JP2000182881A - 誘電体磁器材料 - Google Patents

誘電体磁器材料

Info

Publication number
JP2000182881A
JP2000182881A JP10361704A JP36170498A JP2000182881A JP 2000182881 A JP2000182881 A JP 2000182881A JP 10361704 A JP10361704 A JP 10361704A JP 36170498 A JP36170498 A JP 36170498A JP 2000182881 A JP2000182881 A JP 2000182881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
glass
less
dielectric
ceramic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10361704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3522559B2 (ja
Inventor
Shigehiro Fujino
繁大 藤野
Eitai Kin
榮泰 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung R&D Institute Japan Co Ltd
Original Assignee
Samsung Yokohama Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Yokohama Research Institute filed Critical Samsung Yokohama Research Institute
Priority to JP36170498A priority Critical patent/JP3522559B2/ja
Publication of JP2000182881A publication Critical patent/JP2000182881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3522559B2 publication Critical patent/JP3522559B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結温度が低いと共に、誘電損失が低い誘電
体磁器材料を提供する。 【解決手段】 SiO2とAl23を必ず含むと共にB2
3とK2OとZrO2とCuOのいずれかあるいは全部
を含んでなるガラスαまたはSiO2とCaOとPbO
とを少なくとも含むガラスβのいずれか一方と、Al2
3と、TiO2と、Zn2SiO4、SrSiO3、Ca
SiO3、ZrSiO3の内から選ばれる少なくとも1以
上の化合物γ若しくはMnO2が混合されて焼結されて
なるものであることを特徴とする誘電体磁器材料を採用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体磁器材料に関
し、特に1000℃以下の比較的低い温度で焼結でき、
誘電損失が小さい誘電体磁器材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体磁器材料が適用されている電子部
品の1つにセラミックスコンデンサがある。その中でも
積層型のセラミックコンデンサは、誘電体磁器材料と内
部電極が交互に層状に積層されてなるもので、小型で静
電容量が高い上に信頼性に優れるので、近年、民生用、
産業用、通信機器用に至るほとんどの電子機器に使用さ
れている。この積層型セラミックスコンデンサは、内部
電極と、シート状に成形した未焼結の誘電体磁器材料と
を交互に積層した後、焼成して一体化することにより製
造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の誘電
体磁器材料としては、チタン酸バリウム系(BaTiO
3)、チタニア系(TiO2)等からなる誘電体磁器材料
が用いられていた。これらの誘電体磁器材料は、120
0〜1400℃で焼結するものであるため、積層型セラ
ミックスコンデンサの製造工程において高温焼成が必要
となり、コンデンサの大量生産に不利であるという課題
があった。また、内部電極も同時に高温で焼成されるた
め、内部電極を耐熱性に優れた材料で構成する必要があ
り、例えばPt(白金)やPd(パラジウム)といった
高価な金属を用いねばならず、積層型セラッミクスコン
デンサのコストを低くすることができないという課題が
あった。また一般的に、高周波帯域にて使用するコンデ
ンサには、誘電損失が極めて低い誘電体磁器材料を用い
ることが必須とされている。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、焼結温度が低いと共に、誘電損失が低い誘電
体磁器材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の誘電体
磁器材料の1つは、SiO2とAl23を必ず含むと共
にB2 3とK2OとZrO2とCuOのいずれかあるいは
全部を含んでなるガラスαまたはSiO2とCaOとP
bOとを少なくとも含むガラスβのいずれか一方と、A
23と、TiO2と、Zn2SiO4、SrSiO3、C
aSiO3、ZrSiO3の内から選ばれる少なくとも1
以上の化合物γとが下記に示す組成比で混合されて焼結
されてなるものであることを特徴とする。 ガラスαまたはガラスβ:20重量%以上65重量%以下 Al23 : 5重量%以上35重量%以下 TiO2 : 5重量%以上45重量%以下 化合物γ : 0重量%を越えて30重量%以下
【0006】この誘電体磁器材料は、Al23、TiO
2及び化合物γがガラスαまたはガラスβ中に分散され
てなるものであり、本来、焼結温度が高いAl23、T
iO 2及び化合物γの粉末を比較的融点が低いガラスα
またはガラスβの粉末に混合し、700〜900℃程度
の比較的低い温度で焼結させることを可能としたもので
ある。
【0007】前記ガラスαまたはガラスβは、Al23
とTiO2と化合物γとを互いに焼結させるためのもの
で、その組成比は20重量%以上65重量%以下である
ことが好ましく、30重量%以上55重量%以下である
ことがより好ましく、40重量%以上55重量%以下で
あることが最も好ましい。また、ガラスβには、Al2
3、B23、K2O、MgOの少なくとも1以上の化合
物が含まれていても良い。
【0008】また、Al23を所定の組成範囲で加える
と誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることができ、そ
の組成比は5重量%以上35重量%以下であることが好
ましく、10重量%以上30重量%以下であることがよ
り好ましく、15重量%以上25重量%以下であること
が最も好ましい。
【0009】更に、TiO2を所定の組成範囲で加える
と比誘電率を高くすることができ、その組成比は5重量
%以上45重量%以下であることが好ましく、10重量
%以上35重量%以下であることがより好ましく、10
重量%以上20重量%以下であることが最も好ましい。
【0010】化合物γを所定の組成範囲で加えると誘電
損失をより低くすることができ、その組成比は0重量%
を越えて30重量%以下であることが好ましく、0重量
%を越えて20重量%以下であることがより好ましく、
0重量%を越えて10重量%以下であることが最も好ま
しい。
【0011】また、本発明の誘電体磁器材料の1つは、
SiO2とAl23を必ず含むと共にB23とK2OとZ
rO2とCuOのいずれかあるいは全部を含んでなるガ
ラスαまたはSiO2とCaOとPbOとを少なくとも
含むガラスβのいずれか一方と、Al23と、TiO2
とが下記に示す組成比で混合されたものを主成分とし、
この主成分の100重量部に対し、MnO2が5重量部
以下混合されて焼結されてなるものであることを特徴と
する。 ガラスαまたはガラスβ:20重量%以上90重量%以下 Al23 : 5重量%以上35重量%以下 TiO2 : 5重量%以上45重量%以下
【0012】この誘電体磁器材料は、Al23、TiO
2及びMnO2がガラスαまたはガラスβ中に分散されて
なるものであり、本来、焼結温度が高いAl23、Ti
2及びMnO2の粉末を比較的融点が低いガラスαまた
はガラスβの粉末に混合し、700〜900℃程度の比
較的低い温度で焼結させることを可能としたものであ
る。
【0013】このときのガラスαまたはガラスβの組成
比は、前記主成分中において20重量%以上90重量%
以下であることが好ましく、30重量%以上85重量%
以下であることがより好ましく、40重量%以上80重
量%以下であることがさらに好ましく、60重量%以上
70重量%以下であることが最も好ましい。
【0014】また、Al23を所定の組成範囲で加える
と誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることができ、そ
の組成比は前記主成分中において5重量%以上35重量
%以下であることが好ましく、10重量%以上30重量
%以下であることがより好ましく、15重量%以上25
重量%以下であることが最も好ましい。
【0015】更に、TiO2を所定の組成範囲で加える
と比誘電率を高くすることができ、その組成比は前記主
成分中において5重量%以上45重量%以下であること
が好ましく、10重量%以上35重量%以下であること
がより好ましく、10重量%以上20重量%以下である
ことが最も好ましい。
【0016】MnO2を前記主成分に対して所定量添加
すると、誘電体磁器材料の誘電損失をより低くすること
ができ、その添加量は前記主成分の100重量部に対し
て5重量部以下であることが好ましく、1重量部以下で
あることがより好ましく、0.05重量部以上1重量部
以下であることが更に好ましく、0.1重量部以上0.
5重量部以下であることが最も好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器材料の1つ
は、SiO2とAl23を必ず含むと共にB23とK2
とZrO2とCuOのいずれかあるいは全部を含んでな
るガラスαまたはSiO2とCaOとPbOとを少なく
とも含むガラスβのいずれか一方と、Al23と、Ti
2と、Zn2SiO4、SrSiO3、CaSiO3、Z
rSiO3の内から選ばれる少なくとも1以上の化合物
γとが下記に示す組成比で混合されて焼結されてなるも
のである。即ち、ガラスαまたはガラスβが20重量%
以上65重量%以下、Al23が5重量%以上35重量
%以下、TiO2が5重量%以上45重量%以下、化合
物γが0重量%を越えて30重量%以下の組成からなる
ものである。
【0018】この誘電体磁器材料は、Al23、TiO
2及び化合物γがガラスαまたはガラスβ中に分散され
てなるものであり、本来、焼結温度が高いAl23、T
iO 2及び化合物γの粉末を比較的融点が低いガラスα
またはガラスβの粉末に混合し、700〜900℃程度
の比較的低い温度で焼結させることを可能としたもので
ある。
【0019】本発明の誘電体磁器材料の焼結温度を低く
するために、600〜900℃の範囲で軟化して溶融す
るガラスを用いることが好ましく、特に本発明において
は、SiO2とAl23とを必ず含みB23とK2OとZ
rO2とCuOのいずれかあるいは全部を含むガラスα
またはSiO2とCaOとPbOとを少なくとも含むガ
ラスβを用いることが好ましい。
【0020】前記ガラスαまたはガラスβは、Al23
とTiO2と化合物γとを互いに焼結させるためのもの
で、その組成比は20重量%以上65重量%以下である
ことが好ましく、30重量%以上55重量%以下である
ことがより好ましく、40重量%以上55重量%以下で
あることが最も好ましい。ガラスαまたはガラスβが2
0重量%未満では、Al23とTiO2と化合物γとを
焼結させることができなくなるので好ましくなく、65
重量%を越えるとガラスαまたはβと、Al23、Ti
2及び化合物γとが溶融してしまうので好ましくな
い。特に、ガラスαまたはガラスβの組成が40重量%
以上55重量%以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の
誘電損失を低くすることができるので好ましい。また、
ガラスβには、Al23、B23、K2O、MgOの少
なくとも1以上の化合物が含まれていても良い。
【0021】また、Al23を所定の組成範囲で加える
と誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることができ、そ
の組成比は5重量%以上35重量%以下であることが好
ましく、10重量%以上30重量%以下であることがよ
り好ましく、15重量%以上25重量%以下であること
が最も好ましい。Al23が5重量%未満では誘電損失
を低くすることができないので好ましくなく、35重量
%を越えると誘電損失が高くなるので好ましくない。特
に、Al23の組成が15重量%以上25重量%以下の
範囲であれば、誘電体磁器材料の誘電損失をより低くす
ることができるので好ましい。
【0022】更に、TiO2を所定の組成範囲で加える
と比誘電率を高くすることができ、その組成比は5重量
%以上45重量%以下であることが好ましく、10重量
%以上35重量%以下であることがより好ましく、10
重量%以上20重量%以下であることが最も好ましい。
TiO2が5重量%未満では比誘電率を高くすることが
できないので好ましくなく、45重量%を越えると誘電
損失が高くなると共に焼結しにくくなるので好ましくな
い。特に、TiO2の組成が10重量%以上20重量%
以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の比誘電率を高く
し、誘電損失をより低くすることができるので好まし
い。
【0023】化合物γは、Zn2SiO4、SrSi
3、CaSiO3、ZrSiO3の内から選ばれる少な
くとも1以上のものであり、この化合物γを所定の組成
範囲で加えると誘電損失をより低くすることができ、そ
の組成比は0重量%を越えて30重量%以下であること
が好ましく、0重量%を越えて20重量%以下であるこ
とがより好ましく、0重量%を越えて10重量%以下で
あることが最も好ましい。化合物γの添加量が30重量
部を越えると、誘電損失が高くなると共に絶縁抵抗が低
下してしまうので好ましくない。また化合物γを全く加
えないと、誘電損失を低くすることができないので好ま
しくない。特に、化合物γはZn2SiO4であることが
より好ましい。
【0024】また、本発明の誘電体磁器材料の別の1つ
は、前記のガラスαまたは前記のガラスβのいずれか一
方と、Al23と、TiO2とが下記に示す組成比で混
合されたものを主成分とし、この主成分の100重量部
に対し、MnO2が5重量部以下混合されて焼結されて
なるものであることを特徴とする。主成分は、ガラスα
またはガラスβが20重量%以上90重量%以下であ
り、Al23が5重量%以上35重量%以下であり、T
iO2が5重量%以上45重量%以下の組成からなる。
【0025】この誘電体磁器材料は、Al23、TiO
2及びMnO2がガラスαまたはガラスβ中に分散されて
なるものであり、本来、焼結温度が高いAl23、Ti
2及びMnO2の粉末を比較的融点が低いガラスαまた
はガラスβの粉末に混合し、700〜900℃程度の比
較的低い温度で焼結させることを可能としたものであ
る。
【0026】このときのガラスαまたはガラスβの組成
比は、前記主成分中において20重量%以上90重量%
以下であることが好ましく、30重量%以上85重量%
以下であることがより好ましく、40重量%以上80重
量%以下であることがさらに好ましく、60重量%以上
70重量%以下であることが最も好ましい。ガラスαま
たはガラスβが20重量%未満では、Al23とTiO
2とMnO2とを焼結させることができなくなるので好ま
しくなく、90重量%を越えるとガラスαまたはガラス
βと、Al23、TiO2及びMnO2とが溶融してしま
うので好ましくない。特に、ガラスαまたはガラスβの
組成が60重量%以上70重量%以下の範囲であれば、
誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることができるので
好ましい。
【0027】また、Al23の組成比は前記主成分中に
おいて5重量%以上35重量%以下であることが好まし
く、10重量%以上30重量%以下であることがより好
ましく、15重量%以上25重量%以下であることが最
も好ましい。Al23が5重量%未満では誘電損失を低
くすることができないので好ましくなく、35重量%を
越えると誘電損失が高くなるので好ましくない。特に、
Al23の組成が15重量%以上25重量%以下の範囲
であれば、誘電体磁器材料の誘電損失をより低くするこ
とができるので好ましい。
【0028】更に、TiO2の組成比は前記主成分中に
おいて5重量%以上45重量%以下であることが好まし
く、10重量%以上35重量%以下であることがより好
ましく、10重量%以上20重量%以下であることが最
も好ましい。TiO2が5重量%未満では比誘電率を高
くすることができないので好ましくなく、45重量%を
越えると誘電損失が高くなると共に焼結しにくくなるの
で好ましくない。特に、TiO2の組成が10重量%以
上20重量%以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の比
誘電率を高くし、誘電損失をより低くすることができる
ので好ましい。
【0029】MnO2を前記主成分に対して所定量添加
すると、誘電体磁器材料の誘電損失をより低くすること
ができ、その添加量は前記主成分の100重量部に対し
て5重量部以下であることが好ましく、1重量部以下で
あることがより好ましく、0.05重量部以上1重量部
以下であることが更に好ましく、0.1重量部以上0.
5重量部以下であることが最も好ましい。MnO2αの
添加量が5重量部を越えると、誘電体磁器材料の誘電損
失が高くなると共に絶縁抵抗が低下してしまうので好ま
しくない。またMnO2を全く加えないと、誘電損失を
低くすることができないので好ましくない。
【0030】本発明の誘電体磁器材料は例えば次のよう
にして製造できる。まず、ガラスαまたはガラスβの粉
末と、Al23及びTiO2の粉末と、化合物γ若しく
はMnO2の粉末とを所定の配合比となるように混合し
つつ粉砕して原料粉末とする。次にこの原料粉末を、所
定の温度で所定時間加熱することにより仮焼成して仮焼
結体とする。更にこの仮焼結体を粉砕した後、分散媒、
分散剤等を添加してスラリー状あるいはペースト状と
し、所定の形状に成形した後に所定の温度で所定時間加
熱しつつ加圧して焼成することにより、本発明の誘電体
磁器材料が得られる。また、焼成時には体積の収縮が起
きるので、焼成しつつ加圧することにより、誘電体磁器
材料の密度を高くして所定の特性が発揮させることが可
能となる。
【0031】仮焼成の温度は600〜850℃の範囲が
好ましく、650〜800℃の範囲とすることがより好
ましい。仮焼成の温度が600℃未満では、十分に仮焼
成できなくなるので好ましくなく、850℃を超えると
焼結が進んで再度粉砕できなくなるので好ましくない。
また、仮焼成の時間は、0.5〜24時間の範囲が好ま
しく、1〜5時間の範囲とすることがより好ましい。仮
焼成の時間が0.5時間未満では、十分に仮焼成できな
くなるので好ましくなく、24時間を超えると焼結が進
んで再度粉砕できなくなるので好ましくない。
【0032】また、焼成の温度は800〜950℃の範
囲が好ましく、850〜900℃の範囲とすることがよ
り好ましい。焼成の温度が800℃未満では、十分に焼
結を進めることができなくなって、誘電体磁器材料の密
度が上がらず、誘電体磁器材料が脆くなってしまうので
好ましくなく、950℃を超えるとガラスαまたはガラ
スβとその他の添加物とが溶融してしまい、Al23
びTiO2の粉末と、化合物γ若しくはMnO2の粉末が
ガラスαまたはガラスβ中に分散した状態とすることが
できなくなり、好ましくない。また、焼成の時間は、
0.5〜24時間の範囲が好ましく、1〜5時間の範囲
とすることがより好ましい。焼成の時間が0.5時間未
満では、十分に焼結を進めることができなくなって、誘
電体磁器材料の密度が上がらず、誘電体磁器材料が脆く
なってしまうので好ましくなく、24時間を超えるとガ
ラスαまたはガラスβとその他の添加物とが溶融してし
まい、Al23及びTiO2の粉末と、化合物γ若しく
はMnO2の粉末がガラスαまたはガラスβ中に分散し
た状態とすることができなくなり、好ましくない。
【0033】上述の誘電体磁器材料は、Al23及びT
iO2と、化合物γ若しくはMnO2がガラスαまたはガ
ラスβ中に分散してなるものであり、本来、焼結温度が
高いAl23、TiO2、化合物γ若しくはMnO2の各
粉末を、比較的融点が低いガラスαまたはガラスβの粉
末に混合することにより、700〜900℃程度の比較
的低い温度で焼結させることができる。また、誘電体磁
器材料の誘電損失等の特性は、Al23、TiO2、化
合物γ若しくはMnO2の組成に支配されるので、これ
らの組成を適正なものとすることにより、誘電損失が小
さい誘電体磁器材料を得ることができる。
【0034】上記の誘電体磁器材料は、比誘電率が8〜
10程度の値を示し、誘電損失が0.005%以下の値
を示し、絶縁抵抗が1.0×1010Ω以上の値を示すの
で、コンデンサの誘電体として使用した場合、特に高周
波帯域にて誘電損失が極めて小さいコンデンサとするこ
とができる。また、上記の誘電体磁器材料は、コンデン
サのみならず、LCフィルタ等の誘電体にも適用するこ
とができる。
【0035】図1には本発明の誘電体磁器材料を適用し
た積層型コンデンサの一例を示す。この積層型コンデン
サ1は、略直方体状の積層体2の側壁面に断面視略コ字
状の外部電極3a、3bが取り付けられてなるものであ
る。積層体2は、6枚の内部電極4a…、4b…と7枚
の誘電体層5…とが交互に積層されてなるものであっ
て、3つの内部電極4aは積層体2の側壁面にて外部電
極3aにそれぞれ接合され、別の3つの内部電極4bは
外部電極3bにそれぞれ接合されている。内部電極4a
…、4b…は例えばAg(銀)からなり、誘電体層5…
は本発明に係る誘電体磁器材料からなるものである。
【0036】この積層型コンデンサ1は、例えば、仮焼
成済みの誘電体磁器材料を薄片状に成形した後、複数の
薄片の間に例えば銀ペーストを挟んで積層し、これを焼
成することにより薄片が焼結されると共に銀ペーストを
介して一体化されて積層体2が形成され、この積層体2
に外部電極3a、3bを取り付けることにより、図1に
示す積層型コンデンサ1が得られる。
【0037】
【実施例】ガラスαと、Al23及びTiO2と、Zn2
SiO4若しくはMnO2の各粉末を用意し、これらをそ
れぞれ秤量してエタノールと共にボールミルに入れ、2
4時間混合粉砕した後に乾燥して原料粉末を調製した。
次に、原料粉末を大気中で750℃で2時間加熱して仮
焼成を行い、ライカイ機にて1時間粉砕して仮焼成粉を
得た。この仮焼成粉にPVA水溶液を添加して混合した
後に直径20mm、厚さ2mmの円板状のペレットに成
形し、これを大気中にて750〜950℃の温度で3時
間焼成することにより、本発明の誘電体磁器材料からな
る焼結体を得た。
【0038】得られた焼結体について、比誘電率、誘電
損失、絶縁抵抗及び焼成時における収縮率を測定した。
収縮率は、ペレットを焼成したときの寸法変化量から算
出した。結果を表1及び表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1から明らかなように、化合物γとして
Zn2SiO4を添加した試料3〜5、7〜8及び10〜
14は、いずれも誘電損失が0.005%以下であって
低い誘電損失が得られているが、特にZn2SiO4が1
0〜20重量%である試料10〜13は、誘電損失が
0.003%以下と極めて低い誘電損失が得られている
ことがわかる。また、比誘電率については、試料10〜
13は、8.6〜9.7と比較的安定した値を示してい
る。また、絶縁抵抗については、試料3〜5、7〜8及
び10〜14は、1×10 10Ω以上の値を示している。
【0042】また、表2から明らかなように、MnO2
を添加した試料26〜31は、いずれも誘電損失が0.
0062%以下であって低い誘電損失が得られている
が、特にMnO2が1重量部以下である試料26〜29
は、誘電損失が0.003%以下と極めて低い誘電損失
が得られていることがわかる。また、比誘電率について
は、試料26〜29は、MnO2量に係わらず、8.6
〜9.6と比較的安定した値を示している。また、絶縁
抵抗については、試料26〜31は、6×1010Ω以上
の値を示している。
【0043】これに対し、表1の試料1、2、6、9、
15、16及び表2の試料17〜25は、ガラスα、A
23、TiO2、Zn2SiO4若しくはMnO2の組成
比が本発明の組成範囲から外れているため、誘電損失が
0.005%を越えており、誘電損失が高くなっている
ことがわかる。尚、上記の各試料のうち、試料1、17
はガラスの含有量が少なすぎたために完全に焼結させる
ことができなかった。また、試料33は、ガラスの含有
量が多すぎたためにAl23、TiO2、MnO2がガラ
スと溶融した。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
誘電体磁器材料は、Al23及びTiO2と、化合物γ
若しくはMnO2がガラスαまたはガラスβ中に分散し
てなるものであり、本来、焼結温度が高いAl23、T
iO2、化合物γ若しくはMnO2の各粉末を、比較的融
点が低いガラスαまたはガラスβの粉末に混合すること
により、700〜900℃程度の比較的低い温度で焼結
させることができる。また、誘電体磁器材料の誘電損失
等の特性は、Al23、TiO2、化合物γ若しくはM
nO2の組成に支配されるので、これらの組成を適正な
ものとすることにより、誘電損失が小さい誘電体磁器材
料を得ることができる。
【0045】上記の誘電体磁器材料は、比誘電率が8〜
10程度の値を示し、誘電損失が0.005%以下の値
を示し、絶縁抵抗が1.0×1010Ω以上の値を示すの
で、コンデンサの誘電体として使用した場合、特に高周
波帯域にて誘電損失が極めて小さいコンデンサとするこ
とができる。また、上記の誘電体磁器材料は、コンデン
サのみならず、LCフィルタ等の誘電体にも適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘電体磁器材料を適用可能な積層型
コンデンサの一例を示す斜視断面図である。
【符号の説明】
1 積層型コンデンサ 2 積層体 3a、3b 外部電極 4a、4b 内部電極 5 誘電体層(誘電体磁器材料)
フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA04 AA08 AA09 AA16 AA17 AA31 AA32 AA35 AA36 AA37 AA40 BA09 GA09 5E001 AB03 AC09 AE00 AE03 AE04 AF06 AH09 AJ02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2とAl23を必ず含むと共にB2
    3とK2OとZrO 2とCuOのいずれかあるいは全部
    を含んでなるガラスαまたはSiO2とCaOとPbO
    とを少なくとも含むガラスβのいずれか一方と、 Al23と、TiO2と、 Zn2SiO4、SrSiO3、CaSiO3、ZrSiO
    3の内から選ばれる少なくとも1以上の化合物γとが下
    記に示す組成比で混合されて焼結されてなるものである
    ことを特徴とする誘電体磁器材料。 ガラスαまたはガラスβ:20重量%以上65重量%以下 Al23 : 5重量%以上35重量%以下 TiO2 : 5重量%以上45重量%以下 化合物γ : 0重量%を越えて30重量%以下
  2. 【請求項2】 SiO2とAl23を必ず含むと共にB2
    3とK2OとZrO 2とCuOのいずれかあるいは全部
    を含んでなるガラスαまたはSiO2とCaOとPbO
    とを少なくとも含むガラスβのいずれか一方と、Al2
    3と、TiO2とが下記に示す組成比で混合されたもの
    を主成分とし、 この主成分の100重量部に対し、MnO2が5重量部
    以下混合されて焼結されてなるものであることを特徴と
    する誘電体磁器材料。 ガラスαまたはガラスβ:20重量%以上90重量%以下 Al23 : 5重量%以上35重量%以下 TiO2 : 5重量%以上45重量%以下
JP36170498A 1998-12-18 1998-12-18 誘電体磁器材料 Expired - Fee Related JP3522559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36170498A JP3522559B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 誘電体磁器材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36170498A JP3522559B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 誘電体磁器材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000182881A true JP2000182881A (ja) 2000-06-30
JP3522559B2 JP3522559B2 (ja) 2004-04-26

Family

ID=18474604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36170498A Expired - Fee Related JP3522559B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 誘電体磁器材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3522559B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015092541A (ja) * 2013-09-30 2015-05-14 日本電気硝子株式会社 セラミック配線基板、セラミック配線基板用セラミックグリーンシート及びセラミック配線基板用ガラスセラミックス粉末
JP2022034017A (ja) * 2016-04-05 2022-03-02 サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド. 積層セラミック電子部品の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015092541A (ja) * 2013-09-30 2015-05-14 日本電気硝子株式会社 セラミック配線基板、セラミック配線基板用セラミックグリーンシート及びセラミック配線基板用ガラスセラミックス粉末
JP2022034017A (ja) * 2016-04-05 2022-03-02 サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド. 積層セラミック電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3522559B2 (ja) 2004-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05152158A (ja) セラミツクコンデンサ
JP3305626B2 (ja) 誘電体磁器組成物とこの誘電体磁器組成物を用いたセラミック電子部品
US4394456A (en) Temperature-compensating ceramic dielectrics
JP4775583B2 (ja) 誘電体粒子集合体、それを用いた低温焼結誘電体磁器組成物及びそれを用いて製造される低温焼結誘電体磁器
JP3305272B2 (ja) 誘電体磁器材料
US4477581A (en) High permittivity ceramic compositions
JP3522559B2 (ja) 誘電体磁器材料
JPH0676627A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0737427A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2666265B2 (ja) TiO2を主たる成分とする誘電体セラミクスに用いられる焼結助剤
JP3797057B2 (ja) 誘電体磁器組成物の製造方法
JP2004026543A (ja) 誘電体磁器組成物およびこれを用いた積層セラミック部品
JP2666262B2 (ja) TiO2を主たる成分とする誘電体セラミクスに用いられる焼結助剤
JP3252552B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2821768B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPH0855519A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3235343B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3235344B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2666263B2 (ja) TiO2を主たる成分とする誘電体セラミクスに用いられる焼結助剤
KR970003343B1 (ko) 유전체 자기조성물
JP2666264B2 (ja) TiO2を主たる成分とする誘電体セラミクスに用いられる焼結助剤
JP3858395B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3599645B2 (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0971462A (ja) 誘電体磁器組成物
KR100406350B1 (ko) 유전체 자기 조성물과 이를 이용한 자기커패시터 및 그제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040204

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees