JPH08283434A - 積層板の製造法 - Google Patents
積層板の製造法Info
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Abstract
された電気用積層板材料を得る。 【構成】 無機フィラーを混合したエポキシ樹脂ワニス
を繊維質基材に含浸後、加熱乾燥によりプリプレグと
し、加熱加圧により積層板とする製造法において、フィ
ラーを一般式 Si(R1)(R23-n)(OR3)n (式中のR1は芳香
族環とアミノ基とを有する置換基、R2は炭素数1〜2の
アルキル基またはフェニル基、R3は炭素数1〜2のアル
キル基、nは1〜3の整数)で表されるシラン化合物ま
たはその塩で表面処理した後、エポキシ樹脂ワニスに混
合して使用することを特徴とする積層板の製造法
Description
使用するプリント基板用材料に関するもので、特に繊維
質基材に無機フィラーを併用したエポキシ樹脂積層板に
おける高品質化技術を与えるものである。
ガラス不織布等の繊維質基材に熱硬化性樹脂液を含浸
後、加熱乾燥、半硬化してプリプレグとし、加熱・加圧
により製造される。この際、プリント板加工における加
熱時の寸法変化の縮小、吸水性の低減、基材にもとづく
積層板表面のうねりの低減などのため、無機物のフィラ
ーを樹脂液に分散し、樹脂とともに繊維質基材に含浸さ
せることにより一体化した複合積層板も多用されてき
た。
もので、ガラス不織布に無機物フィラーとエポキシ樹脂
を含浸したプリプレグを内側に使用し、表層にガラス布
にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグを複合一体化した
ものである。CEM−3以外のFR−4と称されるガラ
ス織布にエポキシ樹脂を含浸した積層板でも同様に特性
改良のため、無機フィラーを添加し製造される場合があ
る。無機フィラーとしてはプリント板加工する際の加工
しやすさから、タルク、カオリン、マイカ、水酸化アル
ミニウム等が使用されることが多い。
ある樹脂の親和性は悪く、そのために物性の低下を生ず
ることが多かった。このため近年カップリング剤と呼ば
れる、一分子中に有機官能基と加水分解により無機物と
結合するシラノ−ル基を生ずるシラン化合物で無機物を
前処理するか、樹脂に添加することが行われるようにな
った。このカップリング剤としては、エポキシ樹脂をマ
トリックスとする場合、エポキシ樹脂との結合性を重視
し、エポキシ基を有するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン(GPTMS) や、脂肪族直鎖状アミノシラン
類、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APT
ES) が用いられるのが普通であった(例えば特開平1-11
8539、特開昭61-143443)。しかしながら、このGPTMS や
APTES を用いてもプリント板に対する近年の加湿テスト
を主とする過酷な品質的要求には未だ不十分で、加湿後
の抵抗率、半田耐熱性、耐マイグレ−ション性等の低下
は免れなかった。
フィラーにGPTMS やAPTES を用いて処理しても未だ不十
分であった加湿テストにおける物性の低下を防止するた
めのものである。
機フィラーを混合したエポキシ樹脂ワニスを繊維質基材
に含浸後、加熱乾燥によりプリプレグとし、加熱加圧に
より積層板とする製造法において、フィラーを一般式
Si(R1)(R23-n)(OR3)n (式中のR1は芳香族環とアミノ基
とを有する置換基、R2は炭素数1〜2のアルキル基また
はフェニル基、R3は炭素数1〜2のアルキル基、nは1
〜3の整数)で表されるシラン化合物またはその塩で表
面処理した後、エポキシ樹脂ワニスに混合して使用する
ことを特徴とする積層板の製造法である。
が、N-(N-(ビニルベンジル)アミノエチル) アミノプロ
ピルトリメトキシシラン塩酸塩またはN-フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシランであること、該フィ
ラーが、タルク、焼成タルク、カオリン、焼成カオリ
ン、マイカ、焼成マイカ、水酸化アルミニウムからなる
群から選択されたものであること、該シラン化合物の添
加量が、フィラ−に対して、 0.1〜5.0 重量%であるこ
とであり、さらに、これらを満たしたエポキシ樹脂組成
物を用いて製造したエポキシ樹脂積層板を用いて製造さ
れたプリント回路板である。
ず、本発明の繊維質基材としては有機繊維織布、有機繊
維不織布、無機繊維織布、無機繊維不織布いずれも使用
可能であり、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド繊維
織布、アラミド繊維不織布などが適しているが、エポキ
シ樹脂積層板の特徴の一つが物理的特性と経済性のバラ
ンスにあり、フィラ−の添加が経済的メリットもあるこ
とを考えると、特にガラス織布、ガラス不織布が特に好
適である。
プリング剤との結合性があり、プリント回路板としたと
きの性能を損なうものでなければ使用可能であり、タル
ク、焼成タルク、カオリン、焼成カオリン、マイカ、焼
成マイカ、水酸化アルミニウム、結晶性シリカ、溶融シ
リカ、アルミナ等が代表的なものである。ただし結晶性
シリカ、溶融シリカ、アルミナは絶縁性、寸法安定性等
には優れるものの、これらは硬度が高くプリント板加工
時の加工性がやや劣るため、タルク、焼成タルク、カオ
リン、焼成カオリン、マイカ、焼成マイカ、水酸化アル
ミニウムが特に好適である。
としては、前記式1のシラン化合物が用いられるが、中
でも特にN-(N-(ビニルベンジル)アミノエチル) アミノ
プロピルトリメトキシシラン塩酸塩(VATS)またはN-フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(PATS)が
好適である。表面処理剤の添加量はフィラ−の比表面積
にもよるが、フィラ−に対して 0.1〜5.0 重量%が好適
で、なかでも特に 0.5〜3重量%が最も優れた物性を付
与する。0.1 重量%以下では表面処理効果が乏しく、5.
0 重量%を越えると過剰の表面処理剤がフィラ−表面に
存在するため、かえって物性を低下させる。表面処理
は、シラン化合物を加水分解した水溶液にフィラ−を懸
濁、攪拌、ろ過後乾燥するか、ミキサ−にてフィラ−を
攪拌しつつ表面処理剤を直接噴霧添加するドライブレン
ド等にて実施される。必要に応じて表面処理剤をメタノ
−ル、エタノ−ル等の溶剤で希釈して添加することも可
能である。
は、ビスフェノ−ルA型、ノボラック型、ハロゲン化ビ
スフェノ−ルA型、ハロゲン化ノボラック型、その他の
3官能以上の多官能性エポキシ樹脂等があり、これらの
エポキシ樹脂に、ポリエ−テルイミド、ポリフェニレン
エ−テル、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂や、ニトリ
ルゴム、ブタジエンゴム、ポリエステルゴム、シリコン
ゴム等のエラストマ−を配合して変性したものが挙げら
れる。
ノボラック樹脂などの多価フェノ−ル類、酸無水物、ジ
アミノジフェニルメタン、ジシアンジアミドなどの硬化
剤;2-エチル−4-メチルイミダゾ−ル、2-ウンデシルイ
ミダゾ−ル、2-フェニルイミダゾ−ルなどのイミダゾ−
ル類や、ベンジルジメチルアミンなどの硬化促進剤;そ
の他光遮蔽剤、蛍光剤、染料などを適宜配合し、溶剤に
溶解してワニスとして使用される。
ラ−は上記ワニスに所定量添加された後、均一に攪拌混
合される。かくして得られたフィラ−入りワニスを繊維
質基材に含浸後、加熱乾燥し、所定の溶融粘度、ゲルタ
イムを有するプリプレグとする。このプリプレグの表裏
に必要により金属箔を配し、加熱加圧して積層板を得
る。
る。なお、実施例中の部および%は特に断らないかぎり
重量基準である。
ニルベンジル)アミノエチル) アミノプロピルトリメト
キシシラン塩酸塩(VATS) 2部を5部のエタノ−ルで希釈
し、攪拌しつつ噴霧添加し、ミキサ−で80℃,30分攪拌
混合したのち、100℃にて30分乾燥して表面処理フィラ
−とした。このフィラ− 30部を、エポキシ当量 500の
ブロム化ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂(Br=23%) 90
部、エポキシ当量 215のクレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂 10部、ジシアンジアミド 2.5部、2-エチル−4-
メチルイミダゾ−ル 0.05部および希釈溶剤からなるワ
ニスに混合し、フィラ−入りワニスとした。
ニスの固形組成分の割合が45%となるよう含浸し、加熱
乾燥して、 170℃でのゲルタイムが 120秒のプリプレグ
を得た。このプリプレグ 4枚の表裏に厚さ18μmの銅箔
を重ね、 170℃,1.5時間加熱加圧して、厚さ 0.8mmの積
層板を得た。
−アミノプロピルトリメトキシシラン(PATS) 1.5部を3
部のメタノ−ルで希釈し、同様にタルクの表面処理を行
い、以下同様にして 0.8mmの積層板を得た。
同様にVATS 2部を5部のエタノ−ルで希釈し、攪拌しつ
つ噴霧添加後、80℃, 30分攪拌混合して表面処理した。
以下、実施例1同様にしてフィラー入りワニスを作製
し、プリプレグを得た後加熱加圧して 0.8mmの積層板を
得た。
した後、50mm角に切断した。この試験片を蒸気圧 1kg/c
m2,121℃の加圧蒸気中にて4時間加湿した後、260℃の
半田中に20秒間浸漬して外観の変化を観察した。この結
果を表1にまとめた。
シプロピルトリメトキシシラン(GPTMS) 1.5 部を3部の
メタノ−ルで希釈し、攪拌しつつ噴霧添加後、80℃,30
分攪拌混合してタルクの表面処理を行い、以下同様にし
て 0.8mmの積層板を得た。この積層板を用いて、実施例
4と同条件の試験を行い、結果を表1に併せてまとめ
た。
同様の処理にて、0.8mmの積層板を得た。この積層板を
用いて、実施例4と同条件の試験を行い、結果を表1に
併せてまとめた。
の処理にて、0.8mm の積層板を得た。この積層板を用い
て、実施例4と同条件の試験を行い、結果を表1に併せ
てまとめた。
ピルトリエトキシシラン(APTES) 1.5 部を3部のメタノ
−ルで希釈し、攪拌しつつ噴霧添加後、80℃,30分攪拌
混合してタルクの表面処理を行い、以下同様にして 0.8
mmの積層板を得た。この積層板を用いて、実施例4と同
条件の試験を行い、結果を表1に併せてまとめた。
0.6mm径のドリルを用いて穴あけし、穴壁間隔 0.5mmの
スルーホールを有するプリント板を作製した。このプリ
ント板を 121℃/85%RHの加湿雰囲気中でスルーホー
ル間に 200Vの直流電圧を印加し、絶縁劣化するまでの
時間(Tm )を求めるマイグレ−ションテストを実施し
た。この結果も表1にまとめた。
リング剤の親水性を比較するため、水に対する溶解性試
験を実施した。水100部にシラン1部を添加し、透明
な溶液となるか否かで水への溶解性を比較した。結果を
表2にまとめた。
ら明らかなように、本発明による無機フィラ−の表面処
理にて製造された積層板は加湿後の特性に優れ、工業的
に有用なものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 無機フィラーを混合したエポキシ樹脂ワ
ニスを繊維質基材に含浸後、加熱乾燥によりプリプレグ
とし、加熱加圧により積層板とする製造法において、フ
ィラーを一般式 Si(R1)(R23-n)(OR3)n (式中のR1は芳
香族環とアミノ基とを有する置換基、R2は炭素数1〜2
のアルキル基またはフェニル基、R3は炭素数1〜2のア
ルキル基、nは1〜3の整数)で表されるシラン化合物
またはその塩で表面処理した後、エポキシ樹脂ワニスに
混合して使用することを特徴とする積層板の製造法 - 【請求項2】 該シラン化合物が、N-(N-(ビニルベンジ
ル)アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
塩酸塩またはN-フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシランである請求項1記載の積層板の製造法 - 【請求項3】 該フィラーが、タルク、焼成タルク、カ
オリン、焼成カオリン、マイカ、焼成マイカ、水酸化ア
ルミニウムからなる群から選択されたものである請求項
1又は2記載の積層板の製造法 - 【請求項4】 該シラン化合物の添加量が、フィラ−に
対して、 0.1〜5.0重量%である請求項3記載の積層板
の製造法 - 【請求項5】 請求項4記載の積層板の製造法により製
造されたエポキシ樹脂積層板を用いて製造されたプリン
ト回路板
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08370295A JP3539447B2 (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 積層板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08283434A true JPH08283434A (ja) | 1996-10-29 |
JP3539447B2 JP3539447B2 (ja) | 2004-07-07 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000080251A (ja) * | 1998-09-03 | 2000-03-21 | Matsushita Electric Works Ltd | リン変性難燃性エポキシ樹脂組成物およびその製造方法およびそのリン変性難燃性エポキシ樹脂組成物を用いた成形品および積層体 |
JP2001329080A (ja) * | 2000-05-23 | 2001-11-27 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | プリプレグ、金属張り積層板及びその使用 |
JP2009221274A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 無機フィラー |
JP2012240312A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Hitachi Chemical Co Ltd | プリプレグ及びそれを用いた積層板並びにプリント配線板 |
-
1995
- 1995-04-10 JP JP08370295A patent/JP3539447B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012240312A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Hitachi Chemical Co Ltd | プリプレグ及びそれを用いた積層板並びにプリント配線板 |
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