JPH08276889A - 補強板の隅肉溶接方法 - Google Patents

補強板の隅肉溶接方法

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JPH08276889A
JPH08276889A JP10474395A JP10474395A JPH08276889A JP H08276889 A JPH08276889 A JP H08276889A JP 10474395 A JP10474395 A JP 10474395A JP 10474395 A JP10474395 A JP 10474395A JP H08276889 A JPH08276889 A JP H08276889A
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reinforcing plate
welding
reinforced
fillet
long side
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JP10474395A
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Hiroshi Yamamoto
浩志 山本
Tetsuji Fukuoka
哲二 福岡
Yuji Hirozawa
雄二 広沢
Yasumitsu Tomita
康光 冨田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼構造物を構成する被補強部材に補強板を隅
肉溶接する際に角回し溶接を行う必要がない。 【構成】 被補強部材6の端面から離れた位置に、被補
強部材6と直角に補強板5を隅肉溶接する方法におい
て、被補強部材6と接する側の長辺と補強板5の端面側
の短辺とのなす角度(θ)が15°から60°の範囲内
になるように、補強板5の端部を直線的に切断し、そし
て、補強板5の最大長辺(L)の長さまで隅肉溶接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、補強板の隅肉溶接方
法、特に、鋼構造物を構成する被補強部材に補強板を隅
肉溶接する際に、角回し溶接を行う必要がない、補強板
の隅肉溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋼構造物である船舶に、船底、
船側外板、隔壁および甲板等が、船体に複雑に作用する
荷重によって座屈するのを防止するために、これらに多
数の防撓材が補強板として隅肉溶接されている。
【0003】従来の、補強板の隅肉溶接方法を図面を参
照しながら説明する。図12は、従来補強板を示す部分
正面図、図13は、従来補強板を被補強部材に隅肉溶接
した場合の部分斜視図、図14は、従来補強板を被補強
部材に隅肉溶接した場合の部分平面図である。
【0004】図12に示すような、長方形状の補強板1
を、被補強部材2の端部から離れた位置に隅肉溶接する
には、図13および図14に示すように、補強板1の長
辺に沿って隅肉溶接を行って長辺側溶接ビード3A、3
Bを形成し、そして、補強板1の端面1Aの隅肉溶接を
行って端面側溶接ビード4を形成していた。なお、以
下、補強板1を、被補強部材2の端部から離れた位置に
隅肉溶接することをスニップエンド溶接といい、そし
て、補強板1の端面1Aの隅肉溶接を、角回し溶接とい
う。
【0005】上述したようにして、補強板1を被補強部
材2上にスニップエンド溶接する場合において、補強板
1の長辺側の隅肉溶接は、自動溶接機あるいは半自動溶
接機によって行えるが、端面の角回し溶接は、これらの
溶接機による自動溶接が行いにくい。この理由は、角回
し溶接を行うには、補強板1の端面1Aと被補強部材2
とによって形成される角部に沿って溶接トーチを回す必
要があり、これを行うには、煩雑な溶接トーチ位置およ
び溶接条件の制御を行う必要があるからである。従っ
て、補強板1の角回し溶接は、手溶接により行われてい
る場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た、手溶接による補強板の角回し溶接は、溶接作業に熟
練を要することから、溶接品質が溶接作業者の技量に左
右されていた。従って、補強板の角回し溶接箇所には、
溶接欠陥が生じやすく、手直し作業の発生頻度が高いの
が現状であった。
【0007】しかも、船舶の場合、スニップエンド溶接
される補強板として、例えば、防撓材を例にとると、防
撓材の使用量は、船殼総重量の約30%にも及ぶので角
回し溶接量は膨大な量となっていた。従って、補強板の
角回し溶接を不要にすることができれば、その効果は絶
大であることから、角回し溶接の省略化は、造船業界の
急務であった。
【0008】そこで、本願発明者等は、補強板の角回し
溶接の省略化を図るため、様々な調査を重ねた。この結
果、以下のような知見を得た。
【0009】補強板1を長辺方向に隅肉溶接する場合、
補強板1の長辺方向端部の溶融金属が補強板1の端面1
A側に十分に流れ込めば、端面側溶接ビード4が形成さ
れるので角回し溶接を行う必要がなくなる。しかし、従
来の防撓材等の補強板1の端部は、図12に示すよう
に、端部全長に亘って直角に切断されているか、一部斜
めに切断されている場合であっても、前記端部の直角部
1Bの長さ(Hs)は、溶接ビード高さ(Hw)を超え
ていた。従って、補強板1の角回し溶接を行わずに、溶
接ビードの十分な流れ込みと良好な溶接ビードを安定し
て得ることは困難であった。
【0010】そこで、様々な調査を重ねた結果、補強板
1の端面1A側への溶融金属の流れ込み量を多くし、且
つ、良好な溶接ビードを安定して得るためには、補強板
1の端部を所定角度範囲内で斜めに切断するか、また
は、補強板1の端部を所定角度範囲内で斜めに切断する
と共に、補強板1の、前記端部に直角部を形成し、この
直角部の長さ(Hs)を溶接ビード高さ(Hw)以下に
限定すれば、上述した問題点を解決することができると
いった知見を得た。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した知
見に基づきなされたものであって、請求項1に記載され
た発明は、被補強部材の端部から離れた位置に、前記被
補強部材と直角に補強板を隅肉溶接する方法において、
前記被補強部材と接する側の長辺と前記補強板の端部側
の短辺とのなす角度(θ)が15°から60°の範囲内
になるように、前記補強板の前記端部を斜めに切断し、
そして、前記補強板の前記長辺の最大長さを超えて隅肉
溶接することに特徴を有するものである。
【0012】請求項2に記載された発明は、被補強部材
の端部から離れた位置に、前記被補強部材と直角に補強
板を隅肉溶接する方法において、前記被補強部材と接す
る側の長辺と前記補強板の端部側の短辺とのなす角度
(θ)が120°から165°の範囲内になるように、
前記補強板の前記端部を斜めに切断し、そして、前記補
強板の前記長辺の最大長さを超えて隅肉溶接することに
特徴を有するものである。
【0013】請求項3に記載された発明は、前記補強板
の端部に直角部を形成し、このときの直角部の長さ(H
s)は、溶接ビード高さ(Hw)以下に限定することに
特徴を有するものである。
【0014】請求項4に記載された発明は、斜めに切断
する前記補強板の前記端部を、曲線状に切断することに
特徴を有するものである。
【0015】
【作用】被補強部材と接する側の長辺と前記補強板の端
部側の短辺とのなす角度(θ)が15°から60°の範
囲内になるように、前記補強板の端部を斜めに切断し、
そして、前記補強板の前記長辺の最大長さを超えて隅肉
溶接すれば、溶融金属が補強板の端面側に十分に回り込
んで、補強板の端面側に良好な溶接ビードを安定して得
ることができ、この結果、角回し溶接が不要となる。
【0016】この場合、角度(θ)が15°未満か60
°を超えると、溶接欠陥が生じて溶接ビードが不安定に
なったり、補強板の端面側に回り込む溶融金属量が不足
する傾向が高まる。従って、角度(θ)は、15°から
60°の範囲内に限定すべきである。
【0017】角度(θ)が120°から165°の範囲
内であっても、溶融金属が補強板の端面側に十分に回り
込んで、補強板の端面側に良好な溶接形成を安定して得
ることが可能となり、この場合にも、角回し溶接が不要
となる。
【0018】この場合、角度(θ)が120°未満か1
65°を超えると、溶接欠陥が生じて溶接ビードが不安
定になったり、補強板の端面側に回り込む溶融金属量が
不足する傾向が高まる。従って、角度(θ)は、15°
から60°の範囲内に限定すべきである。
【0019】補強板端部は、直線に切断しても、曲線
状、例えば、円弧状に切断してもよい。この場合、角度
(θ)は、接線の角度であり、この形状は、直線状に切
断した場合に比べて、補強板の端面における断面2次モ
ーメントの減少率が少なくなるといった強度上の利点を
有する。
【0020】補強板の端部に直角部を形成してもよい。
このときの直角部の長さ(Hs)は、溶接ビード高さ
(Hw)以下に限定する。この場合にも、上述した場合
と同様な効果が得られる。
【0021】
【実施例】次に、この発明の、補強板の隅肉溶接方法
を、実施例によって図面を参照しながら更に詳細に説明
する。
【0022】図1は、この発明の、補強板の隅肉溶接方
法に使用する補強板を示す部分正面図、図2は、この発
明に従って、補強板を被補強部材に隅肉溶接した場合の
部分斜視図、図3は、この発明に従って、補強板を被補
強部材に隅肉溶接した場合の部分平面図である。
【0023】図1から図3において、5は、船底、船側
外板、隔壁および甲板等の被補強部材6上にスニップエ
ンド溶接される、防撓材等の補強板である。補強板5
の、被補強部材6と接する側の長辺と補強板5の端面5
A側の短辺とのなす角度(θ)は、15°から60°の
範囲内にある。
【0024】この発明の方法に従って、補強板5を被補
強部材6上にスニップエンド溶接するには、図2および
図3に示すように、補強板5の長辺側を最大長辺(L)
の長さを超えて隅肉溶接する。これによって、補強板5
の長辺側には、長辺側溶接ビード7A、7Bが形成され
る。しかも、補強板5の端面5Aが所定角度で傾斜して
いることから、溶融金属が補強板5の端面5A側に十分
に回り込み、且つ、良好な形状の溶接ビード8が形成さ
れる。従って、補強板5の角回し溶接が不要となる。
【0025】補強板5の角度(θ)は、図4に示すよう
に、端部を通る接線(l)と被補強部材6と接する側の
補強板5の長辺とのなす角度であってもよい。即ち、補
強板5の被補強部材6側端部を、前記接線(l)と前記
長辺とのなす角度(θ)が15°から60°の範囲内に
なるように、曲線状、例えば、円弧状に切断してもよ
い。この場合には、補強板5の端面5Aにおける断面2
次モーメントの減少率が直線状に切断する場合に比べて
少なくなる。
【0026】補強板の端部に、図5に示すように、角度
(θ)を上述した角度範囲内に維持した状態で、直角部
5Bを形成してもよい。直角部5Bの長さ(Hs)は、
溶接ビード高さ(Hw)以下に限定する。この場合に
も、上述した場合と同様な効果がもたらされる。
【0027】補強板5の角度(θ)は、図6から図8に
示すように、120°から165°の範囲内であっても
よい。この場合においても、溶融金属が補強板5の端面
5A側に十分に回り込んで、補強板5の端面側に良好な
溶接ビードを形成することが可能となる。この場合に
は、補強板5の長辺側の隅肉溶接は、補強板5の最大長
辺(L)の長さまで行う。
【0028】この場合も、補強板5の角度(θ)は、図
9に示すように、端部を通る接線(l)と被補強部材6
と接する側の補強板5の長辺とのなす角度であってもよ
い。即ち、補強板5の被補強部材6側の端部を、前記接
線(l)と前記長辺とのなす角度(θ)が120°から
165°の範囲内になるように、曲線状、例えば、円弧
状に切断してもよい。これによって、補強板5の端面5
Aにおける断面2次モーメントの減少率が直線状に切断
する場合に比べて少なくなる。
【0029】以上は、船底、船側外板、隔壁および甲板
等の被補強部材上に、防撓材等の補強板をスニップエン
ド溶接する例であるが、この発明は、図10に示すよう
に、船体構造におけるトランス材9のトランスウェブ9
Aとフェイス9Bとの間に溶接されたトリッピングブラ
ケット10とロンジ材11との取合い部(図中、Aで示
す)、トリッピングブラケット10とトランス材9のフ
ランジ9Bとの取合い部(図中、Bで示す)、および、
トリッピングブラケット10と防撓材12との取合い部
(図中、Cで示す)等にも適用することが可能である。
【0030】この他、この発明は、図11に示すよう
に、船体構造におけるロンジバルクヘッド13とトラン
ス材14のウェブ14Aとの取合い部(図中、Aで示
す)等にも適用することが可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、被補強部材と接する側の長辺と補強板の端面側の短
辺とのなす角度(θ)が15°から60°、あるいは、
120°から165°の範囲内において補強板の端部を
斜めに切断するか、あるいは、この角度範囲を維持した
状態で補強板の端部に直角部を形成し、このときの直角
部の長さ(Hs)を溶接ビード高さ(Hw)以下に限定
し、そして、補強板の最大長辺長さを超えて隅肉溶接す
ることによって、溶融金属を補強板の端面側に十分に回
り込ませることができる。従って、補強板の端面側に良
好な溶接ビードを形成することができるので、補強板の
角回し溶接が不要になるといった有用な効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の、補強板の隅肉溶接方法に使
用する補強板を示す部分正面図である。
【図2】請求項1の発明に従って、補強板を被補強部材
に隅肉溶接した場合の部分斜視図である。
【図3】請求項1の発明に従って、補強板を被補強部材
に隅肉溶接した場合の部分平面図である。
【図4】端部が円弧状に切断された補強板を示す部分正
面図である。
【図5】端部に直線部が形成された補強板を示す部分正
面図である。
【図6】請求項2の発明の、補強板の隅肉溶接方法に使
用する補強板を示す部分正面図である。
【図7】請求項2の発明に従って、補強板を被補強部材
に隅肉溶接した場合の部分斜視図である。
【図8】請求項2の発明に従って、補強板を被補強部材
に隅肉溶接した場合の部分平面図である。
【図9】端部が円弧状に切断された別の補強板を示す部
分正面図である。
【図10】この発明を防撓材以外の補強板の隅肉溶接に
適用した場合の斜視図である。
【図11】この発明を防撓材以外の補強板の隅肉溶接に
適用した場合の別の斜視図である。
【図12】従来補強板を示す部分正面図である。
【図13】従来補強板を被補強部材に隅肉溶接した場合
の部分斜視図である。
【図14】従来補強板を被補強部材に隅肉溶接した場合
の部分平面図である。
【符号の説明】
1 補強板 1A 補強板1の端面 2 被補強部材 3A 長辺側溶接ビード 3B 長辺側溶接ビード 4 端面側溶接ビード 5 この発明における補強板 5A 補強板5の端面 5B 補強板5の直線部 6 被補強部材 7A 長辺側溶接ビード 7B 長辺側溶接ビード 8 端面側溶接ビード 9 トランス材 9A トランスウェブ 9B フェイス 10 トリッピングブラケット 11 ロンジ材 12 防撓材 13 ロンジバルクヘッド 14 トランス材 14A トランスウェブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 哲二 千葉県市原市八幡海岸通り1番地 三井造 船株式会社内 (72)発明者 広沢 雄二 千葉県市原市八幡海岸通り1番地 三井造 船株式会社内 (72)発明者 冨田 康光 兵庫県西宮市南昭和町7−28−516

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被補強部材の端部から離れた位置に、前
    記被補強部材と直角に補強板を隅肉溶接する方法におい
    て、 前記被補強部材と接する側の長辺と前記補強板の端部側
    の短辺とのなす角度(θ)が15°から60°の範囲内
    になるように、前記補強板の前記端部を斜めに切断し、
    そして、前記補強板の前記長辺の最大長さを超えて隅肉
    溶接することを特徴とする、補強板の隅肉溶接方法。
  2. 【請求項2】 被補強部材の端部から離れた位置に、前
    記被補強部材と直角に補強板を隅肉溶接する方法におい
    て、 前記被補強部材と接する側の長辺と前記補強板の端部側
    の短辺とのなす角度(θ)が120°から165°の範
    囲内になるように、前記補強板の前記端部を斜めに切断
    し、そして、前記補強板の前記長辺の最大長さを超えて
    隅肉溶接することを特徴とする、補強板の隅肉溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記補強板の端部に直角部を形成し、こ
    のときの直角部の長さ(Hs)を溶接ビード高さ(H
    w)以下に限定することを特徴とする、請求項1または
    2記載の、補強板の隅肉溶接方法。
  4. 【請求項4】 斜めに切断する前記補強板の前記端部
    を、曲線状に切断することを特徴とする、請求項1から
    3の何れか一つに記載された隅肉溶接方法。
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