JPH08281470A - やに入りはんだ用フラックス - Google Patents

やに入りはんだ用フラックス

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JPH08281470A
JPH08281470A JP13307695A JP13307695A JPH08281470A JP H08281470 A JPH08281470 A JP H08281470A JP 13307695 A JP13307695 A JP 13307695A JP 13307695 A JP13307695 A JP 13307695A JP H08281470 A JPH08281470 A JP H08281470A
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rosin
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壽夫 松本
Naoki Muraoka
直樹 村岡
Toshiyuki Masuda
敏行 桝田
Takahiko Omoto
多佳彦 尾本
Jinichi Ozaki
仁一 尾崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れ、フラックス飛散が少なく、フ
ラックス残渣にクラックが生じにくく、接合性の良い、
高信頼性のやに入りはんだ用フラックスを提供する。 【構成】 組成が、高融点ワックス5〜25重量%、高
分子化合物5〜30重量%、活性剤0.5〜1.5重量
%、ロジン残部、で構成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はやに入りはんだ用フラッ
クスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】やに入りはんだの中心部に充填されるフ
ラックスとして、その組成が重合ロジン99重量%、活
性剤1重量%であるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】はんだ付け後のフラッ
クス残渣は、非腐食性、高絶縁性、長期安定性、耐熱
性、耐湿性、無毒性といった特性が要求されている。従
来例においても、一般的に使用されている環境下では上
記特性が満足されているが、特殊な環境(低温、高温多
湿な条件、振動その他の外力が加わるような条件等)で
は、残留するフラックスが前記のような特性を保持でき
ずに信頼性の低下が懸念される。
【0004】本発明は、上記に鑑み、周囲の環境の変化
に対してある程度順応し、耐熱性に優れ、フラックス飛
散が少なく、フラックス残渣にクラックが生じにくく、
接合性の良いやに入りはんだ用フラックスを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のやに入りはんだ
用フラックスは、上記目的を達成するため、組成が、高
融点ワックス5〜25重量%、高分子化合物5〜30重
量%、活性剤0.5〜1.5重量%、ロジン残部、で構
成されていることを特徴とする。
【0006】上記ロジンは50〜65重量%含まれてい
ることが好適である。
【0007】上記高融点ワックスの含有量が15〜22
重量%、高分子化合物の含有量が15〜25重量%であ
ると最適である。
【0008】高融点ワックスとしては、ポリエチレン系
ワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体硬化ヒマシ
油誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸の誘導体など
の分子量が比較的大きいものを使用することが好まし
い。
【0009】高分子化合物としては、プロピレン系ポリ
マーや、プロピレンとエチレンブテンを共重合した分子
量の比較的低いオレフィン系ポリマーを使用することが
好ましい。
【0010】活性剤としては、有機アミンの臭化水素酸
塩、例えば、ジエチルアミン臭化水素酸塩、あるいは有
機酸、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等を使
用することが好ましい。
【0011】ロジンとしては、天然ロジン、不均化ロジ
ン、重合ロジン、水素添加ロジン、精製ロジンなどが好
ましい。
【0012】
【作用】本発明は、高融点ワックス、高分子化合物、活
性剤、ロジンを上記範囲に設定することにより、耐熱性
に優れ、フラックス飛散が少なく、フラックス残渣にク
ラックが生じにくく、接合性の良い高信頼性フラックス
を提供することができる。
【0013】すなわち、高融点ワックスを添加すること
により、フラックスの耐熱性向上とフラックスの飛散防
止を図ることができる。添加量が5重量%未満では、そ
の効果が少なく、25重量%を超えると、融点が高くな
り、はんだの濡れ性が低下する。高融点ワックスの含有
量が15〜22重量%であると最適である。
【0014】高分子化合物を添加することにより、フラ
ックスの耐熱性を向上させ、熱による変形を防止する。
添加量が5重量%未満では、その効果は少なく、30重
量%を超えると、融点が高くなり、はんだの濡れ性が低
下する。高分子化合物の含有量が15〜25重量%であ
ると最適である。
【0015】特に本発明は、フラックス組成として、高
融点ワックスと高分子化合物とを上記割合いで添加する
という特有な構成を有している結果、耐熱性、フラック
スの飛散防止及びフラックス残渣のクラック発生防止に
顕著な効果が発揮できた。
【0016】活性剤の添加は、はんだの濡れ性を向上さ
せるために必要であるが、添加量が0.5重量%未満で
は、その効果は少なく、また、1.5重量%を超える
と、信頼性が低下する。
【0017】ロジンは、はんだの流動性を良くし、酸化
を防止する働きを有するが、50重量%未満では、その
効果は少なく、また、65重量%を超えると、フラック
ス残渣にクラックを生じ本発明フラックスの効果は、期
待できない。
【0018】
【実施例】図1は、中心部に本発明のフラックス1が充
填され、本体2が63Sn−37Pb共晶はんだ合金で
構成されたやに入りはんだ3を示す。このやに入りはん
だ3の外径は1mmであり、フラックス1の含有量は3
重量%である。
【0019】表1に実施例1〜実施例3のやに入りはん
だ用フラックス1の組成と、比較例1〜比較例3のそれ
とを示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記組成の各フラックスについて耐熱性試
験を行った結果を表2に示す。この耐熱性試験は、一定
量のフラックスを銅板上で加熱溶融した後自然放置して
冷却し、次いで再加熱することにより、はんだ地金の周
囲のフラックスが流れる時点の温度を調べたものであ
る。
【0022】
【表2】
【0023】表2から明らかなように、高分子化合物
(プロピレン系ポリマー)の含有比率が高く、これに高
融点ワックス(硬化ヒマシ油誘導体)が所定量加えられ
た実施例1及び実施例2は非常に良好な耐熱性を示し
た。又高融点ワックスの含有比率が高く、これに高分子
化合物が所定量加えられた実施例3も、高分子化合物及
び高融点ワックスが全く加えられていない比較例1や、
高融点ワックスしか加えられていない比較例3に比較し
て良好な耐熱性を示した。又実施例3と高分子化合物が
高比率で加えられている比較例2と同等であった。
【0024】次に上記組成の各フラックスについてヒー
トサイクル試験を行った結果を表3に示す。このヒート
サイクル試験は、一定量のフラックスを、銅線をくし型
に埋設配置した基板上に塗布し、1サイクルを+70℃
(30分)→−30℃(30分)→+70℃として所定
サイクルのヒート試験を行った際のフラックスにクラッ
クが発生したか否かを観察するものである。
【0025】
【表3】
【0026】表3から明らかなように、実施例1〜実施
例3はいずれも良好な耐ヒートサイクル性を有するが、
特に高融点ワックス(硬化ヒマシ油誘導体)を20重量
%、高分子化合物(プロピレン系ポリマー)を19重量
%とした実施例1が格段にすぐれた耐ヒートサイクル性
を有することが判明した。高分子化合物及び高融点ワッ
クスの一方しか加えられていない比較例2、比較例3
は、これらが全く加えられていない比較例1と同様、耐
ヒートサイクル性が不良であった。
【0027】次に上記組成の各フラックスについて飛散
試験を行った結果を表4に示す。この飛散試験は図2に
示すように、こて先温度が330℃のはんだごて4に、
図1に示すやに入りはんだ3をはんだ線送りプーリ5を
用いて接触させ、その際のフラックスの飛散状態を観察
し、飛散したフラックスの数から評価したものである。
やに入りはんだ3の搬送速度が、5、10、15mm/
secとなる3種類の実験を行った。
【0028】
【表4】
【0029】表4から明らかなように、実施例1〜実施
例3はいずれも比較例1〜比較例3に比較し、フラック
ス飛散を少なくすることができたが、特に実施例1はフ
ラックス飛散を0とでき格段にすぐれている。
【0030】更に上記組成の各フラックスについて剥離
試験を行った結果を表5に示す。この剥離試験は、JI
S K−5400.6.15に準拠した基盤目試験(塗
料の塗膜の評価を行うための試験)法を用い、銅板上に
フラックスの皮膜を形成し、この皮膜のほぼ中央部に、
カッターナイフを用いて基盤目状に直交する縦横各11
本づつの線状の切り傷を付け、その傷部分でのフラック
ス皮膜の剥離状態を観察して評価を行うものである。試
験No.1〜No.3の3回の試験を行った。
【0031】
【表5】
【0032】表5から明らかなように、実施例1〜実施
例3はいずれも比較例1〜比較例3に比較し、フラック
ス皮膜(フラックス残渣)の剥離が少なくなっている
が、特に実施例1においては、剥離が見られず、格段に
耐剥離性が向上している。
【0033】
【発明の効果】本発明は、高融点ワックスと高分子化合
物を所定量フラックス組成として具備するので、耐熱性
に優れ、フラックス飛散が少なく、フラックス残渣にク
ラックが生じにくく、接合性の良い、高信頼性のやに入
りはんだ用フラックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】やに入りはんだを示し、(a)はその縦断面
図、(b)はその横断面図。
【図2】フラックス飛散試験を示す概略図。
【符号の説明】
1 やに入りはんだ用フラックス 2 本体 3 やに入りはんだ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾本 多佳彦 大阪府堺市築港浜寺西町7番21号石川金属 株式会社内 (72)発明者 尾崎 仁一 大阪府堺市築港浜寺西町7番21号石川金属 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が、高融点ワックス5〜25重量
    %、高分子化合物5〜30重量%、活性剤0.5〜1.
    5重量%、ロジン残部、で構成されていることを特徴と
    するやに入りはんだ用フラックス。
  2. 【請求項2】 ロジンが50〜65重量%含まれている
    請求項1記載のやに入りはんだ用フラックス。
  3. 【請求項3】 高融点ワックスが15〜22重量%、高
    分子化合物が15〜25重量%含まれていることを特徴
    とする請求項1又は2記載のやに入りはんだ用フラック
    ス。
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