JPH08283342A - 眼用レンズ材料 - Google Patents

眼用レンズ材料

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JPH08283342A
JPH08283342A JP8154695A JP8154695A JPH08283342A JP H08283342 A JPH08283342 A JP H08283342A JP 8154695 A JP8154695 A JP 8154695A JP 8154695 A JP8154695 A JP 8154695A JP H08283342 A JPH08283342 A JP H08283342A
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meth
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Yusuke Kawakami
雄資 川上
Masahiro Matsumoto
昌浩 松本
Takeshi Watanabe
剛 渡辺
Seiji Ichinohe
省二 一戸
Toshio Yamazaki
敏夫 山崎
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F30/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F30/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F30/08Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状安定性および酸素透過性にすぐれ、水濡
れ性がよく、しかも後処理を必要としない眼用レンズ材
料を提供すること。 【構成】 一般式(I): 【化12】 で表わされる水酸基含有スチレン誘導体を含有した重合
成分を重合させてえられた眼用レンズ材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼用レンズ材料に関す
る。さらに詳しくは、水濡れ性、形状安定性および酸素
透過性にすぐれ、たとえばコンタクトレンズや眼内レン
ズなどの眼用レンズに好適に使用しうる眼用レンズ材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼用レンズ材料の水濡れ性を向上
させる方法としては、単量体混合物中にヒドロキシエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N−ビニル−2−ピロリドンなどの水溶性単量体を添加
して共重合を行ない、えられた共重合体に吸水させて水
濡れ性を向上させる方法が採られている。しかしなが
ら、かかる方法には、水濡れ性をさらに向上させようと
するならば、水溶性単量体を多量に添加せねばならず、
その結果として吸水率が高くなりすぎ、眼用レンズの形
状安定性がわるくなるという欠点がある。
【0003】また、水溶性単量体を用いずに、眼用レン
ズ材料の水濡れ性を向上させる方法としては、プラズマ
処理法や水溶性単量体による表面グラフト重合法などが
ある。しかしながら、これらの方法は、たとえば眼用レ
ンズ材料がコンタクトレンズに用いられるばあいには、
繰り返して洗浄しているうちに表面の処理層がしだいに
摩耗して水濡れ性が低下するなどの耐久性に問題があっ
た。
【0004】一方、眼用レンズ材料の酸素透過性を向上
させる方法としては、トリス(トリメチルシロキシ)シ
リルプロピルメタクリレートなどのケイ素含有単量体を
単量体混合物中に添加して共重合を行なう方法が知られ
ている。しかしながら、かかる方法によれば、確かに眼
用レンズ材料の酸素透過性を向上させることができる
が、水濡れ性の向上を図ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、表面処理などの後処理
を行なわなくても水濡れ性がよく、かつ吸水率が低い、
すなわち形状安定性にすぐれ、さらに酸素透過性にもす
ぐれた眼用レンズ材料を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(I):
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
2およびR3はそれぞれ独立してメチル基またはトリメ
チルシロキシ基、R4は一般式:
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R5およびR6はそれぞれ独立して
直鎖状、分岐鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化水素
基を示す)で表わされる基または一般式:
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R7およびR8はそれぞれ独立して
メチル基またはトリメチルシロキシ基、R9は直鎖状、
分岐鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化水素基、nは
1〜3の整数を示す)で表わされる基を示す)で表わさ
れる水酸基含有スチレン誘導体を含有した重合成分を重
合させてえられた眼用レンズ材料に関する。
【0013】
【作用および実施例】本発明の眼用レンズ材料に用いら
れる水酸基含有スチレン誘導体は、前記したように、一
般式(I):
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
2およびR3はそれぞれ独立してメチル基またはトリメ
チルシロキシ基、R4は一般式:
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R5およびR6はそれぞれ独立して
直鎖状、分岐鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化水素
基を示す)で表わされる基または一般式:
【0018】
【化9】
【0019】(式中、R7およびR8はそれぞれ独立して
メチル基またはトリメチルシロキシ基、R9は直鎖状、
分岐鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化水素基、nは
1〜3の整数を示す)で表わされる基を示す)で表わさ
れる化合物である。
【0020】前記一般式(I)で表わされる水酸基含有
スチレン誘導体は、えられる重合体の吸水率をあまり高
くさせずに親水性を向上させ、水濡れ性のみならず、酸
素透過性を良好にするという性質を有するという眼用レ
ンズ材料に有用な成分である。
【0021】一般式(I)において、R5、R6およびR
9は直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化
水素基であるが、かかる炭化水素基の炭素数が6をこえ
るばあいには、該水酸基含有スチレン誘導体中の水酸基
の含有量(重量比)が相対的に小さくなり、水濡れ性が
低下する傾向にあるので好ましくない。また、一般式
(I)において、一般式:
【0022】
【化10】
【0023】(式中、R1は前記と同じ)で表わされる
基に対する一般式:
【0024】
【化11】
【0025】(式中、R2、R3およびR4は前記と同
じ)で表わされる基の結合位置は、オルト位、メタ位、
パラ位のいずれであってもよいが、該水酸基含有スチレ
ン誘導体以外の重合成分との共重合性を考慮すると、メ
タ位またはパラ位であることが好ましく、パラ位である
ことがとくに好ましい。前記直鎖状、分岐鎖状または環
状の炭素数1〜6の炭化水素基の代表例としては、たと
えば炭素数1〜6の直鎖状アルキレン基、炭素数1〜6
の分枝鎖状アルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキ
レン基、フェニレン基などがあげられる。
【0026】前記水酸基含有スチレン誘導体の具体例と
しては、たとえば1−(ジメチルスチリルシリル)メチ
ルヒドロキシアセテート、2−(ジメチルスチリルシリ
ル)エチルヒドロキシアセテート、3−(ジメチルスチ
リルシリル)プロピルヒドロキシアセテート、4−(ジ
メチルスチリルシリル)ブチルヒドロキシアセテート、
5−(ジメチルスチリルシリル)ペンチルヒドロキシア
セテート、1−(ジメチルスチリルシリル)メチルヒド
ロキシピバレート、2−(ジメチルスチリルシリル)エ
チルヒドロキシピバレート、3−(ジメチルスチリルシ
リル)プロピルヒドロキシピバレート、4−(ジメチル
スチリルシリル)ブチルヒドロキシピバレート、5−
(ジメチルスチリルシリル)ペンチルヒドロキシピバレ
ート、1−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリルシリ
ル)メチルヒドロキシアセテート、2−(ビス(トリメ
チルシロキシ)スチリルシリル)エチルヒドロキシアセ
テート、3−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリルシ
リル)プロピルヒドロキシアセテート、4−(ビス(ト
リメチルシロキシ)スチリルシリル)ブチルヒドロキシ
アセテート、5−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリ
ルシリル)ペンチルヒドロキシアセテート、1−(ビス
(トリメチルシロキシ)スチリルシリル)メチルヒドロ
キシピバレート、2−(ビス(トリメチルシロキシ)ス
チリルシリル)エチルヒドロキシピバレート、3−(ビ
ス(トリメチルシロキシ)スチリルシリル)プロピルヒ
ドロキシピバレート、4−(ビス(トリメチルシロキ
シ)スチリルシリル)ブチルヒドロキシピバレート、5
−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリルシリル)ペン
チルヒドロキシピバレート、(1−ヒドロキシメチルテ
トラメチルジシロキサニル)スチレン、(2−ヒドロキ
シエチルテトラメチルジシロキサニル)スチレン、(3
−ヒドロキシプロピルテトラメチルジシロキサニル)ス
チレン、(6−ヒドロキシヘキシルテトラメチルジシロ
キサニル)スチレン、(1−ヒドロキシメチルテトラキ
ス(トリメチルシロキシ)ジシロキサニル)スチレン、
(1−ヒドロキシメチルテトラメチルテトラシロキサニ
ル)スチレンなどがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0027】前記一般式(I)で表わされる水酸基含有
スチレン誘導体は、眼用レンズ材料の吸水率をあまり高
くさせずに水濡れ性を向上させ、また吸水率をあまり高
くさせないので、形状変化がほとんどなく、さらに酸素
透過性を向上させるという作用を呈するものである。
【0028】本発明においては、前記水酸基含有スチレ
ン誘導体を含有した重合成分を重合させることにより、
眼用レンズ材料がえられる。
【0029】前記重合成分は、前記水酸基含有スチレン
誘導体単独であってもよく、また前記水酸基含有スチレ
ン誘導体と共重合可能な重合性単量体を含有したもので
あってもよい。
【0030】重合成分として、前記水酸基含有スチレン
誘導体を単独で使用したばあいには、えられる重合体
は、前記水酸基含有スチレン誘導体の単独重合体とな
る。
【0031】重合成分として、該水酸基含有スチレン誘
導体と共重合可能な重合性単量体を含有したものを用い
たばあいには、前記水酸基含有スチレン誘導体と共重合
可能な重合性単量体の使用量は、あまりにも多いばあい
には、前記水酸基含有スチレン誘導体を使用したことに
よる効果、すなわちえられる眼用レンズ材料の吸水率を
あまり高くさせずに水濡れ性を向上させ、また吸水率を
あまり高くさせないことによって形状変化をほとんどお
こさないので、前記水酸基含有スチレン誘導体100部
(重量部、以下同様)に対して10000部以下、好ま
しくは5000部以下であることが望ましい。
【0032】前記重合成分において、前記水酸基含有ス
チレン誘導体と共重合可能な重合性単量体は、えられる
眼用レンズ材料の目的とする性質に応じて適宜選択して
用いることができる。
【0033】たとえば、親水性をさらに向上させるため
には、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド系モノマー、ビニルラ
クタム類などの親水性モノマーを用いることができる。
なお、本明細書において、「・・・(メタ)アクリレー
ト」とあるのは、「・・・アクリレート」および「・・
・メタクリレート」の2つの化合物を示すものであり、
そのほかの(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル誘導
体などについても同様である。
【0034】前記親水性モノマーを用いるばあい、かか
る親水性モノマーによる親水性の向上を図るためには、
該親水性モノマーの使用量は、前記水酸基含有スチレン
誘導体100部に対して1部以上、好ましくは3部以上
であることが望ましい。また、形状安定性を充分に保持
するためには、該親水性モノマーの使用量は、前記水酸
基含有スチレン誘導体100部に対して200部以下、
好ましくは100部以下であることが望ましい。
【0035】前記水酸基含有(メタ)アクリレートの具
体例としては、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレートなどがあげられる。前記(メ
タ)アクリルアミド系モノマーの具体例としては、たと
えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アク
リルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミドなどがあげられる。前記
ビニルラクタム類の具体例としては、たとえばN−ビニ
ルピロリドンなどがあげられる。
【0036】また、たとえば酸素透過性をさらに向上さ
せるためには、シリコン含有(メタ)アクリレート、シ
リコン含有スチレン誘導体、フッ素含有(メタ)アクリ
レート、フッ素含有スチレン誘導体、フッ素および/ま
たはシリコン含有フマレート、フッ素および/またはシ
リコン含有マレイミド誘導体などの酸素透過性モノマー
を用いることができる。
【0037】前記酸素透過性モノマーを用いるばあい、
かかる酸素透過性モノマーによる酸素透過性の向上を図
るためには、該酸素透過性モノマーの使用量は、前記水
酸基含有スチレン誘導体100部に対して50部以上、
好ましくは100部以上であることが望ましい。
【0038】前記シリコン含有(メタ)アクリレートの
具体例としては、たとえばペンタメチルジシロキサニル
メチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサ
ニルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メ
タ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。前
記シリコン含有スチレン誘導体の具体例としては、たと
えばトリメチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシ
ロキシ)シリルスチレンなどがあげられる。前記フッ素
含有(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえば
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフル
オロイソプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられ
る。前記フッ素含有スチレン誘導体の具体例としては、
たとえばペンタフルオロスチレン、トリフルオロメチル
スチレン、p−ビニル安息香酸2,2,2−トリフルオ
ロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエステル、(p
−ビニルフェニル)酢酸2,2,2−トリフルオロ−1
−(トリフルオロメチル)エチルエステルなどがあげら
れる。前記フッ素および/またはシリコン含有フマレー
トの具体例としては、たとえばビス(トリメチルシリル
プロピル)フマレート、ビス(ペンタメチルジシロキサ
ニルプロピル)フマレート、ビス[テトラメチル(トリ
メチルシロキシ)ジシロキサニルプロピル]フマレー
ト、ビス[トリメチルビス(トリメチルシロキシ)ジシ
ロキサニルプロピル]フマレート、i−プロピル(トリ
メチルシリルプロピル)フマレート、シクロヘキシル
(トリメチルシリルプロピル)フマレート、i−プロピ
ル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)フマレー
ト、シクロヘキシル(ペンタメチルジシロキサニルプロ
ピル)フマレート、i−プロピル[テトラメチル(トリ
メチルシロキシ)ジシロキサニルプロピル]フマレー
ト、シクロヘキシル[テトラメチル(トリメチルシロキ
シ)ジシロキサニルプロピル]フマレート、i−プロピ
ル[トリメチルビス(トリメチルシロキシ)ジシロキサ
ニルプロピル]フマレート、シクロヘキシル[トリメチ
ルビス(トリメチルシロキシ)ジシロキサニルプロピ
ル]フマレート、ヘキサフルオロイソプロピル(トリス
トリメチルシロキシシリルプロピル)フマレートなどが
あげられる。前記フッ素および/またはシリコン含有マ
レイミド誘導体の具体例としては、たとえばトリメチル
シリルメチルマレイミド、トリメチルシリルエチルマレ
イミド、トリメチルシリルプロピルマレイミド、N−ト
リストリメチルシロキシシリルメチルマレイミド、N−
(3−トリストリメチルシロキシシリルプロピル)マレ
イミド、N−(2,2,2−トリフルオロエチル)マレ
イミド、N−(2−トリフルオロメチル)フェニルマレ
イミド、N−(3−トリフルオロメチル)フェニルマレ
イミド、N−(4−トリフルオロメチル)フェニルマレ
イミド、N−(4−パーフルオロプロピル)フェニルマ
レイミド、N−(4−パーフルオロイソプロピル)フェ
ニルマレイミド、N−(4−パーフルオロブチル)フェ
ニルマレイミド、N−(4−パーフルオロオクチル)フ
ェニルマレイミド、N−(3,5−ビス(トリフルオロ
メチル))フェニルマレイミド、N−(3,5−ビス
(トリフルオロメチル))ベンジルマレイミド、N−
(パーフルオロオクチル)フェニルマレイミド、N−
(3,5−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル))
フェニルマレイミドなどがあげられる。
【0039】また機械的強度を向上させるためには、ア
ルキル基で置換されていてもよいスチレン誘導体、アル
キル(メタ)アクリレート、アルキルフマレート、アル
キル基で置換されてもよいマレイミド誘導体などの機械
的強度付与モノマーを用いることができる。
【0040】前記機械的強度付与モノマーを用いるばあ
い、かかる機械的強度付与モノマーによる機械的強度の
向上を図るためには、該機械的強度付与モノマーの使用
量は、前記水酸基含有スチレン誘導体100部に対して
10部以上、好ましくは50部以上であることが望まし
い。
【0041】前記アルキル基で置換されていてもよいス
チレン誘導体の具体例としては、たとえばo−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ト
リメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、m−t−
ブチルスチレン、p−1,1,3,3−テトラメチルブ
チルスチレンなどがあげられる。前記アルキル(メタ)
アクリレートの具体例としては、たとえばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−
ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが
あげられる。前記アルキルフマレートの具体例として
は、たとえばジ−i−プロピルフマレート、ジ−t−ブ
チルフマレート、i−プロピル(t−ブチル)フマレー
ト、ジシクロヘキシルフマレート、シクロヘキシル(t
−ブチル)フマレートなどがあげられる。
【0042】前記アルキル基で置換されてもよいマレイ
ミド誘導体の具体例としては、たとえばN−フェニルマ
レイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチル
フェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシ
フェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、
N−トリブロモフェニルマレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミドなどのN−アルキルマレイミド、N−ナフチルマレ
イミド、N−ラウリルマレイミド、N,N´−エチレン
ビスマレイミド、N,N´−ヘキサメチレンビスマレイ
ミド、N,N´−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N´−p−フェニレンビスマレイミド、N,N´−4,
4´−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N´−
メチレンビス(3−クロロ−p−フェニレン)ビスマレ
イミド、N,N´−4,4´−ジフェニルスルホンビス
マレイミド、N,N´−4,4´−ジシクロヘキシルメ
タンビスマレイミド、N,N´−α,α´−4,4´−
ジメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N´−
4,4´−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド、
2−ヒドロキシエチルマレイミド、マレイミドなどがあ
げられる。
【0043】前記重合性単量体は、単独でまたは2種以
上を混合して用いることができ、これらのなかでもスチ
レン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−
1,1,3,3−テトラメチルブチルスチレン、p−ト
リメチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルスチレンなどのスチレン系モノマーが前記水
酸基含有スチレン誘導体との共重合性がよいため好まし
く用いられる。
【0044】本発明においては、前記重合成分には、架
橋剤を配合することができる。
【0045】かかる架橋剤は、三次元架橋構造を有する
眼用レンズ材料を形成させて該材料の機械的強度を向上
させるのに有用な成分である。
【0046】前記架橋剤の具体例としては、たとえばジ
アリルフマレート、アリル(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼ
ン、ビニルベンジル(メタ)アクリレートなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0047】前記架橋剤の使用量は、機械的強度を充分
に発現させるためには、前記水酸基含有スチレン誘導体
および重合性単量体の合計100部に対して0.01部
以上、好ましくは0.1部以上であることが望ましい。
なお、前記架橋剤の使用量は、あまりにも多いばあいに
は、えられる眼用レンズ材料が脆くなり、衝撃に対して
弱くなる傾向があるので、前記水酸基含有スチレン誘導
体および重合性単量体の合計100部に対して30部以
下、好ましくは15部以下であることが望ましい。
【0048】本発明の眼用レンズ材料を製造する方法と
しては、たとえば前記水酸基含有スチレン誘導体、必要
により該水酸基含有スチレン誘導体と共重合可能な重合
性単量体および架橋剤を混合してえられた重合成分に重
合開始剤を加え、通常行なわれている方法によって重合
させ、重合体をうる方法などがあげられる。
【0049】前記重合体をうる方法としては、たとえば
重合成分にラジカル重合開始剤を添加したあと加熱して
重合させる方法、重合成分に光重合開始剤を添加したあ
と、光重合開始剤の吸収帯に応じた波長の光線を照射し
て重合させる方法などがあげられる。
【0050】前記重合体の調製は、たとえば塊状重合法
や溶液重合法などにより行なうことができるが、効率よ
く生産するためには塊状重合法が好ましい。
【0051】かくしてえられる眼用レンズ材料(重合
体)を用いて眼用レンズを作製する方法としては、たと
えば前記重合体に切削、研磨などの機械加工を施す方法
や、所望の形状をあたえる型を用意し、その型の中で直
接重合成分を重合させて所望の形状の眼用レンズをうる
方法などがある。
【0052】本発明の眼用レンズ材料は、一般式(I)
で表わされる水酸基含有スチレン誘導体を含有した重合
成分を重合させてえられたものであるので、かかる水酸
基含有スチレン誘導体に基づいて吸水率をあまり高くさ
せずに水濡れ性を向上させ、また吸水率をあまり高くさ
せないので、形状変化をほとんどおこさせずに、さらに
酸素透過性を向上させることができる。
【0053】つぎに本発明の眼用レンズ材料を実施例に
基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる製造
例および実施例のみに限定されるものではない。
【0054】製造例1[3−(ビス(トリメチルシロキ
シ)スチリルシリル)プロピルヒドロキシアセテートの
合成] (1)3−クロロプロピルジクロロシリルスチレンの合
成 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロ−トを取り付けた
1リットル容の四つ口丸底フラスコにマグネシウム24
g(1.0グラム原子)を入れ、系内をチッ素置換し
た。そこへ乾燥テトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)50mlを加え、滴下ロートよりp−クロロスチレ
ン136g(1.0モル)の乾燥THF400ml溶液
を滴下した。反応が開始してから、還流が安定するよう
に滴下速度を調節した。滴下終了後、系の温度を約50
℃に保ち、3時間攪拌を続け、グリニャール試薬をえ
た。
【0055】つぎに攪拌機、冷却管、温度計および滴下
ロートを取り付けた2リットル容の四つ口丸底フラスコ
内をチッ素置換し、そこへクロロプロピルトリクロロシ
ラン200g(1.0モル)の乾燥THF500ml溶
液を入れた。滴下ロートに、えられたグリニャール試薬
を素早く移し、室温下にてゆっくりと滴下した。滴下終
了後、数時間攪拌を続け、反応を終了させた。
【0056】えられた反応溶液中の溶媒をイソオクタン
で置換したのち、生成した塩をろ別し、エバポレーター
によって溶媒を留去し、無色透明の液体をえた(収率9
2%)。
【0057】えられた無色透明の液体の赤外吸収スペク
トルを日本分光工業(株)製、FT/IR8300を用
いて測定した結果、3100cm-1付近のベンゼン環に
由来するC−H伸縮振動、2960cm-1付近にプロピ
ル部位に由来するC−H伸縮振動、1600cm-1付近
に炭素炭素二重結合に由来するC=C伸縮振動、110
0cm-1付近にSi−C伸縮振動の吸収が確認された。
また、質量スペクトルをヒューレット・パッカード社
製、GC−MS(5890IIガスクロマトグラフ+5
971A 質量検出器)を用いて測定した結果、278
に分子イオンピ−クが確認された。これらの結果から、
えられた化合物は、目的生成物である3−クロロプロピ
ルジクロロシリルスチレンであることが確認された。
【0058】(2)3−クロロプロピルビス(トリメチ
ルシロキシ)シリルスチレンの合成 攪拌機、温度計および滴下ロートを取り付けた2リット
ル容の四つ口丸底フラスコに蒸留水700ml、塩酸1
30mlおよびイソプロピルアルコール300mlを入
れ、系外を氷浴として系内の温度を約10℃とした。滴
下ロートより先に合成した3−クロロプロピルジクロロ
シリルスチレン140g(0.5モル)とトリメチルク
ロロシラン225g(2.0モル)の混合液をゆっくり
と滴下した。反応液をヘキサンで抽出後、水洗いし、ヘ
キサン層を分取したのち、エバポレーターによって溶媒
を留去し、無色透明の液体をえた(収率87%)。
【0059】えられた無色透明の液体の赤外吸収スペク
トルを前記と同様に測定した結果、3100cm-1付近
にベンゼン環に由来するC−H伸縮振動、2960cm
-1付近にプロピル部位、メチル基に由来するC−H伸縮
振動、1600cm-1付近に炭素炭素二重結合に由来す
るC=C伸縮振動および850〜1260cm-1付近に
シロキサン由来の吸収が確認された。
【0060】また、えられた無色透明の液体の質量スペ
クトルを前記と同様に測定した結果、386に分子イオ
ンピーク、309にクロロプロピルが解離したフラグメ
ントピークおよび73にトリメチルシリル基のフラグメ
ントピークが確認された。これらの結果から、えられた
化合物は、目的生成物である3−クロロプロピルビス
(トリメチルシロキシ)シリルスチレンであることが確
認された。
【0061】(3)3−(ビス(トリメチルシロキシ)
スチリルシリル)プロピルヒドロキシアセテートの合成 攪拌機、温度計および冷却管を取り付けた1リットル容
の四つ口丸底フラスコに、先に合成した3−クロロプロ
ピルビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン30g
(0.08モル)、エタノール中でグリコール酸と水酸
化カリウムとから調製したグリコール酸カリウム15g
(0.13モル)およびジメチルスルホキシド500m
lを入れ、系外をオイルバスで加熱し、系内の温度を約
50℃に保ち、約1週間攪拌した。反応液をエーテルで
抽出後水洗いし、エーテル層を分取したのち、エバポレ
ーターによって溶媒を留去し、無色透明の液体をえた
(収率73%)。
【0062】えられた無色透明の液体の赤外吸収スペク
トルを前記と同様に測定した結果を図1に示す。図1に
示された結果から、3470cm-1付近に水酸基由来の
O−H伸縮振動、3070cm-1付近にベンゼン環に由
来するC−H伸縮振動、2960cm-1付近にプロピル
部位、メチル基に由来するC−H伸縮振動、1750c
-1付近にカルボニル基由来のC=O伸縮振動、160
0cm-1付近に炭素炭素二重結合に由来のC=C伸縮振
動、1100〜800cm-1付近にシロキサン由来の吸
収が確認された。
【0063】また、えられた無色透明の液体の質量スペ
クトルを前記と同様に測定した結果を図2に示す。図2
に示された結果から、426に分子イオンピークが確認
され、73、161、207にシロキサン由来のフラグ
メントピーク、117、309にプロピルヒドロキシア
セテート部位に由来するフラグメントピークが確認され
た。これらの結果から、えられた化合物は、目的生成物
である3−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリルシリ
ル)プロピルヒドロキシアセテートであることが確認さ
れた。
【0064】製造例2[3−(ビス(トリメチルシロキ
シ)スチリルシリル)プロピルヒドロキシピバレートの
合成] 前記グリコール酸カリウムの代わりに、ヒドキシピバリ
ン酸カリウムを用いたほかは、製造例1と同様にして操
作を行ない、化合物を合成した。
【0065】えられた化合物につき、製造例1と同様に
して赤外吸収スペクトルおよび質量スペクトルにより構
造を確認した。その結果、赤外吸収スペクトルからは、
3460cm-1付近に水酸基由来のO−H伸縮振動、3
070cm-1付近にベンゼン環に由来するC−H伸縮振
動、2960cm-1付近にプロピル部位、メチル基に由
来するC−H伸縮振動、1730cm-1付近にカルボニ
ル基由来のC=O伸縮振動、1600cm-1付近に炭素
炭素二重結合由来のC=C伸縮振動、1100〜800
cm-1付近にシロキサン由来の吸収が確認された。
【0066】また質量スペクトルからは、468に分子
イオンピークが確認され、73、161、207にシロ
キサン由来のフラグメントピークなどが確認された。
【0067】これらの結果から、えられた化合物は目的
生成物である3−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリ
ルシリル)プロピルヒドロキシピバレートであることが
確認された。
【0068】製造例3[4−(3−ヒドロキシプロピル
テトラメチルジシロキサニル)スチレンの合成] (1)3−ヒドロキシプロピルジメチルクロロシランの
合成 チッ素雰囲気下、ジムロート冷却管を付けた100ml
容の二つ口フラスコに、アリルアルコール2.0ml
(30ミリモル)と乾燥トルエン10mlを入れ、60
℃で撹拌した。
【0069】つぎに、Pt−ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン錯体(キシレン溶液)0.05mlをシリンジ
で加えた。10分間撹拌後、クロロジメチルシラン3.
9ml(35ミリモル)を加えた。2時間反応後、1
−核磁気共鳴スペクトル(バリアン社製GEMINI3
00(300MHz)により測定。以下、NMRとい
う)を調べた。
【0070】溶液の色は、2時間反応後には濃茶褐色に
なっていた。反応終了後、室温に戻し、未反応物や溶媒
を減圧留去し、残った黒みを帯びた茶褐色の液体を減圧
蒸留し、生成物をえた(収率62%)。
【0071】えられた生成物のNMRを測定した結果、
0.43ppmにSi−(CH32のピーク、0.84
ppmにCH2−Siのピーク、1.68ppmにC−
CH2−Cのピーク、3.72ppmにCH2−Oのピー
クが確認された。これらの結果から、えられた化合物
は、目的生成物である3−ヒドロキシプロピルジメチル
クロロシランであることが確認された。
【0072】(2)4−(3−ヒドロキシプロピルテト
ラメチルジシロキサニル)スチレンの合成 チッ素雰囲気下、100ml容の二つ口フラスコに、0
℃で乾燥THF20ml、ジイソプロピルアミン3.8
8ml(27.5ミリモル)およびn−ブチルリチウム
16.8ml(27.5ミリモル)を入れ、30分間撹
拌した。つぎに、p−(ヒドロキシジメチルシリル)ス
チレン5.0g(25.8ミリモル)をゆっくりと滴下
し、0℃で30分間撹拌した。そののち、3−ヒドロキ
シプロピルシメチルクロロシラン4.12g(27.0
ミリモル)を滴下し、室温に戻して撹拌した。反応開始
60分および120分後、NMRにより反応を追跡し
た。
【0073】反応終了後、残った黄色の液体と白色の塩
にエーテル100mlと水100mlを加え、分液ロー
トで有機層と水層に分離し、水層はエーテル80mlで
3回抽出し、有機層は無水MgSO4(硫酸マグネシウ
ム)で脱水した。MgSO4を濾過したのち、濾液を濃
縮し、ヘキサン/エチルアセテートおよびヘキサン/C
2Cl2を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製した(収率40%、収量2.73g(9.0
ミリモル))。
【0074】えられた生成物の赤外吸収スペクトルを日
本分光工業(株)製FT/IR VALOR−IIIを
用いて測定した結果を図3に示す。図3に示された結果
から、3332cm-1付近に水酸基由来のO−H伸縮振
動、3064cm-1付近にベンゼン環に由来するC−H
伸縮振動、2957cm-1付近にプロピル部位、メチル
基に由来するC−H伸縮振動、1599cm-1付近に炭
素炭素二重結合由来のC=C伸縮振動、1255cm-1
に付近にSi−C由来の吸収、1055cm-1付近にシ
ロキサン由来の吸収が確認される。
【0075】また、えられた生成物のNMRを測定した
結果を図4に示す。図4に示された結果から、0.08
ppmにO−Si−(CH32、0.32ppmにPh
−Si−(CH32、0.53ppmにCH2−Si、
1.57ppmにC−CH2−C、3.57ppmにC
2−O、5.27、5.79、6.71ppmにビニ
ル基の水素原子、7.40、7.50ppmにベンゼン
環の水素原子のピークが確認された。これらの結果か
ら、えられた化合物は目的生成物である4−(3−ヒド
ロキシプロピルテトラメチルジシロキサニル)スチレン
であることが確認された。
【0076】実施例1 製造例1でえられた3−(ビス(トリメチルシロキシ)
スチリルシリル)プロピルヒドロキシアセテート100
部、エチレングリコールジメタクリレート5部およびア
ゾビスジメチルバレロニトリル1部を加えて配合液を調
製し、ガラス製試験管に配合液を注入して密栓した。こ
れを恒温水槽中、35℃で40時間、50℃で8時間予
備重合し、そののち循環乾燥機中で50℃で5時間、つ
いで1〜1.5時間あたり10℃の割合で温度を120
℃まで上昇させて加熱重合させ、棒状の重合体をえた。
【0077】つぎにこの重合体を以下に示した物性測定
用に切削加工し、それぞれ試験を行なった。その結果を
表1に示す。
【0078】(イ)接触角 直径12.7mm、厚さ4mmのブロックを加工し、表
面を研磨したのち、水和処理し、ゴニオメーター(エル
マ光学(株)製マイクロスコープ#20586)により
後退接触角を測定した。
【0079】(ロ)吸水率 直径12.7mm、厚さ1mmのフィルム5枚を作製
し、水和処理した水和時の重さと、これを乾燥させた乾
燥時の重さを測定することによって吸水率を求めた。
【0080】吸水率=[(水和時重量−乾燥時重量)/
(乾燥時重量)]×100 (ハ)酸素透過係数 理化精機工業(株)製、製科研式フィルム酸素透過率計
を用い、直径12.7mm、厚さ0.2mmのフィルム
を35℃で電極法にしたがって酸素透過量を測定し、酸
素透過係数を求めた。
【0081】なお、表1および表2中の単位は、「×1
11」(cm2/sec)・(mlO2/(ml×mmH
g))である。
【0082】実施例2〜7 実施例1において、各成分を表1に示すように変更した
ほかは、実施例1と同様にして重合体をえた。えられた
重合体について実施例1と同様の試験を行なった。その
結果を表1に示す。
【0083】比較例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、トリス
(トリメチルシロキシ)シリルスチレン60部、ヘキサ
フルオロイソプロピルメタクリレート30部、エチレン
グリコールジメタクリレート5部およびアゾビスジメチ
ルバレロニトリル0.1部を加えて配合液を調製し、ガ
ラス製試験管に配合液を注入して密栓した。これを恒温
水槽中、35℃で40時間、50℃で8時間予備重合さ
せ、そののち循環乾燥機中で50℃で5時間、ついで1
〜1.5時間あたり10℃の割合で温度を120℃まで
上昇させて加熱重合させ、棒状の重合体をえた。えられ
た重合体について、実施例1と同様に各試験を行なっ
た。その結果を表2に示す。
【0084】比較例2〜8 比較例1において、各成分を表2に示すように変更した
ほかは、比較例1と同様にして重合体をえた。えられた
重合体について実施例1と同様の試験を行なった。その
結果を表2に示す。
【0085】なお、表1〜2中の各略は以下のことを意
味する。
【0086】OHSt1:3−(ビス(トリメチルシロ
キシ)スチリルシリル)プロピルヒドロキシアセテート OHSt2:3−(ビス(トリメチルシロキシ)スチリ
ルシリル)プロピルヒドロキシピバレート SiSt :トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチ
レン HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート DMAA :N,N−ジメチルアクリルアミド 6FPMA:ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレー
ト EDMA :エチレングリコールジメタクリレート V−65 :2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリル また、表1中において、各成分の使用量(部)は、OH
St1またはOHSt2の使用量が100部であるとき
の値であり、表2中において、各成分の使用量(部)
は、SiStの使用量が100部であるときの値であ
る。また表1および表2中において、( )内は架橋
剤を除く全重合成分の使用量を100部としたばあいの
各成分の使用量を示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】実施例1〜7および比較例1〜8でえられ
た眼用レンズ材料の吸水率と接触角との関係をグラフ化
した。その結果を図5に示す。
【0090】図5において、Aは実施例1〜3、Bは実
施例4〜7、Cは比較例1〜4、Dは比較例5〜8でそ
れぞれえられた眼用レンズ材料の接触角と吸水率との関
係を示す。
【0091】表1、表2および図5に示された結果から
明らかなように、実施例1〜7でえられた眼用レンズ材
料は、比較例1〜8でえられた眼用レンズ材料と比較し
て、吸水率が低くおさえられているにもかかわらず、水
濡れ性が向上したものであることがわかる。
【0092】
【発明の効果】本発明の眼用レンズ材料は、前記水酸基
含有スチレン誘導体を用いてえられたものであるので、
吸水率をあまり高くさせなくても水濡れ性が向上し、ま
た吸水率をあまり高くさせないので、形状変化がほとん
どないというすぐれた効果を奏する。
【0093】したがって、本発明の水酸基含有スチレン
誘導体は、該眼用レンズ材料に好適に使用することがで
き、また本発明の眼用レンズ材料は、コンタクトレンズ
や眼内レンズなどの眼用レンズに好適に使用しうるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造例1でえられた3−(ビス(トリ
メチルシロキシ)スチリルシリル)プロピルヒドロキシ
アセテートの赤外吸収スペクトルを示すグラフである。
【図2】本発明の製造例1でえられた3−(ビス(トリ
メチルシロキシ)スチリルシリル)プロピルヒドロキシ
アセテートの質量スペクトルを示すグラフである。
【図3】本発明の製造例3でえられた4−(3−ヒドロ
キシプロピルテトラメチルジシロキサニル)スチレンの
赤外吸収スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明の製造例3でえられた4−(3−ヒドロ
キシプロピルテトラメチルジシロキサニル)スチレンの
核磁気共鳴スペクトルを示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1〜7および比較例1〜8でえ
られた眼用レンズ材料の吸水率と接触角との関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 剛 愛知県名古屋市西区枇杷島三丁目12番7号 株式会社メニコン内 (72)発明者 一戸 省二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 山崎 敏夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3
    はそれぞれ独立してメチル基またはトリメチルシロキシ
    基、R4は一般式: 【化2】 (式中、R5およびR6はそれぞれ独立して直鎖状、分岐
    鎖状または環状の炭素数1〜6の炭化水素基を示す)で
    表わされる基または一般式: 【化3】 (式中、R7およびR8はそれぞれ独立してメチル基また
    はトリメチルシロキシ基、R9は直鎖状、分岐鎖状また
    は環状の炭素数1〜6の炭化水素基、nは1〜3の整数
    を示す)で表わされる基を示す)で表わされる水酸基含
    有スチレン誘導体を含有した重合成分を重合させてえら
    れた眼用レンズ材料。
  2. 【請求項2】 前記重合成分が前記一般式(I)で表わ
    される水酸基含有スチレン誘導体と共重合可能な重合性
    単量体を含有したものである請求項1記載の眼用レンズ
    材料。
  3. 【請求項3】 眼用レンズ材料が非含水性コンタクトレ
    ンズ材料である請求項1または2記載の眼用レンズ材
    料。
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