JP2732939B2 - エポキシ樹脂組成物およびそれによつて封止された半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびそれによつて封止された半導体装置

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JP2732939B2
JP2732939B2 JP2221879A JP22187990A JP2732939B2 JP 2732939 B2 JP2732939 B2 JP 2732939B2 JP 2221879 A JP2221879 A JP 2221879A JP 22187990 A JP22187990 A JP 22187990A JP 2732939 B2 JP2732939 B2 JP 2732939B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半導体装置における封止材料、接着剤、ワ
ニス、塗料、積層板用などとして好適に用いられるエポ
キシ樹脂組成物およびそれによって封止された半導体装
置に関する。さらに詳しくは、シリコーン化合物を反応
させたエポキシ樹脂を配合して、硬化物の耐熱性、耐湿
性を損なわずに耐冷熱衝撃性を向上させたエポキシ樹脂
組成物およびそれによって封止された半導体装置に関す
る。
[従来の技術] IC、LSIなどの半導体装置においては、その半導体素
子をシリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによって封止す
る樹脂封止法が広く採用されている。これらの封止樹脂
の中でも、とくにノボラック型エポキシ樹脂とフェノー
ルノボラック樹脂とを組合わせたエポキシ樹脂組成物
(たとえば特開昭63−77930号公報に開示された組成
物)は、封止後の耐湿性を効果的かつ良好に保持できる
とともに、比較的安価であることとも相俟って汎用され
ている。
しかし、このエポキシ樹脂組成物により大容量の半導
体素子を封止したばあいには、硬化時の収縮によるスト
レスまたは内部素子とエポキシ樹脂との膨張係数の差に
よって生じるストレスなどにより、素子のボンディング
ワイヤが変形したり、断線、素子パッシベーションのク
ラックなどが発生したりしやすいという問題がある。そ
れでこれらのストレスを低減するために、シリコーンゴ
ムおよびポリスチレン系ブロック共重合体を添加し、発
生する熱応力を低減する方法(特開昭63−248820号公報
参照)が検討されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、シリコーンゴムによる可撓化は、シリ
コーンゴムとエポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が低
いため、充分に接着せず、機械強度が低下し、樹脂封止
素子のアセンブリ工程でパッケージクラックにつながる
可能性がある。また、冷熱衝撃で発生する熱応力を充分
に低減できない可能性がある。
本発明はかかる問題を解決するためになされたもので
あり、エポキシ樹脂マトリックスとの接着力を改善した
シリコーン変性エポキシ樹脂を用いることにより、機械
強度をほとんど低下させずに、冷熱衝撃で発生する熱応
力が充分に低減された硬化物を与えるエポキシ樹脂組成
物およびそれによって封止された半導体装置をうること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、一般式(I): (式中、Y1、Y2は官能基、R1、R2は2価の有機基、R3
R6はそれぞれ水素原子または1価の有機基、a個のR3
a個のR4はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、aは1
〜15を示す)で表わされるシリコーン化合物(A1)およ
び(または)一般式(II): (式中、Y3は官能基、c個のY3は同種でもよく異種でも
よい、R7は2価の有機基、R8〜R16はそれぞれ水素原子
または1価の有機基、b個のR11、b個のR12、c個の
R7、c個のR13はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、
bは0〜14、cは0〜14を示す、ただしb+c=0〜1
4)で表わされるシリコーン化合物(A2)と、1分子中
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と
の反応生成物(C)に、一般式(III): (式中、Y4、Y5は官能基、R17、R18は2価の有機基、R
19〜R22はそれぞれ水素原子または1価の有機基、d個
のR19、d個のR20はそれぞれ同種でもよく異種でもよ
い、dは20〜100を示す)で表わされるシリコーン化合
物(D1)および(または)一般式(IV): (式中、Y6は官能基、f個のY6は同種でもよく異種でも
よい、R23は2価の有機基、R24〜R32はそれぞれ水素原
子または1価の有機基、e個のR27、e個のR28、f個の
R23、f個のR29はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、
eは19〜99、fは0〜20を示す、ただしe+f=19〜9
9)で表わされるシリコーン化合物(D2)を反応させて
なり、シリコーン化合物((A1)+(A2))/エポキシ
樹脂(B)が重量比で0.03〜0.5であり、シリコーン化
合物((D1)+(D2))/反応生成物(C)が重量比で
0.1〜2であるシリコーン変性エポキシ樹脂(E)、ま
たは該シリコーン変性エポキシ樹脂(E)および1分子
中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(F)
を含有し、エポキシ樹脂の硬化剤(G)を含有したエポ
キシ樹脂組成物ならびに 前記エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置に関す
る。
[作 用] 本発明のエポキシ樹脂組成物には、その硬化物の熱誘
起応力を低減するための高分子量のシリコーン化合物
(D1)、(D2)に由来する単位と、エポキシ樹脂(F)
との相溶性および分散性を高め、マトリックスとしても
作用しうるエポキシ樹脂(B)に由来する単位とを含有
し、さらに前記高分子量のシリコーン化合物(D1)、
(D2)とエポキシ樹脂(B)との相溶性および反応性を
高めるための低分子量のシリコーン化合物(A1)、(A
2)に由来する単位を含有したシリコーン変性エポキシ
樹脂(E)が配合される。本発明のエポキシ樹脂組成物
は、そのようなシリコーン変性エポキシ樹脂(E)が配
合されているので、高い耐冷熱衝撃性が付与された硬化
物を与える。さらにその硬化物は耐湿性、耐熱性に優れ
ているので、かかる組成物で封止された半導体装置は高
い信頼性を有するものになる。
[実施例] 本発明のエポキシ樹脂組成物には、シリコーン化合物
(A1)および(または)シリコーン化合物(A2)と、エ
ポキシ樹脂(B)とを反応させてえられる反応生成物
(C)に、シリコーン化合物(D1)および(または)シ
リコーン化合物(D2)を反応させたシリコーン変性エポ
キシ樹脂(E)が配合される。
本発明で用いられる一般式(I): で表わされるシリコーン化合物(A1)や一般式(II): で表わされるシリコーン化合物(A2)は、エポキシ樹脂
(B)に添加反応させることにより、えられる反応生成
物(C)を後述するシリコーン化合物(D1)やシリコー
ン化合物(D2)との相溶性が高く、反応性の高いものに
するための成分である。
前記一般式(I)中の、Y1、Y2は官能基であり、その
具体例としては、たとえばカルボキシル基、アミノ基、
メルカプト基、エポキシ基、ビニル基、水酸基、フェノ
ール基などがあげられる。
R1、R2は2価の有機基であり、炭素数2〜12の基が好
ましく、その具体例としては、たとえばエチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基などのオレフィン系の基などが
あげられる。
R3〜R6はそれぞれ水素原子または1価の有機基であ
り、該有機基は炭素数1〜6の基が好ましく、その具体
例としては、たとえばメチル基、フェニル基、トリフル
オロプロピル基などがあげられる。a個のR3、a個のR4
はそれぞれ同種でもよく異種でもよい。
aは1〜15、好ましくは3〜10である。aが0ではシ
リコーン化合物(D1)や(D2)との相溶性、反応性を低
下させ、15をこえてもシリコーン化合物(D1)や(D2)
との相溶性、反応性を低下させる。
一般式(I)で表わされるシリコーン化合物(A1)の
平均分子量は150〜1500であるのが好ましい。
このようなシリコーン化合物(A1)の具体例として
は、たとえば両末端アリルフェノール変性シリコーン、
両末端p−ヒドロキシスチレン変性シリコーン、両末端
カルボキシル変性シリコーン、両末端アミノ変性シリコ
ーン、両末端エポキシ変性シリコーン、両末端メルカプ
ト基変性シリコーンなどがあげられる。
前記一般式(II)中のY3はY1、Y2と同様の官能基、R7
はR1、R2と同様の2価の有機基、R8〜R16はそれぞれ水
素原子またはメチル基、フェニル基、トリフルオロプロ
ピル基、メトキシ基などの1価の有機基である。b個の
R11、b個のR12、c個のR7、c個のR13、c個のY3はそ
れぞれ同種でもよく異種でもよい。
bは0〜14、好ましくは2〜9であり、cは0〜14、
好ましくは1〜5であり、b+cは0〜14、好ましくは
3〜9である。b+cが14をこえるとシリコーン化合物
(D1)や(D2)との相溶性、反応性を低下させる。
また、一般式(II)中の2種の重合単位の結合は、ラ
ンダムでもよくブロックでもよい。
一般式(II)で表わされるシリコーン化合物(A2)の
平均分子量は150〜1500であるのが好ましい。
このようなシリコーン化合物(A2)の具体例として
は、たとえばアリルフェノール変性シリコーン、p−ヒ
ドロキシスチレン変性シリコーン、メルカプト変性シリ
コーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリ
コーン、エポキシ変性シリコーン、ビニル基変性シリコ
ーンなどがあげられる。
前記エポキシ樹脂(B)は1分子中に2個以上、好ま
しくは2〜10価のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であ
り、1分子中のエポキシ基の数が2個未満では組成物の
耐熱性、耐湿性などが低下し、好ましくない。また、エ
ポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は耐熱性、耐湿性など
の点140〜500であるのが好ましい。
このようなエポキシ樹脂(B)の具体例としては、た
とえばノボラック系エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシ
フェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、その重合
体、ビスフェノールA型エポキシ樹脂など種々のタイプ
のエポキシ樹脂があげられる。なお、本明細書にいうエ
ポキシ樹脂(B)は、エポキシ樹脂をアリルエーテル化
したものなどをも含むものである。これらの中でもノボ
ラック系エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)
メタンのトリグリシジルエーテルやその重合体が、耐熱
性、耐湿性などの点から好ましい。エポキシ樹脂(B)
は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーン化合物(A1)および(または)シリコーン
化合物(A2)とエポキシ樹脂(B)との反応における各
成分の使用割合は、重量比でシリコン化合物((A1)+
(A2))/エポキシ樹脂(B)+0.03〜0.5、好ましく
は0.1〜0.4である。該割合が0.03未満では、つぎに添加
反応させるシリコーン化合物(D1)、(D2)との相溶性
および反応性を高めることができず、0.5をこえるとえ
られるエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度が低下し、
耐熱性が低下する。
本発明に用いられる一般式(III): で表わされるシリコーン化合物(D1)や一般式(IV): で表わされるシリコーン化合物(D2)はえられるエポキ
シ樹脂組成物の硬化物の熱誘起応力を低減されるために
用いられる成分である。
前記一般式(III)中のY4、Y5はY1、Y2と同様の官能
基、R17、R18はR1、R2と同様の2価の有機基、R19、〜R
22はそれぞれ水素原子またはR3〜R6と同様の1価の有機
基である。d個のR19、d個のR20はそれぞれ同種でもよ
く異種でもよい。
dは20〜100、好ましくは25〜80を示す。dが20未満
では組成物の弾性率を低下させる効果が低くなり、100
をこえると反応生成物(C)との反応性が低下し、好ま
しくない。
一般式(III)で表わされるシリコーン化合物(D1)
の平均分子量は1600〜19000であるのが好ましい。
このようなシリコーン化合物(D1)の具体例として
は、たとえば重合度が異なるほかはシリコーン化合物
(A1)と同様の化合物があげられる。
前記一般式(IV)中のY6はY1、Y2と同様の官能基、R
23はR1、R2と同様の2価の有機基、R24〜R32はそれぞれ
水素原子またはメチル基、フェニル基、トリフルオロプ
ロピル基、メトキシ基などの1価の有機基である。e個
のR27、e個のR28、f個のR23、f個R29、f個のY6はそ
れぞれ同種でもよく異種でもよい。
eは19〜99、好ましくは19〜80である。eが19未満で
は組成物の弾性率を低下させる効果が低くなり、99をこ
えると反応生成物(C)との反応性が低下し、好ましく
ない。
fは0〜20、好ましくは2〜10である。fが20をこえ
ると反応生成物(C)との反応の際、ゲル化しやすくな
る。
e+fは19〜99、好ましくは20〜80である。e+fが
19未満では組成物の弾性率を低下させる効果が低くな
り、99をこえると反応生成物(C)との反応性が低下
し、好ましくない。
一般式(IV)で表わされるシリコーン化合物(D2)の
平均分子量は1600〜10000であるのが好ましい。
また、一般式(IV)中の2種の重合単位の結合は、ラ
ンダムでもよくブロックでもよい。
このようなシリコーン化合物(D2)の具体例として
は、たとえば重合度が異なるほかはシリコーン化合物
(A2)と同様の化合物があげられる。
前記反応生成物(C)とシリコーン化合物(D1)およ
び(または)シリコーン化合物(D2)との反応における
各成分の使用割合は、重量比でシリコーン化合物((D
1)+(D2))/反応生成物(C)=0.1〜2、好ましく
は0.15〜1である。該割合が0.1未満では、熱誘起応力
を低減する効果がほとんどなく、2をこえると反応生成
物とシリコン化合物((D1)+(D2))との反応性が低
下し、シリコーン化合物が未反応物として残り、硬化物
表面ににじみ出したり、反応中にゲル化するばあいがあ
り、好ましくない。
シリコーン変性エポキシ樹脂(E)の配合割合は一概
には規定できないが、本発明の組成物における全有機成
分(シリコーン化合物に由来する成分を含む)中、シリ
コーン化合物に由来する生物が通常3〜50%(重量%、
以下同様)となるような割合であるのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記シリコーン変
性エポキシ樹脂(E)とともに、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するエポキシ樹脂(F)を配合してもよ
い。
前記エポキシ樹脂(F)は1分子中に2個以上、好ま
しくは2〜15個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であ
り、1分子中のエポキシ基の数が2個未満では組成物の
耐熱性、耐湿性が低下する。またエポキシ樹脂(F)の
エポキシ当量は、耐熱性、耐湿性などの点から、140〜5
00であるのが好ましい。
このようなエポキシ樹脂(F)の具体例としては、前
記エポキシ樹脂(B)の具体例として示したもののほか
に、脂環式系エポキシ樹脂など種々のタイプのエポキシ
樹脂があげられる。これらの中でも、ノボラック系エポ
キシ樹脂やトリス(ヒドロキシフェニル)メタンのトリ
グリシジルエーテルやその重合体が、高温特性に優れて
いるのでとくに好ましい。
エポキシ樹脂(F)は一種を用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。またその配合割合は、全有機成分中
のシリコーン化合物に由来する成分が、前記の範囲にな
るように調整するのが好ましい。
さらに、前記のごときエポキシ樹脂とともに必要に応
じて臭素化ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂
を併用してもよい。このばあい、ハロゲン化エポキシ樹
脂の配合割合は、エポキシ樹脂成分中50%以下であるの
が組成物の耐熱性、耐湿性の点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂の硬
化剤(G)が必須成分として配合される。
前記エポキシ樹脂の硬化剤(G)にはとくに限定はな
く、従来から慣用されている公知のものでよく、その具
体例としては、たとえばフェノールノボラック型樹脂、
クレゾールノボラック型樹脂などのフェノール系硬化
剤、メチルヘキサハイドロ無水フタル酸、メチルテトラ
ハイドロ無水フタル酸などの酸無水物系硬化剤、ジシア
ンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルホンなどのアミン系硬化剤などがあげられ
る。このうちフェノール系硬化剤や酸無水物硬化剤が耐
湿性の点で好ましい。
硬化剤(G)の配合割合は、シリコーン変性エポキシ
樹脂(E)およびエポキシ樹脂(F)のエポキシ当量、
硬化剤(G)の種類などによっても異なるが、通常、シ
リコーン変性エポキシ樹脂(E)およびエポキシ樹脂
(F)100部(重量部、以下同様)に対して10〜100部で
あるのが好ましい。
さらに本発明の組成物には、必要に応じて結晶性シリ
カ粉、溶融シリカ粉、アルミナ粉、石英ガラス粉、ガラ
ス繊維などの無機充填剤を組成物中40〜90%の範囲で配
合してもよく、また、イミダゾール系化合物、第3級ア
ミン類、リン系化合物などの硬化促進剤、カーボンブラ
ックなどの着色剤、カルナバワックス、合成ワックスな
どの離型剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランなどのカップリ
ング剤などの成分を、組成物中の含有量が全体で10%を
こえない範囲で配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記の各成分を、た
とえばローラー、ニーダミキサー、エクストルーダ、ヘ
ンシェルミキサー((株)三井三池製作所製など)、一
般的に使用されている公知の混合装置を用いて混合する
ことにより容易に調製しうる。
このような本発明のエポキシ樹脂組成物によって半導
体素子を封止することにより、耐熱性、耐湿性、外観
性、耐冷熱衝撃性に優れ、高い信頼性を有する半導体装
置をうることができる。
前記組成物で半導体素子を封止する方法などにはとく
に限定はなく、通常用いられているような方法でよい。
以下に製造例および実施例を示し、本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
製造例1 4つ口フラスコにエポキシ樹脂(B)100部を仕込
み、120℃に保ちながらトリフェニルホスフィン0.15部
をシリコーン化合物(A1)6部に溶解したものを徐々に
滴下したのち、撹拌を4時間続け、反応生成物(C)を
与えた。えられた反応生成物(C)は透明な粘稠液体で
あった。
ついで、120℃に保ちながらトリフェニルホスフィン
0.25部をシリコーン化合物(D1)に溶解したものを徐々
に滴下し、さらに撹拌を6時間続けシリコーン変性エポ
キシ樹脂をえた。えられたシリコーン変性エポキシ樹脂
は白色の粘稠液体であった。用いた成分の種類、使用量
を第1表に示す。
製造例2〜6および比較製造例1〜4 各成分を第1表に示すようにかえたほかは製造例1と
同様にしてシリコーン変性エポキシ樹脂をえた。
なお、比較製造例3では、シリコーン化合物(D1)の
滴下終了後の撹拌、反応中にゲル化した。
実施例1〜4および比較例1〜3 第2表に示す配合割合でエポキシ樹脂(F)、硬化
剤、シリコーン変性エポキシ樹脂および硬化促進剤を調
合し、撹拌機で混合したのち、脱気し、離型処理を施し
たガラス板の間で120mm×120mm×4mm tの樹脂硬化物を
作製し、各種評価用試片を切り出した。硬化は100℃・
3時間、150℃・5時間、ついで180℃・3時間で行なっ
た。えられた試片の物性および樹脂硬化物外観状態を下
記のようにして調べた。結果を第3表に示す。
(曲げ弾性率) JIS K 6911に準じてインストロン引張り試験機を
用いて測定。
(曲げ強度) JIS K 6911に準じてインストロン引張り試験機を
用いて測定。
(線膨張係数) TMA(パーキンエルマー社製)により2.5℃/minの昇温
速度で測定。
(ガラス転移温度) TMA(パーキンエルマー社製)により2.5℃/minの昇温
速度で測定。
(熱応力指標) エポキシ樹脂組成物が硬化において誘導する熱応力指
標をσ=E・αより求める。
(σ:熱応力の指標、E:曲げ弾性率、α:線膨張係
数) (硬化物外観) 硬化物表面への変性シリコーンオイルのにじみ出しを
目視で調べ、下記基準により評価。
○:にじみ出し無し ×:にじみ出し有り 実施例5〜11および比較例4〜8 第4表に示す配合割合でエポキシ樹脂(F)、硬化
剤、シリコーン変性エポキシ樹脂、無機充填剤および硬
化促進剤などのその他の成分を調合し、70〜110℃の熱
ロールにより4〜7分間混練したのち粉砕し、プレス装
置を用いて直径45mm、高さ35mmのタブレットにその嵩密
度が1.5〜1.8となるようにして成形し、半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物をえた。
えられたタブレットを用いて、プランジャー圧力80kg
/cm2、金型温度175±5℃、成形時間90秒の条件でトラ
ンスファー成形し、各種信頼性評価用モニターチップお
よび各種評価用試片を作製した。
つぎにこの各種信頼性評価用モニターチップおよび各
種評価用試片に175℃、8時間の後硬化を施した。
つぎにえられた各種評価用試片を用いて曲げ弾性率、
曲げ強度、線膨張係数、ガラス転移温度および硬化物外
観を実施例1〜4と同様にして調べた。結果を第5表に
示す。
さらに、前記のように処理された各種信頼性評価用モ
ニターチップを用いて、耐熱信頼性試験、耐湿信頼性試
験および耐冷熱衝撃試験を下記の方法で行なった。結果
を第5表に示す。
(耐熱信頼性試験) モニターチップを空気中、250℃の条件下に放置し、
モニターチップに不良が発生するまでの時間を測定す
る。
(耐湿信頼性試験) モニターチップ20個をPCT(Pressure Cooker Test)1
30℃、2.7気圧の条件で、1000時間放置したのち、不良
モニターチップの個数によって評価する。
(耐冷熱衝撃試験) モニターチップ20個を用い、−65℃で30分間と150℃
で30分間とを1サイクルとし、200サイクルのちの不良
モニターチップの個数によって評価する。
前記第3表に示す結果からわかるように、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は、硬化物の外観および樹脂自体の線
膨張係数、ガラス転移温度などの基本的特性を損なうこ
となしに曲げ弾性率を低下させることができ、熱応力の
指標(σ)として求めたσを効果的に低下させるこ
とができる。また、第5表に示す結果からわかるよう
に、硬化物の外観および樹脂自体のガラス転移温度など
の基本的特性を損なうことなしに、曲げ弾性率および線
膨張係数を低下させることができ、本発明の樹脂組成物
で樹脂封止した装置は耐熱性、耐湿性および耐冷熱衝撃
性についても非常に優れた特性を有るものである。
[発明の効果] 本発明のエポキシ樹脂組成物は、変性シリコーンオイ
ルの分散性を高めているため、硬化物の外観、耐熱性、
耐湿性を損なうことなしに優れた耐冷熱衝撃性を有し、
IC、LSIなどの半導体封止樹脂として好適に使用できる
という効果を奏する。また、このエポキシ樹脂組成物に
よって封止した本発明の半導体装置は、信頼性の高い半
導体装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 泰 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (56)参考文献 特開 平3−177415(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、Y1、Y2は官能基、R1、R2は2価の有機基、R3
    R6はそれぞれ水素原子または1価の有機基、a個のR3
    a個のR4はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、aは1
    〜15を示す)で表わされるシリコーン化合物(A1)およ
    び(または)一般式(II): (式中、Y3は官能基、c個のY3は同種でもよく異種でも
    よい、R7は2価の有機基、R8〜R16はそれぞれ水素原子
    または1価の有機基、b個のR11、b個のR12、c個の
    R7、c個のR13はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、
    bは0〜14、cは0〜14を示す、ただしb+c=0〜1
    4)で表わされるシリコーン化合物(A2)と、1分子中
    に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と
    の反応生成物(C)に、一般式(III): (式中、Y4、Y5は官能基、R17、R18は2価の有機基、R
    19〜R22はそれぞれ水素原子または1価の有機基、d個
    のR19、d個のR20はそれぞれ同種でもよく異種でもよ
    い、dは20〜100を示す)で表わされるシリコーン化合
    物(D1)および(または)一般式(IV): (式中、Y6は官能基、f個のY6は同種でもよく異種でも
    よい、R23は2価の有機基、R24〜R32はそれぞれ水素原
    子または1価の有機基、e個のR27、e個のR28、f個の
    R23、f個のR29はそれぞれ同種でもよく異種でもよい、
    eは19〜99、fは0〜20を示す、ただしe+f=19〜9
    9)で表わされるシリコーン化合物(D2)を反応させて
    なり、シリコーン化合物((A1)+(A2))/エポキシ
    樹脂(B)が重量比で0.03〜0.5であり、シリコーン化
    合物((D1)+(D2))/反応生成物(C)が重量比で
    0.1〜2であるシリコーン変性エポキシ樹脂(E)、ま
    たは該シリコーン変性エポキシ樹脂(E)および1分子
    中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(F)
    を含有し、エポキシ樹脂の硬化剤(G)を含有したエポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエポキシ樹脂組成物で封止
    された半導体装置。
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