JPH08288539A - フォトカプラー用一次封止樹脂組成物 - Google Patents

フォトカプラー用一次封止樹脂組成物

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JPH08288539A
JPH08288539A JP9277495A JP9277495A JPH08288539A JP H08288539 A JPH08288539 A JP H08288539A JP 9277495 A JP9277495 A JP 9277495A JP 9277495 A JP9277495 A JP 9277495A JP H08288539 A JPH08288539 A JP H08288539A
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JP9277495A
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司 ▲吉▼田
Tsukasa Yoshida
Kazuyuki Kuwata
和幸 桑田
Masahito Shimizu
雅人 清水
Hideto Kimura
英人 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低応力性に優れたフォトカプラー用一次封止樹
脂組成物を提供する。 【構成】エポキシ樹脂(A成分)と、ノボラック型フェ
ノール樹脂(B成分)と、下記の一般式(1)で表され
るシリコーン化合物(C成分)と、無機質充填剤(D成
分)を含有するフォトカプラー用一次封止樹脂組成物で
ある。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フォトカプラー(光
結合素子)のモールド樹脂に関するもので、特に2層モ
ールドのフォトカプラーにおける応力緩和を必要とする
発光素子のフォトカプラー用一次封止樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フォトカプラー(光結合素子)
は、発光素子と受光素子を、光透過型樹脂組成物で一次
封止し、さらに、その外周を外乱光による誤動作を防止
するため、非光透過型樹脂組成物で二次封止することに
より構成されている。このような構造のフォトカプラー
を図1に示す。図において、1は発光素子で、この発光
素子1と対向するように受光素子2が設けられている。
3はこれら素子のリードであり、4は光透過型樹脂組成
物により形成された一次封止樹脂層、5は非光透過型樹
脂組成物により形成された二次封止樹脂層である。この
ような構成において、上記リード3は、通常、銅系材料
や鉄系材料で構成されており、また、発光素子1および
受光素子2とも線膨脹係数が小さい。このため、一次封
止樹脂層4と、これら素子1,2およびリード3との線
膨脹係数の差に起因する封止時の応力を緩和するため、
発光素子1の表面にシリコーンコーティング層6を形成
して発光素子1に対する応力の低減が図られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
リコーンコーティング層6の形成プロセスは、副次的で
あると同時に、その形成プロセス時にリード3表面にシ
リコーンが付着して一次封止樹脂層4との密着性を阻害
し、その結果、発光素子1および受光素子2の機能低下
を招くことがある。このような問題から、シリコーンコ
ーティング層6を形成せずとも応力低減を実現すること
が望まれている。
【0004】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、低応力性に優れたフォトカプラー用一次封止
樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明のフォトカプラー用一次封止樹脂組成物
は、下記の(A)〜(D)成分を含有するという構成を
とる。 (A)エポキシ樹脂。 (B)ノボラック型フェノール樹脂。 (C)下記の一般式(1)で表されるシリコーン化合
物。
【化2】 (D)無機質充填剤。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、従来、封止時の応力
緩和のために発光素子表面にシリコーンコーティング層
を形成した結果生じる問題を解決するために一連の研究
を重ねた。そして、シリコーンコーティングのような副
時的プロセスを必要とせずに充分な低応力性を有する一
次封止用の樹脂組成物を得るためにさらに研究を重ね
た。その結果、一次封止用の樹脂組成物として、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂および無機質充填剤とともに、
低応力性付与の目的で、前記特定のシリコーン化合物を
配合すると、所期の目的が達成されることを見出しこの
発明に到達した。このフォトカプラー用一次封止樹脂組
成物を用いて光半導体素子を封止することにより、低応
力性に優れ輝度劣化の抑制されたフォトカプラーが得ら
れる。
【0007】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0008】この発明のフォトカプラー用一次封止樹脂
組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、ノボラック型フ
ェノール樹脂(B成分)と、特定のシリコーン化合物
(C成分)と、無機質充填剤(D成分)とを用いて得ら
れるものであり、通常、粉末状、もしくはこの粉末状を
打錠したタブレット状になっている。
【0009】上記エポキシ樹脂(A成分)は、透明性に
問題がなければ特に限定するものではなく従来公知のエ
ポキシ樹脂、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂等が好適に用いられ
る。その他に、ビスフェノールA型のジグリシジルエー
テルやその多量体であるエピビス型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビ
フェニル系結晶性エポキシ樹脂等も用いることができ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。上記各種エポキシ樹脂のなかでも、一次封止後、一
次封止樹脂層(硬化物)の透明性という点から、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。そして、これらエポキシ樹脂では、エポキシ当量が
250以下、軟化点が120℃以下のものを用いること
が好ましい。より好ましくはエポキシ当量100〜23
0、軟化点70〜110℃である。すなわち、エポキシ
当量が250を超えると、架橋密度が小さくなって封止
用材料として充分な強度が得られ難くなり、また軟化点
が120℃を超えると成形時の流動性が悪くなり良好な
パッケージが得られ難くなるからである。
【0010】上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用い
られるノボラック型フェノール樹脂(B成分)は、上記
エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、なか
でも、軟化点が50〜130℃、水酸基当量が100〜
190のものを用いることが好ましい。より好ましくは
軟化点60〜100℃、水酸基当量100〜130であ
る。
【0011】上記エポキシ樹脂(A成分)とノボラック
型フェノール樹脂(B成分)の配合割合は、上記エポキ
シ樹脂中のエポキシ基1当量に対してノボラック型フェ
ノール樹脂中の水酸基当量を、0.5〜1.5となるよ
う設定することが好ましい。特に好ましくは0.7〜
1.2である。すなわち、上記配合割合において、水酸
基当量が0.5当量未満では、一次封止樹脂層の色相が
悪くなり、逆に1.5当量を超えると、耐湿性が低下す
る傾向がみられるからである。
【0012】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る特定のシリコーン化合物(C成分)は、下記の一般式
(1)で表されるものである。
【0013】
【化3】
【0014】上記式(1)において、繰り返し数mは0
〜500の整数でなければならない。より好ましくは繰
り返し数mは3〜100である。特に好ましくは繰り返
し数mは5〜30である。そして、上記式(1)中のR
は、水素または一価の有機基であるが、1分子中におい
て、Rのうち少なくとも2個はアミノ基置換有機基、エ
ポキシ基置換有機基、水酸基置換有機基、ビニル基置換
有機基、メルカプト基置換有機基のいずれかでなければ
ならなず、これら有機基のなかから単独でもしくは2種
以上の有機基が選択される。上記有機基のなかでも、少
なくとも2個はアミノ基置換有機基であることが好まし
い。したがって、上記式(1)中のRにおいて、2個は
アミノ基置換有機基であり、それ以外のRはアルキル
基、フェニル基であるシリコーン化合物を用いることが
好ましい。具体的には、好適なシリコーン化合物とし
て、下記に示す二つの構造式のものがあげられる。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】上記特定のシリコーン化合物(C成分)の
含有量は、一次封止用樹脂組成物における全有機成分
(A成分,B成分および他の添加剤中の有機化合物)中
の50重量%以下に設定することが好ましい。より好ま
しくは2〜40重量%であり、特に好ましくは4〜20
重量%である。すなわち、C成分の含有量が50重量%
を超えると、一次封止用樹脂組成物からなる封止樹脂の
樹脂強度に著しい低下傾向がみられるからである。
【0018】上記A〜C成分とともに用いられる無機質
充填剤(D成分)は、一次封止用樹脂組成物からなる硬
化物の線膨脹係数を、より線膨脹係数の小さい素子(発
光素子および受光層)およびリードに近似させ、両者の
線膨脹係数の差に起因する応力を緩和するために用いら
れる。このような無機質充填剤としては、溶融シリカ粉
末、結晶性シリカ粉末、石英ガラス粉末、珪石粉末、酸
化アルミナ、タルク等を用いることができる。そして、
これら無機質充填剤の粒径としては、150μm以下の
ものを用いることが好ましい。また、その形状は破砕
状,球状のいずれであってもよい。なかでも、溶融シリ
カを用いることが好ましい。このような無機質充填剤
(D成分)の含有量は、一次封止用樹脂組成物全体の8
0重量%以上に設定することが好ましく、より好ましく
は80〜90重量%、特に好ましくは83〜88重量%
である。すなわち、D成分の含有量が80重量%未満で
は、一次封止用樹脂組成物の線膨脹係数を素子およびリ
ードのそれに近似させることが困難であり、応力緩和能
力の不足が生じる傾向がみられるからである。なお、こ
の無機質充填剤の含有量の上限として、一次封止用樹脂
組成物全体の90重量%以下に設定することが好まし
い。すなわち、無機質充填剤の含有量が90重量%を超
えると、一次封止用樹脂組成物からなる硬化物の光透過
率を阻害する傾向がみられるからである。
【0019】この発明のフォトカプラー用一次封止樹脂
組成物には、上記A〜D成分以外に、必要に応じて、硬
化促進剤、離型剤、難燃剤、シランカップリング剤等の
カップリング剤を配合することができる。
【0020】上記硬化促進剤としては、特に限定するも
のではなく従来公知のもの、例えば、三級アミン類、イ
ミダゾール類、第四級アンモニウム塩および有機金属塩
類、リン化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、およびこれらの誘導体等があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。そして、上記硬化促進剤のなかでも、三級アミン
類、イミダゾール類を用いることが好ましい。上記硬化
促進剤の配合量は、前記エポキシ樹脂(A成分)成分1
00重量部(以下「部」と略す)に対して3〜20部の
範囲に設定することが好ましく、より好ましくは5〜1
5部である。すなわち、硬化促進剤の配合量が3部未満
では、充分な硬化促進効果が得られず、20部を超える
と、一次封止樹脂組成物からなる硬化物に変色がみられ
るおそれがあるからである。
【0021】上記離型剤としては、ステアリン酸,ベヘ
ン酸,モンタン酸およびその金属塩、ポリエチレン系、
カルナバ等の従来公知のものがあげられる。
【0022】このような成分を用いて構成される一次封
止用樹脂組成物に関して、各成分の好適な組み合わせと
しては、その透明性および二次封止用樹脂組成物との密
着性という観点から、エポキシ樹脂(A成分)として、
エポキシ当量100〜230、軟化点70〜110℃の
ものを、ノボラック型フェノール樹脂(B成分)とし
て、水酸基当量100〜130、軟化点60〜100℃
のものを、無機質充填剤(D成分)として、溶融シリカ
粉末を、そして他の添加剤である離型剤、硬化促進剤、
カップリング剤を用い、これら各成分とともに前記一般
式(1)で表されるシリコーン化合物(C成分)を用い
る組み合わせがあげられる。この際、前述のように、シ
リコーン化合物(C成分)として、前記式(1)中の繰
り返し数mは、5〜30の範囲の整数が好ましい。そし
て、具体的には、下記の構造式で表される二つのシリコ
ーン化合物を用いることが好ましい。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】この発明のフォトカプラー用一次封止樹脂
組成物は、例えばつぎのようにして製造することができ
る。すなわち、上記A〜C成分および必要に応じて、上
記他の添加剤を所定の割合で配合する。そして、この配
合物をミキシングロール機他の混練機にかけ、加熱状態
で混練りして半硬化状の樹脂組成物とする。ついで、こ
れを室温にて冷却した後、公知の手段によって粉砕し、
さらに必要に応じて打錠することによりフォトカプラー
用一次封止樹脂組成物を製造することができる。
【0026】上記のようにして得られるフォトカプラー
用一次封止樹脂組成物からなる硬化物は、その応力レベ
ルを低減させるため、その線膨脹係数が、1.2×10
-5 -1以下に設定され、かつ弾性係数が1550kg/
mm2 以下に設定されていることが好ましい。より好ま
しくは、線膨脹係数が0.7×10-5〜1.2×10 -5
-1で、かつ弾性係数が1100〜1500kg/mm
2 である。通常、樹脂の応力レベルは、S=∫〔E×
α〕dt(S:応力、E:樹脂のガラス転移温度以下の
弾性率、α:樹脂とインサートの線膨張係数の差)で指
数的に表され、線膨脹係数および弾性係数ともに低く設
定することが望まれる。したがって、一次封止樹脂組成
物の硬化物の線膨脹係数および弾性係数をそれぞれ、
1.2×10 -5-1以下、1550kg/mm2 以下に
設定することにより、従来、必要であった発光素子表面
におけるシリコーンコーティング層の形成を必要とする
ことなく、充分な低応力性を備えたフォトカプラー用一
次封止樹脂組成物が得られるようになる。なお、一次封
止用樹脂組成物の硬化物は、例えば、175℃×2分間
(硬化)および175℃×5時間(アフターキュア)の
条件により成形される。そして、その硬化物の上記線膨
脹係数および弾性係数は、それぞれ熱機械分析(TM
A)およびオートグラフによって測定される。
【0027】さらに、この発明のフォトカプラー用一次
封止樹脂組成物からなる硬化物としては、厚み1mmの
硬化物において、分光光度計の測定により、波長950
nmの光透過率が80%以上のものが好ましく、より好
ましくは82%以上である。
【0028】なお、フォトカプラーの2層の樹脂モール
ドにおいては、この発明のフォトカプラー用一次封止樹
脂組成物とともに、二次封止樹脂層形成用の非光透過型
樹脂組成物が用いられる。この非透過型樹脂組成物とし
ては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例え
ば二次封止用エポキシ樹脂組成物があげられる。
【0029】そして、この発明のフォトカプラー用一次
封止樹脂組成物および非光透過型樹脂組成物を用いての
フォトカプラーの封止は、特に限定するものではなく、
通常のモールド方法により行うことができる。例えば、
発光素子および受光素子を、フォトカプラー用一次封止
樹脂組成物を用いトランスファー成形により一次封止す
る(一次封止樹脂層形成)。ついで、上記一次封止樹脂
層形成済みのものを、非光透過型樹脂組成物を用いて、
上記一次封止樹脂層の外周に、二次封止樹脂層をトラン
スファー成形により形成する。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明のフォトカプラ
ー用一次封止樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(A成
分)、ノボラック型フェノール樹脂(B成分)および無
機質充填剤(D成分)とともに、前記特定の構造式を有
するシリコーン化合物(C成分)を含有するものであ
る。このため、この一次封止樹脂組成物を用いて発光素
子を含む光半導体素子を樹脂封止すると、光透過率の劣
化を招くことなく低応力性に優れた一次封止樹脂層を形
成することができる。したがって、従来のような、応力
緩和のために、発光素子表面にシリコーンコーティング
層を形成するという副次的プロセスを経由する必要がな
く、ダイレクトに樹脂モールドを行うことが可能とな
る。特に、この発明のフォトカプラー用一次封止樹脂組
成物において、上記構成成分を含有し、その硬化物が特
定の線膨脹係数および特定の弾性係数の値以下に設定さ
れることにより、充分な低応力性を有するようになる。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0032】まず、下記の表1に示すシリコーン化合物
a〜dを準備した。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例1〜7、比較例1〜2】ついで、下記の表2〜
表3に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、熱ロー
ル機(120℃)で5分間溶融混練を行い、室温で冷却
して粉砕することにより目的とする粉末状のフォトカプ
ラー用一次封止樹脂組成物を得た。なお、得られたフォ
トカプラー用一次封止樹脂組成物の硬化物(厚み1m
m)の波長950nmにおける光透過率を、分光光度計
(島津製作所社製、UV−3101PC)により測定し
た。その結果を下記の表2〜表3に併せて示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】そして、上記粉末状のフォトカプラー用一
次封止樹脂組成物を用い、まず、フォトカプラー用素子
(GaAs−LED)をトランスファー成形(成形条
件:圧力70kg/cm2 ,温度175℃,時間90
秒)により一次封止した(一次封止樹脂層形成)。この
ようにして一次封止したものについてその輝度保持率
を、−40℃×50mA×1200時間の条件で測定し
た。また、一次封止樹脂層の線膨脹係数(α1 )および
弾性係数(E)をTMAおよびオートグラフによって測
定した。その結果を後記の表4〜表5に併せて示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】上記表4および表5の結果から、全ての実
施例品の硬化物は光透過率が高く、しかもこれを用いて
一次封止したものは輝度保持率が非常に高かった。この
ことから、輝度劣化が抑制され光透過性に優れた低応力
性を備えた一次封止樹脂であることが明らかである。こ
れに対して、比較例品は、硬化物の光透過率は高かった
が、これを用いて一次封止したものの輝度保持率は実施
例品に比べてはるかに低い。このことから、低応力効果
が得られていないことがわかる。
【0041】さらに、前記フォトカプラー用一次封止樹
脂組成物(実施例品,比較例品)を用いて、フォトカプ
ラー用素子(GaAs−LED)をトランスファー成形
(成形条件:圧力70kg/cm2 ,温度175℃,時
間90秒)により一次封止した(一次封止樹脂層形
成)。ついで、一次封止樹脂層を形成した後、非光透過
型樹脂組成物(粉末状エポキシ樹脂成形材料、MP−1
0,日東電工社製)を用いて、上記一次封止樹脂層の外
周に、二次封止樹脂層をトランスファー成形(成形条
件:圧力70kg/cm2 ,温度175℃,時間90
秒)により形成した。このようにしてフォトカプラー用
素子が二層の封止樹脂層(一次封止樹脂層および二次封
止樹脂層)により封止されたフォトカプラーを製造し
た。
【0042】このようにして得られたフォトカプラー
(二層封止樹脂層形成)について100時間後の輝度保
持率を、−40℃×50mAの条件で測定した。これら
の結果を後記の表6〜表7に併せて示す。
【0043】
【従来例】予め、フォトカプラー用素子(GaAs−L
ED)表面にシリコーンコーティング層を形成した。そ
して、従来の光透過型樹脂組成物(粉末状エポキシ樹脂
成形材料、NT−8600、日東電工社製)を用いて、
上記シリコーンコーティング層形成済みのフォトカプラ
ー用素子を前記と同様のトランスファー成形条件で一次
封止した。ついで、非光透過型樹脂組成物(粉末状エポ
キシ樹脂成形材料、MP−10,日東電工社製)を用い
て、上記一次封止樹脂層の外周に、前記と同条件でトラ
ンスファー成形により二次封止樹脂層を形成したフォト
カプラーを作製した。
【0044】この従来例品を用いて上記と同様にして輝
度保持率を測定した。この結果を後記の表7に併せて示
す。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】上記の表6〜表7の結果から、一次封止に
続いて二次封止した全ての実施例品(フォトカプラー)
の輝度保持率は90〜100%と非常に高かった。これ
はシリコーンコーティング層を形成した従来例品に略匹
敵する結果であり、優れた低応力性を備えていることが
わかる。これに対して、比較例品の輝度保持率は実施例
品に比べて低くその性能に劣るものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトカプラーの構成を示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 英人 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)成分を含有するフ
    ォトカプラー用一次封止樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)ノボラック型フェノール樹脂。 (C)下記の一般式(1)で表されるシリコーン化合
    物。 【化1】 (D)無機質充填剤。
  2. 【請求項2】 フォトカプラー用一次封止樹脂組成物か
    らなる硬化物の光透過率が、硬化物の厚み1mmでの波
    長950nmの条件において80%以上である請求項1
    記載のフォトカプラー用一次封止樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (D)成分である無機質充填剤の含有量
    が、一次封止樹脂組成物全体の80重量%以上に設定さ
    れている請求項1または2記載のフォトカプラー用一次
    封止樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分であるシリコーン化合物の含
    有量が、一次封止樹脂組成物中の有機成分全体の50重
    量%以下に設定されている請求項1〜3のいずれか一項
    に記載のフォトカプラー用一次封止樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 フォトカプラー用一次封止樹脂組成物か
    らなる硬化物の線膨脹係数が1.2×10-5-1以下に
    設定され、かつ弾性係数が1550kg/mm2 以下に
    設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のフ
    ォトカプラー用一次封止樹脂組成物。
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