JPH08278646A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08278646A
JPH08278646A JP8374595A JP8374595A JPH08278646A JP H08278646 A JPH08278646 A JP H08278646A JP 8374595 A JP8374595 A JP 8374595A JP 8374595 A JP8374595 A JP 8374595A JP H08278646 A JPH08278646 A JP H08278646A
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JP
Japan
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general formula
bisenamine
compound represented
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
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Application number
JP8374595A
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English (en)
Inventor
Kiyobumi Morimoto
清文 森本
Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高感度で高耐久性を有すること。 【構成】N,N−ビスエナミン化合物とトコフェノール
化合物を含有する光導電層を、導電性基板上に形成して
電子写真感光体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものである。詳しくは、非常に高感度でかつ高性能な電
子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真プロセスにおいては種々
の方式があり、その代表的な例として直接方式や潜像転
写方式などが知られている。これら電子写真プロセスに
使用される電子写真感光体において、その光導電層を構
成する光導電性材料として必要とされる基本的な性質と
しては、 1)暗所においてコロナ放電による帯電電位の高いこ
と、 2)得られたコロナ放電による電荷が暗所において減衰
の少ないこと、 3)光照射によって電荷が速やかに散逸すること、 4)光照射後の残留電荷が少ないこと、 5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位の
減少が少ないこと、 6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と、などがあげられる。
【0003】このような材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
などの無機系の光導電性材料が用いられてきたが、近年
様々な問題点が指摘されるようになった。すなわち、酸
化亜鉛系の材料おいては、増感剤の添加による増感効果
を必要とするが、これら増感剤がコロナ放電による帯電
劣化や露光による光褐色を生じるため、長期にわたって
安定した画像を与えることができない。硫化カドミウム
系の材料においては、多湿の条件下で安定した感度が得
られない。セレン系の材料においては、温度、湿度など
の外的要因で容易に結晶化が進行すること、帯電性が低
下すること、画像に白点が発生すること、製造条件が難
しいこと、毒性が強いことなどである。
【0004】そこで将来的な展望から、資源枯渇の問題
や、毒性の懸念、さらには環境面への問題がある無機系
の材料よりも、有機系の材料からなる電子写真感光体の
研究が盛んに行われるようになり、その結果、様々な有
機化合物を用いた電子写真感光体が研究されるようにな
った。とりわけ、ここ数年の研究開発は、機能分離型の
感光体の懸念を積極的に導入する方向にあり、その中で
も特に導電性基体上にキャリア発生層とキャリア輸送層
とを順に積層し、キャリア輸送層表面を負に帯電させる
方法が主流となっている。
【0005】そしてこの様に、機能を分離させることに
より、キャリア発生とキャリア輸送とのそれぞれの機能
を個別に有する材料を独立して開発できるようになり、
その結果、様々な分子構造を有するキャリア発生物質、
並びにキャリア輸送物質が多数開発された。
【0006】キャリア輸送物質に注目して、それらの中
から代表的なものを構造的特徴から分類すると、ヒドラ
ゾン系(特開昭54−59143号公報)、スチルベン
・スチリル系(特開昭58−198043号公報)、ト
リアリールアミン系(特公昭58−32372号公
報)、フェノチアジン系、トリアゾール系、キノキサリ
ン系、オキサジアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリ
ン系、トリフェニルメタン系、ジヒドロニコチンアミド
化合物、インドリン化合物、セミカルバゾン化合物等が
開発されている。
【0007】しかしながら、この様にキャリア輸送物質
として数多くの有機化合物が開発されているにも関わら
ず、 1)結着剤に対する相溶性が低い、 2)結晶が析出しやすい、 3)繰り返し使用した場合に感度変化が生じる、 4)帯電能、繰り返し特性が悪い、 5)残留電位特性が悪い、等の問題点をすべて満足する
有機化合物はなく、先に挙げた感光体として要求される
基本的な性質、さらには機械的強度、耐久性などを満足
するものは未だ得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で高耐久性を有する電子写真感光体を提供することで
ある。特に温度、湿度に対する安定性に優れ、かつ帯電
特性が高く、繰り返し使用しても高感度の特性が維持さ
れる電子写真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記のような点を鑑み、高い光感度を示し、かつ残留電位
が充分低く、繰り返し使用しても特性の変動が少なく、
かつ耐久性に優れた感光体を得るべく鋭意検討した結
果、特定の電荷輸送物質と特定の酸化防止剤を含有させ
ることにより高温、高湿下、及び低温、低湿下で安定し
た帯電性、低い残留電位等、非常に優れた性能を示すこ
とを見い出し本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明に係る請求項1の電子写
真感光体は、導電性基体上に、少なくとも光導電層が形
成された電子写真感光体において、前記光導電層が、少
なくとも、キャリア輸送物質をなし、下記一般式(1)
で示されるN,N−ビスエナミン化合物と、酸化防止剤
をなし、下記一般式(2)で示されるトコフェノール化
合物とを含有してなることを特徴とするものである。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】本発明に係る請求項2の電子写真感光体
は、前記N,N−ビスエナミン化合物の誘導体が、下記
一般式(3)で示されるN,N−ビスエナミン化合物で
あることを特徴とするものである。
【0014】
【化3】
【0015】本発明に係る請求項3の電子写真感光体
は、前記N,N−ビスエナミン化合物の誘導体が、下記
一般式(4)で示されるN,N−ビスエナミン化合物で
あることを特徴とするものである。
【0016】
【化4】
【0017】本発明に係る請求項4の電子写真感光体
は、前記N,N−ビスエナミン化合物の誘導体が、下記
一般式(5)で示されるN,N−ビスエナミン化合物で
あることを特徴とするものである。
【0018】
【化5】
【0019】本発明に係る請求項5の電子写真感光体
は、前記一般式(1)で示されるN,N−ビスエナミン
化合物と、前記一般式(2)で示されるトコフェノール
化合物とが、N,N−ビスエナミン化合物100重量部
に対して、トコフェノール化合物0.1〜15重量部の
範囲で添加されてなることを特徴とするものである。
【0020】本発明の要旨は、導電性支持体上に光導電
層を有する電子写真感光体において、光導電層として下
記一般式(1)で表されるN,N−ビスエナミン化合物
と、下記一般式(2)で表されるトコフェノール化合物
を少なくともそれぞれ一種類以上含有させた電子写真感
光体にある。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【作用】請求項1においては、光導電層に含まれるキャ
リア輸送物質として前記一般式(1)で示されるN,N
−ビスエナミン化合物を、酸化防止剤として前記一般式
(2)で示されるトコフェノール化合物を用いることに
より、高感度、高耐久性を有する電子写真感光体が提供
できるものである。
【0024】請求項2においては、前記N,N−ビスエ
ナミン化合物の誘導体として、前記一般式(3)で示さ
れるN,N−ビスエナミン化合物を用いることにより、
高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がより最適に
得られるものである。
【0025】請求項3においては、前記N,N−ビスエ
ナミン化合物の誘導体として、前記一般式(4)で示さ
れるN,N−ビスエナミン化合物を用いることにより、
高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がより最適に
得られるものである。
【0026】請求項4においては、前記N,N−ビスエ
ナミン化合物の誘導体として、前記一般式(5)で示さ
れるN,N−ビスエナミン化合物を用いることにより、
高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がより最適に
得られるものである。
【0027】請求項5においては、前記一般式(1)で
示されるN,N−ビスエナミン化合物100重量部に対
して、前記一般式(2)で示されるトコフェノール化合
物を0.1〜15重量部含有させることにより、高感
度、高耐久性が達成されるものである。
【0028】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光導電層は導電性支持体上に設けられる。導電性支持体
としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル
等の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、
酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエ
ステルフィルム、紙などの絶縁性支持体が使用される。
【0029】導電性支持体と光導電層との間には通常使
用されるような公知のバリアー層が設けられていてもよ
い。バリアー層としては、たとえばアルミニウム陽極酸
化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無
機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、
デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の
有機層が使用される。
【0030】光導電層は電荷発生層、電荷輸送層をこの
順で積層したもの、あるいは逆に積層したもの、更には
電荷輸送媒体中に電荷発生物質粒子を分散したいわゆる
分散型などいずれも用いることができる。積層型光導電
層の場合、電荷発生層に用いられる電荷発生物質として
は、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛、その他の無機光導電物質、フタロシアニ
ン、アゾ色素、キナクリドン、多環キノン、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩、インヂゴ、チオインジゴ、アン
トアントロン、ピラントロン、シアニン等の各種有機顔
料、染料が使用できる。中でも無金属フタロシアニン、
銅インジウム、ガリウム、錫、オキシチタニウム、亜
鉛、バナジウム等の金属または、その酸化物、塩化物の
配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリ
スアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。電荷発
生層はこれらの物質の微粒子を、たとえば、ポリエステ
ル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニル
プロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル等の各種バインダー樹脂で結着
した形の分散層で使用してもよい。この場合の使用比率
はバインダー樹脂100重量部に対して30〜500重
量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μm〜
2μm、好ましくは0.15μm〜0.8μmが好適で
ある。また電荷発生層には必要に応じて塗布性を改善す
るためのレベリング剤や本発明のトコフェノール系酸化
防止剤、増感剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
また電荷発生層は上記電荷発生物質の蒸着膜であっても
よい。
【0031】電荷輸送層は基本的にバインダー樹脂とと
もに下記一般式(1)で示される、N,N−ビスエナミ
ン化合物と、下記一般式(2)で示されるトコフェノー
ル化合物から構成される。
【0032】
【化1】
【0033】一般式(1)で示されるN,N−ビスエナ
ミン化合物の置換基について具体的に述べると、Arと
してはアリール置換体が主要化合物である。具体的には
フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、p−エ
トキシフェニル、イソプロピルフェニル、フルオロフェ
ニル、トリフルオロメチルフェニル、ジメチルアミノフ
ェニル、ナフチル、メチルナフチル、ビフェニル、メチ
ルビフェニル、メトキシビフェニル、アントリル、テト
ラニル、インダニル等のアリール基等が挙げられる。一
般式(4)で示されるアリール基のp−位のヒドラゾノ
置換体を具体的に述べると、R1とR2はメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル等のアルキル基、
フェニル、トリル、メトキシフェニル、エトキシフェニ
ル、イソプロピルフェニル、フルオロフェニル、トリフ
ルオロメチルフェニル、ジメチルアミノフェニル、ナフ
チル、メチルナフチル、ビフェニル、メチルビフェニ
ル、メトキシビフェニル、アントリル、テトラニル、イ
ンダニル等のアリール基、ベンジル、p−メチルベンジ
ル、p−メトキシベンジル、p−クロロベンジル等のア
ラルキル基、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチオフラニ
ル、フルオレノニル、アクリジニル、2,1,3−ベン
ゾチアジアゾリル、2−ベンゾチアジアゾリル、6−メ
トキシ−2−ベンゾチアジアゾリル、2−ベンゾオキサ
ゾリル、2−メチル−5−ベンゾオキサゾリル、4−フ
ェニル−2−チアゾリル、5−エチル−2−1,2,
3,4−チアジアゾリル、5−メチル−3−イソオキサ
ゾリル等の複素環基、チエニルメチル等の複素環置換ア
ルキル基、インドリニル、2−フェニルインドリニル等
の窒素含有複素換基であり、R3、R4、R5、R6は
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ等のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基等のアルキル
アミノ基が挙げられる。一般式(5)で示されるアリー
ル基のp−位のスチリル置換体を具体的に述べると、R
7とR8は水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、
メトキシフェニル、エトキシフェニル、イソプロピルフ
ェニル、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニ
ル、ジメチルアミノフェニル、ナフチル、メチルナフチ
ル、ビフェニル、メチルビフェニル、メトキシビフェニ
ル、アントリル、テトラニル、インダニル等のアリール
基、ベンジル、p−メチルベンジル、p−メトキシベン
ジル、p−クロロベンジル等のアラルキル基、ピリジ
ル、ピリミジル、ベンゾチオフラニル、フルオレノニ
ル、アクリジニル、2,1,3−ベンゾチアジアゾリ
ル、2−ベンゾチアジアゾリル、6−メトキシ−2−ベ
ンゾチアジアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−メ
チル−5−ベンゾオキサゾリル、4−フェニル−2−チ
アゾリル、5−エチル−2−1,2,3,4−チアジア
ゾリル、5−メチル−3−イソオキサゾリル等の複素環
基、チエニルメチル等の複素環置換アルキル基、aは水
素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン
原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ等のアルコキシ基が挙げられる。
【0034】また、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチオ
フラニル、フルオレノニル、アクリジニル、2,1,3
−ベンゾチアジアゾリル、2−ベンゾチアジアゾリル、
6−メトキシ−2−ベンゾチアジアゾリル、2−ベンゾ
オキサゾリル、2−メチル−5−ベンゾオキサゾリル、
4−フェニル−2−チアゾリル、5−エチル−2−1,
2,3,4−チアジアゾリル、5−メチル−3−イソオ
キサゾリル等の複素環基、ベンジル、メトキシベンジ
ル、メチルベンジル等のアラルキル基、チエニルメチル
等の複素環置換アルキル基が挙げられるが、無置換及び
電子供与基で置換されたアリール基が有効である。
【0035】特に好ましくは、フェニル、p−メトキシ
フェニル、m−メトキシフェニル、p−エトキシフェニ
ル、m−エトキシフェニル、p−トリル、m−トリル、
m−エチルフェニル、m−イソプロピルフェニル、3,
5−キシリル、m−クロロフェニル、1ーナフチル、m
−ジメチルアミノフェニル等のアリール基、2−ピリジ
ル、6−メトキシ−2−ベンゾチアゾリル、2−メチル
−5−ベンゾオキサゾリル等の複素環基を挙げることが
できる。一般式(4)で示されるヒドラゾノ基置換アリ
ール基のR1とR2はメチル、エチル等のアルキル基、
フェニル、トリル、メトキシフェニル、ナフチル等のア
リール基、ベンゾチオフラニル、2−ベンゾオキサゾリ
ル、4−フェニル−2−チアゾリル等の複素環基、チエ
ニルメチル等の複素環置換アルキル基、インドリニル、
2ーフェニルインドリニル等の窒素含有複素換基であ
り、R3、R4、R5、R6は水素原子、メチル、エチ
ル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ
基、メチルフェニルアミノ基等のアルキルアミノ基を挙
げることができる。一般式(5)で示されるスチリル基
置換アリール基のR7とR8はメチル、エチル等のアル
キル基、フェニル、トリル、メトキシフェニル、ナフチ
ル等のアリール基、ベンゾチオフラニル、2−ベンゾオ
キサゾリル、4−フェニル−2−チアゾリル等の複素環
基、チエニルメチル等の複素環置換アルキル基、aは水
素原子、メチル、エチル等のアルキル基、メトキシ、エ
トキシ等のアルコキシ基を挙げることができる。
【0036】
【化2】
【0037】具体的には、Aは水素原子、メタノイル、
エタノイル、プロパノイル、ブタノイル等のアシル基、
メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基であ
り、Zは4,8,12−トリメチルトリデカニル基、
4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカト
リエニル基等の非環式炭化水素基であり、Bは水素原
子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のア
ルコキシ基を挙げることができる。
【0038】特に好ましくは、Aは水素原子、メタノイ
ル、エタノイル等のアシル基、Zは4,8,12−トリ
メチルトリデカニル基、4,8,12−トリメチル−
3,7,11−トリデカトリエニル基であり、Bは水素
原子、メチル、エチル基等のアルキル基を挙げることが
できる。
【0039】次に本発明の電子写真感光体に用いる一般
式(1)で示されるエナミン誘導体の具体例として次の
表1〜表8で、一般式(2)で示されるトコフェノール
化合物の具体例として次の表9で、示される置換基を有
する例示化合物を挙げることができる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂と
しては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重
合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステル
カーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキ
シ、エポキシ、シリコーン樹脂などが挙げられ、これら
は単独あるいは2種類以上混合して使用してもよく、ま
たこれらの部分的に架橋した熱硬化性樹脂も使用でき
る。
【0050】バインダー樹脂と前記一般式(1)で示さ
れるN,N−ビスエナミン化合物との割合は、バインダ
ー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ま
しくは40〜150重量部の範囲で使用される。
【0051】更に前記一般式(2)で示されるトコフェ
ノ−ル化合物の添加の割合は一般式(1)で示される
N,N−ビスエナミン化合物100重量部に対して0.
1〜15重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲で
使用される。
【0052】また電荷輸送層には、必要に応じてレベリ
ング剤や酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤を含んで
いてもよい。電荷輸送層の膜厚は10〜60μm、好ま
しくは10〜40μmの厚みで使用されるのがよい。最
表面層として従来公知の例えば熱可塑性あるいは熱硬化
性ポリマーを主体とするオーバーコート層を設けてもよ
い。通常は電荷発生層の上に電荷輸送層を形成するが、
逆も可能である。各層の形成方法としては、層に含有さ
せる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液
を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
【0053】分散型光導電層の場合には、上記のような
配合比の電荷輸送層中に、前出の電荷発生物質が分散さ
れる。その場合の粒子径は充分小さいことが必要であ
り、このましくは1μm以下、より好ましくは0.5μ
m以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物
質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎる
と帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば
好ましくは0.5〜50重量%の範囲内で、より好まし
くは1〜20重量%の範囲内で使用される。感光層の膜
厚は通常5〜50μm、より好ましくは10〜40μm
で使用される。またこの場合にも成膜性、可とう性、機
械的強度などを改良するための公知の可塑剤、残留電位
を抑制するための添加剤、分散安定向上のための分散補
助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性
剤、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイルその他の
添加物が添加されていても良い。
【0054】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例によりさらに
詳細に説明するが特にこれらに限定されるものではな
い。
【0055】《実施例1》アルミ蒸着のポリエステルフ
ィルム(膜厚80μm)を支持体とし、その上に下記構
造式
【0056】
【化6】
【0057】で示されるビスアゾ顔料をフェノキシ樹脂
(ユニオンカーバイド社製;PKHH)を溶かした1%
のテトラヒドロフラン(THF)溶液中に重量で樹脂と
同量加え、ついでペイントコンディショナー(レッドレ
ベル社製)中で直径1.5mmのガラスビーズと一緒の
状態で約2時間分散を行いドクターブレイド法により塗
布、乾燥した。乾燥後の膜厚は0.2μmであった。
【0058】この顔料層(電荷発生層)の上に前記一般
式(1)の例示化合物No.1を100重量部と前記一
般式(2)の例示化合物No.102を2重量部、及び
下記構造のポリカーボネート樹脂100重量部をジクロ
ロメタンに溶解させた液をスキージングドクターにより
塗布し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を設け、積層型
の電子写真感光体を得た。
【0059】
【化7】
【0060】次にシャープ社製複写機(SF−887
0)を改造し、ドラム部に前記積層型電子写真感光体を
貼り付け気温35℃、湿度85%の環境下で連続空コピ
ー(Non Copy Aging)を2万回行った後、初期電位低
下、残留電位上昇を調べた。
【0061】この結果を表10に示す。
【0062】《実施例2〜3》前記一般式(1)の例示
化合物をNo.3,No.16に変えて実施例1と同様
の実験を行った。
【0063】この結果を表10に示す。
【0064】《実施例4〜6》実施例1〜3と同様の条
件で、前記一般式(2)の例示化合物をNo.113に
変えて行った。
【0065】この結果を表10に示す。
【0066】《比較例1〜3》また、比較例として前記
実施例1〜3において使用した前記一般式(2)の例示
化合物No.102に示されるトコフェノール化合物を
用いない以外は実施例1と同様にして積層型の電子写真
感光体を作製し、その特性を評価した。
【0067】この結果を表10に示す。
【0068】
【表10】
【0069】《実施例7〜12》測定環境を気温5℃、
湿度20%に変えて実施例1〜6と同様に測定を行っ
た。
【0070】その結果を表11に示す。
【0071】《比較例4〜6》測定環境を気温5℃、湿
度20%に変えて比較例1〜3と同様に測定を行った。
【0072】その結果を表11に示す。
【0073】
【表11】
【0074】以上の結果から明らかなように本発明の電
子写真感光体は極めて優れた性能を有していることがわ
かる。
【0075】《実施例13〜18》前記一般式(1)の
例示化合物を前記一般式(3)で示した例示化合物のN
o.48、No.49、No.54に変えて前記実施例
1〜6と同様に測定を行った。
【0076】その結果を表12に示す。
【0077】《比較例7〜9》前記一般式(1)の例示
化合物を前記一般式(3)で示した例示化合物のNo.
48、No.49、No.54に変えて前記比較例1〜
3と同様に測定を行った。
【0078】この結果を表12に示す。
【0079】
【表12】
【0080】《実施例19〜24》測定環境を気温5
℃、湿度20%に変えて実施例13〜18と同様に測定
を行った。
【0081】その結果を表13に示す。
【0082】《比較例10〜12》測定環境を気温5
℃、湿度20%に変えて比較例7〜9と同様に測定を行
った。
【0083】その結果を表13に示す。
【0084】
【表13】
【0085】以上の結果から明らかなように本発明の電
子写真感光体は極めて優れた性能を有していることがわ
かる。
【0086】《実施例25〜30》前記一般式(3)の
例示化合物を前記一般式(4)で示した例示化合物のN
o.76、No.78、No.87に変えて前記実施例
13〜18と同様に測定を行った。
【0087】その結果を表14に示す。
【0088】《比較例13〜15》前記一般式(3)の
例示化合物を前記一般式(4)で示した例示化合物のN
o.76、No.78、No.87に変えて前記比較例
7〜9と同様に測定を行った。
【0089】この結果を表14に示す。
【0090】
【表14】
【0091】《実施例31〜36》測定環境を気温5
℃、湿度20%に変えて実施例25〜30と同様に測定
を行った。
【0092】その結果を表15に示す。
【0093】《比較例16〜18》測定環境を気温5
℃、湿度20%に変えて比較例13〜15と同様に測定
を行った。
【0094】その結果を表15に示す。
【0095】
【表15】
【0096】以上の結果から明らかなように本発明の電
子写真感光体は極めて優れた性能を有していることがわ
かる。
【0097】《実施例37》前記一般式(1)の例示化
合物No.3と前記一般式(2)の例示化合物No.1
02を実施例1と同様の方法で積層型の電子写真感光体
を作製し、静電記録紙試験装置(川口電気製SP−42
8)に装着し、加電圧;−6kV、スタティックNo.
3の条件で測定した。帯電、露光、除電を行い、そのと
きの初期帯電量、帯電開始から3秒後の電位の低下分
(暗減衰)、半減露光感度、残留電位を測定した。
【0098】その結果を表16に示す。
【0099】《実施例38》前記一般式(1)の例示化
合物No.3を前記一般式(4)の例示化合物No.4
9に変て実施例37と同様に測定した。
【0100】その結果を表16に示す。
【0101】《実施例39》前記一般式(1)の例示化
合物No.3を前記一般式(5)の例示化合物No.9
1に変えて実施例37と同様に測定した。
【0102】その結果を表16に示す。
【0103】
【表16】
【0104】以上の結果から明らかなように本発明の電
子写真感光体は光感度が非常に高く、暗減衰、残留電位
のレベルも良好な結果を示している。
【0105】
【発明の効果】請求項1の電子写真感光体によれば、従
来に比べ、高感度、高耐久性を有するため、高温、高湿
下、及び低温、低湿下で安定した帯電性、低い残留電位
等非常に優れた性能を有する電子写真感光体を提供する
ことが可能となる。
【0106】請求項2の電子写真感光体によれば、従来
に比べ、高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がよ
り最適に得られるため、より高温、高湿下、及び低温、
低湿下で安定した帯電性、低い残留電位等非常に優れた
性能を有する電子写真感光体を提供することが可能とな
る。
【0107】請求項3の電子写真感光体によれば、従来
に比べ、高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がよ
り最適に得られるため、より高温、高湿下、及び低温、
低湿下で安定した帯電性、低い残留電位等非常に優れた
性能を有する電子写真感光体を提供することが可能とな
る。
【0108】請求項4の電子写真感光体によれば、従来
に比べ、高感度、高耐久性を有する電子写真感光体がよ
り最適に得られるため、より高温、高湿下、及び低温、
低湿下で安定した帯電性、低い残留電位等非常に優れた
性能を有する電子写真感光体を提供することが可能とな
る。
【0109】請求項5の電子写真感光体によれば、高感
度、高耐久性が達成されるため、繰り返し使用しても安
定した電子写真特性を有するという効果が得られるもの
である。
【0110】即ち、本発明による、光導電層に特定のキ
ャリア輸送物質と特定の酸化防止剤を含有させた電子写
真感光体は、高いキャリア輸送性を有するため、極めて
高い光感度を有し、低い残留電位を示す。また、繰り返
しの使用及び、温度、湿度による帯電性や残留電位の変
動も非常に少なく安定性が極めて良好であるため耐久性
に優れており、高速の複写機やプリンターにも何等問題
なく用いることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも光導電層が
    形成された電子写真感光体において、 前記光導電層は、少なくとも、 キャリア輸送物質をなし、下記一般式(1)で示される
    N,N−ビスエナミン化合物と、 酸化防止剤をなし、下記一般式(2)で示されるトコフ
    ェノール化合物とを含有してなることを特徴とする電子
    写真感光体。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記N,N−ビスエナミン化合物は、そ
    の誘導体が、下記一般式(3)で示されるN,N−ビス
    エナミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。 【化3】
  3. 【請求項3】 前記N,N−ビスエナミン化合物は、そ
    の誘導体が、下記一般式(4)で示されるN,N−ビス
    エナミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。 【化4】
  4. 【請求項4】 前記N,N−ビスエナミン化合物は、そ
    の誘導体が、下記一般式(5)で示されるN,N−ビス
    エナミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。 【化5】
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)で示されるN,N−ビ
    スエナミン化合物と、前記一般式(2)で示されるトコ
    フェノール化合物とは、 N,N−ビスエナミン化合物100重量部に対して、ト
    コフェノール化合物0.1〜15重量部の範囲で添加さ
    れてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記
    載の電子写真感光体。
JP8374595A 1995-04-10 1995-04-10 電子写真感光体 Pending JPH08278646A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100412698C (zh) * 2002-09-04 2008-08-20 夏普株式会社 有机光导电性材料、采用该材料的电子照相感光体及图像形成装置

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