JPH08283288A - 新規アントラサイクリン抗生物質 - Google Patents

新規アントラサイクリン抗生物質

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JPH08283288A
JPH08283288A JP11109495A JP11109495A JPH08283288A JP H08283288 A JPH08283288 A JP H08283288A JP 11109495 A JP11109495 A JP 11109495A JP 11109495 A JP11109495 A JP 11109495A JP H08283288 A JPH08283288 A JP H08283288A
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JP
Japan
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antibiotic
solution
chloroform
added
formula
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Application number
JP11109495A
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English (en)
Inventor
Osamu Shiromichi
修 城道
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(I)、 【化1】 (式中、Rは水素原子または水酸基を表す。)で示され
る新規アントラサイクリン系抗生物質。 【効果】 マウス白血病培養細胞(L1210)に対
し、増殖抑制作用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍活性を有する新
規なアントラサイクリン抗生物質に関する。
【0002】
【従来の技術】アントラサイクリン系抗生物質として
は、従来から放線菌の培養液から得られるダウノマイシ
ン(米国特許第3,616,242号)およびアドリア
マイシン(米国特許第3,590,028号)が知られ
ており、これらの化合物は、実験腫瘍に対して広い抗癌
スペクトルを有し、癌化学療法剤として臨床的にも広く
利用されている。しかし、ダウノマイシンおよびアドリ
アマイシンはかなり強力な抗癌作用を示すが決して満足
できるものではない。そのため発酵法、半合成法、微生
物変換法など各種の手段により種々の類縁化合物を創製
する試みが行われており、さらにいくつかのアントラサ
イクリン抗生物質、例えばアクラシノマイシンAおよび
B(特公昭51−34915号)、4−デメトキシ−1
1−デオキシダウノマイシン(特開昭57−26494
号)、ロドマイシン群抗生物質(特開昭56−1529
9号)などが提案されている。また、アントラサイクリ
ンの光化学反応としては、抗生物質D788−1からオ
キサノマイシンを生成させる方法が知られている:(特
開平2−59594号:Japanese J.Ant
ibiotics 44,264〜268,1991。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗腫瘍剤としてのアン
トラサイクリン抗生物質は、上述したように、各種の類
縁化合物が提案され、すでに一部は臨床的にも広く利用
されているものもあり、また臨床試験に供されているも
のもある。しかし、毒性、抗癌作用双方について共に満
足できるものはない。しかも抗腫瘍剤は、試験管内試
験、動物試験の結果が必ずしも人間の抗癌作用として反
映できないため、多角的な研究が要求される。そのた
め、抗腫瘍剤として一応の評価がされているアントラサ
イクリン系抗生物質について、さらに新たな部類に属す
る化合物の提案が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より有用
なアントラサイクリン抗生物質またはその合成中間体と
なり得る新規化合物を提案するため鋭意研究を重ねたと
ころ、下記式(II)で示される抗生物質D788−3
および下記式(III)で示される抗生物質D788−
1を原料として、光化学的に処理することにより、新規
なアントラサイクリン抗生物質が生産されることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】本発明により提供される新規アントラサイ
クリン抗生物質は、一般式(I)(式中、Rは水素原子
または水酸基を表す。)で示される化合物である。
【0008】
【化4】
【0009】これらの化合物は、オキサノマイシンの1
0位のエピ体あるいは同時に11−デオキシ体という点
で構造上の特徴を有する従来の文献に未載の新規な物質
である。
【0010】本発明はより具体的には、式(I−a)
【化5】 で示される化合物(以下、YE5Cと略記する)、
【0011】式(I−b)
【化6】 で示される化合物(以下、E5Cと略記する)を提供す
るものである。なお以後、本明細書において各化合物を
上記略称を用いて説明する。
【0012】上述の本発明の化合物は、培養白血病細胞
L1210に対して増殖阻止作用を有し、それ自体制癌
剤として有用である。 (マウス白血病L1210培養細胞に対する増殖阻害作
用)10%仔牛血清を含むRPMI1640培地(ロー
ズウエルバーグ研究所)へL1210細胞を5×104
個/ml接種し、同様に本発明の物質を0.005〜1
0μg/mlの濃度で添加し、37℃にて炭酸ガス培養
器中で48時間培養し、対照区に対する50%増殖阻害
濃度を求めた。YE5CおよびE5Cのマウス白血病L
1210培養細胞に対する50%増殖阻害濃度(I
50)は、それぞれ0.037および0.48μg/m
lであった。なお、本発明の化合物は、0.01M酢酸
(pH3.0)中に1mg/ml濃度で溶解した後、D
ulbecco PBS(−)(日水製薬株式会社製)
で希釈し、添加した。
【0013】本発明のアントラサイクリン抗生物質は、
原料化合物である抗生物質D788−3およびD788
−1を溶媒中で光変換することにより製造することがで
きる。使用する溶媒は、アセトン、特に50〜100%
濃度のものを用いるのが好適である。処理温度は、約5
〜30℃、好ましくは20℃付近がよく、光照射時間は
光源の強さと原料の濃度により異なるが、通常30〜1
20分間程度で反応が完了する。この光変換反応は、p
H3〜7で起こるが、好ましくはpH5.0〜5.4付
近がよく、この至適pH域を設定するために、このpH
域を有する各種の緩衝液を添加することが望ましい。こ
の場合クエン酸緩衝液が有利に使用できる。また本反応
はヨウ素の添加により顕著に促進される。ヨウ素の添加
量は10μg/ml〜5mg/ml、好適には100μ
g/ml〜2mg/ml程度で、さらに好ましくは原料
濃度に対し、1:1程度がよい。
【0014】変換反応液よりYE5CおよびE5Cを単
離、精製取得するには、反応液を鉱酸、例えば硫酸でp
Hを2に調整後、濃縮して有機溶媒を除去し、さらに水
酸化ナトリウムでpHを7〜9に調整し、クロロホル
ム、ブタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒を用いて抽
出するか、あるいは変換反応液に等量以上の水を添加
し、水酸化ナトリウムでpHを7〜9とした後、クロロ
ホルムを用いて抽出する。このようにして得た抽出液を
濃縮乾固して粗粉末を得る。これを吸着担体、例えば合
成吸着樹脂、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーに
より処理するか、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂
を用いる処理などを単独あるいは適宜組合せて使用する
ことにより、目的物質を純粋な形で採取できる。また粗
粉末をクロロホルム−メタノールあるいはアセトン中で
塩酸塩として結晶させて精製品を得ることもできる。
【0015】なお、原料化合物である抗生物質D788
−3およびD788−1(カルボルビシン)は、それぞ
れ特開昭60−185796号、特開昭60−8300
号に開示されている方法により容易に製造することが可
能である。
【0016】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細
に説明する。
【実施例】
参考例1 抗生物質D788−3の製造 ストレプトミセス・エスピー(Streptomyce
s sp.)D788,KL−330(FERM P−
7458)のYS(酵母エキス0.3%、可溶性澱粉
1.0%、寒天1.5%、pH7.2)斜面培養より1
白金耳を採り、種母培地(可溶性澱粉0.5%、グルコ
ース0.5%、エスサンミート(商品名:味の素株式会
社製)1.0%、酵母エキス0.1%、食塩0.1%、
第二リン酸カリウム0.1%、硫酸マグネシウム・7水
和物0.1%、pH7.4に調整、120℃、15分加
熱殺菌)100mlを含む500ml三角フラスコに接
種した。これを28℃にて2日間振とう培養して種母を
作成した。
【0017】次いで生産培地(台湾酵母5%、可溶性澱
粉7.5%、酵母エキス0.3%、食塩0.2%、炭酸
カルシウム0.3%、ミネラル混液0.06%、pH
8.2に調整、120℃、15分加熱殺菌)15lを入
れた30l容ジャーファーメンター2基に上記種母を1
基当り750ml(5%に相当)づつ接種した。但し、
ミネラル混液は、CuSO4・5H2Oを2.8g、Fe
SO4・7H2Oを0.4g、MnCl2・4H2Oを3.
2g、ZnSO4・2H2Oを0.8gを蒸留水500m
lに溶解したものである。
【0018】通気量5l/分、攪拌450rpmで28
℃、140時間培養した。発酵を中止し、ジャーファー
メンター2基より培養液を集め、濃硫酸でpH1.8に
調整した後、遠心分離により菌体区分と上澄区分に分離
した。菌体区分は総量8lのアセトンで抽出し、その抽
出液を1/3量まで減圧濃縮した。これを上澄区分と混
合し、4N水酸化ナトリウムを用いてpH2.3に調整
した後、ダイヤイオンHP−20(合成吸着樹脂、三菱
化成株式会社製)1lのカラムに通した。pH2の酸性
水で洗浄し、次いで約2.5lの50%アセトン水(p
H2.5)で黄色着色区分を溶出した。溶出液をおよそ
1/2量まで濃縮し、pHを4N水酸化ナトリウムを用
いてpH8.5に調整し、1lのクロロホルムで2回洗
浄抽出した。D788−3を含む水層のpHを6N塩酸
で2.5とし、同容量のn−ブタノールで抽出し、抽出
液を減圧下で濃縮乾固し、D788−3の粗粉末を6.
23g得た。
【0019】得られた粗粉末の2.5gを20mlのク
ロロホルム−メタノール−水(100:10:0.5)
混液に溶解し、これを同溶媒に懸濁、充填したシリカゲ
ルカラム(φ40mm;80g、ワコーゲルC−200
(和光純薬株式会社製))にかけ、約300ml同溶媒
系で展開し、次いで上記展開溶媒系クロロホルムの組成
比を90、80、70、60に順次減じた溶媒系をそれ
ぞれ300ml展開した。D788−3は、組成比6
0:10:0.5の溶媒系で溶出されるので、この画分
を集め減圧濃縮して2.1gの粉末を得た。これを希重
炭酸ナトリウム水溶液に溶解させ、クロロホルムで抽出
洗浄した後、5N塩酸でpHを2.5に調整し、n−ブ
タノールで抽出した。減圧下、濃縮乾固し、デシケータ
ーにて真空乾燥して、D788−3を1.56g取得し
た。
【0020】実施例1 抗生物質YE5Cの製造 参考例1で得た抗生物質D788−3の400mgをア
セトンと0.1Mクエン酸ナトリウム−水酸化ナトリウ
ム(pH3.5)との混液(4:1)800mlに加え
て溶解した。これにヨウ素400mgを添加し、さらに
4N水酸化ナトリウムを添加してpHを5.2に調整し
た。この溶液をガラス容器に入れ、攪拌しながら、高圧
水銀ランプ(理工科学産業株式会社製、UVL−400
H−300P型)を用い、8cmの距離から5時間照射
した。反応液に水400mlおよびクロロホルム800
mlを加え、水層のpHを4N水酸化ナトリウムで8.
0に調整しながら攪拌抽出した。有機層を分取し、飽和
食塩水200mlで洗浄した後。減圧濃縮(45℃)し
た。過剰のn−ヘキサンを加え、抗生物質YE5Cを沈
殿させ、濾過集積、乾燥して154mgの粗粉末を得
た。
【0021】得られた粗粉末154mgをクロロホルム
−メタノール混液(20:1)に溶解し、シリカゲルカ
ラム(φ20mm;25g、ワコーゲルC−200、和
光純薬株式会社製)に吸着させ、クロロホルム−メタノ
ール−濃アンモニア水(120:10:0.05、8
0:10:0.1、40:10:0.1)で溶出展開
し、YE5C分画を集めた。水洗後、濃縮乾固し、YE
5Cの部分精製粉末を得た。
【0022】得られた部分精製粉末を下記の展開溶媒に
溶解し、下記の条件で分取用高速液体クロマトグラフィ
ーにかけた。 (高速液体クロマトグラフィー条件) カラム:CAPCELL PAK C18(SHISE
IDO,SG120,φ30×250mm) ポンプ:日本分光LC−908 検出器:日本分光UV detector 310AB 展開溶媒:アセトニトリル−水(40:60、pH2.
0、リン酸) 流速:5ml/分
【0023】YE5Cの分画を集め、トルエンで洗浄し
た。1N水酸化ナトリウムを添加し、pH8.0とした
後、200mlのクロロホルムで抽出した。無水硫酸ナ
トリウムで脱水後、少量まで減圧濃縮し、過剰のn−ヘ
キサンを添加して生成した沈殿を濾過集積し、真空乾燥
してYE5Cの精製粉末32mgを得た。
【0024】以下に本発明のYE5Cの理化学的性状を
示す。 (1)外観:黄橙色粉末 (2)融点:185〜190℃(分解) (3)比旋光度:[α]D 20 +131゜(c 0.0
2、CHCl3) (4)分子式:C2629NO9 (5)FABマススペクトル:m/z 500((M+
H)+) (6)UV吸収スペクトル:90%メタノール溶液中で
測定した極大吸収は下記のとおりである(単位:n
m)。 λmax(E1cm 1%):229(738)、258(4
43)、433(222) (7)IR吸収スペクトル(KBr):特徴的な吸収
は、下記のとおりである(単位:cm-1)。 νmax:1671,1622
【0025】(8)1H−NMRスペクトル(400M
Hz、CDCl3−CD3OD(20:1)):主要な吸
収は、下記のとおりである。 δTMS(ppm):1.06(3H,t,J=7.3
4Hz),1.33(3H,d,J=5.86Hz),
1.63(1H,m,J=7.34Hz),1.70〜
1.83(3H),2.18(1H,dd,J=14.
68Hz & 2.93Hz),2.23(1H,d
d,J=14.67Hz & 5.13Hz),3.0
3(1H,br d,J=11.74Hz),3.49
(1H,brs),4.12(1H,q,J=6.60
Hz),4.52(1H,s),5.11(1H,br
t),5.42(1H,d,J=3.67Hz),
7.29(1H,d,J=7.33Hz),7.68
(1H,t,J=7.34Hz),7.80(1H,
d,J=7.34Hz),7.84(1H,s)
【0026】(9)13C−NMRスペクトル(100M
Hz、CDCl3−CD3OD(20:1)):主要な吸
収は、下記のとおりである。 δ:6.55,16.83,29.32,32.86,
33.50,46.42,67.45,70.35,7
1.01,72.82,73.08,101.11,1
14.70,115.87,120.23,121.7
6,124.85,130.65,133.12,13
3.54,137.38,147.73,161.5
2,162.43,181.75,192.65
【0027】参考例2 抗生物質D788−1の製造 ストレプトミセス・セルレオルビダス(Strepto
myces coeruleorubidus)3T−
373(FERM BP−165)のYS(酵母エキス
0.3%、可溶性澱粉1.0%、寒天1.5%、pH
7.2)斜面培養より1白金耳を採り、種母培地(可溶
性澱粉0.5%、グルコース0.5%、エスサンミート
(商品名:味の素株式会社製)1.0%、酵母エキス
0.1%、食塩0.1%、第二リン酸カリウム0.1
%、硫酸マグネシウム・7水和物0.1%、pH7.4
に調整、120℃、15分加熱殺菌)100mlを含む
500ml三角フラスコに接種した。これを28℃にて
2日間振とう培養して種母を作成した。
【0028】次いで生産培地(台湾酵母5%、可溶性澱
粉7.5%、酵母エキス0.3%、食塩0.2%、炭酸
カルシウム0.3%、ミネラル混液0.06%、pH
8.2に調整、120℃、15分加熱殺菌)15lを入
れた30l容ジャーファーメンター2基に上記種母を1
基当り750ml(5%に相当)づつ接種した。但し、
ミネラル混液は、CuSO4・5H2Oを2.8g、Fe
SO4・7H2Oを0.4g、MnCl2・4H2Oを3.
2g、ZnSO4・2H2Oを0.8gを蒸留水500m
lに溶解したものである。
【0029】通気量5l/分、攪拌450rpmで28
℃、120時間培養した。発酵を中止し、ジャーファー
メンター2基より培養液を集め、濃硫酸でpH1.8に
調整した後、遠心分離により菌体区分と上澄区分に分離
した。菌体区分は総量8lのアセトンで抽出し、その抽
出液を1/3量まで減圧濃縮した。これを上澄区分と混
合し、4N水酸化ナトリウムを用いてpH2.5に調整
した後、ダイヤイオンHP−2MG(合成吸着樹脂、三
菱化成株式会社製)1lのカラムに通した。pH2.5
の酸性水で洗浄し、次いで約2lの50%アセトン水
(pH2.5)で赤色着色区分を溶出した。溶出液をお
よそ1/3量まで濃縮し、pHを4N水酸化ナトリウム
を用いてpH8.5に調整し、500mlのクロロホル
ムで2回洗浄抽出し、不純物を除いた。D788−1を
含む水層のpHを6N塩酸で2.5とし、同容量のn−
ブタノールで抽出し、抽出液を減圧下で濃縮乾固し、D
788−1の粗粉末を3.48g得た。
【0030】得られた粗粉末の1gを10mlのクロロ
ホルム−メタノール−水−酢酸(80:20:2:0.
2)混液に溶解し、これを同溶媒に懸濁、充填したシリ
カゲルカラム(φ40mm×300mm;ワコーゲルC
−200(和光純薬株式会社製))にかけ、同溶媒系で
展開し目的物を含む画分を集め、減圧濃縮して630m
gの粉末を得た。これを希重炭酸ナトリウム水溶液に溶
解させ、クロロホルムで抽出洗浄した後、6N塩酸でp
Hを2.5に調整し、n−ブタノールで抽出した。減圧
下、濃縮乾固し、デシケーターにて真空乾燥して、D7
88−1を432mg取得した。
【0031】実施例2 抗生物質E5Cの製造 参考例2で得た抗生物質D788−1の400mgをア
セトンと0.1Mクエン酸ナトリウム−水酸化ナトリウ
ム(pH3.5)との混液(4:1)800mlに加え
て溶解した。これにヨウ素400mgを添加し、さらに
4N水酸化ナトリウムを添加してpHを5.2に調整し
た。この溶液をガラス容器に入れ、攪拌しながら、高圧
水銀ランプ(理工科学産業株式会社製、UVL−400
H−300P型)を用い、8cmの距離から5時間照射
した。反応液に水400mlおよびクロロホルム800
mlを加え、水層のpHを4N水酸化ナトリウムで8.
0調整しながら攪拌抽出した。有機層を分取し、飽和食
塩水200mlで洗浄した後、減圧濃縮(45℃)し
た。過剰のn−ヘキサンを加え、抗生物質E5Cを沈殿
させ、濾過集積、乾燥して220mgの粗粉末を得た。
【0032】得られた粗粉末220mgをクロロホルム
−メタノール混液(20:1)に溶解し、シリカゲルカ
ラム(φ20mm;25g、ワコーゲルC−200、和
光純薬株式会社製)に吸着させ、クロロホルム−メタノ
ール−水(100:10:0.05、100:20:
0.5)、次いでクロロホルム−メタノール−水−酢酸
−濃アンモニア水(120:50:5:1:1)で溶出
展開し、E5C分画を集めた。これを5%重炭酸ナトリ
ウム溶液で洗浄後、濃縮乾固し、E5Cの部分精製粉末
を得た。
【0033】得られた部分精製粉末を分取用シリカゲル
薄層プレート(シリカゲル60PF254:メルク社
製)を用いて精製した。薄層の下端より2.0cmの位
置に横線状に塗布し、クロロホルム−メタノール−水−
酢酸−濃アンモニア水(120:50:5:1:1)で
展開した。E5Cに相当する部分をかきとり、クロロホ
ルム−メタノール混液で抽出した。これに半量の0.1
M酢酸を添加抽出し水層を集め、1N水酸化ナトリウム
を添加し、pH8.0とした後、100mlのクロロホ
ルムで抽出した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、少量ま
で減圧濃縮し、過剰のn−ヘキサンを添加して生成した
沈殿を濾過集積し、真空乾燥してE5Cの精製粉末15
mgを得た。
【0034】以下に本発明のE5Cの理化学的性状を示
す。 (1)外観:橙色粉末 (2)融点:174〜177℃(分解) (3)比旋光度:[α]D 20 +17゜(c 0.0
2、CHCl3) (4)分子式:C2629NO10 (5)FABマススペクトル:m/z 516((M+
H)+) (6)UV吸収スペクトル:90%メタノール溶液中で
測定した極大吸収は下記のとおりである(単位:n
m)。 λmax(E1cm 1%):235(969)、254(5
15)、292(185)、496(338) (7)IR吸収スペクトル(KBr):特徴的な吸収
は、下記のとおりである(単位:cm-1)。 νmax:1601
【0035】(8)1H−NMRスペクトル(400M
Hz、CDCl3−CD3OD(10:1)):主要な吸
収は、下記のとおりである。 δTMS(ppm):1.01(3H,t,J=7.3
4Hz),1.31(3H,d,J=6.60Hz),
1.47(1H,m,J=7.34Hz),1.62
(1H,m,J=7.34Hz),1.75〜1.90
(2H),2.08(1H,dd,J=13.94Hz
& 5.87Hz),2.36(1H,dd,J=1
3.94Hz & 5.87Hz),3.11〜3.1
5(1H),3.52(1H,br s),4.14
(1H,q,J=6.60Hz),4.74(1H,
s),4.93(1H,t,J=5.87Hz),5.
42(1H,br s),7.30(1H,d,J=
8.80Hz),7.71(1H,t,J=8.07H
z),7.85(1H,d,J=8.07Hz)
【0036】(9)13C−NMRスペクトル(100M
Hz、CDCl3−CD3OD(10:1)):主要な吸
収は、下記のとおりである。 δ:7.84,17.24,30.51,32.82,
35.69,46.97,67.91,67.97,7
0.33,71.57,72.19,101.01,1
12.08,112.50,116.45,120.1
8,125.32,133.82,136.89,13
7.66,138.89,157.18,157.6
1,162.92,186.73,191.30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子または水酸基を表す。)で示され
    る新規アントラサイクリン抗生物質。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のRが水素原子で示される
    特許請求の範囲第1項記載の新規アントラサイクリン抗
    生物質。
  3. 【請求項3】 一般式(I)のRが水酸基で示される特
    許請求の範囲第1項記載の新規アントラサイクリン抗生
    物質。
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