JP3325051B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波用積層磁器コンデ
ンサ、誘電体共振器等に使用するための誘電体磁器組成
物に関する。
ンサ、誘電体共振器等に使用するための誘電体磁器組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】MHz、GHzのような高周波領域で使
用する磁器コンデンサや誘電体共振器の誘電体磁器とし
て例えば、BaO+TiO2 +ReO(但し、Reは希
土類元素)が知られている。
用する磁器コンデンサや誘電体共振器の誘電体磁器とし
て例えば、BaO+TiO2 +ReO(但し、Reは希
土類元素)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のBa
O+TiO2 +ReO磁器の焼成温度は1100〜15
00℃と比較的高いので、積層磁器コンデンサを作製す
る時には内部電極材料として融点の高いPdを主成分と
する導電性ペーストを使用しなければならなかった。し
かし、Pdは抵抗率が高いためにコンデンサのQが低下
するという欠点、及び高価であるという欠点を有する。
O+TiO2 +ReO磁器の焼成温度は1100〜15
00℃と比較的高いので、積層磁器コンデンサを作製す
る時には内部電極材料として融点の高いPdを主成分と
する導電性ペーストを使用しなければならなかった。し
かし、Pdは抵抗率が高いためにコンデンサのQが低下
するという欠点、及び高価であるという欠点を有する。
【0004】そこで、本発明の目的は、900℃以下の
焼成で製造することが可能であり、且つ高周波領域で使
用することが可能な誘電体磁器組成物を提供することに
ある。
焼成で製造することが可能であり、且つ高周波領域で使
用することが可能な誘電体磁器組成物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、 xBaO+yTiO2+zReO3/2 但し、x、y、zは0.02≦x≦0.3、0.4≦y
≦0.85、0.05≦z≦0.5、x+y+z=1を
満足する数値、ReはLa、Pr、Nd、Sm、Gd、
Dy、Er 、Ybから選択された1種以上の希土類元
素、からなる20〜70重量%の主成分と、10〜55
重量%のSiO2と、1〜40重量%のCaO、Sr
O、BaO、ZnOから選択された一種以上の2族金属
酸化物と、3〜30重量%のB2O3と、0.1〜3.0
重量%のLi2Oとを含み、且つMgO及びニオブ酸化
物を含まない誘電体磁器組成物に係わるものである。
の本発明は、 xBaO+yTiO2+zReO3/2 但し、x、y、zは0.02≦x≦0.3、0.4≦y
≦0.85、0.05≦z≦0.5、x+y+z=1を
満足する数値、ReはLa、Pr、Nd、Sm、Gd、
Dy、Er 、Ybから選択された1種以上の希土類元
素、からなる20〜70重量%の主成分と、10〜55
重量%のSiO2と、1〜40重量%のCaO、Sr
O、BaO、ZnOから選択された一種以上の2族金属
酸化物と、3〜30重量%のB2O3と、0.1〜3.0
重量%のLi2Oとを含み、且つMgO及びニオブ酸化
物を含まない誘電体磁器組成物に係わるものである。
【0006】
【発明の作用及び効果】本発明におけるSiO2 と、C
aO、SrO、BaO及びZnOから選択された2族金
属酸化物と、B2 O3 と、Li2 Oとは、高周波領域に
おいて実用的な比誘電率εr と、Qとを得るために寄与
すると共に、比誘電率の温度係数を小さくするために寄
与し、更に900℃以下の焼成を可能にするために寄与
する。本発明で特定された組成によれば、比誘電率εr
が6.7以上、Qが1000以上、比誘電率の温度係数
Tεが−25℃〜20℃及び20℃〜+85℃の範囲で
−60ppm/℃〜+60ppm/℃の誘電体磁器が得
られ、且つこの誘電体磁器を900℃以下で焼成するこ
とが可能になる。
aO、SrO、BaO及びZnOから選択された2族金
属酸化物と、B2 O3 と、Li2 Oとは、高周波領域に
おいて実用的な比誘電率εr と、Qとを得るために寄与
すると共に、比誘電率の温度係数を小さくするために寄
与し、更に900℃以下の焼成を可能にするために寄与
する。本発明で特定された組成によれば、比誘電率εr
が6.7以上、Qが1000以上、比誘電率の温度係数
Tεが−25℃〜20℃及び20℃〜+85℃の範囲で
−60ppm/℃〜+60ppm/℃の誘電体磁器が得
られ、且つこの誘電体磁器を900℃以下で焼成するこ
とが可能になる。
【0007】
【第1の実施例】次に、本発明の実施例に係わる高周波
磁器コンデンサ及びこの製造方法を説明する。まず、x
BaO+yTiO2 +zReO3/2 を満足する主成分を
得るために、BaCO3 (炭酸バリウム)、TiO
2 (酸化チタン)、La2 O3 (酸化ランタン)、Pr
2 O3 (酸化プラセオジム)、Nd2 O3 (酸化ネオジ
ム)、Sm2 O3 (酸化サマリウム)、Gd2 O3 (酸
化ガドリニウム)、Dy2 O3 (酸化ジスプロシウ
ム)、Er2 O3 (酸化エルビウム)、Yb2 O3 (酸
化イッテルビウム)を表1及び表2に示す複数の組成物
が得られるように用意した。なお、表1及び表2におけ
るxの欄はBaOのモル比を示し、yの欄はTiO2 の
モル比を示し、zの欄はReO3/2 のモル比を示す。ま
た、本発明に従う誘電体磁器のSiO2 、CaO、Sr
O、BaO、ZnO、B2 O3 、Li2 Oを得るために
SiO2 (酸化ケイ素)と、CaCO3 (炭酸カルシウ
ム)と、SrCO3(炭酸ストロンチウム)と、BaC
O3 (炭酸バリウム)と、ZnO(酸化亜鉛)と、B2
O3 (酸化ホウ素)と、Li2 CO3 (炭酸リチウム)
とを表1及び表2に示す組成を得ることができる割合に
用意した。しかる後、これ等を使用して表1及び表2の
試料NO. 1から43までの磁器コンデンサを作成した。
磁器コンデンサ及びこの製造方法を説明する。まず、x
BaO+yTiO2 +zReO3/2 を満足する主成分を
得るために、BaCO3 (炭酸バリウム)、TiO
2 (酸化チタン)、La2 O3 (酸化ランタン)、Pr
2 O3 (酸化プラセオジム)、Nd2 O3 (酸化ネオジ
ム)、Sm2 O3 (酸化サマリウム)、Gd2 O3 (酸
化ガドリニウム)、Dy2 O3 (酸化ジスプロシウ
ム)、Er2 O3 (酸化エルビウム)、Yb2 O3 (酸
化イッテルビウム)を表1及び表2に示す複数の組成物
が得られるように用意した。なお、表1及び表2におけ
るxの欄はBaOのモル比を示し、yの欄はTiO2 の
モル比を示し、zの欄はReO3/2 のモル比を示す。ま
た、本発明に従う誘電体磁器のSiO2 、CaO、Sr
O、BaO、ZnO、B2 O3 、Li2 Oを得るために
SiO2 (酸化ケイ素)と、CaCO3 (炭酸カルシウ
ム)と、SrCO3(炭酸ストロンチウム)と、BaC
O3 (炭酸バリウム)と、ZnO(酸化亜鉛)と、B2
O3 (酸化ホウ素)と、Li2 CO3 (炭酸リチウム)
とを表1及び表2に示す組成を得ることができる割合に
用意した。しかる後、これ等を使用して表1及び表2の
試料NO. 1から43までの磁器コンデンサを作成した。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】次に、表1における試料NO. 1の磁器コン
デンサの製造方法を詳しく説明する。まず、x=0.
3、y=0.65、z=0.05に従う0.3BaO+
0.65TiO2 +0.05ReO3/2 を得ることがで
きるように、BaCO3 とTiO2 とNd2 O3 とを秤
量し、ポリエチレン製ポットに水とともに入れ、湿式混
合後、脱水、乾燥した。この乾燥物を大気中で1000
〜1200℃にて2時間仮焼した。この仮焼により、B
aCO3 、Nd2 O3 は酸化物になり、主成分の組成物
が得られる。
デンサの製造方法を詳しく説明する。まず、x=0.
3、y=0.65、z=0.05に従う0.3BaO+
0.65TiO2 +0.05ReO3/2 を得ることがで
きるように、BaCO3 とTiO2 とNd2 O3 とを秤
量し、ポリエチレン製ポットに水とともに入れ、湿式混
合後、脱水、乾燥した。この乾燥物を大気中で1000
〜1200℃にて2時間仮焼した。この仮焼により、B
aCO3 、Nd2 O3 は酸化物になり、主成分の組成物
が得られる。
【0011】一方、40重量%の主成分以外の成分(以
下、副成分と言う)であるSiO2を30重量%、Ba
Oを10重量%、ZnOを10重量%、B2 O3 を9重
量%、Li2 Oを1重量%の割合で得ることができるよ
うにSiO2 、BaCO3 、ZnO、B2 O3 、Li2
O3 を秤量し、ポリエチレン製ポットに水とともに入
れ、湿式混合後、脱水、乾燥した。この混合物を空気中
で850℃にて2時間仮焼した。なお、この仮焼によ
り、BaCO3 、Li2 CO3 は酸化物になり、副成分
の組成物が得られる。
下、副成分と言う)であるSiO2を30重量%、Ba
Oを10重量%、ZnOを10重量%、B2 O3 を9重
量%、Li2 Oを1重量%の割合で得ることができるよ
うにSiO2 、BaCO3 、ZnO、B2 O3 、Li2
O3 を秤量し、ポリエチレン製ポットに水とともに入
れ、湿式混合後、脱水、乾燥した。この混合物を空気中
で850℃にて2時間仮焼した。なお、この仮焼によ
り、BaCO3 、Li2 CO3 は酸化物になり、副成分
の組成物が得られる。
【0012】次に、主成分の仮焼物と副成分の仮焼物と
を表1の試料NO. 1の組成になるように秤量し、ポリエ
チレン製ポットに水とともに入れ、湿式混合後、脱水、
乾燥して原料粉末を得た。次に、この粉末に有機バイン
ダーを加えて造粒し、この造粒物を直径9.8mm、厚
さ0.6mmの円板状に500kg/cm2 の圧力で加
圧成形して成形物を得た。次に、この成形物をジルコニ
アセッタ上にのせて空気中(酸化性雰囲気中)で900
℃の温度で焼成した。この焼成で得られた磁器の組成は
表1の試料NO. 1に示す組成を有する。
を表1の試料NO. 1の組成になるように秤量し、ポリエ
チレン製ポットに水とともに入れ、湿式混合後、脱水、
乾燥して原料粉末を得た。次に、この粉末に有機バイン
ダーを加えて造粒し、この造粒物を直径9.8mm、厚
さ0.6mmの円板状に500kg/cm2 の圧力で加
圧成形して成形物を得た。次に、この成形物をジルコニ
アセッタ上にのせて空気中(酸化性雰囲気中)で900
℃の温度で焼成した。この焼成で得られた磁器の組成は
表1の試料NO. 1に示す組成を有する。
【0013】次に、図1に示す磁器コンデンサ10を得
るために、焼成で得られた円板状誘電体磁器基体12の
両主面に銀ペーストを塗布して焼付けることによって一
対のコンデンサ電極14、16を形成した。
るために、焼成で得られた円板状誘電体磁器基体12の
両主面に銀ペーストを塗布して焼付けることによって一
対のコンデンサ電極14、16を形成した。
【0014】次に、完成した磁器コンデンサ10の比誘
電率εr 、Q、比誘電率の温度係数を求めたところ、表
3の試料NO. 1の欄に示すように、εr は11.5、Q
は1600、−25〜+20℃の範囲での温度係数Tε
-25 は−53ppm/℃、+20〜85℃の範囲での温
度係数Tε+85 は−50ppm/℃であった。なお、比
誘電率εr 及びQは20℃、1MHz、1Vの電圧を電
極14、16間に印加の条件で測定した。また、比誘電
率の温度係数Tε-25 及びTε+85 は1MHz、電圧1
Vの条件で磁器コンデンサの温度を−25℃及び+85
℃に変化させた時の誘電率εr の変化を測定し、次の式
に従って決定した。 Tε-25 ={(εr20 −εr-25)/εr20 }/45 Tε+85 ={(εr20 −εr+85)/εr20 }/65 なお、εr20 は+20℃の時の比誘電率を示し、εr-25
は−25℃の時の比誘電率を示し、εr+85は+85℃の
時の比誘電率を示す。
電率εr 、Q、比誘電率の温度係数を求めたところ、表
3の試料NO. 1の欄に示すように、εr は11.5、Q
は1600、−25〜+20℃の範囲での温度係数Tε
-25 は−53ppm/℃、+20〜85℃の範囲での温
度係数Tε+85 は−50ppm/℃であった。なお、比
誘電率εr 及びQは20℃、1MHz、1Vの電圧を電
極14、16間に印加の条件で測定した。また、比誘電
率の温度係数Tε-25 及びTε+85 は1MHz、電圧1
Vの条件で磁器コンデンサの温度を−25℃及び+85
℃に変化させた時の誘電率εr の変化を測定し、次の式
に従って決定した。 Tε-25 ={(εr20 −εr-25)/εr20 }/45 Tε+85 ={(εr20 −εr+85)/εr20 }/65 なお、εr20 は+20℃の時の比誘電率を示し、εr-25
は−25℃の時の比誘電率を示し、εr+85は+85℃の
時の比誘電率を示す。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】試料NO. 2〜43においても、誘電体磁器
の組成を表1及び表2に示すように変えた他は試料NO.
1と同一の方法で磁器コンデンサを作製し、また試料N
O. 1と同一の方法でεr 、Q、Tε-25 、Tε+85 を
測定したところ、表3及び表4に示す結果が得られた。
の組成を表1及び表2に示すように変えた他は試料NO.
1と同一の方法で磁器コンデンサを作製し、また試料N
O. 1と同一の方法でεr 、Q、Tε-25 、Tε+85 を
測定したところ、表3及び表4に示す結果が得られた。
【0018】表1〜表4の試料NO. 1〜17、24〜3
3から明らかなように、本発明に従う組成の磁器を使用
すると、比誘電率εr が6.7〜11.7、Qが100
0〜1400、比誘電率の温度係数Tε-25 、Tε+85
が−60ppm/℃〜+60ppm/℃の範囲のコンデ
ンサを得ることができる。一方、本発明で特定された組
成範囲に属さない試料NO. 18〜23、34〜43では
所望の特性を得ることができない。従って、これ等は比
較例である。
3から明らかなように、本発明に従う組成の磁器を使用
すると、比誘電率εr が6.7〜11.7、Qが100
0〜1400、比誘電率の温度係数Tε-25 、Tε+85
が−60ppm/℃〜+60ppm/℃の範囲のコンデ
ンサを得ることができる。一方、本発明で特定された組
成範囲に属さない試料NO. 18〜23、34〜43では
所望の特性を得ることができない。従って、これ等は比
較例である。
【0019】次に、本発明の高周波誘電体磁器の組成の
限定理由を説明する。
限定理由を説明する。
【0020】試料NO. 18に示す様にBaOのモル比x
が0.01の場合には900℃で焼結しないが、試料N
O. 3及び4に示す様にxが0.02になると所望の特
性を得ることができる。従って、xの下限は0.02で
ある。試料NO. 19に示す様にxが0.4の場合には9
00℃で焼結しないが、試料NO. 6に示すようにxが
0.3の場合には所望の特性を得ることができる。従っ
て、xの上限は0.3である。
が0.01の場合には900℃で焼結しないが、試料N
O. 3及び4に示す様にxが0.02になると所望の特
性を得ることができる。従って、xの下限は0.02で
ある。試料NO. 19に示す様にxが0.4の場合には9
00℃で焼結しないが、試料NO. 6に示すようにxが
0.3の場合には所望の特性を得ることができる。従っ
て、xの上限は0.3である。
【0021】試料NO. 20に示す様に、TiO2のモル
比を示すyが0.3の場合には比誘電率の温度係数Tε
-25 、Tε+85 が所望の範囲から外れるが、試料NO. 5
及び6に示す様にyが0.4の場合には所望の特性を得
ることができる。従って、yの下限は0.4である。試
料NO. 21に示す様にy が0.9の場合にはTε-25、
Tε+85 が共に所望の範囲から外れるが、試料NO. 2
及び3に示す様にyが0.85の場合には所望の特性が
得られる。従って、yの上限は0.85である。
比を示すyが0.3の場合には比誘電率の温度係数Tε
-25 、Tε+85 が所望の範囲から外れるが、試料NO. 5
及び6に示す様にyが0.4の場合には所望の特性を得
ることができる。従って、yの下限は0.4である。試
料NO. 21に示す様にy が0.9の場合にはTε-25、
Tε+85 が共に所望の範囲から外れるが、試料NO. 2
及び3に示す様にyが0.85の場合には所望の特性が
得られる。従って、yの上限は0.85である。
【0022】試料NO. 22に示す様に、ReO3/2 のモ
ル比を示すzが0.03の場合にはTε-25 、Tε+85
が所望の範囲から外れるが、試料NO. 1及び2に示す様
にzが0.05の場合には所望の特性が得られる。従っ
て、zの下限は0.05である。試料NO. 23に示す様
にzが0.52の場合にはTε-25 、Tε+85 が所望の
範囲から外れるが、試料NO. 4及び5に示す様にzが
0.5の場合には所望の特性が得られる。従って、zの
上限は0.5である。
ル比を示すzが0.03の場合にはTε-25 、Tε+85
が所望の範囲から外れるが、試料NO. 1及び2に示す様
にzが0.05の場合には所望の特性が得られる。従っ
て、zの下限は0.05である。試料NO. 23に示す様
にzが0.52の場合にはTε-25 、Tε+85 が所望の
範囲から外れるが、試料NO. 4及び5に示す様にzが
0.5の場合には所望の特性が得られる。従って、zの
上限は0.5である。
【0023】試料NO. 42に示す様に主成分が15重量
%の場合にはQが所定値よりも低く、且つTε-25 、T
ε+85 が所定範囲から外れるが、試料NO. 32に示す様
に主成分が20重量%の場合には所望の特性が得られ
る。従って、主成分の下限は20重量%である。試料N
O. 43に示す様に主成分が74重量%の場合には90
0℃で焼結しないが、試料NO. 33に示す様に主成分が
70重量%の場合には所望の特性が得られる。従って、
主成分の上限は70重量%である。
%の場合にはQが所定値よりも低く、且つTε-25 、T
ε+85 が所定範囲から外れるが、試料NO. 32に示す様
に主成分が20重量%の場合には所望の特性が得られ
る。従って、主成分の下限は20重量%である。試料N
O. 43に示す様に主成分が74重量%の場合には90
0℃で焼結しないが、試料NO. 33に示す様に主成分が
70重量%の場合には所望の特性が得られる。従って、
主成分の上限は70重量%である。
【0024】試料NO. 34に示す様にSiO2 が5重量
%の場合にはQが所望値よりも低くなるが、試料NO. 2
4に示す様にSiO2 が10重量%になると所望の特性
が得られる。従って、SiO2 の下限は10重量%であ
る。試料NO. 35に示す様にSiO2 が60重量%の場
合には900℃で焼結しないが、試料NO. 25に示す様
にSiO2 が55重量%の場合には所望の特性が得られ
る。従って、SiO2の上限は55重量%である。
%の場合にはQが所望値よりも低くなるが、試料NO. 2
4に示す様にSiO2 が10重量%になると所望の特性
が得られる。従って、SiO2 の下限は10重量%であ
る。試料NO. 35に示す様にSiO2 が60重量%の場
合には900℃で焼結しないが、試料NO. 25に示す様
にSiO2 が55重量%の場合には所望の特性が得られ
る。従って、SiO2の上限は55重量%である。
【0025】試料NO. 36に示す様にCaO、SrO、
BaO、ZnOからなる2族金属酸化物の合計が0.5
重量%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 2
6に示す様に上記の2族金属酸化物の合計が1重量%の
場合には所望の特性が得られる。従って、上記の2族金
属酸化物の下限は1重量%である。試料NO. 37に示す
様に上記の2族金属酸化物の合計が50重量%の場合に
はQが所望値よりも小さくなるが、試料NO. 27に示す
様に上記の2族金属酸化物の合計が40重量%の場合に
は所望の特性が得られる。従って、2族金属酸化物の上
限は40重量%である。
BaO、ZnOからなる2族金属酸化物の合計が0.5
重量%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 2
6に示す様に上記の2族金属酸化物の合計が1重量%の
場合には所望の特性が得られる。従って、上記の2族金
属酸化物の下限は1重量%である。試料NO. 37に示す
様に上記の2族金属酸化物の合計が50重量%の場合に
はQが所望値よりも小さくなるが、試料NO. 27に示す
様に上記の2族金属酸化物の合計が40重量%の場合に
は所望の特性が得られる。従って、2族金属酸化物の上
限は40重量%である。
【0026】試料NO. 38に示す様にB2 O3 が2重量
%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 28に
示す様にB2 O3 が3重量%の場合には所望の特性が得
られる。従って、B2 O3 の下限は3重量%である。試
料NO. 29に示す様にB2 O3 が35重量%の場合には
900℃で焼結しないが、試料NO. 29に示す様にB2
O3 が30重量%の場合には所望の特性が得られる。従
って、B2 O3 の上限は30重量%である。
%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 28に
示す様にB2 O3 が3重量%の場合には所望の特性が得
られる。従って、B2 O3 の下限は3重量%である。試
料NO. 29に示す様にB2 O3 が35重量%の場合には
900℃で焼結しないが、試料NO. 29に示す様にB2
O3 が30重量%の場合には所望の特性が得られる。従
って、B2 O3 の上限は30重量%である。
【0027】試料NO. 40に示す様にLi2 Oが0.0
5重量%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO.
30に示す様にLi2 Oが0.1重量%の場合には所望
の特性が得られる。従って、Li2 Oの下限は0.1重
量%である。試料NO. 41に示す様にLi2 Oが4重量
%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 29及
び31に示す様にLi2 Oが3重量%の場合には所望の
特性が得られる。従って、Li2 Oの上限は3重量%で
ある。
5重量%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO.
30に示す様にLi2 Oが0.1重量%の場合には所望
の特性が得られる。従って、Li2 Oの下限は0.1重
量%である。試料NO. 41に示す様にLi2 Oが4重量
%の場合には900℃で焼結しないが、試料NO. 29及
び31に示す様にLi2 Oが3重量%の場合には所望の
特性が得られる。従って、Li2 Oの上限は3重量%で
ある。
【0028】
【第2の実施例】第1の実施例の試料NO. 1〜17、及
び24〜33と同一の組成の誘電体磁器を使用して図2
に示す高周波用積層磁器コンデンサ18を複数種類作成
した。図2の積層磁器コンデンサ18は、誘電体磁器基
体20と、第1及び第2の内部電極22、24と、これ
等が接続された第1及び第2の外部電極26、28とか
ら成る。この実施例では、本発明に従う組成の磁器材料
のグリーンシート(未焼成磁器シート)を作製し、これ
に内部電極22、24を得るための銀ペーストを塗布
し、これ等を積層し、且つ上下に電極層を有さないカバ
ーシート(グリーンシート)を配置し、これ等を圧着し
た後にカットして所望の成形体を得、これを大気中で9
00℃で焼成して磁器基体20を得、この両側面に銀ペ
ーストを塗布して焼付けることによって磁器コンデンサ
を完成させた。この様に構成した積層磁器コンデンサに
おいても、第1の実施例と同様な特性が得られた。
び24〜33と同一の組成の誘電体磁器を使用して図2
に示す高周波用積層磁器コンデンサ18を複数種類作成
した。図2の積層磁器コンデンサ18は、誘電体磁器基
体20と、第1及び第2の内部電極22、24と、これ
等が接続された第1及び第2の外部電極26、28とか
ら成る。この実施例では、本発明に従う組成の磁器材料
のグリーンシート(未焼成磁器シート)を作製し、これ
に内部電極22、24を得るための銀ペーストを塗布
し、これ等を積層し、且つ上下に電極層を有さないカバ
ーシート(グリーンシート)を配置し、これ等を圧着し
た後にカットして所望の成形体を得、これを大気中で9
00℃で焼成して磁器基体20を得、この両側面に銀ペ
ーストを塗布して焼付けることによって磁器コンデンサ
を完成させた。この様に構成した積層磁器コンデンサに
おいても、第1の実施例と同様な特性が得られた。
【0029】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 誘電体磁器の成分であるBaO、TiO2 、R
eO3/2 、CaO、SrO、BaO、ZnO、B
2 O3 、Li2 Oを得るための出発原料は、酸化物、水
酸化物、炭酸塩、元素等から種々選択することができ
る。またSiO2 もこれ以外の化合物又は元素を出発材
料とすることができる。 (2) 磁器の焼成温度を例えば800〜1400℃の
範囲から選択することができる。 (3) 誘電体共振器、誘電体フィルタの誘電体ブロッ
クにも本発明の磁器を使用することができる。
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 誘電体磁器の成分であるBaO、TiO2 、R
eO3/2 、CaO、SrO、BaO、ZnO、B
2 O3 、Li2 Oを得るための出発原料は、酸化物、水
酸化物、炭酸塩、元素等から種々選択することができ
る。またSiO2 もこれ以外の化合物又は元素を出発材
料とすることができる。 (2) 磁器の焼成温度を例えば800〜1400℃の
範囲から選択することができる。 (3) 誘電体共振器、誘電体フィルタの誘電体ブロッ
クにも本発明の磁器を使用することができる。
【図1】第1の実施例の磁器コンデンサを示す正面図で
ある。
ある。
【図2】第2の実施例の積層磁器コンデンサを示す断面
図である。
図である。
12 磁器基体 14、16 電極
Claims (1)
- 【請求項1】xBaO+yTiO2 +zReO3/2 但し、x、y、zは0.02≦x≦0.3 0.4≦y≦0.85 0.05≦z≦0.5 x+y+z=1 を満足する数値、 ReはLa、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Er 、Y
bから選択された1種以上の希土類元素、 からなる20〜70重量%の主成分と、 10〜55重量%のSiO2 と、 1〜40重量%のCaO、SrO、BaO、ZnOから
選択された一種以上の2族金属酸化物と、 3〜30重量%のB2O3 と、 0.1〜3.0重量%のLi2Oとを含み、且つMgO
及びニオブ酸化物を含まない誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25069892A JP3325051B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25069892A JP3325051B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0676627A JPH0676627A (ja) | 1994-03-18 |
JP3325051B2 true JP3325051B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=17211716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25069892A Ceased JP3325051B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3325051B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5668076A (en) * | 1994-04-26 | 1997-09-16 | Mitsui Mining Smelting Co., Ltd. Et Al. | Photocatalyst and method for preparing the same |
US5827792A (en) * | 1994-08-30 | 1998-10-27 | Ube Industries, Ltd. | Dielectric ceramic composition |
US6485672B1 (en) * | 1999-02-26 | 2002-11-26 | Tdk Corporation | Method of manufacturing dielectric ceramic composition and electronic device containing dielectric layer |
JP4837204B2 (ja) * | 2001-05-01 | 2011-12-14 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | 誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法 |
JP4907850B2 (ja) * | 2003-06-11 | 2012-04-04 | 日本特殊陶業株式会社 | 低温焼成誘電体磁器組成物及びその製造方法 |
KR100768662B1 (ko) * | 2004-10-26 | 2007-10-18 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 세라믹 원료 조성물, 세라믹 기판 및 비가역 회로소자 |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP25069892A patent/JP3325051B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0676627A (ja) | 1994-03-18 |
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