JPH0828128B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- JPH0828128B2 JPH0828128B2 JP3272099A JP27209991A JPH0828128B2 JP H0828128 B2 JPH0828128 B2 JP H0828128B2 JP 3272099 A JP3272099 A JP 3272099A JP 27209991 A JP27209991 A JP 27209991A JP H0828128 B2 JPH0828128 B2 JP H0828128B2
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Description
サの誘電体材料として好適なBaO−TiO2 −Re系
(但しReは希土類元素)の誘電体磁器組成物に関する
ものである。
aO−TiO2 −Re系の誘電体磁器組成物が知られて
いる。この誘電体磁器組成物は焼結温度が1100〜1
500℃と高温であるため、これを誘電層の材料として
使用する磁器コンデンサの電極材料としては融点の高い
Pdを主成分とするものを使用する必要がある。
ンサは、Qに関しては、その値の大きいことが望まし
い。このQの値を大きくする方法としては、内部電極の
材料として電気抵抗の小さい金属、例えばAgやCu等
を使用することが考えられる。
たように焼成温度が1100〜1500℃と高いので、
この焼成温度より融点の低いAg,Cu等を内部電極の
材料として使用すると、焼成の際に内部電極が溶融して
しまい、所望の電気的特性を有する磁器コンデンサを得
ることができないという問題点があった。また、Pdは
高価な材料で、しかも焼成温度が1100〜1500℃
と高いと、焼成のために多くのエネルギーが必要になる
ので、磁器コンデンサの製造コストが高くなるという問
題点もあった。
く、Ag,Cu等を内部電極の材料として使用すること
ができ、Q値を大きくすることができる誘電体磁器組成
物を提供することにある。具体的には、900℃以下の
温度の焼成で焼結させることができ、誘電率εr が6.
7〜11.7、Qが1000〜1400、誘電率の温度
係数Tεが±60ppm/℃以下の誘電体磁器組成物を
提供することにある。
組成物は、一般式xBaO−yTiO2 −zReO3/ 2
(但し、この式において、x,y,zは、 0.02≦x≦0.3 0.4≦y≦0.85 0.05≦z≦0.5 x+y+z=1 を満足する数値、ReはLa,Pr,Nd,Sm,G
d,Dy,Er,Ybから選択された1種または2種以
上の希土類元素)で表わされる主成分と、SiO2と、
CaO,SrO又はBaOから選択された1種または2
種以上の酸化物と、MgOと、B2 O3 と、Li2 Oと
からなり、前記主成分が25〜60wt%、SiO2 が
10〜40wt%、CaO,SrO又はBaOから選択
された1種または2種以上の酸化物が1〜20wt%、
MgOが1〜15wt%、B2 O3 が3〜30wt%、
Li2 Oが0.1〜3wt%の割合で含有されている。
率xを0.02≦x≦0.3の範囲としたのは、BaO
がこの範囲を外れると900℃の温度の焼成では組成物
が焼結しなくなるからである。
率yを0.4≦y≦0.85の範囲としたのは、TiO
2 がこの範囲を外れると誘電率の温度係数Tεに関して
所望の特性が得られなくなるからである。
分率zを0.05≦z≦0.5の範囲としたのは、Re
O3/2 がこの範囲を外れると誘電率の温度係数Tεに関
して所望の特性が得られなくなるからである。
としたのは、主成分の含有率が25wt%未満になると
Qが1000以下になり、主成分の含有率が60wt%
を超えると900℃の温度の焼成では組成物が焼結しな
くなるからである。
のは、SiO2 が10wt%未満ではQに関して所望の
特性が得られなくなり、SiO2 が40wt%を超える
と900℃の温度の焼成では組成物が焼結しなくなるか
らである。
れた1種または2種以上の酸化物を1〜20wt%とし
たのは、これらの酸化物が1wt%未満になると900
℃の温度の焼成では組成物が焼結しなくなり、これらの
酸化物が20wt%を超えるとQに関して所望の特性が
得られなくなるからである。
は、MgOが1wt%未満では900℃の温度の焼成で
は組成物が焼結しなくなり、MgOが15wt%を超え
るとQに関して所望の特性が得られなくなるからであ
る。
は、B2 O3 がこの範囲を外れると900℃の温度の焼
成では組成物が焼結しなくなるからである。
のは、L2 Oがこの範囲を外れると900℃の温度の焼
成では組成物が焼結しなくなるからである。
ついて説明する。主成分を形成する化合物を以下に示す
重量(g)ごとに各々秤量し、これらの化合物をポット
ミル中に水とともに入れ、湿式混合して原料混合物を得
た。 BaCO3 ………59.2g TiO2 …………51.9g Nd2 O3 …………7.7g そして、この混合物を乾燥器で乾燥し、この乾燥した混
合物を粗粉砕し、これを空気中において1000〜12
00℃で2時間仮焼した。
す重量(g)ごとに各々秤量し、これらの化合物をポッ
トミル中に水とともに入れ、湿式混合して原料混合物を
得た。 SiO2 …………60.0g SrCO3 ………30.0g MgO……………30.0g B2 O3 …………27.0g Li2 CO3 ………3.0g そして、この混合物を乾燥器で乾燥し、この乾燥した混
合物を粗粉砕し、これを空気中において750〜850
℃で2時間仮焼した。
(主成分+副成分)を重量比で1:1(50wt%:5
0wt%)となるように秤量し、これらの原料混合物を
ポットミル中に水とともに入れ、湿式混合して混合物を
得、この混合物を乾燥器で乾燥し、その粉末を得た。
を加えて造粒し、この造粒物を型に入れ、500kg/
cm2 の圧力で加圧成形して、直径9.8mm、厚さ
0.6mmの円板状の成形物を得た。そして、この成形
物をジルコニアセッター上に載せ、空気中において90
0℃の温度で焼成した。
素体の両主面に銀ペーストを塗布し、これを800℃の
温度で15分間焼付けることにより磁器素体の両主面に
一対のコンデンサ電極を形成した磁器コンデンサを得
た。
℃における誘電率εr 、20℃におけるQ、誘電率の温
度係数Tε(ppm/℃)を測定したところ、表1に
示す通りとなった。ここで、誘電率εr 、Qは周波数1
MHz、電圧1Vの条件で、又、誘電率の温度係数Tε
は+20℃を基準にして、−25℃〜+20℃及び+2
0℃〜+85℃の温度範囲での周波数1MHz、電圧1
Vの条件で測定した。
したが、試料No.2〜47についても、主成分及び副
成分の割合を変えた他は、No.1の試料の場合と全く
同様の方法で磁器コンデンサを作成し、同一の方法で電
気的特性を測定した。結果は表1〜表1に示す通り
となった。
うに、本発明に従う試料によれば、誘電率εr が6.7
〜11.7、Qが1000〜1400、誘電率の温度特
性Tεが±60ppm/℃以下の電気的特性を有する誘
電体磁器組成物を備えた磁器コンデンサを得ることがで
きる。また、900℃以下の温度での焼成が可能であ
る。
試料No.18〜21、32〜41、44〜47は上記
特性の誘電体磁器組成物を得ることができない。従っ
て、これらは本発明の比較例である。
主成分及び副成分の適正範囲について、表1〜表1
に示す試料No.1〜47の結果を参照しながら検討す
る。
7,22〜31に示すように0.02〜0.3mol%
の場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成
物を得ることができるが、BaOのモル分率xが、試料
No.20に示すように0.01mol%の場合には、
900℃の温度の焼成では焼結せず、BaOのモル分率
xが、試料No.18に示すように0.4mol%の場
合には、900℃の温度の焼成では焼結しない。従っ
て、BaOのモル分率xの適正範囲は0.02〜0.3
mol%である。
17,22〜31に示すように0.4〜0.85mol
%の場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組
成物を得ることができるが、TiO2 のモル分率yが、
試料No.21に示すように0.3mol%の場合に
は、誘電率の温度係数Tεに関して所望の特性が得られ
ず、TiO2 モル分率yが、試料No.46に示すよう
に0.88mol%の場合には、誘電率の温度係数Tε
に関して所望の特性が得られない。従って、TiO2 の
モル分率yの適正範囲は0.4〜0.85mol%であ
る。
〜17,22〜31に示すように0.05〜0.5mo
l%の場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器
組成物を得ることができるが、ReO3/2 のモル分率z
が、試料No.19に示すように0.02mol%の場
合には、誘電率の温度係数Tεに関して所望の特性が得
られず、ReO3/2 のモル分率zが、試料No.47に
示すように0.55mol%の場合には、誘電率の温度
係数Tεに関して所望の特性が得られない。従って、R
eO3/2 のモル分率zの適正範囲は0.05〜0.5m
ol%である。
31に示すように10〜40wt%の場合には、所望の
電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができ
るが、SiO2 が、試料No.32に示すように5wt
%の場合には、Qに関して所望の特性が得られず、Si
O2 が、試料No.33に示すように45wt%の場合
には、900℃の温度の焼成で焼結しない。従って、S
iO2 の適正範囲は10〜40wt%である。
No.1〜17,22〜31に示すように1〜20wt
%の場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組
成物を得ることができるが、CaO,BaO及び/又は
SrOが、試料No.34に示すように、0.5wt%
の場合には、900℃の温度の焼成で焼結せず、Ca
O,BaO及び/又はSrOが、試料No.35に示す
ように、25wt%の場合にはQに関して所望の特性が
得られない。従って、CaO,BaO及び/又はSrO
の適正範囲は1〜20wt%である。
1に示すように1〜15wt%の場合には、所望の電気
的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる
が、MgOが、試料No.36に示すように0.1wt
%の場合には900℃の温度の焼成で焼結せず、MgO
が、試料No.37に示すように20wt%の場合には
Qに関して所望の特性が得られない。従って、MgOの
適正範囲は1〜15wt%である。
31に示すように3〜30wt%の場合には、所望の電
気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる
が、B2 O3 が、試料No.38に示すように1wt%
の場合には900℃で焼結せず、B2 O3 が、試料N
o.39に示すように40wt%の場合には900℃の
温度の焼成で焼結しない。従って、B2 O3 の適正範囲
は3〜30wt%である。
1に示すように0.1〜3wt%の場合には、所望の電
気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる
が、L2 Oが、試料No.40に示すように0.01w
t%の場合には900℃の温度の焼成で焼結せず、Li
2 Oが、試料No.41に示すように5wt%の場合に
は900℃の温度の焼成では焼結しない。従って、Li
2 Oの適正範囲は0.1〜3wt%である。
22〜31に示すように25〜60wt%の場合には、
所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ること
ができるが、主成分の含有率が、試料No.44に示す
ように15wt%の場合にはQに関して所望の特性が得
られず、主成分の含有率が、試料No.45に示すよう
に70wt%の場合には900℃の温度の焼成で焼結し
ない。従って、主成分の含有率の適正範囲は25〜60
wt%である。
成温度を900℃以下とすることができるので、電気抵
抗の小さいAg,Cu等を内部電極の材料として使用す
ることができ、従ってQの大きな磁器コンデンサを提供
することができる。また、本発明によれば、磁器コンデ
ンサの内部電極の材料としてPdより安価なAg,Cu
等を使用することができるので、磁器コンデンサの製造
コストを低下させることができる。更に、本発明によれ
ば、誘電体磁器組成物の焼成温度を低下させることがで
きるので、磁器コンデンサの製造工程における焼成のた
めの熱エネルギーを節約することができ、従って、この
面からも製造コストを低下させることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式xBaO−yTiO2 −zReO
3/2(但し、この式において、x,y,zは、 0.02≦x≦0.3 0.4≦y≦0.85 0.05≦z≦0.5 x+y+z=1 を満足する数値、ReはLa,Pr,Nd,Sm,G
d,Dy,Er,Ybから選択された1種または2種以
上の希土類元素)で表わされる主成分と、SiO2と、
CaO,SrO又はBaOから選択された1種または2
種以上の酸化物と、MgOと、B2 O3 と、Li2 Oと
からなり、 前記主成分が25〜60wt%、SiO2 が10〜40
wt%、CaO,SrO又はBaOから選択された1種
または2種以上の酸化物が1〜20wt%、MgOが1
〜15wt%、B2 O3 が3〜30wt%、Li2 Oが
0.1〜3wt%の割合で含有されている誘電体磁器組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272099A JPH0828128B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3272099A JPH0828128B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0581927A JPH0581927A (ja) | 1993-04-02 |
JPH0828128B2 true JPH0828128B2 (ja) | 1996-03-21 |
Family
ID=17509069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3272099A Expired - Fee Related JPH0828128B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0828128B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6251816B1 (en) * | 1998-12-31 | 2001-06-26 | Mra Laboratories, Inc. | Capacitor and dielectric ceramic powder based upon a barium borate and zinc silicate dual-component sintering flux |
KR20030092381A (ko) * | 2002-05-29 | 2003-12-06 | 전자부품연구원 | 저온동시 소결 유전체 조성물 |
KR101404466B1 (ko) * | 2012-05-30 | 2014-06-10 | 삼진산업 주식회사 | 자동차용 패널 벤딩장치 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP3272099A patent/JPH0828128B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0581927A (ja) | 1993-04-02 |
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