JPH08282429A - 乗員保護装置の起動装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動装置

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JPH08282429A
JPH08282429A JP7107875A JP10787595A JPH08282429A JP H08282429 A JPH08282429 A JP H08282429A JP 7107875 A JP7107875 A JP 7107875A JP 10787595 A JP10787595 A JP 10787595A JP H08282429 A JPH08282429 A JP H08282429A
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JP
Japan
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squib
backup capacitor
voltage
charging voltage
resistance value
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Application number
JP7107875A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hatake
聡志 畠
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクイブの抵抗値を勘案しつつバックアップ
コンデンサの適正な充電電圧を決定してバックアップコ
ンデンサの充電を行うことにより、各種回路素子の発熱
を防止して信頼性を保持することができるとともに、電
圧源の負担を低減することが可能な乗員保護装置の起動
装置を提供する。 【構成】 バックアップコンデンサ14の充電電圧を求
めるについて、バックアップコンデンサ14の容量値と
スクイブ18の抵抗値の双方、又は、スクイブ18の抵
抗値のみに基づいて充電電圧を求めるとともに、その充
電電圧に従って昇圧回路4の制御を行うことによりバッ
クアップコンデンサ14の充電を行うように構成する。
また、バックアップコンデンサ14の充電電圧が昇圧さ
れた場合、制限率Lに基づいて、モニタ電流制御回路2
2におけるトランジスタ24のベースに印加されるベー
ス電流Iやベース電流のデューティ比を変えることによ
り、スクイブ18に流れるモニタ電流を低減するように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突等に起因し
て電圧源とスクイブとの接続が遮断された場合において
も、スクイブの点火に必要なエネルギをスクイブに供給
してエアバッグ等を確実に起動するためのバックアップ
コンデンサを備えた車載用エアバッグ装置等の乗員保護
装置における起動装置に関し、特に、バックアップコン
デンサの充電を行うについて電圧源の負担を低減するこ
とが可能な起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の衝突時においても乗員を安
全に保護すべくエアバッグ装置等の乗員保護装置を車両
に搭載することが一般化されつつあり、かかるエアバッ
グ装置の起動装置では、イグニションスイッチのオンに
基く車両のエンジン始動に従って充電されるバックアッ
プコンデンサが設けられている。
【0003】このようなバックアップコンデンサは、車
両の衝突時にスクイブと電圧源との接続が遮断された場
合においても、エアバッグ装置のスクイブの点火を行っ
てエアバッグの膨張展開を行うためのものであるから、
常時適正な充電電圧を介して充電されている必要があ
る。このとき、バックアップコンデンサの充電電圧は、
バックアップコンデンサの容量が経時変化、雰囲気温
度、製造時のばらつき等の各種原因に基づいて低下する
ことから、この種の容量低下をも勘案して決定される必
要がある。
【0004】前記のような容量低下を勘案してバックア
ップコンデンサを充電する起動装置として、例えば、実
開平2−110559号公報には、バックアップ用コン
デンサの容量を計測する容量計測手段、及び、その計測
した容量値に応じてバックアップ用コンデンサに印加す
る電圧を可変制御する電圧可変制御手段とを設けた点火
器駆動装置が記載されている。かかる点火器駆動装置に
よれば、バックアップ用コンデンサの容量低下を精度よ
く検出して、容量低下時においても点火器を確実に駆動
することができるものではある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
開平2−110559号公報に記載された点火器駆動装
置では、バックアップ用コンデンサの容量低下を検出し
た場合には,バッテリ(電源)を介してバックアップ用
コンデンサの充電電圧を増加させており、このように充
電電圧を増加させた場合、駆動装置内部における駆動回
路により消費される電流も大きなものとなる。例えば、
一般のエアバッグ装置では、スクイブ(点火系)ライン
が衝突等で断線した場合、即時にその断線を検出して警
報を発せられるように、常時スクイブラインに対してス
クイブの故障診断電流(弱電流)を通電しているが、前
記のように充電電圧が増加された場合には、その充電電
圧の増加に比例してスクイブの故障診断電流も増大す
る。これに起因して、駆動回路におけるスイッチングレ
ギュレータ等の各種回路素子が発熱されてしまうことか
ら、これらの回路素子の信頼性低下を招来する虞がある
という問題がある。
【0006】また、スクイブの点火に必要なエネルギ
は、スクイブラインにおける抵抗値に大きく依存する
が、前記実開平2−110559号公報の点火器駆動装
置では、かかる抵抗値については何ら勘案されていな
い。従って、この点火器駆動装置におけるように、バッ
クアップ用コンデンサの容量のみに基づいて充電電圧を
決定する場合には、バックアップ用コンデンサの充電の
ために電源から必要以上の電圧が発生されている虞があ
り、電源にかかる負担は大きなものとなってしまう問題
がある。
【0007】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、スクイブの抵抗値を勘案しつつ
バックアップコンデンサの適正な充電電圧を決定してバ
ックアップコンデンサの充電を行うことにより、各種回
路素子の発熱を防止して信頼性を保持することができる
とともに、電圧源の負担を低減することができる乗員保
護装置の起動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る起動装置は、スクイブを点火させるための
電圧を発生する電圧源と、電圧源を介して充電されると
ともにスクイブと電圧源とが遮断された場合にスクイブ
の点火に必要なエネルギをスクイブに供給するバックア
ップコンデンサとを有する乗員保護装置の起動装置にお
いて、前記スクイブの抵抗値を検出する検出手段と、前
記検出手段により検出された抵抗値に基づいて、前記バ
ックアップコンデンサの充電電圧を決定する決定手段と
を備えた構成とされる。
【0009】また、前記起動装置においては、前記バッ
クアップコンデンサの容量を測定する測定手段を備え、
前記決定手段は測定手段により測定されたバックアップ
コンデンサの容量と前記抵抗値とに基づいてバックアッ
プコンデンサの充電電圧を決定することが望ましく、更
に、前記スクイブに診断電流を印加してスクイブの故障
を診断する診断手段と、前記充電電圧に対応して診断電
流を可変とする可変手段とを備えていることが望まし
い。
【0010】
【作用】前記構成を有する本発明に係る乗員保護装置の
起動装置では、バックアップコンデンサの充電を行う
際、検出手段を介してスクイブの抵抗値が検出され、ま
た、その検出された抵抗値に基づき決定手段を介してバ
ックアップコンデンサの充電電圧が決定される。そし
て、バックアップコンデンサは、決定手段により決定さ
れた充電電圧に基づいて電圧源により充電される。
【0011】このように、本発明の起動装置において
は、検出手段により検出されたスクイブの抵抗値に基づ
いてバックアップコンデンサの充電電圧を決定している
ので、電圧源からバックアップコンデンサに供給される
充電電圧は、必要以上に大きくなることはなく、これに
より、電圧源は必要以上の高い充電電圧を発生しなくて
も良いので、電圧源にかかる負担が低減されるものであ
る。また、バックアップコンデンサにはスクイブと電圧
源とが遮断された場合にスクイブの点火に必要なエネル
ギが充電されればよいことから、前記のように決定され
る充電電圧は、バックアップコンデンサを充電するにつ
いて十分なものである。従って、起動装置に設けられる
各種回路素子により消費される電流は必要以上に大きく
なることはなく、回路素子が発熱されてその信頼性が低
下することが防止され得る。
【0012】また、測定手段によりバックアップコンデ
ンサの容量を測定し、前記決定手段が、測定手段により
測定されたバックアップコンデンサの容量と前記検出手
段により検出されたスクイブの抵抗値とに基づいて充電
電圧を決定するように構成した場合には、その充電電圧
は、バックアップコンデンサの充電を行うに際してより
最適な電圧となる。従って、前記と同様に、電圧源にか
かる負担は更に低減され、また、起動装置に設けられる
各種回路素子が発熱されてその信頼性が低下することは
確実に防止され得る。
【0013】更に、診断手段によりスクイブに診断電流
を印加してスクイブの故障を診断するに際して、前記の
ように決定された充電電圧に対応して診断電流を可変と
する可変手段を有する場合には、かかる可変手段を介し
て診断電流を変えることにより診断電流としてスクイブ
の故障を診断するに必要な最小限の電流値を使用するこ
とが可能となる。これにより、前記と同様に、電圧源に
かかる負担を低減し、また、起動装置に設けられる各種
回路素子の発熱に基づく信頼性の低下を防止することが
可能となるものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る乗員保護装置の起動装置
について、本発明を具体化した実施例に基づいて図面を
参照しつつ詳細に説明する。先ず、起動装置を制御する
制御回路について図1に基づき説明する。図1は起動装
置の制御回路を示す回路図である。
【0015】図1において、電圧源1の負電極は接地さ
れ、正電極はイグニションスイッチ2から保護ダイオー
ド3を介して昇圧回路4に接続されている。昇圧回路4
は、保護ダイオード3に直列に接続されたコイル5、保
護ダイオード6、分岐点Aから分岐接続された平滑化コ
ンデンサ7を有しており、また、コイル5と保護ダイオ
ード6の間における分岐点BにはFET(電界効果トラ
ンジスタ)8が接続されている。FET8のソース側は
接地されるとともに、ゲート側は抵抗9からラインL1
を介してマイクロプロセッサ(以下、MPUと略記す
る)10に接続されている。また、分岐点CはラインL
2を介してMPU10に接続されている。
【0016】ここに、昇圧回路4は、後述するように測
定、検出されるバックアップコンデンサ14の容量、及
び、スクイブ18の抵抗値に基づいて、バックアップコ
ンデンサ14を適正な充電電圧で充電制御すべく、電圧
源1からの電圧を昇圧する作用を行う回路であり、ライ
ンL2を介して昇圧電圧を検出するとともに、その昇圧
電圧が所定の充電電圧となるようにFET8のオン・オ
フ制御を行うことにより昇圧作用を行うものである。ま
た、MPU10は、RAM及びROMを備えており、R
AMは、測定、検出等された各種データや演算データを
一時的に記憶するメモリであり、また、ROMは、後述
する制御プログラムや演算に必要な各種データを記憶す
るメモリである。
【0017】また、前記保護ダイオード6と直列に保護
ダイオード11、セーフィングセンサ12が接続されて
いる。これらの各保護ダイオード11とセーフィングセ
ンサ12との間で、分岐点Dからは充電抵抗13を介し
てバックアップコンデンサ14が接続されており、バッ
クアップコンデンサ14の一端側は接地されている。バ
ックアップコンデンサ14は、前記昇圧回路4により昇
圧される充電電圧と充電抵抗13とにより定まる充電特
性に従って充電される。
【0018】充電抵抗13とバックアップコンデンサ1
4の間の分岐点Eは、ラインL3を介してMPU10に
接続されている。かかるラインL3はバックアップコン
デンサ14の充電電圧(端子電圧)を検出するためのラ
インであり、ラインL3を介して検出された充電電圧
は、後述するように、バックアップコンデンサ14の容
量を演算する際に使用される。また、分岐点Eからは、
充電抵抗13と並列に保護ダイオード15が接続されて
おり(分岐点F)、この保護ダイオード15は、バック
アップコンデンサ14の放電時にその放電電流が充電抵
抗13を介して流れると電圧低下を発生することから、
かかる電圧低下を防止してスクイブ18を確実に点火可
能とするために介挿されている。更に、分岐点Fとセー
フィングセンサ12の間とMPU10とはラインL8を
介して接続されている。かかるラインL8は、前記昇圧
回路4等における各回路素子の抵抗値を考慮した電圧値
を検出するためのラインであり、ラインL8を介して検
出された電圧値は、後述するように、スクイブ18の抵
抗値を算出する際に使用される。
【0019】尚、セーフィングセンサ12は、固定接点
16及び固定接点16に並列に接続された抵抗17を有
し、かかるセーフィングセンサ12は、ローラ、プレー
トスプリング、ストッパ等から構成された公知の機械式
センサであり、設定以上の減速度が加わるとローラが回
転してその回転接点と固定接点16との接触によりオン
状態となるものである。
【0020】更に、セーフィングセンサ12はスクイブ
18の一方の端子S1に接続されており、この端子S1
はラインL4を介してMPU10に接続されている。ま
た、スクイブ18の他方の端子S2はラインL5を介し
てMPU10に接続されている。これらの各ラインL
4、L5は、スクイブ18における各端子S1、S2の
端子間電圧を測定するためのラインである。このように
測定された端子間電圧は、後述するように、スクイブ1
8の抵抗値を算出する際に使用される。尚、各ラインL
4、L5を介して測定されるスクイブ18の端子間電圧
は、一般的に小さいことから、図示しないオペアンプ
(OPアンプ)で増幅してMPU10に入力する方法が
一般に採用されている。
【0021】また、端子S2にはスクイブ18の点火駆
動回路19が接続されている。この点火駆動回路19は
FET20を有し、FET20のソース側は接地される
とともにゲート側は抵抗21からラインL6を介してM
PU10に接続されている。MPU10は、図示しない
加速度センサ(Gセンサ)を介して車両が衝突されたと
判断した場合、ラインL6から抵抗21を介してFET
20のゲートに駆動信号を出力し、FET20をオンさ
せることによりスクイブ18の点火駆動を行うものであ
る。これにより、エアバッグが膨張展開されて乗員が安
全に保護されるものである。ここに、スクイブ18は、
前記セーフィングセンサ12の固定接点16がオンさ
れ、且つ、ラインL6を介して駆動信号が出力された場
合に点火される。かかる点で、セーフィングセンサ12
は、エアバッグを膨張展開する際における安全装置とし
て作用するものといえる。
【0022】更に、スクイブ18の端子S2と点火駆動
回路19の間における分岐点GとMPU10との間に
は、スクイブ18の故障診断を行うための診断電流(モ
ニタ電流)を可変に制御するモニタ電流制御回路22が
介挿されている。モニタ電流制御回路22は、分岐点G
から直列に接続された抵抗23、トランジスタ24(エ
ミッタ側は接地されている)、及び、抵抗25を有し、
抵抗25はラインL7を介してMPU10に接続されて
いる。MPU10は、前記昇圧回路4により昇圧された
バックアップコンデンサ14の充電電圧に対応して、ラ
インL7から抵抗25を介してトランジスタ24のベー
スに制御信号(後述する)を出力することにより、スク
イブ18の故障診断を行うにつき必要最小限のモニタ電
流をもって診断可能とするものである。この点について
は後述する。
【0023】次に、前記のように構成された制御回路に
より行われる動作について図2に基づいて説明する。図
2は起動装置の制御回路により行われる充電電圧及びモ
ニタ電流の制御プログラムのフローチャートである。か
かる制御プログラムは、イグニションスイッチ2がオン
されることにより開始され、ステップ(以下、Sと略記
する)1では、先ず、ROMに記憶されている所定の電
圧値(昇圧電圧値)に基づいて、昇圧回路4を介して昇
圧される電圧値が一定となるように制御される。即ち、
イグニションスイッチ2がオンされると、電圧源1から
昇圧回路4に電圧が印加され、昇圧回路4を経た後の電
圧値がラインL2を介してMPU10により検出され
る。MPU10は、その検出した電圧値とROMに記憶
されている所定の電圧値とを比較し、その比較結果に基
づいてラインL1からパルス状の駆動信号をFET8の
ゲートに出力してFET8のオン・オフ制御を行うこと
により、ラインL2から検出される電圧値が所定電圧値
となるように制御する。
【0024】続く、S2では、前記のように制御される
電圧値と充電抵抗13とにより決定されるバックアップ
コンデンサ14の端子電圧が、ラインL3を介して検出
されるとともに、かかる端子電圧に基づいてバックアッ
プコンデンサ14の容量が演算される。このバックアッ
プコンデンサ14の容量演算は次のように行われる。
【0025】即ち、MPU10は、ラインL3を介して
所定時間バックアップコンデンサ14の端子電圧を検出
する。このとき、検出時間と端子電圧(V)との間には
図3に示すような関係が得られる。図3はバックアップ
コンデンサ14の端子電圧と検出時間との関係を示すグ
ラフであり、縦軸は端子電圧、横軸は時間を示す。端子
電圧はイグニションスイッチ2のオン時から時間の経過
と共に曲線K1に従って除々に増加し、前記所定電圧値
に漸近していく。かかるグラフにおいて、所定時間の間
に検出された端子電圧の加算値は、面積S(図3中斜線
で示す領域)で表わされ、かかる面積Sを求めることに
よりバックアップコンデンサ14の容量が演算される。
このように求められたバックアップコンデンサ14の容
量は、RAMに記憶される。尚、このような容量演算方
法は公知であるので、ここではその説明を省略する。
【0026】S3においては、前記S2で演算されたバ
ックアップコンデンサ14の容量とROMに記憶された
所定の容量値とが比較され、バックアップコンデンサ1
4の容量値の低下が発生したかどうか判断される。容量
低下が発生した場合(S3:YES)、S4にてスクイ
ブ18の両端子S1、S2間の抵抗値が測定される。
尚、S3で容量低下が発生してしないと判断された場合
(S3:NO)には、後述するS11に移行する。
【0027】S4において、スクイブ18の抵抗値を測
定する方法には各種の方法が適用可能である。例えば、
予めスクイブ18の抵抗値をROMに記憶させておき、
端子S1に接続されたラインL4及び端子S2に接続さ
れたラインL5を介して各端子S1、S2間の端子間電
圧を測定するとともに、その測定した端子間電圧をRO
Mに記憶されたスクイブ18に流される電流値で割るこ
とにより、スクイブ18の抵抗値を演算することができ
る。また、昇圧回路4等における各回路素子の抵抗値を
考慮した電圧値をラインL8を介して測定した後、その
電圧値をスクイブ18以外(スクイブ18の抵抗値は一
般に1〜2Ω程度と小さいため無視できる)の各回路素
子の抵抗値、例えば抵抗17で割ってスクイブ18に流
れる電流値を演算し、前記と同様にして測定した各端子
S1、S2の端子間電圧を演算により得られた電流値で
割ることにより、スクイブ18の抵抗値を求めることが
できる。
【0028】続く、S5においては、バックアップコン
デンサ14を充電するための充電電圧が、前記S2にて
演算されたバックアップコンデンサ14の容量値、及
び、前記S4にて演算されたスクイブ18の抵抗値に基
づいて、演算される。このとき、バックアップコンデン
サ14の容量値(C)と充電電圧(V)との間には図4
に示すような関係が存在し、また、スクイブ18の抵抗
値(R)と充電電圧(V)との間には図5に示すような
関係が存在する。図4はバックアップコンデンサ14の
容量値と充電電圧との関係を示すグラフであり、図4か
ら明かなように、充電電圧は、曲線K2に従って容量が
大きくなる程小さくなることが分かる。また、図5はス
クイブ18の抵抗値と充電電圧との関係を示すグラフで
あり、図5から明かなように、充電電圧は、曲線K3に
従ってスクイブ18の抵抗値が大きくなる程大きくなる
ことが分かる。
【0029】本実施例において、具体的には、図4及び
図5に示す関係に基づいて、バックアップコンデンサ1
4の容量(C)とスクイブ18の抵抗値(R)から充電
電圧(V)が決定可能な図6に示すマップをROMに記
憶しておき、前記のように演算されたバックアップコン
デンサ14の容量値及びスクイブ18の抵抗値に基づい
て、マップから最適な充電電圧を求める方法が採用され
る。このような方法によれば、バックアップコンデンサ
14の容量値に加えてスクイブ18の抵抗値を付加する
ことにより、充電電圧の最適化が行われたこととなる。
【0030】ここに、図6はバックアップコンデンサ1
4の容量値及びスクイブ18の抵抗値に基づき作成され
た充電電圧のマップを示す説明図であり、図6中、R
0、R1、R2の相互間にはR0<R1<R2の関係が
存在する。充電電圧を求めるには、前記のように演算さ
れたスクイブ18の抵抗値と合致する抵抗値の曲線をマ
ップ中から選択し、その選択した曲線について前記のよ
うに演算されたバックアップコンデンサ14の容量値に
対応する充電電圧を読み取ることにより求められるもの
である。
【0031】また、前記S5の処理においては、S2で
演算されたバックアップコンデンサ14の容量値とS4
で演算されたスクイブ18の抵抗値の双方に基づいて、
充電電圧を求めるようにしているが、S2の処理を省略
してスクイブ18の抵抗値のみに基づいて充電電圧を求
めるようにしてもよい。かかる場合、前記図5に示した
スクイブ18の抵抗値と充電電圧の関係を表わす曲線K
3を数式化してなる演算式をROMに記憶しておき、S
4にて求めたスクイブ18の抵抗値を演算式に代入する
ことにより、充電電圧が求められるものである。
【0032】前記S5の後、S6においては、前記のよ
うに求めた充電電圧が、予めROMに設定された規定範
囲内にあるかどうか判断される。充電電圧が規定範囲内
にある場合(S6:YES)には、S7において充電電
圧に従って昇圧回路4の制御が行われる。具体的には、
ラインL3を介して検出される充電電圧が、前記のよう
に演算された充電電圧となるように、ラインL1を介し
てFET8のオン・オフ制御が行われる。これにより、
電圧源1からの電圧は、昇圧回路4を介して昇圧され
て、バックアップコンデンサ14を充電するについて最
適な充電電圧となるものである。
【0033】このとき、バックアップコンデンサ14の
充電電圧は、バックアップコンデンサ14の容量値とス
クイブ18の抵抗値の双方、又は、スクイブ18の抵抗
値のみに基づいて求められるとともに、その充電電圧に
従って昇圧回路4の制御を行うことによりバックアップ
コンデンサ14の充電が行われるので、バックアップコ
ンデンサ14の充電電圧を必要以上に大きくすることな
く適正な充電電圧をもって充電することができる。従っ
て、電圧源1にかかる負担を低減することができるとと
もに、不必要に高い電圧が印加されることがなくなるの
で、バックアップコンデンサ14の寿命を長くして制御
回路の信頼性を向上することができる。また、制御回路
中の各回路素子が不用意に発熱されることがなくなり、
これより各回路素子の信頼性を保持することができる。
【0034】更に、バックアップコンデンサ14の充電
制御を行うについて、バックアップコンデンサ14の容
量値、スクイブ18の抵抗値を勘案して充電電圧を決定
するようにしているので、バックアップコンデンサ14
の設計時に通常見込める範囲での容量の経時変化やスク
イブ18の抵抗値のばらつきを、ある程度無視して設計
することができ、これによりバックアップコンデンサ1
4の小型化を図ってコストを低減することができる。
【0035】尚、S6において、充電電圧が規定範囲内
にないと判断された場合(S6:NO)には、S8で電
圧調整が行われた後S7の処理が行われる。ここに、電
圧調整は、例えば、前記のように求めた充電電圧が規定
範囲から小さく外れている場合、電圧値を上限値(RO
Mに記憶されている)に設定することにより行われ、か
かる上限値を充電電圧としてS7の処理が行われるもの
である。
【0036】S9では、前記S5にて演算された充電電
圧に基づいて、モニタ電流制御回路22を介して制御さ
れてスクイブ18に流されるモニタ電流を低減するた
め、先ず、モニタ電流を低減する指標となる制限率が取
得される。このとき、前記のように得られた充電電圧と
モニタ電流の制限率との間には、図7に示すような関係
が存在する。図7は充電電圧とモニタ電流の制限率との
関係を示すグラフであり、このグラフは数式化された演
算式としてROMに記憶されている。従って、前記S5
で求めた充電電圧を演算式に代入することにより、モニ
タ電流の制限率が得られる。尚、制限率を求める方法と
して、前記のように充電電圧と制限率との関係表わす演
算式をROMに記憶しておく方法の他に、充電電圧と制
限率の値に応じて制限率を選択可能なマップをROMに
記憶させておいてもよい。
【0037】前記のようにS9にてモニタ電流の制限率
が取得された後、S10においては、その制限率に基づ
いてモニタ電流の低減制御が行われる。モニタ電流を低
減する方法としては各種の方法が考えられる。
【0038】例えば、前記のように取得された制限率に
基づいて、モニタ電流制御回路22におけるトランジス
タ24のベースに印加されるベース電流の大きさを制御
することによりモニタ電流を低減する方法、また、トラ
ンジスタ24のベースに印加される電流をパルス状方形
波とし、そのパルス状方形波のデューティ比を前記制限
率に従って制限することによりモニタ電流を低減する等
の方法がある。
【0039】ここで、前者の方法について説明する。前
記S9にて取得された制限率とモニタ電流制御回路22
におけるトランジスタ24のベースに印加されるベース
電流との間には、図8に示すような関係が存在する。図
8は制限率とベース電流との関係を示すグラフであり、
このグラフは数式化された演算式としてROMに記憶さ
れている。従って、前記S9にて取得した制限率を演算
式に代入することによりベース電流が得られる。具体的
には、ベース電流は、下記計算式により求めることがで
きる。
【0040】
【数1】
【0041】上記数1において、Iは計算されたベース
電流、I0 は通常トランジスタ24のベースに印加され
ているベース電流、Lは前記にて求めた制限率(%)で
あり、数1中、通常のベース電流I0 は予め分かってい
ることから、制限率Lとベース電流I0 とを数1に代入
すれば、ベース電流Iが得られるものである。このよう
に得られたベース電流Iをモニタ電流制御回路22にお
けるトランジスタ24のベースに印加すれば、スクイブ
18に流れるモニタ電流を低減することができるもので
ある。
【0042】次に、前記後者の方法について説明する。
この方法では、前記制限率に基づいて、トランジスタ2
4のベースに印加されるパルス状方形波のデューティ比
が決定される。このとき、制限率とデューティ比との間
には、図9に示すような関係が存在する。図9は制限率
とパルス状方形波のデューティ比との関係を示すグラフ
であり、このグラフは数式化された演算式としてROM
に記憶されている。従って、前記S9にて取得した制限
率を演算式に代入することによりデューティ比が得られ
る。ここに、デューティ比は、図10に示すように、パ
ルス状方形波の周期をAとし、パルス幅をBとした場
合、デューティ比=B/A×100で定義される。
【0043】このように定義されるデューティ比は、具
体的には、下記計算式により求めることができる。
【0044】
【数2】
【0045】上記数2において、左辺はデューティ比を
表わし、右辺中のLは制限率である。従って、制限率L
を数2に代入することにより、トランジスタ24のベー
スに印加されるパルス状方形波のデューティ比が得られ
るものである。このように決定されたデューティ比を有
するパルス状方形波をベース電流として、モニタ電流制
御回路22におけるトランジスタ24のベースに印加す
ることにより、スクイブ18に流れるモニタ電流を低減
することができるものである。
【0046】このように、バックアップコンデンサ14
の充電電圧が昇圧された場合、前記S9にて取得された
制限率Lに基づいて、モニタ電流制御回路22における
トランジスタ24のベースに印加されるベース電流Iや
ベース電流のデューティ比を変えることにより、スクイ
ブ18に流れるモニタ電流を低減するようにしたので、
昇圧回路4の負荷を軽減してコイル5等の回路素子の過
熱を防止することができる。
【0047】前記S10の処理が終了した後、S11で
はエアバッグ装置における各種診断項目のチェックを行
うプライマリチェックが行われるとともに、S12にて
車両の衝突判定処理及び常時チェックが行われるもので
ある。
【0048】以上詳細に説明した通り本実施例に係る起
動装置では、バックアップコンデンサ14の充電電圧を
求めるについて、バックアップコンデンサ14の容量値
とスクイブ18の抵抗値の双方、又は、スクイブ18の
抵抗値のみに基づいて充電電圧を求めるとともに、その
充電電圧に従って昇圧回路4の制御を行うことによりバ
ックアップコンデンサ14の充電を行うように構成した
ので、バックアップコンデンサ14の充電電圧を必要以
上に大きくすることなく適正な充電電圧をもってバック
アップコンデンサ14を充電することができる。従っ
て、電圧源1にかかる負担を低減することができるとと
もに、バックアップコンデンサ14の寿命を長くして制
御回路の信頼性を向上することができる。また、制御回
路中の各回路素子が不用意に発熱されることがなくな
り、これより各回路素子の信頼性を保持することができ
る。
【0049】また、バックアップコンデンサ14の充電
制御を行うについて、バックアップコンデンサ14の容
量値、スクイブ18の抵抗値を勘案して充電電圧を決定
するようにしているので、バックアップコンデンサ14
の設計時に通常見込める範囲での容量の経時変化やスク
イブ18の抵抗値のばらつきを、ある程度無視して設計
することができ、これによりバックアップコンデンサ1
4の小型化を図ってコストを低減することができる。
【0050】更に、バックアップコンデンサ14の充電
電圧が昇圧された場合、前記S9にて取得された制限率
Lに基づいて、モニタ電流制御回路22におけるトラン
ジスタ24のベースに印加されるベース電流Iやベース
電流のデューティ比を変えることにより、スクイブ18
に流れるモニタ電流を低減するようにしたので、モニタ
電流は必要な時に必要な量だけスクイブ18に流れるこ
ととなり、これにより昇圧回路4の負荷を軽減してコイ
ル5等の回路素子の過熱を防止することができる。
【0051】また、充電電圧はスクイブ18の抵抗値を
勘案して決定されており、これより充電電圧に対応して
モニタ電流の制限率を求める際に、スクイブ18の抵抗
値の大小に合わせてモニタ電流を可変とすることがで
き、プライマリチェック等における精度を向上するこが
できる。更に、バックアップコンデンサ14の容量値に
余裕がある場合には、昇圧回路4の発信周波数を調整し
て車両に搭載されるラジオ系の雑音となり難い周波数で
発信するようにすれば、ラジオノイズのレベルを低下さ
せることができる。尚、本発明は前記実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、スクイブの
抵抗値を勘案しつつバックアップコンデンサの適正な充
電電圧を決定してバックアップコンデンサの充電を行う
ことにより、各種回路素子の発熱を防止して信頼性を保
持することができるとともに、電圧源の負担を低減する
ことが可能な乗員保護装置の起動装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】起動装置の制御回路を示す回路図である。
【図2】起動装置の制御回路により行われる充電電圧及
びモニタ電流の制御プログラムのフローチャートであ
る。
【図3】バックアップコンデンサの端子電圧と検出時間
との関係を示すグラフである。
【図4】バックアップコンデンサの容量値と充電電圧と
の関係を示すグラフである。
【図5】スクイブの抵抗値と充電電圧との関係を示すグ
ラフである。
【図6】バックアップコンデンサの容量値及びスクイブ
の抵抗値に基づき作成された充電電圧のマップを示す説
明図である。
【図7】充電電圧とモニタ電流の制限率との関係を示す
グラフである。
【図8】制限率とベース電流との関係を示すグラフであ
る。
【図9】制限率とパルス状方形波のデューティ比との関
係を示すグラフである。
【図10】パルス状方形波のデューティ比を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 電圧源 2 イグニションスイッチ 4 昇圧回路 5 コイル 8 FET 10 MPU 13 充電抵抗 14 バックアップコンデンサ 18 スクイブ 19 点火駆動回路 20 FET 22 モニタ電流制御回路 24 トランジスタ L1〜L8 ライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクイブを点火させるための電圧を発
    生する電圧源と、電圧源を介して充電されるとともにス
    クイブと電圧源とが遮断された場合にスクイブの点火に
    必要なエネルギをスクイブに供給するバックアップコン
    デンサとを有する乗員保護装置の起動装置において、 前記スクイブの抵抗値を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された抵抗値に基づいて、前記
    バックアップコンデンサの充電電圧を決定する決定手段
    とを備えたことを特徴とする乗員保護装置の起動装置。
  2. 【請求項2】 前記バックアップコンデンサの容量を
    測定する測定手段を備え、前記決定手段は測定手段によ
    り測定されたバックアップコンデンサの容量と前記抵抗
    値とに基づいてバックアップコンデンサの充電電圧を決
    定することを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置の
    起動装置。
  3. 【請求項3】 前記スクイブに診断電流を印加してス
    クイブの故障を診断する診断手段と、前記充電電圧に対
    応して診断電流を可変とする可変手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1記載の乗員保護装置の起動装置。
JP7107875A 1995-04-07 1995-04-07 乗員保護装置の起動装置 Pending JPH08282429A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8140224B2 (en) 2006-11-08 2012-03-20 Denso Corporation Diagnosis apparatus for passenger protection system
JP2013096549A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Azbil Corp 電動アクチュエータ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8140224B2 (en) 2006-11-08 2012-03-20 Denso Corporation Diagnosis apparatus for passenger protection system
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