JP2005187236A - 誘電体磁器組成物と磁器コンデンサ及び誘電体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物と磁器コンデンサ及び誘電体磁器組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は比誘電率が高く、誘電損失が小さい安定した特性を有し、しかも低温での焼成を実現することで電極材料に卑金属を用いることができ、もって製造コストを大幅に低下させることができる誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及び誘電体磁器組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は従来品よりも低温で焼結可能であり、マイクロ波領域においても高い比誘電率と、低い誘電損失と、高い絶縁抵抗を有する低温焼結性誘電体磁器組成物に関するものである。
近年、例えば携帯電話、自動車電話、パーソナル無線機等の移動体通信や、衛星放送受信機などのように、ミリ波やマイクロ波等の高周波領域において利用される電子機器が急速に進歩している。これら高周波領域で使用される電子機器に搭載されるコンデンサ、フィルタあるいは共振器等のデバイスにおいては、高周波特性の一層の向上が要求されている。高周波領域で使用されるデバイスに求められる高周波特性とは、比誘電率が大きいこと、Q値が大きいこと、誘電率の温度変化が小さいこと、さらに低温焼結が可能であること等である。
例えば高周波領域で使用する共振器の場合、誘電体中において波長が誘電率の平方根の逆数に比例して短縮されることを利用する場合が多く、比誘電率が大きいと共振器の長さは誘電率の平方根の逆数に比例して短くすることができるからである。
また、高周波誘電材料では周波数による位相遅れ(δ)に起因する誘電エネルギー損失の評価基準として、Q=1/tanδで定義される品質係数(Q)を使用している。このQ値が大きいということは、誘電損失が小さいことを意味している。
さらに、コンデンサ、フィルターあるいは共振器等のデバイスにおいては共振周波数の温度変化を極力少なくするため、誘電率の温度変化も極力小さいこと(すなわち、温度係数(TC)が小さいこと)が望まれる。
従来、小型かつ大容量のコンデンサとして、セラミックスの誘電特性を利用した磁器コンデンサ(セラミックコンデンサ)が知られている。この種の磁器コンデンサは、ルチル型のTiO2、ペロブスカイト型のBaTiO3、MgTiO3 、CaTiO3、SrTiO3等の誘電体材料の単体、もしくはこれらを組み合わせることにより、所望の特性を有するコンデンサを得ている。
また、前述の高周波領域で使用されるデバイスに要求される比誘電率が大きいこと、Q値が大きいこと及び誘電率の温度変化が小さいこと等の品質特性を具備した磁器コンデンサとしては、BaO−Nd23−TiO2 −PbO系やBaO−Nd23−TiO2 −Bi23系等が知られている。
さらに、低温焼結性を改善したものとしてはBaO−Nd23−TiO2 −CuO−ZnO系やBaO−Nd23−Sm23−PrO2−TiO2系(特許文献1参照)等が知られている。
また、積層磁器コンデンサは、上述した材料の粉末と有機バインダー及び有機溶剤を混練してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形した後、脱脂してグリーンシートとし、このグリーンシート上にPtやPd等の貴金属からなる電極を印刷した後、これらのグリーンシートを厚み方向に重ね合わせ加圧して積層体とし、この積層体を大気中で1200〜1400℃の高温度で焼成することにより得ることができる。
特開2000−290068号公報
従来、この種の目的に適用される磁器コンデンサは、BaTiO系、TiO系などのセラミックス誘電体材料が適用されていた。即ち、これらの材料をシート状に成形し、電極を印刷し、積層するという工程を繰り返すことで積層セラミックコンデンサを製造していたが、これらの材料において特性を満足させるためには、焼成温度を1200〜1400℃といった高温度に設定する必要があった。このため、内部電極材料としてCuやAlなどの融点の低い材料は使用することができず、PtやPdなどの非常に高価な高融点金属材料を使用しなくてはならないという問題があった。
また、電子デバイスの小型化を実現するために、内部に導体電極を内蔵した表面実証型のデバイスが主流となりつつあるが、その場合、デバイスの特性損失を抑制するために、導体電極としてはAgもしくはCuなどの高導電性金属材料を用いることが好ましい。しかし、AgやCuは融点が低く、誘電体磁器を製造する際の1200〜1400℃の高温焼結に耐えられない難点がある。従って1000℃以下の、より低温で焼結可能となることが、電極構成の点からも、あるいは、エネルギーコストの観点からも望まれている。
また、先に挙げた公知の高周波領域用の誘電体磁器組成物において、焼結温度を低下させたタイプにおいても焼結温度はたかだか920℃止まりであり、比誘電率とQ値が大きく、誘電率の温度変化が小さく、さらに加えて低温焼結を達成できるという特質を全て兼ね備えた誘電体磁器組成物は得られていないのが現状である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、マイクロ波領域において使用される小型で大容量の誘電体磁器組成物および磁器コンデンサであって、比誘電率が高く、誘電損失が小さい安定した特性を有し、しかも低温での焼成を実現することで電極材料に卑金属を用いることができ、もって製造コストを大幅に低下させることができる誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及び誘電体磁器組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなることを特徴とする。
本発明において前記ガラス組成物がZnO−SiO系ガラスであっても良い。
本発明の磁器コンデンサは、先に記載の低温焼結性誘電体磁器組成物の両面に電極が形成されてなることを特徴とする。
本発明の磁器コンデンサは、先に記載の低温焼結性誘電体磁器組成物からなるシート状の焼結体と電極とが交互に積層されてなることを特徴とする。
本発明において、前記電極が卑金属または炭素系物質からなるものでも良い。
本発明の製造方法は、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物11〜20wt%と、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%含有させてなる粉体を、加工成形してバルク状もしくはシート状の成形体とし、この成形体を850〜920℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする。
本発明の製造方法は、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に、ガラス組成物11〜20wt%と、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%含有させてなる粉体を、バルク状に加工成形した後、該バルク状の成形体の一主面に電極を形成し、次いでこの成形体を厚さ方向に複数枚積み重ね、加圧して積層体とし、この積層体を850℃〜920℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする。
このような誘電体磁器組成物とすることにより、焼結温度を850〜920℃の範囲であって従来の焼結温度よりも低温度で焼結できるようになり、その結果、高価なPtやPdを内部電極に使用する必要が無くなり、安価なAgなどの導電材料で電極を形成できるようになる効果がある。従って製造コストも大幅に節減することが可能となる。また、前述の低温度で焼結し、製造した場合であっても、高い比誘電率、良好な温度特性、高い品質係数を実現することが可能になり、マイクロ波領域等の高周波数領域における特性が安定化するとともに、高周波数領域における信頼性も向上する。
次に、本発明に係る第1の実施の形態の構成について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る誘電体磁器を組み込んでなる第1の実施の形態の磁器コンデンサ(セラミックコンデンサ)Aを示す構成図であり、単層型の磁器コンデンサに適用した一例を示している。図1においてこの実施の形態の磁器コンデンサAは、符号1で示すバルク状の本発明に係る誘電体磁器組成物と、誘電体磁器組成物1の両面に形成された端子電極2と、各端子電極2の外面側に接続されたリード線3と、誘電体磁器組成物1及び端子電極2の全体とリード端子3の一部を封止するエポキシ樹脂層4とから構成されている。
前記誘電体磁器組成物1は、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなる誘電体磁器組成物を、板状に加圧成形して例えば850〜920℃で1〜24時間程度焼成したものである。
本発明に係る誘電体磁器組成物1において、添加するガラス組成物としては、添加しても特性に悪影響を及ぼすことが無く、主組成物の成分とのぬれ性が良く、しかも添加した際に850〜920℃の温度で軟化および/または溶融するガラスが好ましく、例えば、ZnO−SiO2 系ガラス組成物を使用することができる。
このガラス組成物は低温焼結性を促進させる効果があり、焼結助剤として添加するものである。その添加量は11〜20wt%が適する。その理由は、低温焼結性を促進するとともに、添加量が11wt%未満では品質係数を優秀な値とすることが難しく、20wt%を超えると比誘電率の低下及び絶縁抵抗の低下を引き起こすからである。従って、ガラス組成物の成分範囲は上記の通りに設定した。
上述の特定組成を有する誘電体磁器組成物の板状焼結体を製造し、該板状焼結体の両面に端子電極2を形成する。
端子電極2は、Cu、Ni、W、Mo等の卑金属若しくはこれらの合金、または、カーボン、グラファイト、カーボンとグラファイトの混合物等の導電材料の粉末に、有機バインダー、分散剤、有機溶剤、必要に応じて還元剤等を所定量加えた後に混練し、所定の粘度とした導電ペーストを、所定のパターンに印刷して窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中あるいは窒素−水素還元性ガス雰囲気中で、焼成し端子電極2を形成することができる。これらを用いることができるのは、850〜920℃の低温焼結を行っても誘電体磁器組成物として優れた特性を得られることに起因する。
勿論、これらの材料の他に、導体としての特性を有し、しかも信頼性の高い材料、例えば、AgもしくはAg−10Pd合金等を用いることもできる。
本発明の誘電体磁器組成物1を得るには、上記主組成物成分組成となるようにそれぞれの成分を所定量秤量し、所定量の水、エタノールもしくはアセトンなどの有機溶媒からなる分散媒とともにボールミルに収容し、所定時間、例えば4〜24時間混合・粉砕し、その後脱水もしくは脱有機溶媒したのち乾燥する。次いで、この乾燥粉末を1000〜1400℃の温度で1〜24時間仮焼成を行う。
次いで、この仮焼した主成分に、所定量の副成分(ガラス組成物)及び必要により添加物(CuO)を加え、水等の分散媒を加えて均一に混合・粉砕し、平均粒径が1μm以下の微粉末とする。その後、この微粉末を脱水乾燥し、再度600〜800℃の温度で1〜15時間仮焼する。その後、平均粒径が0.8μm以下になるまで微粉砕する。
次に、得られた仮焼微粉末に適量の有機バインダー等を加えて均一に混合した後、例えば直径20mm、厚さ2mm程度のペレット状あるいはロッド状もしくはチップ状に加圧成形し、大気中で850〜920℃の温度で1〜24時間焼成して誘電体磁器組成物1を得ることができる。
有機バインダーとしては、PVA(polyvinyl alcohol)水溶液の他、エチルセルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液(アクリルバインダー)等を用いることができる
本発明の誘電体磁器組成物1は、850〜920℃と従来よりも低い温度で焼成して得られる特徴がある。上記のようにして得られた誘電体磁器組成物1は、マイクロ波領域において高い比誘電率を有し、誘電損失が低くしかも高い絶縁抵抗を有しているので、マイクロ波領域用のコンデンサをはじめとするデバイス用として極めて有用である。
本発明に係る磁器コンデンサAは、上述の本発明になる誘電体磁器組成物1を用いることにより、マイクロ波のような高周波数帯域においても比誘電率が高く、誘電損出が小さく、しかも誘電率の温度係数が小さな安定した特性を有する磁器コンデンサとなる。
また、前記誘電体磁器組成物1を用いるため、850〜920℃の従来よりも低温で焼成することが可能になり、内部電極に前述した安価な卑金属または炭素系物質を用いることが可能となるとともに、製造コストを低減することができる。
従って図1に示す磁器コンデンサAは、高周波領域においても安定した比誘電率(ε)、品質係数(Q値)、誘電率の温度係数(TC)を有する。
次に、図1に示す構造の磁器コンデンサの製造方法について説明する。
まず、前述したように、特定組成を有する誘電体磁器組成物1の板状焼結体を製造し、該板状焼結体の両面に前述した端子電極を形成する。最後にリード端子の先端部を除く部分をエポキシ樹脂等の封止剤で封止することにより図1に示す磁器コンデンサAを得ることができる。
図2は、本発明の第2の実施形態である積層型の磁器コンデンサBの一例を示す断面図である。
図2において、符号11はシート状の本発明に係る誘電体磁器組成物、12は薄厚の内部電極、13、14は端子電極であり、誘電体磁器組成物11を8層、内部電極12を7層交互に積層した構成になっている。
誘電体磁器組成物焼結体11は、先の第1の実施の形態と同様の材料、即ち、一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなる誘電体磁器組成物を、シート状に加圧成形して例えば850〜920℃で1〜24時間程度焼成したものである。
内部電極12及び端子電極13、14も、先の第1の実施の形態と同様の電極材料を使用して形成したものである。先の第1の実施形態と異なる点は、電極を有する誘電体磁器組成物が1枚ではなく、シート状にして複数枚積層して構成された点である。
この積層磁器コンデンサBの製造方法について説明すると、まず前述したように、特定組成を有する誘電体磁器組成物のシート状焼結体を製造し、該シート状焼結体の両面に端子電極を形成する。
シート状焼結体を得るには、特定組成を有する粉体を所定量の水もしくはエタノール、アセトン等の有機溶媒等の分散媒とともにボールミルに収容し、所定時間、例えば24時間混合・粉砕し、その後脱水もしくは脱有機溶媒した後乾燥する。
次いで、この乾燥粉に所定量の有機バインダー及び有機溶剤を加えた後、ライカイ機、混練機等を用いて混練し、所定の粘度を有するスラリーとする。有機バインダーとしては、PVA( polyvinyl alcohol)水溶液の他、エチルセルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液等を用いることができる。
次いで、ドクターブレード法により、このスラリーをシート状に成形し脱脂してグリーンシートとし、このグリーンシート状の誘電体磁器組成物の両面に、先の第1の実施形態と同様に導電ペーストを使用して内部電極を形成する。
さらに、このようにして得られた内部電極付きのグリーンシートを厚み方向に重ね合わせ、厚み方向に加圧して積層体とする。
次いで、この積層体を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中あるいは窒素−水素還元性ガス雰囲気中で、850〜920℃の温度で1〜24時間焼成して、シート状の誘電体磁器組成物を得る。その後、両側面に端子電極13、14を形成し、全体をエポキシ樹脂等の封止材で覆って積層型の磁器コンデンサとする。
この磁器コンデンサも、先に説明した単層型の磁器コンデンサAの場合と同等の誘電体磁器組成物11を備えているので、高周波領域において高い比誘電率(ε)、品質係数(Q値)、小さな誘電率の温度係数(TC)を有する安定した特性を示すものとなる。
一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主成分に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなる組成になるように原料を混合した。
主成分の各粉末は純水で混合を行い混合時間は48時間とする。この後に脱水乾燥を行い、仮焼結する。仮焼結温度は1000℃で3時間行った。ここで用いたガラス組成物は、ZnO:50wt%、SiO:23wt%、B:15wt%、Al:10wt%、MgO:0.1wt%、NaO:1wt%の組成のものである。
次にこの仮焼結した主成分粉末に対して所定のガラス成分およびおよび添加物を秤量し、主成分と共に純水を使用して混合粉砕を行う。混合時間は48時間行った。その後、この混合物を680℃にて3時間、再度仮焼結する。その後、48時間粉砕を行った。
次に、得られた仮焼結体に適量のPVA溶液を加えて均一混合した後、直径20mm、厚さ2mmのペレットに成形して大気中にて850℃〜920℃で3時間焼結し、誘電体磁器組成物を得た。
得られた各誘電体磁器組成物について、表1に各組成比、表2に各特性値を示す。
表1、2においてTは焼成温度、εは比誘電率、Qはtanδの逆数、IRは絶縁抵抗、TCは温度特性を示す。
表において、比誘電率(ε)と品質係数(Q)は、HP(ヒューレットパッカード)製4291Aを使用し、1GHzで測定した。絶縁抵抗は1000Vで1分後の条件で測定値を求め、比抵抗を算出した。温度特性(TC)は次式で算出した。
TC(ppm/℃)=[C85−C−25/C25]×[1/110]×1000000
ここで、TC:−25℃〜85℃の誘電率の温度係数
85 :85℃でのキャパシタンス
−25:−25℃でのキャパシタンス
25 :25℃でのキャパシタンス
Figure 2005187236
Figure 2005187236
表1と表2に示す結果から、主組成物中のBaOを本発明で好ましい範囲の5モル%よりも低い4モル%に設定し、TiOを本発明で好ましい範囲の75モル%を超える76モル%に設定した試料1は比誘電率が低く、品質係数の低下が大きくなった。また、75モル%よりもTiOを多くすると低温焼結が困難となる傾向にあり、65モル%を下回ると温度特性が大きくなる傾向となる。
更に、BaOを本発明で好ましい範囲の30モル%よりも多い31モル%に設定し、TiOを本発明で好ましい範囲の65モル%を下回る64モル%に設定した試料2は品質係数の低下が著しく大きくなり、温度特性が極めて大きくなった。
主成分のNdを本発明で好ましい範囲の5モル%よりも低い4モル%に設定した試料4は比誘電率が低く、品質係数の低下も大きく、温度係数も多くなった。また、Ndを本発明で好ましい20モル%よりも大きな21モル%にした試料5は比誘電率が低下し、品質係数の低下も大きくなった。
次に、低温焼結性向上のために添加するガラス組成物の添加量に関し、本発明で好ましい範囲の11wt%よりも小さい10wt%とした試料8は品質係数が低下し、本発明で好ましい範囲の20wt%よりも大きくした試料10は比誘電率が低下し、絶縁抵抗が低下した。ガラス組成物の添加量は10wt%未満では効果が無い。
次に、CuOの添加量に関し、本発明で好ましい範囲の8wt%を超える9wt%含有させた試料12は品質係数が低下し、本発明で好ましい範囲の0.05wt%を下回る0.04wt%を含有させた試料16は品質係数が低下し、温度特性も大きくなった。
これらに対して本発明の好ましい範囲で主組成物とガラス組成物並びにCuOを含有させた試料3、6、7、9、11、13、14、15の誘電体磁器は、従来よりも低温度の850〜920℃で焼成したにも拘わらず、高い比誘電率と高い品質係数と高い絶縁抵抗を有し、温度特性の絶対値も小さい特徴を有する。
図1は本発明に係る単層型の誘電体磁器コンデンサの一構造例を示す側面図。 図2は本発明に係る複層型の誘電体磁器コンデンサの他の構造例を示す側面図。
符号の説明
A…磁器コンデンサ、1…誘電体磁器組成物、2…端子電極、3…リード端子、
4…エポキシ樹脂層、B…磁器コンデンサ、11…誘電体磁器組成物、12…内部電極、13、14…端子電極。

Claims (7)

  1. 一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対して、ガラス組成物を11〜20wt%、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%の範囲で添加してなることを特徴とする低温焼結性誘電体磁器組成物。
  2. 前記ガラス組成物がZnO−SiO系ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の低温焼結性誘電体磁器組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の低温焼結性誘電体磁器組成物の両面に電極が形成されてなることを特徴とする磁器コンデンサ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の低温焼結性誘電体磁器組成物からなるシート状の焼結体と電極とが交互に積層されてなることを特徴とする磁器コンデンサ。
  5. 前記電極が卑金属または炭素系物質からなることを特徴とする請求項3または4に記載の磁器コンデンサ。
  6. 一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対し、ガラス組成物11〜20wt%と、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%含有させてなる粉体を、加工成形してバルク状もしくはシート状の成形体とし、この成形体を850〜920℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  7. 一般式xBaO−yNd−zTiO(ただし、x+y+z=1)で表したとき、上記x、y、zがそれぞれ、0.05≦x≦0.30、0.05≦y≦0.20、0.65≦z≦0.75からなる主組成物に対し、ガラス組成物11〜20wt%と、添加物としてのCuOを0.05〜8wt%含有させてなる粉体を、バルク状に加工成形した後、該バルク状の成形体の一主面に電極を形成し、次いでこの成形体を厚さ方向に複数枚積み重ね、加圧して積層体とし、この積層体を850℃〜920℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。



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