JP3858395B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体共振器等の材料として好適な誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロ波回路の集積化に伴い、小型で高性能な誘電体共振器が求められている。このような誘電体共振器に使用される誘電体磁器組成物には、比誘電率εrが大きいこと、無負荷Qが大きいこと、共振周波数の温度係数τfが小さいこと等の特性が要求されている。
【0003】
このような誘電体磁器組成物として、BaO−TiO2−Nd2O3系の誘電体磁器組成物について提案[Ber.Dt.Keram.Ges.55(1978)Nr.7;特開昭60−35406号公報]、あるいは、BaO−TiO2−Nd2O3−Bi2O3系(特開昭62−72558号公報)について提案されている。
【0004】
最近、誘電体磁器組成物を積層した積層チップコンデンサ、積層誘電体共振器等が開発されており、磁器組成物と内部電極との同時焼成による積層化が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記誘電体磁器組成物は焼成温度が1300〜1400℃と高いため内部電極との同時焼成を行うことは困難な面があり、積層化構造とするためには電極材料として高温に耐えるパラジウム(Pb)や白金(Pt)等の材料に限定されていた。このため、電極材料として安価な銀(Ag)、銀−パラジウム(Pd)、銅(Cu)を使用して1200℃以下の低温で同時焼成できる誘電体磁器組成物が求められている。
【0006】
本発明の目的は、誘電体材料として優れた特性、特に高誘電率で、無負荷Qが大きく、共振周波数の温度変化の小さいという特性を有し、しかも低温で焼成した場合にも焼結性が良好な誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主成分が組成式、xAl2O3−ySrTiO3(式中、0.6≦x≦0.9、0.1≦y≦0.4)で表されるアルミニウム、ストロンチウム、チタンおよび酸素からなる誘電体磁器組成物であり、かつ副成分として2種のガラス成分を含有し、SiO2、B2O3から構成される第1のガラス粉末の含有量a(重量部)が主成分100重量部に対して60≦a≦120、およびPbO、ZnO、B2O3から構成される第2のガラス粉末の含有量b(重量部)が主成分100重量部に対して0.1≦b≦15であることを特徴とする誘電体磁器組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、Al2O3のモル分率が過度に大きい場合には、共振周波数の温度係数が負に大きくなり、過度に小さい場合には、共振周波数の温度係数が大きくなり、また無負荷Qが小さくなる。SrTiO3のモル分率が過度に大きい場合には、共振周波数の温度係数が大きくなり、過度に小さい場合には、共振周波数の温度係数が負に大きくなる。また、SiO2、B2O3から構成される第1のガラス粉末の含有量a(重量部)が主成分100重量部に対して過度に大きい場合には、誘電率、無負荷Qが小さくなり、過度に小さい場合には、低温における焼結が困難になる。さらに、PbO、ZnO、B2O3から構成される第2のガラス粉末の含有量b(重量部)が過度に大きい場合には、焼成中にセラミックスが溶出し、過度に小さい場合には、低温における焼結が困難になる。
【0009】
また、本発明において、副成分である第1のガラス粉末の含有量a(重量部)と第2のガラス粉末の含有量b(重量部)とが共に主成分100重量部に対して過度に大きい場合には、焼成中にセラミックスが溶出する。また、第1のガラス粉末の含有量a(重量部)と第2のガラス粉末の含有量b(重量部)とが共に過度に小さいかゼロの場合には、1200℃での低温焼成が困難になる。したがって、第1のガラス粉末の含有量a(重量部)、および第2のガラス粉末の含有量b(重量部)は、上記範囲に設定される。第1のガラス粉末について、SiO2およびB2O3の構成割合は特に限定されないが、SiO2の含有量が過度に大きいとガラス化しにくくなるのでSiO2の含有量は90重量%以下が好ましい。なお、ガラスの調製を容易にするために、微量のアルカリ(Na、K、Liなどの酸化物や炭酸塩)を添加してもよい。さらに第2のガラス粉末について、PbO、ZnOおよびB2O3の構成割合は特に限定されないが、ZnOの含有量が過度に大きいとガラスの軟化点が上昇して低温焼成が困難になるため、ZnOの含有量は50重量%以下が好ましい。
【0010】
本発明の誘電体磁器組成物の好適な製造法の一例を次に示す。酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、および副成分であるSiO2 、B2O3から構成される第1のガラス粉末、PbO、ZnO、B2O3から構成される第2のガラス粉末の出発原料を各所定量ずつ水、アルコール等の溶媒と共に湿式混合する。続いて、水、アルコール等を除去した後、粉砕する。続いて、このようにして得られた粉末にポリビニルアルコールの如き有機バインダーを混合して均質にし、乾燥、粉砕、加圧成型(圧力100〜1000kg/cm3程度)する。得られた成型物を空気の如き酸素含有ガス雰囲気下に800〜1000℃で焼成することにより上記組成式で表される誘電体磁器組成物が得られる。
【0011】
このようにして得られた誘電体磁器組成物は、必要により適当な形状およびサイズに加工、あるいはドクターブレード法等によるシート成形およびシートと電極による積層化することにより、誘電体共振器、誘電体基板、積層素子等の材料として利用できる。
【0012】
なお、アルミニウム、ストロンチウム、チタン、シリコン、ホウ素、鉛、亜鉛、の原料としては、Al2O3、SrTiO3、SiO2 、B2O3 、PbO、ZnOの他に、焼成時に酸化物となる硝酸塩、水酸化物等を使用することができる。
【0013】
【実施例】
以下実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
酸化アルミニウム粉末(Al2O3)0.74モル、チタン酸ストロンチウム粉末(SrTiO3)0.26モル、酸化珪素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)から構成されるガラス粉末Aを主成分100重量部に対して93重量部、およびPbO、ZnO、B2O3から構成されるガラス粉末Bを主成分100重量部に対して8重量部をエタノールと共にボールミルに入れ、24時間湿式混合した。溶液を脱媒後、粉砕した。なお、いずれのガラス粉末も常法により調製した(ガラス粉末Aは酸化珪素(SiO2)80重量%、酸化ホウ素(B2O3)20重量%、また、ガラス粉末Bは酸化鉛粉末(PbO)84重量%、酸化亜鉛粉末(ZnO)7重量%、酸化ホウ素粉末(B2O3)9重量%から成る)。この粉砕物に適量のポリビニルアルコール溶液を加えて乾燥後、直径20mmφ、厚み12mmtのペレットに成形し、空気雰囲気下において、900℃で2時間焼成した。
【0014】
こうして得られた実施例1の磁器組成物を直径16mmφ、厚み10mmtの大きさに加工した後、誘電共振法によって測定し、共振周波数(5〜10GHz)における無負荷Q、比誘電率εrおよび共振周波数の温度係数τfを求めた。その結果を表2に示す。
【0015】
実施例2〜15および比較例1〜10
実施例1の酸化アルミニウムとチタン酸ストロンチウムの混合割合とSiO2、B2O3 から構成されるガラス粉末、およびPbO、ZnO、B2O3から構成されるガラス粉末の種類と添加量とを表1および表3記載のように代えた他は、実施例1と同様にして誘電体磁器組成物を製造し、特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、比誘電率εrが大きく、かつ無負荷Q値も大きく、しかも共振周波数の温度係数τfの小さい誘電体磁器組成物を提供することができる。また、低温焼結が可能であり、Ag、Ag−Pd、Cu等を内部電極とした積層化が可能な誘電体磁器組成物を提供することができる。
Claims (1)
- 主成分が組成式、xAl2O3−ySrTiO3(式中、0.6≦x≦0.9、0.1≦y≦0.4)で表されるアルミニウム、ストロンチウム、チタンおよび酸素からなる誘電体磁器組成物であり、かつ副成分として2種のガラス成分を含有し、SiO2、B2O3から構成される第1のガラス粉末の含有量a(重量部)が主成分100重量部に対して60≦a≦120、およびPbO、ZnO、B2O3から構成される第2のガラス粉末の含有量b(重量部)が主成分100重量部に対して0.1≦b≦15であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
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1997
- 1997-12-05 JP JP33564297A patent/JP3858395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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