JPH0828538B2 - 超電導薄膜パタンの形成方法 - Google Patents

超電導薄膜パタンの形成方法

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JPH0828538B2
JPH0828538B2 JP3052185A JP5218591A JPH0828538B2 JP H0828538 B2 JPH0828538 B2 JP H0828538B2 JP 3052185 A JP3052185 A JP 3052185A JP 5218591 A JP5218591 A JP 5218591A JP H0828538 B2 JPH0828538 B2 JP H0828538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物薄膜形成用マス
ク材、それを用いた酸化物薄膜のパタン形成方法に
り、特に超電導薄膜を用いた超電導スイッチング素子等
の製造に用いる酸化物薄膜形成用マスク材、それを用い
た酸化物薄膜のパタン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導エレクトロニクス素子ある
いは超電導配線等に用いる酸化物系の超電導薄膜のパタ
ン形成は、以下の方法により行われていた。すなわち有
機レジスト膜をマスク材として超電導膜の表面にコーテ
ィングし、電子線又は紫外線の照射、現像によって所望
のパタンを形成する。つぎに化学的なエッチング法ある
いは物理的なエッチング法により、酸化物超電導膜の露
出している部分を加工し、除去する。
【0003】例えば、Y−Ba−Cu酸化物薄膜の場
合、希硝酸によって化学的にエッチングすることができ
る。化学的なエッチング法はサイドエッチング等の問題
点があり、微細なパタンを形成することが困難である。
従ってこれに代わる方法として有機レジスト膜を同じく
マスク材として用い、不活性ガスであるAr等のイオン
ビームあるいはフッ素化合物、塩素化合物等のイオンビ
ームによって、スパッタリング効果あるいはスパッタリ
ング効果と化学反応との併用によりエッチングを行う方
法が採用されている。このような有機レジスト膜とイオ
ンビームを用いた酸化物系超電導薄膜の加工の例はイク
ステンディド・アブストラクト・オブ・インターナショ
ナル・スーパーコンダクティビィティ・エレクトロニク
ス・コンファレンス459頁、1989年(Exten
ded Abstracts of1989 Inte
rnational Superconductivi
tyElectronics Conference,
p.459,1989)に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術を用いた
酸化物系薄膜のパタン形成は、以下の問題があった。最
も大きな問題は、イオンビームエッチング法によって酸
化物超電導薄膜の加工を行う場合、酸化物超電導薄膜の
エッチング速度が有機レジスト材のエッチング速度に対
して相対的に低いことである。例えば、SF6ガスを用
いてイオンビームエッチング法によりY−Ba−Cu酸
化物薄膜の加工を行う場合、加速エネルギー500e
V、電流密度0.5mAでエッチング速度は5〜10n
m/min程度である。同一の条件で有機レジスト材の
エッチング速度は50〜200nm/minとなる。
【0005】このようにマスク材と酸化物超電導薄膜の
エッチング速度の比が大きい場合、微細なパタンを得る
ことが極めて困難となる。例えば膜厚200nmの酸化
物超電導薄膜のパタン形成を行う場合、エッチング割合
から必要なレジスト材の膜厚は2μm以上となる。この
ような厚いレジストマスクを用いてサブミクロンの微細
パタンを得ることは困難である。特に100nmあるい
はこれ以下の微細なパタンを形成することは不可能であ
る。
【0006】すなわち、酸化物超電導薄膜に対して10
0nm幅のパタンを得ようとする場合、幅が100nm
で、高さが2μmのレジストパタンを形成する必要があ
る。このようなレジストパタンを得ること自体が困難で
あるし、また例え作製できたとしても、このようなレジ
ストパタンに忠実なパタンを酸化物超電導薄膜に転写す
ることは不可能である。この理由はレジスト膜に対する
サイドエッチング等の影響により、酸化物超電導薄膜の
エッチング終了までレジストパタンの平面形状を一定に
保つことができないからである。
【0007】逆にこのようなエッチング割合のもとで、
100nm程度の微細なパタンを得ようとすれば、有機
レジスト材の膜厚を100〜200nmとして、酸化物
超電導薄膜の膜厚を10nm程度に限定する必要があ
る。超電導エレクトロニクス素子に用いるために必要な
酸化物超電導薄膜の膜厚は100nm以上であり、上記
従来技術はこのような膜厚に対して十分対処できない。
【0008】また、酸化物超電導薄膜を加工する場合、
サイドエッチングを生じることなく酸化物超電導薄膜の
エッチング割合を高くすることは困難である。例えばイ
オンビームエッチング法では、スパッタリングの効果に
よりエッチングが進行する。作業空間の真空度が10-2
Pa以上で、かつビームがコリメートしていれば、サイ
ドエッチングが進行しない。しかるにフッ素化物あるい
は塩化物ガスを用いても反応によるエッチングはほとん
ど進行しない。従って、酸化物超電導薄膜のエッチング
割合を高くすることは困難である。
【0009】本発明の第1の目的は、酸化物系薄膜の微
細なパタンを形成するのに適した酸化物薄膜形成用マス
クを提供することにある。本発明の第2の目的は、その
ようなマスクを用いた酸化物薄膜のパタン形成方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、
(1)Si膜及びAl膜からなる群から選ばれた少なく
とも1種の膜と、その上に配置された有機レジスト膜と
の積層膜からなることを特徴とする酸化物薄膜形成用マ
スク材、(2)Pt膜及びAu膜からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の膜と、その上に配置されたSi膜及
びAl膜からなる群から選ばれた少なくとも1種の膜
と、その上に配置された有機レジスト膜との積層膜から
なることを特徴とする酸化物薄膜形成用マスク材によっ
て達成される。上記第2の目的は、(3)基板上に、酸
化物薄膜を形成する工程、該酸化物薄膜上に上記1記載
の酸化物薄膜形成用マスク材の層を形成する工程、該層
の有機レジスト膜を所望のパタンとする工程、該パタン
を上記Si膜及びAl膜からなる群から選ばれた少なく
とも1種の膜に転写し、マスクを形成する工程、該マス
クを用いて上記酸化物薄膜をエッチングする工程及び該
マスクを除去する工程を有することを特徴とする酸化物
薄膜のパタン形成方法、(4)基板上に、酸化物薄膜を
形成する工程、該酸化物薄膜上に上記2記載の酸化物薄
膜形成用マスク材の層を形成する工程、該層の有機レジ
スト膜を所望のパタンとする工程、該パタンを上記Si
膜及びAl膜からなる群から選ばれた少なくとも1種の
膜と上記Pt膜及びAu膜からなる群から選ばれた少な
くとも1種の膜に転写し、マスクを形成する工程、該マ
スクを用いて上記酸化物薄膜をエッチングする工程及び
該マスクを除去する工程を有することを特徴とする酸化
物薄膜のパタン形成方法、(5)上記3又は4記載の酸
化物薄膜のパタン形成方法において、上記酸化物薄膜は
酸化物超電導薄膜であることを特徴とする酸化物薄膜の
パタン形成方法、(6)上記3、4又は5記載の酸化物
薄膜のパタン形成方法において、上記酸化物薄膜のエッ
チングは酸素を含む雰囲気中で反応性イオンビームエッ
チングにより行うことを特徴とする酸化物薄膜のパタン
形成方法によって達成される。
【0011】
【0012】本発明のマスク材に用いるPt膜及びAu
膜からなる群から選ばれた少なくとも1種の膜の厚さ
は、薄いことが好ましいが、あまり薄いとピンホールが
発生してしまう。よって、10nmから200nmの範
囲であることが好ましい。またSi膜及びAl膜からな
る群から選ばれた少なくとも1種の膜の厚さは、エッチ
ングする酸化物薄膜の厚さ以下で、その5分の1以上で
あることが好ましい。有機レジスト膜の厚さは、50n
mから1μmの範囲であることが好ましく、50nmか
ら400nmの範囲であることがより好ましいい。
【0013】マスク材のエッチングも、そのマスクを用
いた酸化物薄膜のエッチングもドライエッチングで行う
ことが好ましい。マスク材のエッチングはArやSF6
等のガスを用いたイオンビームエッチングで行うことが
好ましい。酸化物薄膜のエッチングは反応性イオンビー
ムエッチングで行うことが好ましい。特に酸素を含む雰
囲気で、例えばArやSF6等と酸素ガスの混合ガスを
用いて行うことがより好ましい。
【0014】マスクに3層膜を用いた場合も、2層膜の
場合とほぼ同様である。すなわち、Au膜等が存在する
としても各工程におけるエッチング時間が多少長くなる
程度であり、プロセスの基本的な部分で変更を要するこ
とはない。
【0015】
【作用】従来のマスク材を用いた場合、酸化物超電導薄
膜の微細パタンを得ることが困難であることは、すでに
述べた用如く、マスク材のエッチング割合が酸化物超電
導薄膜のエッチング割合より10倍あるいはこれ以上に
大きいことに由来している。
【0016】本発明のマスク材は、以下に述べるエッチ
ング特性を有している。例えば、加速エネルギー500
eV、イオン電流密度0.5mA/cm2のArイオン
ビームに対する有機レジスト材の典型的なエッチング割
合は70nm/minである。これに対して、Si膜の
エッチング割合は40〜50nm/minであり、Y−
Ba−Cu酸化物のエッチング割合は25〜30nm/
minである。一方、Arと酸素の混合ガスを用いた場
合、Si膜のエッチング割合は5〜10nm/minと
大幅に低下するが、Y−Ba−Cu酸化物のエッチング
割合は25〜30nm/minと変わらない。
【0017】純Arを用いた場合とArと酸素の混合ガ
スを用いた場合とで、エッチング割合が異なるのはSi
だけに限らず、他の元素にも適用できる。Si等におい
ては単体より酸化物の方が原子間結合強度が強く、エッ
チング速度も遅くなる。Arと酸素の混合ガスを用いて
イオンビームエッチングを行った場合、粒子エネルギー
によるスパッタリング作用と同時に、酸素ガスによる反
応も同時に進行する。従って、酸化物の形成によりエッ
チング速度が低下する。このような効果が存在するのは
酸化物がSiあるいはAlのように安定な材料の場合で
ある。
【0018】このようなArガスを用いた場合と、Ar
と酸素の混合ガスを用いた場合のSi膜に対するエッチ
ング割合の違いは微細なパタンを加工する上で極めて有
利である。すなわち有機レジストマスクからSi膜マス
クにパタンを転写する場合、Si膜の膜厚が100nm
であれば、有機レジストマスクの膜厚として約150n
m程度でよい。さらにArと酸素の混合ガスを用いるこ
とにより、膜厚100nmのSi膜に対して、膜厚40
0nmのY−Ba−Cu酸化物薄膜をエッチングできる
ことになる。すなわち、膜厚400nmのY−Ba−C
u酸化物薄膜のパタン形成を行うために必要な有機レジ
スト材の膜厚は150nmでよいことになる。
【0019】このように被エッチング材に対して、マス
ク材のエッチング速度が遅いことは、マスク材の膜厚を
薄くできることを意味する。このことはすなわち、パタ
ンの微細化限界及び精度を向上させることになる。例え
ば描画技術を別とすれば、膜厚100nmのレジシト材
を用いた場合、寸法50nm以下の微細パタンを得るこ
とができることになる。
【0020】さらに本発明に係るマスク材及びパタン形
成方法は、酸化物系の薄膜、酸化物系の超電導薄膜、あ
るいは超電導薄膜素子に適合するものである。この理由
は金属系の超電導薄膜あるいは超電導薄膜素子の場合、
酸素ガスを用いたエッチング工程によって表面層の電気
的特性が劣化するのに対し、酸化物系の超電導薄膜、あ
るいは超電導薄膜素子の場合むしろエッチング損傷によ
る特性劣化が抑えられるからである。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例を以下に述べる。
【0022】〈実施例1〉図1に示す如く、SrTiO
3の(110)面方位単結晶を超電導素子用の基板1と
して用い、基板1上にY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜
2を形成する。成膜は高周波マグネトロンスパッタリン
グ法によって行う。雰囲気ガスはArと濃度50%の酸
素ガスとし、全圧力は0.4Paとする。ターゲット材
はY−Ba−Cu酸化物の円板状焼結体とする。電源と
して13.56MHzの高周波を用い、投入電力は10
0Wとする。膜形成時の基板温度は600℃とする。こ
のような成膜条件によって臨界温度80K前後のY−B
a−Cu酸化物超電導薄膜を得る。
【0023】つぎに真空蒸着法によってSi膜3の形成
を行う。Siは電子ビーム加熱法によって蒸発を行う。
Si膜の膜厚は100nmとする。さらに有機レジスト
膜4をスピン塗布及びベーキング処理を施すことにより
形成する。有機レジスト膜の膜厚は200nmとする。
このようにして形成したSi及び有機レジストの二層膜
をレジスト材とする。有機レジストに対して電子ビーム
露光法により超電導薄膜配線パタンの形成を行う。現像
により、有機レジスト膜に超電導配線パタンが得られる
(図1(a))。
【0024】つぎに基板1をイオンビームエッチング装
置に置き、薄膜の加工によってパタンの転写を行う。す
なわちArイオンビームを基板に照射し、露出したSi
膜部分のエッチングを行う。Arイオンビームの加速電
圧は500Vとし、基板に対する入射電流密度は0.5
mA/cm2とする。この条件下では有機レジスト膜の
エッチング割合は70nm/minであり、Si膜のエ
ッチング割合は50nm/minである。ただし形状効
果により、Si膜の微細な溝部ではエッチング速度が多
少低下する。このような効果を含めても、有機レジスト
膜のエッチングが終了するまでに露出したSi膜部分の
エッチングは完了する。これにより有機レジスト膜のパ
タンはSi膜に転写される(図1(b))。
【0025】つぎにArと濃度50%の酸素を含む混合
ガスを用いて、イオンビームエッチングを行う。エッチ
ングの条件は同じく加速電圧500V、電流密度0.5
mA/cm2とする。この場合のエッチング割合はSi
膜が10nm/minであり、Y−Ba−Cu酸化物超
電導薄膜が27nm/minである。従ってY−Ba−
Cu酸化物超電導薄膜の微細な溝部でエッチング速度が
多少低下するという形状効果を含めても、マスクとなる
Si膜のエッチング割合はY−Ba−Cu酸化物超電導
薄膜のエッチング割合より小さい。Y−Ba−Cu酸化
物超電導薄膜のエッチングが終了したあとも、Si膜マ
スクは残されている(図1(c))。
【0026】さらにSF6ガスを用いたイオンビームエ
ッチングにより残余のSi膜をエッチングにより除去す
る。この時のSi膜のエッチング割合が50nm/mi
nであるのに対して、Y−Ba−Cu酸化物超電導薄膜
のエッチング割合は5nm/minであり、超電導特性
や電気的特性等も含めて、Y−Ba−Cu酸化物超電導
薄膜にほとんど影響を与えずにSi膜を除去することが
出来る。以上の工程によりY−Ba−Cu酸化物超電導
薄膜の配線パタンを得る(図1(d))。
【0027】このようにして得られたY−Ba−Cu酸
化物超電導薄膜の配線パタンにおいては超電導臨界温度
の低下はほとんど認められない。さらに断面積から計算
される超電導臨界電流密度の劣化も僅かである。
【0028】以上の如きパタン形成方法を用いて、Y−
Ba−Cu酸化物超電導薄膜のみでなく、Bi−Sr−
Ca−Cu酸化物超電導薄膜、Tl−Ba−Ca−Cu
酸化物超電導薄膜等、他の酸化物超電導薄膜に対して
も、同様に配線パタンあるいは素子の電極膜パタンを得
ることができる。さらに、0.1μm以下の線幅又は溝
パタンを得ることが出来た。
【0029】また、本実施例においては耐エッチングマ
スク材としてSi膜を用いたが、Si膜以外にAl膜を
用い、有機レジスト膜とAl膜の積層膜をマスクとした
場合にも同様に超電導薄膜パタンを形成することができ
た。
【0030】〈実施例2〉第2図に示す如く、パタン形
成用のマスク材としてAu膜5を追加して、有機レジス
ト膜4、Si膜3及びAu膜5の三層構造とした積層膜
を用いたパタン形成を行う。実施例1と同様に基板1上
にY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜2を形成したのち、
酸化物超電導薄膜2の上に、これに接してAu膜5を真
空蒸着法により約30nmの厚さに形成する。以下実施
例1と同様にSi膜3、有機レジスト膜4の形成、有機
レジスト膜のパタンの形成を行う(図2(a))。
【0031】さらに同様にSi膜3とAu膜5のエッチ
ングを行い(図2(b))、ついでY−Ba−Cu酸化
物超電導薄膜2のエッチングを行い(図2(c))、さ
らに残余のSi膜をエッチングにより除去する(図2
(d))。Au膜のエッチング割合はArガスを用いた
場合も、SF6ガスを用いた場合もSi膜あるいはY−
Ba−Cu酸化物超電導薄膜より10倍前後大きいの
で、エッチング条件に対してほとんど影響を与えない。
【0032】Au膜を挿入したマスク材を用いた場合、
酸化物超電導薄膜の表面層がAu膜によって保護される
ので、有機レジスト材のベーキング工程、イオンビーム
エッチング工程を通じて酸化物超電導薄膜の超電導特性
及び電気的特性等の劣化を抑えることが出来た。
【0033】この場合も、耐エッチングマスク材として
Si膜以外にAl膜を用いても同様な結果が得られる。
また、Au膜に代えてPt膜を用いても同様な結果が得
られる。
【0034】〈実施例3〉図3に本実施例で製造した電
界効果型の超電導トランジスタの断面図を示す。基板1
の上に、La−Ba−Cu酸化物半導体薄膜6が、その
上にY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜よりなるソース2
a、ドレイン2bが配置されている。さらに全体を覆っ
てSrTiO3絶縁膜8が形成され、ソース2a、ドレ
イン2b間のチャネル7が形成される位置の上部にはY
−Ba−Cu酸化物超電導薄膜よりなるゲート電極9が
置かれている。
【0035】この超電導トランジスタはつぎのようにし
て製造する。まず、SrTiO3の(110)面方位単
結晶の基板1の上に、La−Ba−Cu酸化物半導体薄
膜6を高周波マグネトロンスパッタリング装置により2
00nmの厚みに成膜する。ターゲット材は、La−B
a−Cu酸化物の円板上焼結体を用い、雰囲気ガスはA
rと酸素の50%ずつの混合ガス、全圧力は50mTo
rr、膜形成時の基板温度は600℃とした。電源は周
波数13.56MHzとし、電力は100Wの高周波を
用いる。
【0036】この上に同じ条件で、Y−Ba−Cu酸化
物をターゲット材とし、300nmの厚みのY−Ba−
Cu酸化物超電導薄膜を形成する。実施例1に示したと
同じ方法で、Si及び有機レジストの二層膜をレジスト
材として、Y−Ba−Cu酸化物超電導薄膜をソース2
a、ドレイン2b及び配線(図示せず)のそれぞれのパ
タンとする。ソース2a、ドレイン2b間は0.1μm
とする。
【0037】ついで、150nmの厚みのSrTiO3
絶縁膜8を、SrTi酸化物をターゲット材として同じ
条件で成膜する。上記と同様に、100nmの厚みのY
−Ba−Cu酸化物超電導薄膜を形成し、パタンとして
ゲート電極9を形成する。この超電導トランジスタは約
1mAの超電導電流が流れ、三端子素子としての基本特
性を有する。
【0038】なお、本実施例では有機レジスト膜及びS
i膜の二層膜をマスクとしたが、実施例2に示した有機
レジスト膜、Si膜、Au膜の3層膜をマスクとしても
同様の結果が得られる。また、Si膜に代えてAl膜、
Au膜に代えてPt膜をそれぞれ用いても同様な結果が
得られる。
【0039】また、超電導トランジスタ以外に、ジョセ
フソン接合素子も酸化物超電導薄膜を用いて製造するこ
とができる。酸化物超電導薄膜はY−Ba−Cu系に限
らないことはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のマスク材を用
いて、酸化物超電導薄膜等の酸化物薄膜の微細パタンを
形成することができた。特に、酸化物薄膜に対して、
0.1μmあるいはこれ以下の幅を有する微細なライン
及び溝パタンを形成することができた。また、本発明を
用いることにより、高密度の超電導素子を得ることがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパタン形成工程を示す工程図である。
【図2】本発明のパタン形成工程を示す工程図である。
【図3】本発明で製造した電界効果型の超電導トランジ
スタの断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 酸化物超電導薄膜 2a ソース 2b ドレイン 3 Si膜 4 有機レジスト膜 5 Au膜 6 酸化物半導体薄膜 7 チャネル 8 絶縁膜 9 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 一正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−283887(JP,A) 特開 平2−194570(JP,A) 特公 平2−19970(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)単結晶基板上に酸化物超電導薄膜を
    形成する工程、 (2)上記酸化物超電導薄膜上に真空蒸着法を用いてS
    i膜の形成を行う工程、 (3)上記Si膜上に有機レジスト膜をスピン塗布およ
    びベーキング処理を施すことにより形成する工程、 (4)上記有機レジスト膜に対して電子ビーム露光法に
    より超電導薄膜配線パタンを形成する工程、 (5)上記(4)をイオンビームエッチング装置に置
    き、Arイオンビームを照射し、上記(4)の工程によ
    り露出した上記Si膜のイオンビ−ムエッチングを行う
    工程、 (6)上記(5)の工程により露出した酸化物超電導薄
    膜をArと濃度50%の酸素を含む混合ガスを用いてイ
    オンビームエッチングを行う工程、 (7)上記イオンビームエッチングにより残ったSi膜
    をエッチングにより除去する工程、を有することを特徴
    とする超電導薄膜パタンの形成方法
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