JP4837204B2 - 誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びそれらの製造方法に関し、特に、マイクロ波領域においても高い比誘電率を有し、誘電損失が小さく、しかも絶縁抵抗が高く、安定した特性を有した誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサに関し、さらに低温での焼成を実現することで、電極材料に卑金属を用いることを可能とし、もって製造コストを大幅に低下させることを可能とする、誘電体磁器組成物と磁器コンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯電話、自動車電話、パーソナル無線機等の移動体通信や、衛星放送受信機などのように、ミリ波やマイクロ波等の高周波領域において利用される電子機器が急速に進歩している。これら高周波領域で使用される電子機器に搭載されるコンデンサ、フィルターあるいは共振器等のデバイスにおいては、高周波特性の一層の向上が要求されている。
高周波領域で使用されるデバイスに求められる高周波特性とは、比誘電率が大きいこと、Q値が大きいこと、誘電率の温度変化が小さいこと、さらに低温焼結が可能であること等である。
【0003】
例えば高周波領域で使用する共振器の場合、誘電体中において波長が誘電率の平方根の逆数に比例して短縮されることを利用する場合が多く、比誘電率が大きいと共振器の長さは誘電率の平方根の逆数に比例して短くすることができるからである。
また、高周波誘電材料では周波数による位相遅れ(δ)に起因する誘電エネルギー損失の評価基準として、Q=1/tanδで定義される品質係数(Q)を使用している。このQ値が大きいということは、誘電損失が小さいことを意味している。
さらに、コンデンサ、フィルターあるいは共振器等のデバイスにおいては共振周波数の温度変化を極力少なくするため、誘電率の温度変化も極力小さいこと(すなわち、温度係数(TC)が小さいこと)が望まれる。
また、電子デバイスの小型化を実現するために、内部に胴体電極を内蔵した表面実証型のデバイスが主流となりつつあるが、その場合デバイスの特性損失を抑制するために、導体電極としてはAgもしくはCuを用いることが好ましい。しかし、AgやCuは融点が低く、誘電体磁器を製造する際の1200〜1400℃の高温焼結に耐えられない難点がある。従って1000℃以下のより低温で焼結可能となることが、電極構成の点からもあるいはエネルギーコストの観点からも望まれる。
【0004】
従来、小型かつ大容量のコンデンサとして、セラミックスの誘電特性を利用した磁器コンデンサ(セラミックコンデンサ)が知られている。この磁器コンデンサは、ルチル型のTiO、ペロブスカイト型のBaTiO、MgTiO、CaTiO、SrTiO等の誘電体材料の単体、もしくはこれらを組み合わせることにより、所望の特性を有するコンデンサを得ている。また、前述の高周波領域で使用されるデバイスに要求される比誘電率が大きいこと、Q値が大きいこと及び誘電率の温度変化が小さいこと等の品質特性を具備した磁器コンデンサとしては、BaO−Nd −TiO−PbO系(特公昭56−26321号公報参照)やBaO−Sm−TiO−Bi系(特公昭59−51091号公報参照)等が知られている。さらに、低温焼結性を改善したものとしてはBaO−Sm−TiO−CuO−ZnO系(特開2000−26471号公報参照)やBaO−Sm −PrO−TiO系(特開2000−290068号公報参照)等が知られている。
【0005】
磁器コンデンサは、単層型と積層型に分類される。
単層磁器コンデンサは、上述した材料の粉末を加圧成形して、例えば、ペレット(円板状)、ロッド(円筒状)、チップ(角型状)等の成形体とし、この成形体を大気中で1200〜1400℃の温度で焼成して焼結体とし、この焼結体の表裏両面に電極を形成することにより得ることができる。
【0006】
また、積層磁器コンデンサは、上述した材料の粉末と有機バインダー及び有機溶剤を混練してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形した後脱脂してグリーンシートとし、このグリーンシート上にPtやPd等の貴金属からなる電極を印刷した後、これらのグリーンシートを厚み方向に重ね合わせ加圧して積層体とし、この積層体を大気中で1200〜1400℃の温度で焼成することにより得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の磁器コンデンサにおいては、マイクロ波領域では比誘電率が低く、誘電損失が大きく、絶縁抵抗が低いといった欠点がある。前述のとおり高周波領域で使用されるデバイスでは、電気的特性に優れた緻密な焼結体が要求される。このような緻密な焼結体を得るためには、1,200〜1,400℃という高温度での焼成が必要になり、エネルギーコストが嵩んでコスト高の要因となる。また、特に積層磁器コンデンサにおいては、電極材料に卑金属を用いた場合、この卑金属が高温焼成時に酸化されてセラミック層の間に高抵抗層を形成してしまうために、高温度でも安定なPtやPd等の貴金属材料を用いる必要があり、コストダウンを阻害するという問題点があった。
先に挙げた公知の高周波領域用の誘電体磁器組成物でも、焼結温度はたかだか920℃止まりであり、比誘電率とQ値が大きく、誘電率の温度変化が小さく、さらに加えて低温焼結を達成できるという特質を全て兼ね備えた誘電体磁器組成物は得られていない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、マイクロ波領域において使用される小型で大容量の磁器コンデンサであって、比誘電率が高く、誘電損失が小さい安定した特性を有し、しかも低温での焼成を実現することで電極材料に卑金属を用いることができ、もって製造コストを大幅に低下させることができる誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の誘電体磁器組成物はxBaO−ySm23−zTiO2(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加してなる誘電体磁器組成物とした。
このような誘電体磁器組成物とすることにより、高い比誘電率、良好な温度特性、高い品質係数を実現することが可能になり、マイクロ波領域等の高周波数領域における特性が安定化するとともに、高周波数領域における信頼性も向上する。また、低温焼成が可能となるので卑金属の電極材料が使用でき、製造コストも大幅に節減することが可能となる。
さらに有害なPbOを含まないので、環境に優しい製品とすることができる。
【0010】
本発明の誘電体磁器組成物においては、前記誘電体磁器組成物の主組成物に対して、酸化イットリウム(Y23)、酸化ホロニウム(Ho23)、酸化ジスプロシウム(Dy23)、酸化イッテルビウム(Yb23)又は酸化セリウム(Ce23)から選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を0.005〜2.5wt%添加したものとすることができる。
これらの希土類元素酸化物を微量添加することにより、Q値や比誘電率の温度係数(TC)を改善するのに役立つ効果を発揮する。
本発明の誘電体磁器組成物においては、さらに3wt%以下の少量のPbOもしくはBi23を添加して、低温焼結性を一層改善することができる。
【0011】
本発明の誘電体磁器組成物においては、前記副成分を含む誘電体磁器組成物100重量部に対して、さらに酸化アルミニウム(Al23)を0.005〜2重量部添加してなる誘電体磁器組成物とすることができる。
Al23を少量添加することにより、Q特性をさらに改善することができる。
また、本発明の誘電体磁器組成物においては、前記ガラス組成物として、ZnO−SiO2 系ガラスまたはLi2O−Al23−SiO2系ガラスのいずれかを使用することができる。
これらのガラス組成物を使用することにより、焼成温度を1050℃以下850℃まで引き下げることが可能となる。
【0012】
本発明の磁器コンデンサは、上記の本発明の誘電体磁器組成物からなる焼結体の両面に、端子電極を形成した磁器コンデンサである。
また、本発明の磁器コンデンサは、上記の本発明の誘電体磁器組成物からなるシート状に成形した焼結体と電極とを交互に積層した磁器コンデンサとすることもできる。
【0013】
本発明の磁器コンデンサにおいては、前記電極としてCu、Ni、W、Mo等の卑金属又は黒鉛等の炭素系物質を使用することができる。これらの物質を電極として使用すれば、価格が安く、焼成時に酸化されて磁器組成物の間に高抵抗層を形成ない。
【0014】
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は、xBaO−ySm23−zTiO2 (ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、さらに必要に応じて添加物として0.005〜2.5wt%のY23、Ho23、Dy23、Yb23もしくはCe23 のうちからから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物、又は0.005〜2重量部のAl23を添加した粉体を加圧成形して、バルク状もしくはシート状の成形体とし、この成形体を850〜1050℃の温度で焼成する方法を採用した。
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法によれば、電気特性を損なうことなく焼成温度を従来よりも350℃以上引下げることが可能となる。
【0015】
本発明の磁器コンデンサの製造方法は、xBaO−ySm23−zTiO2(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、さらに必要に応じて添加物として0.005〜2.5wt%のY23、Ho23、Dy23、Yb23もしくはCe23のうちからから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物、又は0.005〜2重量部のAl23を添加した粉体をバルク状に加圧成形した後、該バルク状の成形体の一対の主面に電極を形成し、次いで、この成形体を850〜1050℃の温度で焼成することを特徴とする磁器コンデンサの製造方法とした。 本発明の磁器コンデンサの製造方法によれば、電気特性を損なうことなく焼成温度を350℃以上引下げることが可能となる。
【0016】
本発明の磁器コンデンサの他の製造方法は、xBaO−ySm23−zTiO2 (ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加しさらに必要に応じて添加物として0.005〜2.5wt%のY23、Ho23、Dy23、Yb23もしくはCe23のうちからから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物、又は0.005〜2重量部のAl23 を添加した粉体をシート状に加圧成形した後、該シート状の成形体の一主面に電極を形成し、次いで、この成形体を複数枚厚み方向に重ね合わせ加圧して積層体とし、この積層体を850〜1050℃の温度で焼成することを特徴とする磁器コンデンサの製造方法とした。
この磁器コンデンサの製造方法によれば、電気特性を損なうことなく焼成温度を350℃以上引下げて、積層型の磁器コンデンサを得ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の誘電体磁器組成物の組成限定理由について説明する。
本発明の誘電体磁器組成物は、主組成物として酸化バリウム(BaO)、酸化サマリウム(Sm23)及び酸化チタニウム(TiO2 )の3成分で構成する。BaO、Sm23及びTiO2 各成分のモル分率x,y,zはそれぞれ0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75(ただし、x+y+z=1)とする。
BaOが5mol%以下では比誘電率及びQ値の低下を招く。また、BaOが30mol%以上では比誘電率が大きくなるものの、誘電率の温度係数(TC)の増大とQ値の低下を招く。
Sm23が5mol%以下では比誘電率が増加するが、誘電率の温度係数(TC)が増大し、Q値の低下を招く。また、Sm23が20mol%以上では製造する際の低温焼結が困難になり、比誘電率が低下する。
TiO2 が65mol%以下では誘電率の温度係数(TC)が増大し、Q値の低下を招く。また、TiO2 が75mol%以上では、製造する際の低温焼結が困難になる。
従って主組成物の適正なモル分率範囲は、上記のように定める。
【0018】
本発明の誘電体磁器組成物は、上記の主組成物に加え、副成分として酸化銅(CuO)を主成分に対して0.05〜8wt%、酸化亜鉛(ZnO)を主成分に対して0.01〜5wt%及びガラス組成物を主成分に対して0.1〜10wt%含んだものとする。これらの副成分は、いずれも焼結助剤として作用するものであり、これらの副成分を適正範囲含有することにより、焼成温度を従来の1,200〜1,400℃の高温から、850〜1050℃といった低温で焼成することが可能となる。
CuOは、0.05wt%以下では低温焼結性の効果が得られず、Q値の低下を招く。また、8wt%以上ではQ値の低下及び絶縁抵抗の低下を引き起こす。
ZnOは、0.01wt%以下では低温焼結性の効果が得られず、Q値の低下を招く。また、5wt%以上では比誘電率とQ値の低下を引き起こす。
【0019】
また、本発明の誘電体磁器組成物において、前記ガラス組成物としては、添加しても特性に悪影響を及ぼすことが無く、主組成物の成分とのぬれ性が良く、しかも850〜1050℃の温度で軟化および/または溶融するガラスが好ましく、例えば、Bi23−SiO2 系ガラスまたはLi2O−Al23−SiO2系ガラス等を使用する。
ガラス組成物は低温焼結性を促進させる効果があり、焼結助剤として添加するものである。その添加量は0.1〜10wt%が適する。その理由は、添加量が0.1wt%以下では低温焼結性を促進させる効果がなく、10wt%以上ではQ値の低下及び絶縁抵抗の低下を引き起こすからである。
従って、副成分の成分範囲は上記の通りに設定した。
【0020】
本発明の誘電体磁器組成物においては、前記誘電体磁器組成物の主組成物に対して、第1の添加物として酸化イットリウム(Y23)、酸化ホロニウム(Ho23)、酸化ジスプロシウム(Dy23)、酸化イッテルビウム(Yb23)又は酸化セリウム(Ce23)から選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を0.005〜2.5wt%の範囲で加えることができる。
これらの希土類元素酸化物を微量添加することにより、Q値や比誘電率の温度係数(TC)を改善するのに役立つ効果を発揮する。
希土類元素酸化物を添加することによりQ値を大きくすることができるが、添加量が0.005wt%以下では効果が認められず、2.5wt%以上では低温焼結性が阻害されるようになる。
【0021】
本発明の誘電体磁器組成物においては、第2の添加物として少量のPbO又はBi23を添加したものとすることもできる。少量のPbO又はBi23は低温焼結を促進するのに効果があり、比誘電率も向上させる。添加量が3wt%を越えると絶縁抵抗の低下やQ値の低下などを引き起こすので好ましくない。
【0022】
本発明の誘電体磁器組成物は、上記の第2の添加物に加え、第3の添加物としてさらに酸化アルミニウム(Al23 )を添加したものであってもよい。Al23を微量添加することにより、品質係数(Q値)を大きくすることができる。
Al23の適正な添加量は、上記主組成物及び副組成物からなる誘電体磁器組成物100重量部に対して0.005〜2重量部である。あるいはまた上記第1の添加物を含む場合には、主組成物、副組成物及び第1の添加物からなる誘電体磁器組成物100重量部に対して0.005〜2重量部である。
Al23の添加量は、0.005重量部以下では効果を発揮させることはできず、2重量部以上ではかえってQ値を低下させるからである。従って、Al23 の適正な添加量は、0.005〜2重量部とする。
【0023】
本発明の誘電体磁器組成物を得るには、上記主成分組成となるようにそれぞれの成分を所定量秤量し、所定量の水、エタノールもしくはアセトンなどの有機溶媒からなる分散媒とともにボールミルに収容し、所定時間、例えば4〜24時間混合・粉砕し、その後脱水もしくは脱有機溶媒したのち乾燥する。次いで、この乾燥粉末を1000〜1400℃の温度で1〜24時間仮焼成を行う。
次いで、この仮焼した主成分に、所定量の副成分及び必要により添加物を加え、水等の分散媒を加えて均一に混合・粉砕し、平均粒径が1μm以下の微粉末とする。その後、この微粉末を脱水乾燥し、再度600〜800℃の温度で1〜15時間仮焼する。その後、平均粒径が0.8μm以下になるまで微粉砕する。
次に、得られた仮焼微粉末に適量の有機バインダー等を加えて均一に混合した後、例えば直径20mm、厚さ2mm程度のペレット状あるいはロッド状もしくはチップ状に加圧成形し、大気中で850〜1050℃の温度で1〜24時間焼成して誘電体磁器組成物を得る。
有機バインダーとしては、PVA( polyvinyl alcohol)水溶液の他、エチルセルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液(アクリルバインダー)等を用いることができる。
【0024】
本発明の誘電体磁器組成物は、850〜1050℃と従来よりも低い温度で焼成して得られる特徴がある。上記のようにして得られた誘電体磁器組成物は、マイクロ波領域において高い比誘電率を有し、誘電損失が低くしかも高い絶縁抵抗を有しているので、マイクロ波領域用のコンデンサをはじめとするデバイス用として極めて有用である。
【0025】
次に、本発明の磁器コンデンサについて説明する。
本発明の磁器コンデンサは、上述の本発明になる誘電体磁器組成物を用いることにより、マイクロ波のような高周波数帯域においても比誘電率が高く、誘電損出が小さく、しかも誘電率の温度係数が小さな安定した特性を有する磁器コンデンサである。
また、前記誘電体磁器組成物を用いるため、850〜1050℃の従来よりも低温で焼成することが可能になり、内部電極に安価な卑金属または炭素系物質を用いることが可能となるとともに、製造コストを低減することができる。
【0026】
前記卑金属としては、導体としての特性を有し、しかも信頼性の高い金属、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属から選択された1種、または2種以上を含む金属又は合金が好ましい。
また、炭素系物質としては、カーボン(無定形炭素)、グラファイト(石墨、黒鉛)、またはこれらの混合物が好適である。
【0027】
本発明の磁器コンデンサは、前記本発明になる誘電体磁器組成物の焼結体表面に、上述の卑金属からなる端子電極を形成して構成したものである。以下に具体的実施形態を挙げて、本発明の磁器コンデンサを説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の磁器コンデンサ(セラミックコンデンサ)を示す断面図であり、単層型の磁器コンデンサの例を示している。図において、符号1はバルク状の本発明になる誘電体磁器組成物、2は誘電体磁器組成物1の両面に形成された端子電極、3は端子電極2に接続されたリード線、4は誘電体磁器組成物1及び端子電極2を封止するエポキシ樹脂である。
【0028】
誘電体磁器組成物1は、xBaO−ySm23−zTiO2 (ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、さらに必要に応じて0.005〜2.5wt%のY23、Ho23、Dy23、Yb23もしくはCe23のうちから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物、又は0.005〜2重量部のAl23を添加してなる誘電体磁器組成物を、板状に加圧成形して850〜1050℃で1〜24時間焼成したものである。
【0029】
端子電極2としては、導体としての特性を有し、しかも信頼性の高い材料、例えば、AgもしくはAg−10Pd合金等を用いることができる。又は、例えば卑金属であるCu、Ni、WもしくはMoまたはこれらの合金、あるいは、カーボン、グラファイト、これらの混合物等の炭素質材料を用いても良い。
【0030】
次に、この磁器コンデンサの製造方法について説明する。
まず、前述したように、特定組成を有する誘電体磁器組成物の板状焼結体を製造し、該板状焼結体の両面に端子電極を形成する。
端子電極は、Cu、Ni、W、Mo等の卑金属若しくはこれらの合金、または、カーボン、グラファイト、カーボンとグラファイトの混合物等の導電材料の粉末に、有機バインダー、分散剤、有機溶剤、必要に応じて還元剤等を所定量加えた後に混練し、所定の粘度とした導電ペーストを、所定のパターンに印刷して窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中あるいは窒素−水素還元性ガス雰囲気中で、焼成し端子電極を形成する。
この磁器コンデンサは、高周波領域においても安定した比誘電率(ε)、品質係数(Q値)、誘電率の温度係数(TC)を有する。
【0031】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態である積層型の磁器コンデンサを示す断面図である。
図において、符号11はシート状の本発明になる誘電体磁器組成物焼結体、12は薄厚の内部電極、13、14は端子電極であり、誘電体磁器組成物焼結体11を8層、内部電極12を7層交互に積層した構成になっている。
【0032】
誘電体磁器組成物焼結体11は、先の第1の実施形態と同様のxBaO−ySm23−zTiO2 (ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、さらに必要に応じて0.005〜2.5wt%のY23、Ho23、Dy23、Yb23もしくはCe23のうちから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物、又は0.005〜2重量部のAl23を添加してなる誘電体磁器組成物を、シート状に加圧成形して850〜1050℃で1〜24時間焼成したものである。
【0033】
内部電極12及び端子電極13、14も、先の第1の実施形態と同様の電極材料を使用して形成したものである。先の第1の実施形態と異なる点は、電極を有する誘電体磁器組成物が1枚ではなく、シート状にして複数枚積層して構成した点である。
この積層磁器コンデンサの製造方法について説明すると、まず前述したように、特定組成を有する誘電体磁器組成物のシート状焼結体を製造し、該シート状焼結体の両面に端子電極を形成する。
【0034】
シート状焼結体を得るには、特定組成を有する粉体を所定量の水もしくはエタノール、アセトン等の有機溶媒等の分散媒とともにボールミルに収容し、所定時間、例えば24時間混合・粉砕し、その後脱水もしくは脱有機溶媒した後乾燥する。
次いで、この乾燥粉に所定量の有機バインダー及び有機溶剤を加えた後、ライカイ機、混練機等を用いて混練し、所定の粘度を有するスラリーとする。有機バインダーとしては、PVA( polyvinyl alcohol)水溶液の他、エチルセルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液等を用いることができる。
次いで、ドクターブレード法により、このスラリーをシート状に成形し脱脂してグリーンシートとし、このグリーンシート状の誘電体磁器組成物の両面に、先の第1の実施形態と同様に導電ペーストを使用して内部電極を形成する。
【0035】
さらに、このようにして得られた内部電極付きのグリーンシートを厚み方向に重ね合わせ、厚み方向に加圧して積層体とする。
次いで、この積層体を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中あるいは窒素−水素還元性ガス雰囲気中で、850〜1050℃の温度で1〜24時間焼成して、シート状の誘電体磁器組成物を得る。その後、両側面に端子電極13、14を形成し、全体をエポキシ樹脂等の封止材で覆って積層型の磁器コンデンサとする。
この磁器コンデンサも、高周波領域において高い比誘電率(ε)、品質係数(Q値)、小さな誘電率の温度係数(TC)を有する安定した特性を示すものとなる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(実施例、比較例)
図1に示すような構造の単層型の磁器コンデンサを作成した。
まず、表1及び表2に示す組成となるように、主成分となる粉末状のBaO、Sm23、TiO2 をそれぞれ所定料秤量して配合し、これらの粉末原料を分散材として使用した所定量の水と共にボールミルに装入し、6時間混合・粉砕し、その後脱水・乾燥を行った。その後1100℃で3時間仮焼した。
次いでこの仮焼した主成分粉末に、副組成物として表1及び表2に示すCuO、ZnO、及びガラス組成物を配合し、水を加えて混合粉砕して平均粒径1μm以下の微粉末になるまで粉砕した。ここではガラス組成物としてZnO−SiO2 系ガラスを使用した。さらに表1及び表2に示すとおり、第1の添加物としてY23、Ho23、第2の添加物としてPbO、Bi23、第3の添加物としてAl23を添加した。なお、Al23を添加する場合には、上記の所定量の主組成物と第1及び第2の添加物の混合物に対して、表1及び表2に示す量のAl23を添加した。
【0037】
【表1】
Figure 0004837204
【0038】
【表2】
Figure 0004837204
【0039】
次いで、この微粉末を再度650〜750℃の温度で3時間仮焼成した後、自動乳鉢を用いて1〜24時間粉砕し、平均粒径0.8μm以下の仮焼した微粉末とした。
次いで、この仮焼微粉末に所定量の有機バインダーを加えて均一混合した後、加圧成型器を使用して直径20mm,厚さ2mmのペレットとした。有機バインダーとしては、PVA(polyvinyl alcohol)水溶液を用いた。
次いで、成形機を用いて、この造粒粉を直径20mm、厚さ2mmのペレットに成形した。
次に、このペレットを大気中で830〜1050℃の温度で1〜24時間焼成し、円板状の誘電体磁器組成物焼結体を得た。
【0040】
次に、上記のようにして得られた誘電体磁器組成物焼結体の両表面に、グラファイト粉末に所定量の有機バインダ、分散剤、有機溶剤を加えて混練し、適当な粘度とした導電ペーストを、所定のパターンに印刷して窒素ガス中で焼成し、端子電極を形成した。このようにして単層型の磁器コンデンサを得た。
このようにして得た磁器コンデンサの電気特性を測定した。測定結果を表3及び表4に示す。
【0041】
【表3】
Figure 0004837204
【0042】
【表4】
Figure 0004837204
【0043】
ここでは、比誘電率(ε)は、25℃において、1MHz、1Vrms の条件下で測定を行った。
品質係数(Q)は、1MHz、25℃の条件下で測定した。
温度特性(TC)は、25℃での静電容量C1及び125℃での静電容量C2をそれぞれ測定し、これらの測定値を次式に代入することで温度特性(Tc )を算出した。
TC(ppm/℃)=((C2−C1)×106)/(C1×(125−25))
比抵抗(R(Ω・cm))は、25℃において1000Vの直流電圧を印加したときの1分後の電流値を測定し、これら電圧値及び電流値より比抵抗を算出した。
【0044】
表3及び表4を見ると、試料番号1及び2は主成分のBaO及びTiO2 の量が不適正なため、焼結体の密度が低く、比誘電率が低かったり、比誘電率の温度係数の大きなものがある。
試料番号4及び5は主成分のSm23の量が不適正なため、比誘電率が低かったり、比誘電率の温度係数の大きくなったり、焼結体の密度が低いものとなる。
試料番号12は、第2の添加物であるAl23の添加量が多すぎるため、低温焼結が困難となって焼結体の密度が低くなっている。
試料番号13は、焼結温度が低すぎて充分な焼結密度が得られていない。
試料番号17は、ガラス成分の添加量が多すぎるため、Q値及び絶縁抵抗が低く、比誘電率の温度係数が大きくなっている。
試料番号18は、ガラス成分の添加量が少なすぎるため、低温焼結性が改善されておらず、焼結体の密度が低く、比誘電率も低くなっている。
【0045】
試料番号19は、副成分であるCuOの添加量が少ないので低温焼結性も改善されておらず、焼結体の密度が低くてQ値も低くなっている。
逆に試料番号20は、副成分であるCuOの添加量が多いので、絶縁抵抗が低下し、比誘電率の温度係数の大きくなっている。
試料番号21及び22は、副成分であるZnOの添加量が不適正であるため絶縁抵抗が低く、比誘電率の温度係数の大きくなっていたり、低温焼結性が悪く密度が低くて比誘電率も低くなる。
試料番号23は、主組成物であるTiO2 の割合が多すぎるため、低温焼結性が悪化して焼結体の密度が低く、比誘電率も低くなっている。
試料番号25及び26は、第2の添加物成分であるPbO又はZnOの添加量が不適正であるため、Q値が低く比誘電率の温度係数(TC)が大きくなっている。
試料番号29及び試料番号30は、第1の添加物である希土類元素酸化物の添加量が不適正であるため、低温焼結性が悪く、密度が低くて比誘電率とQ値が共に低くなる。
以上のように比較例の磁器コンデンサは、比誘電率(ε)、品質係数(Q)、温度特性(TC)のいずれかが本発明の磁器コンデンサに比べて劣っていることが明かである。
【0046】
これに対して表3及び表4から明かなように、本発明の磁器コンデンサは、高周波領域においても比誘電率(ε)、品質係数(Q)及び絶縁抵抗が共に高く、誘電率の温度係数(TC)が小さく、しかもいずれも安定していることが分かる。また、850〜900℃の低温焼結でも充分密度の高い焼結体が得られ、電気特性も満足のいく値が得られている。さらに、金属顕微鏡を用いて、本発明の磁器コンデンサの表面状態を観察したところ、粒界に空孔等が認められず、緻密な焼結体であることが確認された。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁器コンデンサによれば、高周波数領域においても高い比誘電率と高い品質係数を実現し、しかも比誘電率の温度係数が小さく、良好な特性を発現させることができる。したがって、マイクロ波等の高周波数領域における特性が安定化して、高周波数領域におけるデバイスの信頼性が向上する。
【0048】
また、855〜1050℃の低い温度で焼成可能であるので、内部電極に安価な卑金属または炭素系物質を用いることができ、特性を低下させずに製造コストを低減することができる。
さらに、低温焼成が可能なので焼成に要するエネルギーコストと焼成時間が大幅に節減できるので、安価にデバイスを供給することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の単層磁器コンデンサを示す断面
図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態の積層磁器コンデンサを示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・・・・誘電体磁器組成物焼結体、
2・・・・・・端子電極、
3・・・・・・リード線、
4・・・・・・エポキシ樹脂
11・・・・・・誘電体磁器組成物焼結体、
12・・・・・・内部電極
13、14・・・・・・端子電極

Claims (13)

  1. xBaO−ySm−zTiO(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物粉末に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%ガラス組成物を0.1〜10wt%、及びY 、Ho 、Dy 、Yb 又はCe から選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を0.005〜2.5wt%添加してなる粉末であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 前記請求項1に記載の誘電体磁器組成物に対して、さらにPbO又はBiのうち少なくとも1種を3wt%以下添加してなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の誘電体磁器組成物100重量部に対して、さらにAlを0.005〜2重量部添加してなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  4. 前記ガラス組成物は、ZnO−SiO系ガラスまたはLiO−Al−SiO系ガラスであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の誘電体磁器組成物。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の誘電体磁器組成物焼結体の両面に、電極を形成してなることを特徴とする磁器コンデンサ。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の誘電体磁器組成物からなるシート状の焼結体と電極とを交互に積層してなることを特徴とする磁器コンデンサ。
  7. 前記電極は、卑金属または炭素系物質からなることを特徴とする請求項または請求項に記載の磁器コンデンサ。
  8. xBaO−ySm−zTiO(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物粉末に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、添加物として0.005〜2.5wt%のY、Ho、Dy、YbもしくはCeのうちから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を添加した粉体を、加圧成形してバルク状もしくはシート状の成形体とし、この成形体を850〜1050℃の温度で焼成することを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  9. xBaO−ySm−zTiO(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物粉末に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、添加物として0.005〜2.5wt%のY、Ho、Dy、YbもしくはCeのうちから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を添加した粉体をバルク状に加圧成形した後、該バルク状の成形体の一主面に電極を形成し、次いで、この成形体を850〜1050℃の温度で焼成することを特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
  10. xBaO−ySm−zTiO(ただし、x+y+z=1、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75)からなる主組成物粉末に、副成分としてCuOを0.05〜8wt%とZnOを0.01〜5wt%及びガラス組成物を0.1〜10wt%添加し、添加物として0.005〜2.5wt%のY、Ho、Dy、YbもしくはCeのうちから選ばれた少なくとも1種以上の希土類元素酸化物を添加した粉体をシート状に加圧成形した後、該シート状の成形体の一主面に電極を形成し、次いで、この成形体を複数枚厚み方向に重ね合わせ、加圧して積層体とし、この積層体を850〜1050℃の温度で焼成することを特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
  11. 前記添加物として0.005〜2重量部のAl をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  12. 前記添加物として0.005〜2重量部のAl をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の磁器コンデンサの製造方法。
  13. 前記添加物として0.005〜2重量部のAl をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の磁器コンデンサの製造方法。
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