問題を招き、また純水や超純水を
洗浄用水として使用する半導体デバイス等の製造分野で
は、すでに製品の洗浄に使用してしまった純水中等の細
菌数を後から確認することになってしまうという不都合
がある。
【0008】このように、従来行われている培養法によ
る微生物の混入測定の方法では、少しでも早く検査,測
定結果を判定して製品の流通を円滑に行うことが求めら
れる工業的な規模での管理システムとして不十分である
ため、迅速にかつ正確な方法の開発が強く望まれていた
が、現在までのところこれに代わる適当な方法は提案さ
れていない。
【0009】また、現在までのところ指摘されていない
が、純水,超純水を洗浄水として用いる代表的には半導
体デバイス等の製造分野の用水では、このような高純度
水が一般細菌の成育に必要な溶存酸素濃度、栄養素濃度
の極めて低い特殊な環境であることに原因した問題にも
本発明者は着目した。すなわち、このような環境下で生
育する細菌の多くは通常の培養条件では成育できないた
め、数日程度の経過観察によるコロニー目視の方法では
確認できないが、このような細菌であっても長期間使用
の結果として製品の致命的な欠陥(例えばコンピュータ
のCPU欠陥)となる場合もあるから、このような細菌
の存在を無視できないとすれば、従来の培養法による微
生物混入防止の管理システムではこの問題に全く対応で
きないという致命的な問題を含んでいるからである。
【0010】これらのことから、本発明者は、従来採用
されている培養法では満足できない種々の問題、例えば
迅速かつ正確な微生物の検出、あるいは培養法では本来
検出が困難な種類の微生物の検出ができる微生物等の混
入防止を管理するシステムの提供を目的として本発明者
は鋭意研究を進めた。
【0011】この過程において、培養法以外に微生物を
検出する方法として従来知られる以下の〜につきま
ず検討した。:特定遺伝子を増幅して検出するPCR
法(ポリメラーゼ チェーン リアクション)による方
法、:免疫学的な手法による方法、:特殊な蛍光色
素などにより細菌細胞を染色し、顕微鏡等により観察す
る方法、:生物エネルギーであるATPのレベルを測
定し細菌数を算出する方法、である。
【0012】しかし、上記のうちのPCR法は特定の
塩基配列をもったDNA断片を用いて特定の細菌を検出
する方法であり、の方法は特定の細菌だけに特異的に
反応する抗体を利用して該特定の細菌を検出方法であっ
て、これらはいずれも特定細菌だけを検出する方法であ
るため普遍的に存在している細菌の検出には利用できな
いために本発明の目的を達成する方法として適当でな
い。また上記の方法は、細菌の種を区別しないで計測
できる利点があるものの、共存微粒子と細菌等の区別が
容易でないだけでなく、顕微鏡を用いて観察する必要が
あってその識別のための視野が非常に限られた狭い範囲
となるために、微量に存在するかもしれない微生物等を
検出するためには観察領域をもれなく観察する必要があ
ることに対応できず、結果として正確な測定結果が得ら
れないという問題がある。更に上記の方法は、細菌中
に含まれている生物エネルギーであるATPは極僅かで
あるために、高感度な光学系を用いたとしても検出する
には細菌細胞1000個分のATPが必要と考えられる
ため混入細菌数が水1リットルあたり1個以下という極
めて少ないレベルで細菌数の測定評価を行うことが求め
られる超純水等では全く利用できないし、より致命的な
問題として増殖能を保ちながら殆どATPを含まない胞
子の場合は大量に存在していても検出は不可能という問
題も指摘される。
【0013】以上のように、本発明の用途とは異なる他
の微生物検出法ないしこれに類する方法をそのまま応用
することでは、普遍的に存在している細菌細胞1個1個
について種類を区別することなく検出する一方で、共存
する微粒子等と明確に区別して細菌等を特異的に検出で
きる精度と感度を兼ね備えた検出系は確立することがで
きず、本発明の目的とする微生物混入防止の管理システ
ムを確立するという要望を満足することができなかっ
た。
【0014】本発明は、以上のような従来技術や種々の
関連技術の下で、普遍的に存在する細菌等の微生物を、
その種類を限定することなくしかも細菌が1個であって
も検出可能であり、また共存する微粒子等とは明瞭に区
別して微生物を検出する新規な検出方法を提供するもの
であり、更にまた、顕微鏡観察によるため例えば15m
mのフィルター中から0.1μm四方が限界であった従
来の方法では、工業的規模での微生物検出の実際面での
利用ができなかったことに比べて、同程度の大きさのフ
ィルター中の10%〜100%という広い視野での計測
を実質的に可能とでき、微生物混入防止の管理システム
の工業的規模での実施に初めて有効な新規な微生物の検
出方法の提供を目的としてなされたものである。
【0015】以上の観点から、本発明者は、上記新規な
微生物の検出方法の開発にあたって、まず第一に、特定
の種類に限定されることなく普遍的に微生物を認識でき
る探査因子の開発を目指し、このような探査因子とし
て、微生物中に普遍的に含まれているDNAに対する特
異的結合能を有するモノクローナル抗体の利用を考え
た。
【0016】ここで注目される従来技術として、目的は
異なるが、DNAに特異的な結合能を有する抗体として
プロジェン(PROGEN)社製のIgM型DNAモノ
クローナル抗体が既に市販されており容易に入手可能で
あることが挙げられる。
【0017】したがって、本発明の目的に沿ってそのI
gM型DNA抗体の利用が可能であれば本発明の目的達
成に有利である。
【0018】しかしながら、このIgM型DNA抗体分
子は、IgG抗体分子の5量体様構造をとった巨大分子
であり、測定系の高感度化には適当でないという問題が
あって本発明の目的を達成する抗体としては有効ではな
く、またこれがもつ5量体様構造は抗体の化学修飾を困
難にしており、この市販IgM抗体には酵素などの標識
物質を結合させることができないために、本発明の目的
を達成する抗体として該市販IgM抗体は応用できなか
った。実際にも、このプロジェン社製のIgM型DNA
抗体は、全身性エリテマトーデスという病気の診断用と
いう限られた用途用として利用されているに過ぎず、標
識されたレパートリーの発売はされていない。
【0019】本発明者は、以上のことから、特定種類に
限定されることなく普遍的に微生物のDNAに対しての
特異的結合能を有していて、しかも酵素等の適当なマー
カー物質で標識することが可能な抗DNA抗体の開発を
目的として、本発明を完成するに至ったものである。
【0020】すなわち、本発明の目的は、かかる抗DN
A抗体に適当な標識を結合させた標識抗DNA抗体を提
供し、またかかる標識抗DNA抗体をマーカーとして用
いて細菌を検出する方法を提供するところにある。
【0021】また本発明の別の目的は、純水などの利用
水の微生物,ウイルス等による汚染状態を、特定のウイ
ルス等に限定されることなく検出可能とすることを通じ
て、食品製造に用いられる水、清涼飲料等の食品製造
業、電子部品製造業や医薬品製造業などの分野において
利用されている水,純水,超純水等の高純度水中に含ま
れることがある微生物,ウイルス等を、迅速かつ高感度
に検出できる方法を提供し、更に、上記の水,純水,超
純水等の高純度水中に含まれることがある微生物,ウイ
ルス等を迅速かつ高感度に検出可能ととして、飲料水、
清涼飲料、酒類、水道水、電子部品や医薬品などの製品
に対する信頼性を向上させ、あるいは製品歩留りを向上
させるところにある。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】DNAはすべて
の生物に共通して存在する物質であって、一般的には抗
原性がなく、通常の動物に注射しても免疫系を刺激する
ことがないため抗DNA抗体を作製することができない
ことが一般に知られている。
【0023】そこで、本発明においては、自己免疫疾患
動物の全身性エリテマトーデス(SLE)の病態モデル
マウスであるMRLマウスの抗DNA抗体産生B細胞
と、同系統のマウス由来の骨髄種細胞株PAI(財団法
人がん研究進行財団国立衛生試験所細胞バンク:細胞番
号JCRB0113)との細胞融合によって、IgG型
の抗DNA抗体を恒常的に産生する新規なハイブリドー
マを取得したものであり、これを「MN−1」と命名
し、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した(寄
託番号:FERM P−14691)。
【0024】本発明の特徴の一つは,この新規ハイブリ
ドーマ(以下「MN−1」と略称する場合がある)を提
供するところにある。
【0025】また本発明の他の特徴の一つは、この新規
ハイブリドーマ「MN−1」が産生するIgG型抗DN
A抗体を提供するところにある。この新規ハイブリドー
マが産生する抗DNA抗体はIgG型であって、上述し
たプロジェン社製のIgM型抗DNA抗体に比べ、標識
の結合が可能でありまた検出感度も優れているため、被
検液中の微生物,ウイルスなどを検出する以下の検出方
法に好ましく使用できる。
【0026】IgG型の抗DNA抗体は、公知の酵素,
放射性物質,蛍光物質,発光物質,金属コロイド等を標
識物質として結合した標識抗DNA抗体として用いるこ
とができ、微生物,ウイルス等の破砕処理をした液にこ
の標識抗DNA抗体を添加し、該標識物質をマーカーと
して該液中の微生物,ウイルスを、免疫反応を利用して
測定することができる。すなわち標識抗DNA抗体を用
いることによって、微生物,ウイルス等の破砕処理を施
した溶液を上記請求項4〜6の手法で処理することによ
り含有微生物,ウイルス等の検出,測定を行うことがで
き、また上記請求項7の手法で処理することにより同様
にフィルター上に捕捉した微生物,ウイルス等の検出,
測定を行うことができる。このような微生物,ウイルス
等の検出方法は本発明の他の特徴の一つである。
【0027】また、上記抗DNA抗体は、一般的な標識
抗抗体抗体、具体的には一般に入手可能なマウス由来の
抗体と免疫反応する他動物由来の標識マウス抗抗体抗
体、とよく免疫反応するものであるから、被検液中のD
NAと免疫反応した抗DNA抗体とこの標識抗抗体抗体
を免疫反応させる上記請求項4〜7の手法を用いて該被
検液中のDNAを検出することができる。かかる検出方
法も本発明の特徴の一つである。
【0028】本発明において、微生物,ウイルス等と
は、細菌、黴、胞子、原生動物、動物ウイルス、バクテ
リオファージ等を含み、生物活性を有する細胞、ウイル
ス等、生物活性を失った細胞、ウイルス等も含む他、さ
らにその断片等であってもDNAを含むものであれば検
出対象として上記した微生物,ウイルス等の概念に含む
ものとする。
【0029】上記請求項4〜7でいう微生物、ウイルス
等の破砕処理とは、例えばタンパク質変性剤等の薬品に
よる処理、超音波による処理、高熱による処理、凍結融
解による処理、加圧減圧による処理、ガラス,アルミナ
等の微粒子の衝突による処理、等々の方法を特に限定さ
れることなく用いることができる。
【0030】上記MN−1の産生する抗DNA抗体を用
いて請求項4〜7の検出方法を実施することができる。
【0031】請求項4の方法は、例えば、微生物,ウイ
ルス等に対してDNAを露出させる破砕処理を行った被
検液と、DNAと免疫反応するMN−1産生抗DNA抗
体の希薄濃度液と、この抗DNA抗体と免疫反応する抗
抗体抗体であって酵素,放射性物質,蛍光物質,発光物
質、金属コロイド(以下「酵素等」という)のいずれか
が標識として結合された標識抗抗体抗体の希薄濃度液と
を混合させて免疫反応を行わせることで実施される。こ
の操作により、溶液中に希薄に存在する抗DNA抗体−
標識抗抗体抗体の複合体は微生物,ウイルス等のDNA
分子上に集中してDNA−抗DNA抗体−標識抗抗体抗
体の複合体からなる標識物質の塊を形成し、これは、周
辺に希薄に存在する標識物質とは明らかに区別できる標
識物質の塊として、例えばフローセルのような微細な環
境を測定し得る測定容器中での微量発光検出、蛍光検
出、視差屈折率検出、放射性同位元素検出、等により塊
としてあるいはその塊の数として検出することができ
る。この検出方法は、被検液が連続的に流れる系におい
て微生物,ウイルス等を連続的に検出することが求めら
れる用途において特に有効である。
【0032】またこの請求項4の方法は、MN−1産生
抗DNA抗体をそのまま用いることに代えて、この抗D
NA抗体に上記した酵素等を標識した標識抗DNA抗体
として用い、被検液中のDNAとこの標識抗DNA抗体
とを免疫反応させることにより、DNA−標識抗DNA
抗体の複合体を生成させることによっても実施すること
ができる。
【0033】請求項5〜7の方法は、被検液中のDNA
と標識を含む複合体を固相化して検出,測定を行うこと
を特徴とするものである。これらにおいて用いる固相と
しては、反応室を形成するウエルの底面、壁面、粒状体
の表面の他、シートの表面等を用いることもできる。固
相にDNAあるいは抗DNA抗体を結合させる方法とし
ては、適当濃度で該物質を含有する液体を例えば固相で
あるウエルに添加するか、あるいは固相である粒状体,
シート等を該物質を含む液体中に浸漬して30分から3
日間静置した後、これらの固相と該物質を含む溶液を分
離洗浄する方法などを挙げることができる。
【0034】請求項6の方法において、固相化したMN
−1産生抗DNA抗体にDNAを結合させて複合体を形
成させる方法は、例えば固相が抗DNA抗体を固相化し
たウエルである場合には該ウエルにDNAを含む被検液
を添加し、あるいは固相が抗DNA抗体を固相化した粒
状体,シート等である場合には被検液中に該粒状体,シ
ート等を浸漬し、免疫反応が十分平衡に達するのに十分
な時間静置した後、固液分離し、洗浄することで実施で
きる。
【0035】また請求項5〜7の固相表面に直接結合し
たDNA、あるいは上記固相化抗DNA抗体を介して結
合されたDNAに対して、抗DNA抗体と標識抗抗体抗
体、あるいは標識抗DNA抗体を結合させて複合体を形
成させる方法としては、例えば、固相化されたDNAに
対してこれに結合する抗DNA抗体及び標識抗抗体抗体
を過剰に含む溶液を免疫反応が平衡に達するまで(例え
ば30分〜3日間)接触させ、あるいは固相化されたD
NAに対しこれに結合する標識抗DNA抗体を過剰に含
む溶液を同様に免疫反応が平衡に達するまで接触させ、
これらの後、免疫反応しなかった遊離の物質を固液分離
して洗浄することで実施できる。
【0036】以上の操作における固液分離、洗浄は、固
相がウエルのような容器の形状をとる場合には、(固相
に結合されていない)遊離の物質(抗DNA抗体,標識
抗抗体抗体、あるいは標識抗DNA抗体等)を含む溶液
を除去し、必要に応じて分離除去を確実にするために一
又は複数回の洗浄を行った後、これらを含まない別の溶
液に置き換える操作をいう。固相が粒状体,シート等で
ある場合は、これを充填した容器中で上記と同じ固液分
離,洗浄の操作を行うことができる他、粒状体,シート
等を別の溶液が添加されている容器に移し替える操作に
より行うこともできる。
【0037】請求項7の方法において、フィルター(一
般的にはマイクロフィルター)上に捕捉された微生物,
ウイルス等を破砕処理して露出させたDNAを該マイク
ロフィルター上に結合させる方法としては、このフィル
ターがナイロン,ポリフッ化ビニリデン等のDNAを強
く吸着する性質を示す素材で構成されている場合には、
破砕処理法に限定されることなく、特に結合のための処
理を行うことなく破砕の終了と同時にDNAはフィルタ
ー上に結合される。またフィルターがニトロセルロー
ス,酢酸セルロース等のセルロース系の素材で構成され
ている場合には、破砕処理法に特に限定されるものでは
ないが、好ましくは、破砕と同時にDNAを2本鎖から
1本鎖に変性させる薬品を用いた破砕処理を行うことが
好ましい。これにより変性した1本鎖DNAは上記素材
に対する吸着性が大きいので、フィルターに対する結合
が確実に得られる。このような薬品を用いずに破砕処理
を行う場合には、破砕処理後に該フィルターを真空条件
下で40〜100℃に加熱することがよく、これにより
セルロース系素材のフィルターにDNAが良好に結合さ
れる。またマイクロフィルターにはポリカーボネートの
素材のものを用いることもできるが、この素材はそのま
まではDNAに対する吸着性を示さないので、上記した
真空条件下での加熱処理が行なわれる。
【0038】以上のように説明される本発明の検出方法
の具体的一例を代表的に述べれば、内壁に抗DNA抗体
を結合(固相化,不動化)したウエル室内に、破砕処理
を行って露出させたDNAを含む被検液を添加して固相
化抗DNA抗体−DNAの免疫反応をさせ、次いで被検
液を固液分離・洗浄した後、上記固相化抗DNA抗体−
DNAに、例えば標識物質として酵素を標識した標識抗
DNA抗体を免疫反応させて固相化抗DNA抗体−DN
A−標識抗DNA抗体の複合体を生成させ、遊離の標識
抗DNA抗体を固液分離・洗浄除去した後、基質溶液を
加え、この複合体に含まれる酵素の活性により基質溶液
に現れる例えば蛍光強度の変化によりDNAの存在を検
出し、あるいはDNA量を測定するELISA法を挙げ
ることができる。
【0039】本発明の新規ハイブリドーマMN−1が産
生するIgG型抗DNA抗体、これを酵素等で標識した
標識抗DNA抗体は、上述したように特定の微生物,ウ
イルス等に制約されることなく、培養細胞の生菌数を迅
速に検出、測定することができ、細胞培養操作の適正
化、必要生菌数確保に要する培養時間の予測などを速や
かに行なうことができる。
【0040】また、本発明の検出方法によれば、水、純
水や超純水等の高純度水中における微生物,ウイルス等
の存在を感度よく検出することができる。
【0041】
【実施例】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0042】実施例1 (IgG型抗DNA抗体産生ハイブリドーマ「MN−
1」の作製)本発明においては、ケラーとミルスタイン
(KohlerとMilstein)らの方法(Nature,256,495,1975
)に従ってIgG型抗DNA抗体を産生するハイブリ
ドーマ株「MN−1」を以下のようにして樹立した。
【0043】すなわち、動物として、通常では発現され
ないDNAに対する抗体を成長に従って発現する全身性
エリテマトーデス(SLE)の病態モデル、MRLマウ
ス(MRL/l-MpjUmmCrj-lpr/lpr )の10週齢のもの
を入手した。入手時には病変は認められなかったが、飼
育観察を続けるうち、紅斑、脱毛、結節の腫張などSL
Eに特異の症状を呈するようになった。20週齢時には
症状は特に顕著となり、抗DNA抗体産生B細胞の数が
充分に増加したと考えられたのでこの時点で脾臓を摘出
し、摘出後、脾臓をハサミで裁断し、RPM11640
培地中ピンセットで押し潰して細胞を抽出した。次いで
大きな断片を除去し、1500rpm、5分間の遠心に
より細胞を集めた。細胞数は約2×108 であった。
【0044】別にマウス由来の骨髄腫細胞株PAI(J
CRB0113)を、10%仔牛胎児血清を含むRPM
11640培地で培養しておき、5×107 の細胞を集
め、RPM11640培地で1回洗浄した後、脾臓細胞
と混合した。
【0045】混合した細胞を1500rpmの遠心を行
って回収し、再度RPM11640培地によって洗浄
し、さらに0.3M蔗糖で洗浄した。最終的に4mlの
0.3M蔗糖に懸濁し、細胞融合装置の電極チャンバー
内に移し、直流電圧700V、30μsec、l回のパ
ルスで電気的に細胞を融合した。細胞を20%の仔牛胎
児血清を含むHAT培地(100μMヒポキサンチン−
0.4μMアミノプテリン−16μMチミジン添加RP
M11640)に懸濁して200mlとし、室温で1時
間静置した。次に、健常マウス2匹分の脾臓細胞をフィ
ーダー細胞として加え、穏やかに撹拌、均一にしてから
96穴のマイクロプレートの各穴に200μlずつ撒き
込んだ。
【0046】撒き込み後、5日目にはほとんど全ての穴
に1個以上のハイブリドーマのコロニーが認められた。
コロニーが充分成育し、しかも同一の穴に共存している
他のコロニーと重ならないうちに、第l回目のスクリー
ニングを行った。
【0047】スクリーニングはELISA法によった。
すなわち超音波破砕により断片化した2重鎖DNA(仔
牛胸腺由来)、およびこれを熱変性して得た単鎖DNA
をそれぞれ20μg/mlの濃度でPBS(リン酸緩衝
化生理食塩水)に混合した。これを96穴ELISAプ
レートの各穴に50μlずつ添加して穴底にDNAを吸
着させた。10%仔牛胎児血清によりブロッキング処理
を施したのちスクリーニングに供した。
【0048】上記のように調製したELISAプレート
にハイブリドーマの培養プレートの各穴より50μlず
つ培養上清を添加した。37℃で1時間静置した後、各
穴を100μlのPBSで3回洗浄した。10%仔牛胎
児血清を含むPBS中に3000〜5000倍希釈した
西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIgG
+IgM+IgA抗体溶液(GibcoBRL社製)を
2次抗体として50μlずつ添加し、37℃で1時間静
置した後、PBSで4回洗浄した。最後に西洋ワサビペ
ルオキシダーゼの発色試薬(0.4mg/mlのo−フ
ェニレンジアミンおよび0.0l%の過酸化水素を含む
0.lMリン酸クエン酸緩衝液pH4.8)100μl
を各穴に添加して発色反応を行わせ、発色を得た培養穴
を抗DNA抗体産生細胞陽性と判定した。
【0049】次に、陽性と判定したうちから発色の強い
もの48個を選び出し、培養を継続して2回目のスクリ
ーニングを同様の方法で行った。2回目のスクリーニン
グでも再度陽性を示した細胞集団については順次クロー
ニング、スクリーニングを繰り返し行った。3回目のク
ローニングの後、1個の細胞から増殖したのが確実であ
り、抗DNA抗体を効率よく生産しているものを細胞株
として樹立した。最終的に得られた株は3種であった。
得られた3種について、その生産している抗体のクラス
を、ウサギの(抗マウスIgG,抗マウスIgM,抗マ
ウスIgA)抗体を用いた市販サブクラス決定用キット
を用いて決定した。その結果、2種はIgM型であり、
1種はIgG型であった。IgM型抗体は上述の如く操
作性が悪いなどの理由で本発明の目的には適用できない
ので、IgG型の抗体を生産しているハイブリドーマ細
胞を採って、このIgG型抗DNA抗体産生ハイブリド
ーマを「MN−1」と命名し、上述の通り工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託した(寄託番号:FERM
P−14691)。
【0050】実施例2 (抗体の取得)上記ハイブリドーマ「MN−1」は、産
生するIgG型抗DNA抗体(以下「MN−1抗体」と
略記する)を細胞外に分泌するので、この細胞培養液を
MN−1抗体を含む溶液としてそのまま利用することも
できる。しかし培養液中の抗体濃度は希薄であり、また
培養液中に共存している血清成分から抗体を分離精製す
ることが困難であるため大量調製には不向きである。
【0051】そこで、以下のようにしてハイブリドーマ
を同系統のマウス腹腔に移植し、大量のMN−1抗体を
マウス腹水より得た。
【0052】すなわち、MN−1細胞をHT培地(10
0μMヒポキサンチン−16μMチミジン、10%仔牛
胎児血清を含むRPM11640)で培養増殖し、Ba
lb/cマウスl頭あたり107 の細胞を腹腔に移植し
た。結果として、マウスl頭あたり、約4mlの腹水が
採取できた。
【0053】得られた腹水45mlを20mMトリス塩
酸緩衝液pH7.5に透析した後、同じ緩衝液で容量を
150mlとした。同じ緩衝液で平衡化したDEAE−
セファセル(ファルマシア社製)のカラムに通じ、非吸
着成分を除去した後、0〜0.5Mの塩化ナトリウムの
濃度勾配により、吸着成分を溶出した。溶出してきた画
分についてELISA法によりDNA結合抗体の有無を
調べ、抗体量の多い画分を集めて濃縮し、透析によって
塩化ナトリウムを除去した後、ウルトロゲルAcA44
(IBF)による分子ふるいクロマトグラフィーに供し
た。DNA結合抗体を含む画分を回収し、これを精製標
品とした。最終的にタンパク質量として78.5mgの
MN−l抗体(IgG型抗DNA抗体)を回収した。
【0054】実施例3 (標識MN−1抗体の調製)上記により精製したMN−
1抗体を用いて、過ヨウ素酸酸化法およびマレイミドヒ
ンジ法の2通りの方法で、標識酵素の西洋ワサビペルオ
キシダーゼを結合させた標識MN−1抗体(標識抗DN
A抗体)を調製した。
【0055】過ヨウ素酸酸化法による酵素標識 14mgの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を
3.5mlの水に溶解し、0.1M過ヨウ素酸ナトリウ
ム0.7mlを加えた。室温で20分間撹伴した後、l
mM酢酸ナトリウム緩衝液pH4.4に対し4℃で一晩
透析した。0.lM炭酸ナトリウムを加えてpH9.0
に調整し、濃縮して容量を3.5mlとした。
【0056】別に、上記MN−1抗体の精製標品30m
gを、0.0lMの炭酸重炭酸ナトリウム緩衝液3.5
mlに溶解し、先に調整したHRP溶液と混合した。室
温で2時間撹拌した後、4℃に冷却し、4mg/mlの
水素化ホウ素ナトリウム0.4mlを加えた。PBSに
対して透析した後、ウルトロゲルAcA44による分子
ふるいクロマトグラフィーを行って、酵素標識されたM
N−1抗体画分を回収した。ELISAによるDNA結
合活性と標識HRPの酵素活性の両者を併せもつ画分
を、HRP標識MN−1の指標として回収した。得られ
たHRP標識MN−1抗体はタンパク質量として16m
gであった。
【0057】マレイミドヒンジ法による酵素標識 上記MN−1抗体の精製標品50mgを0.lMクエン
酸緩衝液25mlに溶解し、6mgのペプシンを加え
た。37℃で2.5時間消化した後、8mlのトリス塩
酸緩衝液pH8.0を加え、容量10mlまで濃縮し
た。0.lMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.0で平衡
化したウルトロゲルAcA44で分子ふるいクロマトグ
ラフィーを行って、ペプシン消化後残ったMN−lの抗
原結合断片の2量体(Fab’)2 を回収した。回収し
た画分を0.lMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0に
透析した後、0.9mlまで濃縮した。タンパク質濃度
は10mg/mlであった。5mMEDTAを含む0.
lMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0に溶解した0.
lM2−メルカプトエチルアミン10μlを添加して、
37℃で90分間静置した。この処理により2量体は還
元されて単量体Fab’に変換し、末端にチオール基が
露出する。還元処理後、5mMEDTAを含む0.lM
リン酸ナトリウム緩衝液pH6.0で平衡化したセファ
デックスG−25(ファルマシア社製)のカラムに通
じ、単量体となったFab’を回収した。濃縮してタン
パク質濃度10mg/ml、0.6mlの溶液とした。
【0058】別に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR
P)8mgを1.2mlの0.lMリン酸ナトリウム緩
衝液に溶解し、80μlのジメチルホルムアミドに溶解
したN−スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−l−カルボキシレートを加え、3
7℃で2時間静置し、HRPへのマレイミド基導入反応
を行った。反応中生じた凝集体を遠心によって除去した
後、0.lMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0で平衡
化したセファデックス−G25カラムに通じてHRPを
回収し、濃縮してHRP濃度10mg/mlとした。
【0059】ついで上記Fab’溶液0.6mlとマレ
イミド基導入HRP溶液0.6mlを混合し、30℃で
1時間Fab’とHRPの結合反応を行った。反応後
0.lMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.5で平衡化し
たウルトロゲルAcA44カラムにより分子ふるいクロ
マトグラフィーを行って、Fab’−HRP結合体を回
収した。DNA結合活性とHRP活性の両者を該結合体
の指標とした。得られた結合体はタンパク質量として1
2mgであった。
【0060】以上の過ヨウ素酸酸化法、マレイミドヒン
ジ法のいずれの方法で酵素標識してもMN−1抗体のD
NA結合活性が阻害されることはなかった。
【0061】実施例4 (標識MN−1抗体を用いたDNAの検出)実施例2で
得たMN−1抗体、及び実施例3で得た酵素標識した標
識MN−1抗体を用い、ELISA法により被検液中の
DNAの検出を行なった。
【0062】被検液は、サケ精巣のDNAを0、1、
5、10、50、100、500、1000μg/ml
の各濃度でPBSに溶解した8種を調製した。
【0063】それぞれの溶液50μlをELISAプレ
ートの穴に添加し、37℃でl時間静置して穴底にDN
Aを吸着させた後、10%仔牛胎児血清を含むPBSで
ブロッキング処理を施した。
【0064】このプレートに、上記MN−1抗体を10
%仔牛胎児血清を含むPBS中にそれぞれl、5、1
0、50、100μg/mlになるように調製したもの
をそれぞれ加え、37℃で1時間置いた後、PBSで3
回洗浄して過剰のMN−1抗体を除去した。次いで西洋
ワサビペルオキシダーゼ標識した標識MN−1抗体を反
応させて標識を含む複合体を生成させ、PBSにより余
剰の標識MN−1抗体を除去した後、基質として0.4
mg/mlオルトフェニレンジアミンおよび0.1%の
過酸化水素を含む0.1Mリン酸クエン酸緩衝液(pH
4.8)100μlを添加して発色の程度を490nm
の吸収により測定した。
【0065】各DNA濃度、各抗体濃度における酵素に
よる発色の程度を測定した結果として得られた検量線を
図1に示す(抗体量lμg/mlでは検量線が作製でき
なかった)。
【0066】比較例1 上記MN−1抗体に代えてPR0GEN社製のIgM型
マウスモノクローナル抗体を用いた他は実施例4と同様
にしてDNAの検出を行なった。なおIgM型マウスモ
ノクローナル抗体には酵素標識ができないので西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ標識した2次抗体を反応させてEL
ISAを行った。結果として得られた検量線を図1に示
した。
【0067】これらの実施例4及び比較例1の結果から
分かるように、各抗体濃度において、IgM型抗DNA
抗体、IgG型抗DNA抗体(MN−l抗体)ともに優
れた定量性を示したが、MN−l抗体の与える吸収は常
にIgMよりも高く、また定量性に優れていることが明
らかであった。
【0068】実施例5 (HRP標識MN−1を用いた大腸菌マイクロコロニー
の検出)大腸菌B株をニュートリエントブロス(Dif
co)培地中、37℃で好気的に培養した。対数増殖期
の菌体を100個または400個相当、0.45μmフ
ィルターの表面上に捕集した。フィルターの裏面より培
地を接触させ、37℃で培養し、一定時間ごとにフィル
ターを取り出して純水で洗浄した後、MN−1抗体によ
る検出試験に供した。
【0069】すなわち、溶菌液(1%ラウリル硫酸ナト
リウム−0.2N水酸化ナトリウム)を含ませたろ紙パ
ッド上に、菌体の捕集面を上にしてフィルターを接触さ
せ、室温で20分間放置して菌体内のDNAフィルター
面に露出させた。5mlのPBSに浸け込んでゆっくり
振盪して2回洗浄した後、3%Tween20、10%
仔牛胎児血清を含むPBS中でフィルターにブロッキン
グ処理を施した。10%仔牛胎児血清を含むPBSにM
N−1抗体をlμg/mlになるように調製し、フィル
ター1枚につき5mlを添加した。室温で30分間振盪
してDNAとMN−1抗体を充分に反応させた後、過剰
のMN−1抗体をPBSによる洗浄で除去した。標識M
N−1抗体として、アルカリホスファターゼ標識ウサギ
抗マウスIgG+IgM+IgA(GibcoBRL)
溶液を、10%仔牛胎児血清を含むPBS中に3000
倍希釈して、フィルターl枚あたり5ml加えた。室温
で30分間振盪し、過剰の2次抗体をPBSによる洗浄
によって除去した。
【0070】最後にアルカリホスファターゼの発色試薬
(ニトロブルーテトラゾリウム/5−ブロモ−4−クロ
ロ−3−インドリルリン酸:BIO−RAD社製)を添
加して染め出されるスポットの有無を調べた。
【0071】培養後、0、2、4時間までのフィルター
ではスポットは検出されなかったが、培養後6時間のフ
ィルターでは、菌数100のサンプルでは83、70、
菌数400のサンプルでは350、380のスポット、
培養後8時間のフィルターでは菌数100のサンプルで
は92、110、菌数400のサンプルでは300、3
80のスポットがそれぞれ確認できた。
【0072】比較例2 実施例5と同様に、大腸菌B株をニュートリエントブロ
ス(Difco)培地中、37℃で好気的に培養した。
対数増殖期の菌体を100個または400個相当、0.
45μmフィルターの表面上に捕集した。フィルターの
裏面より培地を接触させ、37℃で培養し、一定時間ご
とにフィルターを取り出し、目視でコロニーの有無を観
察した。
【0073】その結果培養後8時間でも目視ではコロニ
ーは観察されず、14時間以降にようやく観察できた。
【0074】培養後14時間の目視によるコロニー数
は、菌数100のサンプルでは95、102、菌数40
0のサンプルでは402、410であり、上記実施例5
の同時間における検出結果とよく一致した。
【0075】以上の実施例5及び比較例2の結果から、
MN−1抗体を用いた検出法では、目視で観察できなか
った培養初期の段階でもコロニーの検出が可能であり、
生菌数の検出において従来法よりも優位であることが実
証された。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、IgG型の抗DNA抗
体及びこれを産生する新規ハイブリドーマを提供するこ
とができ、更にこの抗DNA抗体を用いてELISA法
の実施に有効な酵素で標識した標識抗DNA抗体を提供
できるという効果がある。
【0077】また、かかる抗DNA抗体を用いること
で、特定の微生物,ウイルス等に制約されることなく、
培養細胞の生菌数を迅速に測定することができ、培養操
作の適正化や、必要な培養量の確保に要する培養時間の
予測などを通じて、試験や実験などの計画立案、作業の
能率化を効果的に図ることができるという効果が得られ
る。
【0078】また、純水などの高純度水が微生物,ウイ
ルス等により汚染されていることの有無を容易かつ迅速
に検出できるという効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4、及び比較例1のELISA法により
生成した免疫反応複合体に含まれる酵素による基質発色
程度を測定して得た検量線を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/04 9453−4B C12Q 1/68 Z 1/68 9453−4B 1/70 1/70 G01N 33/53 M G01N 33/53 33/564 Z 33/564 33/569 B 33/569 G 33/577 B 33/577 9162−4B C12N 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己免疫疾患動物の全身性エリテマトー
    デス(SLE)の病態モデルMRLマウスの抗DNA抗
    体産生B細胞と、同系統のマウス由来の骨髄種細胞株P
    AIの細胞との融合細胞であって、IgG型の抗DNA
    抗体を産生することを特徴とする工業技術院生命工学工
    業技術研究所寄託FERM P14691の新規ハイブ
    リドーマ。
  2. 【請求項2】 請求項1のハイブリドーマが産生するI
    gG型の抗DNA抗体。
  3. 【請求項3】 請求項2の抗DNA抗体に酵素,放射性
    物質,蛍光物質,発光物質、金属コロイドのいずれかを
    標識物質として結合したことを特徴とする標識抗DNA
    抗体。
  4. 【請求項4】 微生物,ウイルス又はこれらのDNA断
    片を含む被検液に対しDNAを露出させる破砕処理を行
    った後、下記a,bのいずれかの免疫反応により生成し
    た複合体に含まれる標識物質をマーカーとして被検液中
    のDNAを検出することを特徴とする微生物等の検出方
    法 a:前記被検液中に含まれるDNAと、このDNAと免
    疫反応するIgG型の抗DNA抗体と、この抗DNA抗
    体と特異的に免疫反応しかつ酵素,放射性物質,蛍光物
    質,発光物質、金属コロイドのいずれかが標識として結
    合された標識抗抗体抗体とにより、DNA−抗DNA抗
    体−標識抗抗体抗体の複合体を生成する免疫反応 b:前記被検液中に含まれるDNAと、このDNAと免
    疫反応するIgG型の抗DNA抗体であって酵素,放射
    性物質,蛍光物質,発光物質、金属コロイドのいずれか
    を標識物質として結合した標識抗DNA抗体とにより、
    DNA−標識抗DNA抗体の複合体を生成する免疫反
    応。
  5. 【請求項5】 微生物,ウイルス又はこれらのDNA断
    片を含む被検液に対しDNAを露出させる破砕処理を行
    い、露出したDNAを固相表面に結合させる固相化処理
    を行った後、下記c,dのいずれかの免疫反応により生
    成した複合体に含まれる標識物質をマーカーとして被検
    液中のDNAを検出することを特徴とする微生物等の検
    出方法 c:固相化された上記DNAと、この固相化DNAと免
    疫反応するIgG型の抗DNA抗体と、この抗DNA抗
    体と特異的に免疫反応しかつ酵素,放射性物質,蛍光物
    質,発光物質、金属コロイドのいずれかが標識として結
    合された標識抗抗体抗体とにより、固相化DNA−抗D
    NA抗体−標識抗抗体抗体の複合体を生成する免疫反応 d:固相化された上記DNAと、このDNAと免疫反応
    するIgG型の抗DNA抗体であって酵素,放射性物
    質,蛍光物質,発光物質、金属コロイドのいずれかを標
    識物質として結合した標識抗DNA抗体とにより、固相
    化DNA−標識抗DNA抗体の複合体を生成する免疫反
    応。
  6. 【請求項6】 微生物,ウイルス又はこれらのDNA断
    片を含む被検液に対しDNAを露出させる破砕処理を行
    い、IgG型の抗DNA抗体を表面に結合した固相の表
    面でこの固相化した抗DNA抗体と上記露出したDNA
    を免疫反応により結合させた後、下記e,fのいずれか
    の免疫反応により生成した複合体に含まれる標識物質を
    マーカーとして被検液中のDNAを検出することを特徴
    とする微生物等の検出方法 e:固相化された上記抗DNA抗体を介して固相表面に
    結合されたDNAと、このDNAと免疫反応するIgG
    型の抗DNA抗体と、この抗DNA抗体と特異的に免疫
    反応しかつ酵素,放射性物質,蛍光物質,発光物質、金
    属コロイドのいずれかが標識として結合された標識抗抗
    体抗体とにより、固相化抗DNA抗体−DNA−抗DN
    A抗体−標識抗抗体抗体の複合体を生成する免疫反応 f:固相化された上記抗DNA抗体を介して固相表面に
    結合されたDNAと、このDNAと免疫反応するIgG
    型の抗DNA抗体であって酵素,放射性物質,蛍光物
    質,発光物質、金属コロイドのいずれかを標識物質とし
    て結合した標識抗DNA抗体とにより、固相化抗DNA
    抗体−DNA−標識抗DNA抗体の複合体を生成する免
    疫反応。
  7. 【請求項7】 フィルターに捕捉した被検液中の微生
    物,ウイルス又はこれらのDNA断片の破砕処理を行っ
    て露出させたDNAを該フィルターに結合させた後、下
    記g,hのいずれかの免疫反応により生成した複合体に
    含まれる標識物質をマーカーとして被検液中のDNAを
    検出することを特徴とする微生物等の検出方法 g:フィルターに結合された上記DNAと、このDNA
    と免疫反応するIgG型の抗DNA抗体と、この抗DN
    A抗体と特異的に免疫反応しかつ酵素,放射性物質,蛍
    光物質,発光物質、金属コロイドのいずれかが標識とし
    て結合された標識抗抗体抗体とにより、DNA−抗DN
    A抗体−標識抗抗体抗体の複合体を生成する免疫反応 h:フィルターに結合されたDNAと、このDNAと免
    疫反応するIgG型の抗DNA抗体であって酵素,放射
    性物質,蛍光物質,発光物質、金属コロイドのいずれか
    を標識物質として結合した標識抗DNA抗体とにより、
    DNA−標識抗DNA抗体の複合体を生成する免疫反
    応。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし7のいずれかにおいて、
    IgG型の抗DNA抗体が請求項2の抗DNA抗体であ
    り、かつ標識抗DNA抗体が請求項3の標識抗DNA抗
    体であることを特徴とする微生物等の検出方法。
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