JPH08282048A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リニアスケールに傷や埃があった場合でも、
印字タイミングパルスを確実に発生させて画像ズレを抑
えた画像形成装置を提供する。 【構成】 記録媒体上に画像を形成する印字手段（印字
ヘッド５１）と、該印字手段を保持し記録媒体の進行方
向と直角方向へ走査される保持手段と、該保持手段の走
査方向と平行に取り付けられ、前記走査方向に沿って形
成された位置識別部を有するリニアエンコーダと、該リ
ニアエンコーダの位置識別部を読み取るリニアセンサと
を備えた画像形成装置において、前記リニアセンサは、
前記リニアエンコーダ上の異なった位置に形成された同
位相の位置識別部を検出するように配置された２個以上
のリニアセンサ（リニアセンサ１ａ，１ｂの検出素子Ａ
1 ，Ａ2 ）からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に関し、
特に記録媒体上への画像形成の際における印字タイミン
グの信頼性を改良した画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、画像形成装置の一種であるイン
クジェット・プリンタは、記録媒体（記録紙）上に画像
を形成するための印字ヘッドと、該印字ヘッドを保持し
記録紙の搬送方向（記録紙の長手方向）に対して直角方
向（記録紙の幅方向）へ走査されるキャリッジと、該キ
ャリッジの走査方向と平行に設けられたリニアエンコー
ダと、前記キャリッジに取り付けられリニアエンコーダ
のスリットを読み取るリニアセンサと、インクジェット
・プリンタの装置全体を制御する制御部とを備えてい
る。そして、リニアエンコーダを読み取ったリニアセン
サからタイミングパルスが制御部に送られ、該タイミン
グパルスに基づいて制御部から印字信号が印字ヘッドに
送られ、印字ヘッドから記録紙にインクが吐出され、画
像が形成される。

【０００３】次に、前記インクジェット・プリンタの概
略構成を図６に基づいて説明する。図６に示すように、
印字ヘッド５１は、搬送台（図示せず）上を搬送されて
くる記録紙５３に対向してキャリッジ５２の下面に保持
されている。この場合、記録紙５３は矢印Ｌ方向へ搬送
される。これに対し、キャリッジ５２は、図示しないキ
ャリッジ駆動モータとプーリに掛け回されたベルト５４
により支持され、キャリッジ駆動モータの駆動によりレ
ール５５に沿って滑動して移動し、走査する。この走査
方向は記録紙５３の搬送方向（矢印Ｌ）に対して直角方
向（矢印Ｗ）である。

【０００４】また、キャリッジ５２は、その側面にリニ
アセンサ５６を備えている。該リニアセンサ５６はキャ
リッジ５２の走査方向（矢印Ｗ）と平行に配設されてい
るリニアスケール５７のスリット５９を検知し、検知信
号を制御部へ送出して制御部から印字ヘッド５１に画像
信号と相俟って印字信号が出力され、この印字信号によ
り印字ヘッド５１からインクが吐出されて記録紙５３上
に画像が形成される。なお、符号５８はリニアスケール
５７の部分拡大図であり、リニアスケール５７には一定
間隔に多数のスリット５９が形成されている。リニアス
ケール５７のスリット５９は、製品仕様に適合した印字
密度で配置されている。

【０００５】ここで、リニアセンサ５６とリニアスケー
ル５７とスリット５９との詳細関係について、図７を参
照しつつ説明する。

【０００６】図７（Ａ）に示すように、リニアスケール
５７には「位置識別部」としてのスリット５９ａ，５９
ｂ，５９ｃ，５９ｄ・・・が一定間隔で形成され、リニ
アセンサ５６には隣接するスリット間距離の３／４（即
ち、１周期の３／４）の距離を有して第１検出素子Ａと
第２検出素子Ｂとが配置されている。

【０００７】そして、リニアスケール５７を固定し、リ
ニアセンサ５６を右方（矢印方向Ｘ1 ）に移動すると、
第１検出素子Ａと第２検出素子Ｂとから図７（Ｂ）に示
すような出力パルスと、該出力パルスの「Ｈｉｇｈ」，
「Ｌｏｗ」，「立上がり」，「立下がり」に対応させた
真理値表が得られる。なお、第１検出素子Ａの真理値表
をＡ相といい、第２検出素子Ｂの真理値表をＢ相とい
う。同様に、リニアセンサ５６を左方（矢印方向Ｘ2 ）
に移動すると、図７（Ｃ）に示すような出力パルスおよ
び真理値表が得られる。

【０００８】従って、Ａ相とＢ相の真理値表を判断する
ことにより、リニアセンサ５６の移動方向（即ち、キャ
リッジ５２の移動方向）がＸ1 方向であるか、逆のＸ2
方向であるかを判断することができる。

【０００９】以上の説明から明らかなように、従来は、
リニアセンサ５６の第１検出素子Ａと第２検出素子Ｂと
の配置間隔と、リニアスケール５７の隣接したスリット
の配置間隔とを異ならせることにより、位相のズレた２
つの信号を取り出している。

【００１０】次に、インクジェット・プリンタの動作を
説明する。

【００１１】図示しない搬送モータの駆動により記録紙
５３が搬送台上を搬送されてくると、記録紙５３の有無
を検出するセンサ（図示せず）は、記録紙５３が印字領
域に入ったことを検出し、その検出信号を制御部へ送出
する。これにより印字動作が開始する。制御部はスリッ
ト５９の検知に応じて印字パルスを出力する。この出力
された印字パルスと画像信号とにより印字ヘッド５１は
インクを吐出して記録紙５３に画像を形成する。

【００１２】このような動作の往復走査を、記録紙５３
の印字領域（記録紙の長手方向）内において繰り返すこ
とにより、記録紙５３上に画像が形成される。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のインクジェット・プリンタ等の画像形成装置では、前
述の如くリニアスケール５７に形成されたスリットを読
み取って印字パルス（印字タイミングパルス）を出力し
ているので、リニアスケール５７に埃が付着してスリッ
トを塞いでしまった場合には、正規のスリットを読み取
ることができず、画像ズレを引き起してしまうおそれが
ある。

【００１４】そこで、本発明の目的は、リニアスケール
に埃やスリットを塞ぐような傷が存在した場合でも、印
字タイミングパルスを確実に発生させて画像ズレを抑え
た画像形成装置を提供することである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明は、記録媒体上に画像を形成す
る印字手段と、該印字手段を保持し記録媒体の進行方向
と直角方向へ走査される保持手段と、該保持手段の走査
方向と平行に取り付けられ、前記走査方向に沿って形成
された位置識別部を有するリニアエンコーダと、該リニ
アエンコーダの位置識別部を読み取るリニアセンサとを
備えた画像形成装置において、前記リニアセンサは、前
記リニアエンコーダ上の異なった位置に形成された同位
相の位置識別部を検出するように配置された２個以上の
リニアセンサからなることを特徴とする。

【００１６】また、請求項２記載の発明は、前記リニア
センサの配置間隔は、隣り合う同位相の位置識別部の検
出に基づいて生成されるパルスの１周期の整数倍である
ことを特徴とする。

【００１７】

【作用】請求項１記載の発明によれば、リニアセンサは
２個以上からなり、リニアエンコーダ上の異なった位置
に形成された同位相の位置識別部を検出するように配置
されている。従って、図５に示すように、例えば第１リ
ニアセンサ１ａの検出素子Ａ1 に対応したスリットに埃
等が付着していても、第２リニアセンサ１ｂの検出素子
Ａ2 に対応した埃等の付着していないスリットを読み取
って印字タイミングパルスを生成することができる。よ
って、印字タイミングパルスの生成の信頼性が向上し、
画像ズレの発生を抑制することができる。

【００１８】また、請求項２記載の発明によれば、リニ
アセンサの配置間隔は、隣り合う同位相の位置識別部の
検出に基づいて生成されるパルスの１周期（図４参照）
の整数倍である。従って、必ず同位相の位置識別部を検
出することができる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の画像形成装置を図示の実施例
に基づいて説明する。なお、既に説明した部分には同一
符号を付し、重複記載を省略する。本実施例の画像形成
装置は、インクジェット・プリンタである。

【００２０】図１は本実施例のインクジェット・プリン
タの制御系のブロック図であり、図２は同実施例の概略
構成図であり、図３は同実施例のキャリッジ等を示す図
である。

【００２１】先ず、図２および図３に基づいてインクジ
ェット・プリンタの機械的構成を説明する。なお、図２
は、図３を反対側から見た図である。

【００２２】図２および図３に示すように、印字ヘッド
５１はキャリッジ５２の下面に、搬送台（プラテン）２
１上を搬送されてくる記録紙５３に対向して保持されて
いる。記録紙５３は、搬送モータ２２により搬送ローラ
２３と一対の固定コロ２４により矢印Ｌ方向へ搬送され
る。これに対し、キャリッジ５２は、キャリッジ駆動モ
ータ２５とプーリ２６に掛け回されたベルト５４により
支持され、キャリッジ駆動モータ２５の駆動によりレー
ル５５に沿って滑動して移動し走査する。この走査方向
は記録紙５３の搬送方向（矢印Ｌ）に対して直角方向
（矢印Ｗ）である。

【００２３】また、このキャリッジ５２は、その側面に
第１，第２リニアセンサ１ａ，１ｂを備えている。該リ
ニアセンサ１ａ，１ｂは，キャリッジ５２の走査方向
（矢印Ｗ）と平行に配設されているリニアスケール５７
のスリット５９を検知し、スリット検知信号ｄ1 ，ｄ2
を次に説明するＯＲ回路９（図１参照）に出力する。

【００２４】前記第１，第２リニアセンサ１ａ，１ｂ
は、図４の上部側に示すように、従来例（図７参照）と
同様に、それぞれ２個の検出素子Ａ1 ，Ｂ1 と検出素子
Ａ2 ，Ｂ2 とを有していて、検出素子Ａ1 ，Ａ2 が検出
するスリットに対応する信号は同一位相であり、検出素
子Ｂ1 ，Ｂ2 が検出するスリットに対応する信号は、検
出素子Ａ1 ，Ａ2 の前記信号とは異なった位相の信号と
なる。検出素子Ａ1 ，Ｂ1 と検出素子Ａ2 ，Ｂ2 のそれ
ぞれの組み合わせにより、従来と同様に第１，第２リニ
アセンサ１ａ，１ｂの移動方向（符号Ｘ1 ，Ｘ2 ）を検
出することができる。

【００２５】第１，第２リニアセンサ１ａ，１ｂは、パ
ルス１周期×ｎ位相分ずれて（ｎ；正整数）リニアスケ
ール５７を読み取るように間隔を設けて取り付けられて
いる。本実施例の製品仕様が４００ＤＰＩ(Dots Per In
ch) の印字密度、即ち、解像度（４００Ｄｏｔｓ／２
５．４ｍｍ）とし、ｎを１００とすると、リニアセンサ
１ａの検出素子Ａ1 と、リニアセンサ１ｂの検出素子Ａ
2 との間隔は、２５．４ｍｍ÷４００ｄｏｔ×１００＝
６．３５ｍｍとなる。

【００２６】次に、図１に基づいて制御系の構成を説明
をする。

【００２７】図１に示すように、制御部２から出力され
る印字パルスｂと画像信号ｃとがＡＮＤ回路７を介して
印字信号ａとなり、印字ヘッド５１に入力される。印字
ヘッド５１は、印字信号ａの入力に応じてインクを吐出
し記録紙５３（図２または図３参照）上に画像を形成す
る。制御部２は、ＣＰＵ等を含むマイクロコンピュータ
３と、印字制御部４と、画像制御部５とを有し、印字制
御部４は所定の頻度で印字パルスｂを出力することがで
きる。

【００２８】また、画像制御部５は、所定の画像データ
を画像メモリ６から取り出し、画像信号ｃとして出力す
ることができる。マイクロコンピュータ３は、画像形成
条件等を入力可能な操作部１２からの入力条件に従って
印字制御部４と画像制御部５を制御する。画像メモリ６
には、例えば原稿画像をＣＣＤ等で読み取り、デジタル
画像化されたデータやＣＡＤ(Computer Aided Design)
等で作成されたデジタル画像データが保管されている。

【００２９】一方、キャリッジ５２の側面には前述の如
く第１，第２リニアセンサ１ａ，１ｂが取り付けられて
おり、第１リニアセンサ１ａの検出素子Ａ1 と第２リニ
アセンサ１ｂの検出素子Ａ2 がキャリッジ５２の走査方
向（矢印Ｗ）と平行に配設されているリニアスケール５
７のスリット５９を検知し、この検知信号ｄ1 ，ｄ2を
ＯＲ回路９に伝送する。スリット検知信号ｄ1 ，ｄ2
は、同位相のパルス信号であるため（図４のパルス波形
を参照）、ＯＲ回路９からの出力波形は１本のパルス信
号ｄとなり出力される。このパルス信号ｄは、画像制御
部５に入力されて、そのタイミングパルスに基づいて画
像信号ｃが出力される。

【００３０】次に、以上のように構成された本実施例の
動作を説明する。

【００３１】画像形成が開始されると搬送モータ２２が
駆動され、記録紙５３が搬送される。そして、記録紙５
３が搬送台２１上を搬送されてくるとキャリッジ駆動モ
ータ２５が回転を開始し、キャリッジ５２が走査を始め
る。マイクロコンピュータ３は、印字領域を定めて印字
制御部４と画像制御部５に印字開始信号を伝送する。こ
れにより印字制御部４は印字パルスｂを所定の頻度で発
生し、画像制御部５はキャリッジ５２の走査に伴って発
生するタイミングパルス信号ｄに基づいて、画像メモリ
６から画像データを取り出して画像信号ｃを発生する。

【００３２】図５はリニアスケール５７が有するスリッ
ト５９と、リニアセンサ１ａ，１ｂの検出素子Ａ1 ，Ａ
2 がそれぞれ出力するスリット検知信号ｄ1 ，ｄ2 、お
よびＯＲ回路９が出力するタイミングパルス信号ｄとの
関係を示す図である。

【００３３】図５に示すように、リニアセンサ１ａの検
出素子Ａ1 が読み取るＡ地点に埃等が付着していたと仮
定する。この埃等によりスリットの未検知が発生した場
合でも（パルス波形を点線で示す）、リニアセンサ１ｂ
の検出素子Ａ2 によりスリットの検知が行われ（パルス
波形を実線で示す）、ＯＲ回路９よりタイミングパルス
信号ｄが出力され、正常な印字が行われる。即ち、検出
素子が従来のように１個の場合に比較し、本実施例によ
れば信頼性が２倍に向上する。

【００３４】なお、本実施例ではリニアセンサ（検出素
子）の個数が２個であったが、これに限定されるもので
はなく、３個以上のリニアセンサを用いて、より信頼性
を高めても良い。

【００３５】また、本実施例では印字密度に見合ったリ
ニアエンコーダと、スリットを読み取る光学式センサを
用いた場合を説明したが、スリットの代わりにＳ極・Ｎ
極を交互に着磁したリニアエンコーダと、磁気を読み取
るＭＲ方式のセンサの組合わせ等、他のタイミングパル
ス出力方式を用いてもよい。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リニアエンコーダとリニアセンサを用いて印字タイミン
グパルスを発生させ、印字を行うようにした画像形成装
置において、前記リニアセンサは、前記リニアエンコー
ダ上の異なった位置に形成された同位相の位置識別部を
検出するように配置された２個以上のリニアセンサから
なるようにしたので、たとえ１個目のリニアセンサ（検
出素子）に対応するリニアエンコーダ上に埃等が存在し
て読み取りが不可能であっても、２個目のリニアセンサ
（検出素子）に対応するリニアエンコーダを読み取るこ
とができる。従って、リニアセンサが１個の場合に比較
し、印字タイミングパルスの発生の信頼性が向上し、画
像ズレの発生を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の制御系のブロック図である。

【図２】同実施例の画像形成装置の構成を示す図であ
る。

【図３】同実施例のキャリッジ周辺の構成を示す図であ
る。

【図４】同実施例のリニアセンサとリニアスケールとの
関係を示す図である。

【図５】同実施例におけるリニアスケールに埃等が存在
する場合の処理を示す図である。

【図６】従来の画像形成装置のキャリッジ周辺の構成を
示す図である。

【図７】従来のリニアスケールとリニアセンサとの関係
を説明する図であって、（Ａ）はリニアスケールのスリ
ットとリニアセンサの検出素子との関係を説明する図、
（Ｂ）は例えばリニアセンサが右方に移動する場合の検
出素子からの出力を示す図、（Ｃ）は例えばリニアセン
サが左方に移動する場合の検出素子からの出力を示す図
である。

【符号の説明】

Ａ1 ，Ａ2 ，Ｂ1 ，Ｂ2 リニアセンサの検出素子 Ｘ1 ，Ｘ2 リニアセンサの移動方向 １ａ，１ｂ リニアセンサ ２ 制御部 ３ マイコン ４ 印字制御部 ５ 画像制御部 ７ アンド回路 ９ オア回路 ５１ 印字ヘッド ５２ キャリッジ ５７ リニアスケール ５９ スリット（位置識別部）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体上に画像を形成する印字手段
   と、該印字手段を保持し記録媒体の進行方向と直角方向
   へ走査される保持手段と、該保持手段の走査方向と平行
   に取り付けられ、前記走査方向に沿って形成された位置
   識別部を有するリニアエンコーダと、該リニアエンコー
   ダの位置識別部を読み取るリニアセンサとを備えた画像
   形成装置において、 前記リニアセンサは、前記リニアエンコーダ上の異なっ
   た位置に形成された同位相の位置識別部を検出するよう
   に配置された２個以上のリニアセンサからなることを特
   徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 前記リニアセンサの配置間隔は、隣り合
   う同位相の位置識別部の検出に基づいて生成されるパル
   スの１周期の整数倍であることを特徴とする請求項１記
   載の画像形成装置。