JP4309297B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム負極電池やマグネシウム負極電池のような一次電池に関するものである。
現在、携帯機器には、マンガン電池やアルカリ電池などが広く使用されている。マンガン電池とアルカリ電池は、それぞれ、亜鉛からなる負極と、二酸化マンガンからなる正極とを備え、起電力が1.5Vである。近年の携帯機器の発達に伴い、マンガン電池やアルカリ電池よりも高電圧、高容量かつ軽量な一次電池や二次電池が要望されている。
現在までに多種多様な電池系が試されており、高電圧、高容量、軽量化が図られてきたが、信頼性上の不安から商品に至らないケースがとても多い。
信頼性上で最も問題となるのは、漏液問題である。
たとえば、負極としてアルミニウムを使用する一次電池は、亜鉛を負極として用いる一次電池に比べ、高電圧、高容量、軽量化が期待できるものの、外部短絡や異常高温などの水素ガス発生を誘発する要因がなくても、負極と電解液との反応により水素ガスが定常的に発生する。
すなわち、負極活物質としてZn、PbあるいはAgを使用すると、負極電位が高いことから電解液に対する安定性が高く、ガス発生量が少ない。一方、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を負極活物質として含む負極では、負極電位が低いことから電解液に対する安定性が低く、負極表面に形成された酸化皮膜が電解液により侵食されると、水素ガスが継続的に発生する。水素ガスの発生は、硫酸イオンあるいは硝酸イオンを含む電解液を使用した時に特に多くなる。
このようなアルミニウム負極電池では、負極の放電生成物の電解液への溶解に起因する浸透圧現象によって電解液が遊離しやすく、遊離した電解液が放電中に発生した水素ガスと共に外部に放出されて漏液に至りやすい。また、アルミニウム負極電池以外にも、例えばマグネシウム負極電池のように負極活物質と電解液の構成上、放電時に電解液の這い上がりが見られる電池があり、そこが原因で電池が市場に出せない場合が多々ある。
ところで、特許文献1には、ガスケットと底板の間に、ガス透過性はあるが液体の浸透は阻止する撥水性高分子膜を設けた電池が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の電池によると、放電の進行に従ってガスケットと底板との間に電解液が溜まり、正極あるいは負極の電解液保持量が不足するため、電解液の枯渇による放電容量の低下を招くという問題点がある。
特開平8−77996号公報
本発明は、漏液が低減され、かつ放電容量の高い電池を提供することを目的とする。
発明によれば、AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質から形成された負極を兼ねる容器と、
前記容器内に収納された正極合剤と、
前記容器内に収容され、溶媒に少なくとも水を含む電解液と、
前記容器の開口部に配置される蓋体と、
前記容器内の前記正極合剤と前記蓋体との間に設けられた空間からなる空気室と、
前記容器の開口縁部の内面に前記蓋体及び前記空気室を囲むように形成され、接触角が80°以上の撥水層と、
前記容器と前記蓋体の境界及び前記蓋体のうち少なくとも一方に設けられ、放電により発生した気体が外部に放出される通気部と
を具備することを特徴とする電池が提供される。
本発明によれば、漏液が低減され、かつ放電容量の高い電池を提供することができる。
本発明に係る電池は、放電により発生する気体を定常的に外部に放出することが可能な構造を有する電池であって、
AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質を含む負極と、
溶媒に少なくとも水を含む電解液と、
前記負極の表面のうち気体放出経路の下流側部分に形成され、接触角が80°以上の撥水層と
を具備する。
AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質を含む負極を備えた電池においては、放電時に水素ガスなどの気体が発生し、発生したガスを逐次外部に放出させるため、カシメ固定やレーザ封口などの気密性を確保できる封口方法を採用せず、容器に蓋体を外装チューブ等を用いて固定して気体の流通が可能な構造にして容器と蓋体の間など電池構成部材の隙間からガスを自然に外部に拡散させたり、あるいはガス拡散性の透過膜を用いることなどが行われている。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、このような電池における漏液発生は、放電中に発生する水素ガスの拡散等に伴って這い上がってきた電解液が、容器の開口部付近で負極と反応することに起因することが明らかとなった。
すなわち、放電によるガス発生や、放電生成物の拡散不良による浸透圧効果もしくは毛細管現象などにより電解液はガス放出経路の下流側(例えば、容器の開口部側)に移動をはじめる。負極表面の一地点に注目すると、這い上がってきた電解液と負極との間に上記と同様の反応、すなわちガスの発生や放電生成物の拡散不良による浸透圧効果もしくは毛細管現象などが発生するため、さらに電解液の這い上がりが起こり、また少し上の地点で同様な反応が起こる。これらは連鎖的に起こるため、電解液は重力などに逆らいながらさらに這い上がりを起こしていき、漏液に至ることが明らかとなった。本発明では、この連鎖を断ち切るため、負極と電解液とを樹脂を用いて隔離する方法を用いる。具体的には、負極表面のうちガス放出経路の下流側部分に接触角が80°以上の撥水層を形成することによって、負極表面を伝って這い上がってきた電解液を撥水層によって弾くことができるため、外部にガスと一緒に電解液が漏れ出すのを抑えることができる。また、撥水層で弾かれた電解液は放電を進めて行くうちに自然に負極や正極に再吸収されるため、電極の電解液保持量の減少を抑えることができ、液枯れによる放電容量の低下を防止することができる。
本発明の電池は、以下に例示する二つの形態を取ることができる。
第1の電池は、AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質から形成された負極を兼ねる容器と、
前記容器内に収容され、溶媒に少なくとも水を含む電解液と、
前記容器の開口縁部の内面に形成され、接触角が80°以上の撥水層と、
前記容器の開口部に配置される蓋体と、
前記容器と前記蓋体の境界及び前記蓋体のうち少なくとも一方に設けられ、放電により発生した気体が外部に放出される通気部と
を具備する。
第2の電池は、容器と、
前記容器内に収納され、AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質を含む負極と、
前記容器内に収容され、溶媒に少なくとも水を含む電解液と、
前記容器の開口部側の負極表面に形成され、接触角が80°以上の撥水層と、
前記容器の開口部に配置される蓋体と、
前記容器と前記蓋体の境界及び前記蓋体のうち少なくとも一方に設けられ、放電により発生した気体が外部に放出される通気部と
を具備する。
上記第1、第2の電池において、容器と蓋体の境界に通気部を形成する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。容器は、通常、金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、タングステン)から形成されるため、容器形成材料とは異なる素材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチック)から形成された蓋体を配置し、容器側面から蓋体周縁までを熱収縮チューブで被覆すると、転倒や水平状態に載置した際の電解液の漏れ出しを防止できるものの、容器に蓋体が完全に密着しているわけではなく、容器と蓋体の間に僅かな隙間が存在し、この隙間からガスを外部に放出させることができる。
一方、蓋体に通気部を設けるには、例えば、蓋体に挿入される集電棒を黒鉛のような炭素材料から形成することにより集電棒に通気性を付与すると、容器内のガスを集電棒を通して外部に放出させることができる。この際、集電棒と蓋体の間の僅かな隙間からもガスを外部に放出させることができる。
この第1の電池を図1〜図2を参照して説明する。
AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質から形成された負極を兼ねる有底円筒形の容器(以下、負極容器と称す)1内には、セパレータ2および底紙3を介して正極合剤4が充填されている。負極容器1の開口縁部の内面には、接触角が80°以上の撥水層5(図2において斜線で示す部分)が円環状に形成されている。
絶縁性ワッシャー6は、負極容器1の開口部上端に嵌め込まれて負極容器1の開口部を塞いでいる。正極集電棒7は、絶縁性ワッシャー6の開口部に挿入され、上端が絶縁性ワッシャー6から突出している。負極容器1内の正極合剤4と絶縁性ワッシャー6の間に設けられた空間は、空気室8として機能する。
外装チューブとしての熱収縮チューブ9は、負極容器1の周囲を被覆すると共に、絶縁性ワッシャー6を負極容器1の開口部に固定し、かつ負極端子板10を負極容器1の底面に固定している。円筒形の例えば金属からなる外装体11は、熱収縮チューブ9を被覆している。正極端子を兼ねる帽子型の封口板(正極端子板)12は、正極集電棒7の上端を覆うように、外装体11の上部開口部内に配置されている。絶縁リング13は、外装体11と封口板12との間に介装されている。
このような第1の電池によれば、放電により発生した水素ガス等の気体は、ワッシャー6と負極容器1の隙間を抜け、正極端子板12と外装体11の隙間から外部に放出されるなお、正極集電棒7が黒鉛のような炭素材料から形成されている場合には、気体が正極集電棒7を透過することができるため、正極集電棒7も通気部として機能させることができる。一方、負極1の放電生成物の電解液への溶解に起因する浸透圧現象により電解液の遊離が生じる。遊離電解液は、ガス拡散に伴って負極容器1の内壁を伝って負極容器1の開口部付近に到達するが、負極容器1の開口縁部の内面に形成された接触角が80°以上の撥水層5で弾かれるため、負極容器1内に留められ、漏液を低減することができる。また、負極容器1内に留まった遊離電解液は放電の進行と共に正極合剤4に再吸収されることから、電解液の枯渇による放電容量の低下を抑制することができる。
以下、撥水層、正極、負極、セパレータ及び電解液について説明する。
1)撥水層
撥水層の接触角を80°以上にするのは、接触角が80°より小さいと、負極表面を伝って這い上がってきた電解液により撥水層が濡れてしまい、電解液の這い上がりを阻止できず、漏液を生じるからである。接触角のより好ましい範囲は90°以上である。特に好ましい接触角は100°〜180°である。
撥水層に用いられる高分子材料の電解液との接触角は80°以上にすることが望ましい。これは、材料固有の接触角が80°より小さい高分子材料では、負極容器につけた高分子材料表面の表面粗さが大きくなると電解液に対する濡れ性が高くなり、撥水層としての機能が不十分になるからである。負極容器の表面粗さによらずに高い撥水機能を得るには、接触角を80°以上、より好ましくは90°以上にすると良い。接触角が90°以上の高分子材料に関しては、負極容器の表面粗さを粗くすることでその表面の接触角をより大きくすることができるため、撥水性が高く、かつ負極容器との密着性に優れる撥水層を実現することができる。特に好ましい接触角は100°〜180°である。
接触角が80°以上の高分子材料としては、例えば、含フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロカーボン、ポリビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリ3フッ化エチレンなど)、含シリコン樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのパラフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸エチル、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル系素材、上記高分子材料を構成するモノマー成分を含む共重合体などを挙げることができる。中でも、含フッ素系樹脂、含シリコン樹脂、パラフィン系樹脂は、接触角が大きいため、好ましい。
なお、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル系素材は、接触角が90°よりも小さいため、負極容器の表面の平滑性を高くすると良い。
撥水層の幅は、負極容器の高さの1/5以下にすることが望ましい。これにより、撥水層が負極容器の放電反応を阻害するのを防止することができる。
2)正極
正極は、正極合剤4と、正極合剤4についての集電を担う正極集電棒7のような正極集電体とを備えるものである。正極合剤は、正極活物質と、導電剤と、必要に応じてバインダーとを含む。
正極活物質としては、金属酸化物、金属硫化物、導電性ポリマ−、空気極などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化鉛(PbO2)、水酸化ニッケル{NiOOHまたはNi(OH)2}、酸化銀(Ag2O)、例えばFeO、Fe23、FeOx(但しxは、x>1.5)、MxFeO4(但しMは、Li、K、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、xはx≧1)などの酸化鉄等を挙げることができる。前記導電性ポリマ−としては、ポリアニリン、ポリピロ−ル、例えばジスルフィド化合物や硫黄などの有機硫黄化合物等が挙げられる。中でも二酸化マンガンが好ましい。
また、正極に空気極として用いることができる。たとえば炭素材料に吸着する酸素を正極として用いることができる。
導電剤としては、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、カ−ボンブラックを挙げることができる。
正極合剤中に導電剤を含有させることで、正極合剤と集電体との間の電子伝導性を向上させることができる。正極合剤中の導電剤の含有量は、1〜20重量%の範囲にすることが好ましい。すなわち、正極合剤中の導電剤の含有量を1重量%より少なくすると、正極合剤中の電子伝導性を十分に高めることができない恐れがある。一方、正極合剤中の導電剤の含有量が20重量%を超えると、正極活物質の含有量が低下して正極反応を十分なものとすることができなくなる恐れがある。
正極合剤は、例えば、粉末状の正極活物質および導電剤を混合した後、加圧成形することにより作製される。また、必要に応じ正極合剤中にバインダ−を混合することで、集電体表面に正極活物質を固定しても良い。
正極合剤中に含有させるバインダ−としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。
正極集電体は、正極合剤を支持することができ、また、正極合剤と正極端子との間の電子伝導性を向上させることが可能である。
正極集電体は、多孔質か、あるいは無孔質にすることができる。
正極集電体を形成する材料としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタン(TiN)よりなる群から選ばれる1種類以上の材料、炭素質物などの導電材料等を挙げることができる。前記正極集電体において、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及び鉛(Pb)は単体の状態で存在していてもいいが、タングステン、モリブデン及び鉛から選ばれる2種以上からなる合金として含まれても良い。また、窒化チタン(TiN)を含む正極集電体としては、窒化チタンからなる正極集電体か、ニッケル板等の金属板の表面が窒化チタンで被覆(メッキ)されたものを挙げることができる。特に、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属か、若しくは炭素質物が好ましい。
正極集電体が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタン(TiN)から選ばれる一種類以上からなる導電材料を含有する場合、正極集電体中の導電材料の含有量は、99重量%以上にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、99.9重量%以上である。
炭素質物を含む正極集電体は、例えば、炭素質物粉末及びバインダ−を混合した後、加圧成型することにより作製される。
前記炭素質物粉末としては、例えば、黒鉛粉末、炭素繊維を挙げることができる。
前記正極集電体中の炭素質物の含有量は、80重量%以上にすることが好ましい。さらに好ましくは90重量%以上である。
この正極は、後述する電解液と混合して用いても良い。
3)負極
負極活物質としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金などを挙げることができる。使用する負極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
負極金属の純度は99wt%以上、すなわち不純物が1wt%以下のものを使用することが好ましい。特に、アルミニウムを用いる場合の純度は、99.5wt%以上、すなわち不純物が0.5wt%以下のアルミニウムを使用することが好ましい。不純物が0.5wt%を超えて含有されていると、電解液により腐食されやすくなるため、激しい自己放電、又はガス発生を生じる恐れがある。純度のさらに好ましい範囲は、99.9wt%以上である。
アルミニウム合金としては、たとえば、Mn、Cr、Sn、Ca、Mg、Pb、Si、In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とAlとを含む合金を挙げることができる。中でも、Mg、Mn、Zn、Pb及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とAlとを含有する合金が望ましい。アルミニウム合金の具体的な組成としては、例えば、94.5wt%Al−2wt%Mg−3.5wt%Cr、95wt%Al−5wt%Mg、99.5wt%Al−0.3wt%Mn−0.2wt%Zn、95wt%Al−5wt%Pb、94.95wt%Al−5wt%Mn−0.05wt%Inなどを挙げることができる。
また、この負極の表面を、後述する5)電解液の欄において説明する添加剤で被覆しても良い。
負極容器は、内部が中空構造であれば一方が有底であっても底がなくてもかまわない。また、中空部の形状も円形、多角形など応用できる。
4)セパレータ
セパレータは、例えば、絶縁材料で構成される。また、セパレータ中に電解液を保持させ、かつ電解液中をイオン化した電解質が移動可能である必要があるため、セパレータには、多孔質体を使用することが望ましい。
セパレータとしては、例えば、クラフト紙、合成繊維製シ−ト、天然繊維製シ−ト、不織布、ガラス繊維製シ−ト、ポリオレフィン製の多孔質膜を挙げることができる。
セパレ−タの厚さは、10〜200μmの範囲内にすることが好ましい。セパレ−タの厚さが10μmよりも薄いと、正極および負極の間で短絡を生じる恐れがある。一方、セパレ−タの厚さが200μmよりも厚いと、イオン化した電解質の移動距離が長くなってイオン伝導効率が低下する恐れがある。
なお、正極及び負極とが接触しないように配置され、かつ正極及び負極との間に電解液を保持できる電池構造であれば必ずしもセパレータは必要とされるものではない。また、電解液に増粘剤を添加して、これにゲル化処理を施し、いわゆる固体電解質として用いることもできる。その場合は増粘剤相がセパレータとして機能し、この増粘剤相中に電解液相が保持される形態になる。また、このとき同時にセパレータを用いてもよい。
5)電解液
電解液は、電解質と、電解質を溶解する溶媒とを含有する。この電解液には、電解液と負極との腐食反応を抑制するための添加剤を添加することが望ましい。また、電解液には、電解液と負極との腐食反応を抑制する以外を目的とした他の添加剤を含有させることができる。
(5−1)電解質
電解質には、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)のうちの少なくとも1種類のイオン(以下、第1のイオンと称す)を溶媒中に供給する化合物が使用されるのがこのましい。このように電解液中に硫酸イオン(SO4 2-)あるいは硝酸イオン(NO3 -)などの反応性の高いイオンを供給することによって、得られる電池の高出力化を可能にする。
硫酸イオンを供給するものとしては、硫酸、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸リチウムなどを挙げることができる。
硝酸イオンを供給するものとしては、硝酸、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸リチウムなどを挙げることができる。
電解液中の電解質の量は、第1のイオンの濃度が0.2〜16M/Lの範囲内となるようにすることが好ましい。第1のイオンの濃度を0.2M/L未満にすると、イオン伝導度が小さくなる恐れがある。また、電解液に添加物を含有させる場合には、負極表面に添加物に由来する皮膜を十分に形成することが困難になって負極の腐食反応を十分に抑制できなくなる恐れがある。一方、第1のイオンの濃度が16M/Lを超えると、負極表面の皮膜成長が顕著となり負極の界面抵抗が大きくなり、高電圧を得られなくなる可能性がある。より好ましい範囲は0.5〜10M/Lである。
(5−2)添加剤
添加剤としては、例えば、含窒素有機物、有機酸、有機酸塩、有機酸エステル、有機酸の無水物、有機酸イオン、これらの誘導体を挙げることができる。使用する添加剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。この添加剤は、含窒素有機物を必須成分として含むことが望ましい。
この添加剤は、添加剤の持つ官能基によって負極表面に存在し、これにより、H2SO4などの電解質と負極のAlとの腐食反応を抑制するものと考えられる。添加剤の中には負極に吸着するものもある。また、付着して皮膜のようなものを形成するものもある。また、特定の層を形成するものもある。また、負極近傍に存在するものもある。それぞれの状態にてその性能を発揮する。
アルミニウム負極電池における正極反応と負極反応のうち正極活物質として二酸化マンガンを使用する例を以下の化学式(1)及び(2)に示す。
正極:MnO2+H++e-→MnOOH (1)
負極:Al+3H2O→Al(OH)3+3H++3e- (2)
一方、電池反応とは別に、例えば電解液として硫酸水溶液を使用した場合、下記式(3)に示す腐食反応により、負極のアルミニウムが硫酸によって腐食(自己放電)されやすい。前述した第1のイオンは、反応性が高いために電池の出力が大きい反面、下記化学式(3)に示す腐食反応の反応性も高い。
2Al+3H2SO4→Al2(SO43+3H2 (3)
負極表面に存在する添加剤成分は、電子伝導率が低いため、電解液に含まれる硫酸と負極のアルミニウムとの間の電子の授受を妨げることができ、結果として負極の腐食反応を抑制できるものと推測される。
添加剤を使用することによって、例えば(1)および(2)式に示す放電反応を大きく損なうことなく、式(3)に示す負極の腐食反応を低減させることが可能である。
含窒素有機物としては、例えば、窒素を含有する複素環有機物、アミノ基(−NH2)、イミノ基(=NH)、アゾ基(−N=N−)およびアジド基(−N3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の官能基を含む有機物、前記有機物の塩、前記有機物のエステル、前記有機物のイオン、これらの誘導体が挙げられる。使用する含窒素有機物の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
より具体的には、ピリジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、アクリジン、アクリドン、アニリン、ジピリジル、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、2、2−ビピリジル、ジフェニルアミン、アゾベンゼン、キナルジン、キニン、アミノキノリン、アミノ安息香酸イミダゾ−ル、オキシインドール、ベンゾチアゾ−ル、ベンゾトリアゾール、オキシキノリン、アセトアミド、1.10−フェナントロリン、塩化1.10−フェナントロニウム、バトフェナントロリン、コハク酸イミド、アミノ安息香酸、マレイン酸イミド、2−メルカプト5−メチルベンズイミダゾールなどが挙げられる。
有機酸としては、例えば、カルボン酸基(COOH)、スルホン酸基(SO3H)、水酸基(OH)およびニトロ基(NO2)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の官能基を含む酸(有機酸)、前記有機酸の塩、前記有機酸のエステル、前記有機酸のイオン、これらの誘導体が挙げられる。使用する有機酸の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
より具体的には、有機酸については、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、フェノ−ル、グリセリン、グリコ−ル酸、エチレングリコ−ル、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸、酪酸、ピルビン酸、安息香酸、スルホ安息香酸、ニトロメタン、スルホアニリン、ニトロベンゼンスルホニル、ポリビニルアルコ−ル、酢酸ビニル、スルホン酸ビニル、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(酢酸ビニル)、酢酸メチル、無水酢酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、マロン酸ジエチル、安息香酸ナトリウム、スルホ安息香酸ナトリウム、スルホアニリンクロリド、クロル酢酸エチル、ジクロル酢酸メチル、ポリ(酢酸ビニルカリウム塩)、ポリ(スチレンスルホン酸リチウム)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウムなどが挙げられる。また高分子に対してはこれらのうち一種を含むような共重合体でも良い。
電解液中における添加剤の濃度は、0.0001〜6M/Lの範囲にすることが好ましい。添加剤の濃度が0.0001M/L未満であると、負極表面への添加剤の効果が満足に得られず、腐食反応を十分に抑制することができない恐れがある。一方、添加剤の濃度が6M/Lを超えると、電解液のイオン伝導度が低下して高電圧が得られなくなる恐れがある。濃度のより好ましい範囲は0.0005〜4M/Lである。
また、添加剤濃度を0.0001〜6M/Lの範囲内に設定することで、電極表面に存在する添加剤成分は、1×10-20g/cm2〜1g/cm2程度とすることが望ましい。存在量が1×10-20g/cm2よりも小さいと、負極の腐食を十分に抑制することが困難になる恐れがある。一方、存在量を1g/cm2よりも多くすると、イオン伝導性が低下する恐れがある。
なお、被膜を形成する添加物の量は、電気化学水晶振動子マイクロバランス法により測定できる。また赤外分光法や核磁気共鳴スペクトル、紫外・可視吸収スペクトルなど、各種分光学的な測定にて添加剤の存在が確認できるような量であれば本発明の効果は十分に発揮される。
(5−3)溶媒
溶媒としては、例えば、水、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを使用することができる。
また、電解液中には、さらにハロゲンイオンを含有させることが好ましい。ハロゲンイオンを含有させることによって、電解液のイオン伝導度性を向上させることが可能になる。ひいては電池の電圧を向上させることが可能になる。
ハロゲンイオンを供給する化合物としては、例えば、フッ酸、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウムなどのフッ化物、塩酸、塩化アルミニウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化クロムなどの塩化物、臭化アンモニウム、臭化亜鉛、臭素酸カリウムなどの臭化物そしてヨウ化アンモニウム、ヨウ化ナトリウムなどのヨウ化物が挙げられる。
電解液中のハロゲンイオンの濃度は、0.01〜6M/Lの範囲内にすることが好ましい。ハロゲンイオンの濃度を0.01M/L未満にすると、ハロゲンイオンを添加することによる効果を十分に得ることができない恐れがある。一方、ハロゲンイオンの濃度が6M/Lを超えると、負極の腐蝕により自己放電の進行が大きくなる恐れがある。より好ましい範囲は、0.05〜4M/Lである。
次いで、本発明に係る第2の電池を図3を参照して説明する。
円筒状の外装体21は、少なくとも内面が樹脂から形成されていることが望ましい。この外装体21の開口部下端が内方に折り曲げられており、この折り曲げ部が、負極端子を兼ねる底板22の周縁に接着性の絶縁材料(例えば、タール、ピッチ)により接着されている。
負極ガスケット23は、中央部に負極集電棒取付穴が開口されている円環状の部材である。負極ガスケット23は、周縁を下方に折り曲げた状態で前記外装体21内に挿入されている。負極集電棒24は、負極ガスケット23の負極集電棒取付穴に挿入され、かつ下端が前記底板22の内面に溶接されている。金属製ワッシャー25は、負極ガスケット23の周縁の折り曲げ部と中央部との間に挿入されている。この金属製ワッシャー25により負極ガスケット23に与えられた反発弾性力で、外装体21と負極ガスケット23と負極集電棒24との密着性が高められている。
少なくとも正極及び負極が収容される電池容器26は、開口部を下にして外装体21内に挿入されている。円筒状の正極合剤27は、電池容器26の側壁の内面に配置されている。有底円筒形のセパレータ28は、正極合剤27の中空部内に配置されている。負極29は、セパレータ28内に収容されている。
正極端子を兼ねる帽子形状の封口板(正極端子板)30は、電池容器26の上面に配置されている。外装体21の開口部上端は、内方に折り曲げられ、折り曲げ部内面が前記封口板30の周縁に接着性の絶縁材料(例えば、タール、ピッチ)により接着されている。例えば金属箔からなる外装チューブ31は、前記外装体21を被覆している。
負極29には、例えば、AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質から形成された板状負極、前記負極活物質から形成された棒状負極などを使用することができる。負極活物質としては、前述した第1の電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。板状負極は板状正極及びセパレータと共に渦巻状に巻き、得られた捲回体を電池容器26内に収納しても良い。
この第2の電池においては、放電により発生した水素ガス等の気体は、外装体21と負極ガスケット23の隙間から外部に放出されるため、気体放出経路の下流側部分に相当する負極下端部に接触角が80°以上の撥水層を形成することが望ましい。撥水層を形成する高分子材料としては、前述した第1の電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、撥水層の幅は、電池の形態にもよるが、電池容器開口端に対して1mm程度負極の先端が届かない場合に1mm〜10mmの範囲にすると良い。さらに好ましい範囲は3mm〜10mmである。
前述した図1〜図3においては、放電により発生した気体を電池構成部材間の隙間から外部に放出させる構成を説明したが、定常的にガス放出が行なえる構成であれば特に限定されず、例えば、水素ガスを選択的に透過させるガス透過膜を用いることが可能である。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示すようなマンガン乾電池構造のアルミニウム負極電池を以下に説明する方法で製造した。
まず、電解二酸化マンガン10重量部とアセチレンブラック1重量部の比で混合し、これに電解液として3M/L硫酸と1M/Lの塩化アルミニウムと1M/Lの2.2−ビピリジルと1M/Lのグリセリンとを含有する水溶液15重量部を加えて混合し、正極合剤とした。
有底円筒形状で、厚さが0.3mmで、かつ純度が99.99%のアルミニウム製負極容器の内壁に開口端から3mmの深さまでポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の懸濁液を塗布した後に400℃で加熱することにより、ポリテトラフルオロエチレンの薄膜を撥水層として負極容器内壁に製膜した。
撥水層と、撥水層の高分子材料であるポリテトラフルオロエチレンの接触角を以下に説明する液滴法により測定し、その結果を下記表1に示す。
液滴法では、表面に液滴を落とした際にその表面との接触面の外端と液滴の中心部との角度を二倍すると接触角を算出できる。
その後、負極容器内にセパレータと底紙をセットした。この負極容器内に前記正極合剤9.5gを装填し、正極合剤の上につば紙を配した後、炭素製の正極集電棒を挿入した。次に、つば紙の上にワックス層を設け、絶縁性ワッシャーを装填した後、負極容器に負極端子と絶縁性ワッシャーを熱収縮チューブで固定した。ひきつづき、絶縁リングを配置した後、集電棒に正極端子をかぶせて、径が14mmで総高さが50mmのアルミニウム負極電池を組み立てた。
得られた電池の起電力と、100mAで定電流放電して電圧が0.65Vに低下するまで放電したときの電池容量を測定したところ、起電力1.86V、容量1330mAhと高電圧、高容量であり、かつ13.5gと軽量であった。その際、電池外への電解液の漏洩は認められなかった。電圧、電池容量、漏液を下記表2に示す。
(実施例2〜21及び比較例1)
負極活物質の組成、撥水層の高分子材料、撥水層及び高分子材料の接触角、電解液の溶媒、電解質、電解質濃度、ハロゲン化物、ハロゲン化物の濃度、添加剤の種類並びに濃度を下記表1〜2に示すように設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成のアルミニウム負極電池あるいはマグネシウム負極電池を製造した。なお、表1〜2において、VdF−HFPは、ビニリデンフルオロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、GBLはγ−ブチロラクトン、PVAはポリビニルアルコールを示す。
(比較例2)
撥水層を形成しないこと以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成のアルミニウム負極電池を製造した。
得られた実施例2〜21及び比較例1,2のアルミニウム負極電池について、前述した実施例1で説明したのと同様にして電圧、電池容量、漏液を測定し、その結果を下記表2に示す。
Figure 0004309297
Figure 0004309297
表1及び表2から明らかなように、接触角が80°以上の撥水層を負極容器の開口縁部内面に形成した実施例1〜21の電池は、漏液がなく、単位体積当りの放電容量及び単位重量当りの放電容量が比較例1〜2よりも高いことが理解できる。
(実施例22)
負極にはアルミニウム板(純度が99.99%、サイズが0.1mm×50mm×50mm)を用意した。このアルミニウム板の表裏面にポリテトラフルオロエチレンの懸濁液を開口部側に位置する上端から3mm程度の箇所に帯状に塗布した後に400℃に加熱することにより塗膜とし、撥水層を得た。
撥水層及び撥水層を構成するポリテトラフルオロエチレンの接触角は、前述した実施例1で説明したのと同様な方法によって測定した。
正極は、二酸化マンガンとグラファイトを混合し、これにバインダーとなるN−メチルピロリジノンのPVdF溶液を添加して塗料化し、得られた塗料をタングステン基板に塗布することにより正極を得た。負極と正極の間にクラフト紙をセパレータとして配置し、渦巻状に巻いた。これらをポリエチレン製の有底円筒型容器に収納し、それぞれリードを短絡の無いよう開口部から取り出し、外部の集電体に接続した。円筒型容器のうち片方の底にあたる部分は完全にポリエチレン素材により密閉されている。
捲回体を外装内に収納した後、表3〜4に示す組成を有する電解液を収容した。開口部にはリードが通るよう穴のあいたポリエチレン製のフタを取り付け、外装体の外周面からポリエチレン製のフタの周縁までを熱収縮チューブで被覆することにより外装体に蓋を固定し、アルミニウム負極電池を得た。
得られた電池を100mAで定電流放電して電圧が0.65Vに低下するまで放電したときの電池容量を測定し、電圧、電池容量、漏液を下記表4に示す。また、放電時に電池外への電解液の漏洩はほとんど認められなかった。
(比較例3)
負極にポリテトラフルオロエチレンのかわりにポリビニルアルコールの塗膜を塗布したこと以外は、実施例22と同様にしてアルミニウム負極電池を作製した。
得られた電池を100mAで定電流放電して電圧が0.65Vに低下するまで放電したときの電池容量を測定し、電圧、電池容量、漏液を下記表4に示す。また、放電時に電池外への電解液の漏洩が認められた。漏液量を下記表4に示す。
(実施例23)
負極にはロッド状のアルミニウム(純度が99.99%、サイズが1mmφ×50mm、本数は7本)を用意した。アルミニウムロッドにポリテトラフルオロエチレンの懸濁液を、外装体の開口部側に位置する端面より下に3mm程度帯状に塗布した後に400℃に加熱することにより撥水層として塗膜を形成した。
撥水層及び撥水層を構成するポリテトラフルオロエチレンの接触角は、前述した実施例1で説明したのと同様な方法によって測定した。
二酸化マンガンとグラファイトを混合し、プレスにより中空の筒状になるよう成形し、正極を得た。タングステン製の有底円筒型容器に正極を収納し、正極の中空部にクラフト紙をセパレータとして配置し、7本のアルミニウムロッドをまとめてセパレータの内側に配置した。次いで、電解液を注入し、負極のすべてのアルミニウムロッドの先がちょうど当たるように集電用のアルミニウムに接続し、容器ごと筒状の樹脂製外装体に挿入し、外装体の一方の開口部に正極端子板を、他方の開口部に負極端子板を配置し、これらを熱収縮チューブで被覆することにより、前述した図3に示す構造を有するアルミニウム負極電池を得た。なお、電解液には1M/Lの塩化リチウム水溶液を用いた。
得られた電池を100mAで定電流放電して電圧が0.65Vに低下するまで放電したときの電池容量を測定し、電圧、電池容量、漏液を下記表4に示す。また、放電時に電池外への電解液の漏洩はほとんど認められなかった。
(比較例4)
負極のロッド状のアルミニウムに何の樹脂も塗布しないこと以外は実施例23で説明したのと同様な構成の電池を製造した。
得られた電池を100mAで定電流放電して電圧が0.65Vに低下するまで放電したときの電池容量を測定し、電圧、電池容量、漏液を下記表4に示す。また、放電時に電池外への電解液の漏洩が認められた。漏液量を下記表4に示す。
Figure 0004309297
Figure 0004309297
表3及び表4から明らかなように、接触角が80°以上の撥水層を容器開口部側の負極端部に形成した実施例22〜23の電池は、漏液がなく、単位体積当りの放電容量及び単位重量当りの放電容量が比較例3〜4よりも高いことが理解できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る電池の一例であるマンガン型構造の一次電池を示す部分断面図。 図1のマンガン型一次電池に用いられる負極容器を模式的に示した斜視図。 本発明に係る電池の一例を示す部分断面図。
符号の説明
1…負極容器、2…セパレータ、4…正極合剤、5…撥水層、6…絶縁性ワッシャー、7…正極集電棒、8…空気室、9…熱収縮チューブ、10…負極端子板、11…外装体、12…正極端子板、13…絶縁リング、21…外装体、23…負極ガスケット、24…負極集電棒、25…金属製ワッシャー、26…電池容器、27…正極合剤、28…セパレータ、29…負極、30…正極端子板、31…外装チューブ。

Claims (3)

  1. AlおよびMgのうち少なくとも一方の元素を含有する負極活物質から形成された負極を兼ねる容器と、
    前記容器内に収納された正極合剤と、
    前記容器内に収容され、溶媒に少なくとも水を含む電解液と、
    前記容器の開口部に配置される蓋体と、
    前記容器内の前記正極合剤と前記蓋体との間に設けられた空間からなる空気室と、
    前記容器の開口縁部の内面に前記蓋体及び前記空気室を囲むように形成され、接触角が80°以上の撥水層と、
    前記容器と前記蓋体の境界及び前記蓋体のうち少なくとも一方に設けられ、放電により発生した気体が外部に放出される通気部と
    を具備することを特徴とする電池。
  2. 前記撥水層は、接触角が80°以上の高分子材料を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記高分子材料は、フッ素系樹脂、含シリコン樹脂及びパラフィン系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種類から構成されることを特徴とする請求項2記載の電池。
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