JPH08277283A - エチレンスルフィドの回収方法 - Google Patents

エチレンスルフィドの回収方法

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JPH08277283A
JPH08277283A JP7080396A JP8039695A JPH08277283A JP H08277283 A JPH08277283 A JP H08277283A JP 7080396 A JP7080396 A JP 7080396A JP 8039695 A JP8039695 A JP 8039695A JP H08277283 A JPH08277283 A JP H08277283A
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Ryuichi Ishikawa
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Yukihiro Matsumoto
行弘 松本
Teruhisa Kajiwara
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンスルフィドと、エチレンスルフィド
よりも沸点の高いトルエン(疎水性有機化合物)と、ト
ルエンよりも沸点の高い高沸点化合物とを含み、かつ、
水分を含有する原液(溶液)を、連続蒸留塔2、蒸留塔
4、および精留塔5を用いて連続的に蒸留することによ
りエチレンスルフィドを回収する方法。連続蒸留塔2か
らトルエンおよび水と共にエチレンスルフィドを留出さ
せる。この留出液を分離槽3内で油層と水層とに分離さ
せる。蒸留塔4にて上記油層を還流操作を行わないで連
続的に蒸留し、エチレンスルフィドの一部と共に水を留
出させる。蒸留塔4の缶出液を精留塔5で精留し、エチ
レンスルフィドを回収する。 【効果】 エチレンスルフィドの重合反応を抑制するこ
とができ、該エチレンスルフィドを連続的、効率的かつ
安定的に分離・回収することができる。また、各種蒸留
塔や配管等が閉塞することを回避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレンスルフィド
(硫化エチレン)の回収方法に関するものである。エチ
レンスルフィドは反応性に優れており、医薬品、農薬、
各種工業薬品、含硫黄ポリマー等の原料として広範囲に
用いられている有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】エチレンスルフィドは、比重がほぼ1で
沸点が55℃の油状の化合物であり、公知の文献および本
願発明者等の知見を要約すると、以下に示すような性質
を備えている。即ち、水と混合しない。水と共沸す
る。常圧下での共沸温度は約51℃であり、共沸組成物
は、エチレンスルフィド:水が重量比で凡そ95:5であ
る。液体の状態で水と接触すると、次第に重合する。
つまり、水との直接接触に対して不安定である。そし
て、生成する重合物は、融点の高い白色の固形物とな
る。メルカプタン類と穏やかに反応して、開環付加物
を生成する。
【0003】従来より、エチレンスルフィドを合成する
方法は、例えば、米国特許 3,687,976号、米国特許 3,6
22,597号、英国特許 1,135,800号、オランダ特許 7,00
1,172号、オランダ特許 6,512,117号、J.Chem.Soc. (Se
ct C) 1252 (1969)等に開示されている。また、エチレ
ンスルフィドを工業的に製造する方法としては、2-メル
カプトエタノールを気相で接触脱水(分子内脱水)する
方法が提案されており、特開平5-202027号公報には、該
脱水反応に有用な触媒が開示されている。そして、特開
平5-339257号公報には、上記脱水反応で得られるエチレ
ンスルフィドを疎水性有機化合物を用いて捕集する捕集
方法が開示されている。
【0004】上記の捕集方法においては、エチレンスル
フィドは、未反応の原料である2-メルカプトエタノー
ル、副生成物であるスルフィド化合物類、および少量の
水と共に疎水性有機化合物の溶液として捕集される。
【0005】一方、エチレンスルフィドは、アルキルメ
ルカプタンやチオアミド化合物等の公知の安定剤、およ
び少量の水の共存下、疎水性有機化合物溶液として保存
される。尚、上記の疎水性有機化合物は、取り扱いの容
易さ等の工業的な観点から、通常、エチレンスルフィド
よりも沸点の高い化合物が使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報等
の文献には、エチレンスルフィドの製造方法は開示され
ているものの、得られる反応混合物からエチレンスルフ
ィドを安定的に単離・精製する方法、つまり、エチレン
スルフィドを回収する方法については何ら記載されてい
ない。尚、エチレンスルフィドの製造方法は、工業的に
は確立されていない。
【0007】前述のように、疎水性有機化合物はエチレ
ンスルフィドよりも沸点が高く、しかも、エチレンスル
フィドは油状の化合物である。従って、疎水性有機化合
物溶液からエチレンスルフィドを分離・回収する場合
に、該疎水性有機化合物溶液を蒸留塔を用いて連続的に
蒸留すると、エチレンスルフィドは水との間で、蒸留系
で最も低い沸点を有する共沸組成物を形成する。つま
り、エチレンスルフィドは水と共沸する。このため、疎
水性有機化合物溶液中に溶解および/または懸濁して存
在する水は、エチレンスルフィドと共に蒸留塔から留出
する。
【0008】しかしながら、上記の留出液を冷却する
と、エチレンスルフィドは、液体の状態で水と接触する
ことになるので、次第に重合して融点の高い重合物とな
る。このため、該重合物の生成により、エチレンスルフ
ィドの損失が生じ、回収率が低下するという問題点を有
している。また、上記の重合物が蒸留塔内や配管内等で
生成し蓄積すると、これら蒸留塔や配管等が閉塞し、連
続的に蒸留することが困難になるという問題点も招来す
る。
【0009】従って、エチレンスルフィドと、疎水性有
機化合物と、スルフィド化合物等の高沸点化合物とを含
み、かつ、水分を含有する溶液から、上記の問題点を生
じることなくエチレンスルフィドを分離・回収する方法
が切望されている。即ち、本発明は、上記従来の問題点
に鑑みなされたものであり、その目的は、エチレンスル
フィドと、疎水性有機化合物と、高沸点化合物とを含
み、かつ、水分を含有する溶液から、連続的な蒸留によ
ってエチレンスルフィドを効率的かつ安定的に分離・回
収することができる新規な回収方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、新規な
エチレンスルフィドの回収方法を提供すべく鋭意検討し
た結果、疎水性有機化合物溶液を蒸留塔を用いて連続的
に蒸留する際に、エチレンスルフィドおよび水と共に疎
水性有機化合物を留出させることによって、該エチレン
スルフィドの重合反応を抑制することができ、エチレン
スルフィドを効率的かつ安定的に分離・回収することが
できることを見い出して、本発明を完成させるに至っ
た。
【0011】即ち、請求項1記載の発明のエチレンスル
フィドの回収方法は、上記の課題を解決するために、エ
チレンスルフィドと、エチレンスルフィドよりも沸点の
高い疎水性有機化合物と、該疎水性有機化合物よりも沸
点の高い高沸点化合物とを含み、かつ、水分を含有する
溶液を、第一の蒸留塔を用いて連続的に蒸留することに
よりエチレンスルフィドを回収する方法であって、上記
疎水性有機化合物および水と共にエチレンスルフィドを
留出させることを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
記載のエチレンスルフィドの回収方法において、第一の
蒸留塔の留出液を静置することにより、油層と水層とに
分離させることを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項2
記載のエチレンスルフィドの回収方法において、上記油
層の一部を第一の蒸留塔の塔頂部に還流させることを特
徴としている。
【0014】請求項4記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
または2記載のエチレンスルフィドの回収方法におい
て、第一の蒸留塔の塔頂部に該疎水性有機化合物と同一
の疎水性有機化合物を連続的に供給することを特徴とし
ている。
【0015】請求項5記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項
2、3または4記載のエチレンスルフィドの回収方法に
おいて、上記油層を第二の蒸留塔の塔頂部に供給しなが
ら、還流操作を行わないで連続的に蒸留し、エチレンス
ルフィドの一部と共に水を留出させる一方、エチレンス
ルフィドと疎水性有機化合物との混合物を缶出させるこ
とを特徴としている。
【0016】請求項6記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項5
記載のエチレンスルフィドの回収方法において、第二の
蒸留塔の缶出液を、第三の蒸留塔を用いて蒸留し、エチ
レンスルフィドを留出させることを特徴としている。
【0017】請求項7記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項5
または6記載のエチレンスルフィドの回収方法におい
て、第一の蒸留塔に溶液を連続的に供給するタンクに、
原液である新しい溶液と、第二の蒸留塔の留出液とを連
続的に供給することを特徴としている。
【0018】請求項8記載の発明のエチレンスルフィド
の回収方法は、上記の課題を解決するために、請求項5
または6記載のエチレンスルフィドの回収方法におい
て、第一の蒸留塔に溶液を連続的に供給するタンクに、
原液である新しい溶液を連続的に供給する一方、第一の
蒸留塔の留出液を油層と水層とに分離させる分離槽に、
第二の蒸留塔の留出液を連続的に供給することを特徴と
している。
【0019】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかるエチレンスルフィドの回収方法において、蒸留操
作の対象となる原液としての溶液は、エチレンスルフィ
ドと、エチレンスルフィドよりも沸点の高い疎水性有機
化合物と、該疎水性有機化合物よりも沸点の高い高沸点
化合物とを含み、かつ、水分を含有する混合溶液であ
る。上記の溶液は、例えば、上記従来のエチレンスルフ
ィドの製造方法によって容易に得られる。該溶液として
は、具体的には、例えば、2-メルカプトエタノールを気
相で接触脱水することにより得られるエチレンスルフィ
ドを、疎水性有機化合物にて捕集した捕集溶液(特開平
5-339257号公報参照)、エチレンスルフィドをアルキル
メルカプタンやチオアミド化合物等の公知の安定剤の共
存下、疎水性有機化合物溶液とした保存溶液等が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。
【0020】上記の高沸点化合物としては、具体的に
は、未反応の原料である2-メルカプトエタノール、副生
成物であるスルフィド化合物、メルカプタン類等の含硫
黄化合物、各種不純物等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。
【0021】上記の疎水性有機化合物は、エチレンスル
フィドよりも沸点が高く、かつ、エチレンスルフィドや
高沸点化合物等に対して不活性な化合物であればよく、
特に限定されるものではない。該疎水性有機化合物とし
ては、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、プソイドクメン、ジエチルベンゼン、テトラリン
等の芳香族炭化水素類;フルオロベンゼン、ヘキサフル
オロベンゼン、クロロベンゼン、クロロトルエン等の含
ハロゲン芳香族化合物類;ヘキサン、デカン、イソオク
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロ
ロエタン、フルオロシクロヘキサン等の含ハロゲン脂肪
族化合物類;ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテ
ル、フェニルメチルエーテル等のエーテル化合物類;3-
ヘキサノン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、フェニ
ルメチルケトン等のケトン化合物類;酢酸フェニル、安
息香酸メチル等のエステル化合物類等が挙げられる。上
記例示の化合物のうち、取り扱いの容易さ等の工業的な
観点から、芳香族炭化水素類や脂肪族炭化水素類がより
好ましく、蒸留操作(つまり、精留)の容易さから、エ
チレンスルフィドとの沸点差が比較的大きい炭素数6以
上の炭化水素類が特に好ましい。
【0022】上記の溶液からエチレンスルフィドを連続
的に回収する方法について以下に説明する。先ず、エチ
レンスルフィドの回収に好適に用いられる蒸留装置の一
例について、図1を参照しながら、説明する。尚、蒸留
装置は、図1に示す構成にのみ限定されるものではな
い。
【0023】図1に示すように、上記の蒸留装置は、タ
ンク1、連続蒸留塔(第一の蒸留塔)2、分離槽3、蒸
留塔(第二の蒸留塔)4、精留塔(第三の蒸留塔)5、
および凝縮器6・7・8等から構成されている。
【0024】タンク1は、その内部に、所定量の上記溶
液(原液)を常時貯留する。タンク1は、配管11を介
して連続蒸留塔2の中段部と接続されており、配管12
を介して図示しないエチレンスルフィド製造装置または
原液供給タンクと接続されており、配管16および凝縮
器7を介して蒸留塔4の塔頂部と接続されている。タン
ク1の底部には、溶液から分離した水を適宜抜き出すた
めの配管21が設けられている。尚、本発明において
「中段部」とは、蒸留塔における最上段および最下段を
除いた中間の段を示している。
【0025】上記のタンク1には、エチレンスルフィド
製造装置または原液供給タンクから原液が連続的に供給
されると共に、蒸留塔4の留出液が連続的に返還され
る。また、タンク1は、溶液を連続蒸留塔2の中段部に
連続的に供給する。
【0026】連続蒸留塔2は、エチレンスルフィドを放
散するいわゆる放散塔であり、溶液を連続的に蒸留す
る。連続蒸留塔2の中段部は、配管11を介してタンク
1と接続されており、塔頂部は、配管13および凝縮器
6を介して分離槽3と接続されている。また、連続蒸留
塔2の塔底部には、缶出液を抜き取るための配管22が
設けられている。さらに、連続蒸留塔2の塔頂部近傍に
は、配管15が配設されている。
【0027】上記連続蒸留塔2の中段部には、タンク1
から溶液が連続的に供給される。そして、連続蒸留塔2
は、疎水性有機化合物および水と共にエチレンスルフィ
ドを留出液として留出する一方、高沸点化合物を含む疎
水性有機化合物を缶出液として缶出する。また、連続蒸
留塔2の塔頂部近傍には、分離槽3から油層(後述す
る)の一部が返還される。
【0028】上記の凝縮器6は、配管13の所定位置に
配設されており、連続蒸留塔2から留出するガス(留出
液)を凝縮して液化する。
【0029】分離槽3は、いわゆるデカンターであり、
連続蒸留塔2の留出液を静置することにより、該留出液
を油層と水層とに分離する。分離槽3は、配管13およ
び凝縮器6を介して連続蒸留塔2の塔頂部と接続されて
いる。また、分離槽3における油層を抜き出せる位置に
は、配管14・15が設けられている。配管14は、蒸
留塔4の塔頂部近傍と接続されており、配管15は、連
続蒸留塔2の頂部近傍と接続されている。さらに、分離
槽3の底部には、水層を抜き出すための配管23が設け
られている。
【0030】上記の分離槽3には、連続蒸留塔2の留出
液が連続的に供給される。そして、分離槽3は、油層を
蒸留塔4の塔頂部近傍に連続的に供給する一方、該油層
の一部を連続蒸留塔2の塔頂部近傍に連続的に返還す
る。また、分離槽3は、底部から適宜水層が抜き出され
る。尚、上記の油層には、水分が若干含まれている。
【0031】蒸留塔4は、還流操作を行わないで、つま
り、還流比を実質的に0に設定して油層を連続的に蒸留
し、該油層に含まれる水分を完全に追い出す。蒸留塔4
の塔頂部は、配管16および凝縮器7を介してタンク1
と接続されている。また、蒸留塔4の塔底部は、配管1
7を介して精留塔5の中段部と接続されている。さら
に、蒸留塔4の塔頂部近傍には、配管14が配設されて
いる。
【0032】上記蒸留塔4の塔頂部近傍には、分離槽3
から油層が連続的に供給される。そして、蒸留塔4は、
エチレンスルフィドの一部と共に水を留出液として留出
する一方、エチレンスルフィドと疎水性有機化合物との
混合物を缶出液として缶出する。
【0033】上記の凝縮器7は、配管16の所定位置に
配設されており、蒸留塔4から留出するガス(留出液)
を凝縮して液化する。
【0034】精留塔5は、上記の混合物を精留し、エチ
レンスルフィドを分離・回収、即ち、精製する。精留塔
5の中段部は、配管17を介して蒸留塔4の塔低部と接
続されている。また、精留塔5の塔頂部は、配管18お
よび凝縮器8を介して図示しないエチレンスルフィド貯
蔵タンクと接続されている。さらに、精留塔5の塔底部
は、配管24を介して図示しない疎水性有機化合物回収
装置と接続されている。また、精留塔5の塔頂部近傍に
は、配管18から分枝した配管18aが配設されてい
る。
【0035】上記精留塔5の中段部には、蒸留塔4の塔
底部から該混合物が連続的に供給される。そして、精留
塔5は、エチレンスルフィドを留出液として留出する一
方、疎水性有機化合物を缶出液として缶出する。また、
精留塔5の塔頂部近傍には、エチレンスルフィドの一部
が還流される。
【0036】上記の凝縮器8は、配管18の所定位置に
配設されており、精留塔5から留出するガス(留出液)
を凝縮して液状のエチレンスルフィドとする。
【0037】尚、蒸留装置には、上記各種装置の他に、
例えば、熱交換器やポンプ、中間タンク(何れも図示せ
ず)等、蒸留操作に必要な種々の装置がさらに設けられ
ている。
【0038】次に、上記構成の蒸留装置を用いたエチレ
ンスルフィドの回収方法の一例について説明する。
【0039】先ず、タンク1に原液である溶液を連続的
に供給しながら、該タンク1から連続蒸留塔2の中段部
に溶液を連続的に供給する。連続蒸留塔2に供給された
溶液は、連続的に蒸留され、エチレンスルフィドと、水
と、疎水性有機化合物の一部とが留出液として塔頂から
留出される。また、高沸点化合物と、疎水性有機化合物
の残りとが缶出液として塔底から缶出される。エチレン
スルフィドは高沸点化合物の一種のメルカプタン類と穏
やかに反応して開環付加物を生成するが、連続蒸留塔2
での蒸留により速やかにメルカプタン類と分離されるた
め、該付加反応による損失を抑制することができる。
【0040】留出液の組成、つまり、上記三者の組成比
は、連続蒸留塔2での蒸留条件、例えば、塔頂の温度、
塔底の温度、塔の段数、および分離槽3から返還される
油層の量等により決定される。換言すれば、連続蒸留塔
2での蒸留条件を適宜変更することにより、留出液およ
び缶出液の組成を変えることができる。また、連続蒸留
塔2での蒸留は、常圧下或いは減圧下で実施することが
できる。尚、疎水性有機化合物は、エチレンスルフィド
や水と共沸するのではなく、いわゆる同伴により、エチ
レンスルフィドと共に留出する。
【0041】上記留出液におけるエチレンスルフィドの
含有量は、75重量%以下であることが好ましい。エチレ
ンスルフィドの含有量が75重量%を越えると、エチレン
スルフィドの比重がほぼ1であるので、例えば留出液に
おける水の含有量が多い場合には、油層と水層との間の
比重差が小さくなる。このため、分離槽3において、い
わゆる油水分離不良を生じ、留出液を静置しても油層と
水層とに分離しなくなるので好ましくない。また、油水
分離不良を生じると、液体の状態でのエチレンスルフィ
ドと水との接触頻度が増す。このため、エチレンスルフ
ィドの重合反応、即ち、重合物の生成が促進されるので
好ましくない。さらに、油水分離不良を生じると、蒸留
塔4に多量の水が供給される。このため、該蒸留塔4の
留出液におけるエチレンスルフィドの含有量が多くなる
と共に、蒸留塔4内におけるエチレンスルフィドの重合
物の生成が促進されるので好ましくない。
【0042】次に、連続蒸留塔2の留出液を分離槽3に
連続的に供給する。分離槽3内で静置された留出液は、
油層と水層とに分離する。そして、油層を蒸留塔4の塔
頂部近傍に連続的に供給する一方、水層を該分離槽3の
底部から抜き出す。また、油層の一部を連続蒸留塔2の
塔頂部近傍に連続的に返還する。
【0043】このように、分離槽3から連続蒸留塔2に
油層の一部を返還することにより、連続蒸留塔2におい
ては、通常の還流操作と同様の効果を得ることができ
る。従って、連続蒸留塔2の留出液に高沸点化合物が含
まれることはない。また、留出液のうち、水層を除いた
油層のみを連続蒸留塔2に返還するので、水が連続蒸留
塔2に戻ることは実質的に無い。従って、連続蒸留塔2
内におけるエチレンスルフィドの重合反応、即ち、重合
物の生成が抑制される。
【0044】次いで、分離槽3から蒸留塔4の塔頂部近
傍に油層を連続的に供給する。蒸留塔4に供給された油
層は、連続的に蒸留され、エチレンスルフィドの一部と
水とが留出液として塔頂から留出される。また、残りの
(つまり、大部分の)エチレンスルフィドと、疎水性有
機化合物とが缶出液として塔底から缶出される。蒸留塔
4においては、その塔頂部近傍に油層が供給され、還流
比を実質的に0に設定して油層を連続的に蒸留し、該油
層に含まれる水分を完全にかつ速やかに追い出す。この
ため、蒸留塔4における水の滞留時間を短くすることが
できるので、該蒸留塔4内におけるエチレンスルフィド
の重合反応、即ち、重合物の生成が抑制される。
【0045】蒸留塔4における留出液の組成、つまり、
上記両者の組成比は、蒸留塔4での蒸留条件、例えば、
塔頂の温度、塔底の温度、および塔の段数等により決定
される。換言すれば、蒸留塔4での蒸留条件を適宜変更
することにより、留出液および缶出液の組成を変えるこ
とができる。また、蒸留塔4での蒸留は、常圧下或いは
減圧下で実施することができる。尚、蒸留塔4の留出液
には、疎水性有機化合物は殆ど含まれていない。また、
蒸留塔4の留出液におけるエチレンスルフィドと水との
重量比は、連続蒸留塔2の留出液における該重量比と互
いに異なっている。
【0046】そして、蒸留塔4の留出液をタンク1に連
続的に返還する。これにより、タンク1内の溶液の組成
が変化することを極力抑制することができる。つまり、
連続蒸留塔2に供給される溶液の組成をほぼ一定に保つ
ことができる。それゆえ、蒸留系が定常状態となり、安
定的に蒸留操作を行うことができる。また、蒸留塔4の
留出液に含まれるエチレンスルフィドを再び連続蒸留塔
2に供給することができるので、エチレンスルフィドの
回収率をより一層向上させることができる。
【0047】続いて、蒸留塔4の缶出液を精留塔5の中
段部に連続的に供給する。精留塔5に供給された缶出液
は、連続的に精留され、エチレンスルフィドが留出液と
して塔頂から留出される一方、疎水性有機化合物が缶出
液として塔底から缶出される。精留塔5では、一般的に
実施されている精留操作が行われる。尚、精留塔5にお
ける蒸留条件、例えば、塔頂の温度、塔底の温度、塔の
段数、および還流比等は、特に限定されるものではな
い。
【0048】以上の蒸留操作を行うことにより、溶液か
らエチレンスルフィドが連続的に回収される。尚、疎水
性有機化合物は、精留塔5の缶出液を疎水性有機化合物
回収装置にて例えば蒸留することにより、容易に回収す
ることができる。回収された疎水性有機化合物は、例え
ばエチレンスルフィド製造装置等に戻されて再利用(リ
サイクル)される。
【0049】尚、エチレンスルフィドの回収に用いられ
る蒸留装置は、図1に示す構成にのみ限定されるもので
はなく、種々の構成とすることができる。蒸留装置は、
例えば、蒸留塔4の塔頂部とタンク1とを接続する配管
16(図1)を設ける代わりに、図2に示すように、蒸
留塔4の塔頂部と分離槽3とを接続する配管26を設け
る構成としてもよい。
【0050】この構成を採用した場合には、蒸留塔4の
留出液は、分離槽3に連続的に返還される。これによ
り、分離槽3内の油層の組成が変化することを極力抑制
することができる。つまり、蒸留塔4に供給される油層
の組成をほぼ一定に保つことができる。それゆえ、蒸留
系が定常状態となり、安定的に蒸留操作を行うことがで
きる。また、蒸留塔4の留出液に含まれるエチレンスル
フィドを再び蒸留塔4に供給することができるので、エ
チレンスルフィドの回収率をより一層向上させることが
できる。
【0051】さらに、蒸留装置は、例えば、分離槽3と
連続蒸留塔2の塔頂部近傍とを接続する配管15(図
1)を設ける代わりに、図3に示すように、連続蒸留塔
2の塔頂部近傍に、溶液中の疎水性有機化合物と同一の
疎水性有機化合物を連続的に供給することができるよう
に、配管25を設ける構成としてもよい。つまり、図示
しない疎水性有機化合物供給タンクと連続蒸留塔2の塔
頂部近傍とを接続する配管25を設ける構成としてもよ
い。尚、上記の疎水性有機化合物供給タンクは、連続蒸
留塔2に疎水性有機化合物を連続的に供給する。
【0052】この構成を採用した場合には、連続蒸留塔
2には、油層の一部が返還される代わりに、新しい疎水
性有機化合物が連続的に供給される。このように、連続
蒸留塔2の塔頂部近傍に新しい疎水性有機化合物を供給
することにより、連続蒸留塔2においては、通常の還流
操作と同様の効果を得ることができる。従って、連続蒸
留塔2の留出液に高沸点化合物が含まれることはない。
また、留出液として留出した水が連続蒸留塔2に戻るこ
とは無い。従って、連続蒸留塔2内におけるエチレンス
ルフィドの重合反応、即ち、重合物の生成が抑制され
る。
【0053】以上のように、本発明にかかるエチレンス
ルフィドの回収方法は、エチレンスルフィドと疎水性有
機化合物と高沸点化合物とを含み、かつ、水分を含有す
る溶液を、連続蒸留塔2を用いて連続的に蒸留すること
により、疎水性有機化合物および水と共にエチレンスル
フィドを留出液として留出させる。これにより、高沸点
化合物からエチレンスルフィドを分離することができる
ので、例えばエチレンスルフィドの付加反応や重合反応
による損失を抑制することができる。
【0054】また、本発明にかかる回収方法は、分離槽
3内で連続蒸留塔2の留出液を静置することにより、油
層と水層とに分離させる。これにより、エチレンスルフ
ィドが水と接触し難くなるので、エチレンスルフィドの
重合反応、即ち、重合物の生成が抑制される。
【0055】さらに、本発明にかかる回収方法は、上記
油層の一部を連続蒸留塔2の塔頂部に還流させる。これ
により、連続蒸留塔2の留出液に高沸点化合物が含まれ
ることはない。また、留出液のうち、水層を除いた油層
のみを連続蒸留塔2に返還するので、水が連続蒸留塔2
に戻ることは実質的に無い。従って、連続蒸留塔2内に
おけるエチレンスルフィドの重合反応、即ち、重合物の
生成が抑制される。
【0056】その上、本発明にかかる回収方法は、上記
油層を蒸留塔4の塔頂部に供給しながら、還流操作を行
わないで連続的に蒸留し、エチレンスルフィドの一部と
共に水を留出させる一方、エチレンスルフィドと疎水性
有機化合物との混合物を缶出させる。これにより、蒸留
塔4における水の滞留時間を短くすることができるの
で、該蒸留塔4内におけるエチレンスルフィドの重合反
応、即ち、重合物の生成を抑制することができる。
【0057】また、本発明にかかる回収方法は、蒸留塔
4の缶出液を、精留塔5を用いて精留し、エチレンスル
フィドを留出させる。これにより、エチレンスルフィド
を単離・精製することができる。
【0058】さらに、本発明にかかる回収方法は、タン
ク1に、原液である新しい溶液と、蒸留塔4の留出液と
を連続的に供給する。これにより、連続蒸留塔2に供給
される溶液の組成をほぼ一定に保つことができるので、
蒸留系が定常状態となり、安定的に蒸留操作を行うこと
ができる。また、蒸留塔4の留出液に含まれるエチレン
スルフィドを再び連続蒸留塔2に供給することができる
ので、エチレンスルフィドの回収率をより一層向上させ
ることができる。
【0059】また、以上のように、本発明にかかるエチ
レンスルフィドの回収方法は、タンク1に、原液である
新しい溶液を連続的に供給する一方、分離槽3に、蒸留
塔4の留出液を連続的に供給する。これにより、蒸留塔
4に供給される油層の組成をほぼ一定に保つことができ
るので、蒸留系が定常状態となり、安定的に蒸留操作を
行うことができる。また、蒸留塔4の留出液に含まれる
エチレンスルフィドを再び蒸留塔4に供給することがで
きるので、エチレンスルフィドの回収率をより一層向上
させることができる。
【0060】さらに、以上のように、本発明にかかるエ
チレンスルフィドの回収方法は、連続蒸留塔2の塔頂部
に、溶液中の疎水性有機化合物と同一の疎水性有機化合
物を連続的に供給する。これにより、連続蒸留塔2の留
出液に高沸点化合物が含まれることはない。また、留出
液として留出した水が連続蒸留塔2に戻ることは無い。
従って、連続蒸留塔2内におけるエチレンスルフィドの
重合反応、即ち、重合物の生成が抑制される。
【0061】そして、上記の回収方法を行うことによ
り、エチレンスルフィドの重合反応を抑制することがで
き、該エチレンスルフィドを連続的、効率的かつ安定的
に分離・回収することができる。
【0062】
【作用】請求項1記載の回収方法によれば、疎水性有機
化合物および水と共にエチレンスルフィドを第一の蒸留
塔の留出液として留出させる。これにより、高沸点化合
物からエチレンスルフィドを分離することができるの
で、例えばエチレンスルフィドの付加反応や重合反応に
よる損失を抑制することができる。
【0063】請求項2記載の回収方法によれば、第一の
蒸留塔の留出液を静置することにより、油層と水層とに
分離させる。これにより、エチレンスルフィドが水と接
触し難くなるので、エチレンスルフィドの重合反応、即
ち、重合物の生成が抑制される。
【0064】請求項3記載の回収方法によれば、上記油
層の一部を第一の蒸留塔の塔頂部に還流させる。これに
より、第一の蒸留塔の留出液に高沸点化合物が含まれる
ことはない。また、留出液のうち、水層を除いた油層の
みを第一の蒸留塔に返還するので、水が第一の蒸留塔に
戻ることは実質的に無い。従って、第一の蒸留塔内にお
けるエチレンスルフィドの重合反応、即ち、重合物の生
成が抑制される。
【0065】請求項4記載の回収方法によれば、第一の
蒸留塔の塔頂部に、溶液中の疎水性有機化合物と同一の
疎水性有機化合物を連続的に供給する。これにより、第
一の蒸留塔の留出液に高沸点化合物が含まれることはな
い。また、留出液として留出した水が第一の蒸留塔に戻
ることは無い。従って、第一の蒸留塔内におけるエチレ
ンスルフィドの重合反応、即ち、重合物の生成が抑制さ
れる。
【0066】請求項5記載の回収方法によれば、上記油
層を第二の蒸留塔の塔頂部に供給しながら、還流操作を
行わないで連続的に蒸留し、エチレンスルフィドの一部
と共に水を留出させる一方、エチレンスルフィドと疎水
性有機化合物との混合物を缶出させる。これにより、第
二の蒸留塔における水の滞留時間を短くすることができ
るので、該第二の蒸留塔内におけるエチレンスルフィド
の重合反応、即ち、重合物の生成を抑制することができ
る。
【0067】請求項6記載の回収方法によれば、第二の
蒸留塔の缶出液を、第三の蒸留塔を用いて蒸留し、エチ
レンスルフィドを留出させる。これにより、エチレンス
ルフィドを単離・精製することができる。
【0068】請求項7記載の回収方法によれば、タンク
に、原液である新しい溶液と、第二の蒸留塔の留出液と
を連続的に供給する。これにより、第一の蒸留塔に供給
される溶液の組成をほぼ一定に保つことができるので、
蒸留系が定常状態となり、安定的に蒸留操作を行うこと
ができる。また、第二の蒸留塔の留出液に含まれるエチ
レンスルフィドを再び第一の蒸留塔に供給することがで
きるので、エチレンスルフィドの回収率をより一層向上
させることができる。
【0069】請求項8記載の回収方法によれば、タンク
に、原液である新しい溶液を連続的に供給する一方、分
離槽に、第二の蒸留塔の留出液を連続的に供給する。こ
れにより、第二の蒸留塔に供給される油層の組成をほぼ
一定に保つことができるので、蒸留系が定常状態とな
り、安定的に蒸留操作を行うことができる。また、第二
の蒸留塔の留出液に含まれるエチレンスルフィドを再び
第二の蒸留塔に供給することができるので、エチレンス
ルフィドの回収率をより一層向上させることができる。
【0070】そして、上記の回収方法を行うことによ
り、エチレンスルフィドの重合反応を抑制することがで
き、該エチレンスルフィドを連続的、効率的かつ安定的
に分離・回収することができる。また、各種蒸留塔や配
管等が閉塞することを回避することができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0072】〔実施例1〕図1に示す蒸留装置を用いて
エチレンスルフィドを連続的に回収した。但し、蒸留塔
4の塔頂部に配設された配管16をタンク1に接続せ
ず、回収タンク(図示せず)に接続した。即ち、蒸留塔
4の留出液をタンク1に返還せずに、回収タンクを用い
て回収した。また、疎水性有機化合物としてトルエンを
用いた。
【0073】連続蒸留塔2として、内径50mmのガラス管
に、充填物として5mmφのステンレス製ディクソンパッ
キングを濃縮部に50cm、回収部に80cm充填したものを用
いた。蒸留塔4として、内径30mmのガラス管に、充填物
として5mmφのステンレス製ディクソンパッキングを回
収部に40cm充填したものを用いた。精留塔5として、内
径30mmのガラス管に、充填物として5mmφのステンレス
製ディクソンパッキングを濃縮部に30cm、回収部に50cm
充填したものを用いた。また、分離槽3内の温度、即
ち、静置すべき留出液の液温を5℃に保った。
【0074】そして、これら連続蒸留塔2、蒸留塔4、
および精留塔5を、常圧で操作した。このとき、連続蒸
留塔2における還流比が5となるように、分離槽3から
連続蒸留塔2に返還される油層の返還量を操作した。ま
た、精留塔5は、還流比が7となるように操作した。
尚、蒸留塔4における還流比は、還流操作を行っていな
いので実質的に0である。
【0075】連続蒸留塔2に供給した溶液の単位時間当
たりの供給量(以下、供給速度と称する)、連続蒸留塔
2から留出した留出液の単位時間当たりの留出量(以
下、留出速度と称する)、連続蒸留塔2から缶出した缶
出液の単位時間当たりの缶出量(以下、缶出速度と称す
る)、蒸留塔4に供給した油層の供給速度、蒸留塔4か
ら留出した留出液の留出速度、蒸留塔4から缶出した缶
出液の缶出速度、精留塔5に供給した蒸留塔4の缶出液
の供給速度、精留塔5から留出した留出液の留出速度、
および、精留塔5から缶出した缶出液の缶出速度を、各
液の組成と共に、表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】尚、連続蒸留塔2における留出液の滞留時
間は5時間であった。また、分離槽3にて分離された水
層の単位時間当たりの分離量は 0.8g/hrであった。従
って、分離槽3においては、留出液中の水分の40重量%
が水層として分離されたことになる。
【0078】上記表1に示した各数値から明らかなよう
に、連続蒸留塔2においては、溶液中のエチレンスルフ
ィドの殆どがトルエンと共に留出液として留出され、一
方、高沸点化合物の全てが残りのトルエンと共に缶出液
として缶出されたことがわかる。また、蒸留塔4におい
ては、油層中の水分の全てがエチレンスルフィドの一部
および少量のトルエンと共に留出液として留出されたこ
とがわかる。尚、上記水分と共に留出したエチレンスル
フィドの量は、量論的な共沸組成物を形成する量より
も、やや過剰であった。
【0079】上記の蒸留装置、即ち、本実施例にかかる
回収方法により連続的に回収されたエチレンスルフィド
の純度は99.6重量%であった。尚、主な不純物はトルエ
ンであった。
【0080】また、連続蒸留塔2に供給したエチレンス
ルフィドの供給量に対する、精留塔5から留出したエチ
レンスルフィドの留出量の割合、つまり、エチレンスル
フィドの回収率は89.5重量%であった。尚、上記エチレ
ンスルフィドの供給量に対する、蒸留塔4から留出した
エチレンスルフィドの留出量の割合、つまり、図示しな
い回収タンクに回収されたエチレンスルフィドの回収率
は 9.1重量%であった。
【0081】〔実施例2〕図3に示す蒸留装置を用いて
エチレンスルフィドを連続的に回収した。但し、実施例
1の蒸留装置と同様に、蒸留塔4の留出液をタンク1に
返還せずに、回収タンクを用いて回収した。また、疎水
性有機化合物としてトルエンを用いた。さらに、連続蒸
留塔2、蒸留塔4、および精留塔5の構成を実施例1の
蒸留装置と同様の構成とすると共に、静置すべき留出液
の液温を5℃に保った。
【0082】そして、これら連続蒸留塔2、蒸留塔4、
および精留塔5を、常圧で操作した。このとき、連続蒸
留塔2には、図示しないトルエン供給タンク(疎水性有
機化合物供給タンク)からトルエンを 350g/hrとなる
ように連続的に供給した。また、精留塔5は、還流比が
7となるように操作した。尚、蒸留塔4における還流比
は、還流操作を行っていないので実質的に0である。
【0083】連続蒸留塔2、蒸留塔4、および精留塔5
のそれぞれの供給速度、留出速度、および缶出速度を、
各液の組成と共に、表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】尚、連続蒸留塔2における留出液の滞留時
間は5時間であった。また、分離槽3にて分離された水
層の単位時間当たりの分離量は 0.4g/hrであった。従
って、分離槽3においては、留出液中の水分の25重量%
が水層として分離されたことになる。
【0086】上記表2に示した各数値から明らかなよう
に、連続蒸留塔2においては、溶液中のエチレンスルフ
ィドの殆どがトルエンと共に留出液として留出され、一
方、高沸点化合物の全てが残りのトルエンと共に缶出液
として缶出されたことがわかる。また、蒸留塔4におい
ては、油層中の水分の全てがエチレンスルフィドの一部
および少量のトルエンと共に留出液として留出されたこ
とがわかる。尚、上記水分と共に留出したエチレンスル
フィドの量は、量論的な共沸組成物を形成する量より
も、やや過剰であった。
【0087】上記の蒸留装置、即ち、本実施例にかかる
回収方法により連続的に回収されたエチレンスルフィド
の純度は99.5重量%であった。尚、主な不純物はトルエ
ンであった。
【0088】また、連続蒸留塔2に供給したエチレンス
ルフィドの供給量に対する、精留塔5から留出したエチ
レンスルフィドの留出量の割合、つまり、エチレンスル
フィドの回収率は87.0重量%であった。尚、上記エチレ
ンスルフィドの供給量に対する、蒸留塔4から留出した
エチレンスルフィドの留出量の割合、つまり、図示しな
い回収タンクに回収されたエチレンスルフィドの回収率
は12.1重量%であった。
【0089】〔実施例3〕図2に示す蒸留装置を用いて
エチレンスルフィドを連続的に回収した。疎水性有機化
合物としてトルエンを用いた。また、連続蒸留塔2、蒸
留塔4、および精留塔5の構成を実施例1の蒸留装置と
同様の構成とすると共に、静置すべき留出液の液温を5
℃に保った。
【0090】そして、これら連続蒸留塔2、蒸留塔4、
および精留塔5を、常圧で操作した。このとき、連続蒸
留塔2における還流比が5となるように、分離槽3から
連続蒸留塔2に返還される油層の返還量を操作した。ま
た、精留塔5は、還流比が7となるように操作した。
尚、蒸留塔4における還流比は、還流操作を行っていな
いので実質的に0である。
【0091】連続蒸留塔2、蒸留塔4、および精留塔5
のそれぞれの供給速度、留出速度、および缶出速度を、
各液の組成と共に、表3に示す。尚、分離槽3にて分離
された水層の単位時間当たりの分離量は2g/hrであっ
た。
【0092】
【表3】
【0093】上記の蒸留装置、即ち、本実施例にかかる
回収方法により連続的に回収されたエチレンスルフィド
の純度は99.2重量%であった。尚、主な不純物はトルエ
ンであった。
【0094】また、分離槽3に供給したエチレンスルフ
ィドの供給量に対する、精留塔5から留出したエチレン
スルフィドの留出量の割合、つまり、エチレンスルフィ
ドの回収率は99.6重量%であった。
【0095】〔実施例4〕図1に示す蒸留装置を用いて
エチレンスルフィドを連続的に回収した。疎水性有機化
合物としてトルエンを用いた。また、連続蒸留塔2、蒸
留塔4、および精留塔5の構成を実施例1の蒸留装置と
同様の構成とすると共に、静置すべき留出液の液温を5
℃に保った。
【0096】さらに、タンク1に図示しない原液供給タ
ンクから原液(溶液)を連続的に供給した。即ち、タン
ク1に、エチレンスルフィドを 248g/hr、トルエンを
735g/hr、高沸点化合物を6g/hrの供給速度で供給
した。また、タンク1にて溶液から分離した水は適宜抜
き出し、該タンク1の油層のみを連続蒸留塔2に供給し
た。
【0097】そして、これら連続蒸留塔2、蒸留塔4、
および精留塔5を、常圧で操作した。このとき、連続蒸
留塔2における還流比が5となるように、分離槽3から
連続蒸留塔2に返還される油層の返還量を操作した。ま
た、精留塔5は、還流比が7となるように操作した。
尚、蒸留塔4における還流比は、還流操作を行っていな
いので実質的に0である。
【0098】連続蒸留塔2、蒸留塔4、および精留塔5
のそれぞれの供給速度、留出速度、および缶出速度を、
各液の組成と共に、表4に示す。尚、分離槽3にて分離
された水層の単位時間当たりの分離量は 0.7g/hrであ
った。
【0099】
【表4】
【0100】上記の蒸留装置、即ち、本実施例にかかる
回収方法により連続的に回収されたエチレンスルフィド
の純度は99.6重量%であった。尚、主な不純物はトルエ
ンであった。
【0101】また、タンク1に供給したエチレンスルフ
ィドの原液中の供給量に対する、精留塔5から留出した
エチレンスルフィドの留出量の割合、つまり、エチレン
スルフィドの回収率は98.4重量%であった。
【0102】上記実施例1〜4の結果から明らかなよう
に、本実施例にかかる回収方法を行うことにより、エチ
レンスルフィドの重合反応を抑制することができ、該エ
チレンスルフィドを連続的、効率的かつ安定的に分離・
回収することができることがわかる。
【0103】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のエチレンスルフ
ィドの回収方法は、以上のように、エチレンスルフィド
と、エチレンスルフィドよりも沸点の高い疎水性有機化
合物と、該疎水性有機化合物よりも沸点の高い高沸点化
合物とを含み、かつ、水分を含有する溶液を、第一の蒸
留塔を用いて連続的に蒸留することによりエチレンスル
フィドを回収する方法であって、上記疎水性有機化合物
および水と共にエチレンスルフィドを留出させる方法で
ある。
【0104】また、本発明の請求項2記載のエチレンス
ルフィドの回収方法は、以上のように、第一の蒸留塔の
留出液を静置することにより、油層と水層とに分離させ
る方法である。
【0105】本発明の請求項3記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、上記油層の一部を第一
の蒸留塔の塔頂部に還流させる方法である。
【0106】本発明の請求項4記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、第一の蒸留塔の塔頂部
に該疎水性有機化合物と同一の疎水性有機化合物を連続
的に供給する方法である。
【0107】本発明の請求項5記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、上記油層を第二の蒸留
塔の塔頂部に供給しながら、還流操作を行わないで連続
的に蒸留し、エチレンスルフィドの一部と共に水を留出
させる一方、エチレンスルフィドと疎水性有機化合物と
の混合物を缶出させる方法である。
【0108】本発明の請求項6記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、第二の蒸留塔の缶出液
を、第三の蒸留塔を用いて蒸留し、エチレンスルフィド
を留出させる方法である。
【0109】本発明の請求項7記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、第一の蒸留塔に溶液を
連続的に供給するタンクに、原液である新しい溶液と、
第二の蒸留塔の留出液とを連続的に供給する方法であ
る。
【0110】本発明の請求項8記載のエチレンスルフィ
ドの回収方法は、以上のように、第一の蒸留塔に溶液を
連続的に供給するタンクに、原液である新しい溶液を連
続的に供給する一方、第一の蒸留塔の留出液を油層と水
層とに分離させる分離槽に、第二の蒸留塔の留出液を連
続的に供給する方法である。
【0111】これにより、エチレンスルフィドの重合反
応を抑制することができ、該エチレンスルフィドを連続
的、効率的かつ安定的に分離・回収することができると
いう効果を奏する。また、各種蒸留塔や配管等が閉塞す
ることを回避することができるという効果を併せて奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるエチレンスルフィド
の回収方法に好適に用いられる蒸留装置の概略の構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例におけるエチレンスルフィド
の回収方法に好適に用いられる他の蒸留装置の概略の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例におけるエチレンスルフィド
の回収方法に好適に用いられるさらに他の蒸留装置の概
略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 連続蒸留塔(第一の蒸留塔) 3 分離槽 4 蒸留塔(第二の蒸留塔) 5 精留塔(第三の蒸留塔) 6・7・8 凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 ▲隆▼一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内 (72)発明者 松本 行弘 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路製造所内 (72)発明者 梶原 輝久 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒プロセス開発研究所 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンスルフィドと、エチレンスルフィ
    ドよりも沸点の高い疎水性有機化合物と、該疎水性有機
    化合物よりも沸点の高い高沸点化合物とを含み、かつ、
    水分を含有する溶液を、第一の蒸留塔を用いて連続的に
    蒸留することによりエチレンスルフィドを回収する方法
    であって、 上記疎水性有機化合物および水と共にエチレンスルフィ
    ドを留出させることを特徴とするエチレンスルフィドの
    回収方法。
  2. 【請求項2】第一の蒸留塔の留出液を静置することによ
    り、油層と水層とに分離させることを特徴とする請求項
    1記載のエチレンスルフィドの回収方法。
  3. 【請求項3】上記油層の一部を第一の蒸留塔の塔頂部に
    還流させることを特徴とする請求項2記載のエチレンス
    ルフィドの回収方法。
  4. 【請求項4】第一の蒸留塔の塔頂部に、該疎水性有機化
    合物と同一の疎水性有機化合物を連続的に供給すること
    を特徴とする請求項1または2記載のエチレンスルフィ
    ドの回収方法。
  5. 【請求項5】上記油層を第二の蒸留塔の塔頂部に供給し
    ながら、還流操作を行わないで連続的に蒸留し、エチレ
    ンスルフィドの一部と共に水を留出させる一方、エチレ
    ンスルフィドと疎水性有機化合物との混合物を缶出させ
    ることを特徴とする請求項2、3または4記載のエチレ
    ンスルフィドの回収方法。
  6. 【請求項6】第二の蒸留塔の缶出液を第三の蒸留塔を用
    いて蒸留し、エチレンスルフィドを留出させることを特
    徴とする請求項5記載のエチレンスルフィドの回収方
    法。
  7. 【請求項7】第一の蒸留塔に溶液を連続的に供給するタ
    ンクに、原液である新しい溶液と、第二の蒸留塔の留出
    液とを連続的に供給することを特徴とする請求項5また
    は6記載のエチレンスルフィドの回収方法。
  8. 【請求項8】第一の蒸留塔に溶液を連続的に供給するタ
    ンクに、原液である新しい溶液を連続的に供給する一
    方、第一の蒸留塔の留出液を油層と水層とに分離させる
    分離槽に、第二の蒸留塔の留出液を連続的に供給するこ
    とを特徴とする請求項5または6記載のエチレンスルフ
    ィドの回収方法。
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