JPH0828214B2 - 無機非水電解液電池 - Google Patents

無機非水電解液電池

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JPH0828214B2
JPH0828214B2 JP63324275A JP32427588A JPH0828214B2 JP H0828214 B2 JPH0828214 B2 JP H0828214B2 JP 63324275 A JP63324275 A JP 63324275A JP 32427588 A JP32427588 A JP 32427588A JP H0828214 B2 JPH0828214 B2 JP H0828214B2
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健也 風原
拓 笹間
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、負極がアルカリ金属からなり、正極活物質
のオキシハロゲン化物が電解液の溶媒を兼ねる無機非水
電解液電池に関する。
〔従来の技術〕
塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホスホリルなど
のオキシハロゲン化物を正極活物質に用い、アルカリ金
属を負極に用い、上記正極活物質のオキシハロゲン化物
が電解液の溶媒を兼ねる無機非水電解液電池は、エネル
ギー密度が高く、低温でも作動するなど、優れた特性を
有するものの、正極活物質のオキシハロゲン化物の酸化
力が強いため、セパレータはオキシハロゲン化物の強い
酸化力に耐えるものでなければならず、そのため、ビニ
ロン−レーヨン混抄紙やビニロン紙などをセパレータに
用いることができず、セパレータにはガラス繊維不織布
が用いられてきた(例えば、特開昭58−121563号公
報)。
このガラス繊維不織布は、オキシハロゲン化物によっ
て酸化されず、したがって電解液に対して安定で、長期
の使用に耐えるものの、ガラス繊維自体に粘着性がな
く、繊維相互のからみ合いによってのみ結合しているの
で、引張強度が小さい。そのため電池組立時にセパレー
タが破れて内部短絡を招くおそれがあった。
そこで、ガラス繊維不織布の抄紙時に、有機バインダ
ーを付着させてガラス繊維不織布の引張強度を大きくす
る必要があるが、バインダーの種類によっては、バイン
ダーが電解液溶媒のオキシハロゲン化物によって酸化さ
れて電池性能を低下させるおそれがある。
また、この無機非水電解液電池は、前記のようにエネ
ルギー密度が高く、低温でも作動するなど、優れた特性
を有するものの、その反面、高温ないしは長期間貯蔵し
た後、放電すると、放電初期に電圧が極端に低下し、そ
のため、この電池を電源とする機器が正常に作動できな
いという問題があった。
このような高温ないしは長期間貯蔵後の電池に放電初
期の電圧低下が生じる原因について説明すると、この電
池では、正極活物質のオキシハロゲン化物が電解液の溶
媒として使用されていて、負極が正極活物質のオキシハ
ロゲン化物と直接接触しているために、負極の電解液と
接する面〔ただし、負極が接触する電解液の大部分は、
セパレータを通って負極の表面に達する電解液であるた
め、負極の電解液と接する面の大部分はセパレータと接
する面になる。以後、この負極の電解液と接する面を、
簡略化して「負極表面」と表現する〕に負極を構成する
アルカリ金属と正極活物質のオキシハロゲン化物との反
応によりアルカリ金属のハロゲン化物被膜が形成され、
この被膜が高温ないしは長期間貯蔵中に緻密な被膜に成
長して、放電初期の電池反応を妨げることが放電初期の
電圧低下を引き起こす原因になっているものと考えられ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記したように、無機非水電解液電池では、オキシハ
ロゲン化物の強い酸化力に耐えるために、セパレータに
はガラス繊維不織布を用いるが、ガラス繊維自身に粘着
性がないので、バインダーを用いて引張強度を大きくし
なければならないが、そのバインダーが電解液溶媒とし
て使用されているオキシハロゲン化物によって酸化さ
れ、電池性能を低下させる原因になっていたという問題
点があり、また、従来の無機非水電解液電池では、高温
ないしは長期間貯蔵後の放電で放電初期に大きな電圧低
下が生じるという問題点があった。
したがって、本発明は、上記のような従来の無機非水
電解液電池における問題点を解決し、セパレータの引張
強度が大きくセパレータの取り扱いが容易で、かつ高温
ないしは長期間貯蔵後の放電で放電初期に大きな電圧低
下が生じない無機非水電解液電池を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、セパレータの基材としてガラス繊維を用
い、ガラス繊維不織布形成時のバインダーとしてポリエ
チルアクリレートまたはエチルアクリレートとアクリロ
ニトリルとの共重合体を主成分とし、有機シラン化合物
を含有するバインダーを使用することによって、セパレ
ータの耐電解液性を損なうことなく、セパレータの引張
強度を大きくして、セパレータの取扱いを容易にすると
ともに、電池組立時のセパレータの破損に基づく内部短
絡の発生を防止し、かつ高温ないしは長期間貯蔵に伴う
放電初期の電圧低下を抑制したものである。
すなわち、ポリエチルアクリレートやエチルアクリレ
ートとアクリロニトリルの共重合体は、良好な結着性を
有していてガラス繊維を結着させ、ガラス繊維不織布の
引張強度を大きくするが、電解液溶媒として存在するオ
キシハロゲン化物に対する耐性が強く、電解液によって
おかされることが少なく、したがって電池性能を低下さ
せることが少ない。しかもポリエチルアクリレートやエ
チルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体中に
有機シラン化合物が含有されることによって、それらポ
リエチルアクリレートやエチルアクリレートとアクリロ
ニトリルとの共重合体とガラス繊維との結着力が向上
し、セパレータとしてのガラス繊維不織布の引張強度が
より大きくなって、セパレータの取り扱いがより一層容
易になる。
また、ポリエチルアクリレートまたはエチルアクリレ
ートとアクリロニトリルとの共重合体の一部および有機
シラン化合物の一部が電解液中に溶出して、負極表面に
生成するアルカリ金属のハロゲン化物被膜が緻密化する
のを防止するため、高温ないしは長期間貯蔵後の放電で
の放電初期の電圧低下を抑制することができる。
上記のように、ポリエチルアクリレートまたはエチル
アクリレートとアクリロニトリルとの共重合体の一部や
有機シラン化合物の一部が電解液中に溶出することによ
って、負極表面に生成するアルカリ金属のハロゲン化物
被膜が緻密にならなくなる理由は、現在のところ必ずし
も明確ではないが、次のように考えられる。ただし、そ
の説明にあたっては、負極のアルカリ金属としてはリチ
ウム、正極活物質および電解液溶媒としてのオキシハロ
ゲン化物としては塩化チオニル、電解液の支持電解質と
してはLiAlCl4(四塩化アルミニウムリチウム)を例に
あげて説明する。ただし、それら例示のもの以外のもの
も、例示したものと同様の挙動を示すことはもちろんで
ある。
まず、ポリエチルアクリレートまたはエチルアクリレ
ートとアクリロニトリルとの共重合体の作用から説明す
ると、負極のリチウム表面に生成する塩化チオニル被膜
の生成度合は、電解液中の支持電解質であるLiAlCl
4(ただし、電解液の調製にあたっては、塩化チオニル
にLiClとAlCl3とで投入する。電解液中ではイオン化し
てLi+イオンとAlCl4 -イオンとして存在する)のAlCl4 -
イオン濃度によって影響を受け、AlCl4 -イオンの濃度が
高いほど塩化リチウム被膜が緻密になりやすい。
ところが、電解液中にポリエチルアクリレートまたは
エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体が
存在すると、AlCl4 -イオンがポリエチルアクリレートま
たはエチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合
体と反応するか、あるいはそれらのポリマーに吸着する
ものと考えられ、そのため、負極のリチウム表面へのAl
Cl4 -イオンのケミカルアタックが抑制されて塩化リチウ
ム被膜が緻密になるのが防止されるものと考えられる。
つぎに、有機シラン化合物の作用を説明すると、有機
シラン化合物中の酸素原子がリチウムと反応性を有して
いて、この酸素原子によって負極表面のリチウムと有機
シラン化合物とが直接結合し、負極のリチウム表面に有
機シラン化合物が点在して、塩化リチウム被膜を粗にす
るものと考えられる。
本発明において、バインダーはポリエチルアクリレー
トまたはエチルアクリレートとアクリロニトリルとの共
重合体を主成分とし、有機シラン化合物を含有したもの
であるが、ポリエチルアクリレートは次の構造式で示さ
れ、 エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体
は、次の構造式で示されるものである。
このエチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重
合体のエチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合
比は、特に限定されるものではないが、通常、重量比で
90:10〜50:50程度のものが用いられる。
また、有機シラン化合物としては、それらの英語名お
よび構造式と共に例示すると、例えば、 トリメトキシビニルシラン(Trimethoxyvinylsilan
e) CH2=CHSi(OCH3、 トリエトキシビニルシラン(Triethoxyvinylsilane) CH2=CHSi(OC2H5、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(γ−
Glycidoxypropyltrimethoxysilane) γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
(γ−Glycidoxypropylmethyldimethoxysilane) γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(γ
−Methacryloxypropyltrimethoxysilane) γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
(γ−Methacryloxypropylmethyldimethoxysilane) γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン(γ−Anil
inopropyltrimethoxysilane) ビニルトリアセトキシシラン(Vinyltriacetoxysilan
e) などである。これらの有機シラン化合物は、オキシハロ
ゲン化物に対する耐性が優れていて、電解液によってお
かされることが少なく、したがって電池性能を低下させ
ることが少ない。なお、上記例示の有機シラン化合物
は、電解液中に溶出したとき、電解液中ではそれらの水
素原子の一部または全部が塩素原子で置換した状態で存
在するようになるものと考えられる。したがって、上記
例示の有機シラン化合物の水素原子の一部または全部が
塩素原子で置換したものも、上記例示の有機シラン化合
物と同様に用いることができる。
これら有機シラン化合物のバインダー中への添加量
は、0.1〜10重量%にするのが好ましい。これは、有機
シラン化合物の添加量が上記範囲より少ない場合は、負
極表面に生成するアルカリ金属のハロゲン化物被膜を粗
にする効果が充分に発揮されず、また有機シラン化合物
の添加量が上記範囲より多くなっても、アルカリ金属の
ハロゲン化物被膜を粗にする効果がそれほど変わらず、
むしろ有機シラン化合物の添加量の増加に応じてアルカ
リ金属やオキシハロゲン化物の劣化が進行し、放電容量
が低下するおそれがあるからである。
上記のポリエチルアクリレートまたはエチルアクリレ
ートとアクリロニトリルとの共重合体を主成分とし、有
機シラン化合物を含有するバインダーは、その使用量が
少なすぎるとセパレータの引張強度が弱くなり、また、
その使用量が多くなりすぎると、それらのバインダー成
分がオキシハロゲン化物に対する耐性が優れているとは
いえ電池性能を低下させるおそれがあるので、セパレー
タ、つまりバインダーが使用された状態でのガラス繊維
不織布中1〜20重量%、望ましくは4〜15重量%とする
のが適当である。
本発明の電池において、正極活物質としては、例えば
塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホスホリルなどの
常温で液体のオキシハロゲン化物が用いられる。これら
オキシハロゲン化物は正極活物質であるとともに電解液
の溶媒として用いられ、電解液はこれらのオキシハロゲ
ン化物にLiAlCl4、LiAlBr4、LiGaCl4、LiB10Cl10などの
支持電解質を溶解させることによって調製される。な
お、電解液の調製にあたって、LiAlCl4などの支持電解
質はLiClとAlCl3をオキシハロゲン化物に添加して電解
液中でLiAlCl4の形で存在(ただし、イオン化してLi+
オンとAlCl4 -イオンで存在)するようにしてもよい。ま
た、負極のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどが用いられる。
つぎに、本発明の無機非水電解液電池の構成の一例を
第1図を参照しつつ説明する。
第1図中、(1)は負極であり、この負極(1)は、
リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属か
らなり、上記アルカリ金属のシートをステンレス鋼製で
有底円筒状の電池容器(2)の内周面に圧着することに
よって円筒状に形成されている。(3)は正極であり、
この正極(3)は、アセチレンブラックに結着剤として
ポリテトラフルオロエチレンを少量添加した炭素を主構
成材料とする多孔質成形体からなり、前記負極(1)と
はセパレータ(4)を介して設置されている。セパレー
タ(4)はバインダーを使用したガラス繊維不織布から
なり、上記バインダーはポリエチルアクリレートまたは
エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体を
主成分とし、有機シラン化合物を含有するものである。
そして、上記セパレータ(4)は円筒状をしていて、前
記円筒状の負極(1)と円柱状の正極(3)とを隔離し
ている。(5)は電解液であり、この電解液(5)は正
極活物質である塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホ
スホリルなどのオキシハロゲン化物が電解液溶媒として
用いられており、このオキシハロゲン化物に支持電解質
として例えばLiAlCl4を溶解することによって調製され
るものである。このように正極活物質のオキシハロゲン
化物が電解液溶媒を兼ねている関係で、この電池では他
の電池と異なって多量の電解液(5)が電池内に注入さ
れており、また、オキシハロゲン化物が正極活物質であ
ることからもわかるように、前記正極(3)は、それ自
身が反応するものではなく、正極活物質のオキシハロゲ
ン化物と負極(1)からイオン化して溶出してきたアル
カリ金属イオンとの反応場所となるものである。(6)
はステンレス鋼棒からなる正極集電体で、(7)は電池
蓋であり、この電池蓋(7)はボディ(8)とガラス層
(9)と正極端子(10)を有し、ボディ(8)はステン
レス鋼で形成されていて、その立ち上がって外周部が前
記電池容器(2)の開口端部と溶接により接合されてい
る。ガラス層(9)はボディ(8)の内周側に設けられ
ていて、このガラス層(9)はボディ(8)と正極端子
(10)とを絶縁するとともに、外周面でその構成ガラス
がボディ(8)の内周面に融着し、内周面でその構成ガ
ラスが正極端子(10)の外周面に融着して、ボディ
(8)と正極端子(10)との間をシールしている。正極
端子(10)はステンレス鋼製でその一部は電池組立時は
パイプ状をしていて電解液注入口として使用され、その
上端部を電解液注入後にその中空部内に挿入された正極
集電体(6)の上部と溶接して封止したものである。
(11)は底部隔離材であり、この底部隔離材(11)は前
記セパレータ(4)と同様のガラス繊維不織布からな
り、正極(3)と負極端子を兼ねる電池容器(2)とを
隔離している。(12)は上部隔離材であり、この上部隔
離材(12)は前記セパレータ(4)と同様のガラス繊維
不織布からなり、正極(3)と負極端子を兼ねる電池蓋
(7)のボディ(8)とが直接接触しないように隔離し
ている。そして、電池内の上部には、温度上昇時の電解
液の体積膨張を吸収するために空気室(13)が設けられ
ている。
上記の電池においては、用いられているセパレータ
(4)がバインダーを使用したガラス繊維不織布からな
り、上記バインダーがポリエチルアクリレートまたはエ
チルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体を主
成分とし、有機シラン化合物を含有するものであって、
セパレータ(4)の引張強度が大きく、電池組立時にセ
パレータ(4)が破れて、組立後の電池が内部短絡を起
こすようなことが少ない。また、ポリエチルアクリレー
トまたはエチルアクリレートとアクリロニトリルとの共
重合体、有機シラン化合物とも、電解液に対する耐性が
強く、電池性能を低下させるようなことが少ない。そし
て、この電池を高温または長期間貯蔵したときには、一
部溶解したポリエチルアクリレートまたはエチルアクリ
レートとアクリロニトリルとの共重合体や有機シラン化
合物によって、負極表面に生成するアルカリ金属のハロ
ゲン化物被膜が緻密な被膜に成長するのが防止されるの
で、高温ないし長期間貯蔵後の放電においても、電池反
応が妨げられることが少ないため、放電初期の電圧低下
が少ない。
〔実施例〕
つぎに実施例をあげて本発明をさらに説明する。
実施例1 ポリエチルアクリレートを主成分とし、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを0.3重量%含有する
バインダーをガラス繊維不織布中8重量%となる割合で
使用した厚さ0.2mmのガラス繊維不織布をセパレータと
して用い、負極にはリチウムを用い、正極活物質には塩
化チオニルを用い、電解液にはこの塩化チオニルにLiAl
Cl4を1.2mol/溶解させたものを用いて、塩化チオニル
−リチウム系で第1図に示す構造の単3形の無機非水電
解液電池を作製した。
電池の組立は、次に示すように行った。まず、有底円
筒状の電池容器(2)の内周面にリチウムシートを圧着
して負極(1)を形成し、その負極(1)の内周面にそ
ってセパレータ(4)を円筒状に配置し、底部隔離材
(11)を電池容器(2)の底部に配置し、セパレータ
(4)の内周側に円柱状の正極(3)を挿入し、正極
(3)上に上部隔離材(12)を配置し、電池容器(2)
の開口部に電池蓋(7)を嵌合し、電池蓋(7)のボデ
ィ(8)の外周部と電池容器(2)の開口端部とを炭酸
ガスレーザーで溶接して接合し、電池蓋(7)のパイプ
部より電解液を電池内に注入し、電解液注入後に上記パ
イプ部に正極集電体(6)を挿入し、正極集電体(6)
の下端を上部隔離材(12)を貫通させて正極(3)内に
到達させ、正極集電体(6)の上部をパイプ部の上端部
と溶接して密閉すると共に正極端子(10)を構成して第
1図に示す状態に電池を組み立てた。
実施例2 ポリエチルアクリレートを主成分とし、トリメトキシ
ビニルシランを1重量%含有するバインダーをガラス繊
維不織布中7重量%となる割合で使用した厚さ0.2mmの
ガラス繊維不織布をセパレータ、底部隔離材および上部
隔離材に使用した以外は実施例1と同様にして、塩化チ
オニル−リチウム系で第1図に示す構造の単3形の無機
非水電解液電池を作製した。
実施例3 ポリエチルアクリレートを主成分とし、トリエトキシ
ビニルシランを2重量%含有するバインダーをガラス繊
維不織布中6重量%となる割合で使用した厚さ0.2mmの
ガラス繊維不織布をセパレータ、底部隔離材および上部
隔離材に使用した以外は実施例1と同様にして、塩化チ
オニル−リチウム系で第1図に示す構造の単3形の無機
非水電解液電池を作製した。
実施例4 ポリエチルアクリレートを主成分とし、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランを0.6重量%含有
するバインダーをガラス繊維不織布中4重量%となる割
合で使用した厚さ0.2mmのガラス繊維不織布をセパレー
タ、底部隔離材および上部隔離材に使用した以外は実施
例1と同様にして、塩化チオニル−リチウム系で第1図
に示す構造の単3形の無機非水電解液電池を作製した。
実施例5 エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体
(共重合比は重量比で70:30である)を主成分とし、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.4重
量%含有するバインダーをガラス繊維不織布中10重量%
となる割合で使用した厚さ0.2mmのガラス繊維不織布を
セパレータ、底部隔離材および上部隔離材に使用した以
外は実施例1と同様にして、塩化チオニル−リチウム系
で第1図に示す構造の単3形の無機非水電解液電池を作
製した。
実施例6 エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体
(共重合比は重量比で80:20である)を主成分とし、γ
−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを1
重量%含有するバインダーをガラス繊維不織布中15重量
%となる割合で使用した厚さ0.2mmのガラス繊維不織布
をセパレータ、底部隔離材および上部隔離材に使用した
以外は実施例1と同様にして、塩化チオニル−リチウム
系で第1図に示す構造の単3形の無機非水電解液電池を
作製した。
実施例7 エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体
(共重合比は重量比で70:30である)を主成分とし、γ
−アニリロプロピルトリメトキシシランを0.5重量%含
有するバインダーをガラス繊維不織布中10重量%となる
割合で使用した厚さ0.2mmのガラス繊維不織布をセパレ
ータ、底部隔離材および上部隔離材に使用した以外は実
施例1と同様にして、塩化チオニル−リチウム系で第1
図に示す構造の単3形の無機非水電解液電池を作製し
た。
実施例8 エチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体
(共重合比は重量比で80:20である)を主成分とし、ビ
ニルトリアセトキシシランを2重量%含有するバインダ
ーをガラス繊維不織布中7重量%となる割合で使用した
厚さ0.2mmのガラス繊維不織布をセパレータ、底部隔離
材および上部隔離材に使用した以外は実施例1と同様に
して、塩化チオニル−リチウム系で第1図に示す構造の
単3形の無機非水電解液電池を作製した。
比較例1 バインダーをまったく使用していない厚さ0.2mmのガ
ラス繊維不織布をセパレータ、底部隔離材および上部隔
離材に用いたほかは実施例1と同様にして、塩化チオニ
ル−リチウム系で第1図に示す構造の単3形の無機非水
電解液電池を作製した。
上記実施例1〜8の電池を各100個ずつ組み立てた
が、これらの電池に使用されているセパレータは引張強
度が大きいので、電池組立時にセパレータが破れるよう
なことはまったくなかった。しかし、比較例1の電池で
は、セパレータを注意深く取り扱ったにもかかわらず、
組み立てた100個の電池のうち25個の電池にセパレータ
の破れが生じた。
また、上記実施例1〜8の電池および比較例1の電池
を60℃で20日間貯蔵した後、20℃、100Ωで5秒間放電
したときの電圧変化を時間の経過とともに調べ、その結
果を各電池ごとに第2〜10図に示した。
第10図に示すように、バインダーをまったく使用して
いないガラス繊維不織布をセパレータに用いた比較例1
の電池は、電圧が約1.8Vまで低下したが、実施例1〜8
の電池は、第2〜9図に示すように、電圧は3.0〜3.1V
までしか低下せず、また、5秒後には3.2〜3.4Vまで電
圧が回復しており、電圧の回復も早く、貯蔵による放電
初期の大きな電圧低下は認められなかった。
実施例では、底部隔離材、上部隔離材とも、セパレー
タと同様のガラス繊維不織布を用いたが、これらはセパ
レータに比べて面積も小さく、また電池組立時に破れる
ことも少ないので、必ずしもセパレータと同様のガラス
繊維不織布を用いなくてもよい。また、実施例では、正
極活物質として塩化チオニルを用い、負極にリチウムを
用いた塩化チオニル−リチウム電池について説明した
が、正極活物質としては塩化チオニル以外にも塩化スル
フリル、塩化ホスホリルなどの常温(25℃)で液体のオ
キシハロゲン化物を用いることができるし、負極にもリ
チウム以外にナトリウム、カリウムなどのリチウム以外
のアルカリ金属を用いることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明では、ポリエチルアクリ
レートまたはエチルアクリレートとアクリロニトリルと
の共重合体を主成分とし、有機シラン化合物を含有する
バインダーを使用したガラス繊維不織布をセパレータに
用いることにより、セパレータの引張強度が大きく、セ
パレータの取扱いが容易で、電池組立時にセパレータが
破れることがなく、かつ貯蔵による放電初期の電圧低下
が小さい無機非水電解液電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る無機非水電解液電池の一例を示す
断面図である。第2〜10図は実施例1〜8の電池および
比較例1の電池の60℃、20日間貯蔵後の20℃、100Ωで
5秒間放電したときの放電特性図である。 (1)……負極、(3)……正極、(4)……セパレー
タ、(5)……電解液

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属からなる負極(1)と、上記
    負極(1)とはセパレータ(4)を介して設置された炭
    素を主構成材料とする多孔質成形体からなる正極(3)
    と、正極活物質であるオキシハロゲン化物が電解液溶媒
    として使用されている電解液(5)を備えた無機非水電
    解液電池において、上記セパレータ(4)がバインダー
    を使用したガラス繊維不織布からなり、上記バインダー
    がポリエチルアクリレートまたはエチルアクリレートと
    アクリロニトリルとの共重合体を主成分とし、有機シラ
    ン化合物を含有するものであることを特徴とする無機非
    水電解液電池。
  2. 【請求項2】有機シラン化合物がトリメトキシビニルシ
    ラン、トリエトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプ
    ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
    メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
    トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
    ルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキ
    シシランおよびビニルトリアセトキシシランよりなる群
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の無機
    非水電解液電池。
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