JPH0828476A - 密閉型回転圧縮機 - Google Patents

密閉型回転圧縮機

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JPH0828476A
JPH0828476A JP16422194A JP16422194A JPH0828476A JP H0828476 A JPH0828476 A JP H0828476A JP 16422194 A JP16422194 A JP 16422194A JP 16422194 A JP16422194 A JP 16422194A JP H0828476 A JPH0828476 A JP H0828476A
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oil
rotor
oil separation
rotary compressor
hermetic rotary
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Manabu Takenaka
学 竹中
Akihiro Suda
章博 須田
Masayuki Hara
正之 原
Tsutomu Kon
努 昆
Aritomo Satou
有朝 佐藤
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機の回転子への組み付けが容易で、油分
離性能に優れた油分離装置を具備し、安定した冷却能力
と、ケーシング内部に充分な潤滑油を確保して円滑な作
動を維持できる密閉型回転圧縮機を提供する。 【構成】 回転子24の永久磁石29を埋め込んだ積層
鉄心30に冷媒通過孔34を貫通形成すると共に、該鉄
心30上面にカシメピン36で油分離板35を固定し、
その下面に設けた放射状のスペーサ部46により形成さ
れる油分離空間45に冷媒ガスとミスト状オイルが冷媒
通過孔34を通って入り、外周部の開口部より流速が弱
められて分散吐出し、効率良く分離され、油はケーシン
グに溜り、冷媒ガスのみ外部に吐出供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫や空気調和機に
使用される密閉型回転圧縮機に関し、特に永久磁石型の
電動機要素に油分離効果の高い構造に改良した油分離板
を装着可能とした密閉型回転圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に密閉型回転圧縮機は、実公平5−
7519号公報に示す如く、圧縮機構部で圧縮され吐出
された冷媒ガスとミスト状のオイル(潤滑オイル)はケ
ーシングと固定子との隙間及び固定子と回転子のエアギ
ャップを通過し、その過程で油が分離され冷媒ガスが圧
縮機外へ吐出するものとなっている。
【0003】この密閉型回転圧縮機において冷媒ガスと
潤滑油の分離が圧縮機内で充分に行なわれないと、外部
回路に潤滑油に含まれた冷媒ガスが流れ、冷却効率が低
下し、また圧縮機ケーシング内に貯溜する潤滑油が不足
となり、圧縮部、この圧縮部を駆動する電動機要素の円
滑な作動が失われ、時には圧縮機が焼損するようなこと
が起る。
【0004】そこで、回転子の上部に設けられて遠心分
離作用で潤滑油を冷媒ガスと分離させる油分離板を備え
た密閉型回転圧縮機が、例えば実公平1−21190号
公報に開示するように提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで上記公報の密閉
型回転圧縮機では、アルミダイカスト製ロータを持つ誘
導電動機により圧縮機構部を駆動している。そして油分
離板は回転子鉄心の上部に設けられるエンドリングを支
持部品として利用し、このエンドリングに一体に突設し
たカシメピンにてカシメ固定している。
【0006】ところで上記誘導電動機の場合、トルクを
得るための磁界形成のために固定子の固定子巻線に励磁
電流を供給する必要がある。そのため、この電流による
損失があり、効率が悪く、消費電力の多い圧縮機となっ
ていた。そこで近年、このような励磁損失の無い、永久
磁石を利用した同期電動機を駆動源とする密閉型回転圧
縮機が開発されるようになった。
【0007】そしてこの永久磁石型の電動機を採用した
密閉型回転圧縮機においても、上述した油分離板を具備
することが冷却効率の向上、圧縮機を長寿命とできる等
の利点が得られるので望ましい。
【0008】しかし永久磁石を埋め込んだこの電動機の
積層鉄心は、構造上その上下は該鉄心を構成する鉄板自
体が露出し、前者の公報のように油分離板を装着するに
際し、その取り付け部材として利用できるような或る程
度の厚みがあり強度があるエンドリングのような部材が
付設されている構造とは異なるため、油分離板を回転子
に装着することが非常に困難であった。
【0009】本発明は上記の点に鑑み、永久磁石型の回
転子上面への油分離板の工夫した取付構造を提案し、且
つ油分離効果も高い、改良した油分離板を採用し、部品
点数も少なく、組立性も頗る良い密閉型回転圧縮機を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケーシングの
内底部をオイル溜めとすると共に、該ケーシング内に回
転圧縮機要素を下部に配置する一方固定子と積層鉄心に
設けた突部に永久磁石を埋め込んだ回転子とからなる電
動機要素を上部に配置し、前記回転圧縮機要素から吐出
したガス冷媒が前記電動機要素を通過して前記ケーシン
グの上部に設けた吐出口から外部の冷凍回路に吐出され
る密閉型回転圧縮機において、前記ガス冷媒とミスト状
のオイルを通すよう前記回転子の積層鉄心に上下方向に
貫通形成された複数の冷媒通過孔と、前記冷媒通過孔の
出口の上方に配され、前記回転子の上面との間に油分離
空間を形成するための複数のスペーサ部を放射状に備え
た非磁性材からなる油分離板と、前記油分離板のスペー
サ部に貫挿され、該油分離板を前記回転子に固定する固
定部材を通すために前記積層鉄心に上下方向に貫通形成
された挿通孔とを備えたものである。
【0011】また本発明は、前記油分離空間は放射状に
均等に設けられると共に、該油分離空間の外周の総開口
面積は全周の開口面積の1/2以上を占めるように前記
放射状のスペーサ部を形成したものである。
【0012】更に本発明は、前記挿通孔は、前記永久磁
石間の磁束を乱さない位置に形成されているものであ
る。
【0013】更にまた本発明は、前記油分離板に一部肉
厚部を設けてバランスウエイトを一体に備えさせたもの
である。
【0014】その上更に本発明は、前記回転子の上下面
には、前記冷媒通過孔と連通する連通孔を有して前記突
部間の上下方向に延びる溝を塞ぐ円形状の端板が取り付
けられているものである。
【0015】また更に本発明は、固定子巻線が巻装され
る前記固定子のスロットに挿入したスロット絶縁紙を前
記油分離空間の外周の開口を塞がないような状態で突出
させているものである。
【0016】更にまた本発明は、前記油分離板には、前
記スペーサ部間をその根元部で連絡し、前記回転子を焼
嵌めた駆動軸を挿通させる軸筒部が形成されているもの
である。
【0017】
【作用】下面にスペーサ部を放射状に設けた油分離板
を、永久磁石を埋め込んだ回転子の積層鉄心の上面に配
し、前記スペーサ部を通り積層鉄心に貫挿する複数の固
定部材により、油分離板は積層鉄心に簡単且つ確実に取
り付けられる。
【0018】そしてスペーサ部により積層鉄心上面との
間に放射状に形成され、外周部を出口とする油分離空間
には圧縮機構部から吐出し、潤滑オイルの混合した冷媒
ガスが積層鉄心を貫通する冷媒通過孔を通って入り、回
転する油分離板により遠心分離されて冷媒ガスだけが吐
出管より外部へ吐出され、オイルはケーシング内の底部
に戻される。
【0019】油分離空間はその出口が全周に均等に存在
し、これによって冷媒ガス及びミスト状オイルは均等に
分散して吐出し、吐出時の流速も弱まって、油分離も確
実に行なわれて、圧縮機内にオイルを充分に確保でき
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】1は密閉型回転圧縮機2(以下、圧縮機2
と略記する)のケーシングで、側面の下部に2本の冷媒
ガス吸入管3を設けた有底ケース1aと冷媒ガス吐出管
4を設けた上蓋ケース1bとよりなる。5はケーシング
1の下部に収容され上部シリンダ6Aと下部シリンダ6
Bからなる2シリンダ構成の回転式の圧縮機構部で、そ
れぞれのシリンダ6A,6Bには円形のシリンダ室7
a,7bと、このシリンダ室7a,7bに連通する冷媒
ガスの吸入路8a,8bと、シリンダ室7a,7b内で
180°の位相関係で内在する偏心部9a,9bとこの
偏心部の外周部9a,9bの外周部に嵌合する偏心ロー
ラ11a,11bと、図示しないが各偏心ローラ11
a,11bに常時圧接してシリンダ室7a,7b内を高
圧室と低圧室とに区画する摺動羽根等を備える。前記偏
心部9a,9bは図10に示すように、後述する電動機
の駆動軸12の下部に一体に設けられ、駆動軸12が回
転すると前記偏心ローラ11a,11bがシリンダ室7
a,7bの内壁に沿い偏心回転することで、冷媒ガスが
吸入、圧縮されて、圧縮機構部5外へ吐出される。上部
シリンダ2Aと下部シリンダ2Bは、前記駆動軸12の
軸支部13a,13bを設けた上部枠体14aと下部枠
体14bで挟持され、上カバー15a、下カバー15b
と共に複数箇所でボルト16締めされて組み立てられ
る。尚、上カバー15aには冷媒ガスとミスト状のオイ
ルとが吐出する吐出穴17が設けられている。また圧縮
機構部2下方のケーシング1内空間は、潤滑オイルのオ
イル溜り18とされている。
【0022】20は、ケーシング1の上部に収容される
電動機要素で固定子巻線21を巻装した固定子22と、
この固定子22内に微妙なエアギャップ10を存して内
挿され内部に永久磁石を具備する回転子24とからなる
同期電動機である。
【0023】固定子22は、珪素鋼板を略環形に打ち抜
きその内周にスロットを設けた薄い鉄板を積層してなる
固定子鉄心25を有し、この固定子鉄心25に固定子巻
線21a,21b,21cを図11に示すように内周、
中周、外周と層状に、且つ円周方向に所定の角度差をず
らして巻回している。またケーシング1内に圧入固定し
た時、固定子22とケーシング1内面との間で冷媒ガス
とミスト状オイルとが通過する隙間19が形成されるよ
うに、固定子鉄心25の外側面を所定箇所で平坦状に切
除している。そしてこの平坦面26中心には、回転子2
4に埋め込む磁性体を着磁して永久磁石とさせる着磁化
時にその位置決めとして利用される溝27が設けられて
いる。尚、28は前記固定子巻線21a,21b,21
cを一体に結束させる結束糸を示す。
【0024】一方回転子24も、図9及び10に示すよ
うに珪素鋼板からなる積層鉄心30を有し、中心に駆動
軸挿通孔31を有すると共に、外周部に磁極となる突部
32がその間に介在する縦溝23で分離されるように四
方に突出して設けられていると共に、突部32の外面は
回転効率向上に効果的なテーパー面32aと弧面32b
とよりなる形状に形成されている。そして各突部32に
対応して上下に貫通する角穴33が設けられると共に、
各縦溝23にそれぞれ対応されて上下に貫通する冷媒通
過孔34が形成されている。29は前記各角穴33に嵌
入される板状の磁性体が後で着磁化されてなる永久磁石
である。
【0025】また、前記冷媒通過孔34は積層鉄心30
のより内周側位置に形成して、永久磁石29の両端部に
集中して入る磁束線の流れに乱れを生じないようにして
いる。更に積層鉄心30には、その上面に油分離板35
を取付固定するために、固定部材、例えばカシメピン3
6等を通す複数個の挿通孔37が等分的に配置されるよ
うに貫通形成されている。
【0026】積層鉄心30の上下面には、前記駆動軸挿
通孔31、冷媒通過孔34及び挿通孔37に合致する孔
38a,39a,40a,38b,39b,40bをそ
れぞれ有した円形状の端板41A,41Bが配されて、
縦溝23の上下口が塞がれるようになり、これによって
冷媒ガス及びミスト状のオイルはこの縦溝23へ流れる
のを妨げられて冷媒通過孔34の方へ流れるようにして
いる。
【0027】35は固定子24の上面に上方の円形状の
端板41Aを介して装着される円板状をした油分離板
で、非磁性材料から形成して積層鉄心30中を通る磁気
通路を乱さないようにしている。そしてその構成材とし
ては、例えばステンレス(SUS304)、黄銅、青銅
等の非磁性金属を使用し、その金属の焼結品若しくは鍛
造品として形成されている。油分離板35はその円板部
35a下面に、回転子24上面との間に、前記冷媒通過
孔34の上方出口34aと連通し、外周の開口部44を
通路出口とする油分離空間45を放射状に均一に形成す
るためのスペーサ部46が一体に突設形成されている。
【0028】またこのスペーサ部46は油分離板35を
回転子24に装着する時の取付用足部となるもので、そ
のために各スペーサ部46に前記カシメピン36の嵌挿
孔47が貫通形成されている。また中心に駆動軸12の
挿通円孔48が形成されている。
【0029】さて、積層鉄心30の上下面に円形状の端
板41A,41Bを配し、円形状の端板41Aの上方に
油分離板35を配して、下方から挿通したカシメピン3
6の上端36aをカシメることにより油分離板35を具
備する回転子24が組み立てられ、この回転子24を焼
嵌めにより駆動軸12に嵌着して電動機20が組み立て
られる。尚、前記カシメピン36も非磁性材の金属で形
成し且つ油分離板35と同一材とすると、回転子24の
焼嵌め時、両部材がその金属の線膨張が同一なため同じ
割合で延びることとなり組み立てズレを防止できる。こ
こで圧縮機2が駆動して上部シリンダ6Aと下部シリン
ダ6Bで冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出が連続的に行なわ
れ、冷媒ガスが圧縮機構部5を潤滑するミスト状のオイ
ルと共に吐出穴17から外へ出ると、図1の矢印に示す
ようにその一部は隙間19及びエアギャップ10を通過
するが、上下に設けられた端板41A,41Bの存在に
より冷媒通過孔34をより多く通過して油分離空間45
に入り、遠心力により油分離板35の外周部出口44よ
り放射状に吐出し、固定子22のコイルエンド21Eに
吹き付けられて冷媒ガスとオイルが分離される。その後
分離された冷媒ガスのみは圧縮機1外へ吐出され、一方
コイルエンド21Eに付着したオイルは固定子巻線を伝
わって圧縮機底部のオイル溜り18に戻る。
【0030】この場合、油分離率は油分離空間45を通
り抜ける冷媒ガス及びミスト状オイルの流速に左右さ
れ、流速の遅い方がその油分離効果は良い。そしてその
流速は油分離空間45の通路出口の開口面積と関連す
る。即ち図3に示すように、円板部35aの外周部まで
延びるスペーサ部46で分割形成された油分離空間45
とした場合、その油分離空間45の全ての通路出口の総
開口面積(開口部高さH×開口部外周長さL×油分離空
間数N)が、油分離板35の全外周部面積(開口部高さ
H×外周長さ)の50%以上となるような空間を持つ油
分離板形状とすることにより、回転子24の冷媒通過孔
34から吹き出してくる冷媒ガス及びミスト状オイルの
流速を弱めることができ、油分離率を向上できる。
【0031】更に図4に示すように、円板部35a外周
にまで至らない短いスペーサ部46の形状として、油分
離板35の吹き出し出口を50%以上全周に亘り開口さ
せる構造とすると、より均一に分散した冷媒ガス及びミ
スト状オイルの吹き出しが可能となり、乱流が妨げら
れ、オイル吐出量の低下がより効果的に得られる。
【0032】この開口部面積とオイル吐出量との関係は
図6のグラフに示す通りで、グラフAは油分離板の無い
従来構造の回転子を、グラフBは本発明構造仕様で開口
面積50%の油分離板を持つ回転子を、またグラフCは
本発明構造仕様で開口面積100%の油分離板を持つ回
転子の場合をそれぞれ示している。そして油分離板35
が図3に示すような開口面積50%の形状である場合、
圧縮機外へ吐出されるオイル量は従来構造のものに対し
て1/3に低減された結果が得られることが明らかとな
り、また開口面積が図4に示すような100%の油分離
板35を使用した場合は、オイル吐出量は従来と比較し
て約その1/6に低減することが確かめられた。
【0033】ここでスペーサ部46とスペーサ部46と
は互いにその根元部が連絡するように連絡部50を設け
て、これらの連絡部50により駆動軸12を筒状に取り
囲み軸支する軸筒部49を形成している。もしこの連絡
部50が無い場合には、油分離空間45が駆動軸12と
挿通円孔48とのクリアランスを介して開口部44と逆
の方向にも連通してしまうので、このクリアランスから
ミスト状オイルが分離されないで直接吐出する状況が生
ずるので油分離効果が悪くなる。このため駆動軸12の
挿通部分は軸筒状とすることで、安定して良好な油分離
の行なえる油分離板35とすることができる。
【0034】また固定子22において、その内周に形成
したスロットに挿入されるスロット絶縁紙51は、図2
に示すように冷媒ガス及びミスト状オイルがコイルエン
ド21Eに吹き当たるのを阻害しないように開口部44
を塞がない高さでもってその上端を突出するように制限
して設け、油分離率が低下しないようにすることが望ま
しい。
【0035】さて前記油分離板35には、その円板部3
5aを一部肉厚に形成して、図7,8及び10に示すよ
うに駆動軸12の下側偏心部9bと重力的にバランスし
て駆動軸12の偏心振れを解消するバランスウエイト5
2が一体に付設されている。ここで上述した駆動軸偏心
部の重力バランスをとるためには、回転子24を駆動軸
12に嵌着する際、前記バランスウエイト52と下側偏
心部9bとの方向を一致させる必要がある。そのためバ
ランスウエイト52の中心に位置合わせ用溝53を設
け、一方駆動軸12の上端に下部偏心部9bの方向を指
す切欠溝54を設けて、位置合わせ用溝53と切欠溝5
4とが合致するようにして回転子24を駆動軸12に組
み付けるようにする。
【0036】また位置合わせ用溝53と対向して反対側
に溝幅を違えた切欠溝56が設けられており、この切欠
溝56は前記溝53と共に着磁時にその着磁用磁界で回
転子24が回転しないようにするための回転止め用の溝
として作用する。
【0037】ここで着磁は、回転子24を組み入れた図
11の平面図で内周の固定子巻線21aと外周の固定子
巻線21cに通電する方法で行なうことができ、その時
生じる磁束が磁性体(永久磁石)29の両端に集中する
ような位置で回転子24を固定させると最も効果的に着
磁ができる。その位置は、固定子巻線21aの分かれ目
Wと固定子巻線21cの分かれ目Uの中心線Aが磁性体
(永久磁石)29同士の分かれ目に一致する所である。
そしてこの位置を固定子22側の溝27に対して、回転
子24側の位置合わせ溝53を機械的に一定の角度で合
わせることで設定できるようにしている。こうして設定
したこの位置に回転子24があると、着磁時に発生する
磁束の最大磁束量が磁性体29の中央を通るようになっ
て、磁性体29の両端を磁化できる。言い換えるなら
ば、前述の中心線Aの所には最小の磁束量が通ることと
なる。よってこの設定を行なった時、回転止め用の治具
を位置合わせ用溝53及び切欠溝56に係止して回転子
24を固定して着磁する。尚、上述したように油分離板
35の方に設けた位置合わせ用溝53は、回転子24の
回転止め用溝としても利用されている。
【0038】また61はアキュムレータで、62はその
取付金具であり、アキュムレータ61はこの取付金具6
2に図1に示すように固定バンド63で抱持固定され
る。更に64は上蓋ケース1bに設けたハーメチック端
子を示す。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明は、永久磁石型の同
期電動機の回転子上面に油分離板を容易に組み付けるこ
とが可能で、しかも回転子の鉄心を貫通する冷媒通過孔
と連通し外周に出口が開く油分離空間が回転子上面との
間に形成できるようにしたので、冷媒通過孔から出て油
分離空間に入った冷媒ガス及びミスト状のオイルは流速
が弱められて吹き出ることとなり、油分離効果が高まり
圧縮機外へ吐出されるオイル量が低減される。このた
め、冷媒能力の低下が防げる一方、圧縮機内部のオイル
量減少も防げるため、摺動部の潤滑も正常に行なえると
いう効果が得られる。
【0040】また、従来、回転子上部に配置されたオイ
ル分離機構はオイルセパレータ、スペーサ部、重力バラ
ンス用バランスウエイト及び磁石の脱落防止用の上側板
等にて構成されていたが、本発明に係る油分離板はこれ
ら従来の構成部品を全て一体化させた形状を持ちそれら
の機能を全て持ち合わせているので、部品点数が低減で
き組立性が向上すると共に、小型の圧縮機とすることが
できる。
【0041】また本発明において、油分離空間はその外
周部出口が全周に均等に開口し、その総開口面積を全周
面積の少なくとも1/2以上とし、より開口率を上げる
ほど冷媒ガス及びミスト状オイルの分散した吹き出しが
可能となり、乱流が妨げられて、更に油分離を良好に行
なうことができる。
【0042】また、冷媒通過孔は回転子に形成される磁
界に乱れを生じさせない位置に設けるよう配慮している
ので、電動機の性能に影響を与えることは無い。
【0043】更に、積層鉄心の外周部で突部間に形成さ
れ、冷媒ガス、ミスト状オイルの通過可能性のある縦溝
を積層鉄心の上下面に配した円形の端板で塞ぐようにし
たので、多量の冷媒ガスとミスト状オイルをスムーズに
冷媒通過孔に導いて、油分離が効果的に行なえる。
【0044】更には、油分離は最終的にコイルエンドに
当たって行なわれるので、その当たりを妨げないような
状態で突出する固定子のスロット絶縁紙とすることで、
油分離を低下させないようにすることができる。
【0045】更にまた、スペーサ部の根元部は連絡さ
せ、駆動軸の挿通する部分を軸筒部に形成することで、
油分離空間を経由せず駆動軸との隙間から洩れ出るよう
な油が無くなり、油分離を向上できる等多くの効果を得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密閉型回転圧縮機の縦断側面図。
【図2】油分離板を備えた電動機要素の図1における要
部拡大断面図。
【図3】各油分離空間の外周部の総開口面積を全周の開
口面積の1/2を占積するようなスペーサ部を形成した
構造の場合の油分離板の平面構成図。
【図4】上記油分離空間の外周部が全周的に開放するよ
うなスペーサ部の形状とした場合の油分離板の平面構成
図。
【図5】図3に示す油分離板における縦断側面図。
【図6】油分離空間の出口開口面積とオイル吐出量との
関係を示すグラフ図。
【図7】バランスウエイトを一体に付設している油分離
板の平面構成図。
【図8】同油分離板の縦断側面図。
【図9】油分離板と回転子を構成する構成要素との組立
分解斜視図。
【図10】油分離板を装着した回転子と該回転子が固着
される駆動軸との分解斜視図。
【図11】回転子を固定子内に位置決めして組み込み着
磁の仕方を示す圧縮機の平面構造図。
【符号の説明】
9a,9b 偏心部 12 駆動軸 24 回転子 29 永久磁石 34 冷媒通過孔 35 油分離板 36 カシメピン 37 挿通孔 41A,41B 端板 45 油分離空間 46 スペーサ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 昆 努 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 佐藤 有朝 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内底部をオイル溜めとする
    と共に、該ケーシング内に回転圧縮機要素を下部に配置
    する一方固定子と積層鉄心に設けた突部に永久磁石を埋
    め込んだ回転子とからなる電動機要素を上部に配置し、
    前記回転圧縮機要素から吐出したガス冷媒が前記電動機
    要素を通過して前記ケーシングの上部に設けた吐出口か
    ら外部の冷凍回路に吐出される密閉型回転圧縮機におい
    て、 前記ガス冷媒とミスト状のオイルを通すよう前記回転子
    の積層鉄心に上下方向に貫通形成された複数の冷媒通過
    孔と、 前記冷媒通過孔の出口の上方に配され、前記回転子の上
    面との間に油分離空間を形成するための複数のスペーサ
    部を放射状に備えた非磁性材からなる油分離板と、 前記油分離板のスペーサ部に貫挿され、該油分離板を前
    記回転子に固定する固定部材を通すために前記積層鉄心
    に上下方向に貫通形成された挿通孔とを備えたことを特
    徴とする密閉型回転圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記油分離空間は放射状に均等に設けら
    れると共に、該油分離空間の外周の総開口面積は全周の
    開口面積の1/2以上を占めるように前記放射状のスペ
    ーサ部を形成することを特徴とする、請求項1記載の密
    閉型回転圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記挿通孔は、前記永久磁石間の磁束を
    乱さない位置に形成されていることを特徴とする、請求
    項1記載の密閉型回転圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記油分離板に一部肉厚部を設けてバラ
    ンスウエイトを一体に備えさせたことを特徴とする、請
    求項1記載の密閉型回転圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記回転子の上下面には、前記冷媒通過
    孔と連通する連通孔を有して前記突部間の上下方向に延
    びる溝を塞ぐ円形状の端板が取り付けられていることを
    特徴とする、請求項1記載の密閉型回転圧縮機。
  6. 【請求項6】 固定子巻線が巻装される前記固定子のス
    ロットに挿入したスロット絶縁紙を前記油分離空間の外
    周の開口を塞がないような状態で突出させていることを
    特徴とする、請求項1記載の密閉型回転圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記油分離板には、前記スペーサ部間を
    その根元部で連絡し、前記回転子を焼嵌めた駆動軸を挿
    通させる軸筒部が形成されていることを特徴とする、請
    求項1記載の密閉型回転圧縮機。
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